トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 微細磁性粒子の分離除去装置
【発明者】 【氏名】三浦 由則

【氏名】三浦 清子

【要約】 【課題】それぞれ対向面を異極性に付勢ないし保持した一対の電磁石または永久磁石からなる磁極体の対向面間に、規則的または不規則的に所要間隔離間して位置する磁性体を配置することによって、前記磁極体の対向面間に形成した通路を流過する流動体中に含まれる微細磁性粒子の吸着分離除去を効率的に達成し、あるいは加熱条件下において微細磁性粒子の吸着分離除去を多機能的に達成することができる微細磁性粒子の分離除去装置を提供する。

【構成】電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体14A、14Bをそれぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置し、前記一対の磁極体の対向面間に、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路16を形成すると共に、前記通路内に規則的または不規則的に所要間隔離間して位置する微細磁性粒子を吸着するための磁性体18(20)を配置した構成からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体をそれぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置し、前記一対の磁極体の対向面間に、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路を形成すると共に、前記通路内に規則的または不規則的に所要間隔離間して位置する微細磁性粒子を吸着するための磁性体を配置したことを特徴とする微細磁性粒子の分離除去装置。
【請求項2】
電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体をそれぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置し、前記一対の磁極体の対向面間に、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路を形成し、前記通路の内面側に流過する流動体を過熱するための加熱装置を配設すると共に、前記通路内に規則的または不規則的に所要間隔離間して位置する微細磁性粒子を吸着するための磁性体を配置したことを特徴とする微細磁性粒子の分離除去装置。
【請求項3】
前記一対の磁極体の対向面間に配置される磁性体は、磁性材料からなる棒状体からなり、この棒状体を前記磁極体の対向面側に対し所定角度で所定間隔離間させて複数本設けたことを特徴とする請求項1または2記載の微細磁性粒子の分離除去装置。
【請求項4】
前記一対の磁極体の対向面間に配置される磁性材料からなる棒状体は、円柱、角柱、円錐、角錐、平板等から構成することを特徴とする請求項3記載の微細磁性粒子の分離除去装置。
【請求項5】
前記複数の棒状体は、磁極体の対向面間に形成される通路を流下する微細磁性粒子を含む流動体に対し交差する方向にそれぞれ配設することを特徴とする請求項3または4記載の微細磁性粒子の分離除去装置。
【請求項6】
前記複数の棒状体は、磁極体の対向面間においてそれぞれ一直線上に配置すると共に、全ての棒状体の離間距離が等しくなるように設定することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の微細磁性粒子の分離除去装置。
【請求項7】
前記一対の磁極体の対向面間に配置される磁性材料からなる棒状体は、その一端、両端または中間部分を支持板で保持して棒状体ユニットを構成し、この棒状体ユニットを前記一対の磁極体の対向面間に出し入れ可能としかつ微細磁性粒子を含む流動体の流過方向に流動体の投入口と排出口とをそれぞれ設けたホルダに収納配置した構成からなることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の微細磁性粒子の分離除去装置。
【請求項8】
前記棒状体を収納するホルダは、非磁性材料により前記一対の磁極体の対向面間の内周面を囲繞するように構成したことを特徴とする請求項7記載の微細磁性粒子の分離除去装置。
【請求項9】
それぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置された電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体は、その対向面に対して、規則的または不規則的に所要の間隔で隣接して位置する凸部と凹部とをそれぞれ対称的に設けることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の微細磁性粒子の分離除去装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁石または永久磁石を使用した磁気フィルタに係り、特に電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体をそれぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置した対向面間において、微細磁性粒子を吸着するための磁性体を最適に配置することにより、各種の粉体、気体、液体等の流動体中に含まれる微細な磁性粒子の吸着分離除去を、常温あるいは加熱条件下において効率的に行うことができるように構成した微細磁性粒子の分離除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流体中の磁性粒子を除去するための磁気フィルタとして、流体用の入口および出口を有する円筒状の容器の内部に、強磁性体からなり磁気粒子の吸着を司るフィルタ体(鋼製金網、スチールウール等)を設ける一方、容器の外部には、容器の周面に巻回したコイルよりなる電磁石を設けて、電磁石により所定の方向に磁力線を形成させてフィルタ体を磁化し、導入口から容器内に導かれてフィルタ体を通過し排出口から排出される流体に混在している磁気粒子を、この磁化されたフィルタ体に磁気吸着することにより分離、除去するように構成したものが開示され、さらに前記フィルタ体を磁化させる手段として永久磁石を使用した構成とすることもできる磁気フィルタが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、磁性粉を添加した活性汚泥液が流れる流路に、磁石を有する回転ドラムの一部を臨ませると共に回転させて、その磁石で活性汚泥を磁気吸着して活性汚泥と処理水とに分離・回収するための活性汚泥の磁気分離装置として、前記回転ドラムの下部に、その回転ドラムの下部外周と側面を覆う湾曲流路を形成し、その回転ドラムの外周に、前記流路を流れ方向左右に仕切る鍔状の磁気吸着部材を設けると共に、その回転ドラムの上部に、この磁気吸着部材に吸着した活性汚泥を除去する掻取部材を設けた構成からなる磁気分離装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
すなわち、この特許文献2に記載の磁気分離装置において、前記磁気吸着部材は薄円板で形成したディスクとし、このディスクの構成例として、例えば帯状に交互に着磁されたフェライト磁石からなるシート状磁石を平行に配置して構成したもの、あるいはディスクの外周に、所要の間隔を置いて多数の円筒状の磁石を配列して構成したもの等が開示されている。
【0005】
一方、近年において、電子産業の急速な発展につれて、電子材料用や半導体製造用などに、高純度のシリカ、アルミナ等の非磁性金属酸化物が使用されるようになり、またデバイス製品の高度化につれて半導体用の封止材で使用される非磁性金属酸化物に対する要望は、単に不純物濃度を低減させるのみではなく、非磁性金属酸化物に含まれる、その成分以外の異物の個数を低減させることが必要とされるようになったことから、前記非磁性金属酸化物粉末を、磁力1000ガウス以上の磁石に接触させることにより、非磁性金属酸化物粉末に混入される異物ないし不純物としての磁性粒子を除去するように構成した高純度非磁性金属酸化物粉末の製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
すなわち、この特許文献3に記載の高純度非磁性金属酸化物粉末の製造方法において、前記非磁性金属酸化物粉末に混入される異物ないし不純物としての磁性粒子を除去するための磁石として、その形状は特に限定しないが格子状の磁石を用いることが好ましいとされ、例えば磁石の間隔を2mm以上とし、棒状の磁石が数本横に配列された形状で、その間隙を粉末が通過し、その際に異物粒子が磁石に吸着され、除去されることが開示されている。
【0007】
前記特許文献1に記載の磁気フィルタ、もしくは特許文献2に記載の磁気分離装置においては、電子材料用や半導体製造用に使用する非磁性金属酸化物粉末に混入される異物ないし不純物としての磁性粒子を、除去する手段として、効率良くしかも確実に微細な磁性粒子を除去するには、構造的に不適当である。
【0008】
また、このような微細な磁性粒子を効率良く吸着し除去するためには、磁石による磁極周辺における磁界(磁化力)が強く、磁界の変化(磁場勾配)が大きいことが必要である。しかしながら、前記特許文献3に記載されるような格子状の磁石の構成配置においては、例えば棒磁石の極性配置をどのように設定したとしても、磁界(磁化力)の強さや、磁界の変化(磁場勾配)を大きくするには限界があり、満足し得る磁性粒子の吸着ないし除去を行うことができない難点がある。
【0009】
このような観点から、本発明者等は、それぞれ異極性に保持される電磁石の一対の対向する磁極体の対抗面あるいは永久磁石の対向面に、磁界の変化を大きく設定することができる凸部と凹部とを交互に設けることによって、微細磁性粒子を効率良く吸着除去することができる微細磁性粒子の除去装置を開発し、特許出願を行った(特許文献4参照)。
【0010】
すなわち、前記特許文献4に記載の微細磁性粒子の除去装置は、電磁コイルまたは永久磁石によってそれぞれ異極性に付勢される1対の対向配置される電磁石の磁極体に、規則的または不規則的に所要の間隔で隣接して位置する凸部と凹部とを、それぞれ対称的に設けることによって、磁界の変化(磁場勾配)を大きく設定することができ、微細磁性粒子を効率良く吸着除去することができるものである。また、前記磁極体の対向面側に交互に設ける凸部と凹部との形状を種々変化させることによっても、それぞれ前記磁極体の対向面における磁界の変化(磁場勾配)を大きく設定することができ、微細磁性粒子を効率良く吸着除去することができるという特徴を有している。
【0011】
さらに、従来において、複数種類の強磁性材(例えば、Ni,Co,Fe等を含む材料)の粒子ないし粉体を分別ないし選別する手段として、前記強磁性材のそれぞれが異なるキュリー温度を有することから、所要の粒子ないし粉体の選別に際し、それぞれ所要のキュリー温度に対応して加熱することにより、加熱温度がキュリー温度以上となる強磁性材は常磁性となり、そのキュリー温度以下の強磁性材を磁性分離できることが知られている。
【0012】
このような公知技術に基づいて、例えば、異なるキュリー温度を有する希土類磁石と強磁性材とを含む構造物を、互いのキュリー温度の中間温度に加熱することにより、加熱温度を超えるキュリー温度を有する強磁性材は磁石に磁気吸引される性質を維持するが、過熱温度以下のキュリー温度を有する希土類磁石は磁気吸引される性質を消失することから、この状態で磁石に接近させることにより、中間に配した搬送ベルトの表面に前記磁石の磁気吸引力によって、加熱温度を超えるキュリー温度を有する強磁性材と、過熱温度以下のキュリー温度を有する希土類磁石を、分別することができるようにした分別方法および分別装置が提案されている(特許文献5参照)。
【0013】
前記特許文献5に記載の分別方法および分別装置においては、第1のキュリー温度を有する希土類磁石と、第1のキュリー温度より高い第2のキュリー温度を有する強磁性材とを含む構造物を、第1と第2のキュリー温度の中間温度に加熱する工程と、加熱された構造物の中から強磁性材を磁気吸引により選別し第1のシューターへ搬送する工程とを備え、第1のキュリー温度より高い第2のキュリー温度を有する強磁性材を第1のシューターに、第1のキュリー温度を有する希土類磁石を含む構造物を第2のシューターに、それぞれ収集するように構成されている。この場合、加熱手段としては、電磁誘導方式の高周波加熱装置が使用されている。
【0014】
【特許文献1】特開平7−68109号公報
【特許文献2】特開平8−168790号公報
【特許文献3】特開2004−10420号公報
【特許文献4】特開2006−15185号公報
【特許文献5】特開2001−219093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前述した特許文献4に記載の微細磁性粒子の除去装置においては、電磁コイルまたは永久磁石によってそれぞれ異極性に付勢される1対の対向配置される電磁石の磁極体の対向面間を、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路とし、その通路間隔を設定するに際し、通路間隔を拡大して流体の処理能力を増大しようとしても、微細磁性粒子の吸着除去能力に限界があり、効率の良い吸着除去ができなくなる。そこで、電磁コイルや永久磁石の能力を高めることも可能であるが、このような構成とする場合には、設備コストおよび運転コストが増大し経済的に不利となる。
【0016】
また、前述した特許文献5に記載の分別装置においては、加熱手段を使用することを目的とした専用装置であり、分別する材料を搬送する手段として搬送ベルトを使用することから、大型の設備となり、設備コストおよび運転コストが増大する難点がある。
【0017】
そこで、本発明者等は、種々検討並びに試作を重ねた結果、電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体をそれぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置し、これら一対の磁極体の対向面間には、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路を形成すると共に、この通路内に、前記磁極体の対向面に対して所定角度で所定間隔離間させて複数本の磁性材料からなる棒状体を配置することにより、前記通路内を流過する流動体の流量を増大することができると共に、流体中に含まれる微細磁性粒子の吸着分離除去も有効かつ効率的に達成することができることを突き止めた。
【0018】
本発明においては、一対の磁極体の対向面間に配置される磁性体について、磁性材料からなる棒状体からなり、この棒状体を前記磁極体の対向面側に対し所定角度で所定間隔離間させて複数本設けた構成とし、この場合に前記棒状体は、例えば円柱、角柱、円錐、角錐、平板等から構成することが可能であり、これらの構成によって微細磁性粒子の吸着分離除去を効率的に行うことができる。
【0019】
また、本発明においては、磁性材料からなる棒状体について、その一端、両端または中間部分を支持板で保持して棒状体ユニットを構成し、この棒状体ユニットを前記一対の磁極体の対向面間に出し入れ可能とし、かつ微細磁性粒子を含む流動体の流過方向に流動体の投入口と排出口とをそれぞれ設けたホルダに収納配置した構成とすることによって、微細磁性粒子の吸着分離運転処理後における棒状態の清掃作業やメンテナンス作業に際しての取り扱いが簡便となる利点が得られる。
【0020】
さらに、本発明においては、それぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置された電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体につき、その対向面に対して、規則的または不規則的に所要の間隔で隣接して位置する凸部と凹部とをそれぞれ対称的に設けた構成とすることによって、前記磁性体に対する磁化を強化して微細磁性粒子の吸着分離除去をより効率的に達成することが可能となる。
【0021】
さらにまた、本発明においては、前記構成からなる微細磁性粒子の分離除去するための構成において、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路の内面側に、ここを流過する流動体を過熱するための加熱装置を配設することによって、例えば、異なるキュリー温度を有する強磁性材からなる粒子ないし粉体の選別を簡便に行うことができる。
【0022】
また、加熱装置を配設することによって、常温で固体化し加熱によって流動化することができるチョコレート等の食品類や、合成樹脂材料等に含有される異物としての磁性材の分離除去を容易に行うことが可能となる。
【0023】
従って、本発明の目的は、それぞれ対向面を異極性に付勢ないし保持した一対の電磁石または永久磁石からなる磁極体の対向面間に、規則的または不規則的に所要間隔離間して位置する磁性体を配置することによって、前記磁極体の対向面間に形成した通路を流過する流動体中に含まれる微細磁性粒子の吸着分離除去を効率的に達成し、あるいは加熱条件下において微細磁性粒子の吸着分離除去を多機能的に達成することができる微細磁性粒子の分離除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記の目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体をそれぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置し、前記一対の磁極体の対向面間に、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路を形成すると共に、前記通路内に規則的または不規則的に所要間隔離間して位置する微細磁性粒子を吸着するための磁性体を配置したことを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項2に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体をそれぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置し、前記一対の磁極体の対向面間に、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路を形成し、前記通路の内面側に流過する流動体を過熱するための加熱装置を配設すると共に、前記通路内に規則的または不規則的に所要間隔離間して位置する微細磁性粒子を吸着するための磁性体を配置したことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項3に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、前記一対の磁極体の対向面間に配置される磁性体が、磁性材料からなる棒状体からなり、この棒状体を前記磁極体の対向面側に対し所定角度で所定間隔離間させて複数本設けたことを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項4に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、前記一対の磁極体の対向面間に配置される磁性材料からなる棒状体を、円柱、角柱、円錐、角錐、平板等から構成することを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項5に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、前記複数の棒状体を、磁極体の対向面間に形成される通路を流下する微細磁性粒子を含む流動体に対し交差する方向にそれぞれ配設することを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項6に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、前記複数の棒状体を、磁極体の対向面間においてそれぞれ一直線上に配置すると共に、全ての棒状体の離間距離が等しくなるように設定することを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項7に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、前記一対の磁極体の対向面間に配置される磁性材料からなる棒状体を、その一端、両端または中間部分を支持板で保持して棒状体ユニットとして構成し、この棒状体ユニットを前記一対の磁極体の対向面間に出し入れ可能としかつ微細磁性粒子を含む流動体の流過方向に流動体の投入口と排出口とをそれぞれ設けたホルダに収納配置した構成からなることを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項8に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、前記棒状体を収納するホルダを、非磁性材料により前記一対の磁極体の対向面間の内周面を囲繞するように構成したことを特徴とする。
【0032】
本発明の請求項9に記載の微細磁性粒子の分離除去装置は、それぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置された電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体を、その対向面に対して、規則的または不規則的に所要の間隔で隣接して位置する凸部と凹部とをそれぞれ対称的に設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明の請求項1に記載の微細磁性粒子の分離除去装置によれば、それぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置した電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体の対向面間に、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路を形成して、この通路内に前記磁極体の対向面に対して所定角度で所定間隔離間させて、例えば複数本の磁性材料からなる棒状体とした磁性体を配置することにより、前記通路内を流過する流動体の流量を増大することができると共に、流体中に含まれる微細磁性粒子の吸着分離除去を有効かつ効率的に達成することができる。
【0034】
本発明の請求項2に記載の微細磁性粒子の分離除去装置によれば、微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路の内面側に、ここを流過する流動体を加熱するための加熱装置を配設することにより、異なるキュリー温度を有する強磁性材からなる粒子ないし粉体の選別を容易かつ簡便に行うことができると共に、加熱によって流動化する食品や、合成樹脂等に含有される異物としての磁性材の分離除去を容易に達成することができる。従って、この場合、従来の微細磁性粒子を分離除去する装置と比べて、比較的小型の構成にして設備コストおよび運転コストを低減し、多機能化を実現することができる経済性に優れた微細磁性粒子の分離除去装置を提供することができる。
【0035】
本発明の請求項3および4に記載の微細磁性粒子の分離除去装置によれば、前記一対の磁極体の対向面間に配置される磁性体の構成として、磁性材料からなる棒状体を使用し、この棒状体を例えば円柱、角柱、円錐、角錐、平板等の形状に設定して、それぞれ磁極体の対向面側に対し所要角度で所要間隔離間させて複数本設けることにより、簡単な構成にして微細磁性粒子の吸着分離除去を効率的に達成できる装置を、比較的低コストに実現することができる。
【0036】
本発明の請求項5および6に記載の微細磁性粒子の分離除去装置によれば、複数の棒状体を、磁極体の対向面間に形成される通路を流下する微細磁性粒子を含む流動体に対し交差する方向にそれぞれ配設したり、磁極体の対向面間においてそれぞれ一直線上に配置すると共に、全ての棒状体の離間距離が等しくなるように設定したりすることにより、微細磁性粒子の吸着分離除去をより一層効率的に達成することができる。
【0037】
本発明の請求項7および8に記載の微細磁性粒子の分離除去装置によれば、微細磁性粒子の吸着分離除去を行う磁性体を構成する複数の棒状体については、それぞれその一端、両端または中間部分を支持板で保持して棒状体ユニットを構成し、この棒状体ユニットを、微細磁性粒子を含む流動体の流過方向に流動体の投入口と排出口とをそれぞれ設けたホルダに収納配置した構成とすることにより、一対の磁極体の対向面間に対して簡便かつ容易に出し入れ可能となり、装置の微細磁性粒子吸着分離運転処理における装備および清掃並びにメンテナンス作業等を効率的に行うことができる。
【0038】
本発明の請求項9に記載の微細磁性粒子の分離除去装置によれば、微細磁性粒子の吸着分離除去を行う磁性体を磁化する磁極体の構成として、先に提案した構成を採用することにより、微細磁性粒子の吸着分離除去をより効率的に達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
次に、本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置の実施の形態につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置の第1の実施の形態としての原理構成を示すものである。すなわち、図1において、参照符号10は電磁石のC形ヨークを示し、このヨーク10のそれぞれ対向する両端部側に電磁コイル12A、12Bが巻装されると共に、前記ヨーク10の対向面にそれぞれ異極性に付勢される1対の磁極体14A、14Bが結合配置される。なお、前記1対の磁極体14A、14Bを異極性に保持する手段として、前記電磁石に代えて永久磁石を使用することもできる。
【0041】
前記異極性に付勢ないし保持された1対の磁極体14A、14Bの対向面は、相互に所要間隔で離間させて配置し、その対向面間には、微細磁性粒子を含む流動体を流過させるための通路16を形成する。そして、このように形成した通路16内には、規則的または不規則的に所要間隔離間して位置するように、微細磁性粒子を吸着するための磁性体18を配置した構成からなる。
【0042】
次に、前述した基本構成からなる微細磁性粒子の分離除去装置において、異極性に付勢ないし保持された1対の磁極体14A、14Bの対向面間に、それぞれ配置される磁性体18の実施例について説明する。
【0043】
図2の(a)〜(d)は、1対の磁極体14A、14Bの対向面間に配置される磁性体18の一実施例を示すものである。すなわち、本実施例において、1対の磁極体14A、14Bはそれぞれ矩形板状に構成され〔図2の(a)、(d)参照〕、これら磁極体14A、14Bの対向面間に、磁性材料からなる複数の棒状体20を、図示のように整列させて配置した構成からなる。この場合、前記複数の棒状体20は、好適には図2の(a)、(c)に示すように同一径寸法の円柱とし、磁極体14A、14Bの対向面間に形成される通路16を流下する微細磁性粒子を含む流動体に対し交差する方向にそれぞれ平行に配設する〔図2の(a)、(b)参照〕。しかも、これら複数の棒状体20は、磁極体14A、14Bの対向面間においてそれぞれ一直線上に配置すると共に、全ての棒状体20の離間距離が等しくなるように設定することにより、磁極体14A、14Bによる複数の棒状体20からなる磁性体18への磁化効率を高めて、均一な磁化を達成することができる〔図2の(c)参照〕。
【0044】
なお、前述した磁性材料からなる複数の棒状体20については、図示例の円柱形状に限定されることなく、例えば角柱、円錐、角錐、平板等の形状に設定することができる。そして、棒状体20をこれらの形状とした場合、その径寸法はそれぞれ任意の寸法に設定することができるばかりでなく、異種の形状ないしは異径の寸法の組み合わせとすることもできる。さらに、これらの棒状体20は、流動体に対し垂直に交差しても、斜めに交差してもよく、しかも前記棒状体20は、相互に不平行ないしは離間距離が不均等であってもよく、それぞれ磁化効率が高められる配置構成であれば十分である。
【0045】
また、前記複数の棒状体20を、磁極体14A、14Bの対向面間に配置する磁性体18の1セットとして構成する場合、全ての棒状体20の形状を同一にする必要はなく、異なる形状の棒状体20を組み合わせて使用することができる。同様に、径寸法についても全ての棒状体20の径寸法を同一にする必要はなく、異なる径寸法の棒状体20を組み合わせて使用することもできる。
【0046】
図3の(a)〜(d)は、1対の磁極体14A、14Bの対向面間に配置される磁性体18の別の実施例を示すものである。すなわち、本実施例においては、1対の磁極体14A、14Bをそれぞれ円板状に構成し〔図3の(a)、(d)参照〕、これら磁極体14A、14Bの対向面間に、磁性材料からなる複数の棒状体20を、前記図2に示す実施例と同様に整列させて配置した構成からなる〔図3の(a)、(b)、(c)、(d)参照〕。その他の構成については、前記実施例と同一であるので、同一の構成要素については、それぞれ同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0047】
図4の(a)〜(d)は、1対の磁極体14A、14Bの対向面間に配置される磁性体18のさらに別の実施例を示すものである。すなわち、本実施例においては、1対の磁極体14A、14Bをそれぞれ円板状に構成し〔図4の(a)、(d)参照〕、これら磁極体14A、14Bの対向面間に、磁性材料からなる複数の棒状体20を、前記図3に示す実施例と同様に整列させて配置した構成からなる〔図4の(a)、(b)、(c)、(d)参照〕。本実施例においては、それぞれ異極性に付勢ないし保持して対向配置された電磁石または永久磁石からなる一対の磁極体14A、14Bについて、その対向面に対して、規則的または不規則的に所要の間隔で隣接して位置する凸部17Aと凹部17Bとをそれぞれ対称的に設けた磁極板15A、15Bを一体的に設けた構成からなる。すなわち、前記磁極板15A、15Bの構成は、特許文献4において提案されたものであり、このような構成とすることにより、磁性体に対する磁化力を高めて、微細磁性粒子の吸着分離除去をより効率的に達成することが可能となる。その他の構成については、前記実施例と同一であるので、同一の構成要素については、それぞれ同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0048】
前述したそれぞれの実施例においては、1対の磁極体14A、14Bの対向面間に配置される磁性体18について、基本的な配置構成の実施例についてそれぞれ説明したが、本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置として、実際に組み立てる場合に便宜な構成となる実施例について、以下詳細に説明する。
【0049】
そこで、本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置における要部である、磁性体18を構成する棒状体ユニット22と、この棒状体ユニット22を収納するホルダ30の構成例について、それぞれ説明する。すなわち、磁性体18としての棒状体20は、比較的多量の微細磁性粒子が付着されることから、その清掃のために比較的頻繁に通路16内から出し入れする必要がある。そこで、棒状体ユニット22と、これを収納するホルダ30は、前述した各実施例からなる棒状体20を、異極性に付勢ないし保持された1対の磁極体14A、14Bの対向面間に形成される流動体の通路16内において、安定かつ容易に出し入れ自在に設置する場合に、その取り扱いに便宜な構成とする場合の実施例である。
【0050】
図5の(a)〜(d)は、棒状体ユニット22の好適な一実施例を示すものである。本実施例の棒状体ユニット22Aは、一対の対向する支持板23A、23Bの間に、磁性材料からなる複数の棒状体20a、20bをそれぞれ平行に整列配置して、それらの両端部を固定した構成からなる。この場合、複数の棒状体20a、20bは、上下方向において交互にそれらの一端を対向する一方の支持板23A、23Bにそれぞれ結合固定した構成とする。すなわち、前記一方の支持板23Aには、棒状体20aの一端がそれぞれ結合固定され、前記他方の支持板23Bには、棒状体20bの一端がそれぞれ結合固定される。そして、前記一方の支持板23Aには、前記棒状体20bの他端を固定するための挿通孔がそれぞれ設けられると共に、前記他方の支持板23Bには、前記棒状体20aの他端を固定するための挿通孔がそれぞれ設けられる。従って、このように構成された一対の支持板23A、23Bを、それぞれ棒状体20a、20bを交差するようにして対向位置させることによって、本実施例の棒状体ユニット22Aを組み立てることができる。
【0051】
図6の(a)〜(d)は、棒状体ユニット22を収納するホルダ30の好適な一実施例を示すものである。本実施例のホルダ30は、上端と下端にそれぞれ上部フランジ32Aと下部フランジ32Bを備えると共に、上下方向に開通して流動体の投入口と排出口を形成する長方形の通路部形成開口34を備えた通路部形成本体36からなり、前記上部フランジ32Aの長手方向の両端には、それぞれ一対の運搬用ハンドル33,33を設けた構成からなる。このように構成したホルダ30に対しては、前記上部フランジ32A側に設けられた通路部形成開口34より、前述ないし後述する実施例の棒状体ユニット22を適正に挿入配置することができる。従って、本実施例のホルダ30は、前記通路部形成本体36の長手方向の両側面に対し、それぞれ上部フランジ32Aと下部フランジ32Bとを介して、前述した一対の磁極体14A、14Bの対向面間に密接するように挿通配置することにより、微細磁性粒子を含む流動体の案内通路16を構成することができる。
【0052】
図7の(a)〜(d)は、棒状体ユニット22の別の実施例を示すものである。本実施例の棒状体ユニット22Bは、一対の対向する支持板24A、24Bを重ね合わせることにより、磁性材料からなる複数の棒状体20a、20bをそれぞれ平行に整列配置して、それらの一端部を固定した構成からなる。この場合、複数の棒状体20a、20bは、上下方向において対称的にそれらの一端部をそれぞれ支持板24A、24Bにそれぞれ結合固定した構成とする。すなわち、前記一方の支持板24Aには、棒状体20aの一端部がそれぞれ結合固定され、前記他方の支持板24Bには、棒状体20bの一端部がそれぞれ結合固定される。そして、このように構成された一対の支持板24A、24Bを、それぞれ棒状体20a、20bの他端部が自由端となるようにして重ね合わせることによって、本実施例の棒状体ユニット22Bを組み立てることができる。なお、参照符号25は、前記重ね合わせた支持板24A、24Bを堅固に固定するための結合部材である。なお、本実施例においては、棒状体20a、20bの長さを前述した実施例と比較して半減できるため、支持板24A、24Bにおける支持荷重を軽減できる利点がある。
【0053】
図8の(a)〜(d)は、棒状体ユニット22のさらに別の実施例を示すものである。本実施例の棒状体ユニット22Cは、一対の対向する支持板26A、26Bを重ね合わせることにより、磁性材料からなる複数の棒状体20a、20bをそれぞれ平行に整列配置して、それらの中央部を固定した構成からなる。この場合、複数の棒状体20a、20bは、上下方向において交互にそれらの中央部を対向する一方の支持板26A、26Bにそれぞれ結合固定した構成とする。すなわち、前記一方の支持板26Aには、棒状体20aの中央部がそれぞれ結合固定され、前記他方の支持板26Bには、棒状体20bの中央部がそれぞれ結合固定される。そして、前記一方の支持板26Aには、前記棒状体20bを挿通するための挿通孔がそれぞれ設けられると共に、前記他方の支持板26Bには、前記棒状体20aを挿通するための挿通孔がそれぞれ設けられる。従って、このように構成された一対の支持板26A、26Bを、それぞれ棒状体20a、20bを相互に挿通して重ね合わせることによって、本実施例の棒状体ユニット22Cを組み立てることができる。従って、本実施例においては、重ね合わせた支持板24A、24Bを固定するための結合部材を特に必要としない。
【0054】
図9の(a)〜(g)は、前述した図5に示す棒状体ユニット22Aと、これを収納する図6に示すホルダ30との組み立て状態を順次示す説明図である。なお、棒状体ユニット22Aの組み立てについては、図5の(a)〜(d)に示す実施例と同一の構成要素については、同一の参照符号を付したので、それらの説明を併せ参照されたい。
【0055】
図10の(a)〜(h)は、前述した図8に示す棒状体ユニット22Cと、これを収納する図6に示すホルダ30との組み立て状態を順次示す説明図である。なお、棒状体ユニット22Cの組み立てについては、図8の(a)〜(d)に示す実施例と同一の構成要素については、同一の参照符号を付したので、それらの説明を併せ参照されたい。
【0056】
図11は、本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置の第2の実施の形態としての原理構成を示すものである。なお、図11において、前述した図1に示す第1の実施の形態の原理構成と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0057】
図11において、それぞれ異極性に付勢ないし保持された1対の磁極体14A、14Bの対向面は、相互に所要間隔で離間させて配置され、その対向面間には、微細磁性粒子を含む流動体を流過させるための通路16が形成される。このように形成された通路16内には、規則的または不規則的に所要間隔離間して位置するように、微細磁性粒子を吸着分離するための磁性体18を配置した構成からなる。しかるに、本実施の形態においては、前記微細磁性粒子を含む流動体を流過させる通路16の内面側に、ここを流過する流動体を加熱するための加熱装置40を配設した構成からなる。
【0058】
なお、前記構成からなる本実施の形態における加熱装置40を備えた微細磁性粒子の分離除去装置において、前記通路16内に規則的または不規則的に所要間隔離間して位置するように配置する微細磁性粒子を吸着分離するための磁性体18については、前述した図2ないし図10に示す実施例の構成を全て採用することができる。
【0059】
本実施の形態において、前記加熱装置40としては、電気加熱ヒータを使用することができる。また、高周波誘導加熱コイルを使用する高周波加熱装置を適用することもできる。この場合、加熱装置40を配設した通路16の内面は加熱された流動体が円滑に流過し得ると共に磁気透過性に優れた素材を使用して形成する。また、加熱装置40を配設した磁極体14A、14Bの対向面との間には、適宜磁気透過性を有する断熱材を設けて磁極体14A、14Bに対する断熱を行うように構成する。従って、このように構成される本実施の形態における微細磁性粒子の分離除去装置は、加熱装置40を作動させない場合においても、微細磁性粒子の分離除去処理を有効に達成できるように構成される。
【0060】
次に、本実施の形態における加熱装置40を備えた微細磁性粒子の分離除去装置を使用する微細磁性粒子の分離除去処理例について説明する。
【0061】
分離除去処理例1
微細磁性粒子の分離除去の対象として、キュリー温度が約358℃のNiの粉体と、キュリー温度が約771℃のFeの粉体とを混合した試料を使用する。この場合、加熱装置40により400〜450℃に温度設定し、前記試料を流過させる通路16内に設ける磁性粒子を吸着分離するための磁性体18は、450℃以上のキュリー温度を有する磁性体(例えば、Fe)で構成する。このように構成した本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置により、通路16内に前記試料を流過させた場合、Ni粉体は常磁性体となるが、Fe粉体は強磁性体のままであるため、Ni粉体は前記磁性体18を通過して所要の回収容器に回収され、Fe粉体は前記磁性体18に吸着分離することができた。
なお、Feの粉体に代えて、ステンレス粉体(SUS304に応力が加わり組成が変化して磁性を帯びた状態のもの)を使用した場合、このステンレス粉体を前記磁性体18に吸着分離することができた。
【0062】
分離除去処理例2
微細磁性粒子の分離除去の対象として、キュリー温度が約771℃のFeの粉体と、キュリー温度が約1117℃のCoの粉体とを混合した試料を使用する。この場合、加熱装置40により800〜850℃に温度設定し、前記試料を流過させる通路16内に設ける磁性粒子を吸着分離するための磁性体18は、1117℃以上のキュリー温度を有する磁性体(例えば、Co)で構成する。このように構成した本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置により、通路16内に前記試料を流過させた場合、Fe粉体は常磁性体となるが、Co粉体は強磁性体のままであるため、Fe粉体は前記磁性体18を通過して所要の回収容器に回収され、Co粉体は前記磁性体18に吸着分離することができた。
【0063】
分離除去処理例3
微細磁性粒子の分離除去の対象として、ステンレス粉体(SUS304に応力が加わり組成が変化して磁性を帯びた状態のもの)が混入したチョコレートを使用する。この場合、チョコレートの溶融温度は、約37℃で非磁性であり、ステンレス粉体は38℃では磁性体である。そこで、加熱装置40により37〜38℃に温度設定し、前記チョコレートを流過させる通路16内に設ける磁性粒子を吸着分離するための磁性体18は、40℃以上のキュリー温度を有する磁性体(例えば、Fe)で構成する。このように構成した本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置により、通路16内に前記チョコレートを流過させた場合、チョコレートは溶融されて所要の回収容器に回収され、ステンレス粉体は前記磁性体18に吸着分離除去することができた。
【0064】
分離除去処理例4
微細磁性粒子の分離除去の対象として、ステンレス粉体(SUS304に応力が加わり組成が変化して磁性を帯びた状態のもの)が混入したエポキシ樹脂を使用する。この場合、エポキシ樹脂は、60℃まで加熱することができ、温度上昇と共に粘性が低下するする性質を有し、約50℃で非磁性であり、ステンレス粉体は50℃では磁性体である。そこで、加熱装置40により50℃に温度設定し、前記エポキシ樹脂を流過させる通路16内に設ける磁性粒子を吸着分離するための磁性体18は、50℃以上のキュリー温度を有する磁性体(例えば、Fe)で構成する。このように構成した本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置により、通路16内に前記エポキシ樹脂を流過させた場合、エポキシ樹脂は溶融されて所要の回収容器に回収され、ステンレス粉体は前記磁性体18に吸着分離除去することができた。なお、この場合、常温(25℃)では、前記ステンレス粉体は50%の吸着分離除去であったが、60℃の温度設定によれば、95%の吸着分離除去を達成することができた。
【0065】
以上、本発明の好適な実施例等についてそれぞれ説明したが、本発明は前述した各実施例に限定されることなく、例えば磁性体を構成する棒状体としては、磁性材料自体で成形されるもの以外に、磁性材料からなる粉体、粒体、球体、立方体等を透磁性材料により前述した種々の棒状体に外装した構成からなるものを使用できるばかりでなく、その他磁極体の形状や、棒状体の配置構成およびそれらの組み合わせ等について、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変更を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置の第1の実施の形態としての原理構成を示す概略説明図である。
【図2】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置の要部構成の一実施例を示すものであって、(a)は概略斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図3】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置の要部構成の別の実施例を示すものであって、(a)は概略斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図4】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置の要部構成のさらに別の実施例を示すものであって、(a)は概略斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図5】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置に使用する磁性体としての棒状体ユニットの構成例を示すものであって、(a)は概略斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図6】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置に使用する磁性体としての棒状体ユニットを収納するホルダの一実施例を示すものであって、(a)は概略斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は側面図である。
【図7】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置に使用する磁性体としての棒状体ユニットの別の構成例を示すものであって、(a)は概略斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図8】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置に使用する磁性体としての棒状体ユニットのさらに別の構成例を示すものであって、(a)は概略斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図9】(a)〜(g)は図5に示す磁性体としての棒状体ユニットの組み立てから図6に示すホルダへ組み込むまでの状態を順次示す説明図である。
【図10】(a)〜(h)は図8に示す磁性体としての棒状体ユニットの組み立てから図6に示すホルダへ組み込むまでの状態を順次示す説明図である。
【図11】本発明に係る微細磁性粒子の分離除去装置の第2の実施の形態としての原理構成を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0067】
10 ヨーク
12A、12B 電磁コイル
14A、14B 磁極体(永久磁石)
15A、15B 磁極板
16 通路
17A 凸部
17B 凹部
18 磁性体
20 棒状体
20a、20b 棒状体
22 棒状体ユニット
22A、22B、22C 棒状体ユニット
23A、23B 支持板
24A、24B 支持板
25 結合部材
26A、26B 支持板
30 ホルダ
32A 上部フランジ
32B 下部フランジ
33 運搬用ハンドル
34 通路部形成開口
36 通路部形成本体
40 加熱装置
【出願人】 【識別番号】506207602
【氏名又は名称】マイクロマグネ有限会社
【出願日】 平成19年4月27日(2007.4.27)
【代理人】 【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇


【公開番号】 特開2008−18422(P2008−18422A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−119056(P2007−119056)