トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 遠心分離機
【発明者】 【氏名】佐々木 一智

【氏名】戸丸 智

【要約】 【課題】運転状態を離れたところからでも目視で容易に確認でき、かつロータの回転状態を目視することができる安全性を確保した遠心分離機を提供する。

【解決手段】ロータ室が収容された筐体21と、その筐体21の上部に取り付けられてロータ室を開閉する蓋23と、筐体21の前面側に配置された操作パネル部24とを備えた遠心分離機において、蓋23に透明材よりなる窓31が設けられ、その窓31の内側に光源が配置され、窓31はロータ室を目視可能な透明部と、表面に凹凸加工が施されて光を拡散する拡散部とを有し、拡散部は蓋23の上面より突出されて光源の点灯により光る構成とされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ室が収容された筐体と、その筐体の上部に取り付けられて前記ロータ室を開閉する蓋と、前記筐体の前面側に配置された操作パネル部とを備えた遠心分離機において、
前記蓋に透明材よりなる窓が設けられ、
その窓の内側に光源が配置され、
前記窓は前記ロータ室を目視可能な透明部と、表面に凹凸加工が施されて光を拡散する拡散部とを有し、
前記拡散部は前記蓋の上面より突出されて、前記光源の点灯により光る構成とされていることを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
請求項1記載の遠心分離機において、
前記拡散部が前記透明部を囲んで前記窓の周縁部に形成されていることを特徴とする遠心分離機。
【請求項3】
請求項1記載の遠心分離機において、
前記窓の、前記光源と対向する内面に光拡散面が形成され、
前記光源の点灯により前記ロータ室が前記光拡散面で反射された光によって照明される構成とされていることを特徴とする遠心分離機。
【請求項4】
請求項1記載の遠心分離機において、
前記窓と対向して前記窓の内側に透明板が配置されていることを特徴とする遠心分離機。
【請求項5】
請求項4記載の遠心分離機において、
前記蓋は外蓋と内蓋とを有し、
前記外蓋に前記窓が取り付けられ、前記内蓋に前記透明板が取り付けられていることを特徴とする遠心分離機。
【請求項6】
請求項5記載の遠心分離機において、
前記窓と前記透明板との間に緩衝材が配置され、
その緩衝材によって囲まれた密閉空間が前記窓と前記透明板との間に形成されていることを特徴とする遠心分離機。
【請求項7】
請求項1記載の遠心分離機において、
前記光源は遠心分離機の状態に応じて点灯状態が変わることを特徴とする遠心分離機。
【請求項8】
請求項1記載の遠心分離機において、
前記光源は遠心分離機の状態に応じて点灯色が変わることを特徴とする遠心分離機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は遠心分離機に関し、特に運転状態(ロータの回転状態)の確認を容易に行える遠心分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機の使用においてはユーザ(使用者)は遠心分離機をある時間設定して運転する。運転開始後は通常、ユーザはその場を離れ、例えば他の仕事に従事するといったことが行われる。所定の時間が経過し、遠心分離機が停止したことをユーザに知らせる方法として、従来からブザーやランプを使用することが行われている。例えば、遠心分離機の運転が終了すると、ある一定時間ブザーを鳴らすことによって運転停止を知らせる。しかしながら、ブザーは他の装置の騒音などに掻き消され、聞こえない場合がある。このような場合にはランプを使用することが有効であり、ランプの点灯状態により遠くからでも目視で遠心分離機の運転状態を確認することができる。
【0003】
図6はこのようなランプを備えた遠心分離機の一例を示したものであり、図中、11はロータ室を収容した筐体を示し、12は筐体11の上部に取り付けられてロータ室を開閉する蓋を示す。また、13は操作パネル部を示す。この例では蓋12は横開きタイプとなっており、ランプ14は筐体11の背面側において筐体11の上に設けられた操作パネル部13の上に取り付けられている。
【0004】
これに対し、図7は蓋12が前後開きタイプとされた遠心分離機の一例を示したものであって、ランプ14はこの例では筐体11の背面側に突出して取り付けられている。ランプ14はその点灯色を変えたり、点灯状態を変えたりする(点灯、点滅)ことによって、例えば運転中、停止、エラー発生といった遠心分離機の各種状態を知らせることができる。
【0005】
一方、図8は特許文献1に記載されている遠心分離機を示したものであり、この例では蓋12の裏面に発光ダイオード(LED)15が取り付けられている。
【0006】
蓋12が前後開きタイプとされ、かつ操作パネル部13が筐体11の背面側に設けられている場合、図8に示したように蓋12が開いた状態では蓋12により操作パネル部13が見えなくなってしまい、操作パネル部13によって例えば通電状況を判別することができなくなってしまう。図8に示した遠心分離機はこの問題を解決するものであって、発光ダイオード15の点灯状態を見てユーザは通電状況を判別することができ、これにより例えば電源の消し忘れを防止することができるものとなっている。図中、16は筐体11内に収容されているロータ室を示す。
【特許文献1】特開2002−306988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したようなランプ14を具備する遠心分離機では、ランプ14は図6や図7に示したように、遠心分離機の上面や背面側に一般に大きく突出して取り付けられるため、人や物がランプ14に接触するといったことが生じ易く、ランプ14が破損したり、それにより怪我をする恐れがあるものとなっていた。
【0008】
また、図8に示した遠心分離機では蓋12が開いた状態での通電状況を発光ダイオード15により容易に確認することができるものの、蓋12が閉まっている状態では発光ダイオード15は見えず、よってそのような蓋12が閉まっている状態で遠くから遠心分離機の運転状態を容易に確認することはできないものとなっていた。
【0009】
この発明の目的はこのような問題に鑑み、遠心分離機の運転状態を離れたところからでも目視で確認でき、かつ安全性を確保した遠心分離機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明によれば、ロータ室が収容された筐体と、その筐体の上部に取り付けられてロータ室を開閉する蓋と、筐体の前面側に配置された操作パネル部とを備えた遠心分離機において、蓋に透明材よりなる窓が設けられ、その窓の内側に光源が配置され、窓はロータ室を目視可能な透明部と、表面に凹凸加工が施されて光を拡散する拡散部とを有し、拡散部は蓋の上面より突出されて、光源の点灯により光る構成とされる。
【0011】
請求項2の発明では請求項1の発明において、拡散部が透明部を囲んで窓の周縁部に形成されているものとされる。
請求項3の発明では請求項1の発明において、窓の光源と対向する内面に光拡散面が形成され、光源の点灯によりロータ室が前記光拡散面で反射された光によって照明される構成とされる。
【0012】
請求項4の発明では請求項1の発明において、窓と対向して窓の内側に透明板が配置される。
請求項5の発明では請求項4の発明において、蓋は外蓋と内蓋とを有し、外蓋に窓が取り付けられ、内蓋に前記透明板が取り付けられているものとされる。
請求項6の発明では請求項5の発明において、窓と透明板との間に緩衝材が配置され、その緩衝材によって囲まれた密閉空間が窓と透明板との間に形成される。
【0013】
請求項7の発明では請求項1の発明において、光源は遠心分離機の状態に応じて点灯状態が変わるものとされる。
請求項8の発明では請求項1の発明において、光源は遠心分離機の状態に応じて点灯色が変わるものとされる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、ロータの回転状態を目視することができ、また遠心分離機の運転状態を離れたところからでも目視で容易に確認することができる安全性、操作性に優れた遠心分離機を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1及び2はこの発明による遠心分離機の一実施例の構成を示したものであり、図1は蓋が閉塞された状態を示し、図2は蓋が開放された状態を示す。
【0016】
筐体21内には図2に示したようにロータ室22が収容されており、筐体21の上部にはロータ室22を開閉する蓋23が回動自在に取り付けられている。蓋23はこの例では前後開きタイプとされている。筐体21の前面側には操作パネル部24が設けられており、操作パネル部24はロータの回転速度や運転時間などの運転条件を入力するための設定部(操作キー)及びそれら条件などを表示するための表示部を具備するものとなっている。蓋23にはこの例では図1に示したように、そのほぼ中央に透明材よりなる窓31が設けられている。
【0017】
図3は窓31が設けられている部分の蓋23の断面構造を示したものであり、図4は図3Aに示した断面構造と共に、窓31が設けられている部分における蓋23の外側(表側)及び内側(裏側)から見た状態を示したものである。蓋23はこの例では外蓋25と内蓋26とを備え、外蓋25に形成された長円形の穴27に窓31が嵌め込まれて取り付けられている。
【0018】
長円形をなす窓31にはその周りに側壁部32が内面側に突出して一体形成され、さらにその側壁部32に続いて平板部33が側壁部32の周りに突出するように一体形成されている。窓31はその長手方向及び長手方向と直交する幅方向において、外面が図3A,Bに示したようにそれぞれわずかに湾曲されて外蓋25の上面より突出されており、長手方向の一端側にはさらに突出された凸部34が形成されている。凸部34は図3Aに示したように幅方向から見て断面三角形状をなし、この凸部34が形成されている部分を含んで窓31の外面周縁部には傾斜面35が面取り状に形成されている。
【0019】
一方、凸部34が形成されている側において窓31の内面にはギザギザ形状をなす光拡散面36が形成されており、光拡散面36は図3Aに示したように窓31の中央側に向く方向にわずかに傾斜されている。また、光拡散面36の窓31の中央側端部には、仕切り壁37が窓31の内面上に突出するように一体形成されている。
【0020】
窓31の表面(外面)にはいわゆるシボ加工等の微小な凹凸加工が施されて光を拡散する拡散部が形成されている。図4A中、点々を付した部分はこの拡散部31aを示す。拡散部31aはこの例では図4Aに示したように傾斜面35と、内面に設けられている仕切り壁37、光拡散面36と対向する部分とされ、透明部31bを囲むように形成されている。
【0021】
窓31の内側には光拡散面36と対向する位置に光源41が配置される。光源41は例えば発光ダイオード(LED)とされ、基板42に実装されている。光源41が実装された基板42は窓31と一体の側壁部32に形成された取り付け部38に、その幅方向両端が固定されて取り付けられている。
【0022】
一方、この例では窓31と対向して窓31の内側に透明板43が配置されており、透明板43は内蓋26に取り付けられている。内蓋26には図4Cに示したように窓31の仕切り壁37より外側(端部側)部分を除いた形状(外蓋25の長円形の穴27の一端側を切り欠いた形状)の穴28が形成されており、この穴28を塞ぐように透明板43が取り付けられている。
【0023】
窓31と一体の平板部33と透明板43との間には緩衝材44が挟み込まれて配置され、枠状をなす緩衝材44、側壁部32、仕切り壁37によって囲まれた密閉空間45が窓31と透明板43との間に形成されている。
【0024】
上記のような構造において、窓31及び透明板43は樹脂製とされ、また外蓋25もこの例では樹脂製とされている。内蓋26は例えば鉄板などの金属板によって構成される。窓31及び透明板43には例えばポリカーボネートなどの衝撃に耐えられる高硬度の樹脂が使用される。
【0025】
なお、外蓋25と内蓋26とは4隅が例えばネジにより固定されて一体化されている。外蓋25への窓31の固定及び内蓋26への透明板43の固定はそれぞれ接着固定とされ、また光源41が実装された基板42の取り付け部38への固定も接着固定とされる。
【0026】
上記のような構成とされた遠心分離機では、光源41が点灯すると、その光によって拡散部31aが光る。図5Aは拡散部31aの発光状態(光っている状態)を灰色で表して示したものであり、拡散部31aは蓋23(外蓋25)の上面より突出されているため、例えば蓋23が閉まっている状態でもこの拡散部31aの発光を周囲から目視することができる。ここで、操作パネル部24は筐体21の前面側に配置されているため、操作パネル部24が拡散部31aの視認性を損うことはない。
【0027】
一方、蓋23が開いた状態では遠心分離機の側面及び背面側からは蓋23の表側(外蓋25側)から拡散部31aの発光を目視することができ、また遠心分離機の前面側からも内蓋26に取り付けられた透明板43を介して拡散部31aの発光を目視することができる。図5Bは内蓋26側から見た拡散部31aの発光状態を灰色で表して示したものである。なお、蓋23が開いた状態では拡散部31aはより高い位置に位置するため、視認性が向上する。
【0028】
光源41が例えば1個の発光ダイオードよりなる場合は光源41の点灯状態を変えることにより、遠心分離機の各種状態を拡散部31aの発光状態により示すことができる。以下に一例を示す。
(1)初期状態(運転前の状態)では光源41は消灯状態とする。
(2)遠心分離機を運転し、ロータ室22内のロータが回転を始めると、光源41は点灯し、ロータの回転中は点灯状態とする。
(3)設定された運転時間が経過し、運転が停止すると、光源41は遅い点滅状態となる。ユーザが操作パネル部24の操作キーに対し、何らかの操作を行うことにより光源41は消灯する。
(4)運転中に異常が発生した場合、光源41は早い点滅状態となり、異常を知らせる。
なお、光源41として例えば赤色、青色、緑色の3個の発光ダイオードを実装すれば、それらの点灯を組み合わせることで、所望の点灯色を得ることができ、また上記(2)〜(4)の3種類の状態を点灯色を変えることによって表示することもできる。
【0029】
窓31は上述したように発光する拡散部31aと、蓋23が閉まっている状態でロータ室22を目視可能とする透明部31bとを備えており、透明部31bを介してロータの回転状態を確認することができる。そして、この例では光源41の点灯により、光源41の光が窓31の光拡散面36で一部拡散反射されてロータ室22を照らす(照明する)構造となっているため、その分ロータ室22内が明るく、見やすくなり、ロータの回転状態を容易に確認することができるものとなっている。
【0030】
以上説明したように、この例では蓋23に窓31を設け、その窓31の一部に光を拡散する拡散部31aを形成して内部に配置した光源41の点灯により拡散部31aが光るようにしたものであり、拡散部31aの発光状態によって遠心分離機の運転状態を遠くからでも目視で確認することができるものとなっている。光源41は露出せず、内部に配置されているため、図6や図7に示した従来のランプ14のように人や物が接触して破損させるといったことも生じない。
【0031】
また、窓31を介してロータ室22を目視することができ、加えて拡散部31aを光らせる光源41の光によってロータ室22が照明される構造となっているため、良好な視認性を得ることができる。
【0032】
遠心分離機において、所定の運転時間が経過し、運転が停止した際に、例えば自動で蓋23が開く構造となっている場合には拡散部31aの発光状態をより高い位置で目視することができ、かつ遠心分離機の前面側からも目視することができるため、運転状態の確認を確実に行うことができる。
【0033】
なお、窓31の内側に窓31と対向して透明板43を配置し、いわゆる二重構造を採用しているため、例えばバケットがロータから外れる等の不慮の事故がロータ室22で発生しても窓31の損傷を防止できるものとなっており、かつ窓31と透明板43との間に配置した緩衝材44によって窓31に加わる衝撃が抑えられるものとなっているため、これらの点で良好な安全性を実現することができる。
【0034】
加えて、窓31と透明板43との間には密閉空間45が形成されるため、窓31の内面やその内面と対向する透明板43の内面の汚れを防止することができるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明による遠心分離機の一実施例の外観を示す斜視図。
【図2】図1に示した遠心分離機の蓋を開けた状態を示す斜視図。
【図3】Aは図1における窓部分の詳細を示す断面図、BはAにおけるCC断面図。
【図4】図1における窓部分の詳細を示す図、Aは蓋の外側から見た図、Bは断面図、Cは蓋の内側から見た図。
【図5】図1における窓の光っている状態を示す図、Aは蓋の外側から見た図、Bは蓋の内側から見た図。
【図6】遠心分離機の第1の従来例を示す図、Aは正面図、Bは側面図。
【図7】遠心分離機の第2の従来例を示す図、Aは正面図、Bは側面図。
【図8】遠心分離機の第3の従来例を示す斜視図。
【出願人】 【識別番号】000141691
【氏名又は名称】株式会社久保田製作所
【出願日】 平成19年1月31日(2007.1.31)
【代理人】 【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹

【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄

【識別番号】100066153
【弁理士】
【氏名又は名称】草野 卓


【公開番号】 特開2008−183544(P2008−183544A)
【公開日】 平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願番号】 特願2007−21802(P2007−21802)