トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 空気浄化装置
【発明者】 【氏名】須藤 一彦

【要約】 【課題】たばこの煙や、ミストとダストを含む浮遊物質を効果的に捕集できるとともに、ミストとダストを含む浮遊物質を、イオンにより、効率良く捕集できる空気浄化装置の提供。

【構成】空気中に浮遊する液体や固体の粒子から成る物質を除去するために、イオン雰囲気を形成した流路に空気を流し、これを浄化する装置において、所定の間隔を置いて一対の電極板11、12を配置し、一対の電極板の対向している側の表面に、紙類を材料として形成したシート材13、14を配置するとともに、それらのシート材の間を流れる空気の流路15を形成し、シート材の表面に、当該表面から流路内に向かって突き出した無数の突起17を形成し、上記一対の電極板をイオン発生装置21に接続し、空気中の浮遊物質を捕集するために、浮遊物質の帯電している極性とは異なる極性に規制することにより、当該突起を有するシート材の表面に浮遊物質が付着するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に浮遊する液体や固体の粒子から成る物質を除去するために、イオン雰囲気を形成した流路に空気を流し、これを浄化する装置において、所定の間隔を置いて一対の電極板を配置し、一対の電極板の対向している側の表面に、紙類を材料として形成したシート材を配置するとともに、それらのシート材の間を空気の流れる流路とし、シート材の表面に、当該表面から流路内に向かって突き出した無数の突起を形成し、上記一対の電極板をイオン発生装置に接続し、空気中の浮遊物質を捕集するために、浮遊物質の帯電している極性とは異なる極性に規制することにより、当該突起を有するシート材の表面に浮遊物質が付着するように構成したことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項2】
空気の流れる流路を、紙を材料として形成し、紙面に鋲を突き刺すことにより、縁にささくれのある孔を形成し、そのささくれを無数の突起として利用した請求項1記載の空気浄化装置。
【請求項3】
紙面に鋲を突き刺すことにより、縁にささくれのある孔を形成した紙類の外側に、類似の紙類を材料とするシートを重ねて一体とした請求項2記載の空気浄化装置。
【請求項4】
紙を材料として形成した空気の流れる流路は、電極板とは独立したフィルターを構成しており、使用後、空気中の浮遊物質を捕集したまま廃棄し、新品と交換可能に形成されている請求項1記載の空気浄化装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中に浮遊する液体や固体の粒子から成る物質を除去するために、イオン雰囲気を形成した流路に空気を流し、これを浄化する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気中に浮遊する液体や固体の粒子から成る物質は空気を汚染し、肉体的にも精神的にも好ましくない影響を人体に及ぼす。そして、たばこの煙はその臭気の強さ、付着力の強さ、受動喫煙の影響の大きさなどのために、空気浄化における主要な除去対象である。空気浄化を目的として、浮遊物質を除去するさまざまな工夫を凝らした技術が提案されていることはいうまでもなく、例えば特開2001−321661号の発明は、室内に均一にマイナスイオンを供給することを目的として、放電電極の先端部の向いている方向を15〜45度の角度に開くようにする構成を開示している。同発明は除去対象をたばこの煙に限るものではないが、マイナスイオン濃度のムラをなくすことを目的としており、それ以上ではない。
【0003】
特開2004−261753号の発明は、オイルミスト除去効率の向上を図るもので、主フィルターの下流に、遠心式の送風機を設けてその周囲に吸着領域を設定し、主フィルターで除去されなかったオイルミストを送風機の遠心力によって加速し、慣性によって吸着領域に吸着させようという構成を有する。たばこの煙はミストを含むが、微少な水滴とオイルミストでは質量や粘性などの物性が相違する上、事実、同発明により、たばこの煙の除去効率が向上するとの記載はない。
【0004】
実用新案登録第3109054号の考案は、化学物質やオゾンなどを一切使用せずにたばこの煙による不快臭を除去することができるというものである。そのためにエアフィルターと、2種類の金属及び鉱石とセラミックから成る異種の物質を筐体内に配置し、さらにマイナスイオン発生器と紫外線放射装置を配置するという構成を取っている。しかし、同考案の場合、技術的に新規な事項は見当たらず、多種類の物質や機器類を組み合わせているに過ぎないようである。
【0005】
【特許文献1】特開2001−321661号
【特許文献2】特開2004−261753号
【特許文献3】実用新案登録第3109054号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたものであり、その課題は、たばこの煙や、それと同様に、微細な水滴や吸湿性を有する粒子であるミストと固体粒子であるダストを含む浮遊物質を効果的に捕集できるようにすることである。また本発明の他の課題は、ミストとダストを含む浮遊物質を、イオンにより、著しく効率良く捕集できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決する本発明は、空気中に浮遊する液体や固体の粒子から成る物質を除去するために、イオン雰囲気を形成した流路に空気を流し、これを浄化する装置において、所定の間隔を置いて一対の電極板を配置し、一対の電極板の対向している側の表面に、紙類を材料として形成したシート材を配置するとともに、それらのシート材の間を空気の流れる流路とし、当該表面から流路内に向かって突き出した無数の突起をシート材の表面に形成し、上記一対の電極板はイオン発生装置に接続し、空気中の浮遊物質を捕集するために、浮遊物質の帯電している極性とは異なる極性に規制することにより、当該突起を有するシート材の表面に浮遊物質が付着するように構成するという手段を講じたものであ
る。
【0008】
本発明は、微細な水滴や吸湿性を有する粒子であるミストと固体粒子であるダストを含む浮遊物質を、イオンにより捕集する目的を有する。そのために、上記浮遊物質を含む空気は、イオンで満たされた一定の流路に流され、浮遊物質とは逆の極性を帯びているイオンと結合する過程を経ると考えられる。このイオンを利用して浮遊物質を捕集するという考え方は、従来のイオンによる空気浄化のそれと概ね同じであると考えている。
【0009】
空気の流れる流路にイオン雰囲気を形成するために、本発明では、所定の間隔を設けて一対の電極板を配置し、一対の電極板の対向している側の表面に、紙類を材料として形成したシート材を配置するとともに、それらのシート材の間を空気の流れる流路とする。一対の電極板と夫々の表面に配置するシート材は、電極板に全面的に接触していることが望ましく、電極板に対してシート材は誘電体のように機能すると見られる。
【0010】
シート材は、電気的絶縁体であることを必要とする。本発明には、紙材がシート材として適している。紙といっても様々であるが、本発明の場合、シート材をミストとダストを含む浮遊物質を捕捉するいわばフィルターとして使用するので、加工が容易であること、電極板に密接しやすいこと、使い捨てるためになるべく安価であることなどが望まれる。また、浮遊物質の補修状況を把握するためには、白色に近いか、或いは、捕集により色の変化が顕著に出ることも有意な条件になる。
【0011】
シート材の間は、実際に空気の流れる流路となるが、それらのシート材の表面に、当該表面から流路内に向かって突き出した無数の突起を形成する。浮遊物質の捕集量が著しく増加したかどうかは、捕集した粒子が付着しているシート材表面の色の濃度の上昇によって確認することができる。シート材の表面に無数の突起を設けることによって、シート材表面に捕捉された浮遊物質の増加に伴いその物質特有の色の濃度の著しい上昇が見られることは、本発明の開発過程において確認されている。本発明はこの現象の発見に基づいてなされたものである。
【0012】
この無数の突起が、浮遊物質捕集メカニズムにおいて、物理学的にどのような作用をするのか、未だ明らかではないが、突起の下流に尾を引くように色の濃い領域ができることから、突起によって空気流が攪拌されることも、シート材表面への付着が亢進する原因になっているのではないかと推測される。しかし、突起先端付近で気流が揺らいでいる様子も観察され、その現象も浮遊物質の捕集に寄与しているようにも見える。
【0013】
無数の突起をどのように設けるかは、基本的には自由に決められる事項であり、その中で、シート材として紙を材料とした場合には、その紙面に鋲を突き刺すようにして、縁に一様でないささくれのある孔を形成し、その不定形のささくれを無数の突起として利用することができ、このようにして突起を形成したシート材の捕集効果は良好である(請求項2記載の発明)。
【0014】
また、紙面に鋲を突き刺すこと等により、縁にささくれのある孔を形成した場合には、紙類の外側に、類似の紙類を材料とするカバーシートを重ねて一体とし、孔を閉じた構成を取ることが望ましい(請求項3記載の発明)。その他、例えば静電植毛手段によっても無数の突起を設けることができる。
【0015】
紙を材料として形成したシート材の間の空気の流れる流路が電極板とは独立したフィルターを構成していることは、使用後、空気中の浮遊物質を捕集したまま廃棄し、新品と交換可能であるので、実用上望ましいことである(請求項4記載の発明)。フィルターに捕集された、ミストやダストを含む空気中の浮遊物質は、フィルターの交換によって必ず機外に取り出されるので、本発明を適用した空気清浄機内に残存することはなく、空気清浄機が臭気を帯びることも軽減される。
【0016】
空気中の浮遊物質を捕集するために、上記一対の電極板をイオン発生装置に接続し、浮遊物質の帯電している極性とは異なる極性に規制することにより、当該突起を有するシート材の表面に浮遊物質が付着するように構成する。イオン発生装置は、任意のものを使用しても良い。しかし、出願人が開発したメイントランスの1次側にポンピング回路を接続したイオン発生装置は小型高性能であるのでこれを使用することは最も望ましい。
【0017】
上記イオン発生装置は、例えば直流電源をエネルギー源とするもので、メイントランスの1次側コイルに、ポンピング回路を接続し、メイントランスの2次側コイルに、ポンピング回路の通電により発生した高電圧をさらに昇圧する逓倍回路を接続するとともに、逓倍回路にて昇圧した高電圧を出力するイオン電極を接続し、また、メイントランスの2次側コイルにアース線を接続した構成を有し、前記ポンピング回路の前段に、1次側電圧の安定化のための電圧安定化回路を設けた構成を有する。
ポンピング回路は、エミッターに通じる回路が中間点で接続されるように配置された2個のNPN型トランジスターを有するように構成することができる。
電圧安定化回路は、2個のトランジスターのエミッターに通じる回路に接続されたダイオードと、ベースに通じる回路に接続された抵抗と、上記ダイオードと抵抗が2次側に接続され、メイントランスの1次側が1次側に接続されるトランスを有するように構成することができる。
メイントランスの2次側コイルとアース線の間には、順方向にダイオードを挿入することができる。
また、直流電源に通じるポンピング回路、電圧安定化回路、メイントランス及び逓倍回路は回路基板の1面に取り付け、これらの回路素子の間の空所に絶縁性の樹脂を充填することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上記のように構成されかつ作用するものであるから、たばこの煙や、それと同様に、微細な水滴や吸湿性を有する粒子であるミストと固体粒子であるダストを含む浮遊物質を、流路内に向かって突き出した無数の突起を有するシート材の表面に効果的に捕集することができるという効果を奏する。また本発明により、ミストとダストを含む浮遊物質を、イオンにより効率良く捕集できるようにすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図示の実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明に係る空気浄化装置10の例示であり、所定の間隔を置いて一対の電極板11、12を配置し、一対の電極板の対向している側の表面に、紙を材料として形成したシート材13、14を接触可能に配置し、それらのシート材13、14の間を空気の流れる直接の流路15としている。流路15には、任意の吸引手段34による吸引力が及ぶように設けられ、対象とする空気を、流路の一方から他方へ誘導するように構成されている。図1の吸引手段34は説明上流路内に図示されているけれども、実際は流路外に配置されていて良い。
【0020】
図2の場合において、流路15を構成しているシート材13、14は、シート材13、14の構成材料である紙の表面に鋲を突き刺して、縁にささくれのある孔16を形成し、そのささくれを無数の突起17として利用している。紙面に鋲を突き刺すこと等により、縁にささくれのある孔16を形成した場合には、紙の外側に、類似の紙類を材料とするカバーシート18、19を重ねて一体とし、孔を閉じるものとする。
【0021】
一対の電極板11、12は所定の間隔を置いて配置され、その間隔は流路15の幅に対し、従って流路の長さに対しても十分に小さいものであることが望ましい。その意味は、流路15の間隔を狭くするということと同じであるが、間隔の狭いことにより通気抵抗が高められ、次に説明する無数の突起17による流れの攪拌効果が高まり、ひいては捕集効果が向上することに関係すると考えられる。
【0022】
例えば、流路15の幅約100ミリ、長さ約200ミリの場合、間隔を2〜6ミリの範囲、望ましくは3〜4ミリとして良好な結果が得られた。この場合における、無数の突起17の突き出し長さは0.1〜1ミリの範囲にある。従って、無数の突起17の突き出し長さは、流路の間隔に対して最小約2パーセントから最大約50パーセントの範囲であれば良いことになる。
【0023】
上記一対の電極板11、12はイオン発生装置21に接続し、空気中の浮遊物質21を捕集するために、浮遊物質22の帯電している極性とは異なる極性に規制し、空気の流れる流路15にイオン雰囲気を形成する。多くの場合、液体や固体の粒子から成る浮遊物質はプラスに帯電しており、従って、イオン発生装置21はマイナスイオンを発生するものが適する。
【0024】
紙を材料として形成したシート材13、14の間の、空気の流れる流路15は、電極板11、12とは独立したフィルター20を構成している(図3)。図3において、Tは前記の流路15の間隔、Wは流路15の幅を示す。長さは図3の中で上下方向である。フィルター20は、1対の電極板11、12を内側に貼り付けたフィルター挿入部30に挿入し、それによって電極板11、12の内側に配置される。
【0025】
イオン発生装置21は図4に例示してあり、プラス4.5ボルトの直流電源からなる電源部23には、平滑用コンデンサーCが並列に挿入され、メイントランス24の1次側コイルに接続されている。その1次側コイルにはポンピング回路25と、1次側の電圧安定化回路26が接続されている。ポンピング回路25は2個のトランジスター27、28を夫々のエミッターに通じる回路が中間点で接続される配置を取っている。電圧安定化回路26は、2個のトランジスター27、28のエミッターに通じる回路に接続されたダイオードD1と、ベースに通じる回路に接続された抵抗R2、R3と、1次側がメイントランス24の1次側に接続されるトランスT1を有する。
【0026】
メイントランス24の2次側コイルは、逓倍回路29とアース線31に接続され、かつメイントランス24の2次側コイルとアース線31の間に、ダイオードD2が順方向に挿入されている。逓倍回路は9個のダイオードD3〜D11とコンデンサーC2〜C10を直列に接続したもので、9段の電圧増幅を行なう。ダイオードD2と直列のコンデンサーC1は整流のために挿入されている。32は電源用ソケットを示す。
【0027】
このようなイオン発生装置21では、通電により電圧安定化回路26により安定な電圧の電流が形成され、ポンピング回路25において、トランジスター27、28のポンピング動作によって変動電流が発生し、この変動電流に基づいてメイントランス24の2次側コイルの両端に、メイントランス24の巻き線比に応じた高電圧が発生する。この高電圧は逓倍回路29によって9段階にわたって倍々に増幅され、数万Hz、−2000Vの高周波高電圧が得られ、放電極33から安定したマイナスイオンを生成することができる。
【0028】
このようにして生成されたマイナスイオンが電極板11、12間に形成され、流路15はイオン雰囲気に満たされる。そこに、プラスに帯電している液体や固体の粒子から成る浮遊物質を含む汚染空気が吸引手段により供給されると、マイナスイオンと結合し、流路15の壁面及び突起17に吸着され、そこに堆積することになる(図2)。堆積によりシート材13、14の表面は浮遊物質に特有の色に変わり、例えばたばこの煙では茶色が次第に濃くなって行く。捕集が進行したなら、これを取り除き新たなフィルター20と交換する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る空気浄化装置の1例を示す説明図。
【図2】同上の部分拡大説明図。
【図3】本発明装置とこれを使用する装置を示す斜視図。
【図4】本発明装置に適用するイオン発生装置の回路図。
【符号の説明】
【0030】
10 空気浄化装置
11、12 電極板
13、14 シート材
15 流路
16 孔
17 突起
18、19 カバーシート
20 フィルター
21 イオン発生装置
22 浮遊物質
23 電源部
24 メイントランス
25 ポンピング回路
26 電圧安定化回路
27、28 トランジスター
29 逓倍回路
30 フィルター挿入部
31 アース線
32 ソケット
33 放電極
34 吸引手段
【出願人】 【識別番号】502068414
【氏名又は名称】株式会社エコ
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵

【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹


【公開番号】 特開2008−68234(P2008−68234A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251444(P2006−251444)