トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 遠心分離機
【発明者】 【氏名】藤巻 貴弘

【要約】 【課題】誤設定を予防することができる視認性及び信頼性に優れたシンプルなパネル部を有する遠心分離機を提供すること。

【解決手段】遠心分離する試料を収容するロータと、該ロータの回転速度又は遠心加速度の設定や現在の運転状態の表示を行う操作パネル部7を備え、該操作パネル部7の数値表示部7aの1つは回転速度又は遠心加速度を切り換えて表示する第1の切換手段と、該数値表示部に表示する文字の色を異なる複数色の中から少なくとも2色以上を切り換えて表示可能な第2の切換手段とを有する遠心分離機において、前記数値表示部7aに表示する数値が回転速度の場合と遠心加速度の場合とで該数値表示部7aを異なる文字色で表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離する試料を収容するロータと、該ロータの回転速度又は遠心加速度の設定や現在の運転状態の表示を行う操作パネル部を備え、該操作パネル部の数値表示部の1つは回転速度又は遠心加速度を切り換えて表示する第1の切換手段と、該数値表示部に表示する文字の色を異なる複数色の中から少なくとも2色以上を切り換えて表示可能な第2の切換手段とを有する遠心分離機において、
前記数値表示部に表示する数値が回転速度の場合と遠心加速度の場合とで該数値表示部を異なる文字色で表示するようにしたことを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記数値表示部に表示される数値が回転速度又は遠心加速度の何れであるかを判別する指示器を該数値表示部とは別に設けたことを特徴とする請求項1記載の遠心分離機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、運転条件として回転速度或いは遠心加速度を入力して試料の分離を行う遠心分離機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機は、分離すべき試料を収容した容器を高速回転させることによって発生する遠心力を利用して使用者が望む成分を抽出する装置であるため、運転条件として遠心加速度(以下、「RCF」と称する)の設定は重要である。
【0003】
ここで、RCF(×g)は、回転半径r(mm)と回転速度N(rpm)から、
RCF=1.118×10-6×r×N2 … (1)
によって計算される。
【0004】
従って、遠心分離機を用いて試料の分離を行う際の運転条件の設定は、RCFの値を直接入力して遠心分離機を運転することが操作上使い勝手が良いが、遠心分離機の制御装置はモータ制御が主であるために、入力されたRCFの値からモータの回転速度を事前に算出する必要がある。例えば、回転半径rが異なる複数のロータを交換可能な遠心分離機では、回転半径rを事前に識別するロータ識別手段が必要となり、制御装置が複雑で高価なものとなっている。
【0005】
又、ロータ識別手段を実装していない遠心分離機では、RCFを直接入力して運転できるのは使用頻度の高いロータのみで、これは、予めプログラムにより回転半径を固定値として計算しているためであり、この場合は取扱説明書に明記される。もし、使用頻度の高いロータと異なる回転半径を有するロータを運転する場合には、運転するロータの回転半径rから下式(2)によって回転速度Nに換算し、使用者が望むRCF値となるような回転速度Nを設定値として入力する必要がある。
【0006】
N=√(RCF/(1.118×10-6×r)) … (2)
このように回転速度とRCFの2通りの運転条件を入力して運転するためには、それぞれ別々の表示部を備えることが望ましいが、操作パネルを安価でシンプルにするため、1つの表示部に回転速度或いはRCF値を切り換えて表示できるようにすると同時に、現在の表示値が回転速度なのかRCF値なのかを判別することができる指示器を備えた遠心分離機がある。
【特許文献1】特開2002−306990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した1つの数値表示部に回転速度或いはRCF値を切り換えて表示すると同時に、現在の表示値が回転速度なのかRCF値なのかを判別することができる指示器を備えた遠心分離機においては、使用者が遠心分離機の運転に慣れてくると、入力する数値のみに注意が集中し、指示器の表示を見逃してしまい、例えば、回転速度入力状態であるのにRCF値を入力したり、RCF入力状態であるのに回転速度を入力するといった誤設定をしてしまう可能性がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、誤設定を予防することができる視認性及び信頼性に優れたシンプルなパネル部を有する遠心分離機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、遠心分離する試料を収容するロータと、該ロータの回転速度又は遠心加速度の設定や現在の運転状態の表示を行う操作パネル部を備え、該操作パネル部の数値表示部の1つは回転速度又は遠心加速度を切り換えて表示する第1の切換手段と、該数値表示部に表示する文字の色を異なる複数色の中から少なくとも2色以上を切り換えて表示可能な第2の切換手段とを有する遠心分離機において、前記数値表示部に表示する数値が回転速度の場合と遠心加速度の場合とで該数値表示部を異なる文字色で表示するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記数値表示部に表示される数値が回転速度又は遠心加速度の何れであるかを判別する指示器を該数値表示部とは別に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転速度又は遠心加速度を1つの表示部で切り換えて表示する操作パネル部を有した遠心分離機において、回転速度を表示する場合と遠心加速度を表示する場合に表示部の文字色を変更することによって使用者がどちらの入力状態かを明瞭に認識することができるため、誤設定を防ぐことができ、操作性及び視認性に優れたシンプルなパネル部を有する遠心分離機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明に係る遠心分離機の概略構成図、図2は同遠心分離機の操作パネル部の外観図である。
【0014】
図1に示す遠心分離機1は、試料容器であるチューブ4を収容可能なロータ3と、該ロータ3を所定の速度で回転駆動する駆動源としてのモータ5と、ロータ3を収容する回転室2と、該回転室2の開口上部を閉塞或いは開放するためのドア8と、該ドア8に設けられたドアフックに係合可能な不図示のドアロック装置と、前記モータ5等を収容する筐体上面部に設けられた操作パネル部7と、該操作パネル部7及びモータ5を制御するための制御装置6とを備えている。
【0015】
上記構成を有する遠心分離機1において、ロータ3の回転中は、ドア8に設けられたドアフックにドアロック装置が係合し、ドア8を開けられないようにドアロック制御がなされている。又、ロータ3の回転停止中は、ドア8に設けられたドアフックからドアロック装置が離脱し、ドア8を開いて回転室2内からロータ3を取り出すことができるよう制御されている。
【0016】
次に、前記操作パネル部7の構成を図2に基づいて説明する。
【0017】
操作パネル部7は、運転状態又は設定値を表示する数値表示部7aと、該数値表示部7aに表示中の数値がRCF(遠心加速度)の場合に点灯する遠心加速度表示指示器7bと、運転条件を入力する設定スイッチ7c,7dと、運転を開始するSTARTスイッチ7eと、運転を中止するSTOPスイッチ7fと、数値表示部7aの表示値を回転速度又はRCF値に切り換えるSPEED/RCF切換スイッチ7gを有している。ここで、数値表示部7aは、表示する文字が異なる2色以上を切り換え可能な構成とする。例えば、カラー液晶や2色発光ダイオード等を用いて構成する。
【0018】
而して、例えば回転速度を設定して運転したい場合には、数値表示部7aに表示される数値の文字色が赤色だったとすると、前記SPEED/RCF切換スイッチ7gを押した場合には、数値表示部7aに表示される数値が回転速度からRCF値に切り換わると同時に、文字色も赤色以外、例えば緑色へと変化するように構成する。
【0019】
尚、数値表示部7aの文字の表示方法は、異なる2色によって認識する場合以外であっても良く、例えば、回転速度表示の場合は背景色が白色、文字色が黒色の組み合わせであるのに対し、RCF表示の場合は背景色が黒色、文字色が白色の組み合わせといったように背景色と文字色を入れ替えるだけでも良い。又、文字色を変更するのは設定値の変更中に限定してもしなくても同じ効果が期待できる。
【0020】
以上のように、本実施の形態によれば、数値表示部7aに回転速度或いはRCF(遠心加速度)のどちらの数値を表示しているかが一目瞭然となり、視認性に優れた操作パネル部7を遠心分離機1に設けることによって誤設定を防ぐことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る遠心分離機の概略構成図である。
【図2】本発明に係る遠心分離機の装置パネル部の外観図である。
【符号の説明】
【0022】
1 遠心分離機
2 回転室
3 ロータ
4 チューブ
5 モータ
6 制御装置
7 操作パネル部
7a 数値表示部
7b 遠心加速度表示指示器
7c,7d 設定スイッチ
7e RTARTスイッチ
7f STOPスイッチ
7g SPEED/RCF切換スイッチ
8 ドア
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成19年3月12日(2007.3.12)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−221103(P2008−221103A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−61705(P2007−61705)