トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 集塵装置
【発明者】 【氏名】田中 利夫

【氏名】茂木 完治

【氏名】秋山 竜司

【氏名】大堂 維大

【氏名】春名 俊治

【要約】 【課題】装置のコンパクト化を図ると共に、高性能化を図る。

【構成】塵埃の荷電部(12)と集塵部(30)とを備えている。集塵部(30)の集塵電極(40)及び高圧電極(50)は、多数の通風孔(46,56)が形成された四角格子構造の基台部材(41,51)と、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)の内部に延びている突起部材(42,52)とを備えている。集塵電極(40)と高圧電極(50)との間で電界を生じさせて塵埃を捕集する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極(40)と第2電極(50)とを備え、該第1電極(40)と第2電極(50)との間に所定の電圧を印可し、帯電した塵埃を捕集する集塵装置であって、
上記第1電極(40)及び第2電極(50)は、該第1電極(40)の一部が第2電極(50)の一部を囲むように且つ第2電極(50)の他部が第1電極(40)の他部を囲むように構成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
空気通路(23)に配置された第1電極(40)と第2電極(50)とを備え、該第1電極(40)と第2電極(50)との間に所定の電圧を印可し、帯電した塵埃を捕集する集塵装置であって、
上記第1電極(40)及び第2電極(50)は、互いに嵌り込んで空気通路(23)の横断面において電界を放射状に形成するように構成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項3】
第1電極(40)と第2電極(50)とを備え、該第1電極(40)と第2電極(50)との間に所定の電圧を印可し、空気中の帯電した塵埃を捕集する集塵装置であって、
上記第1電極(40)及び第2電極(50)は、前面及び背面が開口した多数の通風孔(46,56)が形成された格子構造の基台部材(41,51)と、該基台部材(41,51)から突出した多数の突起部材(42,52)とを備え、
上記第1電極(40)及び第2電極(50)の基台部材(41,51)は、相対向して配置される一方、
上記第1電極(40)及び第2電極(50)の突起部材(42,52)は、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)の内部に延びている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記第1電極(40)及び第2電極(50)の基台部材(41,51)は、複数の仕切部材(44,54,45,55)が互いに縦横に交叉する四角格子構造に形成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記第1電極(40)及び第2電極(50)の突起部材(42,52)は、仕切部材(45,55)から通風孔(46,56)の軸方向と平行に突出している
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項6】
請求項5において、
上記第1電極(40)と第2電極(50)の突起部材(42,52)は、横仕切部材(45,55)から突出し、上記突起部材(42,52)の横方向の隙間には、相対する電極(50,40)の基台部材(41,51)の縦仕切部材(44,54)が位置している
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項7】
請求項6において、
上記第1電極(40)と第2電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、同一平面状に位置し、上記第1電極(40)と第2電極(50)の横仕切部材(45,55)は、縦方向に千鳥状に位置している
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項8】
請求項1〜3の何れか1項において、
上記第1電極(40)及び上記第2電極(50)は、導電性樹脂で形成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項9】
請求項1〜3の何れか1項において、
上記第1電極(40)及び上記第2電極(50)は、導電性金属で形成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項10】
請求項1〜3の何れか1項において、
上記第1電極(40)は、導電性金属で形成され、
上記第2電極(50)は、導電性樹脂で形成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項11】
請求項1〜3の何れか1項において、
上記第1電極(40)は、導電性樹脂で形成され、
上記第2電極(50)は、導電性金属で形成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項12】
請求項1〜3の何れか1項において、
空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)を備える一方、
上記第1電極(40)と第2電極(50)は、上記荷電部(12)と別個に設けられ、上記荷電部(12)で帯電した塵埃を電気的に捕集する集塵部(50)を構成している
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項13】
請求項1〜3の何れか1項において、
上記第1電極(40)と第2電極(50)は、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、該荷電部(12)で帯電した塵埃を電気的に捕集する集塵部(50)とを一体に構成している
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項14】
請求項3において、
上記第2電極(50)が導電性樹脂で形成され、
該第2電極(50)の突起部材(52)の先端隅角部が円弧状に形成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置に関し、特に、電極構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、集塵装置には、特許文献1に開示されているように、塵埃の荷電部と、集塵電極及び高圧電極を有する集塵部とを備えたものがある。上記集塵部の集塵電極と高圧電極は、平行平板で構成され、高圧電極の間に集塵電極が挿入されている。
【0003】
そして、上記集塵装置は、荷電部において空気中の塵埃を帯電させる一方、集塵電極と高圧電極との間で電界を生じさせ、上記荷電部で帯電した塵埃を集塵部で捕集するようにしている。
【特許文献1】特開平8−71451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の集塵装置においては、集塵部の集塵電極と高圧電極とを平行平板で構成しているため、装置のコンパクト化を図り難く、高性能化を図り難いという問題があった。つまり、上記集塵電極を平板に構成して単に平行に配置しているのみであることから、集塵装置としての一定の空間における集塵面積が小さいという問題があった。この結果、一定の集塵能力を確保するようにすると、装置が大型化し、性能が低いという問題があった。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、装置のコンパクト化を図ると共に、高性能化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、第1電極(40)と第2電極(50)とを備え、該第1電極(40)と第2電極(50)との間に所定の電圧を印可し、帯電した塵埃を捕集する集塵装置を対象としている。そして、上記第1電極(40)及び第2電極(50)は、該第1電極(40)の一部が第2電極(50)の一部を囲むように且つ第2電極(50)の他部が第1電極(40)の他部を囲むように構成されている。
【0007】
第2の発明は、空気通路(23)に配置された第1電極(40)と第2電極(50)とを備え、該第1電極(40)と第2電極(50)との間に所定の電圧を印可し、帯電した塵埃を捕集する集塵装置を対象としている。そして、上記第1電極(40)及び第2電極(50)は、互いに嵌り込んで空気通路(23)の横断面において電界を放射状に形成するように構成されている。
【0008】
上記第1及び第2の発明では、第1電極(40)と第2電極(50)との間で電界が生起しているので、空気中の荷電した塵埃が第1電極(40)と第2電極(50)の間を流れる際、極性が異なる電極に吸着し、例えば、第1電極(40)の表面に吸着し、広い集塵面積で捕集される。
【0009】
第3の発明は、集塵部(30)の第1電極(40)と第2電極(50)の一部が相互に差し込まれた構造にしたものである。
【0010】
具体的に、第3の発明は、第1電極(40)と第2電極(50)とを備え、該第1電極(40)と第2電極(50)との間に所定の電圧を印可し、空気中の帯電した塵埃を捕集する集塵装置を対象としている。そして、上記第1電極(40)及び第2電極(50)は、前面及び背面が開口した多数の通風孔(46,56)が形成された格子構造の基台部材(41,51)と、該基台部材(41,51)から突出した多数の突起部材(42,52)とを備えている。更に、上記第1電極(40)及び第2電極(50)の基台部材(41,51)は、相対向して配置されている。加えて、上記第1電極(40)及び第2電極(50)の突起部材(42,52)は、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)の内部に延びている。
【0011】
上記第3の発明では、荷電した塵埃が、第1電極(40)及び第2電極(50)の通風孔(46,56)を流れる。その際、第1電極(40)と第2電極(50)との間で電界が生起しているので、荷電した塵埃は、極性が異なる電極に吸着し、例えば、第1電極(40)に吸着し、捕集される。そして、上記第1電極(40)及び第2電極(50)の突起部材(42,52)が、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)の内部に延びているので、広い集塵面積で塵埃が捕集されることになる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、上記第1電極(40)及び第2電極(50)の基台部材(41,51)は、複数の仕切部材(44,54,45,55)が互いに縦横に交叉する四角格子構造に形成されている。
【0013】
上記第4の発明では、上記基台部材(41,51)が四角格子構造に形成されているので、集塵面積が広く、確実に塵埃が捕集される。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、上記第1電極(40)及び第2電極(50)の突起部材(42,52)が、仕切部材(45,55)から通風孔(46,56)の軸方向と平行に突出している。
【0015】
上記第5の発明では、突起部材(42,52)が仕切部材(45,55)から突出しているので、電界の生じる面積が広くなり、広い集塵面積が確保される。
【0016】
第6の発明は、第5の発明において、上記第1電極(40)と第2電極(50)の突起部材(42,52)が横仕切部材(45,55)から突出し、上記突起部材(42,52)の横方向の隙間に、相対する電極(50,40)の基台部材(41,51)の縦仕切部材(44,54)が位置している。
【0017】
上記第6の発明では、突起部材(42,52)が通風孔(56,46)に確実に配置されることになり、広い集塵面積が確保される。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、上記第1電極(40)と第2電極(50)の縦仕切部材(44,54)が同一平面状に位置し、上記第1電極(40)と第2電極(50)の横仕切部材(45,55)が縦方向に千鳥状に位置している。
【0019】
上記第7の発明では、突起部材(42,52)が横仕切部材(45,55)より通風孔(56,46)に延びることになり、広い集塵面積が確保される。
【0020】
第8の発明は、第1〜第3の何れか1の発明において、上記第1電極(40)及び第2電極(50)が導電性樹脂で形成されている。特に、上記第1電極(40)及び第2電極(50)は微導電性樹脂が好ましく、更に、樹脂の体積抵抗率が10Ωcm以上で1013Ωcm未満であることが好ましい。
【0021】
上記第8の発明では、スパークが抑制されると共に、上記第1電極(40)及び第2電極(50)が容易に成形される。
【0022】
第9の発明は、第1〜第3の何れか1の発明において、上記第1電極(40)及び上記第2電極(50)が導電性金属で形成されている。
【0023】
第10の発明は、第1〜第3の何れか1の発明において、上記第1電極(40)が導電性金属で形成され、上記第2電極(50)が導電性樹脂で形成されている。
【0024】
第11の発明は、第1〜第3の何れか1の発明において、上記第1電極(40)が導電性樹脂で形成され、上記第2電極(50)が導電性金属で形成されている。
【0025】
上記第9〜第11の発明では、上記第1電極(40)及び第2電極(50)の双方又は一方が金属で形成されているので、樹脂に比して薄型化となる。
【0026】
第12の発明は、第1〜第3の何れか1の発明において、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)を備える一方、上記第1電極(40)と第2電極(50)は、上記荷電部(12)と別個に設けられ、上記荷電部(12)で帯電した塵埃を電気的に捕集する集塵部(50)を構成している。
【0027】
上記第12の発明では、荷電部(12)と集塵部(50)とが別個に構成されているので、上記第1電極(40)と第2電極(50)の極性、電圧及び電極間距離を集塵部(50)に適した極性等に設定される。
【0028】
第13の発明は、第1〜第3の何れか1の発明において、上記第1電極(40)と第2電極(50)は、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、該荷電部(12)で帯電した塵埃を電気的に捕集する集塵部(50)とを一体に構成している。
【0029】
上記第13の発明では、荷電部(12)と集塵部(50)とが一体に構成されているので、装置全体の小型化を図ることができる。
【0030】
第14の発明は、第3の発明において、上記第2電極(50)が導電性樹脂で形成され、該第2電極(50)の突起部材(52)の先端隅角部が円弧状に形成されている。
【0031】
上記第14の発明では、第2電極(50)の突起部材(52)の先端隅角部における異常放電が抑制される。
【発明の効果】
【0032】
上記本発明によれば、従来の平行電極に比して集塵面積を拡大することができる。この結果、装置のコンパクト化を図ることができると共に、集塵性能の高性能化を図ることができる。
【0033】
また、第3の発明によれば、第1電極(40)と第2電極(50)とを多数の通風孔(46,56)を有する格子構造の基台部材(41,51)と、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)に延びる多数の突起部材(42,52)とで構成するようにしたために、従来の平行電極に比して集塵面積を大幅に拡大することができる。この結果、装置のコンパクト化を図ることができると共に、集塵性能の高性能化を図ることができる。
【0034】
また、上記第1電極(40)の突起部材(42)を第2電極(50)の通風路(56)に延長しているので、第1電極(40)の突起部材(42)を集塵面とすることができ、集塵面積をより拡大することができる。
【0035】
特に、上記第4の発明によれば、上記第1電極(40)及び第2電極(50)の基台部材(41,51)が複数の仕切部材(44,54,45,55)を縦横に交叉させた四角格子状に形成しているので、上記第1電極(40)の通風孔(46)の周面を集塵面とすることができ、集塵面積を大幅に拡大することができる。
【0036】
また、上記第6の発明によれば、上記突起部材(42,52)の横方向の隙間に、相対する電極(50,40)の縦仕切部材(54,44)が位置するようにしたために、突起部材(42,52)を確実に延長させることができ、集塵面積を拡大することができる。
【0037】
また、上記第7の発明によれば、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)を千鳥状に配置するようにしたために、突起部材(42,52)を相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)に延長することができるので、集塵面積を拡大することができる。
【0038】
また、上記第8、第10及び第11の発明によれば、上記第1電極(40)と第2電極(50)の双方又は何れか一方を導電性樹脂で形成しているので、スパークを抑制することができると共に、成形の容易化を図ることができる。
【0039】
また、上記第9〜第11の発明によれば、上記第1電極(40)と第2電極(50)の双方又は何れか一方を導電性金属で形成しているので、樹脂に比して薄く形成することができるので、装置全体の小型化を図ることができる。
【0040】
また、上記第12の発明によれば、荷電部(12)と集塵部(50)とを別個に構成しているので、上記第1電極(40)と第2電極(50)の極性、電圧及び電極間距離を集塵部(50)に適した極性等に設定することができるので、集塵性能の高性能化をより図ることができる。
【0041】
また、上記第13の発明によれば、荷電部(12)と集塵部(50)とが一体に構成されているので、電極の兼用化が可能となり、装置全体の小型化を図ることができる。
【0042】
また、上記第14の発明によれば、上記第2電極(50)の突起部材(52)の先端隅角部における異常放電を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0044】
図1及び図2に示すように、本実施形態の空気清浄機(10)は、本発明の集塵装置を構成しており、例えば、一般家庭及び小規模店舗などで用いられる民生用の空気浄化装置である。
【0045】
上記空気清浄機(10)は、ケーシング(20)を備えると共に、該ケーシング(20)の内部に収納されたプレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とを備えている。
【0046】
上記ケーシング(20)は、例えば、矩形体状の横長の容器に形成され、前面が空気の吸込口(21)に形成され、背面が空気の吹出口(22)に形成され、内部が空気通路(23)に形成されている。そして、上記プレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とが吸込口(21)から吹出口(22)に向かって順に配置されている。
【0047】
上記プレフィルタ(11)は、吸込口(21)からケーシング(20)内に吸込まれた空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するためのフィルタを構成している。
【0048】
上記荷電部(12)は、イオン化部を構成し、上記プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させるものである。上記荷電部(12)は、図示しないが、例えば、複数のイオン化線と、複数の対向電極から構成され、該イオン化線と対向電極との間に直流電圧が印加されるように構成されている。上記イオン化線は、荷電部(12)の上端から下端に亘って設けられ、対向電極はイオン化線の間に配置されている。
【0049】
上記集塵部(30)は、上記荷電部(12)で帯電した塵埃を吸着して捕集するものであり、図3〜図5に示すように、アース電極である集塵電極(40)と陽電極である高圧電極(50)とを備えている。該集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、何れか一方が第1電極を構成し、他方が第2電極を構成している。
【0050】
上記集塵部(30)は、本発明の特徴とするものであり、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは何れも導電性樹脂によって構成され、一体成型によってそれぞれ一体もので構成されている。そして、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは基本的にほぼ同一の形状に形成され、一部が相互に挿入自在な差し込み構造に構成されている。
【0051】
つまり、上記集塵電極(40)が高圧電極(50)を囲むように構成され、上記高圧電極(50)が集塵電極(40)を囲むように構成されている。換言すれば、上記集塵電極(40)及び高圧電極(50)が空気通路(23)の横断面において電界を放射状に形成するように構成されている。
【0052】
特に、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは何れも微導電性樹脂が好ましく、更に、樹脂の体積抵抗率が10Ωcm以上で1013Ωcm未満であることが好ましい。
【0053】
上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、矩形状に形成され、1つの基台部材(41,51)と、該基台部材(41,51)から突出する多数の突起部材(42,52)とを備えている。そして、上記基台部材(41,51)は、枠体(43,53)と、該枠体(43,53)の内部に設けられた複数の縦仕切部材(44,54)及び複数の横仕切部材(45,55)とを備えている。
【0054】
上記枠体(43,53)は、矩形状に形成され、上記集塵電極(40)の枠体(43)が高圧電極(50)の枠体(53)より厚さが大きく形成されている。上記集塵電極(40)の枠体(53)の4つの隅角部は、薄肉部(4a)が形成されると共に、該薄肉部(4a)には、固定孔(4b)を有する固定脚(4c)が形成されている。また、上記高圧電極(50)の枠体(53)の4つの隅角部は、薄肉部(5a)が形成されると共に、該薄肉部(5a)には、固定孔(5b)が形成されている。そして、上記集塵電極(40)の枠体(43)と高圧電極(50)の枠体(53)とは、四隅の薄肉部(4a,5a)において、固定脚(4c)を介して互いに固定され、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とが相対向して配置されている。また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の基台部材(41,51)は、空気通路(23)において、空気流れと直交する方向に配置されている。
【0055】
上記集塵電極(40)及び高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、ケーシング(20)の上下方向に延び、横仕切部材(45,55)は、ケーシング(20)の幅方向に延び、該縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とが縦横に交叉するように配列されている。そして、上記基台部材(41,51)には、枠体(43,53)と縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とによって囲まれる多数の通風孔(46,56)が形成されている。つまり、上記基台部材(41,51)は、縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とによって長方形の四角格子構造に形成され、通風孔(46,56)を形成する多数の筒状部が形成されている。
【0056】
上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、同一平面状に位置するように形成されている。また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の横仕切部材(45,55)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、図5の上下方向に、千鳥状に位置するように形成されている。つまり、上記集塵電極(40)の横仕切部材(45)は、高圧電極(50)の通風孔(56)の中央部に位置し、上記高圧電極(50)の横仕切部材(55)は、集塵電極(40)の通風孔(46)の中央部に位置している。
【0057】
一方、上記突起部材(42,52)は、横仕切部材(45,55)に一体形成されて該横仕切部材(45,55)より突出している。該突起部材(42,52)は、横仕切部材(45,55)と同一厚さの平板状の突出片に形成され、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)の内部に延びている。そして、上記突起部材(42,52)の横方向の隙間には、相対する電極(50,40)の縦仕切部材(54,44)が位置するように上記突起部材(42,52)が形成されている。
【0058】
上記突起部材(42,52)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、通風孔(56,46)の内部中央に位置し、突起部材(42,52)の上方と下方とを空気が流れることになる。そして、上記集塵電極(40)の突起部材(42)と高圧電極(50)の突起部材(52)とは、相互の間隔が1.0mm〜2.0mmとなるように形成されている。例えば、上記相互の間隔は1.2mmが好ましい。
【0059】
尚、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、互いに接触することなく所定の間隔を存して位置している。
【0060】
つまり、上記集塵電極(40)の突起部材(42)は、高圧電極(50)の縦仕切部材(54)と横仕切部材(55)とによって囲まれ、突起部材(42)の周囲と縦仕切部材(54)及び横仕切部材(55)との距離が等しく、通風孔(56)の横断面において電界を放射状に形成する。また、上記高圧電極(50)の突起部材(52)は、集塵電極(40)の縦仕切部材(44)と横仕切部材(45)とによって囲まれ、突起部材(52)の周囲と縦仕切部材(44)及び横仕切部材(45)との距離が等しく、通風孔(46)の横断面において電界を放射状に形成する。
【0061】
また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)との間には直流電圧が印可されて集塵電極(40)と高圧電極(50)とより電界を生起させ、帯電した塵埃を集塵電極(40)に吸着させている。
【0062】
上記触媒フィルタ(13)は、図示しないが、例えばハニカム構造の基材の表面に触媒が担持されて構成されている。該触媒は、例えば、マンガン系触媒や貴金属触媒などが適用され、集塵部(30)を通過して塵埃が除去された空気中の有害成分や臭気成分を分解する。
【0063】
上記送風機(14)は、ケーシング(20)内の空気通路(23)において最下流側に配置され、室内空気をケーシング(20)内に吸い込み、清浄空気を室内に吹き出すためのものである。
【0064】
−運転動作−
次に、上記空気清浄機(10)の空気清浄動作について説明する。
【0065】
図1及び図2に示すように、上記空気清浄機(10)は、送風機(14)を駆動すると、室内空気がケーシング(20)の空気通路(23)に吸引され、該空気通路(23)を流れることになる。
【0066】
一方、荷電部(12)のイオン化線と対向電極と間には直流電圧が印可される一方、集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)との間に直流電圧が印可されている。
【0067】
そして、室内空気がケーシング(20)の空気通路(23)に吸引されると、先ず、上記プレフィルタ(11)は、室内空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集する。
【0068】
上記プレフィルタ(11)を通過した室内空気は荷電部(12)に流れる。この荷電部(12)において、上記プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃が帯電され、例えば、塵埃が正極に帯電し、この帯電した塵埃が下流側に流れることになる。
【0069】
続いて、帯電した塵埃は集塵部(30)に流れ、集塵電極(40)と高圧電極(50)における基台部材(41,51)の通風孔(46,56)を流れることになる。つまり、集塵電極(40)と高圧電極(50)の基台部材(41,51)における枠体(43,53)と縦仕切板と横仕切板とで形成される通風孔(46,56)を室内空気が流れ、集塵電極(40)と高圧電極(50)の突起部材(42,52)の周囲を室内空気が流れる。
【0070】
その際、集塵電極(40)は、例えば、アース電極になって負極に設定されているので、正極に帯電した塵埃が集塵電極(40)に吸着することになる。つまり、上記塵埃は、集塵電極(40)における枠体(43)の内表面、縦仕切部材(44)の表面、横仕切部材(45)の表面及び突起部材(42)の表面に吸着することになる。
【0071】
その後、上記塵埃が除去された室内空気は、触媒フィルタ(13)を流れ、空気中の有害物質や臭気物質が分解除去され、清浄空気となる。この清浄空気は、送風機(14)を通り、空気通路(23)から室内に吹き出ることになる。この動作を繰り返し、室内を清浄化する。
【0072】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、集塵電極(40)と高圧電極(50)とを多数の通風孔(46,56)を有する格子構造の基台部材(41,51)と、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)に延びる多数の突起部材(42,52)とで構成するようにしたために、従来の平行電極に比して集塵面積を大幅に拡大することができる。この結果、装置のコンパクト化を図ることができると共に、集塵性能の高性能化を図ることができる。
【0073】
特に、上記集塵電極(40)及び高圧電極(50)の基台部材(41,51)が複数の仕切部材(44,54,45,55)を縦横に交叉させた四角格子状に形成しているので、上記集塵電極(40)の通風孔(46)の周面を集塵面とすることができ、集塵面積を大幅に拡大することができる。
【0074】
また、上記集塵電極(40)の突起部材(42)を高圧電極(50)の通風路(56)に延長しているので、集塵電極(40)の突起部材(42)を集塵面とすることができ、集塵面積をより拡大することができる。
【0075】
また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)を千鳥状に配置するようにしたために、突起部材(42,52)を相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)に延長することができるので、集塵面積を拡大することができる。
【0076】
また、上記突起部材(42,52)の横方向の隙間に、相対する電極(50,40)の縦仕切部材(54,44)が位置するようにしたために、突起部材(42,52)を確実に延長させることができ、集塵面積を拡大することができる。
【0077】
また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とを導電性樹脂で形成しているので、スパークを抑制することができると共に、成形の容易化を図ることができる。
【0078】
また、上記荷電部(12)と集塵部(50)とを別個に構成しているので、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の極性、電圧及び電極間距離を集塵部(50)に適した極性等に設定することができるので、集塵性能の高性能化をより図ることができる。
【0079】
〈実施形態2〉
次に、本発明の実施形態2を図面に基づいて詳細に説明する。
【0080】
本実施形態は、図6に示すように、実施形態1が集塵電極(40)と高圧電極(50)の双方を導電性樹脂で形成したのに代え、集塵電極(40)を導電性金属で形成したものである。
【0081】
つまり、上記集塵電極(40)は、ステンレスなどの板金により形成される一方、上記高圧電極(50)は、実施形態1と同様に導電性樹脂により形成されている。
【0082】
上記集塵電極(40)は、実施形態1と同様に、矩形状に形成され、1つの基台部材(41)と、多数の突起部材(42)とを備え、上記基台部材(41)は、枠体(43)と複数の縦仕切部材(44)及び複数の横仕切部材(45)とを備えている。そして、上記突起部材(42)、枠体(43)、縦仕切部材(44)及び横仕切部材(45)がそれぞれ導電性金属の板金で形成されている。
【0083】
また、上記集塵電極(40)の突起部材(42)は、実施形態1と同様に高圧電極(50)の通風孔(56)の内部に延び、上記高圧電極(50)の突起部材(52)は、実施形態1と同様に集塵電極(40)の通風孔(46)の内部に延びている。
【0084】
したがって、本実施形態によれば、集塵電極(40)を導電性金属で形成したために、樹脂に比して板厚を薄くすることができるので、集積効率を向上させることができると共に、装置全体の小型化を図ることができる。その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0085】
尚、本実施形態は、集塵電極(40)を導電性金属で形成し、高圧電極(50)を導電性樹脂で形成したが、集塵電極(40)を導電性樹脂で形成し、高圧電極(50)を導電性金属で形成するようにしてもよい。
【0086】
〈実施形態3〉
次に、本発明の実施形態3を図面に基づいて詳細に説明する。
【0087】
本実施形態は、図7及び図8に示すように、実施形態1が高圧電極(50)の突起部材(52)の先端隅角部を鋭角のままに形成したのに代え、高圧電極(50)の突起部材(52)の先端隅角部を円弧状に形成したものである。
【0088】
具体的に、上記高圧電極(50)の突起部材(52)の先端隅角部は、先端からの端面視において円弧状に形成されると共に、左右の側面、平面視及び底面視において円弧状に形成され、円弧部(52a)に構成されている。
【0089】
この実施形態によれば、突起部材(52)の先端隅角部を円弧部(52a)に構成しているので、バリ等の残存を確実に除去することができるので、バリ等による異常放電を確実に防止することができる。
【0090】
尚、その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。特に、本実施形態の円弧部(52a)は、実施形態1における集塵電極(40)の突起部材(42)の先端隅角部に形成してもよいことは勿論である。
【0091】
〈実施形態4〉
次に、本発明の実施形態4を図面に基づいて詳細に説明する。
【0092】
本実施形態は、図9及び図10に示すように、実施形態1が荷電部(12)と集塵部(30)とを別個に形成したのに代え、荷電部(12)と集塵部(30)とを一体に形成したものである。
【0093】
具体的に、上記荷電部(12)は、針状のイオン化電極(12a)を備えている。該イオン化電極(12a)は、高圧電極(50)の突起部材(52)の先端面に該高圧電極(50)と一体に形成され、前方に延びている。更に、上記イオン化電極(12a)は、集塵電極(40)の通風孔(46)の内部に位置し、集塵電極(40)の縦仕切部材(44)と横仕切部材(45)とで囲繞され、該縦仕切部材(44)及び横仕切部材(45)の一部が対向電極を構成している。そして、上記上記荷電部(12)は、イオン化電極(12a)と集塵電極(40)の縦仕切部材(44)及び横仕切部材(45)の一部の間に直流電圧が印加されるように構成されている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0094】
したがって、本実施形態では、プレフィルタ(11)を通過した室内空気は荷電部(12)に流れる。この荷電部(12)において、イオン化電極(12a)と集塵電極(40)との間で放電し、塵埃が帯電され、例えば、塵埃が正極に帯電し、この帯電した塵埃が集塵部(30)に流れる。つまり、上記塵埃が集塵電極(40)と高圧電極(50)の通風孔(46,56)を流れ、集塵電極(40)が、例えばアース電極になって負極に設定されているので、正極に帯電した塵埃が集塵電極(40)に吸着する。
【0095】
このように、本実施形態によれば、荷電部(12)と集塵部(30)とを一体に形成しているので、電極の兼用化が可能となり、装置全体の小型化を図ることができる。その他の作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0096】
尚、本実施形態においても、実施形態2のように、集塵電極(40)又は高圧電極(50)をステンレスなどの板金により形成してもよく、また、実施形態3のように円弧部(52a)を形成してもよい。
【0097】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0098】
本実施形態の集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、導電性樹脂で形成したが、集塵電極(40)と高圧電極(50)の双方を実施形態2の導電性金属で形成するようにしてもよい。
【0099】
また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の基台部材(41,51)は、長方形の四角格子構造に形成したが、正方形の四角格子構造にしてもよく、また、六角格子構造にしてもよく、三角格子構造にしてもよい。要するに、基台部材(41,51)は、各種の格子構造に形成して集塵面積を拡大するようにしたものであればよい。
【0100】
また、上記突起部材(42,52)は、横仕切部材(45,55)に設けたが、縦仕切部材(44,54)に設けるようにしてもよく、形状は平板状の他、棒状など各種の形状にしてもよいことは勿論である。
【0101】
また、実施形態1〜4において、上記高圧電極(50)を負の高電圧電極とし、集塵電極(40)をアース電極としてもよい。
【0102】
また、実施形態1〜3において、荷電部(12)はイオン化線と対向電極から構成したが、イオン化線を針状電極としてもよい。その際、例えば、針状電極を負の高電圧電極とし、対向電極をアース電極としてもよい。
【0103】
また、上記集塵電極(40)は正電極であってもよく、その際、相対する電極(50)がアース電極となる。
【0104】
また、本発明の集塵装置は、空気清浄機(10)に限られるものではなく、空気調和装置に搭載されるものであってもよく、また、荷電部(12)と集塵部(30)のみを有するものであってもよい。
【0105】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0106】
以上説明したように、本発明は、民生用などの各種の集塵装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1は、本発明の実施形態の空気清浄機の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態の空気清浄機の全体構成を示す概略側面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態の集塵部を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態の集塵部の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態の集塵部の一部を拡大して示す断面側面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態2の集塵部の一部を拡大して示す断面側面図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態3の集塵部の一部を拡大して示す断面正面図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態3の集塵部の一部を拡大して示す断面側面図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態4の集塵部の一部を拡大して示す斜視図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態4の集塵部の一部を拡大して示す断面側面図である。
【符号の説明】
【0108】
10 空気清浄機
20 ケーシング
12 荷電部
30 集塵部
40 集塵電極(第1電極)
50 高圧電極(第2電極)
41,51 基台部材
42,52 突起部材
43,53 枠体
44,54 縦仕切部材
45,55 横仕切部材
46,56 通風孔
52a 円弧部
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成19年6月15日(2007.6.15)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−18425(P2008−18425A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−158454(P2007−158454)