トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 遠心分離機
【発明者】 【氏名】五十嵐 貞人

【氏名】村山 和彦

【要約】 【課題】本発明は、連続ロータと、冷却能力を低下させること無く通常のロータとが使用可能な遠心分離機を提供することにある。

【構成】連続ロータと、冷却能力を低下させること無く通常のロータとが使用可能な遠心分離機30において、遠心分離機30のロータ2としてチューブ設置用凹部4b内に試料チューブ12を使用しない通常のロータを設置する場合はチューブ設置用凹部4bを閉塞し、チューブ12を設置する連続ロータを使用する場合はチューブ設置用凹部4bを開放するアダプタ部材13をドア4に開閉自在に取り付ける。これにより、通常のロータの使用時には、アダプタ部材13をチューブ設置用凹部4bに閉塞または埋設させることにより風損を少なくする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体内に装着されたモータと、前記筐体内に装着され、前記筐体の上部において開口部を有する仕切り部材によって区画されたロータ室と、前記ロータ室内に設置され、前記モータによって回転されるロータと、前記ロータ室の前記開口部を閉塞し、かつ開閉自在に設けられたドアとを備えた遠心分離機において、
前記ロータ室の前記開口部を閉塞する前記ドアの裏面は、前記ドアの中央面より前記ロータ室の内部側へ突出する突出外周面を有し、
前記突出外周面の一部には、前記ロータへ試料を注入または回収する試料チューブを設置するためのチューブ設置用凹部を有し、
前記試料チューブを使用するロータを前記ロータ室に設置する場合は前記チューブ設置用凹部を開放し、前記試料チューブを使用しないロータを前記ロータ室に設置する場合は前記チューブ設置用凹部を閉塞するアダプタ部材を前記ドアに開閉自在に取り付けたことを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記アダプタ部材は、前記チューブ設置用凹部を開放する場合、前記ドアの内部に移動により格納されることを特徴とする請求項1に記載された遠心分離機。
【請求項3】
前記アダプタ部材は、前記チューブ設置用凹部を閉塞または開放するように、前記ドアに回動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載された遠心分離機。
【請求項4】
前記アダプタ部材は、前記チューブ設置用凹部を開放または閉塞するように、前記ドアの中心方向に摺動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載された遠心分離機。
【請求項5】
前記アダプタ部材は、前記チューブ設置用凹部を開放または閉塞するように、前記ドアの円周方向に摺動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載された遠心分離機。
【請求項6】
前記アダプタ部材が前記チューブ設置用凹部を開放または閉塞していることを検出するセンサを前記ドアに設置したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載された遠心分離機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離機のロータ室の開口部を開閉するドア構造に関し、特に、通常の試料容器保持用ロータと、機外より試料チューブを介してロータ室内へ導入される試料を分離する連続ロータとを使い分けできる多用途型遠心分離機のドア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機は、分離すべき試料を搭載するロータ(回転体)をロータ室(回転室)の中に収容し、ドアによってロータ室の開口部を密閉した状態で、モータ等の駆動装置を用いてロータを高速回転させることによって、ロータに保持された試料の分離、精製等を行うものである。
【0003】
多用途型遠心分離機では、試料を分離するためのロータが、試料の種類、試料の処理量、回転速度等に応じた用途により複数種類に使い分けられる。通常のロータの使用では、分離する試料を独立した試料容器(遠心管)に入れてからロータに保持させ、駆動装置によって遠心力を加えて試料を分離する。他の種類のロータとして、医学、薬学等の分野では、遠心機本体の機外からチューブを介して試料を連続的にロータに直接流し込んで分離する連続ロータを用いるものがある。連続ロータの構造例は、例えば下記特許文献1に示されている。連続ロータを使用する場合には、遠心分離機本体の外部に試料を入れた試料容器を設け、その容器から遠心分離機本体のロータ室に設置されたロータまで延在するチューブによって試料流通路を形成し、ロータを回転させながら分離する試料を試料容器からロータへ連続して流し込む構造となる。
【0004】
連続ロータを使用する遠心分離機において試料チューブを遠心機本体の機外からロータ室へ導入する方式には、下記特許文献2の図1に開示されているように、試料チューブの一部を埋設するためにドア裏面の外周部の一部にドア凹部(8)を設ける方式と、同特許文献2の図5に示されるように、ドア凹部を設けることなく、筐体およびロータ室を区画する仕切り部材(1)を貫通した試料チューブを直接連続ロータへ接続する方式とがある。
【0005】
前者のチューブ埋込み用ドア凹部をドア裏面に設ける方式は、ロータ室のスペースを比較的狭くできる点で有利である。
【0006】
一方、遠心分離機では、回転体であるロータが高速回転するため、万が一ロータが破壊したとき、大きな破壊エネルギとなり、ロータ自身の破壊に止まらず、ロータに搭載されたチューブ等の試料容器部材、またはロータを取囲むドア部材もしくは断熱部材等の周辺部材も破片となって飛散することが想定される。この想定事故に対する安全性を確保する目的で、下記特許文献3に開示されるように、ロータ室内の部材の破片が飛散するのをより完全に防止するためにドア裏面の外周部に突出外周面(12)を設けることが周知である。
【0007】
【特許文献1】特開平7−256150号公報
【特許文献2】実開平6−52939号公報
【特許文献3】特開平8−266934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図8は、本発明者によって先に検討された、連続ロータが設置可能で、かつドア裏面4cに突出外周面4aを有する遠心分離機40の要部断面図を示す。かかるドア裏面4cの突出外周面4aに試料チューブ12を導入するために、ドア裏面の突出外周面4aには、突出外周面4aの一部分にチューブ設置用凹部(開口部)4bを形成し、このチューブ設置用凹部4b内に、筐体1および仕切り部材7(ボウル)を貫通する試料チューブ12を埋設することによって、試料チューブの流通路(スペース)を確保した。
【0009】
しかしながら、チューブ設置用凹部4bは連続ロータを使用しない場合、すなわち図8に示されるような通常のロータを使用する場合でも、チューブ設置用凹部4bが存在することとなるため、外径が大きいロータまたは小形でより高速で回転するロータを使用する場合、チューブ設置用凹部4bが風損の原因となり、冷却配管(パイプ)6によってロータ2および試料を十分に冷却できなくなるという欠点があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、上記欠点をなくし、通常の試料容器保持用ロータと、機外より試料チューブを介してロータ室内へ導入される試料を分離する連続ロータとを使い分けできる多用途型遠心分離機において、両者どちらのロータの使用においても高性能を発揮できる遠心分離機を提供することにある。また、従来と同等な安全性を確保できる多用途型遠心分離機を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、連続ロータを使用しない時は開口部4bが閉塞されていることを認識できるようにした遠心分離機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、下記のとおりである。
【0013】
本発明における遠心分離機の一つの特徴によれば、筐体と、前記筐体内に装着されたモータと、前記筐体内に装着され、前記筐体の上部において開口部を有する仕切り部材によって区画されたロータ室と、前記ロータ室内に設置され、前記モータによって回転されるロータと、前記ロータ室の前記開口部を閉塞し、かつ開閉自在に設けられたドアとを備えた遠心分離機において、前記ロータ室の前記開口部を閉塞する前記ドアの裏面は、前記ドアの中央面より前記ロータ室の内部側へ突出する突出外周面を有し、前記突出外周面の一部には、前記ロータへ試料を注入または回収する試料チューブを設置するためのチューブ設置用凹部を有し、前記試料チューブを使用するロータを前記ロータ室に設置する場合は前記チューブ設置用凹部を開放し、前記試料チューブを使用しないロータを前記ロータ室に設置する場合は前記チューブ設置用凹部を閉塞するアダプタ部材を前記ドアに開閉自在に取り付ける。
【0014】
本発明における遠心分離機の他の特徴によれば、前記アダプタ部材は、前記チューブ設置用凹部を開放する場合、前記ドアの内部に移動により格納される。
【0015】
本発明における遠心分離機のさらに他の特徴によれば、前記アダプタ部材は、前記チューブ設置用凹部を開放または閉塞するように、前記ドアに回動自在に取り付けられる。
【0016】
本発明における遠心分離機のさらに他の特徴によれば、前記アダプタ部材は、前記チューブ設置用凹部を開放または閉塞するように、前記ドアの中心方向に摺動可能に取り付けられる。
【0017】
本発明における遠心分離機のさらに他の特徴によれば、前記アダプタ部材は、前記チューブ設置用凹部を開放または閉塞するように、前記ドアの円周方向に摺動可能に取り付けられる。
【0018】
本発明における遠心分離機のさらに他の特徴によれば、前記アダプタ部材が前記チューブ設置用凹部を開放または閉塞していることを検出するセンサを前記ドアに設置する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、試料チューブを使用しないロータをロータ室に設置する場合はチューブ設置用凹部を閉塞し、チューブを設置する場合はチューブ設置用凹部を開放するアダプタ部材をドアに開閉自在に取り付けるので、チューブ設置用凹部に基づく風損を防止して冷却効果を向上させることができる。また、上記アダプタ部材によりチューブ設置用凹部を塞ぐことにより、従来のものより大型のロータまたは高速回転で駆動できるロータを使用してそのロータが万が一破壊されたとしても、ロータ室内における構成部材のロータ室外への飛散は従来と同様に防止することができる。
【0020】
また、本発明によれば、アダプタ部材を検出するセンサによってチューブ設置用凹部をアダプタ部材が塞いでいることを検知した上で運転を可能にするので、連続ロータ以外のロータを使用する運転をより安全にすることができる。
【0021】
本発明の上記および他の目的、ならびに上記および他の特徴は、以下の本明細書の記述および添付図面よりさらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。また、本発明者が予め検討した図8の遠心分離機と同一の機能を有する部材についても同一の符号が使用されている。
【0023】
図1は本発明の実施形態に係る遠心分離機において、アダプタ部材がチューブ設置用凹部を開放した状態で連続ロータを使用する場合の全体構成を示す断面図、図2および図3は、図1に示した遠心分離機においてアングルロータ、スイングロータ等の通常のロータを使用する場合の要部拡大図、ならびに図4は、図2に示した遠心分離機においてA方向から見た部分拡大図(側面図)である。
【0024】
本発明の実施形態に係る遠心分離機の全体構成について、図1を参照して説明する。
【0025】
遠心分離機30は、上面から見た断面形状が略四角形を有する筐体(フレーム)1を備え、筐体1の内部には、仕切り部材(ボウル)7でロータ室3が区画されている。ロータ室3内には、試料が充填された複数の試験管(チューブ)等をロータの円周部に円形列に保持できる通常のロータを設置するか、または機外より試料注入チューブおよび試料回収チューブを導入してロータ自身を試料容器として使用する連続ロータを設置する。図1に示すロータの設置例は、ロータ2として連続ロータを設置した場合である。図1に示されるように、遠心分離機30は、アルミニウム合金またはチタン合金から成るロータ2と、ロータ2に回転駆動力を与えるためのモータ5と、ロータ2を収納するロータ室(回転室)3とを具備し、また、筐体1内に形成されたロータ室3の上部開口部(開閉部)15には、蝶番(図示なし)を介して、ドア4が筐体1に回動自在に取り付けられている。このドア4は、図示されないドアロック装置の作用によって、ロータ2の回転中にはロータ室3を開放しないように制御される。さらに、遠心分離機30には、モータ5のオン・オフ制御、および回転速度制御等を行い、かつモータ5の回転に従ったドアロック装置の制御を行うための制御装置(マイクロコンピュータ)16を備える。さらにまた、筐体1の上面部には、ロータ2の回転速度や遠心分離を行う時間等のデータを設定(入力)するための操作パネル17および表示パネル(モニタ)18が具備され、操作パネル17および表示パネル18は、上記制御装置16に電気的接続され、制御装置16へのデータの入力を行い、また制御装置16からのデータを表示する。
【0026】
上記ロータ室3は、例えば、ステンレス鋼材料から成るボウル(仕切り部材)7によって区画され、ボウル7の外周には螺旋状の冷却配管(パイプ)6が配置され、さらに、その外周部には断熱部材(発泡材)8を充填した円筒状のケーシング9が設置されて、これらの仕切り部材7、6、8および9は一体に装着されている。これによって、ロータ室3内に設置されるロータ2の回転時の温度上昇が冷却され、また、ロータ室3は、仕切り部材7およびドア4によって、外気から密閉されるように構成される。さらに上記仕切り部材(7、6、8および9)の外周部には、ロータ2の破壊時に破壊エネルギを吸収する、例えば鋼材から成る、プロテクタ(防護壁)10が装着される。
【0027】
上記モータ5は、例えば、300Vの3相交流電源で起動する3相誘導モータから構成され、上記ロータ2の種類に従って、例えば22,000rpm等の高速回転を与えることができる。ロータ2は電動モータ5の回転軸に着脱可能に接続されている。遠心分離する仕様に従って、ドア4を開閉してロータ2を交換できるように接続される。
【0028】
ロータ2やロータに搭載される試料容器(図示なし)等を出し入れするためのロータ室開口部15の周縁部15aには、弾性体材料から成るドアパッキン21が設けられ、このドアパッキン21をドア4で押し潰すことによって、開口部15はドア4によってより確実に密閉される。
【0029】
ドア4の裏面4c(ロータ室3の開口部15を区画する面)において、その外周部には円形状の凸部、すなわち突出外周面4aが形成されており、この突出外周面4aは、ドア裏面4cの中央面4dに対してロータ室3の内部側に入り込んだ突出構造になっている。すなわち、ドアの裏面4cは、中央面4dから外周面4aへ向う放射方向に延在する面が外周面4aで突出する皿状の面を有する。この突出外周面4aは、上記特許文献3に開示された技術と同一の目的で設けられたもので、ロータ室3内のモータ回転軸に接続されたロータ2が回転中に万が一破壊した場合に、ロータ2の破壊に伴う破片が遠心分離機の外部に飛散するのを防止するために設けられる。ドア4の裏面4cは、例えばプラスチック材料から作られている。
【0030】
本発明に従って、突出外周面4aの一部には、チューブ設置用凹部4bが設けられ、かつ遠心分離機30にロータ室3に設置されるロータ2が通常のロータ(例えば、アングルロータ)または連続ロータのどちらかによって、図2および図3に示されるように、このチューブ設置用凹部4b内を開閉するように、開閉自在にアダプタ部材13が取り付けられる。このアダプタ部材13は、例えば、ゴムまたはプラスチック材料もしくは金属材料で構成される。
【0031】
アダプタ部材13は、例えば、図3に示されるように、ドア4の裏面4cの突出外周面4aに沿って摺動可能(横移動可能)に設置される。
【0032】
もし、遠心分離機30のロータ2として通常のロータ(試験管等の試料容器を内包可能なロータ、例えばアングルロータ)を使用する場合、連続ロータで使用するチューブ12aおよび12b(図1参照)が不要となるので、チューブ設置用凹部4bのスペースは不要となる。この場合、図3に示されるように、アダプタ部材13は、チューブ設置用凹部4bを閉塞するように、またはチューブ設置用凹部4bを埋設するように、摘み突起部13aを把持して左方向一杯に摺動される。言い換えれば、アダプタ部材13を凹部4bに移動し、凹部4bを塞ぐか、または埋め込むようにする。これによって、図2に示すように、チューブ設置用凹部4bはアダプタ部材13によって閉塞または埋設されるので、チューブ設置用凹部4bに基づく風損を防止して冷却効果を向上させることができる。遠心分離機30のロータ2として通常のロータを使用する場合、試料チューブ12aおよび12bを挿入するために仕切り部材7に予め形成された穴7aは、例えばゴム材料から成る、プラグ24によって栓をする。他方、図4に示されるように、筐体1に設けられた穴1aは、プレート(板部材)25が筐体1にネジ止めされ塞がれる。
【0033】
一方、図1に示すように遠心分離機30のロータ2として連続ロータを使用する場合、チューブ設置用凹部4bのスペースを必要とするので、アダプタ部材13は、図3に示すように、チューブ設置用凹部4bを開放するように、摘み突起部13aを把持して右方向へ一杯に摺動される。アダプタ部材13が右方向一杯に摺動されると、アダプタ部材13に内蔵されたコイルバネで付勢された鋼球等の係止突起部13bが係止凹部4eに係止される。この場合、図1に示されるように、チューブ設置用凹部4b内には、連続ロータ2に接続された試料注入チューブ12aおよび試料回収チューブ12bが並行して設置され、仕切り部材7および筐体1にそれぞれ形成された通し穴7aおよび1aを通して、機外へ導出される。そして、試料注入チューブ12aは試料容器11に接続され、試料回収チューブ12bは、図示されていない回収容器に接続される。これによって、遠心分離機30は連続ロータ2を用いた遠心分離が可能となる。
【0034】
なお、チューブ設置用凹部4bがアダプタ部材13によって埋め込まれているか否かは、図3に示されるように、近接スイッチやマイクロスイッチ等から成るセンサ23を設けることによって検知できる。例えば、もしアダプタ部材13がチューブ設置用凹部4bを埋め込んでいる場合、センサ23が制御装置16に制御信号を送信するように制御する。これによって、通常のロータを使用するときは、チューブ設置用凹部4bがアダプタ部材13によって埋め込まれていることを容易に確認できる。
【0035】
図5および図6は、アダプタ部材13をドア4に開閉自在に取り付けるための他の構造を示す。アダプタ部材13は、一対の回動支軸を構成する回動ピン13cによって、チューブ設置用凹部4bを開放または閉塞するように、ドア4の中心方向に回動可能に取り付けられている。図5は、ロータ2として連続ロータを使用する場合、アダプタ部材13が押されて回動ピン13cを軸に回動し、係止突起部13dによってドア4の係止部(図示なし)に固定される場合を示す。一方、図6は、ロータ2として通常のロータを使用する場合で、アダプタ部材13によってチューブ設置用凹部4bが閉塞された状態を示す。
【0036】
図7は、アダプタ部材13をチューブ設置用凹部4bに対し摺動自在に取り付けるための他の構造を示す。遠心分離機30のロータ2として通常のロータを使用する場合、アダプタ部材13はチューブ設置用凹部4bを埋め込むように、ドア4の外周端部に設置され、逆に、遠心分離機30のロータ2として連続ロータを使用する場合、アダプタ部材13はチューブ設置用凹部4bの奥に押しやられて設置される。アダプタ部材13の係止機構は、例えば、アダプタ部材13の底面を支持するレール部26の一部にフック部27を形成して係止させることができる。
【0037】
以上述べた本発明の構成によれば、従来技術に係る図8に示した遠心分離機の構成に比較して、風損による温度上昇を防止し、ロータ室内の冷却効果を十分に高めることができる。特に、通常のロータを使用して遠心分離する場合、ロータを高速回転し、かつ冷却しながら遠心分離するときが多いので、通常のロータを使用する場合に効果的である。本発明に従ってアダプタ部材13を設けると風損が少なくなる理由は、チューブ設置用凹部4bがアダプタ13によって埋設されるので、ロータ2の高速回転時に発生する気流の乱れ(乱流)が少なくなるためである。なお、連続ロータを使用する場合は、通常、室温程度に保持した状態で遠心分離されるので、風損によるロータの温度上昇は実用上問題とならない。
【0038】
さらに本発明によれば、チューブ設置用凹部4bがアダプタ部材13によって埋設されるので、万が一発生するかもしれないロータ室内の破片の飛散事故(想定事故)に対して、より高い安全性を確保でき、安全上、従来適用不可能とされた高い回転エネルギを持つロータも、本発明の遠心分離機30に適用することができる。
【0039】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係る遠心分離機の断面図。
【図2】図1に示した遠心分離機において通常のロータを使用する場合の要部拡大図。
【図3】図2に示した遠心分離機において通常のロータを使用する場合の要部斜視図。
【図4】図3に示した遠心分離機においてA方向から見た部分拡大図(側面図)。
【図5】本発明の他の実施形態に係る遠心分離機の要部断面図。
【図6】図5に示した遠心分離機において通常のロータを使用する場合の要部拡大図。
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係る遠心分離機の要部断面図。
【図8】従来の遠心分離機の部分構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0041】
1:筐体(フレーム) 2:ロータ 3:ロータ室(回転室) 4:ドア
4a:ドア裏面の突出外周面 4b:チューブ設置用凹部 4c:ドアの裏面
4d:ドア裏面の中央面 5:モータ 6:冷却配管(パイプ)
7:ボウル 7a:穴 8:断熱部材(発泡材) 9:ケーシング
10:プロテクタ(防護壁) 13:アダプタ 13a:摘み突起部
13b:係止突起部 13c:回動ピン 13d:係止突起部
15:開口部(開閉部) 15a:開口部の周縁部 16:制御装置
17:操作パネル 18:表示パネル(モニタ) 21:ドアパッキン
23:センサ 24:プラグ 25:プレート 26:レール部
27:フック部 30:遠心分離機(本発明) 40:遠心分離機(従来品)
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100072394
【弁理士】
【氏名又は名称】井沢 博


【公開番号】 特開2008−29948(P2008−29948A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205601(P2006−205601)