トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 遠心分離機
【発明者】 【氏名】鐵 謙一

【氏名】高橋 廣之

【要約】 【課題】本発明の目的は、ロータの回転数検出機構自体の故障を検出するセンサ故障検出回路を設け、ロータ回転数検出機構の信頼性向上を図った遠心分離機を提供することにある。

【解決手段】高速回転させる遠心分離機100のモータ2またはロータ4の回転数検出機構において、モータ2の回転数検出回路11とは別にモータ2の回転数を検出する磁気センサ15u、15v、15wの故障を検知するセンサ故障検出回路19を設け、制御回路装置20によって常時、故障をチェックする。もし、センサ故障検出回路19が異常信号S10を検出した場合、モータ駆動回路5へのモータ駆動信号S5の供給を停止し、かつロータ4が停止するまでの所定時間(T)、ドアロック機構部7へのドアロック解除信号の出力を禁止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体内に装着されたモータと、前記筐体内に装着され、前記筐体の上部において開口部を有する仕切り部材によって区画されたロータ室と、前記ロータ室内に設置され、前記モータによって回転されるロータと、前記モータに駆動エネルギーを供給するモータ駆動回路と、前記ロータ室の開口部を閉塞し、かつ開閉可能に設けられたドアと、前記ドアの閉塞動作をロックするドアロック機構部と、前記モータまたは前記ロータに取付けられたマグネットによる回転時の磁力変化から電気信号を検知する磁気センサと、前記磁気センサの出力信号に基づいて前記ロータの回転数を検出する回転数検出回路と、前記磁気センサの出力信号に基づいて前記モータ駆動回路にモータ駆動信号を出力し、かつ前記回転数検出回路の出力信号に基づいて前記ドアロック機構部の閉塞動作を解除するドアロック解除信号を出力する制御回路装置を具備する遠心分離機において、前記磁気センサの出力信号に基づいて前記磁気センサの故障時の異常出力信号を検出するセンサ故障検出回路を設けたことを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記センサ故障回路がセンサの故障を検知した場合、前記モータ駆動回路の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載された遠心分離機。
【請求項3】
前記回転数検出回路により検出した前記モータまたはロータの回転数が零の場合でも、前記センサ故障検出回路が前記磁気センサの故障を検知した時は、前記モータまたはロータが回転中であると判断し、前記モータまたはロータか停止する所定時間経過後に前記ドアロック機構部に前記ドアロック解除信号を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された遠心分離機。
【請求項4】
前記モータは3相ブラシレス直流モータで構成され、前記磁気センサは、前記3相ブラシレス直流モータのマグネット回転子の回転位置を検出するための3つのホール効果センサから構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載された遠心分離機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離機のロータ室の開口部に開閉可能に設けられるドアの閉塞動作をロック状態から解除するドアロック解除信号を制御する制御回路装置に関し、特に、不用意なドアロック解除信号の発生を防止するためにロータの回転数検出機構部に設けられるフェールセーフ機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、遠心分離機では、ロータ室内に設置されたロータが高速回転している場合に使用者がロータ室内のロータに接触できないようにするために、ロータ(またはモータ)の回転中にロータ室の開口部を閉塞するドアの閉塞動作をロックし、その回転が停止するまではドアロックを解除しない構成とする。しかし、ロータ室内のロータまたはロータを駆動するモータの回転を検出する磁気センサや、磁気センサに接続される回転数検出回路に故障または異常が発生すると、回転数検出回路はロータの回転数が零と検出し、ロータの回転が停止したものと認識してロータの回転中でもドアロック機構部のドアロックを解除してしまう恐れがある。
【0003】
そこで、下記特許文献1に開示されるように、ロータの回転を検出する機構を複数個設置し、もしくはロータおよびモータのそれぞれの回転数を検出する機構を設置して、ロータの回転数検出機構を複数個共有させることによって、単一故障に対して冗長性すなわちフェールセーフ機能を持たせていた。この種の従来の遠心分離機の構成図を図7に示す。
【0004】
図7において、従来の遠心分離機50は、筐体1と、筐体1内に装着されたモータ2と、筐体1内に装着され、筐体1の上部において開口部3aを有する仕切り部材3bによって区画されたロータ室3と、ロータ室3内に設置され、モータ2の回転軸2aによって回転駆動されるロータ4と、モータ2に駆動エネルギーを供給するモータ駆動回路5と、ロータ室2の開口部3aを閉塞し、かつ開閉可能に設けられたドア6と、ドア6の閉塞動作をロックするドアロック機構部7と、モータ2およびロータ4に取付けられたマグネットによる回転時の磁力変化から電気信号を検知する磁気センサ8a、8b、8cと、磁気センサ8bの出力信号(磁気信号)S1に基づいてロータ4の回転数を検出信号S2として検出する第1の回転数検出回路11と、磁気センサ8aの出力信号(磁気信号)S3に基づいてモータ駆動回路5にモータ駆動信号S5を出力し、かつ第1の回転数検出回路11の出力信号S2に基づいてドアロック機構部7の閉塞動作をロックする制御信号S7を出力する制御回路装置20を具備する。
【0005】
さらに、上記遠心分離機50において、フェールセーフ機能を持たせるために、第2の磁気センサ8cの出力信号(磁気信号)S8を検出する第2の回転数検出回路12を設け、第1の回転数検出回路11および第2の回転数検出回路12からの出力信号S2、S9に基づいて、演算・制御部(CPU)を含む制御回路装置20によって、モータ駆動回路5へモータ駆動信号S5を出力し、モータ駆動回路5を駆動させる。これによって、例えばY結線されたモータ2のステータコイル(図示なし)に3相のモータ駆動エネルギー(3相駆動信号)S6を供給する。
【0006】
かかる従来の遠心分離機においては、ロータ4の回転中はロータ4に取付けられた第1の磁気センサ8bと、第2の磁気センサ8cとによりロータ4の回転数をそれぞれ独立的に検出する。検出された出力信号S1およびS8は、それぞれ第1の回転数検出回路11および第2の回転数検出回路12に入力され、それら回転数検出回路11および12の出力信号S2およびS9を制御信号として制御回路装置20に入力する。制御回路装置20は、第1の磁気センサ8bおよび第1の回転数検出回路11によって検出される第1の検出信号S2と、第2の磁気センサ8cおよび第2の回転数検出回路12によって検出される第2の検出信号S9とのいずれか一方の信号に基づいて、ロータ4の回転数を算出できるように構成されている。すなわち、上記第1の回転数検出回路系(8b、11)と上記第2の回転数検出回路系(8c、12)とは互いに独立した回転数検出機構として設けることによって、フェールセーフ機能を持たせることができる。
【0007】
従って、例えば、上記第1の回転数検出回路系(8b、11)の第1の磁気センサ8bが故障し、ロータ1の回転数を零と検出しても、上記第2の回転数検出回路系(8c、12)を構成する第2の磁気センサ8cが正常に動作しているので、制御回路装置20は、検出した磁気信号S8から第2の回転数検出回路12が出力した回転信号S9に基づいて正常な回転数を算出できる。言い換えれば、ロータ1の回転中に、上記第1の回転数検出回路系(8b、11)の第1の磁気センサ8b等が故障して制御回路装置20がロータ1の回転数を零と算出しても、上記第2の回転数検出回路系(8c、12)の正常な回転信号S9によりロータ1が回転中であると認識することができる。これによって、制御回路装置20は、ドアロック解除信号S7をドアロック機構部7に出力することを防止し、ドアロック機構部によりドア6の閉塞動作を保持し、使用者が回転中のロータ1に触れないようにドアをロックする。
【0008】
【特許文献1】特開2003−236408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の遠心分離機における信頼性の確保は、複数個のセンサによる独立した複数個の回転数検出機構によりフェールセーフ機能を持たせているので、少なくても2個以上の回転数検出機構が必要となり、回転数検出機構が高価となるという問題がある。
【0010】
従って、本発明の一つの目的は、高速回転させるロータを具備する遠心分離機において、ロータの回転数検出機構を複数個設けることなく、磁気センサもしくはセンサ検出回路の単一故障に対してフェールセーフ機能もしくは冗長性を持たせた遠心分離機を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、ロータの回転数検出機構自体の故障を検出するセンサ故障検出回路を設け、ロータ回転検出機構の信頼性向上を図った遠心分離機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次のとおりである。
【0013】
本発明の一つの特徴によれば、筐体と、前記筐体内に装着されたモータと、前記筐体内に装着され、前記筐体の上部において開口部を有する仕切り部材によって区画されたロータ室と、前記ロータ室内に設置され、前記モータによって回転されるロータと、前記モータに駆動エネルギーを供給するモータ駆動回路と、前記ロータ室の開口部を閉塞し、かつ開閉可能に設けられたドアと、前記ドアの閉塞動作をロックするドアロック機構部と、前記モータまたは前記ロータに取付けられたマグネットによる回転時の磁力変化から電気信号を検知する磁気センサと、前記磁気センサの出力信号に基づいて前記ロータの回転数を検出する回転数検出回路と、前記磁気センサの出力信号に基づいて前記モータ駆動回路にモータ駆動信号を出力し、かつ前記回転数検出回路の出力信号に基づいて前記ドアロック機構部の閉塞動作を解除するドアロック解除信号を出力する制御回路装置を具備する遠心分離機において、前記磁気センサの出力信号に基づいて前記磁気センサの故障時の異常出力信号を検出するセンサ故障検出回路を設ける。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、前記センサ故障回路がセンサの故障を検知した場合、前記モータ駆動回路の動作を停止させる。
【0015】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記回転数検出回路により検出した前記モータまたはロータの回転数が零の場合でも、前記センサ故障検出回路が前記磁気センサの故障を検知した時は、前記モータまたはロータが回転中であると判断し、前記モータまたはロータか停止する所定時間経過後に前記ドアロック機構部に前記ドアロック解除信号を出力する。
【0016】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記モータは3相ブラシレス直流モータで構成され、前記磁気センサは、前記3相ブラシレス直流モータのマグネット回転子の回転位置を検出するための3つのホール効果センサから構成されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ロータの回転数検出回路とは別に、ロータの回転を検出するセンサの故障を検知するセンサ故障検出回路を設けるので、制御回路装置が常時センサの故障をチェックし、異常時にモータ駆動回路によるモータへの通電エネルギーを遮断できる。
【0018】
また、ロータが停止するまでの一定時間、ドアロックを解除禁止とするので、ロータの回転数検出機構を複数個設けることなく、センサの単一故障に対してフェールセーフ機能を持たせることができる。これにより、ロータ回転検出機構の信頼性向上を図り、使用者の安全を確保することができる。
【0019】
本発明の上記および他の目的、ならびに上記および他の特徴は、以下の本明細書の記述および添付図面よりさらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。また、図7に示した従来の遠心分離機と同様な機能を有する部材については、図7に使用された符号と同一符号を付している。
【0021】
図1は本発明の実施形態に係る遠心分離機のブロック図、図2は図1に示す遠心分離機に用いられるセンサアセンブリの構成図、図3は図1に示した遠心分離機のブロック図の要部を示す詳細ブロック図である。
【0022】
図1において、遠心分離機100は、筐体1と、筐体1内に装着されたモータ2と、筐体1内に装着され、筐体1の上部において開口部3aを有する仕切り部材3bによって区画されたロータ室3と、ロータ室3内に設置され、モータ2の回転軸2aによって回転駆動されるロータ4(以下、遠心分離用ロータと称する場合がある)と、モータ2に駆動エネルギーを供給するモータ駆動回路5と、ロータ室3の開口部3aを閉塞し、かつ開閉可能に設けられたドア6と、ドア6の閉塞動作をロックするドアロック機構部7とを具備する。
【0023】
遠心分離用ロータ4は、遠心分離すべき試料を保持する保持部(図示なし)を有し、モータ2の回転軸2aに着脱自在に接続される。
【0024】
ドアロック機構部7は、使用者が、モータ2(ロータ4)の回転中ではドア6を開放できないように、ドアを閉塞状態にロックするために設けられている。
【0025】
モータ2は、3相ブラシレス直流モータから成る。3相ブラシレス直流モータ2は、図2の概略図に示すように、インナーロータ型のマグネットロータ(モータの回転子)2bを有する。マグネットロータ2bには、図2に示すように、モータ2の回転軸2aに沿って延びる4つのマグネット(永久磁石)17a、17b、17c、17dが埋め込まれている。さらに、モータ2はスター結線されたステータコイル(界磁コイル)(図示なし)が巻回されたコアを含むステータ2cを有する。
【0026】
図2に示すように、センサアセンブリ14が、マグネットロータ2bの回転位置またはマグネットロータ2bの回転数を検出するために、モータ2のインナーロータ2bの側面に磁気的結合するように配設される。センサアセンブリ14は、インナーロータ2bの回転時の磁力変化から電気信号を検知できるように、円形状の回路基板16の周縁部に沿って120度の離間角度(X)で実装された磁気センサ15u、15v、15wで構成されている。磁気センサ15u、15v、15wのそれぞれは、例えば、周知のホール効果センサから構成され、各ホール効果センサ(15u、15v、15w)は、図示されていないが、ホール効果による起電力を得るために半導体基板によって形成されたホール素子と、ホール素子によって得られた起電力を出力するためのトランジスタとが集積化されたホールIC(半導体集積回路)によって構成されている。本実施例の場合、各ホールIC(15u、15v、15w)の出力段はオープンコレクタタイプとなっているので、図3に示されるように、センサアセンブリ14としてプルアップ抵抗(コレクタ抵抗)Ru、Rv、Rwを具備している。このセンサアセンブリ14により回転数に応答する3相の電気信号S1(図3および図4に示すSu、Sv、Swの3つの検出信号)が検出される。
【0027】
モータ駆動回路5は、図示されていないが、3相ブリッジ形式に接続された6個のスイッチングトランジスタおよび各トランジスタにそれぞれ並列接続されたフライバックダイオードと、コンバータから成る直流電源回路とを含み、上記センサアセンブリ14より出力されたセンサ信号S1に基づいて、直流出力電圧を3相駆動信号に変換し、この3相駆動信号S6をステータコイルに供給してモータ2のインナーロータ2bに回転駆動エネルギーを与える。なお、モータ駆動回路5を制御するための制御信号S5は、上記センサアセンブリ14より出力されたセンサ信号S1に基づいて、後述する制御回路装置20の論理部22の論理回路により形成される。このため、上記センサアセンブリ14より出力されたセンサ信号S1は、直接、信号線19によって制御回路装置20の論理部22に入力される。
【0028】
遠心分離機100は、さらに、モータ駆動回路5を制御するための制御回路装置20と、ロータ4の回転数や遠心分離時間等のデータS11を制御回路装置20に設定(入力)し、かつ設定値、実測値等を表示するための操作パネル(操作部)18と、センサアセンブリ14からの回転数に応答するセンサ信号S1を受信し、回転数検出信号S2を出力する回転数検出回路11と、センサアセンブリ14からの回転数に応答するセンサ信号S1を受信し、センサアセンブリ14自体に故障が発生したか否かを検出するセンサ故障検出信号S10を出力するセンサ故障検出回路19と、を具備する。
【0029】
制御回路装置20は、演算・制御部(CPU部)21と、モータ駆動回路5およびドアロック機構部7等を制御す論理部22と、制御プログラムおよびデータを記憶する記憶部23と、を含んでいる。制御回路装置20は、センサアセンブリ14からのセンサ信号S1、回転数検出回路11の回転数出力信号S2、およびセンサ故障検出回路19のセンサ故障出力信号S10を受信し、これらの信号S1、S2、およびS10に基づいて、モータ駆動回路5の制御信号S5およびドアロック機構部7の制御信号(ドアロック解除信号)S7等の制御信号を出力し、後述するような、ドアロック機構部の制御手順等を実行する。
【0030】
次に、本発明に係る遠心分離機100の動作について説明する。遠心分離機100を動作させる場合、制御回路装置20からモータ駆動信号S5がモータ駆動回路5に出力され、モータ2のステータコイル(2c)へモータ駆動エネルギー(3相駆動信号)S6を供給する。これによって、モータ2の回転軸2aに接続されたロータ4が回転する。
【0031】
ロータ4の回転開始と同時に、制御回路装置20は、ドアロック解除信号S7の出力をオフする。言い換えれば、ドアロック信号S7を出力し、ドアの閉塞動作をロックする。これによって、ドア6の開放動作を規制し、使用者が回転中のロータ4に触れないようにできる。
【0032】
モータ2(ロータ4)が回転開始すると、センサアセンブリ14の磁気センサ群15u、15v、15wから検出信号S1(図3に示す、3相の電気信号Su、Sv、Swと同一信号)が出力され、回転数検出回路11およびセンサ故障検出回路19に入力される。
【0033】
回転数検出回路11は回転数信号S2を制御回路装置20に出力し、演算・制御部21によって回転数を算出し、操作部18の操作パネルによって設定した回転数と比較して、検出回転数に対応した回転周期を有するモータ駆動信号S5をモータ駆動回路5に出力する。モータ駆動回路5は、3相駆動信号S6によってモータ2のステータコイルを駆動し、モータ2の回転数を所定の回転数に制御する。
【0034】
また、センサ故障検出回路19は磁気センサ群15u、15v、15wからの検出信号S1故障を常時監視し、故障があれば故障検知信号S10を制御回路装置20に出力する。制御回路装置20は、故障検知信号S10を受信すると、モータ駆動回路5の回転動作を停止させると同時に、モータ2の回転が停止するまでの所定時間(T)、ドアロックの解除信号S7を出力しないように制御し、所定時間(T)を経過した後にモータ2の回転が停止してからドアロック解除信号S7を出力するように制御する。
【0035】
図3は、図1に示した回転数検出回路11およびセンサ故障検出回路19の具体的な詳細ブロック図(論理回路図)の一例を示す。図3に示すように、回転数検出回路11は、2つの排他的論理和回路EOR1およびEOR2によって構成し、センサ故障検出回路19はAND回路によって構成する。
【0036】
センサアセンブリ14は、上述のように、磁気センサ群(ホールIC)15u、15v、15wを有し、それらの出力段はオープンコレクタタイプとなっているので、磁気検出信号Su、Sv、Sw(検出信号S1)は、プルアップ抵抗(コレクタ抵抗)Ru、Rv、Rwを接続することにより出力し、シュミットトリガバッファ13u、13v、13wに入力してレベル変換される。
【0037】
本実施例の場合、モータ2の制御方式が3相120度通電方式を採用しているので、磁気検出信号Su、Sv、Sw(検出信号S1)は、モータ2が正常に回転しているとき、図4に示すように、互いに120度位相が異なる3相の電気信号となる。図4から明らかなように、この磁気検出信号Su、Sv、Swは、時間的に同時に、すべてハイレベル“H”またはローレベル“L”となる期間がないので、図5に示すように、AND回路で構成したセンサ故障検出回路19の出力信号S10はローレベル“L”となり、センサ故障検出回路19の出力信号S10は、センサアセンブリ14を含む磁気センサ回路に異常がないことを検知し、制御回路装置20へ出力する。
【0038】
このとき、回転数検出回路11は、2つの排他的論理和回路EOR1およびEOR2によって構成されるので、モータ2の回転子2bが一回転(一周期)する毎に、検出信号Swがハイレベル“H”またはローレベル“L”の期間を繰り返し、一回転する毎に出力信号S2として3度のハイレベル“H”を出力する。制御回路装置20は、ハイレベル“H”の回転信号S2の入力によって、演算・制御部22によってモータ2の回転数を算出する。
【0039】
もし、センサアセンブリ14(磁気センサ群15u、15v、15w)の電源Vcc配線や接地GND配線に断線等の異常が発生した場合、図5に示すように、磁気検出信号Su、Sv、Sw(S1)は、全てハイレベル“H”となり、センサ故障検出回路19の出力信号S10および回転数検出回路11は、常にハイレベル“H”となり、センサアセンブリ14に異常があったと判断する。一方、回転数検出回路11の回転数出力信号S2もハイレベル“H”状態となるので、制御回路装置20の演算・制御回路部21は、見かけ上、モータ2の回転数が零(回転していない)と算出する。
【0040】
従って、制御回路装置20は、回転数検出回路11が出力した回転信号S2から算出した回転数が零でも、センサ故障検出回路19の故障検出信号S10よりセンサアセンブリ14が故障してロータ4が回転している可能性があると判断し、ドアロック解除信号S7をドアロック機構部7に出力しないように制御する。そして直ちにモータ駆動回路5の回転動作を停止させ、停止動作の開始からロータ4が停止するまでの所定時間T(例えば、5分)の経過をカウントし、所定時間Tを経過した後に、ドアロック機構部7にドアロック解除信号S7を出力する。
【0041】
その結果、本発明に従えば、ロータの回転数検出機構(11)を複数個設けることなく、磁気センサ群(15)の単一故障に対してフェールセーフ機能もしくは冗長性を持たせることができる。また、ロータの回転数検出機構自体の故障を検出するセンサ故障検出回路(19)を設けるので、ロータ回転検出機構の信頼性向上を図ることができる。
【0042】
センサアセンブリ14の磁気センサ群15u、15v、15wに故障が発生した場合の制御手順の一例について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
ステップ102で、モータ2の回転中にセンサ故障検出回路19によってハイレベル“H”を検出すれば異常であると判断し、ステップ103においてモータ駆動回路5を制御してモータ2の回転動作を停止させる。
【0044】
ステップ104において、モータ2の回転が完全に停止するように、所定時間Tの経過をカウントする。所定時間Tを経過した後、ステップ105で、ドアロック解除信号S7を出力してドアロック機構部7のドアロックを解除する。
【0045】
以上の制御手順により、磁気センサ群の単一故障に対してフェールセーフ機能を持たせることができる。また、磁気センサ群も3相ブラシレス直流モータの磁気センサ(ホールIC)を兼用するので、センサ故障検出回路を簡単に構成することができる。
【0046】
さらに、本発明によれば3相ブラシレス直流モータを使用しているので、3個の磁気センサ群(ホールIC)のうち、少なくとも1個の磁気センサが故障した場合、モータ2(ロータ4)の回転が不能となる。従って、使用する磁気センサ群(ホールIC)の故障点検が容易となり、かつ磁気センサ群が故障しても安全性を確保できる。
【0047】
なお、上記実施例ではロータを駆動するモータとして3相ブラシレス直流モータを用いた場合について説明したが、他の多相ブラシレス直流モータや誘導モータを採用しても上記実施例の場合と同様な効果を得ることができる。また、センサ故障検出回路は、AND論理回路の使用に限らず、他の論理回路(半導体IC)を用いることができる。
【0048】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係る遠心分離機のブロック図。
【図2】図1に示す遠心分離機に用いられるセンサアセンブリの構成図。
【図3】図1に示すブロック図の要部を示す詳細ブロック図。
【図4】図3に示すセンサアセンブリの検出信号のタイムチャート。
【図5】図3に示すセンサアセンブリの検出信号レベルの特性図。
【図6】図1に示す遠心分離機のドアロック解除信号を制御するためのフローチャート。
【図7】従来技術に係る遠心分離機のブロック図。
【符号の説明】
【0050】
1:筐体 2:モータ(ブラシレス直流モータ) 2a:モータの回転軸
2b:モータのマグネットロータ 2c:モータのステータ(ステータコイルを含む)
3:ロータ室 3a:ロータ室の開口部 3b:ロータ室の仕切り部材
4:ロータ 5:モータ駆動回路 6:ドア 7:ドアロック機構部
8a、8b、8c:磁気センサ 11:回転数検出回路(第1)
12:回転数検出回路 13u、13v、13w:シュミットトリガバッファ
14:センサアセンブリ 15u、15v、15w:磁気センサ
16:回路基板 17a、17b、17c、17d:マグネット(永久磁石)
18:入力操作部 19:センサ故障検出回路 20:制御回路装置
21:演算・制御部(CPU)センサ故障検出回路 22:論理部
23:記憶部 25:信号線 50:遠心分離機(従来技術)
100:遠心分離機(本発明) AND:論理積回路
EOR1、EOR2:エクスクルシブOR
S1、Su、Sv、Sw:磁気センサの検出信号(磁気検出信号)
S2:回転数検出信号 S3:磁気センサの検出信号(従来技術)
S5:モータ駆動信号 S6:3相駆動信号 S7:ドアロック解除信号
S10:センサ故障検出信号 S11:操作入力信号
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年11月22日(2006.11.22)
【代理人】 【識別番号】100072394
【弁理士】
【氏名又は名称】井沢 博


【公開番号】 特開2008−126157(P2008−126157A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2006−315023(P2006−315023)