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【発明の名称】 電気集塵機の電源装置
【発明者】 【氏名】今中 光三

【要約】 【課題】電気集塵機の二次損傷を防ぎつつ、電極の吸湿による絶縁抵抗の低下を確実に検知することができる電気集塵機の電源装置を提供する。

【構成】電極13に電力を供給する電力供給手段25と、電極13に電力を供給しているときにおける電圧を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された電圧の低下が湿気に起因するものであるか否かを、電力供給手段25よりも出力の小さい電力であって電力供給手段25が供給する電圧の40%〜100%の電圧および電力供給手段25が供給する電流の1〜30%の電流の電力を電極13に供給することによって判断する定電圧定電流負荷特性である判断手段とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極に電力を供給する電力供給手段と、
前記電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された電圧の低下もしくは前記電極の絶縁抵抗の低下が湿気に起因するものであるか否かを、前記電力供給手段よりも出力の小さい電力であって、前記電力供給手段が供給する電圧の40%〜100%の電圧および前記電力供給手段が供給する電流の1%〜30%の電流の電力を前記電極に供給することによって判断する定電圧定電流負荷特性である判断手段と、
を有することを特徴とする電気集塵機の電源装置。
【請求項2】
電極に電力を供給する第1の電力供給手段と、
前記第1の電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を検出する第1の検出手段と、
前記第1の電力供給手段よりも小さい電力であって、前記第1の電力供給手段が供給する電圧の40%〜100%の電圧および前記第1の電力供給手段が供給する電流の1%〜30%の電流の電力を前記電極に供給する定電圧定電流負荷特性である第2の電力供給手段と、
前記第2の電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を検出する第2の検出手段と、
前記第1の電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときであって前記第1の検出手段で検出した電圧が所定の時間にわたって所定の値よりも低くなったときに、もしくは、前記電極の絶縁抵抗が所定の時間にわたって所定の値よりも小さくなったときに、前記第1の電力供給手段による前記電極への電力の供給を停止し、この停止後、前記第2の電力供給手段で前記電極に電力を供給したときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を前記第2の検出手段で検出し、この検出結果に応じて、前記第1の電力供給手段による前記電極への電力の供給を再開する制御手段と、
を有することを特徴とする電気集塵機の電源装置。
【請求項3】
前記第2の検出手段で検出した電圧もしくは絶縁抵抗の値を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記第1の電力供給手段による電力の供給の停止後、前記電極に前記第2の電力供給手段で電力を所定の時間だけ供給したときにおける電圧もしくは絶縁抵抗を前記第2の検出手段で検出し、この検出値を前記記憶手段に記憶し、前記電力の供給をしてから所定の時間が経過した後に、前記電極に前記第2の電力供給手段で所定の時間だけ電力を供給し、このときの電圧もしくは絶縁抵抗を前記第2の検出手段で検出し、この検出値を前記記憶手段に記憶されている値と比較し、この比較結果に応じて、前記第1の電力供給手段による前記電極への電力の供給を再開する手段であることを特徴とする請求項2に記載の電気集塵機の電源装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電気集塵機の電源装置に係り、特に、電気集塵機の電極にモニタ用の電力を別途供給するものに関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来の電気集塵機100の概略構成を示す図である。
【0003】
電気集塵機100は、荷電部3と集塵部5とを備えており、塵埃を含んだ空気が荷電部3を通過するときに帯電し、この帯電した塵埃を含んだ空気が、集塵部5を通過するときに、空気中の塵埃が捕捉されるようになっている。
【0004】
より詳しく説明すると、荷電部3には、電極7と接地された電極9とが設けられており、電極7と電極9とは互いに離れ絶縁されている。そして、電極7に電源102から高い電圧(たとえば7kV)を印加することにより、電極7と電極9との間にコロナ放電を起こし、塵埃が帯電するようになっている。
【0005】
また、集塵部5にも、電極13と接地された電極15とが設けられており、電極13と電極15とは互いに離れ絶縁されている。そして、電極13に電源102から高い電圧(たとえば2.5kV)を印加することにより、図の態様では帯電した塵埃が電極15で捕捉されるようになっている。
【0006】
なお、各電極7、9、13、15はユニット化されて集塵セット17を構成している。集塵セット17は、電気集塵機1の図示しない筐体に対して着脱が容易になっており、メンテナンスの容易化等がはかられている。また、電極7や電極13と電源102や筐体との絶縁を維持するための碍子19等の絶縁部材が設けられている。
【0007】
ところで、電極7は金属細線である場合があるが、その場合断線や、長年の使用による導電性のゴミの電極7と電気集塵機100の筐体との間(碍子19等のまわり)への付着によって、電極7の電圧が低下する場合(電極7の絶縁抵抗が低下する場合)がある。電極7の電圧が低下すると、電気集塵機100の性能が悪化するだけでなく、電極7と電気集塵機100の筐体や電極15との間でスパーク放電などが発生し異常な状態になる。
【0008】
そこで、電極7の電圧が基準値以下になった場合、電極7への電力の供給を停止し、電気集塵機100を正常に動作させるためのメンテナンス(掃除等)を実施している。
【0009】
また、天候等の影響で高い湿度の空気を電気集塵機100が吸い込んだ場合にも、電極7と電気集塵機100の筐体との間に付着したゴミが吸湿することにより、電極7と電気集塵機100の筐体との間の絶縁状態が悪化し、電極7の電圧が低下する場合がある。この場合にも、電極7への電力の供給を停止するようにしている。
【0010】
前述したような吸湿による電極7の電圧低下(吸湿による電極7の絶縁不良)は、一時的なもので、空気の湿度が下がる等すれば、数時間程度で絶縁が回復するものである。この場合、掃除等のメンテナンスは特に必要ではないが、電極7の電圧の低下が吸湿によるものであるか否か判別することができなければ、メンテナンスをする必要があり、メンテナンスをする者が集塵機100のメンテナンスに行った時には既に絶縁が回復していて無駄なメンテナンス工数が発生する。なお、電極13においても電極7の場合と同様に電圧の低下が発生しメンテナンスの必要が生じるものである。
【0011】
そこで、電極7や電極13の電圧の低下が、吸湿による各電極7、13の絶縁抵抗の低下に起因するものであるのか否かを検出する電気集塵装置として、低格電圧の2%〜5%の低電圧を電極に印加し、電極の電圧低下が吸湿によるものか否かを判断するものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3150431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、特許文献1に記載の電気集塵機では、電極に印加する電圧が低電圧なので、電極の電圧低下が、電極に電力を供給するための給電線の切断等、電極と電気集塵機の筐体等との間の絶縁抵抗が極端に低下したことに起因するものである場合における電気集塵機の二次損傷(たとえば、過熱等による二次損傷)を防止することはできる。しかし、低電圧を印加して電極の絶縁抵抗を検知するので、前記断線等に比べて比較的大きな絶縁抵抗を維持している電極の電圧低下を検出することは難しく、吸湿による前記電極の電圧低下を検出するときの誤差が大きくなり、前記電極の吸湿による絶縁抵抗の低下を検知することができない場合があるという問題がある。
【0013】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、電気集塵機の二次損傷を防ぎつつ、電極の吸湿による絶縁抵抗の低下を確実に検知することができる電気集塵機の電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、電極に電力を供給する電力供給手段と、前記電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された電圧の低下もしくは前記電極の絶縁抵抗の低下が湿気に起因するものであるか否かを、前記電力供給手段よりも出力の小さい電力であって前記電力供給手段が供給する電圧の40%〜100%の電圧および前記電力供給手段が供給する電流の1〜30%の電流の電力を前記電極に供給することによって判断する定電圧定電流負荷特性である判断手段とを有する電気集塵機の電源装置である。
【0015】
請求項2に記載の発明は、電極に電力を供給する第1の電力供給手段と、前記第1の電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を検出する第1の検出手段と、前記第1の電力供給手段よりも小さい電力を、前記第1の電力供給手段が供給する電圧の40%〜100%の電圧および前記第1の電力供給手段が供給する電流の1%〜30%の電流の電力を前記電極に供給する定電圧定電流負荷特性である第2の電力供給手段と、前記第2の電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を検出する第2の検出手段と、前記第1の電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときであって前記第1の検出手段で検出した電圧が所定の時間にわたって所定の値よりも低くなったときに、もしくは、前記電極の絶縁抵抗が所定の時間にわたって所定の値よりも小さくなったときに、前記第1の電力供給手段による前記電極への電力の供給を停止し、この停止後、前記第2の電力供給手段で前記電極に電力を供給したときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を前記第2の検出手段で検出し、この検出結果に応じて、前記第1の電力供給手段による前記電極への電力の供給を再開する制御手段とを有する電気集塵機の電源装置である。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記第2の検出手段で検出した電圧もしくは絶縁抵抗の値を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記第1の電力供給手段による電力の供給の停止後、前記電極に前記第2の電力供給手段で電力を所定の時間だけ供給したときにおける電圧もしくは絶縁抵抗を前記第2の検出手段で検出し、この検出値を前記記憶手段に記憶し、前記電力の供給をしてから所定の時間が経過した後に、前記電極に前記第2の電力供給手段で所定の時間だけ電力を供給し、このときの電圧もしくは絶縁抵抗を前記第2の検出手段で検出し、この検出値を前記記憶手段に記憶されている値と比較し、この比較結果に応じて、前記第1の電力供給手段による前記電極への電力の供給を再開する手段である請求項2に記載の電気集塵機の電源装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電気集塵機の二次損傷を防ぎつつ、電極の吸湿による絶縁抵抗の低下を確実に検知することができる電気集塵機の電源装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図6は、本発明の実施形態に係る電気集塵機1の概略構成を示す図である。
【0019】
なお、電源(電源装置)11以外は、電気集塵機1と従来の電気集塵機100とはほぼ同様に構成されている。したがって、図6のように、電気集塵機1の概略構成と従来の電気集塵機100の概略構成とを同様にあらわすことができる。
【0020】
電気集塵機1の電源装置11について詳しく説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る電源装置11のうちで、集塵セット17に電力を供給する部位(以下、この部位も「電源装置」という場合がある。)23の概略構成を示す図である。
【0022】
電源装置23は、電気集塵機1の集塵セット17に、電気集塵機1を稼動するための電力(たとえば、定格電圧が7kVで最大電流4.4mAである電力)を供給する空気清浄機用高圧電源(第1の電力供給手段)25を備えている。空気清浄機用高圧電源25は、絶縁トランス27から電力の供給を受けて直流の高電圧(たとえば前述した7kV)を発生する高圧トランス29と、高圧トランス29で集塵セット17に電力を供給しているときにおける電極7の電圧を検出する第1の検出手段(図示せず)とを備えている。
【0023】
なお、第1の検出手段としては、たとえば、高圧トランス29の3次巻き線からの出力を信号として検出する手段、高圧トランス出力を抵抗を直列に接続した中点から信号を取り出す手段などを使用することができる。
【0024】
また、電源装置23は、空気清浄機用高圧電源25とは異なる電力を電極7に供給する定電圧定電流負荷特性をもつ絶縁評価用高圧電源(モニタ用の電力を供給する電源;第2の電力供給手段)31を備えている。絶縁評価用高圧電源31は、空気清浄機用高圧電源25よりもはるかに小さい電力を、空気清浄機用高圧電源25が供給する電圧(電極7に印加する前記7kVの定格電圧)の40%〜100%の電圧(好ましくは、50%〜90%、より好ましくは、60%〜80%、さらに一層好ましくは70%程度の電圧;たとえば4kVの電圧)で、定電圧定電流負荷特性に従った電圧を電極7に供給するようになっている。なお、定電圧定電流負荷特性(定電圧定電流特性ともいう)については、出願人の出願した特開平07−108192号公報に記載されているのでここでの説明は省略する。
【0025】
絶縁評価用高圧電源31が供給する電力は、絶縁不良が生じて電極7から電流の漏れが発生しても、この漏れによる温度上昇等によって、電気集塵機1に過熱等の二次的な不具合が発生しないような電力である。具体的には、絶縁評価用高圧電源31は、空気清浄機用高圧電源25が供給する電力の0.1%〜10%程度の電力(好ましくは、0.2%〜5%程度の電力、さらに好ましくは、0.5%〜2%程度の電力、さらに一層好ましくは1.3%程度の電力;たとえば、定格電圧4kV×最大電流80μAの電力)を、電源31が有する特性である定電圧定電流負荷特性に従った電力を電極7に供給するようになっている。
【0026】
絶縁評価用高圧電源31は、絶縁トランス27から電力の供給を受けて高電圧(たとえば前述した4kV)を発生するモニタ用高圧電源33と、モニタ用高圧電源33で電極7に電力を供給しているときにおける電極7の電圧を検出する第2の検出手段(電圧・電流モニタ)35とを備えている。
【0027】
なお、第2の検出手段としては、たとえば、高圧トランス33の3次巻き線からの出力を信号として検出する手段、高圧トランス出力を抵抗を直列に接続した中点から信号を取り出す手段などを使用することができる。
【0028】
空気清浄機用高圧電源25には、マイコン(CPU)37を含む高圧・制御回路(制御手段)39が設けられており、絶縁評価用高圧電源31には、マイコン(CPU)41を含む絶縁監視回路(制御手段)43が設けられている。なお、マイコン37とマイコン41との間では、信号のやり取りができるようになっている。
【0029】
そして、マイコン37の制御の下、空気清浄機用高圧電源25で集塵セット17に電力を供給しているときであって、前記第1の検出手段で検出した電圧が所定の短い時間にわたって所定の値よりも低くなったときに、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を停止するようになっている。
【0030】
空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を停止した信号をマイコン37から受けると、マイコン41は、この停止後、電極7に絶縁評価用高圧電源31で電力を供給したときにおける電極7の電圧を前記第2の検出手段35で検出する。そして、詳しくは後述するが、前記検出結果に応じて、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を再開するか否かの信号をマイコン37に送るようになっている。
【0031】
再開する信号を送った場合には、マイコン41は、絶縁評価用高圧電源31による電極7への電力の供給を停止し、前記再開する信号を受け取ったマイコン37は、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を再開するようになっている。
【0032】
なお、モニタ用高圧電源33のたとえば給電線にはダイオード45が設けられており、高圧トランス29のたとえば給電線にもダイオード(図示せず)が設けられており、空気清浄機用高圧電源25による電極7への電力の供給をしているときに、モニタ用高圧電源33に電力が供給される事態を防ぎ、絶縁評価用高圧電源31による電極7への電力の供給をしているときに、高圧トランス29に電力が供給される事態を防ぐようになっている。
【0033】
ここで、空気清浄機用高圧電源25、絶縁評価用高圧電源31の電圧、電流特性について例を掲げて説明する。
【0034】
図2は、空気清浄機用高圧電源25、絶縁評価用高圧電源31の電圧、電流特性を示す図である。
【0035】
なお、図2の横軸は電流を表し、縦軸は電圧を表している。空気清浄機用高圧電源25は、マイコン37等の制御の下、図2に示すグラフG1のような定電圧定電流負荷特性を示すものである。グラフG1から理解されるように、空気清浄機用高圧電源25は、0μA〜4400μA(4.4mA)の間では、7kVの定格電圧を供給するが、電流が4.4mAになると電流が一定で電圧が低下する特性を備えている。空気清浄機用高圧電源25の最大出力は、7kV×4.4mA=30.8Wということになる。
【0036】
絶縁評価用高圧電源31も、マイコン41等の制御の下、図2に示すグラフG3のような特性を示すものである。グラフG3から理解されるように、絶縁評価用高圧電源31は、0μA〜80μAの間では、5kVの定格電圧を供給するが、電流が80μAになると電流が一定で電圧が低下する特性を備えている。絶縁評価用高圧電源31の最大出力は、5kV×80μA=0.4Wということになる。
【0037】
また、電源装置23のたとえば絶縁評価用高圧電源31には、前記第2の検出手段35で検出した電圧の値(マイコン41で算出した電極7の絶縁抵抗値でもよい。)を記憶する記憶手段(メモリ;図示せず)が設けられている。
【0038】
そして、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給の停止後、マイコン41の制御の下、電極7に絶縁評価用高圧電源31で電力を所定の短い時間だけ初めに供給したときにおける電極7の電圧を前記第2の検出手段35で検出し、この検出値(マイコン41で算出した電極7の絶縁抵抗値でもよい。)を前記記憶手段に記憶するようになっている。
【0039】
次に、絶縁評価用高圧電源31による電極7への前記初めの電力の供給をしてから所定の時間(たとえば30分)が経過した後に、電極7に絶縁評価用高圧電源31で所定の短い時間だけ電力を供給し、このときの電極7の電圧を前記第2の検出手段35で検出し、この検出値(マイコン41で算出した電極7の絶縁抵抗値でもよい。)を前記記憶手段に記憶されている値と比較するようになっている。
【0040】
続いて、空気清浄機用高圧電源25による集塵セットへの+電力の供給を再開するか否かの信号をマイコン37で送るようになっている。
【0041】
前記比較について、前記記憶手段に記憶するものを電極7の絶縁抵抗値として、図3(空気清浄機用高圧電源25が集塵セット17に電力の供給を再開するか否か判断するためのグラフ)を用いて具体的に説明する。
【0042】
図3の横軸は、基準となる絶縁抵抗(絶縁抵抗値)を示し、縦軸は復帰可能な絶縁抵抗(絶縁抵抗値)を示している。基準となる絶縁抵抗と復帰可能な絶縁抵抗との関係が図3のグラフG5の上側に位置しているときに、すなわち、前記初めの電力の供給をしたときの電極7の絶縁抵抗値に比べて所定の時間経過後の電極7の絶縁抵抗値が大きくなる傾向にあるときに、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を再開するようになっている。
【0043】
より詳しく説明すると、電極7の絶縁抵抗が低下し、空気清浄機用高圧電源25で集塵セット17に供給している電圧が基準値より低下した場合、空気清浄機用高圧電源25の電力の供給を停止し、この停止後、絶縁評価用高圧電源31で電極7に電力をたとえば初めに短い時間供給する。このとき電極7の絶縁抵抗が低下しているので、電極7での電圧は5kVよりも低くなる(たとえば2kVになる)。この低くなった電圧(2kV)と前記80μAの電流により電極7の絶縁抵抗(25MΩ)をマイコン41が求め、この25MΩの抵抗値(基準となる絶縁抵抗)が前記記憶手段に記憶される。
【0044】
次に、前記初めの電力の供給からたとえば、30分経過後、絶縁評価用高圧電源31で電極7に電力を短い時間再び供給し、前述した場合と同様にして電極7の絶縁抵抗(復帰可能な絶縁抵抗)を求める。前記求めた絶縁抵抗がたとえば、40MΩであれば、電極7の絶縁抵抗の低下が吸湿によるものと判断して、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を再開し、前記求めた絶縁抵抗がたとえば、長時間例えば48時間回復しなければ電極7の絶縁抵抗の低下の原因が、吸湿以外の要因(たとえば、給電線の断線や掃除を要するひどい汚れ)によるものと判断して、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を再開せず、図示しない出力手段からアラーム等の警告を発するようになっている。
【0045】
なお、前記第1の検出手段で検出した電圧が所定の短い時間にわたって所定の値よりも低くなったときに、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を停止し、この停止後、電極7に絶縁評価用高圧電源31で電力を供給したときにおける電極7の電圧を第2の検出手段35で検出し、この検出した値を記憶手段に記憶する代わりに、所定の値をROM等のメモリに書き換え無しのデフォルト値として記憶しておき、前記第2の検出手段35で検出した値が、前記デフォルト値よりも大きくなる傾向であるなら、吸湿によるものと判断するようにしてもよい。
【0046】
次に、電気集塵機1の動作を、電極7の絶縁抵抗を用いて動作する場合を例に掲げて説明する。
【0047】
図4は、電気集塵機1の動作を示すフローチャートである。
【0048】
マイコン37やマイコン41の制御の下、空気清浄機用高圧電源25で集塵セット17に定格電圧(7kV)が印加され、電気集塵機1が稼動している状態(S1)で、電気集塵機1が正常に動作しているか否かを判断する(S3)。
【0049】
前記判断で電極7に供給している電圧が低下した場合(S5)には、空気清浄機用高圧電源25での集塵セット17への電力の供給を停止し、絶縁評価用高圧電源31で電極7へ電力を供給し、電極7の絶縁抵抗を測定する(S7、S9)。
【0050】
電極7の絶縁抵抗が閾値よりも大きく問題がなければ(S7、S9)、ステップS1と同様にして、空気清浄機用高圧電源25で集塵セット17に定格電圧(7kV)印加して電気集塵機1を稼動する(S21:空清運転)。そして、この稼動している状態で電極7の電圧低下がないか否かを前記第1の検出手段で検出し(S23)、電圧の低下がある場合には、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を停止し、図示しない出力手段で、電気集塵機1に異常が発生した旨を出力する(S25)。
【0051】
電極7の絶縁抵抗が閾値より小さい場合(S7:モニタ電源動作絶縁測定、S9)には、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への電力の供給を停止し、この停止後、電極7に絶縁評価用高圧電源31で電力を供給し電極7の電圧を第2の検出手段35で検出し、電極7の絶縁抵抗値を求め、この求めた値を前記記憶手段に記憶する(S11)。
【0052】
続いて、30分経過後(S13)、電極7に絶縁評価用高圧電源31で電力を再び供給し電極7の電圧を前記第2の検出手段35で検出し、電極7の絶縁抵抗値を求め、この求めた抵抗値と、前記記憶手段に記憶した抵抗値とを比較し、電極7の絶縁抵抗値が回復したか否か(図3のように絶縁抵抗が大きくなったか否か)を判断する(S14、S15)。ステップS15で電極7の絶縁抵抗が回復した場合、空気清浄機用高圧電源25による集塵セット17への供給を開始し空気清浄機を正常動作させ(S16)、ステップS3へ戻る。
【0053】
ステップS15で電極7の絶縁抵抗が回復していない場合には、ステップS13に戻る。絶縁測定時間が断続で、たとえば100時間を経過したか否か、または、連続で、たとえば48時間を経過したか否かを、図示しない計時間手段を用いて判断する(S17)。
【0054】
そして、ステップS17で前記100時間が経過し、または、前記48時間が経過した場合には、図示しない出力手段で、電気集塵機1に異常が発生した旨を出力する(S19)。
【0055】
電気集塵機1の電源装置23によれば、空気清浄機用高圧電源25が供給する電圧(電気集塵機1の電極7の定格電圧)の40%〜100%の電圧を出力することが可能な定電圧定電流負荷特性をもつ電源で空気清浄機用高圧電源25が供給する電力よりも小さい電力で、電極7の絶縁抵抗を検出することができるので、電気集塵機1の過熱等による二次損傷を防ぎつつ、電極7の吸湿による絶縁抵抗の低下を確実に検知することができる。
【0056】
つまり、短絡等により電極7の絶縁抵抗が極端に低下した場合であっても、絶縁評価用高圧電源31から供給される電力が小さいので、過熱等の二次損傷を防止することができ、一方、吸湿による電極7の絶縁不良の場合には、絶縁評価用高圧電源31から供給される電圧が、電気集塵機1の電極7の定格電圧の40%〜100%という従来に比べてかなり高い電圧であるので、電極7の絶縁抵抗を誤差が少ない状態で的確に検出することができ、絶縁抵抗の低下に要因が吸湿によるものか否かがわかる。そして、集塵セット17の掃除等無駄なメンテナンス工数が発生することを防止することができる。
【0057】
また、電気集塵機1の電源装置23によれば、空気清浄機用高圧電源25による電力の供給の停止後、電極7に絶縁評価用高圧電源31で電力をたとえば初めに所定の時間だけ供給したときにおける電極7の電圧を前記第2の検出手段35で検出し、この検出値を前記記憶手段に記憶し、次の検出値と比較するので、電極7の絶縁不良が吸湿によるものか否かをより正確に判断することができる。
【0058】
すなわち、吸湿によって電極7に絶縁不良が発生するときの電極7の絶縁抵抗(前記第2の検出手段35によって検出した電圧)は、電極7、ガイシ等の汚れ具合、前記第1の検出手段の検出誤差、電気集塵機1の設置場所等の要因によって変動する。したがって、空気清浄機用高圧電源25による電力の供給の停止後、電極7に絶縁評価用高圧電源31で電力を初めに所定の時間だけ供給したときにおける電極7の電圧の値(絶縁抵抗値)は、変動するのである。
【0059】
このように変動する電極7の電圧を基準電圧(基準抵抗)として、所定の時間経過後、次に絶縁評価用高圧電源31で電極7に電力を供給したときに電圧(絶縁抵抗)を検出し、この検出した電圧(絶縁抵抗の値)を前記基準電圧(基準抵抗)と比較するので、電極7やガイシ等の汚れ具合等にかかわらず、電極7の絶縁不良が吸湿によるものか否かを的確に判断することができる。
【0060】
なお、電気集塵機1に湿度センサを設け、継続して、所定の湿度よりも下がった時間を計測し、この計測した時間が所定の時間よりも長くなったときに、たとえば2回目の電極7の絶縁抵抗を検出して、電極7の絶縁抵抗の低下が吸湿によるものか否かを判断してもよい。このようにして判断することにより、電極7の絶縁抵抗の低下の要因をより的確に判断することができる。
【0061】
ところで、前記第2の検出手段35は、フォトカプラを用いて電極7の電圧を検出するように構成されている。したがって、ノイズの影響を受け難くなっている。
【0062】
ここで、フォトカプラを用いた構成を、図5を用いて詳しく説明する。
【0063】
前記構成は、フォトトランジスタ51と、このフォトトランジスタ51の出力電圧が供給されるコンパレータ53と、コンパレータ53の出力が入力されるフォトトランジスタ55とを備えている。なお、コンパレータ53には、電圧電流モニタ35からの信号(高圧電源高圧モニタ信号)が入力されるようになっている。
【0064】
マイコン41の制御の下、フォトトランジスタ51に、図5の(a)に示すような光がLED等の発光手段を用いて入力されると、フォトトランジスタ51から図5の(b)に示すような電圧波形が出力され、この出力された電圧波形が、コンパレータ53に入力される。コンパレータ53で図5の(b)に示すような電圧波形と電圧電流モニタ35からの信号の電圧波形とが比較され、図5の(b)に示す電圧の値が、電圧電流モニタ35からの信号の電圧より高い場合にのみ、フォトトランジスタ55から出力信号が出され、この出力信号をマイコン41で検出し、電極7の絶縁状態を検出するようになっている。なお、各マイコン37、41間の信号のやりとりも、フォトカプラを用いて同様に行ってもよいし、前記第1の検出手段が、フォトカプラを用いて電極7の電圧を検出するように構成されていてもよい。
【0065】
なお、電気集塵機1の電源装置23は、電極に電力を供給する電力供給手段と、前記電力供給手段で前記電極に電力を供給しているときにおける電圧もしくは前記電極の絶縁抵抗を検出する検出手段と、この検出手段で検出された電圧の低下もしくは前記電極の絶縁抵抗の低下が湿気に起因するものであるか否かを、前記電力供給手段よりも出力の小さい電力であって前記電力供給手段が供給する電圧の40%〜100%の電圧を出力することが可能な定電圧定電流負荷特性をもつ電源での電力を前記電極に供給することによって判断する判断手段とを有する電気集塵機の電源装置の例である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係る電源装置のうちで、集塵部の電極に電力を供給する電源装置の概略構成を示す図である。
【図2】空気清浄機用高圧電源、絶縁評価用高圧電源の電圧、電流特性を示す図である。
【図3】空気清浄機用高圧電源が電極に電力の供給を再開するか否か判断するためのグラフを示す図である。
【図4】電気集塵機の動作を示すフローチャートである。
【図5】フォトカプラを用いた検出手段の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る電気集塵機(従来の電気集塵機)の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 電気集塵機
13 電極
23 電源装置
25 空気清浄機用高圧電源(第1の電力供給手段)
31 絶縁評価用高圧電源(第2の電力供給手段)
39、43 制御手段
【出願人】 【識別番号】391009372
【氏名又は名称】ミドリ安全株式会社
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−68207(P2008−68207A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−249515(P2006−249515)