トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 電気集塵装置及び空気処理装置
【発明者】 【氏名】古橋 拓也

【氏名】安田 裕司

【氏名】小川 宏二

【要約】 【課題】調理の種類による性能低下が少ない電気集塵装置及びその電気集塵装置を備える調理の種類による性能低下が少ない電気集塵装置及びその電気集塵装置を備える空気処理装置を提供する。

【構成】放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせて空気中の粒子を帯電させるイオン化部と、このイオン化部で帯電された空気中の粒子を集塵するコレクタ部と、定電流制御のもとで前記放電電極と前記対向電極間に電圧を印加する高圧電源とを備え、前記高圧電源は、プラスもしくはマイナスの直流の3〜6kVの電圧を印加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせて空気中の粒子を帯電させるイオン化部と、このイオン化部で帯電された空気中の粒子を集塵するコレクタ部と、定電流制御のもとで前記放電電極と前記対向電極間に電圧を印加する高圧電源とを備え、
前記高圧電源は、プラスもしくはマイナスの直流の3〜6kVの電圧を印加することを特徴とする電気集塵装置。
【請求項2】
前記高圧電源の印加電圧が1〜3kVの幅をもって制御されることを特徴とする請求項1記載の電気集塵装置。
【請求項3】
前記高圧電源の電流値は200μA以下であることを特徴とする請求項1または2記載の電気集塵装置。
【請求項4】
前記高圧電源は3kV以下で停止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項5】
湿度が高くなるに従って、前記高圧電源の印加電圧を低下させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項6】
空気の湿度と前記高圧電源の印加電圧との関係が、
印加電圧(kV)=−1/30×湿度(%)+6.5となることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項7】
空気の湿度を検知する湿度検知手段を備え、検知された湿度に応じて前記高圧電源の印加電圧を変化させることを特徴とする請求項5または6記載の電気集塵装置。
【請求項8】
前記イオン化部の放電電極は平板突起状の金属電極からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の電気集塵装置を備えたことを特徴とする空気処理装置。
【請求項10】
電気加熱器具による調理時に発生する油煙や水蒸気、臭気等の汚染空気を吸い込むための吸込み口と、前記吸込み口に連通してキャビネット内に設置され、前記吸込み口から前記汚染空気を取り込む送風機と、前記吸込み口に配置される第1の油煙・水蒸気除去手段と、前記キャビネット内に配置される第2の油煙・水蒸気除去手段と、請求項1乃至8のいずれかに記載の電気集塵装置と、脱臭手段とを備え、前記吸込み口から取り込んだ前記汚染空気を前記第1の油煙・水蒸気除去手段、前記第2の油煙・水蒸気除去手段、前記集塵装置、前記脱臭手段の順に経由して前記キャビネットの外に吹き出し口から排出させることを特徴とする空気処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の塵埃、水蒸気、煙等を除去し空気を清浄化する電気集塵装置及びその電気集塵装置を備える空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二酸化炭素を発生しないIHクッキングヒータなどの電磁調理器、ハロゲンヒータ等の電気加熱器具(以下、電気加熱器具という)の使用時に発生する調理臭を処理する装置として、例えば、調理に起因して生じる臭いを上部フードで捕集し、脱臭処理して室内へ循環するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
燃焼を伴わない電気加熱器具では人体に有害な二酸化炭素が発生しないため、油煙、水分、調理臭等の汚染空気(以下、汚染空気という)を処理できれば必ずしも室外への排気は必要なくなる。従来技術(特許文献1)では上部フードで汚染空気を捕集し脱臭処理して室内へと循環させているが、上部フードでの捕集では、燃焼を伴わない電気加熱器具を使用した場合には、ガスの燃焼を利用した調理時に比べて上昇流が弱く、空調機等による気流の乱れの影響を受けて拡散しやすいため、汚染空気を効率よく捕集することは難しい。また、捕集された汚染空気を脱臭し循環路を通り室内へと循環させているが、その循環路は調理器具奥側の壁内にあるため、対面式キッチンとすることができない等キッチンレイアウトが制限されてしまう。また、上部フードが設置されると、そのスペースを有効利用することができず、上部フードに設置されたフィルタの取り外しも容易ではない。さらにまた、上部フードが設置されたキャビネットは重心が高く容易に移動させることができない。そこで、上述のような問題を解決するために、電気加熱器具の奥側に設けられ、該電気加熱器具による調理で発生した汚染空気を吸い込むための吸込み口と、吸込み口に連通してキャビネット内に設置され、吸込み口から汚染空気を取り込む送風機と、吸込み口に配置される油煙除去装置、キャビネット内に設置される水分除去装置及び脱臭装置の内、少なくとも1又は複数の処理装置を備え、吸込み口から取り込んだ汚染空気を処理してキャビネットの外に吹き出し口から排出して室内に循環させるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−042730号公報(請求項1、図1)
【特許文献2】特開2005−283060号公報(請求項1、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この従来技術(特許文献2)では、電気加熱器具による調理で発生した汚染空気をキャビネット内に吸い込むため、吸い込まれる汚染空気の温度、湿度が変化しやすく、空気処理装置内に組み込まれている電気集塵装置の放電電流が大きく変化し性能が低下するという問題があった。特に、調理で発生する汚染空気は、調理の種類により、汚染空気の湿度が大きく変化する。例えば、湯沸かし、茹で物、煮物等の調理時は、水蒸気が多量に発生するため、吸い込まれる汚染空気の湿度が高くなり、放電電流も高くなる。そのため、異常放電が発生し、不快な音や臭気が発生するという問題があった。逆に炒め物、焼き物等の調理時は、水蒸気の発生が少なく、吸い込まれる汚染空気の湿度が低くなる。そのため、放電電流が低下し、性能が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、汚染空気を効率よく捕集することができ、調理の種類による性能低下が少ない電気集塵装置及びその電気集塵装置を備える空気処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る電気集塵装置は、放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせて空気中の粒子を帯電させるイオン化部と、このイオン化部で帯電された空気中の粒子を集塵するコレクタ部と、定電流制御のもとで前記放電電極と前記対向電極間に電圧を印加する高圧電源とを備え、前記高圧電源は、プラスもしくはマイナスの直流の3〜6kVの電圧を印加する構成とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電気集塵装置は、放電電極と対向電極間に電圧を印加する高圧電源が定電流制御のもとで、プラスもしくはマイナスの直流の3〜6kVの電圧を印加する構成としたので、汚染空気を効率よく捕集することができ、調理の種類による、すなわち湿度の変化による集塵性能の低下が少なく、安定した性能維持ができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下では、本発明の実施の形態として、電気集塵装置が組み込まれた厨房用の空気処理装置を例にとり、図面を参照して説明する。なお、本発明の電気集塵装置は厨房用に限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る空気処理装置の概要を示す部分断面側面図であり、図2はその上部の部分断面上面図である。
本実施の形態1に係る空気処理装置は、キャビネット1と、キャビネット1の奥側に立設された吸い込みフード2とを備え、キャビネット1内に本空気処理装置の本体部3が配置されている。また、キャビネット1の上部には電気加熱器具4が配置され、この電気加熱器具4の下側に本空気処理装置の本体部3が配置されている。
【0011】
吸い込みフード2には電気加熱器具4による調理時に発生する油煙や水蒸気、臭気等の汚染空気を吸い込むための吸込み口が設けられ、該吸込み口に汚染空気中の油煙や水蒸気を除去するための第1の油煙・水蒸気除去手段を構成する吸込み口フィルタ5が立設した状態で取り付けられている。吸込み口フィルタ5は金属製の網目状に形成されたフィルタからなり、着脱可能な状態で吸い込みフード2に取り付けられている。また、吸い込みフード2は高さ方向の位置が調整可能にキャビネット1に取り付けられている。
【0012】
本空気処理装置の本体部3は、吸込み口に連通するキャビネット1内の風路6内部に配置されており、風上側より順に、汚染空気中の油煙や水蒸気を除去する第2の油煙・水蒸気除去手段であるプレフィルタ7と、臭気を除去するプレ脱臭フィルタ8と、上記の吸込み口フィルタ5およびプレフィルタ7で除去できない小さい油煙や水蒸気、煙等を除去する集塵手段9と、臭気を除去するメイン脱臭フィルタ10と、汚染空気を吸込み口から吸引する送風機11と、および排気口脱臭フィルタ12とを配置する構成となっている。排気口脱臭フィルタ12は本空気処理装置のもっとも風下側に配置される。また、プレ脱臭フィルタ8、メイン脱臭フィルタ10、および排気口脱臭フィルタ12により脱臭手段が構成されている。なお、図2において、13は本空気処理装置の運転・制御等を司る回路基板が収納される基板収納部であり、風路6の外側に設けられている。
また、風路6は、図2に示すように、キャビネット1の中央部を通る吸引路6aと、キャビネット1の側面側を通る2つの送風路6bとに分割されており、上記プレフィルタ7、プレ脱臭フィルタ8、集塵手段9、およびメイン脱臭フィルタ10は吸引路6a内に配置され、送風機11と排気口脱臭フィルタ12は上記2つの送風路6bのそれぞれに配置されている。
【0013】
風路6内部に配置される第2の油煙・水蒸気除去手段であるプレフィルタ7は、前記吸込み口フィルタ5と同様の構造となっており、金属製の網目状のフィルタからなる。また、吸込み口フィルタ5とプレフィルタ7は、複数枚積層した構造となっている。
【0014】
風路6内部に配置された本空気処理装置の本体部3は、風路径(ここでは吸引路6aの開口径)が吸込み口よりも大きくなっており、そのため、吸引された汚染空気の風速を下げて、油煙や水蒸気、臭気等を捕捉しやすい構造となっている。従って、プレフィルタ7は吸込み口フィルタ5よりも吸い込み面積が大きくなっている。また、プレフィルタ7は吸込み口フィルタ5と比較して、積層枚数が少なくなっている。
【0015】
プレフィルタ7の風下側には、臭気を除去するプレ脱臭フィルタ8が設置されている。プレ脱臭フィルタ8は、四角状等の開口を有するペーパーセラミック担体やコージェライト担体、金属担体等に、脱臭剤として、酸化マンガン、酸化銅、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化コバルト等の金属酸化物触媒のうち1種類以上を、もしくは臭気物質を物理的に吸着するゼオライト、活性炭、シリカゲル、酸化ケイ素等の吸着剤のうち1種類以上を、あるいは臭気物質を化学的に吸着する化学吸着剤を1種類以上を担持させて構成されている。化学吸着剤にはアミン系の吸着剤やリン酸等が使用される。また、プレ脱臭フィルタ8の開口部は、1インチ平方当たり150〜250セルとなっており、厚さ10mm以下で構成される。このように構成することにより、圧力損失を低減し、脱臭効率を高めることが可能となる。
【0016】
プレ脱臭フィルタ8の風下側には、吸込み口フィルタ5やプレフィルタ7で除去できない小さい油煙や水蒸気、煙等を除去するための集塵手段9が設置されている。図3にこの集塵手段9の構造を示す。集塵手段9は、イオン化部17とコレクタ部18の2つの要素により構成される。イオン化部17は、対向配置された放電電極19と対向電極20との間でコロナ放電を生じさせて空気中の塵埃(粒子)を帯電させる。このイオン化部17で帯電された塵埃(粒子)はコレクタ部18で集塵される。放電電極19は金属等で形成される導電性のワイヤ線や針状電極、平板突起電極等となっており、対向電極20は金属や導電性樹脂等で形成される導電性で平板状電極となっている。図3では、放電電極19に平板突起電極を用いた場合を示している。
【0017】
イオン化部17は放電電極19と対向電極20を複数個並列に並べた構成となっている。対向電極20は支持枠と一体で成型されていることが多い。放電電極19は金属等で形成される給電部材で電気的に接続されており、イオン化部17のケーシングに支持されている。コレクタ部18は樹脂に帯電防止剤等を練り込んだ半導電性樹脂により形成される平板状の高圧電極、金属等の導電性樹脂、もしくは樹脂表面に金属コーティングしたもの、カーボンファイバーや金属微粒子を練り込んだ導電性樹脂、ステンレス等の金属により形成される平板状の集塵電極を複数枚積層した構成となっている。集塵電極は電気的に接続されており、支持枠と一体で成型されていることが多い。集塵手段9には基板収納部13内に配置された高圧電源(図示せず)が接続されており、一定の電圧が印加される。
【0018】
集塵手段9の風下側には、メイン脱臭フィルタ10、送風機11、排気口脱臭フィルタ12がこの順に配置されている。メイン脱臭フィルタ10と排気口脱臭フィルタ12は、プレ脱臭フィルタ8と同様の構造となっている。メイン脱臭フィルタ10は、プレ脱臭フィルタ8よりも開口が小さく、厚さが厚くなっており、プレ脱臭フィルタ8で除去できない低濃度の臭気を除去可能となっている。排気口脱臭フィルタ12は、プレ脱臭フィルタ8、メイン脱臭フィルタ10よりも開口が大きくなっており、吸い込みフード2と並列に設置される。また、排気口脱臭フィルタ12は、例えばキャビネット1の上方より抜き差しすることにより着脱可能な状態で取り付けられているので、メンテナンスの時にはカバー(図示せず)を外すことにより容易に着脱でき清掃することができる。メイン脱臭フィルタ10の風下側に設置される送風機11は、両側の送風路6b部分に1つずつ2つ設置される。メイン脱臭フィルタ10の風下側は風路6が中央部の吸引路6aから両側の送風路6bへと2分割されており、清浄化された空気は、送風路6b内に設置される排気口脱臭フィルタ12を通過して2つの吹き出し口から吹き出す。吹き出し口はキャビネット1の背面、もしくは奥側の上面あるいは側面に設けられる。
【0019】
キャビネット1の内部に設置されるプレフィルタ7、プレ脱臭フィルタ8、集塵手段9、メイン脱臭フィルタ10は、図2に示すように、全て1つのケーシング21に一体的に収納されている。このケーシング21はキャビネット1内で気密的に風路6の吸引路6aを構成するとともに、キャビネット1の前後方向に摺動自在に設けられており、ケーシング21の側面に設けられた開口部6cと、送風路6bの仕切壁22に設けられた開口部23とを連通させることにより、風路6を構成する吸引路6aと送風路6bとが連通するようになっている。そのため、キャビネット1の前面側から、基板収納部13における回路基板との配線を外し、プレフィルタ7、プレ脱臭フィルタ8、集塵手段9、メイン脱臭フィルタ10が収納されたケーシング21を引き出すことにより、これらのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0020】
次に動作について説明する。
上記のように構成された空気処理装置においては、電気加熱器具4による調理時に発生した水蒸気、油煙、臭気等の汚染空気が送風機11により吸引され、吸い込みフード2に取り付けられた第1の油煙・水蒸気除去手段である吸込み口フィルタ5で汚染空気中の油煙、水蒸気の大半が除去される。その後、吸い込まれた空気は、プレフィルタ7を通過し、さらに油煙、水蒸気が除去される。吸込み口フィルタ5とプレフィルタ7により、吸引された汚染空気中の油煙、水蒸気のうち70%以上が捕集される。その後、吸い込まれた空気は、プレ脱臭フィルタ8を通過し、臭気が除去される。プレ脱臭フィルタ8は、その風下側に設置される集塵手段9に付着する臭気を抑制する効果がある。集塵手段9には高電圧が印加されており、気流中の残った水蒸気、油煙に対してイオン化部17でコロナ放電により電荷を与えて、この荷電粒子がコレクタ部18を通過する間に静電気力により集塵電極に捕集されて除去される。その後、油煙・水蒸気が除去された空気は、メイン脱臭フィルタ10を通過する。メイン脱臭フィルタ10を通過することにより、気流中の臭気はメイン脱臭フィルタ10に吸着剤や触媒、化学薬品等の脱臭剤を1種類以上含有させる構成とすることにより除去され、これによって清浄化された空気が排気口脱臭フィルタ12を通過してさらに清浄化され吹き出し口から外に吹き出す。
【0021】
図4に集塵手段9に接続される電源の垂下特性と集塵手段9の電圧−電流特性図を示す。電源には直流のプラスもしくはマイナスの電源が使用される。集塵手段9に接続される電源は、一定電流で制御されるようになっており、本実施の形態1では、その電流値を185μAとした。集塵手段9には汚染空気が流入するため、イオン化部17、コレクタ部18に汚れが堆積する。この汚れが原因となって異常放電が発生し、不快な音や臭気が発生する場合がある。これを抑制するため電流値の上限を200μAとしている。200μAを超える電流値の場合、異常放電が発生し、不快な音や臭気が発生する場合があることがわかっており、本実施の形態1では、電流値の上限を200μAとした。また、上記の185μAは電源の電流バラツキを加味して設定した値であり、200μAを超えないように制御できる一定電流制御であれば、この設定値でなくとも良い。また、付着した汚れに電流が流れ、汚染空気を帯電させるためのイオン化部17の放電電流が少なくなると同時に放電領域が狭くなり、集塵性能が大幅に低下する。そのため、これを抑制するために印加電圧の最下限値を3kVとしている。印加電圧の最大値は、本実施の形態1では、6kVとした。6kVを越えた場合、電源の価格が大幅に上昇し、寸法も大きくなる。また、電気的絶縁をするために他の部分との距離を広くとる必要があり、家庭用機器等では6kV以下で使用することが多い。従って、印加電圧は3〜6kVとし、この間で前記一定電流値で制御される。印加電圧が低下し3kV以下になろうとした場合は、電源が停止し、集塵手段9に電圧が印加されず、性能が大きく低下する。一方、印加電圧が6kV以上になろうとした場合は、徐々に電流が低下し、電圧が印加されなくなる。この場合も同様に集塵手段9に電圧が印加されず、性能が大きく低下する。なお、本実施の形態1では、印加電圧の最大値を6kVとしたが、価格、大きさに尤度がある場合は、6kV以上でも良い。
【0022】
集塵手段9の電圧−電流特性は、図4に示すように、集塵手段9を通過する汚染空気の温度湿度により変動する。高温高湿時は同電圧でも放電電流が大幅に増加する。また、低温低湿時は同電圧でも放電電流が大幅に低下する。そのため、電源の垂下特性では、高温高湿時は、一定電流で印加電圧を下げ、低温低湿時は、一定電流で印加電圧を上げる。例えば、集塵手段9のイオン化部17の放電電極19に平板突起状の金属電極を使用し、風のながれる方向に平行に前後互い違いに平板突起状金属電極を配置し、隣接する平板突起状金属電極の電極間距離が6〜10mm、突起の長さが1.5〜2mm、突起の角度が10〜25度、電極板厚が0.3mm、対向電極幅が30mm、電極間距離が23〜25mm、電極数が8列とした構成の場合、汚染空気の温湿度が33℃92%の場合は、3.9kV近くで動作し、汚染空気の温湿度が0℃5%の場合は、4.9kV近くで動作する。このように温湿度により約1kVの変動があるが、イオン化部17の構成により電圧の変動幅は変化するため、1〜3kVの幅をもって制御するのが望ましい。
【0023】
以上のように、本実施の形態1に係る空気処理装置に組み込まれる集塵手段9は、その高圧電源が、プラスもしくはマイナスの直流の3〜6kVの電圧を、電流値が200μA以下の定電流で供給し、そのとき印加される電圧が1〜3kVの幅をもって制御され、流入する汚染空気が高湿度であるとき3kV以下で停止するように構成したことにより、汚染空気を効率よく捕集することができ、調理の種類による性能低下が少なく、安定した性能を維持できるという効果がある。
【0024】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る空気処理装置の正面図である。図において、実施の形態1と同一の符号は同一または相当部分を示す。本実施の形態2では、吸い込みフード2に取り付けられた第1の油煙・水蒸気除去手段である吸込み口フィルタ5の近傍に湿度センサ16を設置したものである。その他の構成は実施の形態1と同じであるので説明は省略する。
湿度センサ16により、流入する汚染空気の湿度を検知し、集塵手段9に接続される電源の印加電圧を下記の式により決定する。
印加電圧(kV)=−1/30×湿度(%)+6.5
これにより、流入した汚染空気の湿度に適した電圧が印加されることになる。
【0025】
以上のように、本実施の形態2に係る空気処理装置に組み込まれる集塵手段9は、流入する空気の湿度を検知する検知手段を備え、検知された湿度に応じて印加電圧を、上に示した式による電圧を印加するため、流入する汚染空気の湿度に適した電圧が印加され、汚染空気を効率よく捕集することができ、調理の種類による性能低下が少なく、安定した性能を維持できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1に係る空気処理装置の概要を示す部分断面側面図。
【図2】図1の上部の部分断面上面図。
【図3】集塵手段の概略構成図。
【図4】集塵手段に使用される電源の垂下特性と集塵手段の電圧−電流特性図。
【図5】本発明の実施の形態2に係る空気処理装置の正面図。
【符号の説明】
【0027】
1 キャビネット、2 吸い込みフード、3 空気処理装置の本体部、4 電気加熱器具、5 吸込み口フィルタ(第1の油煙・水蒸気除去手段)、6 風路、6a 吸引路、6b 送風路、6c 開口部、7 プレフィルタ(第2の油煙・水蒸気除去手段)、8 プレ脱臭フィルタ、9 集塵手段、10 メイン脱臭フィルタ、11 送風機、12 排気口脱臭フィルタ、13 基板収納部、16 湿度センサ、17 イオン化部、18 コレクタ部、19 放電電極、20 対向電極、21 ケーシング、22 仕切壁、23 開口部。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫


【公開番号】 特開2008−36471(P2008−36471A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−210274(P2006−210274)