トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 固液分離装置
【発明者】 【氏名】富田 英夫

【氏名】粉川 勝蔵

【氏名】肆矢 規夫

【要約】 【課題】脱水性能の向上と低コスト化を図った固液分離装置を提供すること。

【解決手段】複数のリング体21を所定の間隙を設けて水平に積層して一体化した逆円錐状のストレーナ25と、ストレーナ25の下端を覆って一体化した底面26と、ストレーナ25と底面26を回転自在に内蔵する容器29と、出口32と、入口33と、排出口34と、リング体21に付着する固形物を掻き取るスクレーパ35とを備えたものである。これによって、固形物Aに付着した水分が遠心力によりストレーナ25の間隙を通過し、出口32から排水され脱水性能の向上が図れる。また、脱水された固形物はストレーナ25の上端から遠心方向へ飛散し、排出口34から排出される。また、スクレーパ35はリング体21に付着する固形物を掻き取り、常にストレーナの間隙を確保する。他方、リング体21の形状から、スクレーパ形成の低コスト化が図れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方から上方に行くにしたがって内径が徐々に大きくなる複数のリング体を、所定の間隙を設けて水平に積層して一体化することにより形成された逆円錐状のストレーナと、前記ストレーナの下端を覆ってストレーナと一体化した底面と、前記ストレーナと前記底面を回転自在に、かつ天井と間隙を有して内蔵する容器と、前記容器の下部に設けストレーナの間隙を通過した液体を排水する出口と、前記容器の上方に開口した固液を流入する入口と、前記ストレーナ上端の遠心方向に対応し前記容器の側壁面に開口した排出口と、前記ストレーナのリング体間の各間隙に先端が位置しリング体に付着する固形物を掻き取るスクレーパとを備えた固液分離装置。
【請求項2】
ストレーナは、その上端に容器の内壁面側へ突出したスクレーパを設けた請求項1に記載の固液分離装置。
【請求項3】
容器は、ストレーナの上端より上部側壁面を外側に突出して案内部を形成した請求項2に記載の固液分離装置。
【請求項4】
リング体に付着する固形物を掻き取るスクレーパは、ストレーナの外側から内側へ向けて設けた請求項1に記載の固液分離装置。
【請求項5】
各リング体はその内側に突起部を突出形成し、この各リング体の突起部を間隙設定部で保持してストレーナを形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の固液分離装置。
【請求項6】
間隙設定部は各リング体と底面とを連結して一体化するとともに底面は駆動手段により回転駆動される回転軸に連結した請求項5に記載の固液分離装置。
【請求項7】
出口は、容器の下部側壁面に開口し、ストレーナは間欠回転するようにした請求項1に記載の固液分離装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、破砕された生ごみなどの固形物が混ざった固液を固形物と液体とに分離する固液分離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の固液分離装置は、台所などで発生する生ごみを水道水と共に粉砕し、脱水する生ごみ処理装置に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この固液分離装置は、図3に示すように、外形に所定角度間隔で突出した突出部1を設け、加えて内形に回転軸2に連結する連結体3を設けた複数の円形リング体4を、間隙を有して軸方向に複数積層構成した円筒状のストレーナ5と、ストレーナ5より大きい略円筒状の空間を横になるよに形成し、かつストレーナ5を回転自在になるように内蔵した容器6と、ストレーナ5の外側に位置し容器6に開口した固液を流入する入口7と、ストレーナ5の内側に開口しストレーナ5の間隙を通過した液体を排水する出口8と、ストレーナ5の各間隙に先端が進入して円形リング体4に付着する固形物を掻き取るスクレーパ9と、容器6に開口したスクレーパ9で掻き取った固形物を外へ排出する取出口10とを備えている。
【0004】
前記固液分離装置は、まず粉砕機(図示せず)が投入された生ごみと水道水を粉砕し、次に混合した固液が入口7から容器6に流入する。そして、駆動部(図示せず)によりストレーナ5が回転して、突出部1が固形物(粉砕された生ごみ)を掻き揚げている。その後、突出部1に乗っかった固形物や円形リング体4の側面に付着した固形物はスクレーパ9によりストレーナ5から剥離して取出口10から乾燥やバイオの処理手段(図示せず)に排出される。一方、液体(水道水や生ごみの汁など)はストレーナ5の間隙を通過して出口8から排水されるものである。
【特許文献1】特許第3600474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、突出部1に掻き揚げられた固形物に付着した水分は、自重によりストレーナ5を構成する複数の円形リング体4間の間隙を通過して出口8から排水される。すなわち、自重による脱水作用は、液の表面張力が作用し脱水性能に影響するものであった。この結果、大量の水分を含んだ固形物が処理手段に排出されるので、処理手段は大きな処理能力が必要になる。また、突出部1に乗っかった固形物は局所的な固まりになるので、内部の水分が抜けにくく、これまた脱水性能に影響するものであった。他方、突出部1を設けた円形リング体4を、金属平板を打ち抜いて形成する場合、金属平板の利用度上に課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、脱水性能の向上と低コスト化を図った固液分離装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の固液分離装置は、下方から上方に行くにしたがって内径が徐々に大きくなる複数のリング体を、所定の間隙を設けて水平に積層して一体化することにより形成された逆円錐状のストレーナと、前記ストレーナの下端を覆ってストレーナと一体化した底面と、前記ストレーナと前記底面を回転自在に、かつ天井と間隙を有して内蔵する容器と、前記容器の下部に設けストレーナの間隙を通過した液体を排水する出口と、前記容器の上方に開口した固液を流入する入口と、前記ストレーナ上端の遠心方向に対応し前記容器の側壁面に開口した排出口と、前記ストレーナのリング体間の各間隙に先端が位置しリング体に付着する固形物を掻き取るスクレーパとを備えたものである。
【0008】
これによって、ストレーナの回転により底面の固形物(粉砕された生ごみ)は、遠心力によりストレーナの逆円錐状の内面に沿って上方へ流れる際に、固形物に付着した水分(水道水や生ごみの汁など)が遠心力によりストレーナの間隙を通過し、出口から排水され脱水性能の向上が図れる。また、脱水された固形物はストレーナの上端から遠心方向へ飛散し、排出口から排出される。また、スクレーパはリング体に付着する固形物を掻き取り、常にストレーナの間隙を確保する。他方、リング体は外側に向かって突起部を形成していない分、金属平板を打ち抜いて形成する場合、リング体がコンパクトになり、金属平板の利用度が向上し、スクレーパ形成の低コスト化が図れるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の固液分離装置は、固形物から脱水性能の向上と、スクレーパ形成の低コスト化が図れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、下方から上方に行くにしたがって内径が徐々に大きくなる複数のリング体を、所定の間隙を設けて水平に積層して一体化することにより形成された逆円錐状のストレーナと、前記ストレーナの下端を覆ってストレーナと一体化した底面と、前記ストレーナと前記底面を回転自在に、かつ天井と間隙を有して内蔵する容器と、前記容器の下部に設けストレーナの間隙を通過した液体を排水する出口と、前記容器の上方に開口した固液を流入する入口と、前記ストレーナ上端の遠心方向に対応し前記容器の側壁面に開口した排出口と、前記ストレーナのリング体間の各間隙に先端が位置しリング体に付着する固形物を掻き取るスクレーパとを備えた固液分離装置とするものである。これによって、ストレーナの回転により底面の固形物(粉砕された生ごみ)は、遠心力によりストレーナの逆円錐状の内面に沿って上方へ流れる際に、固形物に付着した水分(水道水や生ごみの汁など)が遠心力によりストレーナの間隙を通過し、出口から排水され脱水性能の向上が図れる。また、脱水された固形物はストレーナの上端から遠心方向へ飛散し、排出口から排出される。また、スクレーパはリング体に付着する固形物を掻き取り、常にストレーナの間隙を確保する。他方、リング体は外側に向かって突起部を形成していない分、金属平板を打ち抜いて形成する場合、リング体がコンパクトになり、金属平板の利用度が向上し、スクレーパ形成の低コスト化が図れるものである。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明において、ストレーナは、その上端に容器の内壁面側へ突出したスクレーパを設けたことにより、ストレーナの上端から遠心方向へ飛散し、容器の上部内壁面に衝突した固形物をスクレーパが掻き取る。この結果、脱水された固形物は容器内に残ることなく、排出口から排出される。
【0012】
第3の発明は、特に、第2の発明において、容器は、ストレーナの上端より上部側壁面を外側に突出して案内部を形成したことにより、ストレーナの上端から遠心方向へ飛散し、容器の上部内壁面に衝突した固形物は容器の案内部に溜まる。この結果、溜まった固形物はスクレーパにより容器内に残ることなく、排出口から排出できる。
【0013】
第4の発明は、特に、第1の発明において、リング体に付着する固形物を掻き取るスクレーパは、ストレーナの外側から内側へ向けて設けたことにより、固形物の遠心脱水時にスクレーパは何ら障害とならず、しかもリング体に付着する固形物を確実に掻き取ることができる。この結果、常にストレーナの間隙を確保でき、脱水作用が継続する。
【0014】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、各リング体はその内側に突起部を突出形成し、この各リング体の突起部を間隙設定部で保持してストレーナを形成したことにより、ストレーナが簡易に構成されるとともに所定の間隙が確保されスクレーパによる固形物の掻き取りを確実に行うことができる。
【0015】
第6の発明は、特に、第5の発明において、間隙設定部は各リング体と底面とを連結して一体化するとともに底面は駆動手段により回転駆動される回転軸に連結したことにより、回転軸の駆動によりストレーナを回転駆動することができる。
【0016】
第7の発明は、特に、第1の発明において、出口は、容器の下部側壁面に開口し、ストレーナは間欠回転するようにしたことにより、固形物に付着した水分(水道水や生ごみの汁など)が遠心力によりストレーナの間隙を通過し、容器の下部に溜まり、ストレーナの下部や底面が水没する。そして、ストレーナが間欠回転することにより、容器の下部に溜まった水を攪拌するので、ストレーナが水に濡れることになり、残った固形物が乾燥してリング体に付着することを防止できる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態)
図1、図2は、本発明の実施の形態における固液分離装置を示すものである。
【0019】
図に示すように、本実施の形態における固液分離装置は、下方から上方に行くにしたがって内径が徐々に大きくなる複数のリング体21を、所定の間隙を設けて水平に積層して一体化することにより形成された逆円錐状のストレーナ25と、ストレーナ25の下端を覆ってストレーナ25と一体化した底面26と、ストレーナ25と底面26を回転自在に、かつ天井と間隙を有して内蔵する容器29と、容器29の下部に設けストレーナ25の間隙を通過した液体を排水する出口32と、容器29の上方に開口し粉砕機(図示せず)により生ごみと水道水が粉砕されて混合した固液が流入する入口33と、ストレーナ25上端の遠心方向に対応し容器29の側壁面に開口した排出口34と、ストレーナ25のリング体21間の各間隙に先端が位置しリング体21に付着する固形物を掻き取るスクレーパ35とを備えたものである。
【0020】
複数のリング体21は、その内側3ケ所に突起部22を突出形成し、この各リング体の突起部22を3ケ所の間隙設定部23で保持してストレーナ25を一体化形成したものである。なお、間隙設定部23には突起部22が所定の間隙(例えば0.5mm)を有して差し込むようにスリット24を設けている。また、間隙設定部23は各リング体21とストレーナ25の下端と間隙を有して覆う底面26とを連結して一体化するとともに底面26は駆動手段28により回転駆動される回転軸27に連結している。
【0021】
また、ストレーナ25は、その上端に容器29の内壁面側へ突出した羽根形状のスクレーパ31を3ケ所設けている。
【0022】
また、容器29は、ストレーナ25の上端より上部側壁面を外側に突出して案内部30を形成しており、ここに羽根形状のスクレーパ31が位置している。
【0023】
また、リング体21に付着する固形物を掻き取るスクレーパ35は、ストレーナ25の外側から内側へ向けて設けているものである。すなわち、スクレーパ35はストレーナ25の外側からストレーナ25の各間隙に先端が進入し、リング体21に付着する固形物を掻き取るものであり、先端がストレーナ25の内部に僅かに入った位置(リング体21の内面と間隙設定部23との間隙)まで伸びている。
【0024】
また、出口32は、容器29の下部側壁面に開口し、ストレーナ25の回転は間欠回転するようにしている。
【0025】
以上のように構成された固液分離装置において、その動作を説明する。
【0026】
まず、生ごみが粉砕機に投入され、かつ水道水が流し込まれると、制御部(図示せず)が破砕機と駆動手段28の駆動を開始する。破砕機が生ごみを粉砕し、水道水と混合して固液を形成し、この固液が入口33から容器29に流入して底面26に落ちる。また、駆動手段28の動力が回転軸27を回転させ、かつ底面26および間隙設定部23を介してストレーナ25を回転させる。そして、回転する底面26に在る固形物A(粉砕された生ごみ)は遠心力によりストレーナ25の逆円錐状の内面に沿って上方へ移動する。
【0027】
その際に、固形物に付着した水分(水道水や生ごみの汁など)が遠心力によりストレーナ25の間隙を通過し、容器29の下部内壁面に衝突後、出口32から排水される。この結果、固形物Aは十分に脱水できる。続いて、脱水しながらストレーナ25の上端に到着した固形物は遠心方向へ飛散し、容器29の上部内壁面に衝突した固形物Aは容器29の上部内壁面と案内部30とに溜まる。そして、羽根形状のスクレーパ31が溜まった固形物を掻き取り、その後、掻き取られた固形物は排出口34から排出される。
【0028】
また、スクレーパ35はストレーナ25の間隙に全て位置しているので、リング体21に付着する固形物を掻き取り、その後掻き取られた固形物は出口32または排出口34から排出される。この結果、常にストレーナ25の間隙を確保でき、脱水作用が継続する。すなわち、これら羽根形状のスクレーパ31とスクレーパ35の掻き取り作用により、固形物はほとんど容器29内に残らない。他方、間隙設定部23がリング体21の内側に設けられているので、間隙設定部23とスクレーパ35との衝突が回避できる。
【0029】
他方、容器29、かつ出口32より下方にストレーナ25により分離された水分が溜まり、ストレーナ25の下部や底面26が水没する。そして、制御部がストレーナ25を間欠回転(例えば、15分間隔で15秒程度回転)させて容器29の下部に溜まった水を攪拌するので、ストレーナ25が水に濡れて、残った固形物が乾燥してリング体21に付着することを防止できる。
【0030】
なお、リング体21から外側に向かって突起部を形成していない分、さらに下方のリング体21ほど外径が小さいので、リング体21がコンパクトになり、金属平板の利用度が向上し、スクレーパ形成の低コスト化が図れるものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明の固液分離装置は、固形物から脱水性能の向上と、スクレーパ形成の低コスト化が図れるものであるので、生ごみ処理装置などとの組み合わせで使用することができるとともに、単独使用にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態における固液分離装置の縦盤面図
【図2】同固液分離装置の平断面図
【図3】従来の固液分離装置の縦盤面図
【符号の説明】
【0033】
21 リング体
22 突起部
23 間隙設定部
25 ストレーナ
26 底面
27 回転軸
29 容器
30 案内部
31、35 スクレーパ
32 出口
33 入口
34 排出口
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成19年3月16日(2007.3.16)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−229410(P2008−229410A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−68390(P2007−68390)