トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 分級機
【発明者】 【氏名】宮崎 佳秀

【要約】 【課題】微砂分を含む砕砂原料から製品砂となる粒子を水洗選別し回収する際に用いる清水の量が格段に少ない分級機を提供する。

【解決手段】分級機を、原料投入口1aより砕砂原料が投入される沈降槽1と、沈降槽1に投入される砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を沈降槽1外へと搬出する搬出手段2と、搬出手段2により搬出されてくる粒子に振動を付与しながら排出する振動脱水篩3aに上方より清水供給手段4から供給される清水を洗浄水として洗浄水吐出口3bより散水し振動脱水篩3aより落下する微砂分を含む洗浄水を還流樋3cで回収し沈降槽1へ流入させる洗浄脱水手段3と、溢流水回収手段5で回収された沈降槽1より溢流する微砂分を含む溢流水を貯留する排水槽6aからその一部を沈降槽1内へ還流させる還流手段6bと排水槽6a内に残留する余剰の溢流水を排出する排水手段6cとを備えた溢流水処理手段6とで構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料投入口(1a)より微砂分を含む砕砂原料が投入される沈降槽(1)と、該沈降槽(1)に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を該沈降槽(1)外へと搬出する搬出手段(2)と、該搬出手段(2)により搬出されてくる粒子に振動を付与しながら排出する振動脱水篩(3a)と該振動脱水篩(3a)上に搬出されてきた粒子に上方より清水供給手段(4)から供給される清水を洗浄水として散水する洗浄水吐出口(3b)と該振動脱水篩(3a)より落下してくる微砂分を含む洗浄水を回収し該沈降槽(1)へ流入させる還流樋(3c)とを備えた洗浄脱水手段(3)と、該沈降槽(1)より溢流してくる微砂分を含む溢流水を回収する溢流水回収手段(5)と、該溢流水回収手段(5)により回収される溢流水を貯留する排水槽(6a)と該排水槽(6a)に貯留された微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽(1)内へ還流させる還流手段(6b)と該排水槽(6a)内に残留する微砂分を含む余剰の溢流水を排出する排水手段(6c)とを備えた溢流水処理手段(6)とから構成されていることを特徴とする分級機。
【請求項2】
搬出手段(2)が、沈降槽(1)に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送するスパイラル体(2a)と該スパイラル体(2a)による粒子の移送方向終端で移送されてくる粒子を掻き上げて振動脱水篩(3a)上へ落下させる環状に配設されたバケット体(2b)とから成る請求項1に記載の分級機。
【請求項3】
搬出手段(2)が、沈降槽(1)に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して振動脱水篩(3a)上へ直接落下させるスパイラル体から成る請求項1に記載の分級機。
【請求項4】
搬出手段(2)が、沈降槽(1)に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して振動脱水篩(3a)上へ直接落下させるベルトコンベアから成る請求項1に記載の分級機。
【請求項5】
清水供給手段(4)から供給される清水の一部が、補給水として直接沈降槽(1)へ供給される請求項1から4までの何れか1項に記載の分級機。
【請求項6】
清水供給手段(4)から供給される清水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口(1a)へ供給される請求項1から5までの何れか1項に記載の分級機。
【請求項7】
清水供給手段(4)から供給される清水の一部が、押水として直接還流樋(3c)内へ供給される請求項1から6までの何れか1項に記載の分級機。
【請求項8】
溢流水処理手段(6)の還流手段(6b)により沈降槽(1)内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口(1a)へ供給される請求項1から7までの何れか1項に記載の分級機。
【請求項9】
溢流水処理手段(6)の還流手段(6b)により沈降槽(1)内へ還流させる溢流水の一部が、押水として直接還流樋(3c)内へ供給される請求項1から8までの何れか1項に記載の分級機。
【請求項10】
清水供給手段(4)から供給される清水の流量及び還流手段(6b)から還流される溢流水の流量をそれぞれ計測し両計測値を送信する流量計測手段(7)と、少なくとも沈降槽(1)内の微砂分の濃度と排水槽(6a)内の微砂分の濃度と溢流水回収手段(5)へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上を計測しその計測値を送信する濃度計測手段(8)と、該流量計測手段(7)及び該濃度計測手段(8)により送信されたそれぞれ計測値に基づいて沈降槽(1)に流入する清水流量と溢流水流量とを合わせた総流量が常に設定された略一定の流量となるような状態で清水流量と溢流水流量との比率を調整することによって該沈降槽(1)の微砂分濃度が設定された範囲内となるように清水供給手段(4)及び還流手段(6b)を制御する制御手段(9)とを備えている請求項1から9までの何れか1項に記載の分級機。
【請求項11】
清水供給手段(4)から供給される清水の一部及び/又は溢流水処理手段(6)の還流手段(6b)が沈降槽(1)内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口(1a)へ供給される場合において、押水流量計測手段により計測した該押水の流量と、濃度計測手段(8)により計測した原料投入口(1a)内から流入する押水の微砂分の濃度とを制御手段(9)に送信する請求項10に記載の分級機。
【請求項12】
押水流量計測手段が、清水供給手段(4)から押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口(1a)へ供給される清水の流量及び/又は溢流水処理手段(6)の還流手段(6b)から押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口(1a)へ供給される沈降槽(1)内へ還流させる溢流水の流量を計測する請求項11に記載の分級機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、砂利採取場や砕石場,鉱山等において採取されたシルト,粘土等の微砂分を含む砕砂原料からコンクリートの骨材等として用いられる製品砂となる粒子を水洗選別し回収する分級機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、砂利採取場や砕石場,鉱山等において採取された砕砂原料には、コンクリートの強度を低下させてしまう原因となる、粒径が大凡0.075mm以下であるシルト,粘土等の微砂分が多く含まれており、このような砕砂原料からコンクリートの骨材等として用いられる良質な製品砂となる粒子を生産するために、従来より砕砂原料から微砂分含有率が低く安定した製品砂となる粒子を水洗選別し回収する装置が用いられていた。
【0003】
この砕砂原料から製品砂となる粒子を水洗選別し回収する装置としては、例えば砂の混入した濁水である原液を受け入れ砂を沈降せしめる沈降槽と、この沈降槽の底に沈降した砂を移送する数条のスパイラル羽根と、このスパイラル羽根の終端にあって、移送されてきた砂を掻き上げる環状に配設された掻き上げバケットとから成る水平スパイラル型分級機と、その環状に配設されたバケットの中空部に対応して設置されたバケットから砂を受け入れる振動篩式脱水機と、この脱水機で抜かれた微砂を含んだ水を沈降槽に戻す還元樋とから構成した装置(例えば、特許文献1参照。)や、底部に沈降した粒子を一方向に移送する水中から空中に行き渡るスパイラル羽根と該スパイラル羽根による粒子の移送方向終端で移送されてきた粒子を掻き上げる掻き上げバケットとが設置されており該掻き上げバケットの近傍の懸濁液投入口から粒子を含む懸濁液が投入される沈降槽と、該掻き上げバケットで掻き上げる途中で脱水されながら落下してきた粒子を排出する排出シュートとを備えた分級機において、前記スパイラル羽根が、スパイラル羽根本体をその内側で固定している支持桁とスパイラル羽根用回転軸とを連結するスポークが掻き上げバケット側と反対側において配設されておらず且つ掻き上げバケット側と反対側端部近傍の支持桁に補強用支持リングが固定されていて該補強用支持リングの内側上部を支持架台に装着した支持ローラで支持された構造であり、沈降槽のスパイラル羽根の掻き上げバケット側と反対側に、少なくともその壁面中央部の上部に沿って位置する壁面上部溢流堰と、該沈降槽の掻き上げバケット側と反対側のスパイラル羽根の支持桁とスパイラル羽根用回転軸とを連結するスポークが配設されていないスパイラル羽根本体で囲まれた空間内の液面に沿ってその両側が溢流長さとして機能し互いに連通されているか又は連通されていない2本以上の突出溢流堰とから成る溢流堰を設置されている装置(例えば、特許文献2参照。)等が存在する。
【0004】
これらの装置では、粒子の粒径の大きさによりその沈降速度が異なる現象を利用して水洗選別を行うのであり、具体的には微砂分を含む砕砂原料と清水とが合わさった混濁液が沈降槽内に投入されることにより沈降槽内に上昇流が発生するから、粒径が大凡0.075mm以下であるシルト,粘土等の不要な微砂分は、この上昇流により沈降槽内の濁水に浮遊した状態となり次々と投入される混濁液により上方へ移行して最終的に溢流堰より排出されるのに対し、この微砂分よりその粒径が大きい製品砂となる粒子は、この上昇流に抗して沈降槽の底部へ沈降してスパイラル羽根により移送され掻き上げバケットにより沈降槽から掻き上げられた後に製品砂として振動篩式脱水機又は排出シュートより脱水されながら排出されるのである。
【0005】
しかしながら、これらの装置では、前記の如く微砂分を含む砕砂原料から製品砂となる粒子を水洗選別し回収することができるものの、その粒径が大凡0.075mm以下であるシルト,粘土等の微砂分が沈降槽の底部へ沈降せずに沈降槽内に浮遊した状態を維持するために沈降槽内に常に一定の上昇流を発生させなければならず、この一定の上昇流を常時発生させるためには常に一定の流量の水を沈降槽内へ流入させなければならないから、一定の流量の水を確保するために混濁液に流入する清水の流量を大幅に増やしたり、別途大量の清水を沈降槽内に流入させたりしなければならず、結果的に大量の清水が必要になってしまうという欠点があるばかりか、環境負荷が大きいという欠点もあった。
【0006】
そして、これらの装置では、前記の如く一定の上昇流を常時発生させるために沈降槽内に大量の清水を流入させなければならない構成となっているため、必然的に微砂分を含む大量の濁水が排出されてしまうから、このような微砂分を含む大量の濁水をそのまま河川や下水へ流すことが法令によりできないため、シックナーやフィルタープレス等の大型で高価な排水処理設備によってこの微砂分を含む大量の濁水を処理しなければならないので、これらの排水処理設備を購入・維持・管理等するための経済的負担が大きいという欠点があるばかりでなく、これらの排水処理設備を設置するための広大なスペースが必要になるという欠点もあった。
【0007】
【特許文献1】実公平3−1069号公報
【特許文献2】特開平8−196936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、砂利採取場や砕石場,鉱山等において採取されたシルト,粘土等の微砂分を含む砕砂原料からコンクリートの骨材等として用いられる製品砂となる粒子を水洗選別し回収する分級機であって、特に使用する清水の量が格段に少ない分級機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、従来の装置では砕砂原料に含まれている微砂分が沈降槽の底部へ沈降せずに沈降槽内に浮遊した状態を維持する役目を果たす一定の上昇流を沈降槽内で常時発生させるため、及び沈降槽内の水の微砂分の濃度をなるべく低く抑えることにより砕砂原料から微砂分含有率が安定した製品砂となる粒子を生産できると考えられていたために、大量の清水を沈降槽内に投入していたのであるが、仮りに沈降槽内の水の微砂分の濃度を高くしたとしても沈降槽内で常に一定の上昇流を得ることができれば、砕砂原料から微砂分含有率が安定した製品砂となる粒子を生産できることを究明した。
【0010】
そこで、更に研究を重ねた結果、沈降槽内で常に一定の上昇流を発生させるための一定の流量の水を確保するため沈降槽より溢流してくる微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽内へ還流させると共に、振動脱水篩上に落下した粒子に付着した余分な微砂分を洗い流すために振動脱水篩の上方より清水を洗浄水として散水すれば、使用される清水の量を格段に少なくできることを究明して本発明を完成したのである。
【0011】
即ち本発明は、原料投入口より微砂分を含む砕砂原料が投入される沈降槽と、該沈降槽に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を該沈降槽外へと搬出する搬出手段と、該搬出手段により搬出されてくる粒子に振動を付与しながら排出する振動脱水篩と該振動脱水篩上に搬出されてきた粒子に上方より清水供給手段から供給される清水を洗浄水として散水する洗浄水吐出口と該振動脱水篩より落下してくる微砂分を含む洗浄水を回収し該沈降槽へ流入させる還流樋とを備えた洗浄脱水手段と、該沈降槽より溢流してくる微砂分を含む溢流水を回収する溢流水回収手段と、該溢流水回収手段により回収される溢流水を貯留する排水槽と該排水槽に貯留された微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽内へ還流させる還流手段と該排水槽内に残留する微砂分を含む余剰の溢流水を排出する排水手段とを備えた溢流水処理手段とから構成されていることを特徴とする分級機である。
【0012】
そして、このような構成の本発明に係る分級機において、搬出手段が、沈降槽に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送するスパイラル体と該スパイラル体による粒子の移送方向終端で移送されてくる粒子を掻き上げて振動脱水篩上へ落下させる環状に配設されたバケット体とから成るものや、沈降槽に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して振動脱水篩上へ直接落下させるスパイラル体から成るものや、沈降槽に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して振動脱水篩上へ直接落下させるベルトコンベアから成るもの等の様々な態様の分級機に対応することができて好ましいことも究明したのである。
【0013】
また、清水供給手段から供給される清水の一部が、補給水として直接沈降槽へ供給されたり、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給されたり、押水として直接還流樋内へ供給されたりすれは、様々な性状の微砂分を含む砕砂原料に合わせてその清水の供給方法を適宜選択することができて好ましいことも究明したのである。
【0014】
更に、溢流水処理手段の還流手段により沈降槽内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給されたり、押水として直接還流樋内へ供給されたりするものであれば、溢流水を更に有効活用することができて好ましいことも究明したのである。
【0015】
更に、清水供給手段から供給される清水の流量及び還流手段から還流される溢流水の流量をそれぞれ計測し両計測値を送信する流量計測手段と、少なくとも沈降槽内の微砂分の濃度と排水槽内の微砂分の濃度と溢流水回収手段へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上を計測しその計測値を送信する濃度計測手段と、流量計測手段及び濃度計測手段により送信されたそれぞれ計測値に基づいて沈降槽に流入する清水流量と溢流水流量とを合わせた総流量が常に設定された略一定の流量となるような状態で清水流量と溢流水流量との比率を調整することによって沈降槽の微砂分濃度が設定された範囲内となるように清水供給手段及び還流手段を制御する制御手段とを備えていれば、様々な性状の微砂分を含む砕砂原料に合わせて沈降槽に流入する水の総流量と沈降槽の微砂分濃度とがそれぞれ常に一定の範囲内となるような好適な条件下に自動的に調整することができて好ましいことも究明したのである。
【0016】
更に、このような制御手段等を備えている態様であって、清水供給手段から供給される清水の一部及び/又は溢流水処理手段の還流手段が沈降槽内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給される場合において、押水流量計測手段により計測した押水の流量と、濃度計測手段により計測した原料投入口内を流入する押水の微砂分の濃度とを制御手段に送信すれば、沈降槽の微砂分濃度を更に正確に調整することができて好ましく、そしてこの押水流量計測手段が、清水供給手段から押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給される清水の流量及び/又は溢流水処理手段の還流手段から押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給される沈降槽内へ還流させる溢流水の流量を計測すれば、原料投入口へ供給される押水の流量を容易に計測することができて好ましいことも究明したのである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る分級機は、沈降槽より溢流してくる微砂分を含む溢流水を排水槽で貯留し、この貯留された微砂分を含む溢流水の一部を還流手段により沈降槽内へ還流させるものであるから、沈降槽内で常に一定の上昇流を発生させるために必要な一定の流量の水の内、その一部を沈降槽より溢流してくる微砂分を含む溢流水で賄うことによって新たに沈降槽内へ流入させる清水の流量を格段に減らすことができると共に、振動脱水篩上に落下した製品砂となる粒子に上方より清水供給手段から供給される清水を洗浄水として洗浄水吐出口より散水するものであるから、微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽内へ還流させることによって従来の分級機と比較して沈降槽内の微砂分濃度が高くなることにより振動脱水篩上に落下した粒子に従来よりも多く微砂分が付着してしまったとしても、粒子に付着した余分な微砂分を洗い流すことができるので、砕砂原料から微砂分含有率が安定した製品砂となる粒子を生産できる上に、更に従来の分級機と比較して使用される清水の量を格段に少なくできるのである。
【0018】
そして、本発明に係る分級機では、前記の如く微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽内へ還流させることにより従来の分級機と比較して使用される清水の量を格段に少なくできるから、最終的に排水手段より排出される微砂分を含む余剰の溢流水を従来よりも格段に少なくできるだけでなく、前記の如く従来の分級機と比較して沈降槽内の微砂分濃度が高いためにこの排出される溢流水の微砂分濃度も従来よりも高いから、排出される微砂分を含む余剰の溢流水は従来よりも格段にその水量が少なく且つ微砂分濃度も高濃度であるので、排出される微砂分を含む余剰の溢流水を処理する際には、従来のようにシックナーやフィルタープレス等の大型で高価な排水処理設備を用いる必要がなく、コーンシックナ等の簡易型濃縮機やベルトプレス等の小型で安価な排水処理設備で処理することができるので、排水処理設備を省スペース化できると共に排水処理設備を購入・維持・管理等するための経済的負担を格段に安価にすることができる。
【0019】
そして、本発明に係る分級機において、搬出手段が、沈降槽に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送するスパイラル体と該スパイラル体による粒子の移送方向終端で移送されてくる粒子を掻き上げて振動脱水篩上へ落下させる環状に配設されたバケット体とから成るものや、沈降槽に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して振動脱水篩上へ直接落下させるスパイラル体から成るものや、沈降槽に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して振動脱水篩上へ直接落下させるベルトコンベアから成るもの等の様々な態様の分級機に対応することができて好ましいばかりでなく、様々な態様の既設の分級機に洗浄脱水手段、溢流水回収手段や排水手段等を増設するだけで、本発明に係る分級機へと改造することができて好ましい。
【0020】
また、清水供給手段から供給される清水の一部が、補給水として直接沈降槽へ供給されていれば、例えば微砂分を含む砕砂原料としてその微砂分含有率が安定していないものを投入する場合において沈降槽内の微砂分濃度が急激に上昇・下降する場合には、補給水を直接沈降槽へ供給することにより沈降槽内の微砂分濃度を簡単に安定した状態に調整することができて好ましく、また清水供給手段から供給される清水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給されていれば、例えば微砂分を含む砕砂原料としてその粘土分含有率等が高いためにその付着性が高いものを投入する場合には、原料投入口や原料投入口に至るまでの経路等で微砂分を含む砕砂原料が付着が発生するのを防止できるから砕砂原料の投入を円滑にすることができて好ましく、更に清水供給手段から供給される清水の一部が、押水として直接還流樋内へ供給されていれば、振動脱水篩より落下してくる洗浄水に含まれている微砂分が還流樋へ付着することを防止することができて好ましく、このように様々な性状の微砂分を含む砕砂原料に合わせてその清水の供給方法を適宜選択することができて好ましい。
【0021】
更に、溢流水処理手段の還流手段により沈降槽内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給されたり、押水として直接還流樋内へ供給されたりするものであれば、溢流水処理手段の還流手段から還流される溢流水を、沈降槽内における一定の上昇流を発生させるためだけでなく、原料投入口や原料投入口に至るまでの経路や還流樋等に微砂分が付着してしまうことを防止するための押水として有効的に活用することができて好ましく、また清水供給手段から供給され押水として使用される清水の量を減すことができて好ましい。
【0022】
更に、清水供給手段から供給される清水の流量及び還流手段から還流される溢流水の流量をそれぞれ計測し両計測値を送信する流量計測手段と、少なくとも沈降槽内の微砂分の濃度と排水槽内の微砂分の濃度と溢流水回収手段へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上を計測しその計測値を送信する濃度計測手段と、流量計測手段及び濃度計測手段により送信されたそれぞれ計測値に基づいて沈降槽に流入する清水流量と溢流水流量とを合わせた総流量が常に設定された略一定の流量となるような状態で清水流量と溢流水流量との比率を調整することによって沈降槽の微砂分濃度が設定された範囲内となるように清水供給手段及び還流手段を制御する制御手段とを備えていれば、濃度計測手段により計測された微砂分の濃度が設定された範囲よりも高くなってしまった場合には清水流量の比率を高くし、逆に濃度計測手段により計測された微砂分の濃度が設定された範囲よりも低くなってしまった場合には微砂分を含む溢流水流量の比率を高くするように調整することによって、様々な性状の微砂分を含む砕砂原料に合わせて、沈降槽に流入する総流量と沈降槽の微砂分濃度とがそれぞれ常に一定の範囲内となるような好適な条件下に自動的に調整することができるので、砕砂原料から微砂分含有率が安定した製品砂となる粒子を簡単に生産することができて好ましい。
【0023】
更に、このような制御手段等を備えている態様であって、清水供給手段から供給される清水の一部及び/又は溢流水処理手段の還流手段が沈降槽内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給される場合において、押水流量計測手段により計測した押水の流量と、濃度計測手段により計測した原料投入口内を流入する押水の微砂分の濃度とを制御手段に送信すれば、制御手段には沈降槽内の微砂分の濃度の計測値,排水槽内の微砂分の濃度の計測値や,溢流水回収手段へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度の計測値だけでなく、微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給される押水の微砂分の濃度の計測値及びこの押水の流量の計測値が送信されることにより、沈降槽内へ投入される直前における微砂分を含む砕砂原料の粘土分含有率等の状態を把握することができるから、沈降槽の微砂分濃度を更に正確に調整することができて好ましく、そしてこの押水流量計測手段が、清水供給手段から押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給される清水の流量及び/又は溢流水処理手段の還流手段から押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口へ供給される沈降槽内へ還流させる溢流水の流量を計測すれば、原料投入口へ供給される押水の流量を容易に計測することができて好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面により本発明に係る分級機について詳細に説明する。図1は本発明に係る分級機の構成の1例を模式的に示す説明図である。
【0025】
図面中、1は原料投入口1aより微砂分を含む砕砂原料が投入される沈降槽であり、後述する清水供給手段4から供給される清水及び後述する還流手段6bにより還流される溢流水の一部によって上昇流を発生せしめられることにより、投入される微砂分を含む砕砂原料のうち、この上昇流に抗して製品砂となる粒子をその底部へ沈降させて後述する搬出手段2により後述する振動脱水篩3a上へと搬出させると共に、この上昇流により浮遊した状態となった微砂分を溢流水と共に後述する溢流水回収手段5へと溢流させる役目を果たす。
【0026】
この沈降槽1としては、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を後述する振動脱水篩3a上へと搬出するための後述する搬出手段2を設置できる形状であれば特に限定されないが、例えば図示した如く搬出手段2が、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送するスパイラル体2aと該スパイラル体2aによる粒子の移送方向終端で移送されてくる粒子を掻き上げて振動脱水篩3a上へ落下させる環状に配設されたバケット体2bとから成るものである場合には、一般的にはそのスパイラル体2a及びバケット体2bの回転軸方向と平行な方向の断面形状が、スパイラル体2aによる粒子の移送方向終端で移送されてくる粒子を掻き上げ易いように、スパイラル体2aが位置する側の底部よりもバケット体2bが位置する側の底部の方が下方に位置するように形成されていると共に、そのスパイラル体2a及びバケット体2bの回転軸方向と直角な方向の断面形状が、スパイラル体2aによる一方向へ移送及びバケット体2bによる掻き上げを行う際にその底部近傍にまで残留する粒子を円滑に移送又は掻き上げられるように、上方が開口した半円状に形成されている。
【0027】
またこの沈降槽1としては、例えば後述する搬出手段2が、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して後述する振動脱水篩3a上へ直接落下させるスパイラル体から成るものである場合や、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して後述する振動脱水篩3a上へ直接落下させるベルトコンベアから成るものである場合には、一般的にはこのような構成の搬出手段2のスパイラル体やベルトコンベアはその沈降槽1内の底部へ沈降する粒子が移送される始端側から、移送する粒子を後述する振動脱水篩3a上へ排出させる終端側へ亘ってそれぞれ長手方向に漸次上方へ傾斜するように設置されるものであるので、その底部が搬出手段2の傾斜に合わせて搬出手段2の始端側から終端側へ亘って漸次上方へ傾斜するような形状を成すような沈降槽が好ましく採用される。
【0028】
そしてこの沈降槽1に、後述する清水供給手段4から供給される清水の一部を補給水として直接供給するための手段として、例えば図示した如く導水管等が設けられていれば、微砂分を含む砕砂原料としてその微砂分含有率が安定していないものを投入する場合において沈降槽1内の微砂分濃度が急激に上昇・下降する場合には、補給水を直接沈降槽1へ供給することができるので、沈降槽1内の微砂分濃度を簡単に安定した状態に調整することができて好ましい。
【0029】
この沈降槽1に微砂分を含む砕砂原料を投入するための原料投入口1aとしては、砕砂原料を沈降槽1内へ投入可能なものであれば何でもよく、例えばベルトコンベアやバケットコンベア等の終端から直接沈降槽1の上方側や上縁側方へ砕砂原料を投入するもの、図示した如くホッパーにより直接沈降槽1の上方側へ投入するものや、シュートにより直接沈降槽1の上方側へ投入するもの等を例示することができる。
【0030】
そして、この原料投入口1aとして、図示した如くホッパーにより直接沈降槽1の上方側へ投入するものや、シュート等により直接沈降槽1の上方側へ投入するものを採用した場合において、投入される微砂分を含む砕砂原料としてその粘土分含有率等が高いためにその付着性が高いものが投入されることがある場合には、図示した後述する清水供給手段4から供給される清水の一部を押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給させるための噴出ノズル等が別途設置されていれば、原料投入口1aや原料投入口1aに至るまでの経路等で微砂分や微砂分を含む砕砂原料の付着が発生するのを防止できるから砕砂原料の投入を円滑にすることができて好ましく、また図示した如く後述する溢流水処理手段6の還流手段6bにより沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給させれるものであれば、溢流水処理手段6の還流手段6bから還流される溢流水を、沈降槽1内における一定の上昇流を発生させるためだけでなく、原料投入口1aや原料投入口1aに至るまでの経路等で微砂分や微砂分を含む砕砂原料が付着してしまうことを防止するための押水として有効的に活用することができて好ましく、また清水供給手段4から供給され押水として使用される清水の量を減さすことができて好ましい。
【0031】
2は沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を沈降槽1外へと搬出する搬出手段であり、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を後述する洗浄脱水手段3の振動脱水篩3a上へ搬出する役目を果たす。
【0032】
この搬出手段2としては、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を沈降槽1外へと搬出することができる構成のものであれば何でもよく、例えば沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送するスパイラル体2aとスパイラル体2aによる粒子の移送方向終端で移送されてくる粒子を掻き上げて後述する振動脱水篩3a上へ落下させる環状に配設されたバケット体2bとから成るもの、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して後述する振動脱水篩3a上へ直接落下させるスパイラル体から成るものや、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して後述する振動脱水篩3a上へ直接落下させるベルトコンベアから成るもの等を採用することができる。
【0033】
そして、この搬出手段2が、例えば図示した如く沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送するスパイラル体2aとスパイラル体2aによる粒子の移送方向終端で移送されてくる粒子を掻き上げて後述する振動脱水篩3a上へ落下させる環状に配設されたバケット体2bとから成る態様の場合には、このスパイラル体2aとしては、沈降槽1の底部に沈降した粒子を一方向へ移送する水中から空中に行き渡るスパイラル羽根とこのスパイラル羽根をその内側で固定している支持桁とこの支持桁にバケット体2b側からバケット体2bの反対側に亘って複数本のスポークを介して連結されていると共に駆動手段により回転されるスパイラル羽根用回転軸とから成る一般的な構造のものや、沈降槽1の底部に沈降した粒子を一方向へ移送する水中から空中に行き渡るスパイラル羽根とこのスパイラル羽根をその内側で固定している支持桁とこの支持桁にバケット体2b側近傍のみに複数本のスポークを介して連結されていると共に駆動手段により回転されるスパイラル羽根用回転軸とこのスポークが配設されていないバケット体2b側の反対側においてバケット体2b側の反対側端部近傍の支持桁に固定されている補強用支持リングとから成り、そのスポークが配設されていないバケット体2b側の反対側のスパイラル羽根に囲まれた位置にも後述する溢流水回収手段5を設置することが可能な特殊な構造のもの等の様々な構造のものを適宜採用することができる。
【0034】
また、この搬出手段2が前記の如くスパイラル体2aとバケット体2bとから成る態様の場合におけるバケット体2bとしては、例えばスパイラル体2aによる粒子の移送方向終端で移送されてきた粒子を掻き上げ途中で脱水しながら持ち上げた後に落下させる多孔板により形成された掻き上げバケットとこの掻き上げバケットを複数環状に支持する支持体とこの支持体に複数本のスポークを介して連結されていると共に駆動手段により回転されるバケット用回転軸とから成る構造のものや、スパイラル体2aによる粒子の移送方向終端で移送されてきた粒子を掻き上げ途中で脱水しながら持ち上げた後に落下させる多孔板により形成された掻き上げバケットとこの掻き上げバケットを複数環状に支持し前記スパイラル体2aの支持桁に連結されている支持体とから成り、スパイラル羽根用回転軸により回転させられる構造のもの等の様々な構造のものを適宜採用することができる。
【0035】
更に、この搬出手段2が、例えば沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して後述する振動脱水篩3a上へ直接落下させるスパイラル体から成る態様の場合には、このスパイラル体は、一般的には一本のスパイラル体又は複数本の並列したスパイラル体がその沈降槽1内の底部へ沈降する粒子が移送される始端側のスパイラル羽根用回転軸端を沈降槽1内に軸支され、一方移送する粒子を振動脱水篩3a上へ排出させる終端側のスパイラル羽根用回転軸端を沈降槽1内の水面よりも上方に軸支され、且つそのスパイラル羽根の下方側が沈降槽1の底部と接するように設置されていると共に、このスパイラル体の終端側のスパイラル羽根用回転軸を駆動手段により回転させるように構成されており、またこの搬出手段2が、沈降槽1に投入される微砂分を含む砕砂原料のうち底部へ沈降する粒子を一方向へ移送して後述する振動脱水篩3a上へ直接落下させるベルトコンベアから成る態様の場合には、このベルトコンベアは、一般的にはその沈降槽1内の底部へ沈降する粒子が移送される始端側のローラ軸を沈降槽1内に軸支され、一方移送する粒子を振動脱水篩3a上へ排出させる終端側のローラ軸を沈降槽1内の水面よりも上方に軸支されるように設置されていると共に、このベルトコンベアの終端側のローラ軸を駆動手段により回転させるように構成されており、そしてこのような搬出手段2がベルトコンベアから成る態様の場合において、沈降槽1の水面よりも上方側にベルトコンベア上を移送される粒子に振動を与えてその含有する水分をベルトコンベアの始端側へ戻すための振盪手段が別途設けられていることが好ましい。
【0036】
3は搬出手段2により搬出されてくる粒子に振動を付与しながら排出する振動脱水篩3aとこの振動脱水篩3a上に搬出されてきた粒子に上方より後述する清水供給手段4から供給される清水を洗浄水として散水する洗浄水吐出口3bと振動脱水篩3aより落下してくる微砂分を含む洗浄水を回収し沈降槽1へ流入させる還流樋3cとを備えた洗浄脱水手段であり、後述する清水供給手段4から供給される清水を洗浄水として散水することにより搬出手段2により搬出されてくる製品砂となる粒子に付着した余分な微砂分を洗い流すと共に、この微砂分を含む洗浄後の洗浄水を回収し沈降槽1へ流入させ、且つ搬出手段2により搬出されてくる製品砂となる粒子に振動を付与することにより製品砂となる粒子を脱水し排出する役目を果たす。
【0037】
この洗浄脱水手段3の振動脱水篩3aとしては、搬出手段2により搬出されてくる粒子に振動を付与しながら排出することができるものであれば何でもよく、例えばスクリーンが張設された枠体とこの枠体を弾性的に支持するスプリングとこの枠体に取り付けられた振動モータとから成り、振動モータでスクリーンに付与された振動によって、スクリーン上の粒子を脱水し且つ沈降槽1側と反対側へ移行させて排出するように構成されている。
【0038】
この洗浄脱水手段3の振動脱水篩3aの上方には、図示した如く振動脱水篩3a上に搬出されてきた粒子に上方より後述する清水供給手段4から供給される清水を洗浄水として散水する洗浄水吐出口3bが設置されており、このように洗浄水吐出口3bから洗浄水が散水されることによって、微砂分を含む洗浄水や微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽1内へ還流させることによって従来の分級機と比較して沈降槽1内の微砂分濃度が高くなることにより振動脱水篩3a上に落下した粒子に従来よりも多く微砂分が付着してしまったとしても、粒子に付着した余分な微砂分を洗い流すことができるので、従来の分級機と同等に砕砂原料から微砂分含有率が安定した製品砂となる粒子を生産できる上に、更に従来の分級機と比較して使用する清水の量を格段に少なくできる。
【0039】
この洗浄脱水手段3の洗浄水吐出口3bとしては、図示した如く振動脱水手段2aの上方に設置され下方へ向けて洗浄水を勢い良く噴出するようなノズル状のものであっても、また下方に向けて洗浄水を放出するように導水管に複数の吐出用孔が穿設されているようなものであってもよい。
【0040】
そして、この洗浄脱水手段3の振動脱水篩3aの下方には、図示した如く振動脱水篩3aより落下してくる微砂分を含む洗浄水を回収し沈降槽1へ流入させる還流樋3cが設置されており、この還流樋3cとしては、振動脱水篩3a上に落下した製品砂となる粒子に付着した余分な微砂分を洗い流すために洗浄水吐出口3bから振動脱水篩3a上へ散水された洗浄水を回収して沈降槽1へ流入させることができるものであれば何でもよく、図示した如く振動脱水篩3aの下方に沈降槽1側へ向けて下方へ傾斜した板状のものを例示することができる。
【0041】
そしてこの還流樋3cに、図示した如く後述する清水供給手段4から供給される清水の一部を押水として直接供給することのできる噴出ノズル等が別途設置されていれば、振動脱水篩3aより落下してくる洗浄水に含まれている微砂分が還流樋3cに付着することを防止することができて好ましく、また図示した如く後述する溢流水処理手段6の還流手段6bにより沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が、押水として直接還流樋3c内へ供給されるものであれば、溢流水処理手段6の還流手段6bから還流される溢流水を、沈降槽1内における一定の上昇流を発生させるためだけでなく、還流樋3cに振動脱水篩3aより落下してくる洗浄水に含まれている微砂分が付着してしまうことを防止するための押水として有効的に活用することができて好ましく、また後述する清水供給手段4から供給され押水として使用される清水の量を減すことができて好ましい。
【0042】
4は洗浄脱水手段3の洗浄水吐出口3b等へ清水を供給する清水供給手段であり、この洗浄水吐出口3bへ供給される清水は振動脱水篩3a上に落下した粒子に付着した微砂分を洗い流すための洗浄水として作用するだけでなく、洗浄脱水手段3の還流樋3cを介して沈降槽1内へ連続的に流入することにより、沈降槽1内において上昇流を発生させると共に微砂分が浮遊した状態の沈降槽1内の濁水を溢流水として後述する溢流水回収手段5へ溢流させる役目を果たす。
【0043】
この清水供給手段4としては、例えば水道管より直接清水を供給するように構成されていてもよいが、図示した如く清水を貯留された水槽より吸水ポンプを用いて清水を供給するように構成されていれば、沈降槽1に流入する清水流量を調整及び制御し易いので好ましい。
【0044】
またこの清水供給手段4に前記の如く清水を貯留された水槽が存在する態様において、この清水を貯留された水槽が沈降槽1よりも高い位置に設置されている場合には、吸水ポンプに代えて、この水槽から沈降槽1内へと清水を供給するための流路中に設けられた電磁弁,モータ駆動弁や手動弁等のバルブ等から構成することもでき、そしてこの態様の場合にはバルブが電気的にその流量を調整することが可能な電磁弁やモータ駆動弁等から構成されていれば、前記と同様に沈降槽1に流入する清水流量を調整及び制御し易いので好ましい。
【0045】
そして、この清水供給手段4から供給される清水の一部が図示した如く補給水として直接沈降槽1へ供給されていれば、例えば微砂分を含む砕砂原料としてその微砂分含有率が安定していないものを投入する場合において沈降槽1内の微砂分濃度が急激に上昇・下降する場合には、補給水として直接沈降槽1へ供給することにより沈降槽1内の微砂分濃度を簡単に安定した状態に調整することができて好ましく、また清水供給手段4から供給される清水の一部が図示した如く押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給されていれば、例えば微砂分を含む砕砂原料としてその粘土分含有率等が高いためにその付着性が高いものを投入する場合には、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aより流入させることにより原料投入口1aや原料投入口1aに至るまでの経路等で微砂分が付着が発生するのを防止できるから砕砂原料の投入を円滑にすることができて好ましく、更に清水供給手段4から供給される清水の一部が図示した如く押水として直接還流樋3c内へ供給されていれば、振動脱水篩3aより落下してくる洗浄水に含まれている微砂分が還流樋3cへ付着することを防止することができて好ましい。
【0046】
5は沈降槽1より溢流してくる微砂分を含む溢流水を回収する溢流水回収手段であり、回収された微砂分を含む溢流水を後述する溢流水処理手段6の排水槽6aへ流入させる役目を果たす。
【0047】
この溢流水回収手段5としては、沈降槽1より溢流してくる微砂分を含む溢流水を回収することができるものであれば何でもよく、例えば図示した如く沈降槽1の上縁側に沿って設置された樋から成り沈降槽1の上縁より溢流してくる溢流水を回収するように構成されているもの等が好ましく採用される。
【0048】
6は溢流水回収手段5により回収される溢流水を貯留する排水槽6aとこの排水槽6aに貯留された微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽1内へ還流させる還流手段6bとこの排水槽6a内に残留する微砂分を含む余剰の溢流水を排出する排水手段6cとを備えた溢流水処理手段であり、沈降槽1より溢流してくる微砂分を含む溢流水を排水槽6aで貯留し、この貯留された微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽1内へ還流させることによって、沈降槽1内で常に一定の上昇流を発生させるために必要な一定の流量の水の一部を賄うことができるので、清水供給手段4から供給される清水の流量を格段に減らす役目を果たすと共に、微砂分を含む余剰の溢流水を排水処理設備等へ排出する役目をも果たす。
【0049】
この溢流水処理手段6の排水槽6aとしては、例えば図示した如く溢流水回収手段5より回収される溢流水が自然に流入できるように溢流水回収手段5よりも低い位置に設置されていたり、また溢流水回収手段5より回収される溢流水を吸水ポンプ等で圧送することにより溢流水回収手段5よりも高い位置に設置されていたりしてもよく、現場の状況によって適宜選択すればよい。
【0050】
この溢流水処理手段6の排水槽6aに貯留された微砂分を含む溢流水の一部を沈降槽1内へ還流させる還流手段6bとしては、例えば図示した如く排水槽6a内に設置され微砂分を含む溢流水を沈降槽1内へ圧送することができる吸水ポンプ等より構成されていても、また排水槽6aが溢流水回収手段5よりも高い位置に設置されている場合には、排水槽6aから沈降槽1内へと微砂分を含む溢流水を還流させるための流路中に設けられた電磁弁,モータ駆動弁や手動弁等のバルブ等から構成されていてもよく、そしてこの還流手段6bが前記の如く電気的にその流量を調整することが可能な吸水ポンプ,電磁弁やモータ駆動弁等から構成されていると、沈降槽1に流入する溢流水流量を調整及び制御し易いので好ましい。
【0051】
そして、溢流水処理手段6の還流手段6bにより沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が、図示した如く押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給されたり、押水として直接還流樋3c内へ供給されたりするものであれば、溢流水処理手段6の還流手段6bから還流される溢流水を、沈降槽1内における一定の上昇流を発生させるためだけでなく、原料投入口1aや原料投入口1aに至るまでの経路や還流樋3c等に微砂分が付着してしまうことを防止するための押水として有効的に活用することができて好ましく、また清水供給手段4から供給され押水として使用される清水の量を減すことができて好ましい。
【0052】
この溢流水処理手段6の排水槽6a内に残留する微砂分を含む余剰の溢流水を排出する排水手段6cとしては、例えば排水槽6aより溢流してくる微砂分を含む余剰の溢流水を回収し排水処理設備等へ排出するような樋状のものであってもよいが、図示した如く排水槽6aより溢流してくる微砂分を含む余剰の溢流水が直接流入するように排水槽6aに連続して形成された水槽とこの水槽内に貯留された微砂分を含む余剰の溢流水を圧送する吸水ポンプとから成るものであれば、貯留された微砂分を含む余剰の溢流水を排水処理設備等へ直接圧送することができて好ましい。
【0053】
7は清水供給手段4から供給される清水の流量及び溢流水処理手段6の還流手段6bから還流される溢流水の流量をそれぞれ計測し両計測値を送信する流量計測手段であり、後述する濃度計測手段8及び制御手段9が存在する態様の場合において、この制御手段9に清水供給手段4から供給される清水の流量及び溢流水処理手段6の還流手段6bから還流される溢流水の流量の計測値を送信するものである。
【0054】
この流量計測手段7としては、例えば羽根車式,電磁式や超音波式等の流量センサー本体とこの流量センサーにより計測された計測値を電気信号に変換するアンプとから成る一般的に多用されている流量計測装置や、流量を測定することができる吸水ポンプを適宜採用することができる。
【0055】
そして、流量計測手段7が前記の如き流量計測装置である場合には、図示した如く清水供給手段4から洗浄脱水手段3の洗浄水吐出口3bへと至る流路中や、溢流水処理手段6の還流手段6bから沈降槽1へと至る流路中にこの流量計測装置の流量センサー本体をそれぞれ設置すればよく、この際に清水供給手段4から供給される清水の一部が補給水として直接沈降槽1へ供給されたり押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給されたり押水として直接還流樋3c内へ供給されたりする態様の場合や、溢流水処理手段6の還流手段6bにより沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が、図示した如く押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給されたり押水として直接還流樋3c内へ供給されたりする態様の場合には、それぞれの流路中に各々この流量計測装置の流量センサー本体を設置してもよいが、設置される流量計測装置の流量センサー本体の数が多くなったり、流量計測装置のアンプや後述する制御手段9における制御が複雑化してしまうから、図示した如く清水供給手段4や溢流水処理手段6の還流手段6bから各方面へと分岐する前までの流路中にこの流量計測装置の流量センサー本体を一つ設置することが望ましい。
【0056】
8は少なくとも沈降槽1内の微砂分の濃度と排水槽6a内の微砂分の濃度と溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上を計測しその計測値を送信する濃度計測手段であり、流量計測手段7や後述する制御手段9が存在する態様の場合において、この制御手段9に沈降槽1内の微砂分の濃度,溢流水処理手段6の排水槽6a内の微砂分の濃度,溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度,又はこれらの平均の微砂分の濃度の計測値を送信するものである。
【0057】
この濃度計測手段8としては、例えばレーザー式,透過光式や超音波式の濃度センサー本体とこの濁水濃度センサー本体により計測された計測値を電気信号に変換するアンプとから成る一般的に多用されている濃度計測装置が用いられ、この濃度計測手段8は、図示した如く沈降槽1内にその濁水濃度センサー本体が直接設置されていてもよく、また図示しないが溢流水処理手段6の排水槽6a内にその濁水濃度センサー本体が直接設置されていてもよく、更には溢流水回収手段5に直接設置されていても、溢流水回収手段5から排水槽6aに至る流路中に設置されていてもよく、そしてこの濃度計測手段8の計測箇所が2つ以上ある場合には、それらの測定値の平均値を後述する制御手段9に送信すればよい。
【0058】
9は本発明に係る分級機において設置されることが好ましい制御手段であって、流量計測手段7及び濃度計測手段8により送信されたそれぞれ計測値に基づいて沈降槽1に流入する清水流量と溢流水流量とを合わせた総流量が常に設定された略一定の流量となるような状態で清水流量と溢流水流量との比率を調整することによって沈降槽1の微砂分濃度が設定された範囲内となるように清水供給手段4及び還流手段6bを制御するものであり、前記の流量計測手段7及び濃度計測手段8と協働することによって、様々な性状の微砂分を含む砕砂原料に合わせて、沈降槽1に流入する水の総流量と沈降槽1の微砂分濃度とがそれぞれ常に一定の範囲内となるような好適な条件下に自動的に調整する役目を果たす。
【0059】
この制御手段9は、具体的には濃度計測手段8により計測された少なくとも沈降槽1内の微砂分の濃度と溢流水処理手段6の排水槽6a内の微砂分の濃度と溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上の微砂分の濃度が設定された範囲よりも高くなってしまった場合には、清水供給手段4により供給される清水の流量を増やすと共に、清水の流量を増えた分だけ溢流水処理手段6の還流手段6bにより還流される溢流水の流量を減らすように制御することにより、沈降槽1内の微砂分の濃度を低下させるように調整し、逆に濃度計測手段8により計測された少なくとも沈降槽1内の微砂分の濃度と溢流水処理手段6の排水槽6a内の微砂分の濃度と溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上の微砂分の濃度が設定された範囲よりも低くなってしまった場合には、溢流水処理手段6の還流手段6bにより還流される溢流水の流量を増やすと共に、溢流水の流量を増えた分だけ清水供給手段4により供給される清水の流量を減らすように制御することにより、沈降槽1内の微砂分の濃度を上昇させるように調整することによって、沈降槽1に流入する水の総流量と沈降槽1の微砂分濃度とがそれぞれ常に一定の範囲内となるように制御するものである。
【0060】
このように制御手段9が前記の如く沈降槽1に流入する水の総流量と沈降槽1の微砂分濃度とがそれぞれ常に一定の範囲内となるように制御する理由としては、例えば微砂分を含む砕砂原料としてその微砂分含有率や水分含有率等が安定していないものを連続的に投入すると、その微砂分含有率等の変化により沈降槽1の微砂分濃度が刻々と変わってきてしまい、そしてこの沈降槽1の微砂分濃度が設定された範囲より高くなってしまうと、沈降槽1内の濁水の粘性が高くなりその粒径が大凡0.075mm以下であるシルト,粘土等の微砂分よりもその粒径が大きい粒子、即ちその粒径が分級点よりも大きい粒子までもが沈降せずに浮遊した状態となってしまい、一方この沈降槽1の微砂分濃度が設定された範囲より低くなってしまうと、沈降槽1内の濁水の粘性が低くなりその粒径が分級点よりも小さい粒子までもが沈降し製品砂となる粒子と共に排出されてしまうからであり、このように制御手段9によって沈降槽1に流入する水の総流量と沈降槽1の微砂分濃度とがそれぞれ常に一定の範囲内である理想的な状態に制御することにより、仮りに投入される砕砂原料に微砂分含有率等の変化が起きたとしても、その粒径が分級点よりも小さい粒子は沈降槽1内に浮遊した状態で且つその粒径が分級点よりも大きい粒子は沈降槽1の底部へ沈降する状態を手動調整することなく常時自動的に得ることができる。
【0061】
この制御手段9としては、例えばシーケンサーやコンピューター等の制御機器が適宜使用される。
【0062】
そして、このような制御手段9等を備えている態様であって、清水供給手段4から供給される清水の一部及び/又は溢流水処理手段6の還流手段6bが沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給れる場合において、押水流量計測手段により計測した押水の流量と、濃度計測手段8により計測した原料投入口1a内を流入する押水の微砂分の濃度とを制御手段9に送信すれば、制御手段9には沈降槽1内の微砂分の濃度の計測値,排水槽6a内の微砂分の濃度の計測値や,溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度の計測値だけでなく、微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給される押水の微砂分の濃度の計測値及びこの押水の流量の計測値が送信されることにより、沈降槽1内へ投入される直前における微砂分を含む砕砂原料の粘土分含有率等の状態を把握することができるから、沈降槽1の微砂分濃度を更に容易に調整することができて好ましい。
【0063】
より詳しくは、清水供給手段4から供給される清水の一部及び/又は溢流水処理手段6の還流手段6bが沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給される場合には、沈降槽1内に投入される前に砕砂原料に付着した微砂分が押水と混合して濁水が生じるから、この濁水の微砂分の濃度及びこの押水の流量を計測することにより砕砂原料が沈降槽1内へ投入される直前の段階において砕砂原料の状態、即ち沈降槽1内に投入されようとする砕砂原料の微砂分含有量率を把握することが可能であるので、沈降槽1内の微砂分の濃度の計測値,排水槽6a内の微砂分の濃度の計測値や,溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度の計測値又はこれらの計測値の平均値を、この押水の微砂分の濃度の測定値及びこの押水の流量の測定値により補正することによって、より早い段階で沈降槽1に投入される砕砂原料の微砂分含有量率の変化を捕捉して沈降槽1の微砂分濃度を調整することができて好ましく、特に沈降槽1内に投入される砕砂原料が微砂分含有量率の非常に不安定なものであって連続的に沈降槽1内に投入される場合においてその微砂分含有量率の変化が激しいものであるときには、このようなこの押水の微砂分の濃度の測定値及びこの押水の流量の測定値による補正は非常に有効である。
【0064】
そして、このような押水流量計測手段により計測した押水の流量と、濃度計測手段8により計測した原料投入口1a内から流入する押水の微砂分の濃度とを制御手段9に送信する態様において、押水流量計測手段としては、清水供給手段4から供給される清水の一部及び溢流水処理手段6の還流手段6bが沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aより流入される場合に、清水供給手段4から供給される清水と溢流水処理手段6の還流手段6bから還流させる溢流水等の押水とが合流した後の原料投入口1aへ至る流路中を流れる押水の流量を計測するものであってもよいが、清水供給手段4から押水量と溢流水処理手段6の還流手段6bからの押水量とを個別に計測するものであると、清水供給手段4から供給される清水の一部又は溢流水処理手段6の還流手段6bが沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が押水として使用される場合に原料投入口1aより流入される押水の流量をより正確に計測することができて好ましい。
【0065】
次に、このような構成の本発明に係る分級機の動作や使用方法等について説明する。
本発明に係る分級機を稼働させると、搬出手段2が起動すると共に、洗浄脱水手段3の振動脱水篩3aが振動し、清水供給手段4による清水が供給されることにより、この清水が振動脱水篩3a上に搬出されてきた粒子の上方より洗浄水として洗浄水吐出口3bから散水されて振動脱水篩3aより落下してくる微砂分と共に洗浄脱水手段3の還流樋3cを介して沈降槽1に流入すると共に、この流入してくる洗浄水によって沈降槽1内の濁水が溢流水として溢流水回収手段5に回収されて溢流水処理手段6の排水槽6aへと流入して貯留され、更にはこの貯留された溢流水の一部が溢流水処理手段6の還流手段6bにより再び沈降槽1に還流されると共に排水槽6aに残留した溢流水は溢流水処理手段6の排水手段6cにより排水されるのである。
【0066】
この際、沈降槽1には、清水供給手段4により供給される清水が、洗浄水として洗浄脱水手段3の還流樋3cを介して次々と流入する以外にも、好ましくは補給水として直接沈降槽1に供給されたり、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給されたり、押水として直接還流樋3c内へ供給されたりすることにより次々と流入し、且つ溢流水処理手段6の還流手段6bにより還流される微砂分を含む溢流水が、直接沈降槽1内に次々と還流される以外にも、好ましくは押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給されることにより沈降槽1内へ還流させたり、押水として直接還流樋3c内へ供給することにより沈降槽1内へ還流させたりすることにより次々と流入するから、この次々と流入してくる清水と溢流水とによって沈降槽1内の濁水は次々と沈降槽1の上縁より溢流するので、沈降槽1内で常に一定の上昇流が発生するのである。
【0067】
このように常に一定の上昇流が発生した状態で、微砂分を含む砕砂原料が原料投入口1aより沈降槽1内へ投入されると、微砂分を含む砕砂原料のうちその粒径が大凡0.075mmを超える製品砂となる粒子は、この上昇流に抗して沈降槽1の底部へ沈降し、そして底部へ沈降した製品砂となる粒子は搬出手段2により洗浄脱水手段3の振動脱水篩3a上に搬出され、そして清水供給手段4から供給され洗浄脱水手段3の洗浄水吐出口3bより散水される洗浄水によって、付着した余分な微砂分が洗い流されると共に、振動脱水篩3aによって付与される振動により脱水され、最終的に振動脱水篩3aの振動により沈降槽1側と反対側へ移行して製品砂として排出されるのである。
【0068】
これに対し、その粒径が大凡0.075mm以下であるシルト,粘土等の不要な微砂分は、上昇流により沈降槽1内の濁水に浮遊した状態となり次々と流入してくる清水と溢流水とにより上方へ移行し、沈降槽1より溢流し、最終的には溢流水と共に溢流水回収手段5に回収されて溢流水処理手段6の排水槽6aへと流入し貯留される。
【0069】
そして、溢流水に浮遊した状態で溢流水処理手段6の排水槽6aに貯留された微砂分を含む濁水は、その一部が溢流水処理手段6の還流手段6bにより溢流水と共に再び沈降槽1へと還流され、沈降槽1で常に一定の上昇流を発生させるために再利用され、一方その残りは排水槽6aに残留した溢流水と共に排水手段6cによって排水処理設備へと排出されるのである。
【0070】
このように沈降槽1内で常に一定の上昇流を発生させるために必要な一定の流量の水の内、その一部を沈降槽1内へ還流される微砂分を含む溢流水で賄うことによって、従来の分級機と比較して沈降槽1内の微砂分濃度が高くなってしまうのであるが、最終的に排水手段6cによって排水処理設備へと排出される微砂分を含む溢流水は、その水量が格段に少ないと共に、その微砂分濃度も高濃度、即ち脱水処理等がし易い状態となっているので、排水処理設備を省スペース化できると共に排水処理設備を購入・維持・管理等するための経済的負担を格段に安価にすることができる。
【0071】
また、前記の如く従来の分級機と比較して沈降槽1内の微砂分濃度が高くなってしまうから、従来と比較して洗浄脱水手段3の振動脱水篩3a上に落下した製品砂となる粒子に多く微砂分が付着してしまうのであるが、洗浄脱水手段3の洗浄水吐出口3bより散水される洗浄水によって振動脱水篩3a上に落下した製品砂となる粒子に付着した余分な微砂分を洗い流すことができるので、砕砂原料から微砂分含有率が安定した製品砂となる粒子を生産できるのである。
【0072】
またこの際、清水供給手段4から供給される清水の流量及び還流手段6bから還流される溢流水の流量をそれぞれ計測し両計測値を送信する流量計測手段7と、少なくとも沈降槽1内の微砂分の濃度と排水槽6a内の微砂分の濃度と溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上を計測しその計測値を送信する濃度計測手段8と、流量計測手段7及び濃度計測手段8により送信されたそれぞれ計測値に基づいて沈降槽1に流入する清水流量と溢流水流量とを合わせた総流量が常に設定された略一定の流量となるような状態で清水流量と溢流水流量との比率を調整することによって沈降槽1の微砂分濃度が設定された範囲内となるように清水供給手段4及び還流手段6bを制御する制御手段9とを備えている態様では、この制御手段9によって、濃度計測手段8により計測された少なくとも沈降槽1内の微砂分の濃度と排水槽6a内の微砂分の濃度と溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上の微砂分の濃度が設定された範囲よりも高くなってしまった場合には、清水供給手段4により供給される清水の流量を増やすと共に、清水の流量を増えた分だけ還流手段6bにより還流される溢流水の流量を減らすように制御することにより、沈降槽1内の微砂分の濃度を低下させるように調整し、逆に濃度計測手段8により計測された少なくとも沈降槽1内の微砂分の濃度と排水槽6a内の微砂分の濃度と溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度との一つ以上の微砂分の濃度が設定された範囲よりも低くなってしまった場合には、還流手段6bにより還流される溢流水の流量を増やすと共に、溢流水の流量を増えた分だけ清水供給手段4により供給される清水の流量を減らすように制御することにより、沈降槽1内の微砂分の濃度を上昇させるように調整することによって、沈降槽1に流入する水の総流量と沈降槽1の微砂分濃度とがそれぞれ常に一定の範囲内となるように制御させればよい。
【0073】
このように制御手段9を備えている態様では、沈降槽1に流入する水の総流量と沈降槽1の微砂分濃度とがそれぞれ常に一定の範囲内となるような好適な条件下に自動的に調整することができるので、例えば微砂分を含む砕砂原料としてその微砂分含有率や水分含有率等が安定していないものを連続的に投入したとしても、常に砕砂原料から微砂分含有率が安定した製品砂となる粒子を簡単に生産できるので好ましいのである。
【0074】
そして、このような制御手段9を備えている態様であって、清水供給手段4から供給される清水の一部及び/又は溢流水処理手段6の還流手段6bが沈降槽1内へ還流させる溢流水の一部が、押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給される場合において、押水流量計測手段により計測した押水の流量と、濃度計測手段8により計測した原料投入口1a内を流入する押水の微砂分の濃度とを制御手段9に送信すれば、制御手段9には沈降槽1内の微砂分の濃度の計測値,排水槽6a内の微砂分の濃度の計測値や,溢流水回収手段5へ溢流してくる溢流水の微砂分の濃度の計測値だけでなく、微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aより流入される押水の微砂分の濃度の計測値及びこの押水の流量の計測値が送信されることにより、沈降槽1内へ投入される直前における微砂分を含む砕砂原料の粘土分含有率等の状態を把握することができるから、沈降槽1の微砂分濃度を更に正確に調整することができて好ましく、またこの押水流量計測手段が、清水供給手段4から押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給される清水の流量及び/又は溢流水処理手段6の還流手段6bから押水として微砂分を含む砕砂原料と共に原料投入口1aへ供給される沈降槽1内へ還流させる溢流水の流量を計測すれば、原料投入口1aより流入される押水の流量を容易に計測することができて好ましいのである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る分級機の構成の1例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1 沈降槽
1a 原料投入口
2 搬出手段
2a スパイラル体
2b バケット体
3 洗浄脱水手段
3a 振動脱水篩
3b 洗浄水吐出口
3c 還流樋
4 清水供給手段
5 溢流水回収手段
6 溢流水処理手段
6a 排水槽
6b 還流手段
6c 排水手段
7 流量計測手段
8 濃度計測手段
9 制御手段
【出願人】 【識別番号】391049264
【氏名又は名称】株式会社氣工社
【出願日】 平成18年10月30日(2006.10.30)
【代理人】 【識別番号】100070105
【弁理士】
【氏名又は名称】野間 忠之


【公開番号】 特開2008−110289(P2008−110289A)
【公開日】 平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願番号】 特願2006−294011(P2006−294011)