トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 遠心分離機
【発明者】 【氏名】大山 久延

【要約】 【課題】同じ遠心分離機であっても、運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択を使用目的に応じて適宜自由に行うことができる遠心分離機を提供すること。

【解決手段】駆動部4と、該駆動部4によって回転駆動されるロータ3と、該ロータ3を収容する回転室5と、該回転室5を開閉するドア7と、該ドア7の開閉をロックするドアロック機構9と、前記駆動部4と前記ドアロック機構9を制御するための制御部6と、運転条件の設定やドア7を開けるためのスイッチを備えた操作部2と、運転条件や運転状態を表示するための表示部1を有する遠心分離機において、前記表示部1に、運転・停止後に前記ドア7を自動で開けるか手動で開けるかの選択が可能な設定機能を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部と、該駆動部によって回転駆動されるロータと、該ロータを収容する回転室と、該回転室を開閉するドアと、該ドアの開閉をロックするドアロック機構と、前記駆動部と前記ドアロック機構を制御するための制御部と、運転条件の設定やドアを開けるためのスイッチを備えた操作部と、運転条件や運転状態を表示するための表示部を有する遠心分離機において、
前記表示部に運転・停止後に前記ドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択が可能な設定機能を設けたことを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記表示部に、運転・停止後に前記ドアを自動で開けるか手動で開けるかの条件を表示する画面を設けるとともに、該画面の表示に基づいて前記操作部によって前記ドアを自動で開けるか手動で開けるかの設定が可能な機能を設けたことを特徴とする請求項1記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記表示部に、運転・停止後に前記ドアを自動で開ける場合において、停止してからドアを開けるまでの時間を設定することができるタイマ機能を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の遠心分離機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、試料が挿入されたロータを回転駆動することによって試料を遠心分離するための遠心分離機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遠心分離機においては、分離するサンプル(試料)に合せて使用者が回転速度、運転時間(分離時間)、温度(保持温度)、加速勾配、減速勾配等の運転条件を操作部から設定する。そして、試料が挿入されたロータを回転室にセットし、ドアを閉めて操作部のスタートスイッチを押すことによってロータが回転駆動される。ロータが操作部にて設定された回転速度まで加速されて整定し、設定された運転時間が経過するとロータの回転が自動的に減速されて停止する。
【0003】
ところで、遠心分離機には、ロータの回転が停止したときにドアを自動で開けるものと、使用者が手動でドアを開けるものがあり、遠心分離の種類や使用目的によって運転・停止後のドアを開ける条件が異なっている。
【0004】
主に冷凍機を搭載し、分離するサンプルの温度を操作部で設定された温度に保持するタイプの遠心分離機等は、運転・停止後は自動でドアを開けない場合が多い。これに対して冷凍機を搭載しない遠心分離機は、運転・停止後に自動でドアを開ける場合が多い。運転・停止後のドアを自動で開けるか、使用者が手動でドア開けるかは、予め遠心分離機メーカが遠心分離機毎に決めている。
【特許文献1】特開2006−142169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は、上述のように運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかは遠心分離機毎に予め決められており、運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択を遠心分離機の使用目的に応じて適宜行うことは不可能であった。
【0006】
例えば、冷凍機搭載型の遠心分離機を薬品等の生産に使用する場合や病院で血液等の数多い検体を次々に分離する場合は、運転・停止後にドアを自動で開けるようにすれば、手動でドアを開ける必要がないため、分離したサンプルを取り出した後、すぐに次のサンプルを遠心分離機にセットすることができ、遠心分離の作業効率が向上する。
【0007】
又、冷凍機搭載型の遠心分離機であっても、運転・停止後も操作部から設定された温度に保持させておきたい場合等はドアを自動で開ける必要がない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、同じ遠心分離機であっても、運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択を使用目的に応じて適宜自由に行うことができる遠心分離機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、駆動部と、該駆動部によって回転駆動されるロータと、該ロータを収容する回転室と、該回転室を開閉するドアと、該ドアの開閉をロックするドアロック機構と、前記駆動部と前記ドアロック機構を制御するための制御部と、運転条件の設定やドアを開けるためのスイッチを備えた操作部と、運転条件や運転状態を表示するための表示部を有する遠心分離機において、前記表示部に、運転・停止後に前記ドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択が可能な設定機能を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記表示部に、運転・停止後に前記ドアを自動で開けるか手動で開けるかの条件を表示する画面を設けるとともに、該画面の表示に基づいて前記操作部によって前記ドアを自動で開けるか手動で開けるかの設定が可能な機能を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記表示部に、運転・停止後に前記ドアを自動で開ける場合において、停止してからドアを開けるまでの時間を設定することができるタイマ機能を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、表示部に、運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択が可能な設定機能を設けたため、同じ遠心分離機であっても、使用者は、運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択を使用目的に応じて適宜自由に行うことができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、使用者は、表示部に表示される画面に従って運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの条件を操作部から自由に設定することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、運転・停止後にドアを自動で開ける場合には、停止してからドアを開けるまでの時間を設定することができるため、遠心分離機の使い勝手が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
先ず、本発明に係る遠心分離機の基本構成を図1及び図2に基づいて説明する。
【0017】
図1はドアが閉じた状態を示す遠心分離機の断面図、図2はドアを開けた状態を示す遠心分離機の断面図であり、図示の遠心分離機の筐体8の上部には表示部1と操作部2が設けられており、筐体8の内部には回転室5と制御部6及びドアロック機構9が収容されている。
【0018】
上記回転室5は、その上面開口部がドア7によって開閉され、回転室5の内部には回転可能なロータ3が収容されている。このロータ3は、駆動部4によって回転駆動され、この駆動部4は前記制御部6によってその駆動が制御される。尚、前記ドア7は、ドアスプリング10によって常時開き側に付勢されている。又、前記表示部1と前記ドアロック機構は、制御部6に電気的に接続されている。
【0019】
而して、以上のように構成された遠心分離機は、分離するサンプル(試料)に合せて使用者が回転速度、運転時間(分離時間)、温度(保持温度)、加速勾配、減速勾配等の運転条件を操作部2から設定する。そして、試料が挿入されたロータ3を回転室5にセットし、ドア7を閉めて、操作部2に設けられた不図示のスタートスイッチを押すことによって遠心分離機の運転が開始される。
【0020】
ここで、図1はドア7を閉じた状態を示しており、このとき、ドアロック機構9のロックピン11がドア7のドアフック12の係合孔に係合することによってドア7がロックされる。又、図2はドア7を開けた状態を示しており、ドアロック機構9がドアロックを解除すると、図1に示すように閉じていたドア7がドアスプリング10の付勢力によって図2に示すように開く。従って、ドアロック機構9がドア7をロックしているときには「ドア閉」で、ドアロック機構9がドア7をアンロック(ドアロックの解除)しているときには「ドア開」となる。以降、「ドア閉」とはドアロック機構9がロック状態を維持している状態を示し、「ドア開」とはドアロック機構9がアンロック状態にあることを示す。
【0021】
ところで、本実施の形態では、ドア7の開閉は、制御部6に内蔵された不図示のマイクロコンピュータで制御されている。運転・停止後にドア7を自動で開ける場合は、制御部6は、ロータ3の回転が停止したと判断したときにドアロック機構9に対してドアアンロックの制御信号が出力する。
【0022】
又、手動でドア7を開ける場合には、操作パネル2に設けられた不図示のドア開スイッチが押されたと制御部6が判断すると、制御部6は、ドアロック機構9に対してドアアンロックの制御信号を出力する。尚、殆どの遠心分離機は、運転中にロータ3が高速で回転していることから安全のために図1に示すようにドアロック機構9をロック状態とし、操作部2のドア開スイッチが押されてもドアロック状態を保持するようになっている。
【0023】
図3は遠心分離機の運転・停止後のドア開設定画面を示しており、本画面は、多種の機能を付加させるためにより多くの情報を表示することができるLCD(液晶ディスプレイ)の表示装置に表示される。以下、この停止後のドア開設定画面について説明する。
【0024】
運転・停止後に「ドア開」を行わせる場合は、停止後のドア開設定100項の設定ボックス101に「自動でドア開」の“1”を設定する。又、停止してから自動でドア開するまでの時間を設定する場合は、設定ボックス102に分・秒で時間を設定し、停止後直ぐにドア開する場合は「0分0秒」を設定する。停止後に手動でドア開する場合は、設定ボックス102に「手動でドア開」の“2”を設定し、この場合は設定ボックス102の停止からのドア開時間は無効となる。
【0025】
次に、図3に示す画面で「停止後のドア開設定」を行う動作を図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0026】
ドア7が閉められて遠心分離機の運転が開始されると(ステップ110)、ドア閉(ドアロック機構9をドアロック状態)とし(ステップ111)、使用者によって操作部2から設定された運転時間が経過する運転を継続する(ステップ112)。そして、設定された運転時間が経過すると(ステップ112での判断結果がYESの場合)、遠心分離機の減速処理を行ってロータ3の回転を減速させ(ステップ113)、遠心分離機が停止するまで待つ(ステップ114)。
【0027】
遠心分離機が停止すると(ステップ114での判断結果がYES)、図3に示す画面で「自動でドア開」と設定されている場合(ステップ115での判断結果がYESである場合)は、図3の画面の設定ボックス102で設定した時間をドア開タイマにセットし(ステップ116)、ドア開タイマにセットした時間が経過するまで待ち(ステップ117)、ドア開タイマにセットした時間が経過すると(ステップ117での判断結果がYES(タイマ=0))、制御部6はドアロック機構9にドアアンロックの制御信号を出力してドア開(ドアアンロック状態)とする(ステップ119)。
【0028】
他方、図3の画面で「手動でドア開」と設定されている場合(ステップ115での判断結果がNOの場合)は、使用者が操作部2に設けられたドア開スイッチが押される(オンされる)まで待ち(ステップ118)、ドア開スイッチが押されると(ステップ118での判断結果がYES)、制御部6はドアロック機構9にドアアンロックの制御信号を出力してドア開(ドアアンロック状態)とする(ステップ119)。尚、ドア7を閉めると同時にドアロック機構9が動作してドア7がロックされるよう構成しても良い。
【0029】
以上のように、本実施の形態によれば、表示部に運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択が可能な設定機能を設けたため、同じ遠心分離機であっても、使用者は、運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの選択を使用目的に応じて適宜自由に行うことができる。
【0030】
又、使用者は、表示部に表示される画面に従って運転・停止後にドアを自動で開けるか手動で開けるかの条件を操作部から自由に設定することができる。
【0031】
更に、運転・停止後にドアを自動で開ける場合には、停止してからドアを開けるまでの時間を設定することができるため、遠心分離機の使い勝手が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る遠心分離機のドアが閉じられた状態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る遠心分離機のドアが開けられた状態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る遠心分離機の運転停止後のドア開設定画面を示す図である。
【図4】本発明に係る遠心分離機の運転・停止後のドア開動作の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1 表示部
2 操作部
3 ロータ
4 駆動部
5 回転室
6 制御部
7 ドア
8 筐体
9 ドアロック機構
10 ドアスプリング
11 ロックピン
12 ドアフック
100 設定画面
101 ドア開設定ボックス
102 時間設定ボックス
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年10月13日(2006.10.13)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−93588(P2008−93588A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−279375(P2006−279375)