トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 電気集塵装置及び集塵モジュール
【発明者】 【氏名】田中 利夫

【氏名】茂木 完治

【氏名】秋山 竜司

【要約】 【課題】空気清浄機における様々な空気流路の断面形状に適合可能な集塵モジュール(30)を提供する。

【構成】集塵セル(40)が集塵電極(41)と、該集塵電極(41)の近傍に設置された高圧電極(42)とを有する一方、集塵セル(40)を配列することにより集塵モジュール(30)を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と上記荷電部(12)で帯電した塵埃を捕集する集塵部(30)と上記集塵部(30)に電圧を印加する電源部とを備えた電気集塵装置(10)の集塵部(30)を構成する集塵モジュールであって、
第1電極(41)と該第1電極(41)の近傍に設置された第2電極(42)とを有する複数の集塵セル(40)を配列することにより構成されることを特徴とする集塵モジュール。
【請求項2】
請求項1において、
複数の集塵セル(40)は、各々が同じ形状であることを特徴とする集塵モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2において、
複数の集塵セル(40)が、互いに隣接して並べられていることを特徴とする集塵モジュール。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1つにおいて、
複数の集塵セル(40)同士を脱着可能なセル連結手段(49)を備えていることを特徴とする集塵モジュール。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つにおいて、
上記集塵セル(40)の前面に形成された空気流入口(45)と、上記集塵セル(40)の後面に形成された空気流出口(46)と、上記空気流入口(45)と上記空気流出口(46)とを連通する空気通路(44)が上記集塵セル(40)の内部に形成される一方、
上記集塵セル(40)が、上記空気通路(44)を通過する空気の流れと直交する方向に並列に並べられていることを特徴とする集塵モジュール。
【請求項6】
請求項1から4の何れか1つにおいて、
上記集塵セル(40)の前面に形成された空気流入口(45)と、上記集塵セル(40)の後面に形成された空気流出口(46)と、上記空気流入口(45)と上記空気流出口(46)とを連通する空気通路(44)が上記集塵セル(40)の内部に形成される一方、
上記集塵セル(40)が、上記空気通路(44)を通過する空気の流れと同じ方向に直列に並べられていることを特徴とする集塵モジュール。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1つにおいて、
上記集塵セル(40)の第1電極(41)には電気的に連通する第1端子(47)が、第2電極(42)には電気的に連通する第2端子(48)が設けられ、
上記集塵セル(40)を配列することにより、隣り合う集塵セル(40)における第1端子(47)同士若しくは第2端子(48)同士の少なくとも一方が接触することを特徴とする集塵モジュール。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1つにおいて、
上記第1電極(41)は格子状の基台(41)で構成され、上記第2電極(42)は上記基台(41)に形成された格子空間(44)に位置する突起部材(43)を備えていることを特徴とする集塵モジュール。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1つにおいて、
上記集塵セル(40)の第1電極(41)及び第2電極(42)の両方、又はどちらか一方が、導電性樹脂により形成されていることを特徴とする集塵モジュール。
【請求項10】
空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、上記荷電部(12)で帯電した塵埃を捕集する集塵部(30)と、上記集塵部(30)に電圧を印加する電源部とを備えた電気集塵装置であって、
上記集塵部(30)が、請求項1から9の何れか1つに記載の集塵モジュール(30)で構成され、
上記集塵モジュール(30)の第1電極(41)及び第2電極(42)は、所定の電位差が生じるように上記電源部に接続されていることを特徴とする電気集塵装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電気集塵装置に関し、特に上記電気集塵装置の集塵モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気流路と、該空気流路内に設置された荷電部と、上記荷電部の下流側に設置された集塵部(集塵モジュール)とを備えた二段荷電式の電気集塵装置が知られている(特許文献1参照)。上記電気集塵装置は、空気流路内に導入された塵埃を吸着捕集して、塵埃を含む空気を浄化させるためのものである。具体的には、上記電気集塵装置の荷電部が上記空気流路内に流入した塵埃を正帯電させる。次に、正帯電した塵埃を上記集塵部が吸着捕集する。これにより、塵埃を含む空気から塵埃を分離して、空気を浄化することができる。
【0003】
ここで、特許文献1の集塵部は、平板状に形成された集塵電極(第1電極)及び同形状の高圧電極(第2電極)を有しており、上記集塵電極と上記高圧電極とが交互に平行配列されている。そして、上記電気集塵装置に設けられた電源部の陽極側に高圧電極を、陰極側に集塵電極をそれぞれ接続して、電圧を印加することにより、上記高圧電極と上記集塵電極との間に所定の電位差が生じる。この所定の電位差が生じた空間内に正帯電した塵埃が流入して、該塵埃が負極側の集塵電極に吸着される構成となっている。この集塵部は、該集塵部を搭載する電気集塵装置に合わせて、様々な大きさのものが製作されている。
【特許文献1】特開平8−71451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、業務用の大きな電気集塵装置から家庭用の小さな電気集塵装置まで様々な大きさの電気集塵装置において、上記電気集塵装置の空気流路に合わせて様々な大きさの集塵部を製作することは、製作コスト面から考えた場合に好ましくない。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気集塵装置における集塵部を様々な空気通路の断面形状に適合可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と上記荷電部(12)で帯電した塵埃を捕集する集塵部(30)と上記集塵部(30)に電圧を印加する電源部とを備えた電気集塵装置(10)の集塵部(30)を構成する集塵モジュールを前提としている。
【0007】
そして、上記集塵モジュールが、第1電極(41)と該第1電極(41)の近傍に設置された第2電極(42)とを有する複数の集塵セル(40)を配列することにより構成されることを特徴としている。
【0008】
第1の発明では、上記集塵モジュール(30)を複数の集塵セル(40)で形成することができる。つまり、上記集塵セル(40)は、上記集塵モジュール(30)の細分化された一単位として構成されている。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、複数の集塵セル(40)は、各々が同じ形状であることを特徴としている。
【0010】
第2の発明では、各々の集塵セル(40)を同じ形状にすることにより、上記集塵セル(40)同士に互換性を持たせることができるとともに、一形状の集塵セル(40)によって様々な形状の集塵モジュール(30)を形成することができる。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、複数の集塵セル(40)が、互いに隣接して並べられていることを特徴としている。
【0012】
第3の発明では、並べられた集塵セル(40)の間に間隙のない集塵モジュール(30)を形成することができる。
【0013】
第4の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、複数の集塵セル(40)同士を脱着可能なセル連結手段(49)を備えていることを特徴としている。
【0014】
第4の発明では、上記セル連結手段(49)を備えることにより、上記集塵セル(40)同士の脱着を容易に行うことができる。ここで、上記セル連結手段(49)は、上記集塵セル(40)に設けられてもよいし、上記集塵セル(40)と別に設置されてもよい。
【0015】
第5の発明は、第1から第4の何れか1つの発明において、上記集塵セル(40)の前面に形成された空気流入口(45)と、上記集塵セル(40)の後面に形成された空気流出口(46)と、上記空気流入口(45)と上記空気流出口(46)とを連通する空気通路(44)が上記集塵セル(40)の内部に形成される一方、上記集塵セル(40)が、上記空気通路(44)を通過する空気の流れと直交する方向に並列に並べられていることを特徴としている。
【0016】
第5の発明では、上記集塵セル(40)を並列に並べる個数を増加させることにより上記集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積を広くしたり、上記集塵セル(40)を並列に並べる個数を減少させることにより上記集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積を狭くしたりすることができる。ここで、形成される上記集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積は、上記集塵セル(40)の空気流入口(45)の面積を最小限度とする。
【0017】
第6の発明は、第1から第4の何れか1つの発明において、上記集塵セル(40)の前面に形成された空気流入口(45)と、上記集塵セル(40)の後面に形成された空気流出口(46)と、上記空気流入口(45)と上記空気流出口(46)とを連通する空気通路(44)が上記集塵セル(40)の内部に形成される一方、上記集塵セル(40)が、上記空気通路(44)を通過する空気の流れと同じ方向に直列に並べられていることを特徴としている。
【0018】
第6の発明では、上記集塵セル(40)を直列に並べる個数を増加させることにより集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積当たりの集塵能力を大きくしたり、上記集塵セル(40)を直列に並べる個数を減少させることにより集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積当たりの集塵能力を小さくしたりことができる。つまり、空気の流れ方向に、集塵モジュール(30)を厚くしたり、薄くしたりして、集塵モジュール(30)の体積を増減させることにより、該集塵モジュール(30)の集塵能力を調整している。ここで、上記集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積は集塵セル(40)の空気流入口(45)の面積で一定とする。
【0019】
第7の発明は、第1から第6の何れか1つの発明において、上記集塵セル(40)の第1電極(41)に電気的に連通する第1端子(47)と、第2電極(42)に電気的に連通する第2端子(48)とが設けられ、上記集塵セル(40)を配列することにより、隣り合う集塵セル(40)における第1端子(47)同士若しくは第2端子(48)同士の少なくとも一方が接触することを特徴としている。
【0020】
第7の発明では、各集塵セル(40)を連通する通電経路を少なくとも1つ形成することができる。ここで、上記通電経路は2つあり、一方が第1端子(47)同士を接触して形成された第1通電経路、他方が第2端子(48)同士を接触して形成された第2通電経路である。
【0021】
第8の発明は、第1から第7の何れか1つの発明において、上記第1電極(41)は格子状の基台(41)で構成され、上記第2電極(42)は上記基台(41)に形成された格子空間(44)に位置する突起部材(43)を備えていることを特徴としている。
【0022】
第8の発明では、上記集塵セル(40)を格子型電極で構成することができる。
【0023】
第9の発明は、第1から第8の何れか1つの発明において、上記集塵セル(40)の第1電極(41)及び第2電極(42)の両方、又はどちらか一方が、導電性樹脂により形成されていることを特徴としている。特に、上記第1電極(41)及び第2電極(42)は微導電性樹脂が好ましく、更に、樹脂の体積抵抗率が10Ωcm以上で1012Ωcm以下であることが好ましい。
【0024】
第9の発明では、上記集塵セル(40)の第1電極(41)及び第2電極(42)の両方、若しくはどちらか一方を導電性樹脂により容易に成形することができる。
【0025】
第10の発明は、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、上記荷電部(12)で帯電した塵埃を捕集する集塵部(30)と、上記集塵部(30)に電圧を印加する電源部とを備えた電気集塵装置を前提としている。そして、上記集塵部(30)が、請求項1から9の何れか1つに記載の集塵モジュール(30)で構成され、上記集塵モジュール(30)の第1電極(41)及び第2電極(42)は、所定の電位差が生じるように上記電源部に接続されていることを特徴としている。
【0026】
第10の発明では、請求項1から9の何れか1つに記載の集塵モジュール(30)を電気集塵装置(10)の集塵部(30)として用いることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、上記集塵セル(40)は集塵モジュール(30)の一単位を構成するので、上記集塵セル(40)の配置や個数を変更して、該集塵セル(40)を配列すれば、形や大きさの異なる集塵モジュール(30)を電気集塵装置(10)の集塵部(30)として形成することができる。したがって、電気集塵装置(10)における空気流路(23)の断面形状に合わせて、集塵セル(40)の配置や個数を決定することにより、上記断面形状に適合する所望の形状を備えた集塵モジュール(30)を提供することができる。
【0028】
また、上記第2の発明によれば、上記集塵セル(40)同士が互換性を持つので、上記集塵セル(40)の配置を考慮することなく、上記集塵セル(40)の配列を行うことができる。つまり、異形の集塵セル(40)同士で集塵モジュール(30)が形成された場合には、各集塵セル(40)ごとに配置が決められるので、その配置に基づいて配列しなければならないが、同一形状の集塵セル(40)で構成されれば、そのような配置は決められることなく集塵セル(40)を配列することができる。さらに、様々な形状の集塵モジュール(30)を製作する場合には、その形状ごとに該集塵モジュール(30)を製作しなければならず煩雑であるが、本発明では、一形状の集塵セル(40)のみを製作すれば、その集塵セル(40)の組合せにより様々な形状の集塵モジュール(30)を製作することができるので、上記集塵モジュール(30)における製作コストの低減を行うこともできる。
【0029】
また、上記第3の発明によれば、複数の集塵セル(40)を互いに隣接させることにより、上記集塵セル(40)の間に間隙のない集塵モジュール(30)、すなわち集塵部分のみで構成された集塵モジュール(30)を形成することができる。このことから、間隙による集塵面積の減少を抑制することが可能となる。
【0030】
また、上記第4の発明によれば、上記集塵セル(40)を容易に脱着することができるので、集塵モジュール(30)を構成する何れかの集塵セル(40)の一部に割れや変形などの不具合が生じた場合でも、その不具合が生じた集塵セル(40)を取り外して、新しい集塵セル(40)を簡単に取り付けることができる。
【0031】
また、上記第5の発明によれば、上記集塵セル(40)を並列に並べる個数を増減することにより、上記集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積を変更することができるので、集塵装置が必要とする空気流入口(45)の面積に合わせて、上記集塵セル(40)の個数を決定することにより所望の空気流入口(45)の面積を有する集塵モジュール(30)を形成することができる。
【0032】
また、上記第6の発明によれば、上記集塵セル(40)を直列に並べる個数を増減することにより、上記集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積当たりの集塵能力を変更することができるので、集塵装置が必要とする集塵能力に合わせて、上記集塵セル(40)の個数を決定することにより所望の空気流入口(45)の面積当たりの集塵能力を有する集塵モジュール(30)を形成することができる。
【0033】
また、上記第7の発明によれば、各集塵セル(40)を連通する通電経路を少なくとも1つ形成することができるので、形成された通電経路の端部に電圧を印加することにより、全ての集塵セル(40)に電圧を印加することができる。
【0034】
また、上記第8の発明によれば、集塵モジュール(30)の一単位である上記集塵セル(40)を格子型電極で構成することにより、格子型電極を有する集塵モジュール(30)を構成することができる。
【0035】
また、上記第9の発明によれば、上記集塵セル(40)の第1電極(41)及び第2電極(42)の両方、又はどちらか一方を導電性樹脂で形成することにより、両電極間に発生するスパークによる集塵セル(40)の性能低下を抑制することができる。
【0036】
また、上記第10の発明によれば、請求項1から請求項9の何れか1つの集塵モジュール(30)を電気集塵装置(10)に設置することにより、上記電気集塵装置(10)の荷電部(12)で帯電した塵埃を上記集塵モジュール(30)により吸着捕集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図1に示すように、本実施形態の空気清浄機(10)は、一般家庭及び店舗などに設置されて、室内の空気を浄化するためのものである。
【0039】
上記空気清浄機(10)は、ケーシング(20)を備えると共に、該ケーシング(20)の内部に収納されたプレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵モジュール(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とを備えている。ここで、上記触媒フィルタ(13)は吸着フィルタなどであってもよい。
【0040】
上記ケーシング(20)は、例えば、矩形体状の横長の容器に形成され、前面が空気の吸込口(21)に形成され、背面が空気の吹出口(22)に形成され、内部に空気流路(23)が形成されている。そして、上記プレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵モジュール(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とが吸込口(21)から吹出口(22)に向かって順に配置されている。
【0041】
上記プレフィルタ(11)は、吸込口(21)からケーシング(20)内に吸込まれた空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するためのフィルタを構成している。
【0042】
上記荷電部(12)は、イオン化部を構成し、上記プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させるものである。上記荷電部(12)は、図示しないが、例えば、複数のイオン化線と、複数の対向電極から構成され、該イオン化線と対向電極との間に直流電圧が印加されるように構成されている。上記イオン化線は、荷電部(12)の上端から下端に亘って設けられ、対向電極は空気の流れ方向と平行な向きでイオン化線の間に配置されている。
【0043】
上記集塵モジュール(30)は、上記荷電部(12)で帯電した塵埃を吸着して捕集するものである。図3に示すように、上記集塵モジュール(30)は同一形状の集塵セル(40)で構成されており、3個の上記集塵セル(40)が互いに隣接し、上記集塵セル(40)の空気通路(44)を通過する空気の流れと直交する方向に並列に連結されている。
【0044】
上記集塵セル(40)は、図2に示すように、集塵電極(第1電極)(42)と、高圧電極(第2電極)(41)とを備えている。上記集塵電極(41)は矩形状かつ格子状の基台(41)で構成され、該基台(41)の内部には多数の格子空間(44)が形成されている。一方、上記高圧電極(42)は、矩形状の外枠と、該外枠内に多数の突起部(突起部材)(43)とを備えている。そして、上記集塵電極(41)の矩形状の基台(41)と上記高圧電極(42)の矩形状の外枠とは、嵌め合い構造であり、両者を嵌め合うことにより、上記集塵電極(41)の各格子空間(44)の中心に上記高圧電極(42)の各突起部(43)が位置するように構成されている。ここで、上記嵌め合い構造は、上記集塵電極(41)と上記高圧電極(42)とが互いに接触することがないように、所定の間隔を保ちながら嵌め合うことができるように構成されている。この嵌め合い構造により、矩形状の集塵部分が形成される。ここで、上記集塵電極(41)と高圧電極(42)とは何れも微導電性樹脂が好ましく、更に、樹脂の体積抵抗率が10Ωcm以上で1012 Ωcm未満であることが好ましい。
【0045】
そして、この矩形状の集塵部分の両側には、隣り合う集塵セル(40)同士を連結するための凹部及び凸部で形成されたコネクター(セル連結手段)(49)が設けられている。ここで、集塵部分の両側のうち、どちらか一方の面の上方と下方とに一個づづ上記凹部が設けられ、他方の面の上方と下方とに一個づづ上記凸部が設けられている。さらに、両側の上方に設けられた凹部及び凸部は、上記集塵電極(41)と電気的に連通する陰極端子(第1端子)(47)で構成され、両側の下方に設けられた凹部及び凸部は、上記高圧電極(42)と電気的に連通する陽極端子(第2端子)(48)で構成されている。つまり、上記集塵セル(40)同士を凹部及び凸部の嵌め合いにより連結すると同時に、各陰極端子(47)同士及び各陽極端子(48)同士が互いに接触して全ての集塵セル(40)に通電可能な陰極通電経路及び陽極通電経路が形成される。
【0046】
上記触媒フィルタ(13)は、図示していないが、例えばハニカム構造の基材の表面に触媒が担持されて構成されている。該触媒は、例えば、マンガン系触媒や貴金属触媒などが適用され、集塵モジュール(30)を通過して塵埃が除去された空気中の有害成分や臭気成分を分解する。
【0047】
上記送風機(14)は、ケーシング(20)内の空気流路(23)において最下流側に配置され、室内空気をケーシング(20)内に吸い込み、清浄空気を室内に吹き出すためのものである。
【0048】
−運転動作−
次に、上記空気清浄機(10)の空気清浄動作について説明する。
【0049】
上記空気清浄機(10)は、送風機(14)を駆動すると、室内空気がケーシング(20)の空気流路(23)に吸引され、該空気流路(23)を流れることになる。
【0050】
一方、荷電部(12)のイオン化線と対向電極と間には直流電圧が印可される一方、集塵モジュール(30)における各集塵セル(40)の集塵電極(41)及び高圧電極(42)に陰極端子(47)及び陽極端子(48)を介して直流電圧が印加される。
【0051】
そして、室内空気がケーシング(20)の空気流路(23)に吸引されると、先ず、上記プレフィルタ(11)は、室内空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集する。
【0052】
上記プレフィルタ(11)を通過した室内空気は荷電部(12)に流れる。この荷電部(12)において、上記プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃が帯電し、例えば、塵埃が正に帯電し、この帯電した塵埃が下流側に流れることになる。
【0053】
続いて、正帯電した塵埃は集塵モジュール(30)に流れ、上記集塵セル(40)の格子空間(44)を流れる。上記格子空間(44)では、該格子空間(44)を形成する格子状の基台(集塵電極)(41)が陰極に接続され、該格子空間(44)に位置する突起部(高圧電極)(43)が陽極に接続されている。これにより、上記格子空間(44)内には所定の電位差が生じる。そして、この電位差により、正に帯電した塵埃が負極に接続された集塵電極(41)に吸着捕集されることになる。
【0054】
その後、上記塵埃が除去された室内空気は、触媒フィルタ(13)を流れ、空気中の有害物質や臭気物質が分解除去され、清浄空気となる。この清浄空気は、送風機(14)を通り、空気流路(23)から室内に吹き出ることになる。この動作を繰り返し、室内を清浄化する。
【0055】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記集塵セル(40)は集塵モジュール(30)の一単位を構成するので、上記空気清浄機(10)における空気流路(23)の断面形状に合わせて、集塵セル(40)の配置や個数を決定すれば、上記断面形状に適合する所望の形状を備えた集塵モジュール(30)を提供することができる。例えば、上記集塵セル(40)を上記空気通路(44)を通過する空気の流れと直交する方向に並列に並べる場合には、その並べる個数を増減することにより、上記集塵モジュール(30)の空気流入口(45)の面積を変更することができる。つまり、上記空気清浄機(10)が必要とする空気流入口(45)の面積に合わせて、上記集塵セル(40)の個数を決定することにより、所望の空気流入口(45)の面積を有する集塵モジュール(30)を形成することができる。
【0056】
ここで、様々な形状の集塵モジュール(30)を製作する場合には、その形状ごとに該集塵モジュール(30)を製作しなければならず煩雑であるが、本実施形態では、一の形状の集塵セル(40)のみを製作すれば様々な形状の集塵モジュール(30)を製作することができる。このことから、上記集塵モジュール(30)における製作コストの低減を行うことができる。
【0057】
また、上記集塵セル(40)の集塵電極(41)と高圧電極(42)とは導電性樹脂で形成されているので、その形成を容易に行うことができる。
【0058】
−実施形態の変形例−
本実施形態の変形例では、上記集塵セル(40)が、上記実施形態で示したように、上記集塵セル(40)における空気通路(44)を通過する空気の流れと直交する方向に並列に並べられるのではなく、図4に示すように、空気の流れと同じ方向に直列に並べられている。つまり、直列に並べる個数を増減することで、変形例の集塵モジュール(30a)の空気流入口(45)の面積当たりの集塵能力を変更することができる。したがって、上記空気清浄機(10)が必要とする集塵能力に合わせて、上記集塵セル(40)の個数を決定することにより所望の空気流入口(45)の面積当たりの集塵能力を有する上記集塵モジュール(30a)を形成することができる。
【0059】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0060】
本実施形態の集塵電極(41)と高圧電極(42)とは、導電性樹脂で形成したが、金属製材料で形成するようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、隣り合う集塵セル(40)同士を連結するコネクタ(49)の凹部及び凸部が嵌め合い部分(連結部分)であると同時に両電極(41,42)に電気的に連通する端子も兼ねているが、上記コネクタ(49)の凹部及び凸部が隣り合う集塵セル(40)同士を連結するための連結部分のみで構成されていてもよい。
【0062】
また、本実施形態の図2〜図4に示した上記集塵セル(40)の格子空間(44)は正方形の四角格子構造を例示したが、長方形の四角格子構造にしてもよく、また、六角格子構造にしてもよく、三角格子構造にしてもよい。
【0063】
また、本実施形態の図3及び図4に示した集塵モジュール(30)において、該集塵モジュール(30)を空気清浄機(10)における空気通路の形状に適合させるために構成された集塵セルを、上記集塵モジュール(30)の端部に接続してもよい。ここで、この集塵セルは、集塵モジュール(30)を構成する集塵セル(40)と異なる形状であってもよい。
【0064】
さらに、本発明の集塵モジュール(30)は、空気清浄機(10)に搭載されるものではなく、空気調和装置に搭載されるものであってもよい。
【0065】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上説明したように、本発明は、電気集塵装置の集塵モジュールについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施形態に係る空気清浄機の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】実施形態に係る集塵セルの概略図である。
【図3】実施形態に係る集塵モジュールの概略側面図である。
【図4】実施形態の変形例に係る集塵モジュールの概略側面図である。
【符号の説明】
【0068】
10 空気清浄機(電気集塵装置)
12 荷電部
14 送風機
20 ケーシング
23 空気流路
30 集塵モジュール
40 集塵セル
41 集塵電極(第1電極)
42 高圧電極(第2電極)
43 突起部(突起部材)
44 格子空間、空気通路
49 コネクター(セル連結手段)
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−6417(P2008−6417A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182176(P2006−182176)