トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置
【発明者】 【氏名】瀧口 英樹

【氏名】門井 英一

【氏名】阿部 歩

【氏名】笹木 弘之

【氏名】広木 正志

【要約】 【課題】脱気水・不活性ガスの使用量を極めて少なくすることが可能な振動ふるい式樹脂洗浄装置を提供する。

【解決手段】外部から供給された洗浄前のイオン交換樹脂及び大気飽和水と、散水された洗浄水と、をふるいに掛けることにより、イオン交換樹脂から微細樹脂や破砕樹脂および樹脂表面に付着した不溶解性の金属等を分離して、洗浄を行うための振動ふるい式樹脂洗浄部を備える脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置であって、不活性ガスを供給するためのガス供給部を備え、振動ふるい式樹脂洗浄部を外気から密閉して収納するとともに、不活性ガスの供給により内部に脱酸素環境が生成されるオーバーパックと、イオン交換樹脂を洗浄するための洗浄水を散水する散水部と、散水後の洗浄水を回収処理する回収部と、散水部と回収部とを接続し洗浄水を循環する循環部とを備え、外気を遮断してオーバーパックと接続した洗浄水循環部とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給された洗浄前のイオン交換樹脂及び大気飽和水と、散水された洗浄水と、をふるいに掛けることにより、前記イオン交換樹脂から微細樹脂や破砕樹脂および樹脂表面に付着した不溶解性の金属等を分離して、洗浄を行うための振動ふるい式樹脂洗浄部を、備える脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置であって、
不活性ガスを供給するためのガス供給部を備え、前記振動ふるい式樹脂洗浄部を外気から密閉して収納するとともに、前記不活性ガスの供給により内部に脱酸素環境が生成されるオーバーパックと、
前記イオン交換樹脂を洗浄するための前記洗浄水を散水する散水部と、散水後の洗浄水を回収処理する回収部と、前記散水部と前記回収部とを接続し前記洗浄水を循環する循環部と、を備え、前記洗浄水を外気から遮断して前記オーバーパックと接続した洗浄水循環部と、
を備え、
前記振動ふるい式樹脂洗浄部を脱酸素環境下に密閉して収納するとともに、前記洗浄水の循環を脱酸素環境下で行うことにより、前記イオン交換樹脂の酸化劣化を抑制するとともに、脱酸素環境の実現に必要な不活性ガスの使用量を低減したことを特徴とする脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置。
【請求項2】
前記ガス供給部は、
前記不活性ガスを前記大気飽和水の供給量に応じて供給することを特徴とする請求項1に記載の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、振動ふるい式樹脂洗浄装置に関し、特に、オーバーパックを備えることにより脱酸素環境下での樹脂洗浄を可能とした脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉(BWR)冷却系統には、復水脱塩装置が、復水と給水の水質保全のために設けられている。水質保全の目的は、(a)復水と給水と原子炉を構成する材料の腐食作用及び化学的損傷を許容以内に保つ、特に、万一、復水器内で復水中に少量の海水が漏洩しても水質を維持する、(b)給水から流入する原子炉内の中性子照射領域で放射化される不溶解性の金属、例えば鉄等を最小限にする、ことにある。
【0003】
復水脱塩装置(Con−Demi)は、数基のイオン交換樹脂塔(陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の混合体)からなり、イオン交換樹脂による不純物の捕捉によって冷却系統水の不純物を排除することにより、復水脱塩塔出口で高純度の水質が得られている。(例えば、塩素イオンは0.01ppm以下、導電率は0.1μS/cm以下)
【0004】
復水脱塩装置に用いられるイオン交換樹脂は、継続的な使用により前記不純物を捕捉する性能が低下するため、定期的に洗浄を行う必要がある。一般的な樹脂の洗浄方法としては、空気によるスクラビングにより不溶解性不純物を剥離した後、大気飽和水を流してこれを除去する方法(これを逆洗という)がある。
【0005】
イオン交換樹脂の洗浄による腐食生成物(主に不溶解性の金属,鉄等)の除去が不十分である場合には、イオン交換樹脂に不溶解性の金属が蓄積し、脱塩塔装荷後の復水通水時におけるイオン交換樹脂による腐食生成物の吸着能力が低下し、給水の鉄濃度が上昇することとなる。したがって、頻繁な逆洗操作が必要となり、また、逆洗操作で除去できない不溶解性の金属等については薬品再生により除去する必要があり、多量の液体廃棄物が発生することとなる。
【0006】
また、逆洗による洗浄操作により破砕樹脂が発生するが、破砕樹脂は、原子炉内において構造材の腐食を助長する硫酸イオンを生成する源ともなるため、破砕樹脂を除去することが好ましい。
【0007】
破砕樹脂及び不溶解性の金属等の除去を可能とした洗浄装置には、振動ふるい式樹脂洗浄装置がある(例えば、特許文献1参照)。図2は、従来の振動ふるい式樹脂洗浄装置の概要を示す図である。振動ふるい式樹脂洗浄装置1は、イオン交換樹脂から微細樹脂や破砕樹脂および樹脂表面に付着した不溶解性の金属等を分離するための複数の振動ふるい1a、1bと、振動ふるい上部から洗浄水をスプレイする散水装置3aとを備えている。
【0008】
振動ふるい式樹脂洗浄装置によれば、ふるい(以下、スクリーンともいう)により破砕樹脂を除去することにより、硫酸イオンの生成源を除去することが可能となり、イオン交換樹脂の取替え頻度を低減することができ、コスト削減を実現できる。また、イオン交換樹脂表面の不溶解性の金属等の除去能力の向上により、原子炉へ流入する不溶解性の金属等の濃度が低下し、被ばく線源を低減することが可能となる。
【0009】
しかしながら、従来の振動ふるい式樹脂洗浄装置では、スクリーン上から樹脂を排出するため、付与される振動を阻害しないために樹脂投入部や各スクリーンからの排出部は固定せずに開放された形状となっている。このため、開放部(図中のA)から空気が洗浄装置内に流入し、樹脂が洗浄中に空気中の酸素と接触することにより酸化劣化を受ける。また、樹脂投入・洗浄時にスクリーン上部から散水されるスプレイ水には大気飽和水が用いられており、これによっても、樹脂は大気飽和水中の酸素と接触することにより酸化劣化を受ける。
【0010】
樹脂は、酸化劣化を受けると樹脂構造が脆くなり、洗浄後に復水脱塩装置に再装荷し通水を再開した後に、樹脂構造が物理的、あるいは、化学的に切断されて下流に流出し、炉内構造物の亀裂を発生させる要因となる炉水水質の低下を招くとともに、樹脂の溶解性不純物捕捉能力を低下させる。
【0011】
このため、樹脂洗浄時における酸化劣化を防止するために洗浄に水中の酸素を除去した水(脱気水)を用いたり、空気の替わりに不活性ガス等を用いる対策が立案されており、実験室における調査の結果から、その効果が認められている(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
脱気水は水中に不活性ガスを通気して、溶解する酸素を排除することによって生成されることから、樹脂洗浄時に樹脂の酸化劣化を抑制するには、不活性ガス等を洗浄装置内に連続供給し、装置内及び水中の酸素濃度を低減することが必要である
【特許文献1】特開平2−126977号公報
【特許文献2】特開平9−19683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、樹脂洗浄時における酸化劣化を防止するために洗浄に水中の酸素を除去した水(脱気水)を用いたり、空気の替わりに不活性ガス等を用いる対策を実発電所において適用する場合、極めて大量の脱気水や不活性ガス等が必要であるため、大規模な設備(大規模な脱気水を生成する設備、および、脱気水・不活性ガス貯槽が必要)が必要であり、また、運用費(脱気水生成費用、不活性ガス費用)が増加する。ゆえに、経済性の観点から適用が見送られており、実機に適用された例はまだない。
【0014】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、脱酸素環境下での樹脂洗浄を可能とした脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、外部から供給された洗浄前のイオン交換樹脂及び大気飽和水と、散水された洗浄水と、をふるいに掛けることにより、イオン交換樹脂から微細樹脂や破砕樹脂および樹脂表面に付着した不溶解性の金属等を分離して、洗浄を行うための振動ふるい式樹脂洗浄部を、備える脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置であって、不活性ガスを供給するためのガス供給部を備え、振動ふるい式樹脂洗浄部を外気から密閉して収納するとともに、不活性ガスの供給により内部に脱酸素環境が生成されるオーバーパックと、イオン交換樹脂を洗浄するための洗浄水を散水する散水部と、散水後の洗浄水を回収処理する回収部と、散水部と回収部とを接続し洗浄水を循環する循環部とを備え、洗浄水を外気から遮断してオーバーパックと接続した洗浄水循環部とを備え、振動ふるい式樹脂洗浄部を外気から密閉して収納するとともに、洗浄水の循環を脱酸素環境下で行うことにより、脱酸素環境の実現に必要な不活性ガスの使用量を低減したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置によれば、ほぼ閉サイクルの構成を有し、構造及び、脱酸素環境形成後に樹脂洗浄を開始し、脱酸素環境維持に必要な最小量の脱気水・不活性ガスを供給する運用を行えばよいため、大量の脱気水・不活性ガスの連続投入が不要となり、従来と比較して脱気水・不活性ガスの使用量が極めて少なくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態である脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置について、図を参照して詳細に説明をする。
【0018】
図1は、本実施形態の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置を示す図である。
【0019】
図に示すように、本実施形態の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置は、振動ふるい式樹脂洗浄部10と、破砕樹脂受タンク20と、洗浄水循環部30と、洗浄後樹脂受タンク40と、洗浄前樹脂タンク50と、洗浄後樹脂タンク60と、オーバーパック70とを備える。
【0020】
振動ふるい式樹脂洗浄部10は、目の大きさが相異なる第1のスクリーン10aと第2のスクリーン10bとを有し、第1のスクリーン10aと第2のスクリーン10bをモータ10cで駆動することにより、洗浄前樹脂タンク50から供給される粒子混合物のふるい分けを行う。第1のスクリーン10aは、粒子混合物内の健全樹脂と破砕樹脂等との分離を行うことが可能な目の大きさを有し、粒子混合物から健全樹脂を分離して、洗浄後樹脂受タンク40へ排出する。第2のスクリーン10bは、破砕樹脂とクラッドを含む廃液との分離を行うことが可能な目の大きさを有し、破砕樹脂を分離して破砕樹脂受タンク20へ排出する。
【0021】
破砕樹脂受タンク20は、後述するオーバーパック70により、破砕樹脂を外気から遮断した状態で振動ふるい式樹脂洗浄部10と接続し、振動ふるい式樹脂洗浄部10により分離され排出された破砕樹脂を貯蔵する。
【0022】
洗浄水循環部30は、振動ふるい式樹脂洗浄部10の第1のスクリーン10aの上部に備わり洗浄水をスプレイする散水部30aと、振動ふるい式樹脂洗浄部10の第2のスクリーン10bを通過した廃液を回収する廃液回収タンク30cと、散水部30aと廃液回収タンク30cとを接続し、不図示の循環ポンプにより洗浄水を循環する循環部30bとを有する。洗浄水循環部30は、後述するオーバーパック70により、循環する洗浄水を外気から遮断した状態で振動ふるい式樹脂洗浄部10と接続している。
【0023】
洗浄後樹脂受タンク40は、後述するオーバーパック70により、洗浄後の樹脂を外気から遮断した状態で振動ふるい式樹脂洗浄部10と接続し、振動ふるい式樹脂洗浄部10により分離され排出された健全樹脂を貯蔵する。
【0024】
洗浄前樹脂タンク50は、不図示の沸騰水型原子炉(BWR)冷却系統内の復水脱塩装置と接続し、復水脱塩装置から供給された洗浄前の樹脂と大気飽和水とを貯蔵する。また、洗浄前樹脂タンク50は、振動ふるい式樹脂洗浄部10と接続し、貯蔵された洗浄前の樹脂と大気飽和水Bとを、振動ふるい式樹脂洗浄部10の第1のスクリーン10aの上部に供給する。
【0025】
洗浄後樹脂タンク60は、洗浄後樹脂受タンク40と接続し、洗浄後の健全樹脂を貯蔵する。また、洗浄後樹脂タンク60は、不図示の沸騰水型原子炉(BWR)冷却系統内の復水脱塩装置と接続し、洗浄後の健全樹脂と大気飽和水Cとを、復水脱塩装置に供給する。
【0026】
オーバーパック70は、ステンレス製の筐体からなり、振動ふるい式樹脂洗浄部10を大気から密閉して格納することを可能としている。また、オーバーパック70の所定の位置には、振動ふるい式樹脂洗浄部10へと接続する破砕樹脂受タンク20、洗浄水循環部30、洗浄後樹脂受タンク40、及び、洗浄前樹脂タンク50からの各配管が貫通する貫通部が設けられている。この貫通部は外気が侵入しないように、溶接等より隙間が塞がれている。オーバーパック70は、不活性ガス供給部70aを備え、オーバーパック70内に窒素ガス等の不活性ガスを供給することにより、オーバーパック70内を脱酸素環境と
し、振動ふるい式樹脂洗浄部10、破砕樹脂受タンク20、洗浄水循環部30、及び、洗浄後樹脂受タンク40内の、イオン交換樹脂及び洗浄水を脱酸素環境下に置くことを可能としている。
【0027】
従来の振動ふるい式樹脂洗浄装置は、図2に示すように開放部(図中のA)から空気が流入し、脱酸素環境を作り出すことは非常に困難であったが、本実施形態では、オーバーパック70内に振動ふるい式樹脂洗浄部10を外気から密閉して収納することより、脱酸素環境を作り出すことを可能としている。
【0028】
次に、本実施形態の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置の実際の運用法について説明をする。運用の手順としては以下の通りである。
【0029】
まず、オーバーパック70内を脱酸素環境とするために、不活性ガス供給部70aからオーバーパック70内に窒素ガスを投入する。
【0030】
次に、洗浄水を脱気するため、洗浄水循環部30を動作させ、脱酸素環境下のオーバーパック70内を所定の時間、洗浄水を循環させることにより、洗浄水の脱気を行う。このとき、循環する洗浄水に溶解している酸素によりオーバーパック70内の酸素濃度が上昇するため、その分の不活性ガスを追加供給する。本実施形態によれば、洗浄水を脱酸素環境下でスプレイして循環することにより脱気を行うことが可能となり、特段の洗浄水の脱気設備が不要となっている。
【0031】
次に、振動ふるい式樹脂洗浄部10を動作させ樹脂の洗浄を行う。具体的には、振動ふるい式樹脂洗浄部10の第1のスクリーン10aの上部に、洗浄前樹脂タンク50から洗浄前樹脂と大気飽和水Bとを供給するとともに、洗浄水循環部30の散水部30aから洗浄水をスプレイし、第1のスクリーン10aと第2のスクリーン10bをモータ10cで駆動することにより樹脂の洗浄を行うとともに、健全樹脂の分離を行う。このとき、洗浄前樹脂とともに持ち込まれる大気飽和水Bの水中に溶解している酸素により、オーバーパック70内の酸素濃度が上昇するため、その分の不活性ガスを不活性ガス供給部70aから追加供給する。追加供給に必要な不活性ガスの量は、大気飽和水Bの水中に溶解している酸素量に応じて算出される。
【0032】
以上説明したように、本発明の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置によれば、閉サイクルに近い構成を有し、構造及び、脱酸素環境形成後に樹脂洗浄を開始し、脱酸素環境維持に必要な最小量の脱気水・不活性ガスを供給する運用を行えばよいため、大量の脱気水・不活性ガスの連続投入が不要となり、従来と比較して脱気水・不活性ガスの使用量が極めて少なくすることが可能となる。
【実施例】
【0033】
以下に、本発明の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置について実施例を示しより詳細に説明する。ただし、本発明の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置は以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
(不活性ガスの供給方法)
オーバーパック70内への大気の流入を完全に防止した状態であれば、大気飽和水Bが連続で供給された状態でも、次の量の不活性ガスをオーバーパック70内に連続供給することで、オーバーパック70内の酸素濃度の上昇を抑えることができる。
【0035】
【数1】




【0036】
ここで、VN2:不活性ガス供給量(m3/h),VO2:大気飽和水供給量(m3/h)、DO2:大気飽和水の水温に応じた酸素溶解度(cm3/m3),CO2:目標溶存酸素濃度(ppm)、32:酸素分子の重量(g/mol),Vg:装置内温度に応じた気体1molの体積(cm3/mol)である。
【0037】
(不活性ガス等使用量比較)
ここで、本実施例の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置(以下、実施例とする)と従来の振動ふるい式樹脂洗浄装置(以下、比較例とする)との不活性ガスの使用量について比較を行う。
【0038】
振動ふるい式樹脂洗浄部10をオーバーパック70に格納しない場合には、不活性ガスを供給しても振動ふるい式樹脂洗浄部10へ空気の流入があることから、振動ふるい式樹脂洗浄部10内は完全には脱酸素されない(理論上、窒素吹き込み量を無限大にしても達成できないため、本計算外とした。→∞m3/hrと記載した)。
【0039】
また、振動ふるい式樹脂洗浄部10から排出される廃液Cは大気飽和水になる。そのため、洗浄前樹脂の供給に伴い持ち込まれる大気飽和水Bに加え、洗浄水も大気飽和水となる。
【0040】
従って、脱気するための不活性ガス供給量は、装置に流入する全ての水量(大気飽和水Bと洗浄水)に併せる必要がある。
【0041】
<前提条件>
(1)洗浄前樹脂と共に持ち込まれる大気飽和水量を、実施例、比較例ともに1m3/hrとする。
(2)洗浄水の流量を、実施例、比較例ともに25m3/hrとする。
(3)実施例、比較例の装置の運転時間を4.5時間とする。
(4)洗浄に用いられる水の温度と振動ふるい式樹脂洗浄装置内部の温度を、実施例、比較例ともに40℃とする。
(5)実施例における脱気が必要な水は、洗浄水は循環により脱気されているため、洗浄前樹脂と共に持ち込まれる大気飽和水のみを脱気すればよく、大気飽和水のみを脱気するために必要な不活性ガスのみを供給するものとする。
(6)比較例における脱気が必要な水は、洗浄水が循環により脱気されないため、洗浄前樹脂と共に持ち込まれる大気飽和水と洗浄水の両方を脱気することが必要であり、大気飽和水と洗浄水の両方を脱気するために必要な不活性ガスを供給するものとする。
【0042】
<計算方法>
数式1により、実施例、比較例の不活性ガス使用量を算出する。
【0043】
実施例については、VO2:1m3、DO2:4500cm3/m3、CO2:1ppm、Vg:25700cm3/molとして算出した。その結果、VN2=4.6m3/hr,不活性ガス使用量=4.6m3/h×4.5h=20.7m3となった。
【0044】
比較例については、 VO2:26m3、DO2:4500cm3/m3、CO2:1ppm、Vg:25700cm3/molとして算出した。その結果、VN2=120m3/hr,不活性ガス使用量=120m3/h×4.5h=540m3となった。
【0045】
但し、数式1は、装置への空気流入がない若しくは極めて少ない場合に成り立つものであり、比較例では空気が流入するため使用量が増加(理論上は∞となる)する。
【0046】
上記結果をまとめたものが、以下の表1である。
【0047】
【表1】




【0048】
表1からわかるように、本実施例では、不活性ガスの使用量を著しく低減することが可能となる。また、不活性ガスの使用量を低減できることにより、本実施例では、窒素ボンベ4本(窒素封入量:7m3)あれば運用が可能となり、窒素ボンベ設置に必要な面積は、約2m2(0.5m2×4本)となる。よって、本実施例の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置は、設置面積に制約のある発電所に適した装置であるともいえる。
【0049】
一方、比較例では、窒素ボンベは(78+∞)本必要となり、また、窒素ボンベ設置に必要な面積は、約(39+∞)m2となり、実機に適用することは事実上不可能であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態の脱酸素環境型振動ふるい式樹脂洗浄装置を示す図である。
【図2】従来の振動ふるい式樹脂洗浄装置を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
10:振動ふるい式樹脂洗浄部
20:破砕樹脂受タンク
30:洗浄水循環部
40:洗浄後樹脂受タンク
50:洗浄前樹脂タンク
60:洗浄後樹脂タンク
70:オーバーパック
【出願人】 【識別番号】000230940
【氏名又は名称】日本原子力発電株式会社
【出願日】 平成18年10月2日(2006.10.2)
【代理人】 【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文

【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行

【識別番号】100126147
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 成年


【公開番号】 特開2008−86924(P2008−86924A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−271221(P2006−271221)