トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 集塵装置
【発明者】 【氏名】田中 利夫

【氏名】茂木 完治

【氏名】秋山 竜司

【要約】 【課題】集塵部(30)における集塵電極(40)及び高圧電極(50)の間のスパークを抑制して、空気清浄機の集塵能力を維持する。

【構成】集塵部(30)の集塵電極(40)を伝導性樹脂材で構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、第1電極(40)と該第1電極(40)の近傍に設置された第2電極(50)とを有する集塵部(30)と、上記集塵部(30)に電圧を印加する電源部とを備えた集塵装置であって、
上記荷電部(12)が、上記塵埃を正に帯電する帯電手段(12a)を備える一方、
第1電極(40)或いは第2電極(50)のどちらか一方の電極(50)が上記電源部の正極側に接続され、他方の電極(40)が接地され、
上記接地された電極(40)が導電性樹脂材で形成されていることを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記導電性樹脂材の体積抵抗率が、10Ωcm以上1012Ωcm以下であることを特徴とする集塵装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記電源部の正極側に接続された電極(50)が導電性樹脂材で形成され、その導電性樹脂材の体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であることを特徴とする集塵装置。
【請求項4】
空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、第1電極(40)と該第1電極(40)の近傍に設置された第2電極(50)とを有する集塵部(30)と、上記集塵部(30)に電圧を印加する電源部とを備えた集塵装置であって、
上記荷電部(12)が、上記塵埃を負に帯電する帯電手段(12a)を備える一方、
第1電極(40)或いは第2電極(50)のどちらか一方の電極(50)が上記電源部の負極側に接続され、他方の電極(40)が接地され、
上記接地された電極(40)が導電性樹脂材で形成されていることを特徴とする集塵装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記導電性樹脂材の体積抵抗率が、10Ωcm以上1012Ωcm以下であることを特徴とする集塵装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
上記電源部の負極側に接続された電極(50)が導電性樹脂材で形成され、その導電性樹脂材の体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であることを特徴とする集塵装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中で帯電させた塵埃を捕集する集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気通路と、該空気通路内に設置された荷電部と、上記荷電部の下流側に設置された集塵部とを備えた静電式の電気集塵装置が知られている(特許文献1参照)。上記電気集塵装置は、空気流路内に導入された空気中の塵埃を吸着捕集して、塵埃を含む空気を浄化させるためのものである。具体的には、まず、上記電気集塵装置の荷電部が上記空気通路内に流入した塵埃を正帯電させる。次に、上記集塵部が荷電部により正帯電した塵埃を吸着捕集する。これにより、塵埃を含む空気から塵埃を分離して、空気を浄化することができる。
【0003】
ここで、特許文献1の集塵部は、平板状に形成された集塵電極及び同形状の高圧電極を有しており、上記集塵電極と上記高圧電極とが交互に平行配列されている。上記集塵電極が接地されると共に、上記高圧電極が上記電気集塵装置に設けられた電源部の正極側に接続されている。そして、上記電源部により電圧が印加されて、上記高圧電極と上記集塵電極との間に所定の電位差が生じる。この所定の電位差が生じた空間内に正帯電した塵埃が流入して、該塵埃が接地された集塵電極に吸着捕集される構成となっている。
【特許文献1】特開平1−310753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このように上記電気集塵装置の運転中に、集塵部の集塵電極の表面に塵埃が付着して堆積していくと、上記集塵電極及び上記高圧電極の電極間の抵抗が下がり、該電極間に過剰な電流が流れてスパーク(火花放電)が生じることがある。また、上記集塵部に流入する正帯電した塵埃中に導電性粉塵が混在することによっても、該電極間に過剰な電流が流れてスパークが生じることがある。つまり、通常の運転状態において、何らかの影響で上記電極間の抵抗が下がることにより、該電極間にスパークが生じてしまう。このスパークを抑制するために、上記電源部の印加電圧を所定値より下げたり、上記電極間の距離を所定値より長くすれば、スパークは抑えることができるものの、上記集塵部の集塵能力は所期の能力に対して大きく低下してしまう。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記集塵部での集塵能力の低下を抑えつつ、上記集塵部における電極間のスパークの発生を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、第1電極(40)と該第1電極(40)の近傍に設置された第2電極(50)とを有する集塵部(30)と、上記集塵部(30)に電圧を印加する電源部とを備えた集塵装置を前提としている。
【0007】
そして、上記集塵装置の荷電部(12)が、上記塵埃を正に帯電する帯電手段(12a)を備える一方、第1電極(40)或いは第2電極(50)のどちらか一方の電極(50)が上記電源部の正極側に接続され、他方の電極(40)が接地され、上記接地された電極(40)が導電性樹脂材で形成されていることを特徴としている。ここで、上記接地された電極(40)は、上記集塵装置において、帯電した塵埃を吸着捕集する集塵電極(40)として構成されている。
【0008】
第1の発明では、接地された電極(集塵電極)(40)を導電性樹脂で形成することにより、例えば金属で形成された電極と比べて、該集塵電極(40)の体積抵抗率を上げることが可能となる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、上記導電性樹脂材の体積抵抗率が、10Ωcm以上1012Ωcm以下であることを特徴としている。
【0010】
第2の発明では、上記導電性樹脂材の体積抵抗率を規定することにより、集塵電極(40)に所定の体積抵抗率を付与することができる。ここで、上記導電性樹脂材の体積抵抗率が低すぎれば樹脂としての特性が失われスパークしやすくなり、逆に上記導電性樹脂材の体積抵抗率が高すぎれば、塵埃が接近してきた時の集塵電極(40)内の電荷の移動が遅くなるので、集塵電極(40)の表面への電荷の移動も遅くなり、結果として集塵部(30)の集塵能力が大きく低下してしまう。第2の発明のように上記導電性樹脂材の体積抵抗率を規定することにより、上記集塵電極(40)を、樹脂としての特性を維持しつつ集塵部(30)の集塵能力の低下を抑えた電極を構成することができる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記電源部の正極側に接続された電極(50)が導電性樹脂材で形成され、その導電性樹脂材の体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であることを特徴とするとしている。
【0012】
第3の発明では、上記集塵電極(40)だけでなく、上記電源部の正極側に接続された電極(高圧電極)(50)にも所定の体積抵抗率を付与することができる。これにより、上記集塵部(30)の電極(40,50)に体積抵抗率を付与する場合に、上記集塵電極(40)及び上記高圧電極(50)の導電性樹脂における体積抵抗率の範囲内において、両方の電極(40,50)に適した体積抵抗率を設定できる。
【0013】
第4の発明は、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、第1電極(40)と該第1電極(40)の近傍に設置された第2電極(50)とを有する集塵部(30)と、上記集塵部(30)に電圧を印加する電源部とを備えた集塵装置を前提としている。
【0014】
そして、上記集塵装置の荷電部(12)が、上記塵埃を負に帯電する帯電手段(12a)を備える一方、第1電極(40)或いは第2電極(50)のどちらか一方の電極(50)が上記電源部の負極側に接続され、他方の電極(40)が接地され、上記接地された電極(40)が導電性樹脂材で形成されていることを特徴としている。
【0015】
第4の発明では、第1の発明と同様に、接地された電極(集塵電極)(40)を導電性樹脂で形成することにより、例えば金属で形成された電極と比べて、該集塵電極(40)の体積抵抗率を上げることが可能となる。
【0016】
第5の発明は、第4の発明において、上記導電性樹脂材の体積抵抗率が、10Ωcm以上1012Ωcm以下であることを特徴としている。
【0017】
第5の発明では、第2の発明と同様に、上記導電性樹脂材の体積抵抗率を規定することにより、集塵電極(40)に所定の体積抵抗率を付与することができる
第6の発明は、第4または第5の発明において、上記電源部の負極側に接続された電極(50)が導電性樹脂材で形成され、その導電性樹脂材の体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であることを特徴とするとしている。
【0018】
第6の発明では、第3の発明と同様に、上記集塵電極(40)だけでなく、上記電源部の正極側に接続された電極(高圧電極)(50)にも所定の体積抵抗率を付与することができる。これにより、上記集塵部(30)の電極(40,50)に体積抵抗率を付与する場合に、上記集塵電極(40)及び上記高圧電極(50)の導電性樹脂における体積抵抗率の範囲内において、両方の電極(40,50)に適した体積抵抗率を設定できる。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明によれば、集塵電極(40)を導電性樹脂で形成することにより該集塵電極(40)の体積抵抗率を上げることができるので、何らかの影響で上記集塵電極(40)及び上記高圧電極(50)の電極間で抵抗が下がったとしても、電極間に過剰な電流が流れてしまうのを防止することができる。このことから、上記電源部の印加電圧を所定値より下げたり、上記電極間の距離を所定値より長くしたりすることなく、スパークの発生を抑制することができる。
【0020】
第2の発明によれば、所定の体積抵抗率を有する上記導電性樹脂材を用いることにより、集塵部(30)の集塵能力の低下を抑えつつ、スパークの発生を抑制することができる。
【0021】
第3の発明によれば、上記集塵部(30)の電極に体積抵抗率を付与する場合に、両方の電極に分散して付与することができるので、電極の構成の自由度を上げつつ、スパークの発生を抑制することができる。
【0022】
第4の発明によれば、第1の発明と同様に、集塵電極(40)を導電性樹脂で形成することにより該集塵電極(40)の体積抵抗率を上げることができるので、何らかの影響で上記集塵電極(40)及び上記高圧電極(50)の電極間で抵抗が下がったとしても、電極間に過剰な電流が流れてしまうのを防止することができる。
【0023】
第5の発明によれば、第2の発明と同様に、所定の体積抵抗率を有する上記導電性樹脂材を用いることにより、集塵部(30)の集塵能力の低下を抑えつつ、スパークの発生を抑制することができる。
【0024】
第6の発明によれば、第3の発明と同様に、上記集塵部(30)の電極に体積抵抗率を付与する場合に、両方の電極に分散して付与することができるので、電極の構成の自由度を上げつつ、スパークの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、本実施形態の空気清浄機(10)は、本発明の集塵装置を構成しており、例えば、一般家庭及び小規模店舗などで用いられる民生用の空気浄化装置である。
【0027】
上記空気清浄機(10)は、ケーシング(20)を備えると共に、該ケーシング(20)の内部に収納されたプレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とを備えている。又、図示していないが、上記荷電部(12)と上記集塵部(30)に電圧を印加するための電源部も備えている。
【0028】
上記ケーシング(20)は、例えば、矩形体状の横長の容器に形成され、前面が空気の吸込口(21)に形成され、背面が空気の吹出口(22)に形成され、内部が空気通路(23)に形成されている。そして、上記プレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とが吸込口(21)から吹出口(22)に向かって順に配置されている。
【0029】
上記プレフィルタ(11)は、吸込口(21)からケーシング(20)内に吸込まれた空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するためのフィルタを構成している。
【0030】
上記荷電部(12)は、イオン化部を構成し、上記プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させるものである。上記荷電部(12)は、例えば複数のイオン化線(帯電手段)(12a)と、複数の対向電極(12b)とから構成される一方、上記イオン化線(12a)が上記電源部の正極側に、上記対向電極(12b)は上記電源部の負極側にそれぞれ接続されている。そして、上記イオン化線(12a)と上記対向電極(12b)との間に直流電圧を印加可能に構成されている。又、上記イオン化線(12a)は、荷電部(12)の上端から下端に亘って設けられ、対向電極(12b)はイオン化線(12a)の間に配置されている。
【0031】
上記集塵部(30)は、上記荷電部(12)で帯電した塵埃を吸着して捕集するものであり、図3〜図5に示すように、集塵電極(第1電極)(40)と高圧電極(第2電極)(50)とを備えている。そして、上記集塵電極(40)が接地され、上記高圧電極(50)が電源部の正極側に接続されるとともに、該集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、互いに対向して対となる電極を構成している。
【0032】
上記集塵部(30)の上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、何れも一体成型に構成されている。そして、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは基本的にほぼ同一の形状に形成され、一部が相互に挿入自在な差し込み構造に構成されている。
【0033】
上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、矩形状に形成され、1つの基台部材(41,51)と、該基台部材(41,51)から突出する多数の突起部材(42,52)とを備えている。そして、上記基台部材(41,51)は、枠体(43,53)と、該枠体(43,53)の内部に設けられた複数の縦仕切部材(44,54)及び複数の横仕切部材(45,55)とを備えている。
【0034】
上記枠体(43,53)は、矩形状に形成され、上記集塵電極(40)の枠体(43)が高圧電極(50)の枠体(53)より厚く形成されている。上記集塵電極(40)の枠体(53)の4つの隅角部は、薄肉部(4a)が形成されると共に、該薄肉部(4a)には、固定孔(4b)を有する固定脚(4c)が形成されている。また、上記高圧電極(50)の枠体(53)の4つの隅角部は、薄肉部(5a)が形成されると共に、該薄肉部(5a)には、固定孔(5b)が形成されている。そして、上記集塵電極(40)の枠体(43)と高圧電極(50)の枠体(53)とは、四隅の薄肉部(4a,5a)において、固定孔(5b)から固定孔(4b)にタッピンネジをねじ込むことにより、固定脚(4c)を介して互いに固定され、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とが相対向して配置されている。また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の基台部材(41,51)は、空気通路(23)において、空気流れと直交する方向に配置されている。
【0035】
上記集塵電極(40)及び高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、ケーシング(20)の上下方向に延び、横仕切部材(45,55)は、ケーシング(20)の幅方向に延び、該縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とが縦横に交叉するように配列されている。そして、上記基台部材(41,51)には、枠体(43,53)と縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とによって囲まれる多数の通風孔(46,56)が形成されている。つまり、上記基台部材(41,51)は、縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とによって長方形の四角格子構造に形成され、通風孔(46,56)を形成する角形の多数の筒状部が形成されている。
【0036】
上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、同一平面状に位置するように形成されている。また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の横仕切部材(45,55)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、図5の上下方向に、千鳥状に位置するように形成されている。つまり、上記集塵電極(40)の横仕切部材(45)は、高圧電極(50)の通風孔(56)の中央部に位置し、上記高圧電極(50)の横仕切部材(55)は、集塵電極(40)の通風孔(46)の中央部に位置している。
【0037】
一方、上記突起部材(42,52)は、横仕切部材(45,55)に一体形成されて該横仕切部材(45,55)より突出している。該突起部材(42,52)は、横仕切部材(45,55)と同一厚さの平板状の突出片に形成され、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)の内部に延びている。そして、上記突起部材(42,52)の横方向の隙間には、相対する電極(50,40)の縦仕切部材(54,44)が位置するように上記突起部材(42,52)が形成されている。
【0038】
上記突起部材(42,52)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、通風孔(56,46)の内部中央に位置し、突起部材(42,52)の上方と下方とを空気が流れることになる。そして、上記集塵電極(40)の突起部材(42)と高圧電極(50)の突起部材(52)とは、相互の間隔が1.8mm〜2.0mmとなるように形成されている。
【0039】
尚、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、互いに接触することなく所定の間隔を存して位置している。
【0040】
また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)との間には直流電圧が印加されて集塵電極(40)と高圧電極(50)とより電界を生起させ、帯電した塵埃を集塵電極(40)に吸着させている。
【0041】
本発明の特徴として、上記集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、いずれも導電性樹脂材で構成されている。ここで、上記集塵電極(40)の体積抵抗率は10Ωcm以上1012Ωcm以下であることが望ましく、上記高圧電極(50)の体積抵抗率は10Ωcm以上10Ωcm以下であることが望ましい。
【0042】
上記触媒フィルタ(13)は、図示しないが、例えばハニカム構造の基材の表面に触媒が担持されて構成されている。該触媒は、例えば、マンガン系触媒や貴金属触媒などが適用され、集塵部(30)を通過して塵埃が除去された空気中の有害成分や臭気成分を分解する。
【0043】
上記送風機(14)は、ケーシング(20)内の空気通路(23)において最下流側に配置され、室内空気をケーシング(20)内に吸い込み、清浄空気を室内に吹き出すためのものである。
【0044】
−運転動作−
次に、上記空気清浄機(10)の空気清浄動作について説明する。
【0045】
図1及び図2に示すように、上記空気清浄機(10)は、送風機(14)を駆動すると、室内空気がケーシング(20)の空気通路(23)に吸引され、該空気通路(23)を流れることになる。
【0046】
一方、荷電部(12)のイオン化線(12a)と対向電極(12b)と間には直流電圧が印加される一方、集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)との間にも直流電圧が印加されている。
【0047】
そして、室内空気がケーシング(20)の空気通路(23)に吸引されると、先ず、上記プレフィルタ(11)は、室内空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集する。
【0048】
上記プレフィルタ(11)を通過した室内空気は荷電部(12)に流れる。この荷電部(12)において、上記プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃が帯電し、例えば、塵埃が正極に帯電し、この帯電した塵埃が下流側に流れることになる。
【0049】
続いて、帯電した塵埃は集塵部(30)に流れ、集塵電極(40)と高圧電極(50)における基台部材(41,51)の通風孔(46,56)を流れることになる。つまり、集塵電極(40)と高圧電極(50)の基台部材(41,51)における枠体(43,53)と縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とで形成される通風孔(46,56)を室内空気が流れ、集塵電極(40)と高圧電極(50)の突起部材(42,52)の周囲を室内空気が流れる。
【0050】
その際、集塵電極(40)は、例えば、アース電極になっているので、正極に帯電した塵埃が電気影像力により集塵電極(40)に吸着することになる。つまり、上記塵埃は、集塵電極(40)における枠体(43)の内表面、縦仕切部材(44)の表面、横仕切部材(45)の表面及び突起部材(42)の表面に吸着することになる。
【0051】
その後、上記塵埃が除去された室内空気は、触媒フィルタ(13)を流れ、空気中の有害物質や臭気物質が分解除去され、清浄空気となる。この清浄空気は、送風機(14)を通り、空気通路(23)から室内に吹き出されることになる。この動作を繰り返し、室内を清浄化する。
【0052】
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、上記集塵電極(40)を導電性樹脂で形成することにより該集塵電極(40)の体積抵抗率を上げることができるので、何らかの影響で上記集塵電極(40)及び上記高圧電極(50)の電極間で抵抗が下がったとしても、電極間に過剰な電流が流れてしまうのを防止することができる。つまり、上記集塵部(30)の集塵電極(40)の表面に塵埃が付着し堆積した場合や、上記集塵部(30)に流入する正帯電した塵埃中に導電性粉塵が混在した場合であっても、電極間に過剰な電流が流れてしまうのを防止することができるので、結果としてスパークの発生を抑制することが可能である。
【0053】
又、上記集塵電極(40)の体積抵抗率を10Ωcm以上1012Ωcm以下とし、上記高圧電極(50)の体積抵抗率を10Ωcm以上10Ωcm以下とすることにより、集塵部(30)の集塵能力の低下を抑えつつ、スパークの発生を抑制することができる。
【0054】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0055】
例えば、図6に示すように、板状の集塵電極(40)と高圧電極(50)とを平行に交互に配列し、集塵部(30)を構成するようにしてもよい。また、図7に示すように、細長の角柱状の高圧電極(50)と格子状の集塵電極(40)とを組み合わせて集塵部(30)を構成するようにしてもよい。
【0056】
また、上記荷電部(12)のイオン化線(12a)を上記電源部の負極側に接続し、上記荷電部(12)の対向電極(12b)を上記電源部の正極側に接続する一方、上記集塵部(30)の高圧電極(40)を上記電源部の負極側に接続して構成される空気清浄機であってもよい。
【0057】
これらの例においても、集塵電極(40)や高圧電極(50)を導電性樹脂で構成することで、スパークの発生を回避することができる。
【0058】
また、本発明の集塵装置は、空気清浄機(10)に限られるものではなく、空気調和装置に搭載されるものであってもよく、また、触媒部(13)は設けなくてもよい。
【0059】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明したように、空気中で帯電させた塵埃を捕集する集塵装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態の空気清浄機の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の空気清浄機の全体構成を示す概略側面図である。
【図3】本発明の実施形態の集塵部を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態の集塵部の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態の集塵部の一部を拡大して示す断面側面図である。
【図6】本発明の他の実施形態の集塵部の概略斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態の集塵部の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
10 空気清浄機(集塵装置)
12 荷電部
30 集塵部
40 集塵電極(第1電極)
50 高圧電極(第2電極)
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−23444(P2008−23444A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−198209(P2006−198209)