トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 集塵装置
【発明者】 【氏名】田中 利夫

【氏名】茂木 完治

【氏名】秋山 竜司

【氏名】藤本 徹

【氏名】小田 泰弘

【氏名】香川 謙吉

【要約】 【課題】微細な粒子をも捕集可能で、しかも被処理空気の圧力損失が小さくて小型の集塵装置を提供する。

【構成】空気清浄機(10)のケーシング(20)内には、プレフィルタユニット(30)と、凝集ユニット(70)と、捕集ユニット(50)とが設けられる。凝集ユニット(70)へは、プレフィルタ(31)で大きな塵埃等を除去された被処理空気が流入する。凝集ユニット(70)では、被処理空気中の微細な浮遊粒子が集塵電極に捕捉され、集塵電極上で複数の浮遊粒子が凝集して凝集粒子となる。凝集粒子は、ある程度の大きさにまで成長すると、集塵電極から剥がれて被処理空気中に飛散する。凝集ユニット(70)の下流に配置された捕集ユニット(50)では、被処理空気中の凝集粒子が集塵フィルタ(51)に捕集される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理気体が流れる気体通路(23)に配置され、該被処理気体中の浮遊粒子(100)を凝集させて凝集粒子(101)を形成すると共に形成した凝集粒子(101)を被処理気体中に飛散させる凝集部(70)と、
上記気体通路(23)における上記凝集部(70)の下流に配置され、該凝集部(70)を通過した被処理気体中の凝集粒子(101)を捕集する捕集部(50)とを備えている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記凝集部(70)で被処理気体中の浮遊粒子(100)を凝集させて凝集粒子(101)を形成するための凝集動作と、上記凝集動作中に上記凝集部(70)で形成された凝集粒子(101)を被処理気体中に飛散させるための飛散動作とを行う
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記凝集部(70)は、被処理気体中の浮遊粒子(100)を帯電させる粒子帯電部(71)と、該粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を電気的な引力で捕捉して凝集させる粒子捕捉部(74)とを備えている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記粒子捕捉部(74)は、第1電極(75)と第2電極(76)とを備え、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間に電界を形成することによって、上記粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を上記第1電極(75)に付着させて凝集させるように構成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記第1電極(75)における被処理空気との接触面には、凝集粒子(101)の剥離を促進するための表面処理が施されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項6】
請求項4において、
上記第1電極(75)における被処理空気との接触面には、多数の突起(78)が形成されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項7】
請求項4において、
上記粒子捕捉部(74)では、被処理気体が通過する複数の気体流路(77)が上記第1電極(75)と上記第2電極(76)によって形成され、上記各気体流路(77)の断面積が被処理気体の流れの下流側へ向かって次第に狭まっている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項8】
請求項2において、
上記凝集部(70)における被処理気体の流速を上記凝集動作中に比べて増大させる動作を、上記飛散動作として行う
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項9】
請求項2において、
上記粒子捕捉部(74)は、第1電極(75)と第2電極(76)とを備え、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間に電界を形成することによって、上記粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を上記第1電極(75)に付着させて凝集させるように構成される一方、
上記第1電極(75)の近傍における被処理気体の流速を上記凝集動作中に比べて増大させる動作を、上記飛散動作として行う
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項10】
請求項9において、
被処理気体が上記第1電極(75)の近傍を集中的に流れるように被処理気体の流れを部分的に遮断するための遮蔽機構(80)を備え、
上記飛散動作中には、上記遮蔽機構(80)が被処理気体の流れを部分的に遮断することによって上記第1電極(75)の近傍における被処理気体の流速を増大させる
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項11】
請求項2において、
上記凝集部(70)を振動させるための加振機構(90)を備え
上記加振機構(90)によって上記凝集部(70)を振動させて該凝集部(70)から凝集粒子(101)を飛散させる動作を、上記飛散動作として行う
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項12】
請求項2において、
上記粒子捕捉部(74)は、第1電極(75)と第2電極(76)とを備え、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間に電界を形成することによって、上記粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を上記第1電極(75)に付着させて凝集させるように構成される一方、
上記第1電極(75)の極性と上記第2電極(76)の極性とを一時的に反転させる動作を、上記飛散動作として行う
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項13】
請求項2において、
上記粒子捕捉部(74)は、第1電極(75)と第2電極(76)とを備え、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間に電界を形成することによって、上記粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を上記第1電極(75)に付着させて凝集させるように構成される一方、
上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間でスパークを発生させる動作を、上記飛散動作として行う
ことを特徴とする集塵装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気や燃焼排ガス等の被処理気体から浮遊粒子を除去するための集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、室内空気中のハウスダストや燃焼排ガス中の粉塵などを捕集するために集塵装置が用いられている。
【0003】
この集塵装置としては、例えば特許文献1に開示されているような電気集塵装置が知られている。この電気集塵装置は、捕集対象の浮遊粒子を予め帯電させ、帯電した浮遊粒子を電気的な引力で捕集するものである。具体的に、特許文献1の電気集塵装置は、浮遊粒子を帯電させるためのイオン化部と、イオン化部の下流に配置された集塵部とを備えている。集塵部では、共に平板状の集塵極板と対向極板とが交互に配置されている。そして、この電気集塵装置では、イオン化部で正(+)に帯電させられた浮遊粒子が集塵部の負極板である集塵極板に捕集される。
【0004】
また、集塵装置としては、HEPA(High Efficiency Particulate AirFilter)などの高性能フィルターを用いたものも知られている。この種の集塵装置では、高性能フィルターへ被処理気体を送り込み、被処理気体を高性能フィルターで濾過して浮遊物質を除去している。
【特許文献1】特開平6−254437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した電気集塵装置では、浮遊粒子を電気的な引力で捕集するため、集塵極板と対向極板の間隔をそれほど狭めなくても、例えば粒径1μm程度の微細な粒子まで捕集できる。従って、微細な粒子を捕集する場合でも、電気集塵装置を通過する際の被処理気体の圧力損失はそれ程大きくならない。ところが、この電気集塵装置は、浮遊粒子を集塵極板の表面に付着させる構造となっているため、集塵性能を高めるには集塵極板の表面積を拡大しなければならず、装置の大型化を招くという問題がある。
【0006】
一方、高性能フィルタを用いた集塵装置では、例えばガラス繊維等を高密度で集積したフィルタで浮遊粒子を捕捉するため、装置が大型化するという問題は電気集塵装置の場合ほど深刻ではない。ところが、この種の集塵装置では、微細な粒子まで捕集しようとすればする程、フィルタを通過する際の被処理気体の圧力損失が大きくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細な粒子をも捕集可能で、しかも被処理気体の圧力損失が小さくて小型の集塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、集塵装置を対象としている。そして、被処理気体が流れる気体通路(23)に配置され、該被処理気体中の浮遊粒子(100)を凝集させて凝集粒子(101)を形成すると共に形成した凝集粒子(101)を被処理気体中に飛散させる凝集部(70)と、上記気体通路(23)における上記凝集部(70)の下流に配置され、該凝集部(70)を通過した被処理気体中の凝集粒子(101)を捕集する捕集部(50)とを備えるものである。
【0009】
第1の発明では、被処理空気中の浮遊粒子(100)が凝集部(70)に一旦捕集される。凝集部(70)では、捕集された複数の浮遊粒子(100)が凝集し、複数の浮遊粒子(100)の集合体である凝集粒子(101)が形成される。凝集粒子(101)は、ある程度の大きさになると凝集部(70)から離れ、被処理気体と共に捕集部(50)へと流れる。例えば、凝集部(70)に捕集された粒径1μm程度の微細な浮遊粒子(100)は、比較的粒径の大きな凝集粒子(101)の一部となって捕集部(50)へ送られる。捕集部(50)は、凝集部(70)から被処理気体と共に流れてきた凝集粒子(101)を捕集する。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記凝集部(70)で被処理気体中の浮遊粒子(100)を凝集させて凝集粒子(101)を形成するための凝集動作と、上記凝集動作中に上記凝集部(70)で形成された凝集粒子(101)を被処理気体中に飛散させるための飛散動作とを行うものである。
【0011】
第2の発明では、凝集動作と飛散動作とが集塵装置で行われる。凝集動作中の凝集部(70)では、複数の浮遊粒子(100)が凝集することによって凝集粒子(101)が形成される。一方、飛散動作中には、凝集粒子(101)が凝集部(70)から引き剥がされ、凝集部(70)を通過する被処理気体と共に捕集部(50)へ送られる。
【0012】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記凝集部(70)は、被処理気体中の浮遊粒子(100)を帯電させる粒子帯電部(71)と、該粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を電気的な引力で捕捉して凝集させる粒子捕捉部(74)とを備えるものである。
【0013】
第3の発明では、被処理気体中の浮遊粒子(100)が粒子帯電部(71)で正(+)又は負(−)に帯電させられる。帯電した浮遊粒子(100)は、電気的な引力によって粒子捕捉部(74)へ引き寄せられて捕捉される。そして、粒子捕捉部(74)では、捕捉された複数の浮遊粒子(100)が互いに凝集することによって凝集粒子(101)が形成される。
【0014】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記粒子捕捉部(74)は、第1電極(75)と第2電極(76)とを備え、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間に電界を形成することによって、上記粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を上記第1電極(75)に付着させて凝集させるように構成されるものである。
【0015】
第4の発明において、粒子捕捉部(74)では、第1電極(75)と第2電極(76)の間に電位差を付与することによって、第1電極(75)と第2電極(76)の間の空間に電界が形成される。例えば、粒子帯電部(71)で浮遊粒子(100)を正(+)に帯電させる場合は、負極側となった第1電極(75)に帯電した浮遊粒子(100)が引き寄せられる。また、粒子帯電部(71)で浮遊粒子(100)を負(−)に帯電させる場合は、正極側となった第1電極(75)に帯電した浮遊粒子(100)が引き寄せられる。第1電極(75)の表面上では、捕捉された浮遊粒子(100)が互いに凝集することによって凝集粒子(101)が形成されてゆく。
【0016】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記第1電極(75)における被処理空気との接触面には、凝集粒子(101)の剥離を促進するための表面処理が施されるものである。
【0017】
第5の発明では、第1電極(75)の表面に凝集粒子(101)の剥離を促進するための表面処理が施される。この表面処理としては、表面を鏡面に仕上げる加工や、撥水性の被膜やフッ素樹脂の被膜等を形成して表面自由エネルギーを低下させる加工などが例示される。このような表面処理を第1電極(75)に施すと、凝集粒子(101)が第1電極(75)の表面から剥がれやすくなり、第1電極(75)に残留する凝集粒子(101)の量が抑えられる。
【0018】
第6の発明は、上記第4の発明において、上記第1電極(75)における被処理空気との接触面には、多数の突起(78)が形成されるものである。
【0019】
第6の発明では、第1電極(75)の表面に突起(78)が形成されている。第1電極(75)と第2電極(76)の間に形成される電界は、この突起(78)の近傍に集中することになる。そのため、粒子帯電部(71)から粒子捕捉部(74)へ移動してきた浮遊粒子(100)は、第1電極(75)の突起(78)の近傍に集中して付着することになる。つまり、第1電極(75)では、突起(78)の近傍に集中して凝集粒子(101)が形成される。ある程度の大きさにまで成長した凝集粒子(101)は、被処理気体の流れによって第1電極(75)から引き剥がされる。
【0020】
第7の発明は、上記第4の発明において、上記粒子捕捉部(74)では、被処理気体が通過する複数の気体流路(77)が上記第1電極(75)と上記第2電極(76)によって形成され、上記各気体流路(77)の断面積が被処理気体の流れの下流側へ向かって次第に狭まるものである。
【0021】
第7の発明において、粒子捕捉部(74)を通過する被処理気体は、第1電極(75)と第2電極(76)によって形成された気体流路(77)を通過する。この気体流路(77)の断面積は、被処理気体の流れの下流側ほど狭くなっている。そのため、気体流路(77)を通過する被処理気体の流速は、下流側へ進むにつれて次第に上昇してゆく。
【0022】
第8の発明は、上記第2の発明において、上記凝集部(70)における被処理気体の流速を上記凝集動作中に比べて増大させる動作を、上記飛散動作として行うものである。
【0023】
第8の発明において、凝集部(70)を通過する被処理気体の流速は、凝集動作中の値に比べて飛散動作中の値の方が大きくなる。凝集部(70)を通過する被処理気体から凝集粒子(101)が受ける力は、被処理気体の流速の三乗に比例する。従って、飛散動作中の凝集部(70)では、凝集粒子(101)が被処理気体から受ける力(即ち、凝集粒子(101)を引き剥がそうとする力)が凝集動作中に比べて大きくなる。
【0024】
第9の発明は、上記第8の発明において、上記粒子捕捉部(74)は、第1電極(75)と第2電極(76)とを備え、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間に電界を形成することによって、上記粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を上記第1電極(75)に付着させて凝集させるように構成される一方、上記第1電極(75)の近傍における被処理気体の流速を上記凝集動作中に比べて増大させる動作を、上記飛散動作として行うものである。
【0025】
第9の発明では、上記第4の発明と同様に、粒子捕捉部(74)に第1電極(75)と第2電極(76)とが設けられ、第1電極(75)と第2電極(76)の間の空間に電界が形成される。粒子帯電部(71)で帯電した浮遊粒子(100)は、電気的な引力で引き寄せられて第1電極(75)に付着する。第1電極(75)では、付着した浮遊粒子(100)が互いに凝集することによって凝集粒子(101)が形成される。これらの点も、上記第4の発明と同様である。
【0026】
この第9の発明において、粒子捕捉部(74)の第1電極(75)付近における被処理気体の流速は、凝集動作中の値に比べて飛散動作中の値の方が大きくなる。第1電極(75)上の凝集粒子(101)が被処理気体から受ける力は、被処理気体の流速の三乗に比例する。従って、飛散動作中の粒子捕捉部(74)では、凝集粒子(101)が被処理気体から受ける力(即ち、凝集粒子(101)を引き剥がそうとする力)が凝集動作中に比べて大きくなる。
【0027】
第10の発明は、上記第9の発明において、被処理気体が上記第1電極(75)の近傍を集中的に流れるように被処理気体の流れを部分的に遮断するための遮蔽機構(80)を備え、上記飛散動作中には、上記遮蔽機構(80)が被処理気体の流れを部分的に遮断することによって上記第1電極(75)の近傍における被処理気体の流速を増大させるものである。
【0028】
第10の発明では、遮蔽機構(80)が集塵装置に設けられる。この遮蔽機構(80)は、被処理気体の流れを部分的に遮断し、被処理気体を第1電極(75)の近傍へ集中的に流す。集塵装置では、この遮蔽機構(80)の動作が飛散動作として行われる。つまり、遮蔽機構(80)の動作によって被処理気体が第1電極(75)の近傍を集中して流れる状態になると、粒子捕捉部(74)を通過する被処理気体の流速が第1電極(75)の近傍で局所的に高まる。そのため、第1電極(75)に付着した凝集粒子(101)が被処理気体から受ける力が大きくなり、凝集粒子(101)が第1電極(75)から引き剥がされ易くなる。
【0029】
第11の発明は、上記第2の発明において、上記凝集部(70)を振動させるための加振機構(90)を備え 上記加振機構(90)によって上記凝集部(70)を振動させて該凝集部(70)から凝集粒子(101)を飛散させる動作を、上記飛散動作として行うものである。
【0030】
第11の発明では、加振機構(90)が集塵装置に設けられる。集塵装置の飛散動作中には、加振装置が凝集部(70)を振動させて凝集粒子(101)を凝集部(70)から再飛散させる。
【0031】
第12の発明は、上記第2の発明において、上記粒子捕捉部(74)は、第1電極(75)と第2電極(76)とを備え、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間に電界を形成することによって、上記粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を上記第1電極(75)に付着させて凝集させるように構成される一方、上記第1電極(75)の極性と上記第2電極(76)の極性とを一時的に反転させる動作を、上記飛散動作として行うものである。
【0032】
第13の発明は、上記第2の発明において、上記粒子捕捉部(74)は、第1電極(75)と第2電極(76)とを備え、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間に電界を形成することによって、上記粒子帯電部(71)で帯電させた浮遊粒子(100)を上記第1電極(75)に付着させて凝集させるように構成される一方、上記第1電極(75)と上記第2電極(76)の間でスパークを発生させる動作を、上記飛散動作として行うものである。
【0033】
第12及び第13の発明では、上記第4の発明と同様に、粒子捕捉部(74)に第1電極(75)と第2電極(76)とが設けられ、第1電極(75)と第2電極(76)の間の空間に電界が形成される。粒子帯電部(71)で帯電した浮遊粒子(100)は、電気的な引力で引き寄せられて第1電極(75)に付着する。第1電極(75)では、付着した浮遊粒子(100)が互いに凝集することによって凝集粒子(101)が形成される。これらの点も、上記第4の発明と同様である。
【0034】
上記第12の発明において、飛散動作中の集塵装置では、第1電極(75)及び第2電極(76)の極性が凝集動作中とは逆になる。例えば、粒子帯電部(71)で浮遊粒子(100)を正(+)に帯電させる場合、凝集動作中には第1電極(75)が負極側となって第2電極(76)が正極側となるが、飛散動作中には第1電極(75)が正極側となって第2電極(76)が負極側となる。凝集動作中に第1電極(75)に付着した浮遊粒子(100)の電荷は、その殆どは第1電極(75)へ逃げてしまうが、一部は浮遊粒子(100)に留まる。そのため、上記の例において、第1電極(75)上の凝集粒子(101)は、正(+)に帯電した状態となる。そして、飛散動作中に第1電極(75)が正極側に切り換わると、第1電極(75)上の正(+)に帯電した凝集粒子(101)は、電気的な反発力によって第1電極(75)から引き剥がされる。
【0035】
一方、第13の発明では、において、飛散動作中の集塵装置では、第1電極(75)と第2電極(76)の間でスパークが発生する。第1電極(75)と第2電極(76)の間でスパークを発生させると、電気的な衝撃で凝集粒子(101)が第1電極(75)から引き剥がされ、被処理気体中に再飛散する。
【発明の効果】
【0036】
本発明では、凝集部(70)で複数の浮遊粒子(100)を凝集させることによって凝集粒子(101)を形成し、凝集部(70)で形成された凝集粒子(101)を捕集部(50)で捕集している。本発明の集塵装置において、例えば粒径1μm程度の微細な浮遊粒子(100)は、複数の浮遊粒子(100)からなる比較的粒径の大きな凝集粒子(101)の一部となって捕集部(50)に捕集される。つまり、この集塵装置では、例えばHEPA等の高性能フィルターに比べて目の粗いフィルターで捕集部(50)を構成した場合であっても、被処理気体から粒径1μm程度の微細な浮遊粒子(100)を除去することが可能となる。従って、本発明によれば、被処理気体から微細な浮遊粒子(100)を除去可能で、しかも被処理気体の圧力損失が低い集塵装置を実現できる。
【0037】
上記第2の発明では、飛散動作を行うことによって、凝集部(70)で形成された凝集粒子(101)を確実に被処理気体中へ再飛散させることができる。このため、凝集部(70)における凝集粒子(101)の蓄積量をある程度以下に抑えることができ、凝集部(70)の性能を確実に維持することができる。
【0038】
上記第3及び第4の発明では、粒子帯電部(71)と粒子捕捉部(74)とが凝集部(70)に設けられ、粒子帯電部(71)で帯電した浮遊粒子(100)が電気的な引力によって粒子捕捉部(74)に捕捉される。このため、粒子捕捉部(74)では、そこを通過する際の被処理気体の圧力損失を低く抑えながら、微細な浮遊粒子(100)を確実に捕捉することができる。従って、この発明によれば、被処理気体の圧力損失を低く抑えながら集塵装置の性能向上を図ることができる。
【0039】
上記第5の発明では、凝集粒子(101)の剥離を促進するための表面処理を第1電極(75)の表面に施しているため、第1電極(75)から凝集粒子(101)が剥がれやすくなる。従って、この発明によれば、第1電極(75)に残留する凝集粒子(101)の量を低減することができ、粒子捕捉部(74)の性能を確実に維持することができる。
【0040】
上記第6の発明では、第1電極(75)の表面に突起(78)が形成されており、その突起(78)の近傍に集中して凝集粒子(101)が形成されてゆく。このため、被処理気体の流れによって第1電極(75)から引き剥がされる程度の大きさの凝集粒子(101)を確実に形成することができ、集塵装置における浮遊粒子(100)の捕集効率を向上させることができる。
【0041】
上記第7の発明では、被処理気体の流れる気体流路(77)を粒子捕捉部(74)に形成し、その気体流路(77)の断面積を下流側へ向かって狭めることで被処理気体の流れを次第に増速させている。このため、粒子捕捉部(74)で形成された凝集粒子(101)を第1電極(75)から確実に引き剥がして捕集部(50)で捕集することができ、集塵装置における浮遊粒子(100)の捕集効率を向上させることができる。
【0042】
上記第8の発明では、飛散動作中に凝集部(70)を通過する被処理気体の流速を高め、凝集粒子(101)が被処理気体から受ける力を増大させている。また、上記第9の発明では、飛散動作中に粒子捕捉部(74)の第1電極(75)近傍における被処理空気の流速を高め、第1電極(75)上の凝集粒子(101)が被処理気体から受ける力を増大させている。従って、これら第8及び第9の発明では、凝集部(70)から凝集粒子(101)を確実に再飛散させることができ、凝集部(70)に滞留する凝集粒子(101)の量を削減することによって集塵装置の性能を高く保つことができる。
【0043】
上記第10の発明では、被処理気体の流れを遮蔽機構(80)によって部分的に遮ることで、第1電極(75)の近傍における被処理気体の流速を高めている。このため、凝集部(70)を通過する被処理気体の流量を変化させずに第1電極(75)の近傍における被処理気体の流速を高めることができ、それによって第1電極(75)からの凝集粒子(101)の再飛散を促進させることができる。従って、この発明によれば、被処理気体の流量増大に起因して生じる騒音等の問題を回避した上で、凝集部(70)に滞留する凝集粒子(101)の量を削減することによって集塵装置の性能を高く保つことができる。
【0044】
上記第11の発明では、加振機構(90)によって凝集部(70)を振動させることによって、凝集部(70)から凝集粒子(101)を再飛散させている。従って、この発明によれば、凝集部(70)に滞留する凝集粒子(101)の量を削減して集塵装置の性能を高く保つことができる。
【0045】
上記第12の発明では、第1電極(75)及び第2電極(76)の極性を凝集動作中と逆に切り換える動作が飛散動作として行われる。また、上記第13の発明では、第1電極(75)と第2電極(76)の間でスパークを発生させる動作が飛散動作として行われる。従って、これら第12及び第13の発明によれば、第1電極(75)から凝集粒子(101)を確実に再飛散させることができ、凝集部(70)に滞留する凝集粒子(101)の量を削減して集塵装置の性能を高く保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0047】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の空気清浄機(10)は、本発明に係る集塵装置を構成している。
【0048】
〈空気清浄機の全体構成〉
図1に示すように、本実施形態1の空気清浄機(10)は、箱形のケーシング(20)を備えている。このケーシング(20)では、その前面に吸込口(21)が、その上面の背面寄りに吹出口(22)がそれぞれ形成されている。ケーシング(20)の内部には、吸込口(21)から吹出口(22)に至る空気通路(23)が形成されている。この空気通路(23)は、被処理気体としての被処理空気を流通させるための気体通路を構成している。
【0049】
上記ケーシング(20)内の空気通路(23)には、吸込口(21)から吹出口(22)へ向かって順に、プレフィルタユニット(30)と、凝集部である凝集ユニット(70)と、捕集部である捕集ユニット(50)と、ファン(25)とが設置されている。
【0050】
プレフィルタユニット(30)は、プレフィルタ(31)と、プレフィルタ(31)を巻き取るための一対のローラ(32,33)と、プレフィルタ(31)を浄化するための第1浄化ユニット(40)とを備えている。プレフィルタ(31)は、被処理空気に含まれる「ほこり」等の比較的大きな浮遊物(塵埃)を捕集するためのフィルタである。このプレフィルタ(31)は、薄くて柔軟なエンドレスのシート状に形成されており、空気通路(23)を横断するように設けられている。プレフィルタ(31)の目の粗さは、例えば一般的な空調機の室内機に取り付けられているフィルタと同程度となっている。プレフィルタユニット(30)の詳細は後述する。
【0051】
凝集ユニット(70)は、プレフィルタ(31)を通過した被処理空気に残存する浮遊粒子(100)を一旦捕捉して凝集させ、それによって得られた凝集粒子(101)を再び被処理空気中へ飛散させるように構成されている。この凝集ユニット(70)の詳細は後述する。
【0052】
捕集ユニット(50)は、集塵フィルタ(51)と、集塵フィルタ(51)を巻き取るための一対のローラ(52,53)と、集塵フィルタ(51)を浄化するための第2浄化ユニット(60)とを備えている。集塵フィルタ(51)は、凝集ユニット(70)を通過した被処理空気に含まれる凝集粒子(101)を捕集するためのフィルタである。この集塵フィルタ(51)は、薄くて柔軟なエンドレスのシート状に形成されており、空気通路(23)を横断するように設けられている。集塵フィルタ(51)の目の粗さは、例えば一般的な空調機の室内機に取り付けられているフィルタと同程度、あるいはそれよりもやや細かい程度となっている。捕集ユニット(50)の詳細は後述する。
【0053】
ファン(25)は、吹出口(22)の真下に配置されている。このファン(25)は、いわゆる遠心ファン(25)であって、前方から吸い込んだ空気を上方へ吹き出すように構成されている。
【0054】
〈プレフィルタユニット、捕集ユニット〉
プレフィルタユニット(30)と捕集ユニット(50)とは、プレフィルタ(31)を備えるか集塵フィルタ(51)を備えるかの点で相違するが、それ以外の点では同様に構成されている。
【0055】
上述したように、プレフィルタユニット(30)及び捕集ユニット(50)は、それぞれがフィルタ(31,51)と、一対のローラ(32,33,52,53)と、浄化機構である浄化ユニット(40,60)とを備えている。
【0056】
図2にも示すように、プレフィルタユニット(30)と捕集ユニット(50)のそれぞれにおいて、一対のローラ(32,33,52,53)は、その一方が空気通路(23)の上端側に、他方が空気通路(23)の下端側にそれぞれ配置されている。空気通路(23)の上端側の第1ローラ(32,52)は、空気通路(23)の下端側の第2ローラ(33,53)のほぼ真上に設置されている。各ローラ(32,33,52,53)は、ケーシング(20)の幅方向(図2における左右方向)へ延びる丸棒状に形成されている。無端のループ状に形成されたフィルタ(31,51)は、第1ローラ(32,52)と第2ローラ(33,53)に掛け渡されている。
【0057】
プレフィルタユニット(30)と捕集ユニット(50)のそれぞれにおいて、第2ローラ(33,53)の一端には、第2ローラ(33,53)を回転させるためのモータ(34,54)が連結されている。このモータ(34,54)によって第2ローラ(33,53)を駆動すると、フィルタ(31,51)が第1ローラ(32,52)と第2ローラ(33,53)の間を循環する。このように、第1ローラ(32,52)と第2ローラ(33,53)とモータ(34,54)とは、無端状のフィルタ(31,51)を一方向へ移動させる駆動機構(36,56)を構成している。
【0058】
プレフィルタユニット(30)において、第1浄化ユニット(40)は、第2ローラ(33)の直下に配置されている。また、捕集ユニット(50)において、第2浄化ユニット(60)は、第2ローラ(53)の直下に配置されている。プレフィルタユニット(30)の第1浄化ユニット(40)と捕集ユニット(50)の第2浄化ユニット(60)とは、浄化する対象がプレフィルタ(31)か集塵フィルタ(51)かの点で相違するが、それ以外の点では同様に構成されている。
【0059】
図3に示すように、第1浄化ユニット(40)と第2浄化ユニット(60)とは、それぞれが掻き取りブラシ(41,61)と収容ケース(42,62)とを備えている。収容ケース(42,62)は、細長い中空の箱状に形成されている。収容ケース(42,62)は、第2ローラ(33,53)に沿う姿勢で、第2ローラ(33,53)の下方に配置されている。掻き取りブラシ(41,61)は、収容ケース(42,62)の内部に収容されている。この掻き取りブラシ(41,61)は、フィルタ(31,51)のうち第2ローラ(33,53)に巻回する部分の外側面と接触するように上向きに配置されており、フィルタ(31,51)から塵埃等を掻き落とすための掻き取り部材を構成している。掻き取りブラシ(41,61)によってフィルタ(31,51)から掻き落とされた塵埃等は、収容ケース(42,62)の内部に溜まる。
【0060】
第1浄化ユニット(40)と第2浄化ユニット(60)では、それぞれの収容ケース(42,62)に開閉自在のノズル接続部(43,63)が設けられている。このノズル接続部(43,63)は、収容ケース(42,62)の一方の端部寄り(図2における左端寄り)に配置されている。また、ノズル接続部(43,63)は、掃除機の吸引ノズル(68)が接続可能となると共に、吸引ノズル(68)の着脱に連動して開閉するように構成されている。つまり、ノズル接続部(43,63)に吸引ノズル(68)が挿入されると、ノズル接続部(43,63)が開状態となって収容ケース(42,62)の内部空間が吸引ノズル(68)と連通する一方、ノズル接続部(43,63)から吸引ノズル(68)が引き抜かれると、吸引ノズル(68)が閉状態となって収容ケース(42,62)の内部空間が外部から遮断される。
【0061】
〈凝集ユニット〉
図4に示すように、凝集ユニット(70)は、粒子帯電部(71)と粒子捕捉部(74)とを備えており、凝集部を構成している。
【0062】
粒子帯電部(71)は、プレフィルタ(31)を通過した被処理空気中に残存する浮遊粒子(100)を帯電させるためのものである。粒子帯電部(71)には、イオン化線(72)と対向電極(73)とが複数ずつ設けられている。対向電極(73)は、それぞれが図1の紙面に垂直方向へ延びる細長い平板状に形成されており、互いに対向する姿勢で上下方向に等間隔に並べられている。イオン下線は、上下に配列された対向電極(73)の間に1本ずつ配置されている。粒子帯電部(71)では、イオン化線(72)と対向電極(73)との間に直流電圧が印加され、イオン化線(72)と対向電極の間を通過する被処理空気中の浮遊粒子(100)が正(+)に帯電する。
【0063】
粒子捕捉部(74)は、粒子帯電部(71)で帯電した浮遊粒子(100)を一時的に捕捉して凝集させるためのものである。この粒子捕捉部(74)は、第1電極である集塵電極(75)と、第2電極である対向電極(76)とを備えている。
【0064】
集塵電極(75)と対向電極(76)は、いずれも図1の紙面に垂直方向へ延びる細長い平板状に形成されている。また、集塵電極(75)と対向電極(76)は、互いにほぼ同じ大きさとなっている。粒子捕捉部(74)では、集塵電極(75)と対向電極(76)とが上下方向に交互に配置されている。また、集塵電極(75)と対向電極(76)とは、互いに向かい合う姿勢で等間隔に配置されている。集塵電極(75)と対向電極(76)の間の空間は、被処理空気を流すための空気流路(77)となっている。この空気流路(77)は、気体流路を構成している。
【0065】
集塵電極(75)と対向電極(76)の材質は、いずれも微導電性樹脂である。集塵電極(75)と対向電極(76)の材料としては、体積抵抗率が10Ω・cm以上1010Ω・cm未満の微導電性樹脂を用いるのが望ましい。
【0066】
集塵電極(75)と対向電極(76)の間には、直流電圧が印加されている。具体的に、各集塵電極(75)は電源(79)の負極(−極)に、各対向電極(76)は電源(79)の正極(+極)にそれぞれ接続されている。粒子帯電部(71)で正(+)に帯電した浮遊粒子(100)は、電源(79)の負極(−極)に接続された集塵電極(75)に引き寄せられてその表面に付着し、他の浮遊粒子(100)と凝集して凝集粒子(101)を形成する。
【0067】
集塵電極(75)の表面には、凝集粒子(101)の剥離を促進するための表面処理が施されている。この表面処理としては、フッ素樹脂や撥水剤による被膜を形成することや、表面粗さを極めて小さくする鏡面仕上げを行うこと等が挙げられる。また、この表面処理としては、防汚塗料による塗膜を形成することも挙げられる。この防汚塗料の一例としては、“親水性材料と塗料用疎水性ポリマーと塗料用疎水性ポリマー用の有機溶剤と他の有機溶剤とからなり、他の有機溶剤が塗料用疎水性ポリマー用の有機溶剤の沸点よりも5℃以上高い高沸点有機溶剤であり、さらに該親水性材料/疎水性ポリマーの割合が1/99〜50/50(質量%比)である組成物”が挙げられる。
【0068】
−運転動作−
空気清浄機(10)の運転動作について説明する。
【0069】
ファン(25)を運転すると、被処理空気が吸込口(21)を通って空気通路(23)へ取り込まれる(図1を参照)。空気通路(23)へ流入した被処理空気は、最初にプレフィルタユニット(30)のプレフィルタ(31)を通過する。被処理空気に含まれる綿ぼこり等の比較的大きな塵埃は、プレフィルタ(31)に捕集されて被処理空気から除去される。
【0070】
プレフィルタ(31)を通過した被処理空気は、続いて凝集ユニット(70)へ流入する。凝集ユニット(70)へ流入した被処理空気は、まず粒子帯電部(71)を通過する(図3を参照)。プレフィルタ(31)を通過した被処理空気が粒子帯電部(71)を通過する間には、その被処理空気に残存する浮遊粒子(100)が、正(+)に帯電する。この粒子帯電部(71)で帯電する浮遊粒子(100)には、例えばタバコの煙などに含まれるような粒径1μm以下の極めて微細な粒子も含まれる。
【0071】
粒子帯電部(71)を通過した被処理空気は、続いて粒子捕捉部(74)へ流入する。粒子捕捉部(74)へ流入した被処理空気は、集塵電極(75)と対向電極(76)の間の空間である空気流路(77)を流れる。上述したように集塵電極(75)と対向電極(76)の間には直流電圧が印加されているため、この空気流路(77)には電界が形成されている。被処理空気中の正(+)に帯電した浮遊粒子(100)は、集塵電極(75)に引き寄せられてその表面に付着する。
【0072】
集塵電極(75)の表面では、付着した浮遊粒子(100)同士が互いに凝集し、粒径の大きな凝集粒子(101)が形成される。集塵電極(75)の表面上で形成された凝集粒子(101)は、ある程度の大きさになると集塵電極(75)から剥がれて飛散してゆく。この点について、図5を参照しながら説明する。
【0073】
上述したように、集塵電極(75)の表面には、粒子帯電部(71)で正(+)に帯電した浮遊粒子(100)が電気的な引力(即ち、クーロン力)によって引き寄せられて付着する。図5(a)に示すように、集塵電極(75)に浮遊粒子(100)が付着すると、平らな集塵電極(75)の表面から浮遊粒子(100)が突出した状態となり、付着した浮遊粒子(100)の近傍に電界が僅かに集中する。このため、後から飛んできた浮遊粒子(100)は、最初に集塵電極(75)に付着した浮遊粒子(100)に付着する確率が高くなる。
【0074】
その結果、集塵電極(75)の表面上では、図5(b)や図5(c)に示すように、最初に付着した浮遊粒子(100)の近傍に後から飛来した浮遊粒子(100)が集中的に付着し、浮遊粒子(100)同士が互いに凝集することで形成された凝集粒子(101)が次第に成長してゆく。それぞれの浮遊粒子(100)は非常に微細なものなので、それらは互いにファンデルワールス力(分子間力)によって強固に合体している。そして、ある程度の粒径(例えば10μm〜100μm程度)にまで成長した凝集粒子(101)は、図5(d)に示すように、空気流路(77)を流れる被処理空気から力を受けて集塵電極(75)から引き剥がされ、被処理空気と共に下流側へ飛散してゆく。
【0075】
凝集ユニット(70)を通過した被処理空気は、凝集粒子(101)を含んだ状態で捕集ユニット(50)の集塵フィルタ(51)を通過する。集塵フィルタ(51)では、被処理空気中の凝集粒子(101)が捕捉される。集塵フィルタ(51)で凝集粒子(101)を除去された被処理空気は、ファン(25)に吸い込まれ、その後に吹出口(22)からケーシング(20)の外部へ吹き出される。
【0076】
プレフィルタユニット(30)ではプレフィルタ(31)の洗浄動作が、捕集ユニット(50)では集塵フィルタ(51)の洗浄動作がそれぞれ行われる。これらの洗浄動作は、例えば空気清浄機(10)の運転時間が所定の基準値に達する毎に行われる。なお、プレフィルタユニット(30)の洗浄動作と、捕集ユニット(50)の洗浄動作とは、同じタイミングで行われる必要は無く、異なるタイミングで個別に行われてもよい。また、例えば空気清浄機(10)の運転時間に応じて洗浄動作を行う場合には、プレフィルタユニット(30)の洗浄動作と捕集ユニット(50)の洗浄動作とのそれぞれについて、運転時間の基準値を個別に設定してもよい。
【0077】
プレフィルタユニット(30)の洗浄動作では、モータ(34)によって第2ローラ(33)が駆動され、プレフィルタ(31)が移動する。移動中のプレフィルタ(31)は、その外側面が第1浄化ユニット(40)の掻き取りブラシ(41)と擦りあわされる。そして、プレフィルタ(31)に捕集された比較的大きな塵埃は、掻き取りブラシ(41)によってプレフィルタ(31)から掻き落とされて収容ケース(42)内に溜まってゆく。
【0078】
一方、捕集ユニット(50)の洗浄動作では、モータ(54)によって第2ローラ(53)が駆動され、集塵フィルタ(51)が移動する。移動中の集塵フィルタ(51)は、その外側面が第2浄化ユニット(60)の掻き取りブラシ(61)と擦りあわされる。そして、集塵フィルタ(51)に捕集された凝集粒子(101)は、掻き取りブラシ(61)によって集塵フィルタ(51)から掻き落とされて収容ケース(62)内に溜まってゆく。
【0079】
これら浄化ユニット(40,60)において、収容ケース(42,62)のノズル接続部(43,63)に掃除機の吸引ノズル(68)を挿入すると、ノズル接続部(43,63)を介して収容ケース(42,62)の内部空間が掃除機の吸引ノズル(68)と連通する。その状態で掃除機を運転すると、収容ケース(42,62)内に溜まった塵埃や凝集粒子(101)が収容ケース(42,62)から掃除機へと吸い出される。
【0080】
−実施形態1の効果−
本実施形態の空気清浄機(10)では、凝集ユニット(70)で複数の浮遊粒子(100)を凝集させることによって凝集粒子(101)を形成し、凝集ユニット(70)で形成された凝集粒子(101)を捕集ユニット(50)の集塵フィルタ(51)で捕集している。本実施形態の空気清浄機(10)において、例えば粒径1μm以下の微細な浮遊粒子(100)は、複数の浮遊粒子(100)からなる比較的粒径の大きな凝集粒子(101)の一部となって集塵フィルタ(51)に捕集される。つまり、この空気清浄機(10)では、例えばHEPA等の高性能フィルターに比べて目の粗い集塵フィルタ(51)を用いて、被処理空気から粒径1μm以下の微細な浮遊粒子(100)を除去することができる。従って、本実施形態によれば、被処理空気から微細な浮遊粒子(100)を除去可能で、しかも被処理空気の圧力損失が低い空気清浄機(10)を実現できる。その結果、ファン(25)での消費電力を削減できると共に、送風音等の騒音を低減することができる。
【0081】
また、本実施形態の空気清浄機(10)では、凝集ユニット(70)に粒子帯電部(71)と粒子捕捉部(74)とを設け、粒子帯電部(71)で帯電した浮遊粒子(100)を電気的な引力によって粒子捕捉部(74)の集塵電極(75)に捕捉している。このため、粒子捕捉部(74)では、そこを通過する際の被処理空気の圧力損失を低く抑えながら、微細な浮遊粒子(100)を確実に捕捉することができる。従って、本実施形態によれば、被処理空気の圧力損失を低く抑えながら空気清浄機(10)の性能向上を図ることができる。
【0082】
また、本実施形態の空気清浄機(10)では、凝集粒子(101)の剥離を促進するための表面処理を集塵電極(75)の表面に施しているため、集塵電極(75)から凝集粒子(101)が剥がれやすくなる。従って、本実施形態によれば、集塵電極(75)に残留する凝集粒子(101)の量を低減することができ、粒子捕捉部(74)の性能を確実に維持することができる。
【0083】
また、本実施形態の空気清浄機(10)では、第1浄化ユニット(60)によって集塵フィルタ(51)から凝集粒子(101)を除去するようにしている。ここで、凝集ユニット(70)は、一旦捕捉した浮遊粒子(100)を凝集させてから凝集粒子(101)として再び被処理空気中へ飛散させている。このため、凝集ユニット(70)の集塵電極(75)に浮遊粒子(100)や凝集粒子(101)が蓄積され続けることはない。一方、凝集ユニット(70)から飛散した凝集粒子(101)は集塵フィルタ(51)に捕集されるが、この凝集粒子(101)は第2浄化ユニット(60)によって集塵フィルタ(51)から除去されるため、集塵フィルタ(51)に凝集粒子(101)が蓄積され続けることもない。従って、本実施形態によれば、ユーザーによる凝集ユニット(70)や集塵フィルタ(51)の洗浄作業が不要となり、空気清浄機(10)の保守作業に要する労力を削減できる。
【0084】
また、本実施形態の空気清浄機(10)では、収容ケース(42,62)のノズル接続部(43,63)に掃除機の吸引ノズル(68)を接続するだけで、収容ケース(42,62)から凝集粒子(101)を排出することができる。従って、本実施形態によれば、収容ケース(42,62)に溜まった塵埃や凝集粒子(101)を破棄する作業が容易となり、空気清浄機(10)の保守作業に要する労力を削減できる。
【0085】
上述したように、本実施形態の凝集ユニット(70)は、粒子帯電部(71)と粒子捕捉部(74)とを備えており、一般的な電気集塵機と同様の構造となっている。ところが、本実施形態の粒子捕捉部(74)では、集塵電極(75)の表面上で浮遊粒子(100)が凝集して凝集粒子(101)となり、ある程度の大きさになった凝集粒子(101)は集塵電極(75)から剥がれて飛散してゆく。つまり、この粒子捕捉部(74)では、一般的な電気集塵機のように集塵電極(75)上に浮遊粒子(100)を保持し続ける必要が無く、一時的に浮遊粒子(100)を保持できれば充分である。このため、本実施形態の粒子捕捉部(74)で用いられる集塵電極(75)の大きさは、一般的な電気集塵機で用いられるものに比べて大幅に小さくなる。従って、本実施形態によれば、空気清浄機(10)の大きさを、同等の性能をもつ電気集塵機に比べて小さくすることができる。
【0086】
−実施形態1の変形例1−
本実施形態の凝集ユニット(70)では、図6に示すように、集塵電極(75)の表面に微細な突起(78)を多数形成してもよい。この突起(78)は、集塵電極(75)の長手方向(図6の紙面に対して垂直方向)へ延びる細長い畝状ものであってもよいし、柱状あるいは直方体状のものであってもよい。
【0087】
集塵電極(75)の表面に突起(78)を形成すると、その突起(78)の付近に電界が集中し、その突起(78)に対して浮遊粒子(100)が集中的に付着する。そのため、集塵電極(75)の表面に平均的に浮遊粒子(100)が付着する場合に比べ、被処理空気の流れによって集塵電極(75)から引き剥がされる程度の大きさの凝集粒子(101)を確実に短時間で形成することができ、集塵装置における浮遊粒子(100)の捕集効率を向上させることができる。
【0088】
−実施形態1の変形例2−
本実施形態の凝集ユニット(70)では、集塵電極(75)と対向電極(76)の間隔を被処理空気の下流側へ向かって次第に狭め、被処理空気の下流側ほど空気流路(77)の断面積が小さくなるようにしてもよい。
【0089】
本変形例では、図7に示すように、集塵電極(75)の断面形状を長方形状から台形状に変更している。具体的に、集塵電極(75)の断面形状は、被処理空気の上流側に上底が、その下流側に下底がそれぞれ位置する等脚台形となっている。集塵電極(75)と対向電極(76)との間隔は、被処理空気の上流端ではdであるのに対し、被処理空気の下流端ではd'(d'<d)にまで縮まる。その結果、集塵電極(75)と対向電極(76)との間に形成される空気流路(77)の断面積は、被処理空気の上流側から下流側へ向かって次第に縮小してゆく。
【0090】
凝集ユニット(70)の粒子捕捉部(74)において、空気流路(77)の断面積が被処理空気の下流側へ向かって次第に狭まっていると、空気流路(77)を流れる被処理空気の流速は、下流側へ進むにつれて次第に上昇してゆく。このため、集塵電極(75)上の凝集粒子(101)が被処理空気から受ける力は被処理空気の下流側ほど大きくなり、集塵電極(75)から凝集粒子(101)が剥がれやすくなる。従って、本変形例によれば、粒子捕捉部(74)で形成された凝集粒子(101)を凝集電極から確実に引き剥がして集塵フィルタ(51)で捕集することができ、空気清浄機(10)における浮遊粒子(100)の捕集効率を向上させることができる。
【0091】
なお、本変形例の凝集ユニット(70)では、集塵電極(75)の形状を変更することによって空気流路(77)の断面積を変化させているが、その断面積を変化させる手段はこれに限定されるものではない。例えば、対向電極(76)の形状を変更したり、集塵電極(75)と対向電極(76)の両方の形状を変更したり、集塵電極(75)や対向電極(76)の形状は変更せずにそれらの配置を変更することによって、空気流路(77)の断面積を変化させてもよい。
【0092】
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の空気清浄機(10)は、上記実施形態1に遮蔽機構である遮蔽ユニット(80)を追加したものである。ここでは、本実施形態の空気清浄機(10)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0093】
図8に示すように、遮蔽ユニット(80)は、凝集ユニット(70)に設けられている。この遮蔽ユニット(80)は、遮蔽用シート(81)と、遮蔽用シート(81)を巻き取るための一対のローラ(84,85)とを備えている。
【0094】
一対のローラ(84,85)は、それぞれが図8の紙面に垂直な方向へ延びる細長い丸棒状に形成されている。この一対のローラ(84,85)は、その一方が粒子捕捉部(74)の前面側の上部に、他方が粒子捕捉部(74)の前面側の下部にそれぞれ配置されている。また、各ローラ(84,85)には、図示しないが、ローラ(84,85)を回転させるためのモータが取り付けられている。
【0095】
遮蔽用シート(81)は、柔軟なシート状に形成されている。遮蔽用シート(81)は、空気の通過を許容する網目状の通気部(82)と、空気の通過を遮断する遮蔽部(83)とを備えている。また、遮蔽用シート(81)には、通気部(82)だけが形成された部分と、通気部(82)と遮蔽部(83)が交互に形成された部分とが設けられている。また、遮蔽用シート(81)のうち通気部(82)と遮蔽部(83)が交互に形成された部分では、通気部(82)の上下幅が集塵電極(75)の厚みよりも幾分広くなるように設定されると共に、通気部(82)の間隔が集塵電極(75)の間隔とほぼ同じ値に設定されている。
【0096】
遮蔽用シート(81)は、その上端部分が第1ローラ(84)に固定され、その下端部分が第2ローラ(85)に固定されている。そして、遮蔽用シート(81)は、第1ローラ(84)から第2ローラ(85)に亘って張り渡され、粒子捕捉部(74)を構成する集塵電極(75)及び対向電極(76)の前面側を覆うように設けられる。
【0097】
遮蔽ユニット(80)は、ローラ(84,85)を回転させて遮蔽用シート(81)を移動させることによって、遮蔽用シート(81)のうち通気部(82)だけが形成された部分が粒子捕捉部(74)の前面を覆う第1状態(図8(A)に示す状態)と、遮蔽用シート(81)のうち通気部(82)と遮蔽部(83)が交互に形成された部分が粒子捕捉部(74)の前面を覆う第2状態(図8(B)に示す状態)とに切り換わる。
【0098】
−運転動作−
本実施形態の空気清浄機(10)は、凝集動作と飛散動作とを交互に行う。この空気清浄機(10)は、通常は凝集動作を行い、例えば凝集動作の継続時間が所定値に達する毎に飛散動作を一時的に行う。
【0099】
凝集動作は、凝集ユニット(70)の粒子捕捉部(74)で凝集粒子(101)を形成するための動作である。凝集動作中には、遮蔽ユニット(80)が第1状態(図8(A)に示す状態)に設定され、遮蔽用シート(81)のうち通気部(82)だけが形成された部分によって粒子捕捉部(74)の前面が覆われる。
【0100】
この状態において、粒子帯電部(71)を通過した被処理空気は、粒子捕捉部(74)の前面に全体に亘って平均的に流入する。従って、粒子捕捉部(74)の空気流路(77)における被処理空気の流速は、空気流路(77)の断面内において概ね一定となる。粒子捕捉部(74)では、被処理空気中の帯電した浮遊粒子(100)が集塵電極(75)に引き寄せられて付着し、集塵電極(75)の表面上で凝集粒子(101)が成長してゆく。
【0101】
飛散動作は、凝集粒子(101)を集塵電極(75)から引き剥がして被処理空気中へ再び飛散させるための動作である。飛散動作中には、遮蔽ユニット(80)が第2状態(図8(B)に示す状態)に設定され、遮蔽用シート(81)のうち通気部(82)と遮蔽部(83)が交互に形成された部分によって粒子捕捉部(74)の前面が覆われる。その際、遮蔽用シート(81)の位置は、通気部(82)が集塵電極(75)の前端面と対向するように設定される。
【0102】
この状態の粒子捕捉部(74)では、空気流路(77)の大部分と対向電極(76)とが遮蔽用シート(81)の遮蔽部(83)によって覆われた状態となり、遮蔽用シート(81)の通気部(82)を通った被処理空気が集塵電極(75)の表面付近を集中的に流れる。粒子捕捉部(74)では、集塵電極(75)の表面付近における被処理空気の流速が、凝集動作中に比べて上昇する。そのため飛散動作中には、集塵電極(75)上の凝集粒子(101)が被処理空気の流れから受ける力が大きくなり、凝集粒子(101)が集塵電極(75)から引き剥がされやすくなる。集塵電極(75)から引き剥がされた凝集粒子(101)は、捕集ユニット(50)の集塵フィルタ(51)に捕捉される。
【0103】
このように、本実施形態の遮蔽ユニット(80)を第2状態に設定すると、粒子捕捉部(74)では集塵電極(75)の近傍における被処理空気の流速が局所的に上昇する。つまり、この遮蔽ユニット(80)は、集塵電極(75)の近傍における被処理空気の流速を凝集動作中に比べて増大させるための増速手段を構成している。
【0104】
−実施形態2の効果−
本実施形態の空気清浄機(10)では、凝集ユニット(70)の粒子捕捉部(74)へ流入する被処理空気の流れを遮蔽用シート(81)によって部分的に遮ることで、集塵電極(75)の表面付近における被処理空気の流速を高めている。このため、凝集ユニット(70)を通過する被処理空気の流量は変化させずに集塵電極(75)の近傍における被処理空気の流速を高めることができ、それによって集塵電極(75)からの凝集粒子(101)の再飛散を促進させることができる。従って、本実施形態によれば、被処理空気の流量増大に起因して生じる騒音等の問題を回避した上で、凝集ユニット(70)の集塵電極(75)に滞留する凝集粒子(101)の量を削減することによって空気清浄機(10)の性能を高く保つことができる。
【0105】
−実施形態2の変形例1−
本実施形態の空気清浄機(10)では、粒子捕捉部(74)の集塵電極(75)及び対向電極(76)を可動とすることによって、粒子捕捉部(74)の空気通路(23)における被処理空気の流速を変化させるようにしてもよい。
【0106】
図9に示すように、本変形例の粒子捕捉部(74)は、各集塵電極(75)と各対向電極(76)とがそれぞれの前端部を軸として回動できるように構成されている。具体的に、集塵電極(75)と対向電極(76)は、概ね水平となる姿勢(図9に二点鎖線で示す姿勢)と、被処理空気の流れの下流側へ向かって傾斜した姿勢(同図に実線で示す姿勢)との間を回動する。
【0107】
本変形例において、凝集動作中の粒子捕捉部(74)では、集塵電極(75)と対向電極(76)が概ね水平となる姿勢(図9に二点鎖線で示す姿勢)に設定される。この状態における集塵電極(75)と対向電極(76)の間隔を「d」とする。一方、飛散動作中の粒子捕捉部(74)では、集塵電極(75)と対向電極(76)が傾斜した姿勢(同図に実線で示す姿勢)に設定される。この状態において、集塵電極(75)と対向電極(76)の間隔は、「d」よりも短い「d''」となる。つまり、集塵電極(75)と対向電極(76)の間に形成された空気流路(77)の断面積は、凝集動作中に比べて飛散動作中の方が小さくなる。このため、飛散動作中には、空気流路(77)における被処理空気の流速が凝集動作中に比べて上昇し、集塵電極(75)から凝集粒子(101)が引き剥がされやすくなる。
【0108】
−実施形態2の変形例2−
本実施形態の空気清浄機(10)では、被処理空気の流量を変更することによって凝集動作と飛散動作を切り換えるようにしてもよい。具体的に、本変形例の飛散動作では、空気通路(23)における被処理空気の流量が凝集動作中に比べて増大する。被処理空気の流量調節は、ファン(25)の回転速度を調節することによって行われる。被処理空気の流量が増えると、それに伴って粒子凝集部の空気流路(77)における被処理空気の流速も上昇する。このため、集塵電極(75)状の凝集粒子(101)が被処理空気から受ける力が増大し、凝集粒子(101)が集塵電極(75)から引き剥がされやすくなる。
【0109】
−実施形態2の変形例3−
本実施形態の空気清浄機(10)では、凝集ユニット(70)を振動させる動作を飛散動作として行ってもよい。
【0110】
図10に示すように、本変形例の空気清浄機(10)には、加振機構である加振ユニット(90)が設けられている。加振ユニット(90)は、加振用モータ(91)と加振用円板(92)とを備えている。加振用円板(92)は、加振用モータ(91)の出力軸に対して偏心した状態で取り付けられている。
【0111】
加振ユニット(90)は、加振用円板(92)の外周面が凝集ユニット(70)と接触する位置に設置されている。加振ユニット(90)において、飛散動作中には加振用モータ(91)への通電が行われ、凝集動作中には加振用モータ(91)への通電が停止される。加振用モータ(91)に通電すると、その出力軸に取り付けられた加振用円板(92)が回転し、凝集ユニット(70)が上下方向に揺さぶられる。その結果、粒子捕捉部(74)の集塵電極(75)も振動することとなり、凝集粒子(101)が集塵電極(75)から剥離しやすくなる。
【0112】
−実施形態2の変形例4−
本実施形態の空気清浄機(10)では、凝集ユニット(70)における集塵電極(75)及び対向電極(76)と電源(79)との接続状態を切り換える動作を、飛散動作として行ってもよい。
【0113】
本変形例において、凝集動作中の粒子捕捉部(74)では、図11(a)に示すように、対向電極(76)が電源(79)の正極(+極)に接続され、集塵電極(75)が電源(79)の負極(−極)に接続される。この状態では、粒子帯電部(71)で正(+)に帯電した浮遊粒子(100)が集塵電極(75)に引き寄せられて付着し、集塵電極(75)に付着した浮遊粒子(100)同士が互いに凝集して凝集粒子(101)が形成されてゆく。
【0114】
浮遊粒子(100)が集塵電極(75)に付着すると、それまで浮遊粒子(100)が持っていた電荷が集塵電極(75)へ逃げるため、浮遊粒子(100)の電位は集塵電極(75)の電位(この場合は0(ゼロ)ボルト)と等しくなる。ところが、浮遊粒子(100)自体の導電率はさほど高くないことが多いため、集塵電極(75)に付着した浮遊粒子(100)に対して更に付着する浮遊粒子(100)の電荷は、直ぐには集塵電極(75)へ逃げない。そのため、凝集粒子(101)がある程度以上の大きさになると、その凝集粒子(101)には正(+)の電荷が残った状態となる。
【0115】
一方、飛散動作中の粒子捕捉部(74)では、図11(b)に示すように、集塵電極(75)が電源(79)の正極(+極)に接続され、対向電極(76)が電源(79)の負極(−極)に接続される。上述したように、集塵電極(75)上の凝集粒子(101)は、正(+)に帯電した状態となっている。このため、集塵電極(75)を電源(79)の正極(+極)に接続すると、その表面上の正(+)に帯電した凝集粒子(101)は、電気的な反発力によって集塵電極(75)から引き離されて被処理空気中へ飛散してゆく。
【0116】
なお、本変形例において集塵電極(75)及び対向電極(76)と電源(79)との接続状態を切り換える動作は、機械的あるいは電気的なスイッチを用いて行ってもよいし、集塵電極(75)及び対向電極(76)に対して一時的に交流電圧を印加することによって行ってもよい。
【0117】
−実施形態2の変形例5−
本実施形態の空気清浄機(10)では、凝集ユニット(70)の集塵電極(75)と対向電極(76)との間でスパークを発生させる動作を、飛散動作として行ってもよい。集塵電極(75)と対向電極(76)との間で強制的にスパークを発生させると、電気的あるいは物理的な衝撃力が集塵電極(75)上の凝集粒子(101)に作用する。凝集粒子(101)は、衝撃力を受けて集塵電極(75)から引き剥がされ、被処理空気中へと飛散してゆく。
【0118】
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の空気清浄機(10)は、上記実施形態1において、プレフィルタユニット(30)と捕集ユニット(50)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の空気清浄機(10)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0119】
図12に示すように、本実施形態の空気清浄機(10)では、プレフィルタユニット(30)のプレフィルタ(31)や捕集ユニット(50)の集塵フィルタ(51)が、上記実施形態1のような無端状ではなく、端部を有する1枚のシート状に形成されている。
【0120】
プレフィルタユニット(30)と捕集ユニット(50)のそれぞれでは、フィルタ(31,51)の一端が第1ローラ(32,52)に固定され、フィルタ(31,51)の他端が第2ローラ(33,53)に固定される。また、プレフィルタユニット(30)と捕集ユニット(50)のそれぞれでは、第1ローラ(32,52)と第2ローラ(33,53)の何れもが図外のモータによって駆動される。第1ローラ(32,52)を回転させてフィルタ(31,51)を第1ローラ(32,52)へ巻き取ってゆくと、フィルタ(31,51)が上方へ移動する。一方、第2ローラ(33,53)を回転させてフィルタ(31,51)を第2ローラ(33,53)へ巻き取ってゆくと、フィルタ(31,51)が下方へ移動する。
【0121】
プレフィルタユニット(30)でプレフィルタ(31)を移動させると、プレフィルタ(31)に付着した塵埃などが第1浄化ユニット(40)の掻き取りブラシ(41)によって掻き落とされる。また、捕集ユニット(50)で集塵フィルタ(51)を移動させると、集塵フィルタ(51)に付着した凝集粒子(101)が第2浄化ユニット(60)の掻き取りブラシ(61)によって掻き落とされる。
【0122】
《発明の実施形態4》
本発明の実施形態4について説明する。本実施形態の空気清浄機(10)は、上記実施形態1において、プレフィルタユニット(30)と捕集ユニット(50)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の空気清浄機(10)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0123】
図13に示すように、本実施形態の空気清浄機(10)では、1つのフィルタシート(58)がプレフィルタ(31)と集塵フィルタ(51)の両方を兼ねている。フィルタシート(58)は、柔軟な無端のループ状に形成されている。このフィルタシート(58)は、プレフィルタユニット(30)の第1ローラ(32)及び第2ローラ(33)と、捕集ユニット(50)の第1ローラ(52)及び第2ローラ(53)とに掛け渡されている。フィルタシート(58)は、凝集ユニット(70)の上流側に位置する部分(即ち、プレフィルタユニット(30)の第1ローラ(32)から第2ローラ(33)に亘る部分)がプレフィルタ(31)として機能し、凝集ユニット(70)の下流側に位置する部分(即ち、捕集ユニット(50)の第1ローラ(52)から第2ローラ(53)に亘る部分)が集塵フィルタ(51)として機能する。
【0124】
また、本実施形態の空気清浄機(10)では、第1浄化ユニット(40)と第2浄化ユニット(60)の配置が上記実施形態1と異なっている。第1浄化ユニット(40)は、凝集ユニット(70)の下方の位置にフィルタシート(58)の外周面に沿って配置されている。第1浄化ユニット(40)の掻き取りブラシ(41)は、フィルタシート(58)の外周面と接触する。第2浄化ユニット(60)は、凝集ユニット(70)の上方の位置にフィルタシート(58)の内周面に沿って配置されている。第2浄化ユニット(60)の掻き取りブラシ(61)は、フィルタシート(58)の内周面と接触する。
【0125】
また、本実施形態の空気清浄機(10)では、4本のローラ(32,33,52,53)のうちの何れか1つだけがモータによって回転駆動される。何れかのローラ(32,33,52,53)を回転させると、フィルタシート(58)がローラ(32,33,52,53)によって案内されながら移動する。
【0126】
空気通路(23)における凝集ユニット(70)の上流側では、フィルタシート(58)の外側面に被処理空気中の塵埃等が捕捉される。フィルタシート(58)の外側面に付着した塵埃等は、第1浄化ユニット(40)の掻き取りブラシ(41)によって掻き落とされる。一方、空気通路(23)における凝集ユニット(70)の下流側では、フィルタシート(58)の内側面に被処理空気中の凝集粒子(101)が捕捉される。フィルタシート(58)の内側面に付着した凝集粒子(101)は、第2浄化ユニット(60)の掻き取りブラシ(61)によって掻き落とされる。
【0127】
《発明の実施形態5》
本発明の実施形態5について説明する。本実施形態の空気清浄機(10)は、上記実施形態1において、プレフィルタユニット(30)と捕集ユニット(50)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の空気清浄機(10)について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0128】
図14に示すように、本実施形態のプレフィルタユニット(30)及び捕集ユニット(50)では、モータ(34,54)に代えて動力発生機構(35,55)が設けられている。この動力発生機構(35,55)は、ノズル接続部(43,63)に掃除機の吸引ノズル(68)を接続した際に、その掃除機の吸引力によって回転動力を発生させるように構成されている。
【0129】
プレフィルタユニット(30)の動力発生機構(35)と捕集ユニット(50)の動力発生機構(55)とは、何れも同様の構造となっている。具体的に、動力発生機構(35,55)は、市販の掃除機の吸込具のタービンブラシと同様に、1つ又は複数の螺旋状の羽根を備えた円筒状の羽根車から構成されている。この羽根車は、掃除機の吸引力で回転できるように、その材質が合成樹脂等の比重の軽い材料となっている。そして、プレフィルタユニット(30)の動力発生機構(35)は、歯車等を介してプレフィルタユニット(30)の第2ローラ(33)に連結されている。また、捕集ユニット(50)の動力発生機構(55)は、歯車等を介して捕集ユニット(50)の第2ローラ(53)に連結されている。
【0130】
浄化ユニット(40,60)に掃除機の吸引ノズル(68)が接続されると、動力発生機構(35,55)が掃除機の吸引力を利用して発生させた回転動力によって第2ローラ(33,53)を駆動する。第2ローラ(33,53)が回転してフィルタ(31,51)が移動すると、フィルタ(31,51)に付着した塵埃や凝集粒子(101)が掻き取りブラシ(41,61)によって掻き落とされる。フィルタ(31,51)から掻き取られた塵埃や凝集粒子(101)は、ノズル接続部(43,63)に接続された掃除機の吸引ノズル(68)へ吸い込まれる。
【0131】
−実施形態5の効果−
本実施形態の第1浄化ユニット(40)及び第2浄化ユニット(60)では、掃除機の吸引力を利用して動力発生機構(35,55)が発生させた駆動力によってフィルタ(31,51)を移動させている。このため、集塵フィルタ(51)を移動させるためのモータ等の動力源が不要となり、空気清浄機(10)の構成を簡素化できると共に、空気清浄機(10)の消費電力を削減できる。
【0132】
−実施形態5の変形例−
本実施形態の空気清浄機(10)では、図15に示すように、第1浄化ユニット(40)と第2浄化ユニット(60)のそれぞれに搬送部材(37,57)を追加してもよい。この搬送部材(37,57)は、螺旋状の突条を有する細長い丸棒状に形成されており、掻き取りブラシ(41,61)に沿って配置されている。また、搬送部材(37,57)は、動力発生機構(35,55)で得られた動力によって回転駆動される。搬送部材(37,57)が回転すると、掻き取りブラシ(41,61)によってフィルタ(31,51)から掻き落とされた塵埃や凝集粒子(101)が、搬送部材(37,57)によってノズル接続部(43,63)の近傍へ搬送される。ノズル接続部(43,63)の近傍へ運ばれた塵埃や凝集粒子(101)は、ノズル接続部(43,63)へ挿入された掃除機の吸引ノズル(68)へと吸い出される。
【0133】
本変形例の第1浄化ユニット(40)及び第2浄化ユニット(60)では、搬送部材(37,57)によって塵埃や凝集粒子(101)をノズル接続部(43,63)の付近へ集めている。従って、フィルタ(31,51)から除去された塵埃や凝集粒子(101)を、ノズル接続部(43,63)に接続された掃除機によって確実に吸い出すことができる。また、本変形例の搬送部材(37,57)は、動力発生機構(35,55)が掃除機の吸引力を利用して発生させた動力を用いて、塵埃や凝集粒子(101)を搬送している。従って、本変形例によれば、搬送部材(37,57)を駆動するためのモータ等の動力源が不要となり、空気清浄機(10)の複雑化や、空気清浄機(10)の消費電力の増大を回避できる。
【0134】
《その他の実施形態》
−第1変形例−
上記各実施形態の凝集ユニット(70)では、粒子捕捉部(74)の集塵電極(75)と対向電極(76)とを共に平板状に形成しているが、これら集塵電極(75)及び対向電極(76)の形状は、平板状に限定されるものではない。例えば、図16に示すように、集塵電極(75)を格子状に形成し、その集塵電極(75)に形成された各区画に棒状の対向電極(76)を1本ずつ配置してもよい。この場合、対向電極(76)が挿入された集塵電極(75)の各区画が空気流路(77)を構成する。この空気流路(77)を流れる被処理空気中の浮遊粒子(100)は、空気流路(77)の周囲を囲む集塵電極(75)の表面に付着する。
【0135】
−第2変形例−
上記各実施形態の浄化ユニット(40,60)には、フィルタ(31,51)から塵埃や凝集粒子(101)を掻き落とすための部材として掻き取りブラシ(41,61)が設けられているが、フィルタ(31,51)から凝集粒子(101)などを除去するための部材は掻き取りブラシ(41,61)に限定されるものではない。
【0136】
例えば、図17に示すような丸棒状の回転ブラシ(65)を浄化ユニット(40,60)に設け、フィルタ(31,51)を移動させると同時に回転ブラシ(65)を回転させることによって、フィルタ(31,51)から塵埃や凝集粒子(101)を掻き落としてもよい。また、図18に示すような掻き取りパッド(66)を設け、この掻き取りパッド(66)をフィルタ(31,51)に接触させることによって、フィルタ(31,51)から塵埃や凝集粒子(101)を掻き落としてもよい。
【0137】
−第3変形例−
上記各実施形態の浄化ユニット(40,60)では、掻き取りブラシ(41,61)を省略し、ノズル接続部(43,63)に接続された掃除機の吸引力だけを利用して、フィルタ(31,51)から塵埃や凝集粒子(101)を除去するようにしてもよい。
【0138】
図19に示すように、本変形例の浄化ユニット(40,60)では、収容ケース(42,62)の上部に吸引部(67)が形成される。この吸引部(67)は、先細のノズル状に形成されており、その先端の開口部が第2ローラ(33,53)に沿ったフィルタ(31,51)の近傍に配置されている。収容ケース(42,62)のノズル接続部(43,63)に掃除機の吸引ノズル(68)を接続すると、吸引部(67)の開口端から収容ケース(42,62)の内部へ空気が吸い込まれ、その際に生じた気流によって塵埃や凝集粒子(101)がフィルタ(31,51)から引き剥がされる。
【0139】
−第4変形例−
上記各実施形態の浄化ユニット(40,60)では、図20に示すように、収容ケース(42,62)が着脱自在になっていてもよい。本変形例の収容ケース(42,62)は、保持容器を構成している。本変形例では、収容ケース(42,62)を着脱自在とするのに伴って、収容ケース(42,62)からノズル接続部(43,63)を省略している。本変形例においても、フィルタ(31,51)から掻き落とされた塵埃や凝集粒子(101)は、収容ケース(42,62)内に溜まる。空気清浄機(10)のユーザーは、例えば1週間毎あるいは1ヶ月毎に収容ケース(42,62)を取り外し、収容ケース(42,62)内に溜まった塵埃や凝集粒子(101)を廃棄する。
【0140】
−第5変形例−
上記各実施形態のプレフィルタユニット(30)及び捕集ユニット(50)では、図21に示すように、フィルタ(31,51)を上下に往復動させるようにしてもよい。この場合、駆動機構(36,56)は、フィルタ(31,51)を直線的に往復動させるように構成される。図示しないが、本変形例の駆動機構(36,56)は、フィルタ(31,51)の側端部に設けられたラックと、このラックと係合するピニオンが駆動軸に取り付けられたモータとで構成され、ピニオンを回転させることでフィルタ(31,51)を直線的に移動させる。
【0141】
本変形例において、第1浄化ユニット(40)はプレフィルタ(31)の前面側の下端部に、第2浄化ユニット(60)は集塵フィルタ(51)の前面側の下端部に配置される。
これら浄化ユニット(40,60)では、掻き取りブラシ(41,61)がフィルタ(31,51)の前面と向かい合うように設置される。
【0142】
−第6変形例−
上記各実施形態の捕集ユニット(50)では、集塵フィルタ(51)を用いて凝集粒子(101)を捕集するようにしているが、この捕集ユニット(50)は集塵フィルタ(51)を用いるものに限定されない。
【0143】
例えば、図22に示すように、捕集ユニット(50)は、サイクロン(95)を用いて被処理空気と凝集粒子(101)を分離するように構成されていてもよい。サイクロン(95)では、凝集粒子(101)を含んだ被処理空気が旋回し、遠心力によって凝集粒子(101)が外周壁の近傍へ集められる。凝集粒子(101)を除去された被処理空気は、サイクロン(95)の中央付近から外部へ排出される。
【0144】
また、図23に示すように、捕集ユニット(50)は、重力を利用して被処理空気から凝集粒子(101)を分離するように構成されていてもよい。この場合、捕集ユニット(50)は、凝集ユニット(70)の下流側に設置されたダクト(96)によって構成される。このダクト(96)は、捕集ユニット(50)から所定距離だけ下流側へ進んだ位置で、その断面積が急激に狭まる形状となっている。具体的には、ダクト(96)の底面が階段状に一段高くなることによって、その断面積が狭められている。凝集ユニット(70)から被処理空気と共に流出した凝集粒子(101)は、ダクト(96)のうち断面積の広い部分を流れる間に、重力の作用によってダクト(96)の下方へ集まってくる。ダクト(96)の下方へ集まった凝集粒子(101)は、階段状になったダクト(96)の底面に当たってダクト(96)内に留まる。一方、ダクト(96)内の上部では、被処理空気に含まれる凝集粒子(101)が減少する。そして、被処理空気は、ダクト(96)のうち断面積の狭い部分へ流入して外部へ排出される。ダクト(96)内に溜まった凝集粒子(101)は、段差部に形成された開閉扉(97)を開くことによってダクト(96)から取り出される。
【0145】
また、捕集ユニット(50)は、被処理空気中に水を噴霧して凝集粒子(101)を水と共に回収するように構成されていてもよい。
【0146】
−第7変形例−
上記の各実施形態は、何れも本発明に係る集塵装置によって空気清浄機(10)を構成したものであったが、本発明に係る集塵装置を空気調和装置に組み込んでもよい。
【0147】
図24に示すように、本変形例では、本発明に係る集塵装置を空気調和装置の室内ユニット(15)に組み込んでいる。この室内ユニット(15)は、室内熱交換器(26)を備える点を除き、上記各実施形態の空気清浄機(10)と同様に構成されている。室内ユニット(15)のケーシング(20)内では、捕集ユニット(50)とファン(25)の間に室内熱交換器(26)が配置される。即ち、この室内ユニット(15)では、プレフィルタユニット(30)と凝集ユニット(70)と捕集ユニット(50)とで構成された集塵装置の下流側に室内熱交換器(26)が配置されている。室内熱交換器(26)は、図外の室外ユニットとの間で循環する冷媒を被処理空気と熱交換させる。
【0148】
−第8変形例−
上記各実施形態では、本発明に係る集塵装置によって空気清浄機(10)を構成し、空気から浮遊粒子(100)を除去するようにしていたが、この集塵装置の処理対象は空気に限定されない。例えば、ボイラ等の燃焼排ガスを処理対象とし、燃焼ガス中に含まれる微細な粉塵等を集塵装置によって捕集するようにしてもよい。
【0149】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0150】
以上説明したように、本発明は、空気や燃焼排ガスなどから浮遊粒子(100)を除去するための集塵装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】実施形態1の空気清浄機の内部構造を示す概略側面図である。
【図2】実施形態1の空気清浄機に設置された状態におけるプレフィルタユニット又は捕集ユニットの概略正面図である。
【図3】実施形態1における浄化ユニットの要部を示す拡大断面図である。
【図4】実施形態1の凝集ユニットを示す概略側面図である。
【図5】凝集ユニットの動作を模式的に示す要部拡大図である。
【図6】実施形態1の変形例1における粒子捕捉部の要部拡大図である。
【図7】実施形態1の変形例2の凝集ユニットを示す概略側面図である。
【図8】実施形態2の凝集ユニットを示す概略側面図であって、(A)は遮蔽ユニットの第1状態を示し、(B)は遮蔽ユニットの第2状態を示す。
【図9】実施形態2の変形例1の凝集ユニットを示す概略側面図である。
【図10】実施形態2の変形例3における空気清浄機の要部を示す概略斜視図である。
【図11】実施形態2の変形例4における粒子捕捉部の要部を示す拡大側面図である。
【図12】実施形態3の空気清浄機の内部構造を示す概略側面図である。
【図13】実施形態4の空気清浄機の内部構造を示す概略側面図である。
【図14】実施形態5の空気清浄機に設置された状態におけるプレフィルタユニット又は捕集ユニットの概略正面図である。
【図15】実施形態5の変形例の空気清浄機に設置された状態におけるプレフィルタユニット又は捕集ユニットの概略正面図である。
【図16】その他の実施形態の第1変形例における粒子捕捉部の概略斜視図である。
【図17】その他の実施形態の第2変形例における浄化ユニットの要部を示す拡大断面図である。
【図18】その他の実施形態の第2変形例における浄化ユニットの要部を示す拡大断面図である。
【図19】その他の実施形態の第3変形例における浄化ユニットの要部を示す拡大側面図である。
【図20】その他の実施形態の第4変形例における空気清浄機の内部構造を示す概略側面図である。
【図21】その他の実施形態の第5変形例における空気清浄機の要部を示す概略側面図である。
【図22】その他の実施形態の第6変形例における空気清浄機の要部を示す概略構成図である。
【図23】その他の実施形態の第6変形例における空気清浄機の要部を示す概略構成図である。
【図24】その他の実施形態の第7変形例における室内ユニットの内部構造を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0152】
23 空気通路(気体通路)
50 捕集ユニット(捕集部)
70 凝集ユニット(凝集部)
71 粒子帯電部
74 粒子捕捉部
75 集塵電極(第1電極)
76 対向電極(第2電極)
77 空気流路(気体流路)
78 突起
80 遮蔽ユニット(遮蔽機構)
90 加振ユニット(加振機構)
100 浮遊粒子
101 凝集粒子
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−18406(P2008−18406A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194757(P2006−194757)