トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 電気集じん機
【発明者】 【氏名】細野 洋

【氏名】村田 光

【氏名】村山 将

【要約】 【課題】高い風速で運転しても、接地電極板の振動を小さく抑え、局部短絡の発生し難い電気集じん機を提供する。

【解決手段】本発明の電気集じん機の接地電極板52Bは、金属の平板であり、接地電極板を固定するために支持金具を通す支持穴1と、放電極板52Aを固定するための支持金具との間に絶縁距離を確保するための貫通穴2が設けられている。支持穴1は風向に対して中心線A−A´よりも風上側に配置する。接地電極板52B同士は、支持穴1を連通した支持金具3により固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面に突起を持つ平板状の放電極板と、平板状の接地電極板が、風の流れに対し平行に交互に配設され、前記放電極板に高電圧を印加して粉じんに電荷を与える帯電部と、帯電した粉じんをクーロン力によって捕集する集じん部とを備え、前記帯電部と集じん部が独立した構造の2段式電気集じん機において、前記帯電部の接地電極板は電極板奥行方向の中心位置よりも風上側に電極板の支持部を備えた電気集じん機。
【請求項2】
前記支持部は、給電部を兼ねたことを特徴とする請求項1記載の電気集じん機。
【請求項3】
前記支持部は、接地電極板の電極板奥行方向の中心位置よりも風上側に設けた支持穴に棒状の支持金具を通して支持する構成を特徴とする請求項1または2いずれかに記載の電気集じん機。
【請求項4】
前記支持部は、棒状の支持金具に等間隔のスリットを設け、そのスリットに接地電極板の風上側を挟持してなる請求項1または2いずれかに記載の電気集じん機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車道路トンネルや地下駐車場等の閉鎖空間に設置される電気集じん機に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車道路トンネル内の空気は、自動車排ガス等の微小な粉じんで汚染されている。このような微小粉じんを除去するために、粉じんに電荷を与えて電気的に捕集する電気集じん機が広く採用されている。
【0003】
これらの電気集じん機には、一般に帯電部と集じん部が独立した構造の2段式電気集じん機が用いられている。2段式電気集じん機の場合、帯電部と集じん部をそれぞれ個別に最適設計できるため、粉じんを高効率で除去できるという長所がある。帯電部の放電極には帯電効率の高い放電線が多く採用されてきた。放電線は長期間使用すると断線することがあるため、放電線部分の交換が容易にできる構造にする必要がある。このため、放電線式の放電極の場合、一般に接地電極板の支持位置を風下側にのみ設け、放電線は帯電部の風上側に配置して、帯電部の風上側から容易に放電線が交換できるように設計されている(例えば、特許文献1)。また近年では、断線の起こらない複数の突起を端面に有する放電極板も採用されつつあり、複数の突起を端面に有する放電極板やこのような放電極板を利用したで集じん装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
また近年、土木費・建築費削減の観点からトンネル換気用電気集じん機は、設置スペースの削減が求められるようになってきた。このため、ひとつには電気集じん機の高処理風速化が進んでいる。処理風速をより高速とすることで、集じん機設置断面積をより小さくすることができる。トンネル換気用電気集じん機の実用化当初は処理風速7m/sであったが、近年では処理風速13m/sまで処理風速が速くなった例もある。他方では、車道から電気集じん機までの導入風路を極力短くする配置が取られるようになってきた。
【特許文献1】特開2001−232236号公報
【特許文献2】実開平6−41849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電気集じん機の処理風速が速くなり、かつ車道から電気集じん機までの導入風路が短くなると、流入する風が脈動を起こしたり、渦流が発生しやすくなる。流入する風に脈動や渦流が発生すると、接地電極板の振動が発生しやすくなる。特に放電線式で広く採用されている接地電極板の風下側片端支持方式では、特に接地電極板の風上側から風下側支持位置にかけて振動が発生しやすくなる。支持物接地電極板が振動すると、高電圧が印加されている放電極板との距離が短くなり、放電極板と接地電極板の間で局部短絡(スパーク)が発生してしまう。振動が大きくなればなるほどスパーク頻度も大きくなり、集じん率の低下を招く。このような場合、放電極板と接地電極板の間隔を大きく設計してスパークを回避する方法もあるが、装置が大型化するため近年装置に求められるコンパクト性と相反する。また、板厚を厚くすることによって接地電極板の強度を上げ、振動を抑制する方法もあるが、重量増や材料費増につながり得策ではない。また、特許文献1で提案されているように、帯電部接地電極板支持位置の他端(風上側)に振動防止用の位置規制板を設ける方法もあるが、この方法では放電極板と位置規制板の間でスパークが発生しないように絶縁距離を新たに確保する必要があるため装置奥行方向が大きくなるという課題があった。そこで重量増や材料費増を伴わず接地電極板の振動を抑える方法が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の手段は、端面に突起を持つ平板状の放電極板と、平板状の接地電極板が、風の流れに対し平行に交互に配設され、前記放電極板に高電圧を印加して粉じんに電荷を与える帯電部と、帯電した粉じんをクーロン力によって捕集する集じん部とを備え、前記帯電部と集じん部が独立した構造の2段式電気集じん機において、前記帯電部の接地電極板は電極板奥行方向の中心位置よりも風上側に電極板の支持部を備えたものである。
【0007】
この手段により、電気集じん機に流入する空気に脈動や渦流等の乱れがあっても、装置が大型化することなく帯電部の接地電極板の振動を抑え、定格電圧の印加が可能であることを目的とする。
【0008】
また、他の手段は、前記支持部は、給電部を兼ねたことを特徴とするものである。
【0009】
また、他の手段は、前記支持部は、接地電極板の電極板奥行方向の中心位置よりも風上側に設けた支持穴に棒状の支持金具を通して支持する構成を特徴とするものである。
【0010】
また、他の手段は、前記支持部は、棒状の支持金具に等間隔のスリットを設け、そのスリットに接地電極板を挟持してなるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高い風速で電気集じん機を運転しても、接地電極板の振動が小さく抑えることができ、結果、局部短絡の発生し難い電気集じん機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の請求項1記載の発明は、端面に突起を持つ平板状の放電極板と、平板状の接地電極板が、風の流れに対し平行に交互に配設され、前記放電極板に高電圧を印加して粉じんに電荷を与える帯電部と、帯電した粉じんをクーロン力によって捕集する集じん部とを備え、前記帯電部と集じん部が独立した構造の2段式電気集じん機において、前記帯電部の接地電極板は電極板奥行方向の中心位置よりも風上側に電極板の支持部を備えたものであり、電気集じん機に流入する空気に脈動や渦流等の乱れがあっても、装置が大型化することなく帯電部の接地電極板の振動を抑え、定格電圧の印加が可能であることを目的とする。
【0013】
本発明の請求項2記載の発明は、前記支持部は、給電部を兼ねたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項3記載の発明は、前記支持部は、接地電極板の電極板奥行方向の中心位置よりも風上側に設けた支持穴に棒状の支持金具を通して支持する構成を特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項4記載の発明は、前記支持部は、棒状の支持金具に等間隔のスリットを設け、そのスリットに接地電極板の風上側を挟持してなるものである。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
本発明の電気集じん機50は、空気の流れの風上側に帯電部52を、風下側に集塵部53を配置した2段式である。また電気集じん機50の側面には集塵部53に給電する高圧電源51Aと、帯電部52に給電する高圧電源51Bとが設けられている。
【0018】
図1は、本実施の形態による電気集じん機の全体図である。帯電部52は、複数枚の接地電極板52Bが所定間隔あけて平行に並設され、接地電極板52Bの間に放電極板52Aが配置された構造となっている。集塵部53は、荷電極板53Aと集塵電極板53Bとを交互に所定間隔あけて並設している。
【0019】
図2は、本実施の形態による電気集じん機の帯電部52の接地電極板を示す図である。接地電極板52Bは、金属の平板であり、接地電極板を固定するために支持金具を通す支持穴1と、放電極板を固定するための支持金具との間に絶縁距離を確保するための貫通穴2が設けられている。支持穴1は風向に対して中心線A−A´よりも風上側に配置する。
【0020】
図3は、本実施の形態による電気集じん機の放電極板を示す図である。放電極板52Aは、その端面に先端が尖った形状をした複数の突起10を有している。
【0021】
図4は、本実施の形態による電気集じん機の帯電部の構成を示す平面図である。帯電部52は、複数枚の接地電極板52Bが所定間隔Dあけて平行に配設され、接地電極板52Bの間に放電極板52Aが配置されている。接地電極板52B同士は、支持穴1を連通した支持金具3により固定され、支持金具3により通電されている。
【0022】
上記構成により、帯電部を設けた側を風上側として、粉塵等を含んだ汚染空気を流入させる。その動力としては装置風下側に設けた送風機により吸引する方式をとるとよい。そこで、帯電部52は、放電極板52Aに高電圧を印加し、放電極板52Aと接地電極板52Bとの間で発生するコロナ放電によって空気中に含まれる粉塵に電荷を与えて帯電させる。また、集塵部53は、荷電極板53Aに電圧を印加して集塵電極板53Bとの間で電界を形成し、帯電した粉塵をクーロン力によって集塵電極板53Bに捕集する。このとき、装置に流入する風速が速い、あるいは、流入空気が脈動を起こしても、接地電極板52Bの風上側で接地電極板52Bを固定しているため、接地電極板52Bは振動しにくい。接地電極板52Bの風下側は固定されていないが、接地電極板52B及び放電極板52Aが風の流れに対して平行に複数枚設置されているため、これらの電極板によって整流され比較的振動は小さくなる。
【0023】
また、接地電極板に支持金具3を通す支持穴1を設けない場合、支持金具3にスリットを等間隔に設け、接地電極板52Bを風下側にして支持金具に接地電極板52Bを挟み込む固定方法でもよい。
【実施例】
【0024】
本発明を適用した電気集じん機によって通風を行った実験結果を図5に示す。効果を検証するために接地極板支持部近傍で振動加速度、振幅の測定を行った。このように本発明によれば、風上側で支持することによって風下側で支持した場合に比べて振動加速度、振幅ともに良化した。また、局部短絡も見られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、コロナ放電によって粉塵に電荷を与えて帯電させ、帯電した粉塵をクーロン力によって捕集する電気集じん機に適用が可能で、特に設置場所に制約のある場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1による電気集じん機の概略図
【図2】同電気集じん機の接地電極板を示す図
【図3】本実施の形態による電気集じん機の放電極板を示す図
【図4】本実施の形態による電気集じん機の帯電部の構成を示す平面図
【図5】本実施の形態による電気集じん機による通風試験結果を示す図
【符号の説明】
【0027】
1 支持穴
3 支持金具
10 突起
50 電気集じん機
52 帯電部
52A 放電極板
52B 接地電極板
53 集塵部
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年11月13日(2006.11.13)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−119599(P2008−119599A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−306360(P2006−306360)