トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離

【発明の名称】 土壌連続篩分方法
【発明者】 【氏名】藤井 忠広

【要約】 【課題】土壌からシルト及び/又は粘土を連続的に分離して篩分する方法を提供する。

【解決手段】土壌と希釈水を高速のスラリーとし、該高速のスラリーを急激に減速させることにより、土壌中のシルト及び/又は粘土を分離した後、篩分することを特徴とする土壌連続篩分方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌と希釈水を高速のスラリーとし、該高速のスラリーを急激に減速させることにより、土壌中のシルト及び/又は粘土を分離した後、篩分することを特徴とする土壌連続篩分方法。
【請求項2】
土壌の体積をS、土壌中の含有水の体積をG、希釈水の体積をKとするとき、スラリーの組成が、1.5≦(G+K)/S≦10を満足することを特徴とする請求項1記載の土壌連続篩分方法。
【請求項3】
高速スラリーの速度が1〜150m/秒であることを特徴とする請求項1又は2記載の土壌連続篩分方法。
【請求項4】
減速手段として、衝突板を有する減速器を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の土壌連続篩分方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌からシルト及び/又は粘土を連続的に分離して篩分する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、土壌を篩分して任意の粒子群を得るためには、土壌に加水した後、回転円筒型篩分機で篩分する方法が行われており、複数の粒子群を得る為には、多段の回転円筒型篩分機で篩分する。最後に排出される75ミクロン以下のシルトや粘土と呼ばれる微細粒子群は脱水性が悪いので、例えば、フィルタープレスを使用して脱水した後に廃棄している。
【0003】
別の方法(例えば、特許文献1)としては、複数の粒子群を得る為に、半回分式の分離槽を多段に配置して、土壌を最初の分離槽に投入した後、分離槽の下部から注入した水により比較的小さな粒径の粒子群を上昇させて次の分離槽に移送する。その際、大粒子群はその分離槽に沈降して蓄積する。次の分離槽でも同様の操作を行うことにより中粒子群が沈降して蓄積する。さらに、上昇流に同伴した小粒子群は、次の沈降分離槽で沈降して蓄積する。このようにして各分離槽の底部に、ある程度の粒子群が蓄積した後、各沈降分離槽の下部から蓄積物を間歇的に排出させて、それぞれ大粒子〜小粒子の粒子群を得る。
【0004】
しかしながら、上記の回転円筒型篩分機で篩分する方法では、粒子間の剥離が不十分なため、土壌中のシルトや粘土が粒子表面から十分に離脱せず、また、シルトや粘土が塊状物となって残る。従って、粒子群の篩分が不十分となり、得られる土壌の品質が低下して用途が制限され、建築資材等の付加価値のある用途に使用できないという問題がある。
【0005】
大粒子〜小粒子の各粒子群を分離する為には、回転円筒型篩分機の台数を増やす必要があるためコスト高になり、また、シルトや粘土が篩分機の網目に付着するので、連続運転に支障が発生するとともに、粒径が300から200ミクロン程度の粒子を分離することが困難である。
【0006】
さらに、篩分した後の水中に残る微細粒子群は、フィルタープレスを使用して脱水した後に廃棄しているが、脱水性能が悪いため高価なフィルタープレスを使用する必要があり、経済的に不利である。
【0007】
一方、半回分式の分離槽を用いて土壌から粒子群を分級する方法では、シルトや粘土を土壌中のシルトや粘土より大きい粒子から十分に剥離できず、また、シルトや粘土の塊は分散しないままでいることが多い。分級の精度は、分離槽における上昇流の速度分布の均一性により決定されるから、実際の装置では分級の精度を確保することが困難であり、また、回分操作のために装置が大型化してコスト高になるという問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開昭58−104644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、シルトや粘土を土壌中のシルトや粘土より大きい粒子からから十分に剥離し、分級精度の向上した土壌を取得するとともに、剥離したシルトや粘土を水に分散させて回収し、金網などへの目詰まりを防止することにより、長期連続運転が可能な土壌連続篩分方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、環境への影響を考慮して、水のみを媒体として土壌を高速のスラリーとし、該高速のスラリーを急激に減速させることにより、土壌中のシルト及び/又は粘土質をシルトや粘土より大きい粒子から効率的に分離し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、土壌と希釈水を高速のスラリーとし、該高速のスラリーを急激に減速させることにより、土壌中のシルト及び/又は粘土をシルトや粘土より大きい粒子から十分に分離し、該シルトや粘土をスラリーの水に分散した後、篩分することを特徴とする土壌連続篩分方法である。
【0012】
以下、本発明につき詳細に説明する。
土壌は、粒径が10cm程度の礫や岩石から粒径が75ミクロン以下のシルトや粒径が1ミクロン程度の粘土まで広範囲の粒子群と含有水から構成されているが、含有水の体積は粒子群の総体積の20から100%程度が普通であるため、土壌には流動性がほとんど無い。
【0013】
したがって、本発明においては、この土壌に希釈水を加え、土壌中の含有水と希釈水からなる混合水に土壌が分散したスラリーを作る。
スラリーの組成は、土壌の体積をS、土壌中の含有水の体積をG、希釈水の体積をKとするとき、1.5≦(G+K)/S≦10を満足することが好ましい。
【0014】
一般にGはSより小さく、土壌は流動性がないので、希釈水を加えて土壌に流動性を与えるのであるが、流動性を確保する上から、G+KはSの1.5倍以上であることが好ましく、また、水が多すぎると、スラリーを駆動するために過剰なエネルギーが必要となるので、G+KはSの10倍以下であることが好ましい。
【0015】
本発明においては、スラリーを高速化し、該高速のスラリーを急激に減速させる。
高速のスラリーを得る手段は、例えば、水エジェクターを用いて、高圧水と土壌を混合する手段が挙げられる。また、高速のスラリーを急激に減速させる手段としては、例えば水エジェクターの場合であれば、水エジェクターの進行方向の正面に衝突板を設置してスラリーを減速した後、さらに、衝突板を有する減速器を用いることができる。減速器としては、水エジェクターから流入して来る少し減速したスラリーの全流体が衝突できる断面積を有する衝突円盤を内蔵した縦型円筒槽の減速器が好ましいが、これに限定されるものではなく、また、衝突円盤は1枚だけでなく複数枚あってもよい。
【0016】
縦型円筒槽の槽壁と衝突円盤の距離は、減速したスラリーがスムーズに流れることができる距離が必要である。該衝突円盤と円筒槽の槽壁との隙間におけるスラリーの通過速度は0.01m/秒以上であることが好ましい。
【0017】
本発明において、高速スラリーの速度は1〜150m/秒が好ましく、より好ましくは1〜50m/秒、さらに好ましくは5〜30m/秒である。土壌を構成するシルトや粘土は、シルトや粘土より大きい粒径の岩石に強固に付着している場合が多いため、分離することが困難であるが、高速スラリーの速度を上記の範囲として衝突板で減速させることにより、シルトや粘土を効率的に分離することができる。
【0018】
本発明においては、土壌中のシルト及び/又は粘土をシルトや粘土より大きい粒子から十分に分離した後、篩分する。
篩分する手段は特に限定されない。例えば、複数の土粒子群を同時に得るためには、各目開きの篩を用いて、所定の傾斜角度にし、且つ、篩分した粒子群の落下に適切な篩の積層間隔を保持しながら多段に篩を設置すればよい。傾斜角度は45度程度を採用することができるが、必要によっては振動発生装置で篩を振動させることにより、篩の傾斜角度を低減することもできる。
【0019】
本発明においては、さらに適切な手段あるいは工程を組み合わせることができる。例えば、微細な粒子群を効率的に回収するためには、連続沈降分離工程を組み合わせることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の土壌連続篩分方法は、水のみを媒体として土壌を高速スラリー化し、急激に減速させた後、任意の目開きの篩を通過させることにより、その目開きに対応した粒度分布の粒子群を得ることが出来ると同時に、その粒子群中のシルトや粘土などの微細粒子も分散し且つ分級した高品質の粒子群を得ることができる。
【0021】
更には、篩の金網などの目開き構造物へのシルトや粘土などの付着量が大幅に減少するので、目詰まりによる閉塞がなくなり、篩分作業の連続運転が出来る。また、必要に応じて、スラリーを連続沈降分離することにより微細な粒子群を回収できるので、従来、廃棄していた微粒子群も回収して再利用することができる。
【0022】
本発明の方法により得られる細砂などは、コンクリートの資材として十分に使用できる品質を有している。また、スラリーの媒体である水は循環使用することができるため、土壌の連続篩分操作において定常的に消費する水の量は、土壌の含有水と篩分後の粒子群に付着した水量との差であり、その水量は土壌の粒子量の数十%の程度であって、この補給水のみを必要とするにすぎず、水の消費が極めて少ないという特徴があり、環境にやさしい方法であるということができる。
さらにその結果として、装置の小型化が可能になり、運搬することも容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施態様について、好ましい工程に分けて説明する。
(1)岩石の粒子群と含有水からなる土壌に希釈水を加えて、その粒子群が含有水と希釈水からなる混合水に均一に分散したスラリーを作るスラリー化工程。
スラリー化工程にて、土壌と希釈水から均質なスラリーを作るために、水ジェットポンプと減速器を組み合わせて用いることが好ましい。水ジェットポンプを使用する場合には、スラリー中の粒子群の分散を高める為に、スラリーを高速流動させた後、急激に減速させる必要があるが、その高速流動したスラリーを単純に装置外に排出すると飛散などの問題が発生するので、そのスラリー流動速度を低減するための減速器をスラリー化工程の最後の部分に接続して操作することが望ましい。
【0024】
(2)スラリーを高速化して高速スラリーとする工程。
高速のスラリーを得る手段は、例えば、水エジェクターを用いることが好ましい。
(3)該高速スラリーの流動速度を減速器により急激に減速させる工程。
この工程により、土壌中のシルトや粘土をシルトや粘土より大きい粒子から効率的に分離することができる。
【0025】
(4)スラリーを篩で篩分する工程。
この工程により、該スラリーを連続して設置された篩にとおして目的とする粒径以上の大粒子群を得ると同時に、その篩を通過した小さな粒径の小粒子群と大方の混合水からなるスラリーが得られる。該スラリーが篩を通過するときに、シルトや粘土自体が混合水に分散しているので、一般的に見られるシルトや粘土の粘着性挙動が弱まり、篩の金網などの目開き構造物への粘着現象が激減するため、200ミクロン程度の目開きの篩でも容易に通過させることができ、その結果、長期連続運転が可能になる。
【0026】
(5)該篩を通過した粒子群を含むスラリーを、スラリー受槽に収納し、更に、該スラリーを、配管を通して沈降分離槽に連続注入する工程。
篩を通過した小粒子群と大方の混合水からなる該スラリーから小粒子群を分離・回収する必要があるが、その小粒子群を分離する沈降分離工程との位置関係の選択を容易にするためには、一旦スラリー受槽に収納した後、任意の場所の沈降分離工程まで配管移送することが望ましい。なお、スラリー受槽を使用しないでスラリーを直接次の沈降分離工程へ移送することは可能であるが、装置の配置高さが高くなるという問題がある。
【0027】
また、該沈降分離槽にスラリーを注入する際、沈降分離槽内でのスラリー流動をスムーズにするために沈降分離槽の横断面の中心部で液面から液中につながる円筒や角筒の構造物を設置して、スラリーをその中を通過させることにより、この構造物を出た後にスラリーから分離した大方の混合水が沈降分離槽を上昇する際の上昇流の流線を乱さないようにすることが望ましい。これにより小粒子群からの微細粒子の上昇を阻止できる。
【0028】
(6)スラリーを、沈降分離槽内で粒子群の大部分を沈降させ、該沈降分離槽の下部に接続した排出装置を通して排出して小粒子群として回収すると同時に、大方の混合水を上昇流として沈降分離槽の上部から連続して排出する工程。
上昇流の混合水には、同伴する微細粒子群が存在しており、その微細粒子群の量を削減する為には、上昇速度を小さくするような横断面形状を有する沈降分離槽が好ましい。沈降分離槽の横断面形状は円形や角型などが好ましく、また、縦断面形状は粒子の沈降と排出の容易な形状が好ましく、例えば、上部胴が円筒で底部は逆円錐や同様に角筒と逆角錐型が望ましい。
【0029】
(7)上記沈降分離槽の上部から排出した大部分の混合水からこの混合水に浮遊して同伴している微細土を除去する除去工程。
沈降分離槽の上部から排出した混合水は、排水槽に収納した後、スラリー工程の希釈水として循環使用することが経済的であり、環境にもやさしい。この混合水には、沈降分離槽を上昇するときに同伴した微細粒子が存在するが、この微細粒子が存在した状態で循環使用することが微細粒子の損失を阻止する点から特に望ましい。循環使用する場合、篩分操作により発生する不足水を追加する必要があるが、この循環使用のどこかに追加する水を注入すればよい。
【0030】
また、この循環使用する混合水中の微細粒子の量は、篩分処理対象の土壌に包含されて存在する量から規定されるが、その量が多いと、混合水の流動状態が悪化して、例えば、シャーベット状になってポンプなどでの移送が困難になるので、その場合にはその微細粒子群を運転操作や粒子回収率に支障のない程度まで除去することが望ましい。
【実施例】
【0031】
図1は、本発明の方法を用いた具体的なプロセスの一例を示す概略図である。
一般に、土壌は大小の岩石の粒子からなり、大粒子は礫と呼ばれるような粒子径が10cm以上の石塊から小粒子はコロイド状になる数ミクロン径の粒子までの広範囲の粒度分布をもつ粒子群で構成されている。
【0032】
本発明が対象とする土壌は、最大粒子径がおおよそ10cm程度までの粒子から構成される土壌である。土壌1は、流動性が無く、土壌1の粒子群の総体積の20〜100%程度の水を含有している。この土壌1に加水3して土壌に流動性を付与した後、混合器6に0.5〜30Mpaの吸引水5を注入して混合器6の内部に噴出させることにより、混合器6の内部に負圧吸引力を発生させる。
【0033】
この負圧吸引力により加水3された湿潤土壌2を吸引管4を通して吸い上げるか、又は、湿潤土壌2を上方から混合器6に流入させて、混合器6の内部で湿潤土壌2と吸引水5からスラリーを作る。この加水3と吸引水5の合計した水を希釈水と呼称し、この希釈水と土壌の含有水との合計した水を混合水と呼称する。
【0034】
このスラリーを混合器6の端面に高速で衝突させ、その高速で衝突したスラリーを次の減速器7の内部にある衝突板に衝突させながらスラリーの流動速度を減速させて、粒子群が混合水に均一に分散したスラリーとする。
【0035】
粒子群が混合水に均一に分散したスラリーを得るためには、混合水の水量は粒子群の総体積Sの数倍が必要であり、その水量は、一般に1.5〜10Sである。なお、この水量は、篩分する粒子群の目的とする品質に合わせて決定すればよく、多くの水量を使用するほど粒子群の篩分の精度が向上するが、同時に移送ネネルギーの損失も大きくなるという問題がある。
【0036】
このスラリーでは、粒径が100〜200ミクロン以上の粒子の表面に付着していたシルトや粘土などの微細粒子が剥離すると同時に、シルトや粘土自体が集合して形成した塊りも水に分散された状態になっているので、全ての粒子は岩石と同様の挙動を示すようになり、粘着性が大幅に減少する。
【0037】
このスラリーを、例えば、平板状の篩8を通過させることにより篩分された大粒子群10が得られる。用いられる篩8の網目寸法は、目標とする粒子径に対応する寸法とすればよい。スラリー中では、土壌の粘着性が減少しているので、篩分によって微細粒子の付着が少ない粒子群が得られるとともに、従来問題であった篩の網目への付着も大幅に減少し、篩分操作の連続長時間運転が可能になった。
【0038】
更には、網目を多段に設定することにより、同時に数種類の粒子群に篩分することができる。篩8を通過したスラリー11にはまだ小粒子群が存在しており、スラリー受槽12に収納してスラリー移送ポンプ13で移送する。
【0039】
このスラリー受槽12を設けることにより、土壌連続篩分装置の高さを低くすることができると同時に、次の沈降分離工程の配置を容易にすることが可能である。即ち、沈降分離工程が50〜100m離れた場所に設置されている場合でも、沈降分離槽15の運転が可能である。
【0040】
スラリー移送ポンプ13は、水中型スラリーポンプ又は槽外に独立したスラリーポンプでもよい。移送されたスラリーは、沈降分離槽15の中心部に装着されている内筒14に連続して注入される。この内筒の横断面形状は、円形または角型など、任意の形状でよく、縦断面形状も筒状であればよい。
【0041】
内筒14は、スラリーが沈降分離槽15内で拡散して流れが乱れないようにする機能を有している。内筒の横断面積は、スラリーの通過速度が0.01〜1m/秒になるように設定すればよいが、この範囲に限定されるものではない。内筒の長さは、内筒の相当直径の1.5倍以上にすることが望ましい。
【0042】
小粒子群は自重により沈降分離槽15の下部に沈降するので、沈降分離槽に接続されている排出装置16により連続して排出することにより小粒子群17を得ることができる。この小粒子群の同伴水量は、含有水よりは多目の水量になっている。排出装置16としては、スクリュウ型押出機やロータリーバルブ等を用いることができる。
【0043】
ここで得られる小粒子群17の同伴水には、シルトや粘土などの微細粒子が包含されているが、それらの微細粒子の大部分はこの小粒子群とともに回収することができる。また、本発明においては、小粒子群の保水性が小さいことが特徴であり、排出後、直ちに移送することが容易にできるので、工業的に価値が高い。
【0044】
一方、スラリーの混合水の大部分は、沈降分離槽15を上昇して槽の上部から排出される。沈降分離槽15の形状は、縦型円筒槽、胴部が縦型円筒槽で底部が逆円錐槽、胴部が角型槽で底部が逆角錐槽などの任意の形状でよい。上昇流に同伴する微細粒子の粒径を20ミクロン程度以下にするためには、ストークスの理論から求められる上昇流速度になるように沈降分離槽15の横断面積を設定すると同時に、内筒14の下部開口より上の縦長さを、上昇流の流線がなめらかになるように設定することが好ましい。
【0045】
内筒14の下部開口より上の縦長さは、沈降分離槽の横断面の相当直径の0.5倍以上であることが望ましい。即ち、内筒14の下部開口部と沈降分離槽の排出口との垂直距離は、沈降分離槽の横断面の相当直径の0.5倍以上であることが望ましい。
【0046】
この沈降分離槽15の上部からの排出水は、大部分の混合水の上昇流に同伴した微細粒子で濁ってはいるが、水が流動していれば沈降しない程度の濁りであり、その微細粒子の粒径を10〜30ミクロン以下になるようにしておけば微細粒子の沈降が防止され、排出水の取り扱いが容易になる。
【0047】
排出水18は、排水槽19に貯蔵した後、圧力水ポンプ20により吸引水5として循環利用することができると同時に、加水3として使用することができる。
【0048】
水は、篩分した大粒子群10や沈降分離して排出した小粒子群17に同伴してプロセス系外に流出し、土壌1の含有水との差分だけ減少するので、その補充水として新水22を排水槽19に供給するが、新水を補充する場所は排水槽に限定するものではない。微細粒子が多いと排出水の粘度が大きくなり、流動抵抗が増大して駆動エネルギーの損失になるので、フイルターで微細粒子の一部を除去することが望ましい。
【0049】
本発明の土壌連続篩分方法を用いて、産業廃棄土壌を処理した結果を下記に示す。
土壌の処理速度は、粒子群の総体積が500リットル/hr、その含有水が300リットル/hrであった。また、その土壌の粒子群の粒度分布は表1の通りであった。
【表1】


【0050】
この土壌(粒子群の総体積500リットル/hr、含有水300リットル/hr)に、加水300リットル/hrを混入して流動化させた後、直径50mm、長さ1500mmの横型円筒槽の混合器を用い、3Mpaの1400リットル/hrの吸引水を混合器の一方の端部より注入して発生させた負圧吸引力により、該流動化した湿潤土壌を吸引して混合器内部で混合流体を形成した。
【0051】
この混合流体を、混合器の他方の端部に衝突させた後、直径200mmの衝突円盤を内蔵した直径300mmの縦型円筒槽の減速器を通しながら混合流体の流動速度を減速させ、スラリーを得た。
得られたスラリーを、仰角45度に設置した金属金網の篩(250ミクロン目開き、1平方メートル面積)を通過させることにより篩分した。篩で分離された大粒子群および篩を通過した小粒子群の内容は表2の通りである。
【表2】


【0052】
即ち、篩で分離した粒子群は309リットル/hrであり、100〜4.75mmの粒子群は85リットル/hr、4.75〜0.25mmの粒子群は202リットルL/hr、0.25mm以下の粒子群は22リットル/hrであった。これらの同伴水は175リットル/hrであった。
【0053】
一方、篩を通過したスラリー中の粒子群は191リットル/hrであり、100〜4.75mmの粒子群は0リットル/hr、4.75〜0.25mmの粒子群は23リットル/hrそして0.25mm以下の粒子群は168リットル/hrであった。このスラリー中の水は1825リットル/hrであった。
この篩分操作において、篩の金網の連続運転に支障をきたす目詰まり現象は発生しなかった。
【0054】
このスラリーを1mのスラリー貯槽に貯蔵しつつ、水中スラリーポンプで191リットル/hrの粒子群と1825リットル/hrのスラリーを10m移送し、内筒を通して沈降分離槽に注入した。なお、該沈降分離槽は、直径600mm、高さ300mmの円筒とその下部に高さ400mmの逆円錐体を接続した構造であり、また、該内筒は、直径100mm、浸漬長250mmで、該沈降分離槽の横断面の中心部で且つ沈降分離槽の上端より高いところに挿入されている。
【0055】
沈降分離槽の下部に沈降した粒子群はスクリュウ型押出機で排出され、該粒子群は191リットル/hr(100〜4.75mmの粒子群は0リットル/hr、4.75〜0.25mmの粒子群は23リットル/hr、0.25mm以下の粒子群は168リットル/hr)であり、粒子群の同伴水は184リットル/hrであった。
【0056】
スラリー中の大部分の混合水は上昇流として沈降分離槽の上部から排出するが、この排出水は1641リットル/hrであった。この排出水を2.4mの排水槽に貯槽した後、不足する水59リットル/hrを追加しながら希釈水として循環再使用した。
以上の結果、産業廃棄土壌を篩分して2種類の粒子群として回収し、それぞれを建築資材として利用することができた。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の方法を用いた具体的なプロセスの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0058】
1 土壌
2 湿潤土壌
3 加水
4 吸引管
5 吸引水
6 混合器
7 減速器
【0059】
8 篩
10 大粒子群
11 スラリー
12 スラリー受槽
13 移送ポンプ
14 内筒
15 沈降分離槽
【0060】
16 排出装置
17 小粒子群
18 排出水
19 排水槽
20 圧力水ポンプ
21 加水ポンプ
【出願人】 【識別番号】506332546
【氏名又は名称】株式会社土壌環境プロセス研究所
【出願日】 平成18年10月2日(2006.10.2)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬

【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次

【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康


【公開番号】 特開2008−86912(P2008−86912A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−270674(P2006−270674)