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汚染砂の洗浄方法 - 特開2008−86921 | j-tokkyo
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【発明の名称】 汚染砂の洗浄方法
【発明者】 【氏名】藤井 忠広

【要約】 【課題】公園や幼稚園等の砂場において動物の糞尿や雨水に同伴された土の微細粒子で汚染された砂の洗浄、ゴルフ場のバンカーや農業向けの砂地の砂の流動性の改善や特性の回復を目的とする汚染砂の洗浄方法を提供する。

【解決手段】汚染砂と希釈水を高速のスラリーとし、該高速のスラリーを急激に減速させることにより、汚染砂中の汚染物質を分離することを特徴とする汚染砂の洗浄方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染砂と希釈水を高速のスラリーとし、該高速のスラリーを急激に減速させることにより、汚染砂中の汚染物質を分離することを特徴とする汚染砂の洗浄方法。
【請求項2】
汚染砂の体積をS、汚染砂中の含有水の体積をG、希釈水の体積をKとするとき、スラリーの組成が、1.5≦(G+K)/S≦10を満足することを特徴とする請求項1記載の汚染砂の洗浄方法。
【請求項3】
高速スラリーの速度が1〜150m/秒であることを特徴とする請求項1又は2記載の汚染砂の洗浄方法。
【請求項4】
減速手段として、衝突板を有する減速器を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の汚染砂の洗浄方法。
【請求項5】
混合器、高速スラリー化装置、スラリー受槽、スラリー移送ポンプ、沈降分離槽、排出装置及び排水槽を有する機器一式を、全部または分割して台車に積載した汚染砂の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染砂から汚染物質を分離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公園や幼稚園の砂場、競馬場の砂場、ゴルフ場のバンカーなどの砂や海岸砂には、微細な異物粒子、動物の排泄物、枯葉などの汚染物質が混入して、時間の経過と共に汚染される。また、スイカや芋等の砂地畑では、農作物の根等の残渣や周囲の土壌から雨水とともに微細な異物粒子の流入による汚染、耕運機が作業することにより砂自体が微細化することにより、砂固有の保水性が大きくなりすぎて砂の通気性や流動性などの特性が悪化する。その結果、砂場が使用できなくなって、砂を全量入れ替える必要が生じたり、農作物の収穫量の減少や品質の低下を招く。
【0003】
従来、汚染砂の洗浄方法としては下記のような方法が知られている。
特許文献1には、加熱装置が内蔵された回転斜め円筒槽を用い、汚染砂を該円筒槽に吸引し、殺菌剤及び抗菌剤を混入して滅菌した後、加熱乾燥して砂を排出するという方法が記載されている。
【0004】
特許文献2には、スクリュー体を内蔵した円筒管に汚染砂洗浄液を圧入し、スクリュー体に沿って流動する際に生じる砂同士の摩擦による揉み洗い効果によって砂を洗浄するという方法が記載されている。
【0005】
しかしながら、上記のような方法は、洗浄のためにオゾン水などの薬剤を使用するために、残留オゾンによる毒性が不安であり、皮膚に直接触れる子供の砂場には適さないし、農業向け砂地の砂洗浄には使用することが出来ない。また、加熱装置や複雑な装置を必要とするという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−290324号公報
【特許文献2】特開2006−110502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、公園や幼稚園等の砂場において動物の糞尿や雨水に同伴された土の微細粒子で汚染された砂の洗浄、ゴルフ場のバンカーや農業向けの砂地の砂の流動性の改善や特性の回復を目的とする汚染砂の洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、人体や環境への影響を考慮し、洗浄媒体として水のみを使用して洗浄砂を得る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、汚染砂と希釈水を高速のスラリーとし、該高速のスラリーを急激に減速させることにより、汚染砂中の汚染物質を分離することを特徴とする汚染砂の洗浄方法である。
【0009】
以下、本発明につき詳細に説明する。
汚染砂は、砂、汚染物質及び含有水から構成されており、含有水の体積は僅かであるから、流動性がほとんど無い。
したがって、本発明においては、この汚染砂に希釈水を加え、汚染砂中の含有水と希釈水からなる混合水に汚染砂が分散したスラリーを作る。
【0010】
スラリーの組成は、汚染砂の体積をS、汚染砂中の含有水の体積をG、希釈水の体積をKとするとき、1.5≦(G+K)/S≦10を満足することが好ましい。
一般にGはSより小さく、汚染砂は流動性がないので、希釈水を加えて汚染砂に流動性を与えるのであるが、流動性を確保する上から、G+KはSの1.5倍以上であることが好ましく、また、水が多すぎると、スラリーを駆動するために過剰なエネルギーが必要となるので、G+KはSの10倍以下であることが好ましい。
【0011】
本発明においては、スラリーを高速化し、該高速のスラリーを急激に減速させて、汚染砂から汚染物質を剥離させる。
【0012】
高速のスラリーを得る手段は、例えば、水エジェクターを用いて、高圧水と土壌を混合する手段が挙げられる。また、高速のスラリーを急激に減速させる手段としては、例えば水エジェクターの場合であれば、水エジェクターの進行方向の正面に衝突板を設置してスラリーを減速した後、さらに、衝突板を有する減速器を用いることができる。減速器としては、水エジェクターから流入して来る少し減速したスラリーの全流体が衝突できる断面積を有する衝突円盤を内蔵した縦型円筒槽の減速器が好ましいが、これに限定されるものではなく、また、衝突円盤は1枚だけでなく複数枚あってもよい。
【0013】
縦型円筒槽の槽壁と衝突円盤の距離は、減速したスラリーがスムーズに流れることができる距離が必要である。該衝突円盤と円筒槽の槽壁との隙間におけるスラリーの通過速度は0.01m/秒以上であることが好ましい。
【0014】
本発明において、高速スラリーの速度は1〜150m/秒が好ましく、より好ましくは1〜50m/秒、さらに好ましくは5〜30m/秒である。高速スラリーの速度が上記の範囲であると、衝突板で減速させることにより、汚染物質を効率的に剥離することができる。
本発明においては、汚染砂から汚染物質を剥離した後、該汚染物質を砂から分離する。分離する方法は、特に限定されないが、例えば、沈降分離槽を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の方法は、洗浄媒体として水のみを使用するので、人手が触れるような幼稚園の砂場や畑の砂などの洗浄において薬害被害を発生させる心配がない。さらに、汚染物質の一つである微細粒子や植物の分泌物もほぼ確実に除去できるために、砂の流動性や通気性という砂固有の特性を回復することができる。
【0016】
また、設備自体も水流体の作用のみで操作するために、ポンプ以外の回転機器は不要であり、装置を個別に設置することも容易なので、地形の悪いゴルフ場のバンカーの洗浄にも適応しやすいというが特徴がある。さらに、従来行われていた、風力を利用して微粒子を分離する方法に比較してもコンパクトであるという特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施態様について、好ましい工程に分けて説明する。
(1)砂、汚染物質及び含有水からなる汚染砂に、希釈水を加えてスラリーを作るスラリー化工程。
【0018】
砂は、粒径が2mmから0.85mmの範囲の粗砂、0.85mmから0.25mmの範囲の中砂、0.25mmから0.075mmの範囲の細砂、0.075mmから0.005mmの範囲のシルト及び0.005mm以下の粘土で構成されている。この砂の粒子群のなかに汚染物質が存在しているが、一般には砂粒子間に固着したり、砂と単純に混在したり、砂表面に付着しているので、希釈水と汚染砂を強力に混合することにより、砂から汚染物質を効率的に剥離することができる。
【0019】
したがって、スラリーを作る場合、高圧力水化装置によって加圧した0.5〜30MPaの希釈水を混合器内に注入して負圧吸引力を発生させることにより、希釈水と吸引した汚染砂との混合を充分に行うことが好ましい。
【0020】
(2)スラリーを高速化して高速スラリーとする工程。
高速のスラリーを得る手段は、例えば、水エジェクターを用いることが好ましい。
(3)該高速スラリーの流動速度を減速器により急激に減速させる工程。
この工程により、汚染砂中の汚染物質を砂から効率的に剥離することができる。
【0021】
(4)砂から汚染物質が剥離されたスラリーを分離する工程。
分離手段としては、例えば、沈降分離槽を用いることができる。スラリーを沈降分離槽に供給することにより、洗浄砂は沈降分離槽の下部へ沈降して排出され、微細粒子や雑菌などの汚染物質が分散した混合水の大部分は沈降分離槽内を上昇して、沈降分離槽の上部から連続的に排出される。
【0022】
汚染物質が分散した混合水が沈降分離槽を上昇する条件として、その上昇速度を制御することにより、洗浄砂に同伴する微細粒子の含有量を制御することができる。
(5)汚染物質が分散した混合水から汚染物質を除去する工程。
除去する手段は、特に限定されず、公知の手段を採用することができる。汚染物質が除去された水は、循環、再使用することができる。
【0023】
本発明を実施するにあたり、上記の各工程に使用する機器一式を全部または分割して台車に積載し、移動可能な状態で使用することが経済効率を高め、かつ、便利な場合がある。
このような実施態様としては、混合器、高速スラリー化装置、スラリー受槽、スラリー移送ポンプ、沈降分離槽、排出装置及び排水槽を有する機器一式を、全部または分割して台車に積載した汚染砂の洗浄装置が、好ましい例として挙げられる。なお、台車には、上記の機器以外に、必要に応じて、本発明の方法を実施するために用いる公知の付属機器を積載できることは、言うまでもない。
【実施例】
【0024】
図1は、本発明の方法を用いた具体的なプロセスの一例を示す概略図である。
汚染砂1は、粒径2mm以下の粒子と含有水から構成されており、この汚染砂1に少量の加水3をして緩やかなペースト状に湿潤にした湿潤砂2を得る。次いで、横型円筒の形状の混合器5の一方の端部から0.5〜30Mpaの水圧を有する吸引水6を流入することにより混合器に発生する負圧吸引力を利用し、吸引管4を通して湿潤砂2を吸引する。
【0025】
湿潤砂2は、混合器5の内部で吸引水6との混合体を形成しながら混合器の他方の端部に衝突した後、衝突板を内蔵した減速器7を通過することにより、該混合体の速度エネルギーが減少し、減速したスラリー8となる。なお、加水3と吸引水6を合わせた水が希釈水で、この希釈水に汚染砂の含有水を加えた水を混合水と呼ぶ。
【0026】
スラリー8は、汚染砂が混合水中で砂を構成する粒子にバラバラに分散しており、汚染物質の微細粒子や雑菌類も同様に分散したスラリーとなっている。このスラリー8は、スラリー受槽9に収蔵され、同時にスラリー受槽9からスラリー移送ポンプ10で移送されて配管11の先端に設置されている沈降分離槽13に装着されている内筒12に流入する。
【0027】
内筒12は、流入するスラリーがスムーズに流入して沈降分離槽13の内部の流れを乱さないようにする機能を有している。したがって、沈降分離槽への流入速度が0.01〜1m/秒程度になるように、内筒12の横断面の相当直径を選定する。内筒12は垂直に設置するのが望ましく、沈降分離槽13での浸漬長さは、相当直径の1.5倍以上であることが望ましい。
【0028】
沈降分離槽13の形状は、円筒や角筒などの任意の形状の胴部とそれに接続する逆円錐や逆角錐などの底部から構成されており、前記内筒12は、この胴部の中心部分に設置されており、内筒12の入口は沈降分離槽13の液面より上に設けられている。
内筒12を通過したスラリー中の砂の大部分は、沈降して沈降分離槽の底部に蓄積し、排出装置14により排出されて洗浄砂15が得られる。
【0029】
一方、スラリーから分離された大部分の混合水には汚染物質が分散しており、混合水は上昇流となって沈降分離槽13の上部より流出して排水16となる。この上昇流には、汚染物質に該当する微細粒子も同伴させる必要があるので、上昇流の速度は、ストークス理論に基づいた速度になるように沈降分離槽13の横断面積を採用する必要がある。
【0030】
排水16には、汚染物質が分散しているので、排水槽17に貯蔵した後、排水ポンプ18を使用して次の処理設備に移送する。
吸引水6や加水3のための供給水23は、新水槽20で貯蔵し、圧力水ポンプ21及び加水ポンプ22で供給する。
【0031】
本発明の方法を用いて、農地において耕運機の使用により砂が微細化した汚染砂の洗浄を行ったところ、次のような結果を得た。
汚染砂1の処理量900リットル/hrの組成は、粒径20ミクロン以上の砂粒子500リットル/hr、20ミクロン以下の微粒子100リットル/hr、及び、含有水300リットル/hrであった。
【0032】
この汚染砂1に200リットル/hrの加水3を行い、湿潤砂2を作った。次いで、直径50mmで長さ1000mmの横型円筒状の混合器5の一方の端部から3Mpaの吸引水6を1300リットル/hr注入して混合器5の内部に負圧を発生させながら、混合器5に接続している吸引管4を通して湿潤砂2を吸引した。湿潤砂2と吸引水の混合体は、混合器5の他方の端面に衝突した後、直径200mmの円板を内蔵した直径300mmで長さ300mmの円筒状の減速器7を通過してスラリー8となる。
【0033】
このスラリー8を、1mのスラリー受槽9に貯槽し、スラリー移送ポンプ10を使用して移送し、50m離れた所に設置されている沈降分離槽13に内装されている内筒12へ供給した。内筒12は、直径100mmで浸漬長250mmである。
沈降分離槽13の形状は、直径600mmで長さ300mmの円筒の胴部と、直径600mmで高さ400mmの逆円錐の底部からなる円筒円錐槽である。
【0034】
内筒12を通過したスラリー中の砂の大部分は、沈降分離槽の底部に沈降し、スクリュウ型の排出装置で排出されて、洗浄砂が得られた。排出装置は、ロータリーバルブ方式でも良い。
この洗浄砂15の組成は、粒径20ミクロン以上の砂は490リットル/hr、粒径20ミクロン以下の微細粒子は16リットル/hr、及び、同伴水は300リットル/hrであった。
【0035】
一方、混合水の大部分は、上昇流となって沈降分離槽13の上端から溢流して排水16となった。排水16の組成は、粒径20ミクロン以上の砂は10リットル/hr、粒径20ミクロン以下の微細粒子は84リットル/hr、及び、同伴水は1500リットル/hrであった。
以上の結果、粒径20ミクロン以下の微細粒子の84%を除去することができた。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の方法を用いた具体的なプロセスの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0037】
1 汚染砂
2 湿潤砂
3 加水
4 吸引管
5 混合器
6 吸引水
7 減速器
【0038】
8 減速したスラリー
9 スラリー受槽
10 スラリー移送ポンプ
11 配管
12 内筒
13 沈降分離槽
14 排出装置
15 洗浄砂
【0039】
16 排水
17 排水槽
18 排水ポンプ
20 新水槽
21 圧力水ポンプ
22 加水ポンプ
23 供給水
【出願人】 【識別番号】506332546
【氏名又は名称】株式会社土壌環境プロセス研究所
【出願日】 平成18年10月2日(2006.10.2)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬

【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次

【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康


【公開番号】 特開2008−86921(P2008−86921A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−271062(P2006−271062)