トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 集塵装置
【発明者】 【氏名】田中 利夫

【氏名】茂木 完治

【氏名】秋山 竜司

【要約】 【課題】高湿度環境条件における集塵部でのスパークの発生を抑制する。

【構成】集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)とを疎水性又は撥水性を有する樹脂材で構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、一対の電極(40,50)の間で電界を生じさせて上記荷電部(12)で帯電した塵埃を捕集する集塵部(30)とを備えた集塵装置であって、
上記一対の電極(40,50)のいずれか一方又は両方は、疎水性又は撥水性を有する樹脂材で構成されていることを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、一対の電極(40,50)の間で電界を生じさせて上記荷電部(12)で帯電した塵埃を捕集する集塵部(30)とを備えた集塵装置であって、
上記一対の電極(40,50)のいずれか一方又は両方には、その表面に疎水性又は撥水性を有する樹脂材から成る樹脂膜が形成されていることを特徴とする集塵装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記樹脂材の吸水率が、0.3%以下であることを特徴とする集塵装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中で帯電させた塵埃を捕集する集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気中の塵埃を捕集する種々の塵埃装置が知られている。この集塵装置として、空気中で帯電させた塵埃を電気的に捕集する、いわゆる静電式の集塵装置がある。
【0003】
例えば特許文献1の集塵装置は、塵埃を帯電させるための荷電部と、帯電させた塵埃を捕集する集塵部とを備えている。荷電部では、コロナ放電等が行われており、空気が荷電部を流れると、空気中の塵埃が帯電する。集塵部は、高圧電極と集塵電極とから成る電極対を備えている。電源から電極対に電位差が付与されると、両電極の間には電界が形成される。ここで、例えば正の電極を帯びた塵埃が各電極の間を通過すると、この塵埃は負極側の集塵電極に電気的に誘引されて付着する。その結果、空気中の塵埃が捕集され、空気の清浄化がなされる。
【0004】
ところで、このようにして集塵部の電極の表面に塵埃が付着して堆積していくと、電極間の絶縁抵抗値が低下し、各電極間でスパーク(火花放電)が生じることがある。そこで、特許文献1の集塵装置では、集塵部の電極としてフェノール樹脂等の樹脂材を用いるようにしている。その結果、この集塵装置では、集塵部の電極に所定の体積抵抗率が付与され、スパークの発生の防止が図られている。
【特許文献1】特開平8−71451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような集塵装置では、使用環境条件によって処理する空気の湿度が大きく変化する。ここで、例えば雨期等において空気の湿度が著しく高い条件では、集塵部の各電極が空気中の水分を多量に吸収することとなる。特に、特許文献1に開示されているフェノール樹脂から成る電極は、比較的吸湿性に富んでいるため、空気中の水分が電極に吸収され易い。このようにして、各電極の表面に水分が吸収されていくと、電極の本来有する体積抵抗率が大きく低下してしまう。その結果、このような高湿度環境条件において、集塵部でスパークの発生を招く虞がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高湿度環境条件における集塵部でのスパークの発生を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、一対の電極(40,50)の間で電界を生じさせて上記荷電部(12)で帯電した塵埃を捕集する集塵部(30)とを備えた集塵装置を前提としている。そして、この集塵装置は、上記一対の電極(40,50)のいずれか一方又は両方が、疎水性又は撥水性を有する樹脂材で構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
第1の発明では、まず、空気が荷電部(12)を通過することで、空気中の塵埃が帯電される。次に、帯電した塵埃を含む空気は、集塵部(30)を通過する。集塵部(30)では、一対の電極(40,50)に電位差が付与されおり、両電極(40,50)の間に電界が形成されている。帯電した塵埃は、一対の電極(40,50)のうち塵埃と逆電位となる電極(50)に誘引され、この電極(50)の表面に付着される。その結果、空気中の塵埃が捕集される。
【0009】
第1の発明では、集塵部(30)の電極(40,50)の一方又は両方が、樹脂材で構成される。このように電極(40,50)を樹脂材で構成すると、例えば電極を金属で構成する場合と比較し、その体積抵抗率が大きくなる。このため、両電極(40,50)間で過剰な電流が流れてしまうのが防止され、集塵部(30)でのスパークの発生が抑制される。
【0010】
更に、第1の発明の電極(40,50)を構成する樹脂材は、疎水性又は撥水性を有している。つまり、電極(40,50)は、空気中の水分をほとんど吸収しない特性を有している。このため、この集塵装置で処理する空気の湿度が著しく高い場合にも、空気中の水分が電極(40,50)の表面からその内部へ吸収されることがない。従って、第1の発明では、高湿度環境においても、各電極(40,50)の体積抵抗率はほとんど低下しないので、スパークの発生が抑制される。
【0011】
第2の発明は、空気中の塵埃を帯電させる荷電部(12)と、一対の電極(40,50)の間で電界を生じさせて上記荷電部(12)で帯電した塵埃を捕集する集塵部(30)とを備えた集塵装置を前提としている。そして、この集塵装置は、上記一対の電極(40,50)のいずれか一方又は両方の表面に、疎水性又は撥水性を有する樹脂材から成る樹脂膜が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
第2の発明では、電極(40,50)の表面に疎水性又は撥水性の樹脂材から成る樹脂膜が形成される。このため、第1の発明と同様にして、空気中の水分が電極(40,50)の表面よりその内部に吸収されてしまうことを抑制できる。その結果、高湿度環境においても、各電極(40,50)の体積抵抗率はほとんど低下せず、スパークの発生が抑制される。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記樹脂材の吸水率が0.3%以下であることを特徴とするものである。
【0014】
第3の発明では、電極(40,50)の樹脂材として、吸水率が0.3%以下の樹脂材が用いられる。ここで、上記吸水率は、JIS K 7209に規格化された測定方法(樹脂材の試験片を23±2℃の蒸留水に24±1時間含浸させたときの重量変化)により求めた吸水率であり、樹脂材の種類によって異なる固有の物性値である。
【0015】
第3の発明では、0.3%以下の吸水率の樹脂材が電極(40,50)に用いられる。その結果、空気中の水分は、電極(40,50)の表面にほとんど吸収されず、電極(40,50)の体積抵抗率の低下が防止される。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、集塵部(30)の電極(40,50)を樹脂材で構成しているので、電極(40,50)に所定の体積抵抗率を付与することができ、スパークの発生を抑制することができる。また、第1の発明によれば、電極(40,50)の樹脂材が疎水性又は撥水性を有するので、吸湿に伴い電極(40,50)の体積抵抗率が低下してしまうのを抑制できる。従って、この集塵装置を高湿度環境条件下で運転しても、集塵部(30)でのスパークの発生を効果的に抑制することができる。
【0017】
また、第1の発明によれば、電極(40,50)を樹脂材で構成しているので、電極(40,50)の加工が容易となり、また、電極(40,50)の軽量化を図ることができる。
【0018】
第2の発明によれば、集塵部(30)の電極(40,50)の表面に疎水性又は撥水性の樹脂材から成る樹脂膜を形成するようにしているので、吸湿に伴い電極(40,50)の体積抵抗率が低下してしまうのを抑制できる。従って、高湿度環境条件においても、集塵部(30)でのスパークの発生を効果的に抑制することができる。また、第2の発明によれば、電極(40,50)の表面のみに疎水性又は撥水性の樹脂材を用いるだけで良いので、この樹脂材の使用量を必要最低限に抑えることができる。
【0019】
特に、第3の発明によれば、樹脂材の吸水率を0.3%以下としているので、空気中の水分が電極(40,50)の表面に吸収されてしまうのを確実に防止することができる。従って、高湿度環境条件下におけるスパークの発生を確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態の空気清浄機(10)は、本発明の集塵装置を構成しており、例えば、一般家庭及び小規模店舗などで用いられる民生用の空気浄化装置である。
【0022】
上記空気清浄機(10)は、ケーシング(20)を備えると共に、該ケーシング(20)の内部に収納されたプレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とを備えている。
【0023】
上記ケーシング(20)は、例えば、矩形体状の横長の容器に形成され、前面が空気の吸込口(21)に形成され、背面が空気の吹出口(22)に形成され、内部が空気通路(23)に形成されている。そして、上記プレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とが吸込口(21)から吹出口(22)に向かって順に配置されている。
【0024】
上記プレフィルタ(11)は、吸込口(21)からケーシング(20)内に吸込まれた空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するためのフィルタを構成している。
【0025】
上記荷電部(12)は、イオン化部を構成し、上記プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させるものである。上記荷電部(12)は、図示しないが、例えば、複数のイオン化線と、複数の対向電極から構成され、該イオン化線と対向電極との間に直流電圧が印加されるように構成されている。上記イオン化線は、荷電部(12)の上端から下端に亘って設けられ、対向電極はイオン化線の間に配置されている。
【0026】
上記集塵部(30)は、上記荷電部(12)で帯電した塵埃を吸着して捕集するものであり、図3〜図5に示すように、アース電極である集塵電極(40)と陽電極である高圧電極(50)とを備えている。該集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、互いに対向して対となる電極を構成している。
【0027】
上記集塵部(30)は、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは何れも一体成型に構成されている。そして、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは基本的にほぼ同一の形状に形成され、一部が相互に挿入自在な差し込み構造に構成されている。
【0028】
上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、矩形状に形成され、1つの基台部材(41,51)と、該基台部材(41,51)から突出する多数の突起部材(42,52)とを備えている。そして、上記基台部材(41,51)は、枠体(43,53)と、該枠体(43,53)の内部に設けられた複数の縦仕切部材(44,54)及び複数の横仕切部材(45,55)とを備えている。
【0029】
上記枠体(43,53)は、矩形状に形成され、上記集塵電極(40)の枠体(43)が高圧電極(50)の枠体(53)より厚さが大きく形成されている。上記集塵電極(40)の枠体(53)の4つの隅角部は、薄肉部(4a)が形成されると共に、該薄肉部(4a)には、固定孔(4b)を有する固定脚(4c)が形成されている。また、上記高圧電極(50)の枠体(53)の4つの隅角部は、薄肉部(5a)が形成されると共に、該薄肉部(5a)には、固定孔(5b)が形成されている。そして、上記集塵電極(40)の枠体(43)と高圧電極(50)の枠体(53)とは、四隅の薄肉部(4a,5a)において、固定脚(4c)を介して互いに固定され、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とが相対向して配置されている。また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の基台部材(41,51)は、空気通路(23)において、空気流れと直交する方向に配置されている。
【0030】
上記集塵電極(40)及び高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、ケーシング(20)の上下方向に延び、横仕切部材(45,55)は、ケーシング(20)の幅方向に延び、該縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とが縦横に交叉するように配列されている。そして、上記基台部材(41,51)には、枠体(43,53)と縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とによって囲まれる多数の通風孔(46,56)が形成されている。つまり、上記基台部材(41,51)は、縦仕切部材(44,54)と横仕切部材(45,55)とによって長方形の四角格子構造に形成され、通風孔(46,56)を形成する多数の筒状部が形成されている。
【0031】
上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、同一平面状に位置するように形成されている。また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の横仕切部材(45,55)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、図5の上下方向に、千鳥状に位置するように形成されている。つまり、上記集塵電極(40)の横仕切部材(45)は、高圧電極(50)の通風孔(56)の中央部に位置し、上記高圧電極(50)の横仕切部材(55)は、集塵電極(40)の通風孔(46)の中央部に位置している。
【0032】
一方、上記突起部材(42,52)は、横仕切部材(45,55)に一体形成されて該横仕切部材(45,55)より突出している。該突起部材(42,52)は、横仕切部材(45,55)と同一厚さの平板状の突出片に形成され、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)の内部に延びている。そして、上記突起部材(42,52)の横方向の隙間には、相対する電極(50,40)の縦仕切部材(54,44)が位置するように上記突起部材(42,52)が形成されている。
【0033】
上記突起部材(42,52)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、通風孔(56,46)の内部中央に位置し、突起部材(42,52)の上方と下方とを空気が流れることになる。そして、上記集塵電極(40)の突起部材(42)と高圧電極(50)の突起部材(52)とは、相互の間隔が1.8mm〜2.0mmとなるように形成されている。
【0034】
尚、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)は、上記集塵電極(40)の基台部材(41)と高圧電極(50)の基台部材(51)とを固定した組み立て状態において、互いに接触することなく所定の間隔を存して位置している。
【0035】
また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)との間には直流電圧が印加されて集塵電極(40)と高圧電極(50)とより電界を生起させ、帯電した塵埃を集塵電極(40)に吸着させている。
【0036】
本発明の特徴として、上記集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、いずれも疎水性又は撥水性を有する樹脂材で構成されている。つまり、集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、空気中の水分を吸収しにくい非吸湿性の樹脂材で構成されている。この樹脂材としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。特に、樹脂材が、非極性基(CH、CHCH、ベンゼン環など)を有する場合には、樹脂材の撥水機能が高まり好適である。また、この樹脂材は、JIS K 7209に規格化されている測定方法で求めた吸水率が、0.3%以下であることが好ましい。
【0037】
また、 上記集塵電極(40)と高圧電極(50)とを構成する樹脂材は、微導電性樹脂であることが好ましく、更に、樹脂材の体積抵抗率が10Ωcm以上で1010Ωcm未満であることが好ましい。
【0038】
上記触媒フィルタ(13)は、図示しないが、例えばハニカム構造の基材の表面に触媒が担持されて構成されている。該触媒は、例えば、マンガン系触媒や貴金属触媒などが適用され、集塵部(30)を通過して塵埃が除去された空気中の有害成分や臭気成分を分解する。
【0039】
上記送風機(14)は、ケーシング(20)内の空気通路(23)において最下流側に配置され、室内空気をケーシング(20)内に吸い込み、清浄空気を室内に吹き出すためのものである。
【0040】
−運転動作−
次に、上記空気清浄機(10)の空気清浄動作について説明する。
【0041】
図1及び図2に示すように、上記空気清浄機(10)は、送風機(14)を駆動すると、室内空気がケーシング(20)の空気通路(23)に吸引され、該空気通路(23)を流れることになる。
【0042】
一方、荷電部(12)のイオン化線と対向電極と間には直流電圧が印加される一方、集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)との間に直流電圧が印加されている。
【0043】
そして、室内空気がケーシング(20)の空気通路(23)に吸引されると、先ず、上記プレフィルタ(11)は、室内空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集する。
【0044】
上記プレフィルタ(11)を通過した室内空気は荷電部(12)に流れる。この荷電部(12)において、上記プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃が帯電され、例えば、塵埃が正極に帯電し、この帯電した塵埃が下流側に流れることになる。
【0045】
続いて、帯電した塵埃は集塵部(30)に流れ、集塵電極(40)と高圧電極(50)における基台部材(41,51)の通風孔(46,56)を流れることになる。つまり、集塵電極(40)と高圧電極(50)の基台部材(41,51)における枠体(43,53)と縦仕切板と横仕切板とで形成される通風孔(46,56)を室内空気が流れ、集塵電極(40)と高圧電極(50)の突起部材(42,52)の周囲を室内空気が流れる。
【0046】
その際、集塵電極(40)は、例えば、アース電極になって負極に設定されているので、正極に帯電した塵埃が集塵電極(40)に吸着することになる。つまり、上記塵埃は、集塵電極(40)における枠体(43)の内表面、縦仕切部材(44)の表面、横仕切部材(45)の表面及び突起部材(42)の表面に吸着することになる。
【0047】
その後、上記塵埃が除去された室内空気は、触媒フィルタ(13)を流れ、空気中の有害物質や臭気物質が分解除去され、清浄空気となる。この清浄空気は、送風機(14)を通り、空気通路(23)から室内に吹き出ることになる。この動作を繰り返し、室内を清浄化する。
【0048】
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)とを微導電性の樹脂材で構成しているので、両電極(40,50)に所定の体積抵抗率を付与することができる。その結果、集塵部(30)では、両電極(40,50)の間で過剰な電流が流れてしまうのを防止することができ、両電極(40,50)の間でスパーク(火花放電)が発生してしまうのを防止できる。また、このように各電極(40,50)を樹脂材で構成すると、各電極(40,50)を容易に一体成形することができ、また、各電極(40,50)の軽量化を図ることができる。
【0049】
また、上記実施形態によれば、集塵電極(40)と高圧電極(50)を構成する樹脂材が疎水性又は撥水性を有するので、空気中の水分が各電極(40,50)の表面より内部に吸収されてしまうのを防止できる。その結果、吸湿に伴い電極(40,50)の体積抵抗率が低下してしまうのを防止できる。従って、この集塵装置を高湿度環境条件下で運転しても、集塵部(30)でスパークが生じてしまうことがない。
【0050】
また、上記実施形態によれば、集塵電極(40)と高圧電極(50)とを多数の通風孔(46,56)を有する格子構造の基台部材(41,51)と、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)に延びる多数の突起部材(42,52)とで構成するようにしたために、従来の平行電極に比して集塵面積を大幅に拡大することができる。この結果、装置のコンパクト化を図ることができると共に、集塵性能の高性能化を図ることができる。
【0051】
特に、上記集塵電極(40)及び高圧電極(50)の基台部材(41,51)が複数の仕切部材(44,54,45,55)を縦横に交叉させた四角格子状に形成しているので、上記集塵電極(40)の通風孔(46)の周面を集塵面とすることができ、集塵面積を大幅に拡大することができる。
【0052】
また、上記集塵電極(40)の突起部材(42)を高圧電極(50)の通風孔(56)に延長しているので、集塵電極(40)の突起部材(42)を集塵面とすることができ、集塵面積をより拡大することができる。
【0053】
また、上記突起部材(42,52)の横方向の隙間に、相対する電極(50,40)の縦仕切部材(54,44)が位置するようにしたために、突起部材(42,52)を確実に延長させることができ、集塵面積を拡大することができる。
【0054】
また、上記集塵電極(40)と高圧電極(50)の縦仕切部材(44,54)を千鳥状に配置するようにしたために、突起部材(42,52)を相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)に延長することができるので、集塵面積を拡大することができる。
【0055】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0056】
例えば図6に示すように、板状の集塵電極(40)と高圧電極(50)とを平行に交互に配列し、集塵部(30)を構成するようにしても良い。また、図7に示すように、細長の角柱状の集塵電極(40)と格子状の高圧電極(50)とを組み合わせて集塵部(30)を構成するようにしても良い。これらの例においても、集塵電極(40)や高圧電極(50)を疎水性又は撥水性の樹脂材で構成することで、各電極(40,50)の表面における吸湿を防ぐことができ、スパークの発生を回避することができる。
【0057】
また、上記実施形態では、集塵電極(40)と高圧電極(50)との双方を疎水性又は撥水性の樹脂材で構成するようにしているが、これらの電極(40,50)の一方のみを上記樹脂材で構成するようにしても良い。
【0058】
また、上記実施形態と異なり、集塵電極(40)と高圧電極(50)とのいずれか一方、又は両方の表面に疎水性又は撥水性の樹脂材から成る樹脂膜を形成するようしても良い。なお、この樹脂膜は、電極(40,50)の基材に対し、プラズマエッチング等の表面処理、浸積塗工、ロール塗工、スプレー塗工等を施すことで形成される。この場合、集塵電極(40)及び高圧電極(50)の基材は、金属等であっても良いし、撥水性や疎水性を有しない樹脂材を用いるようにしてもよい。このような電極(40,50)の構成においても、空気中の水分が集塵電極(40)や高圧電極(50)の表面に吸収されてしまうのを防止できるので、高湿度環境条件においても集塵部(30)でのスパークの発生を防止できる。
【0059】
なお、集塵電極(40)及び高圧電極(50)の表面に樹脂材から成る樹脂膜を形成する場合には、その表面全域を樹脂膜で覆う方が各電極(40,50)の内部への水分の吸収を確実に防止できて好適である。しかしながら、例えば図6に示す板状の電極(40,50)の表面及び裏面のみを樹脂膜で覆うというように、電極(40,50)のうち比較的面積が広い箇所のみに樹脂膜を形成しても良い。
【0060】
また、本発明の集塵装置は、空気清浄機(10)に限られるものではなく、空気調和装置に搭載されるものであってもよく、また、荷電部(12)と集塵部(30)のみを有するものであってもよい。
【0061】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上説明したように、本発明は、空気中の塵埃を電気的に捕集する集塵装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本発明の実施形態の空気清浄機の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態の空気清浄機の全体構成を示す概略側面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態の集塵部を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態の集塵部の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態の集塵部の一部を拡大して示す断面側面図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態の集塵部の概略斜視図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態の集塵部の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
10 空気清浄機(集塵装置)
12 荷電部
30 集塵部
40 集塵電極
50 高圧電極
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−719(P2008−719A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174426(P2006−174426)