トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 湿式振動篩装置及び湿式振動篩方法
【発明者】 【氏名】馬場 隆太郎

【氏名】米津 雄一

【氏名】吉崎 耕大

【氏名】石窪 大輔

【要約】 【課題】分級対象物が湿潤物であっても、効率よく分級することが可能な湿式振動篩装置を提供する。

【解決手段】篩面34が形成されたスクリーン機構33を振動させて、投入された分級対象物Pを搬送しながら分級する湿式振動篩装置であって、スクリーン機構33に形成された分級孔の無い非分級搬送面3の上流側に設けられた堰1により分級対象物Pを滞留させて、滞留部分に解砕水を供給して分級対象物を解砕処理した後に第一の分級処理を行なうとともに、前記非分級搬送面3に対して分級対象物Pの搬送方向下流側から上流側への速度成分を持った分離作用水を供給して分級対象物Pを分離処理した後に第二の分級処理を行なう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
篩面が形成されたスクリーン機構と、前記スクリーン機構を振動させる加振機構とを備え、前記スクリーン機構に投入された分級対象物を搬送しながら分級する湿式振動篩装置であって、
前記スクリーン機構に分級孔の無い非分級搬送面が分級対象物の搬送方向下流側が下方に傾斜するように形成され、前記非分級搬送面に対して分級対象物の搬送方向下流側から上流側への速度成分を持った分離作用水を供給する分離作用水供給機構を備えている湿式振動篩装置。
【請求項2】
前記非分級搬送面の上流側に塊状の分級対象物を解砕処理する解砕手段を備えている請求項1記載の湿式振動篩装置。
【請求項3】
前記解砕手段は、分級対象物を滞留させる堰と、前記堰による分級対象物の滞留部に解砕水を供給する解砕水供給機構で構成されている請求項2記載の湿式振動篩装置。
【請求項4】
前記非分級搬送面と前記解砕手段との間に篩面が形成されている請求項2または3記載の湿式振動篩装置。
【請求項5】
分級対象物が焼却灰、または有害物等による汚染土壌である請求項1から4の何れかに記載の湿式振動篩装置。
【請求項6】
篩面が形成されたスクリーン機構を振動させて、投入された分級対象物を搬送しながら分級する湿式振動篩方法であって、
スクリーン機構に形成された分級孔の無い非分級搬送面の上流側で分級対象物を解砕処理した後に第一の分級処理を行なうとともに、前記非分級搬送面に対して分級対象物の搬送方向下流側から上流側への速度成分を持った分離作用水を供給して分級対象物を分離処理した後に第二の分級処理を行なう湿式振動篩方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、篩面が形成されたスクリーン機構と、前記スクリーン機構を振動させる加振機構とを備え、前記スクリーン機構に投入された分級対象物を搬送しながら分級する湿式振動篩装置及び湿式振動篩方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミ焼却炉から排出される焼却灰は、一般に最終処分場に埋立処分され、或いは、溶融炉において高温で溶融処理して化学的に安定したスラグに減容化して再利用されているが、近年、最終処分場の容量の飽和などの問題からセメント原料として再利用することが考えられている。
【0003】
焼却灰をセメント原料として再利用する際には、セメント原料中に一定以上の塩化物イオンが存在すると、鉄筋の不動態被膜を破壊して腐食が促進されるという問題や、予熱装置にて予熱処理した後にロータリーキルンなどで焼成する際に、焼却灰に含まれる塩素成分により装置が腐食するという問題があるため、焼却灰を水洗処理して塩素を除去する必要がある。
【0004】
一般的に粒径の小さな焼却灰ほど塩素含有量が多いため、大小様々な粒径の焼却灰を同時に洗浄処理すると、多量の洗浄水が必要となるばかりか塩素の除去率もさほど上がらず、洗浄効率が低下する。そのため、湿式振動篩装置を用いて焼却灰を分級した後に洗浄することにより洗浄効率を高める必要がある。
【0005】
一方、有害物で汚染された土壌の浄化処理においても、上述のように浄化対象土壌を分級した後に洗浄することにより洗浄効率を高めることができる。
【0006】
従来、汚染土壌の分級洗浄を行なうための湿式振動篩装置として、特許文献1には、スクリーン上に設けた堰止め板によりスクリーン上を移送されてきた土砂をいったん堰き止め、加振機構による振動の作用で水切りを行ない、堰止め板を乗り超える十分に水切りされた土砂に対して、攪拌羽根により解砕し、さらに高圧水を噴射することにより、汚染物質を細粒分とともに吹き飛ばして分離する技術が提案されていた。
【特許文献1】特開2004−141783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図6に示すように、分級対象物Pが湿潤物である場合には、分級対象物Pが篩34の網に付着して目詰まりを起こして分級することができないばかりでなく、粒径の大きな対象物に粒径の小さな対象物Pが付着し或いは粒径の小さな対象物同士が付着して塊状となり易く、本来篩分けされるべき小粒径の対象物が篩上に残存する傾向が強く、特に篩い分け粒度が2mm程度以下の細粒を分離する場合に、分級対象物に水分が含まれていると、たとえ分級対象物に散水しながら加振しても、条件によっては粒径の大きな対象物に粒径の小さな対象物が再付着する等の原因により効果的に分級できないという問題があった。
【0008】
本発明は上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、分級対象物が湿潤物であっても、効率よく分級することが可能な湿式振動篩装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明による湿式振動篩装置の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、篩面が形成されたスクリーン機構と、前記スクリーン機構を振動させる加振機構とを備え、前記スクリーン機構に投入された分級対象物を搬送しながら分級する湿式振動篩装置であって、前記スクリーン機構に分級孔の無い非分級搬送面が分級対象物の搬送方向下流側が下方に傾斜するように形成され、前記非分級搬送面に対して分級対象物の搬送方向下流側から上流側への速度成分を持った分離作用水を供給する分離作用水供給機構を備えている点にある。
【0010】
本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、非分級搬送面上で搬送される例えば粒径5mmから1mm以下の微粒径の粒子が混在する湿潤物に対して、傾斜面に沿って流下する水の流れに抗する速度成分をもった分離作用水が分離作用水供給機構から供給されるために、非分級搬送面上である程度の厚さの水の層が形成される。このような水の層に沈んだ部分の分級対象物は水により大径の粒子から小径の粒子が洗い落とされて、再付着することなく分離が進むようになる。このとき、分離作用水が塊状の分級対象物の搬送方向と逆方向に供給されるので、非分級搬送面上での分級対象物の滞留時間が長くなり、分離効果が高まるとともに洗浄効果も高まるのである。このようにして分離された分級対象物は非分級搬送面の下流側に配された篩面で効率的に分級されるようになる。
【0011】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記非分級搬送面の上流側に解砕手段を備えている点にある。
【0012】
上述の構成によれば、非分級搬送面で分級対象物が互いに分離処理される前に解砕手段により塊状の分級対象物が細かく解砕処理されるので、より効果的に分離処理されるようになる。
【0013】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、前記解砕手段は、分級対象物を滞留させる堰と、前記堰による分級対象物の滞留部に解砕水を供給する解砕水供給機構で構成されている点にある。
【0014】
振動により篩面で搬送される塊状の分級対象物が堰に当たるとその上流側に分級対象物が滞留する。このとき振動の効果により滞留部で分級対象物の循環現象が生じる。このような循環滞留現象により塊状の分級対象物は相互に摩擦されて徐々に解砕されて粒径が小さくなる。解砕水供給機構によりこのような滞留部に散水すると、散水の衝撃力が滞留している塊状の分級対象物に的確に与えられて効率的に解砕することができ、また、分級対象物と水の長い接触時間が確保されて効率的に洗浄されるようになるのである。また、堰の上流側での滞留量が増すと、解砕された分級対象物が堰を乗越えて下流側に搬送されるようになるが、堰から落下して篩面に衝突するときの衝撃力によりさらに解砕が進むようになる。このようにしてある程度解砕されて粒径が小さくなった分級対象物が第一特徴構成による非分級搬送面に搬送されることにより、さらに洗浄及び互いに付着した分級対象物の分離が進み、適切に分級されるようになるのである。
【0015】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第二または第三特徴構成に加えて、前記非分級搬送面と前記堰との間に篩面が形成されている点にある。
【0016】
上述の構成によれば、堰で解砕された小径の分級対象物が篩面により分級されるので、搬送途中で粒子同士の再付着を効果的に防止して、残余の塊状の分級対象物を下流側の非分級搬送面に搬送することができるようになる。
【0017】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、分級対象物が焼却灰、または有害物等による汚染土壌である点にあり、様々な粒径が混在する焼却灰、または有害物や鉱物油等による汚染土壌等の湿った状態で塊状となり実際の粒度で分級し難い湿潤物に対して、適切に分級することができるようになる。
【0018】
本発明による湿式振動篩方法の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、篩面が形成されたスクリーン機構を振動させて、投入された分級対象物を搬送しながら分級する湿式振動篩方法であって、スクリーン機構に形成された分級孔の無い非分級搬送面の上流側で分級対象物を解砕処理した後に第一の分級処理を行なうとともに、前記非分級搬送面に対して分級対象物の搬送方向下流側から上流側への速度成分を持った分離作用水を供給して分級対象物を分離処理した後に第二の分級処理を行なう点にある。
【発明の効果】
【0019】
以上説明した通り、本発明によれば、分級対象物が湿潤物であっても、効率よく分級することが可能な湿式振動篩装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、ゴミ焼却設備で生じた焼却灰を分級対象物とする本発明による湿式振動篩装置について説明する。
【0021】
焼却灰の処理設備は、図2に示すように、焼却炉から排出された焼却灰を未燃物や不適物を分離選別しながら洗浄する洗浄装置としてのジグ選別装置20と、洗浄された焼却灰から予め塩素含有率に基づいて複数段に設定された基準粒径に基づいて大から小なる順に焼却灰を分級する第一及び第二分級装置30,40と、各分級装置30,40の後段に設置され、残余の焼却灰を再洗浄する第一及び第二再洗浄装置50,60と、第二再洗浄装置60で再洗浄された焼却灰を脱水処理する第一脱水装置70等を備えて構成されている。
【0022】
前記ジグ選別装置20は、洗浄水が充填されたU字管で構成された洗浄槽21と、前記洗浄槽21に充填された洗浄水を脈動させる加振機構22と、前記洗浄槽21に投入された焼却灰から浮遊物を分離する浮遊物分離機構23と、最大基準粒径より大径の金属類やガラ類を除去する不適物除去機構24と、浮遊物及び不適物が除去され、底部に沈殿した焼却灰を洗浄水とともに後段の第一分級装置30に搬送するバケット式の搬送機構25と、前記搬送機構25による搬送処理で減量した洗浄水を前記洗浄槽21に補充する洗浄水補充機構26を備えて構成されている。
【0023】
前記加振機構22は、U字管の一端に配置され、モータと、前記モータに連結された回転盤と、前記回転盤にピストンを介して接続された水振板とで構成されている。前記モータの駆動により前記回転盤が回転することにより、前記ピストンを介して接続された前記水振板が上下することで前記洗浄槽21の一端の水面を上下させ、前記洗浄槽21の洗浄水を脈動させる。洗浄水の水面を脈動させることで、前記洗浄槽21に投入された浮遊物及び不適物を含む焼却灰を槽内で分散させて洗浄する洗浄工程を行いながら浮遊物及び不適物の除去を行う。
【0024】
前記搬送機構25は、側部に複数の小径の開口を形成したバケットが無限軌道に沿って複数並設されたバケットコンベア機構で構成され、前記洗浄槽21の底部に沈降堆積した焼却灰を洗浄水とともにバケットで掻き出して、前記第一分級装置30へ運搬する。
【0025】
前記第一分級装置30は、前記ジグ選別装置20で洗浄された10mmより小径の焼却灰を粒径2mm以上の粗粒灰と粒径2mm未満の第一微粒灰とに分級する。分級された粒径2mm以上の粗粒灰は第一散水装置35へ投入された後脱水処理されてセメント原料として回収され、粒径2mm未満の第一微粒灰は第一再洗浄装置50へ投入されて再度洗浄される。
【0026】
前記第一再洗浄装置50は、攪拌モータ50aを備えた攪拌装置50bと、洗浄された焼却灰をポンプ50cを介して第二分級装置40に搬送する処理水搬送管50dを備えて構成され、再洗浄された第一微粒灰は前記第二分級装置40によりさらに分級される。
【0027】
前記第二分級装置40は湿式サイクロンで構成され、粒径0.15mm〜2mmの第二微粒灰と粒径0.15mm未満の第三微粒灰に分級する。分級された第二微粒灰は、第二再洗浄装置60へ投入されて再度洗浄され、第三微粒灰はスラリー化装置へ投入され、さらに洗浄される。
【0028】
前記第二再洗浄装置60は、攪拌モータ60aを備えた攪拌装置60bと、再洗浄された焼却灰をポンプ60cを介して第一脱水装置70に搬送する処理水搬送管60dを備えて構成され、再洗浄された第二微粒灰は前記第一脱水装置70で脱水処理された後にセメント原料として回収される。
【0029】
前記第一脱水装置70で生じる濾液は、脱水濾液槽75に貯留され、一部が前記ジグ選別装置20の洗浄水を補充するために使用され、残液は水処理装置80へ送られて、適正に浄化処理された後に放流される。
【0030】
前記第一分級装置30は、本発明による湿式振動篩装置で構成されている。以下に詳述する。湿式振動篩装置30は、図1に示すように、機台31にバネ機構32を介して支持されたスクリーン機構33と、スクリーン機構33を図中一点鎖線で示す矢印の方向に加振する振動モータ38を備えて構成されている。
【0031】
前記スクリーン機構33は、2mmの分級孔(篩目)が形成された篩面34と、篩面34に分級対象物を投入する投入部35と、篩面34を通過した篩下産物(第一微粒灰)を回収する第一回収部36と、篩面34を通過しない大径の篩上産物(粗粒灰)を回収する第二回収部37を備えて構成され、篩面34の上部は粉塵の飛散を防止するカバー体39で覆われている。尚、分級孔(篩目)のサイズは分級対象物に応じて適宜適切なサイズに設定されるものである。
【0032】
前記投入部35から投入された分級対象物Pは、振動モータ38による加振力で振動する篩面34上で振動しながら第二回収部37に向けて分級されながら搬送される。
【0033】
前記スクリーン機構33の上流側には、投入された分級対象物を滞留させる堰1が設けられ、加振搬送される塊状の分級対象物Pがその上流側で循環滞留するように構成され、堰1による分級対象物の滞留部1aに解砕水を供給する解砕水供給機構としての第一給水機構2が設けられている。つまり、前記堰1と第一給水機構2により塊状の分級対象物Pを解砕処理する解砕手段が構成される。
【0034】
前記第一給水機構2は、滞留部1aの上部であって分級対象物Pの搬送方向に直交する方向に配され、当該直交方向沿って複数の噴射口が形成された給水管で構成されている。
【0035】
図3に示すように、前記滞留部1aでは、振動の効果により分級対象物Pの循環現象(図中、堰1の上流側に示した矢印のような方向に循環する)が生じる。このような循環滞留現象により塊状の分級対象物は相互に摩擦されて徐々に解砕されて粒径が小さくなり、このとき、前記第一給水機構2による散水の衝撃力が滞留している塊状の分級対象物Pに与えられて効率的に解砕される。このような解砕処理が滞留時間だけ継続し、分級対象物と水の長い接触時間が確保されて効率的に洗浄される。
【0036】
前記堰1の上流側での分級対象物Pの堆積量が増すと、解砕された分級対象物Pが堰1を乗越えて下流側に搬送されるようになり、堰1から落下して篩面34に衝突するときの衝撃力によりさらに解砕が進むようになる。
【0037】
滞留部1aで、ある程度小径に解砕された分級対象物Pは、前記堰1の下流側の篩面34で分級された後に分級孔の無い非分級搬送面3に搬送される。非分級搬送面3は薄肉のゴム板等の板状体で構成され、分級対象物Pの搬送方向下流側が下方に傾斜するように配置されている。
【0038】
前記非分級搬送面3に対して分級対象物Pの搬送方向下流側から上流側への速度成分を持った分離作用水を供給する分離作用水供給機構としての第二給水機構4が設けられている。前記第二給水機構4は、前記非分級搬送面3下流側上部であって分級対象物Pの搬送方向に直交する方向に配され、当該直交方向に沿って複数の噴射口が形成された給水管で構成されている。
【0039】
非分級搬送面3上で搬送される湿潤した分級対象物Pに対して、傾斜面に沿って流下する水の流れに抗する速度成分をもった分離作用水が第二給水機構4から供給されるために、非分級搬送面3上である程度の厚さの水の層が形成される。傾斜面の角度は散水された水が緩やかに搬送方向に流下し、その流速に抗して散水される水により上述の水の層が形成される程度の角度であればよい。
【0040】
このような水の層に沈んだ部分の分級対象物Pは水により大径の粒子から小径の粒子が洗い落とされて、再付着することなく分離が進むようになる。このとき、分離作用水が塊状の分級対象物の搬送方向と逆方向に供給されるので、非分級搬送面上での分級対象物の滞留時間が長くなり、分離効果が高まるとともに洗浄効果も高まる。このようにして分離された分級対象物は非分級搬送面の下流側に配された篩面34で効率的に分級される。
【0041】
上述の湿式振動篩装置により焼却灰を分級処理した結果を図4に示す。図中、黒菱形で示される特性は、複数の篩目の篩で水洗しながら順次分級して得られた分級処理前の粒度分布を示すもので、図中、白四角で示される特性は、上述の湿式振動篩装置から堰及び非分級搬送面を除去した装置で水噴霧しながら分級して得られた篩上産物の組成を示すものである。図から明らかなように、水噴霧のみでは、原灰の組成とほとんど変わらず分級されていないことが分かる。一方、図中、白三角で示される特性は、本発明による湿式振動篩装置で分級した篩上産物の組成を示すもので、明らかに2mmより小さい粒径の灰が効果的に分級されていることが分かる。
【0042】
つまり、篩面34が形成されたスクリーン機構33を振動させて、投入された分級対象物Pを搬送しながら分級する際に、スクリーン機構33に形成された分級孔の無い非分級搬送面3の上流側に設けられた堰1により分級対象物を滞留させて、滞留部分に解砕水を供給して分級対象物を解砕処理した後に第一の分級処理を行なうとともに、前記非分級搬送面3に対して分級対象物の搬送方向下流側から上流側への速度成分を持った分離作用水を供給して分級対象物を分離処理した後に第二の分級処理を行なうことにより、分級の困難な湿潤物であっても効果的に分級されるようになるのである。
【0043】
以下に本発明の別実施形態を説明する。上述した実施形態では、堰1をスクリーン機構の上流領域に一箇所設けたものを説明したが、堰1の数はこれに限るものではなく、複数段設けるものであってもよい。
【0044】
堰1の高さ及び幅は特に制限されるものではなく、分級対象物に応じて適宜設定すればよい。上述の実施形態では、堰1の篩面34に対する垂直方向の高さは約30mm、幅は約90mmである。
【0045】
また、分級対象物Pの搬送方向に沿って配置される非分級搬送面3の長さも特に制限されるものではなく、分級対象物に応じて適宜設定すればよい。
【0046】
第一給水機構及び第二給水機構により給水される水圧も特に制限されるものではないが、ある程度の加圧水を供給することにより効果的に解砕することができる。
【0047】
上述した実施形態では、解砕手段を、分級対象物を滞留させる堰と、前記堰による分級対象物の滞留部に解砕水を供給する解砕水供給機構で構成したものを説明したが、分級対象物を滞留させる堰のみで構成するものであってもよく、分級対象物によっては、ほぼ十分な解砕効果が得られる場合もある。
【0048】
また、解砕手段として、堰、或いは、堰と解砕水供給機構とで構成されるものに限らず、図6に示すように、篩面34上であって分級対象物Pの搬送方向と直交する方向に配置された回転軸5a周りに回転し、篩面34上で搬送される分級対象物Pを掻き上げて上方から落下させる回転羽根機構5により解砕手段を構成するものであってもよい。
【0049】
上述の実施形態では、分級対象物が焼却灰である例を説明したが、これに限るものではなく、有害物で汚染された土壌の浄化処理のために掘削されたような土砂等に対しても本発明による湿式振動篩装置を使用することができる。
【0050】
上述の実施形態で説明した各部の具体的構成は例示に過ぎず、本発明による作用効果を奏する範囲において、その形状、寸法、材料等は適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】(a)は本発明による湿式振動篩装置を正面から見た説明図、(b)は側面から見た説明図
【図2】本発明による湿式振動篩装置である第一分級装置が組み込まれた焼却灰の分級システムの説明図
【図3】本発明による湿式振動篩方法による分級プロセスの説明図
【図4】本発明による湿式振動篩装置の分級特性図
【図5】解砕機構の別実施形態を示す湿式振動篩装置を正面から見た説明図
【図6】従来の湿式振動篩方法による分級プロセスの説明図
【符号の説明】
【0052】
1:解砕機構(堰)
2:給水機構(第一給水機構)
3:非分級搬送面
4:給水機構(第二給水機構)
5:解砕機構(回転羽根機構)
30:湿式振動篩装置
33:スクリーン機構
34:篩面
36:第一回収部
37:第二回収部
38:振動モータ
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成18年10月30日(2006.10.30)
【代理人】 【識別番号】100107478
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 薫


【公開番号】 特開2008−110287(P2008−110287A)
【公開日】 平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願番号】 特願2006−293948(P2006−293948)