トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 遠心分離機
【発明者】 【氏名】早坂 浩

【要約】 【課題】一連の分離操作において1台で時間管理又は工程管理をまとめて管理することができ、分離工程の進捗状況を容易に把握することができる遠心分離機を提供すること。

【解決手段】分離すべき試料2を保持して回転するロータ1と、該ロータ1を回転駆動するモータ3と、該モータ3の回転制御を行う制御装置(制御手段)5と、運転状態を表示するとともに運転条件を設定する操作パネル4を備えた遠心分離機6において、前記ロータ1の運転時間とは独立して時間経過を設定・表示可能なタイマー機能を少なくとも1つ以上設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離すべき試料を保持して回転するロータと、該ロータを回転駆動するモータと、該モータの回転制御を行う制御手段と、運転状態を表示するとともに運転条件を設定する操作パネルを備えた遠心分離機において、
前記ロータの運転時間とは独立して時間経過を設定・表示可能なタイマー機能を少なくとも1つ以上設けたことを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
ロータ停止中でも独立して機能するタイマーを設けたことを特徴とする請求項1記載の遠心分離機。
【請求項3】
運転停止後を知らせる音と独立したタイマーの終了を知らせる音とを異ならせたことを特徴とする請求項1又は2記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記ロータの運転回数を積算する少なくとも1つのカウンタを設け、所定の操作によって積算値を変更可能な機能を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記操作パネルに、一時的なメモ表示が可能な表示部を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遠心分離機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、試料が保持されたロータを回転させて試料を遠心分離するための遠心分離機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遠心力を利用して試料の分離を行う遠心分離機の操作には、試料の前処理や後処理があり、これらの処理は一連の作業の一部であることが多い。遠心分離後に試料の上清を捨て反応液等を加えて一定時間待つ操作や、液を追加して再懸濁する際に一定時間撹拌することを繰り返す操作がルーチン化されている場合が多いが、このような場合、その都度別のタイマー等を使って時間を計測している。
【0003】
例えば、分子生物学の分野において、ゲノム解析の前処理として行うゲノムDNAやプラスミドDNAの抽出操作等には、1つの検体に対して複数の遠心操作があり、その前後には撹拌・振とう・反応等の待ち時間がある。
【特許文献1】特開2006−142169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、分離操作とその前後の操作は別装置で行うため、各々独立したタイマーを使って時間を計測して処理する場合が殆どであるが、中には時間を測定不要の操作もある。特に、遠心分離機を使用した分離操作の前後には時間を計測するケースが多く、別々の装置での時間計測が必要であった。
【0005】
ここで、図3にゲノム抽出プロトコールの一例となる工程図を示す。
【0006】
図3に示す例では、5回の遠心工程が示されており、振とう10分又は30分、溶液分注・撹拌後の反応時間が30分〜2時間の工程がある。このように工程が多く、煩雑な工程であるため、現在の工程がどの部分であるかをメモ等で常に把握しておく必要があるが、他の業務等による中断等で工程を見失ってしまったりするという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、一連の分離操作において1台で時間管理又は工程管理をまとめて管理することができ、分離工程の進捗状況を容易に把握することができる遠心分離機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、分離すべき試料を保持して回転するロータと、該ロータを回転駆動するモータと、該モータの回転制御を行う制御手段と、運転状態を表示するとともに運転条件を設定する操作パネルを備えた遠心分離機において、前記ロータの運転時間とは独立して時間経過を設定・表示可能なタイマー機能を少なくとも1つ以上設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、ロータ停止中でも独立して機能するタイマーを設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、運転停止後を知らせる音と独立したタイマーの終了を知らせる音とを異ならせたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記ロータの運転回数を積算する少なくとも1つのカウンタを設け、所定の操作によって積算値を変更可能な機能を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記操作パネルに、一時的なメモ表示が可能な表示部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、遠心分離機の運転条件とは独立したタイマー機能を設けたため、撹拌・振とう・反応時間等を1つの装置でまとめて管理することができ、分離工程の進捗状況を容易に把握することができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、ロータ停止中でも独立して機能するタイマーを設けたため、遠心操作とは別の待ち時間等にもタイマーを使用することができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、運転停止後を知らせる音と独立したタイマーの終了を知らせる音とを異ならせたため、例えば遠心操作前に試料に溶液を分注・撹拌した後、タイマーを動作させ、時間経過後に遠心分離機に試料をセットする目安とすることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、ロータの運転回数を積算する少なくとも1つのカウンタを設け、所定の操作によって積算値を変更可能な機能を設けたため、複数の遠心操作を繰り返す場合に現在何回目の遠心操作なのかを確認することができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、操作パネルに、一時的なメモ表示が可能な表示部を設けたため、タイマーを使っている工程や装置を区別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係る遠心分離機の基本構成を示す断面図、図2は同遠心分離機の操作パネルの一例を示す図である。
【0020】
図1に示す遠心分離機6は、遠心分離する試料2を保持して回転するロータ1と、該ロータ1を回転駆動するモータ3と、該モータ3の回転制御を行う制御装置5と、運転状態を表示したり運転条件を設定するための操作パネル4等を含んで構成されている。
【0021】
上記操作パネル4は、表示部と操作ボタンを備えており、図2に示すように、表示部として回転速度表示部101、運転時間表示部102、温度表示部103、2個のタイマー表示部114a,114bが設けられており、操作ボタンとして回転速度選択ボタン104、運転時間選択ボタン105、温度設定ボタン106、増加ボタン107、減少ボタン108、キャンセルボタン109、スタートボタン110、ストップボタン111、タイマー選択ボタン115a,115b、カウンタボタン116が設けられている。
【0022】
遠心分離機6の運転条件は、各設定ボタンで回転速度等の項目を選択し、増加ボタン107と減少ボタン108で値を決定する。例えば、図2に示す例では、ロータ1の回転速度は15000rpm、運転時間は30min、温度は20℃に設定されている。
【0023】
又、遠心分離機6の運転においては、スタートボタン110でロータ1の回転を開始し、設定時間が経過した時点で自動でロータ1の回転を減速・停止する。設定時間前にロータ1の回転を停止させたいとき、ストップボタン111にてロータ1の回転を強制停止させることができる。尚、ロータ1が停止した後はブザー音等でオペレータに知らせる。
【0024】
而して、本実施の形態では、遠心操作とは別に独立した2種類のタイマーを設けており、これら2種類のタイマーは、遠心分離機6の運転状態に依らず操作することができ、タイマー選択ボタン115a,115bでタイマーを選択して時間を設定する。本実施の形態では、各タイマーに対してそれぞれタイマー選択ボタン115a,115bがそれぞれ設けられているため、タイマー選択ボタン115a,115bを押す長さで動作を切り分けている。つまり、各タイマー選択ボタン115a,115bを長押しすると設定状態となり、普通に短く押すとタイマー動作開始となる。タイマーの設定値と経過はタイマー表示部114a,114bにそれぞれ表示される。遠心分離以外のタイマー計測時間は多種あるが、図3に示すプロトコールにもあるように長短がある。
【0025】
そこで、タイマーは時間表示切替部113a,113bにより時(h)と分(min)を切り替えることができる。タイマーの終了時にもブザー音で知らせることになるが、遠心分離機6の停止ブザーと区別できる別の音やメロディ等を使うと便利である。選択するタイマーの違いでも区別可能であっても良い。遠心操作前に試料に溶液を分注・撹拌した後、タイマーを動作させ、時間経過後に遠心分離機6に試料2をセットする目安とすることができる。又、タイマー上側にはカウンタメモ記載欄112a,112bが配置されており、タイマーを使っている工程や装置を区別することも可能である。
【0026】
遠心分離機6の運転回数は、図3に示すプロトコールのように、複数の遠心操作を繰り返す場合に有効であり、現在何回目の遠心操作なのかを確認することができる。本実施の形態では、カウンタボタン116を押すことによって左側のランプ116aが点灯し、回数を運転時間表示部102と温度表示部103に計4桁を使って表示する。3秒後か、もう一度カウンタボタン118を押すことによってランプが消えて遠心分離機6の表示状態に戻る。
【0027】
尚、タイマー機能は、遠心分離機6の運転とは独立しているため、遠心操作とは別の待ち時間等にも使用は可能であり、例えばキッチンタイマーとして使うことも可能である。
【0028】
以上のように、本実施の形態によれば、遠心分離機6の運転条件とは独立したタイマー機能を設けたため、撹拌・振とう・反応時間等を1つの装置でまとめて管理することができ、分離工程の進捗状況を容易に把握することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る遠心分離機の基本構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る遠心分離機の操作パネルの一例を示す図である。
【図3】遠心分離機を用いた分離工程の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 ロータ
2 試料
3 モータ
4 操作パネル
5 制御装置(制御手段)
6 遠心分離機
101 回転速度表示部
102 運転時間表示部
103 温度表示部
104a,104b タイマー表示部
105 運転時間選択ボタン
106 温度設定ボタン
107 増加ボタン
108 減少ボタン
109 キャンセルボタン
110 スタートボタン
111 ストップボタン
112a,112b カウンタメモ記載欄
113a,113b 時間表示切替部
114a,114b タイマー表示部
115a,115b タイマー選択ボタン
116 カウンタボタン
116a ランプ
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年10月18日(2006.10.18)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−100140(P2008−100140A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2006−283178(P2006−283178)