トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理

【発明の名称】 被粉砕物の粉砕装置
【発明者】 【氏名】徳井 博樹

【氏名】國奥 秀雄

【要約】 【課題】粉砕効率の向上を図ると共に粉砕処理量を増やす。

【構成】供給部5から投入室3内に被粉砕物が供給される投入部1と、粉砕室2a内に回転する粉砕刃11と固定刃とによって投入室3から投入される被粉砕物を粉砕する粉砕部2とからなり、投入室3内には駆動モータ9によって回転駆動するスクリューコンベア4を配置してあり、スクリューコンベア4が回転軸14と、第1及び第2のスクリュー部7,8とを設けてあり、第1のスクリュー部7と第2のスクリュー部8とは回転軸14の中央部を境として上記回転軸の外周に両軸端に向けて逆向きに取り付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被粉砕物を投入するための投入部と、この投入部の下部に接続されておりかつ、粉砕室内に回転する粉砕刃と固定刃とによって被粉砕物を粉砕する粉砕部とからなり、
上記投入部は、投入室と、この投入室内に配置されている強制投入部と、上記投入室に通じている被粉砕物の供給部とを備えており、
上記投入室は、上記供給部に接続されている開口部を設けてあり、上記粉砕室に通じている出口通路を設けてあり、
上記強制投入部は、駆動手段によって回転駆動するスクリューコンベアから構成されており、
上記スクリューコンベアは、回転軸と、この回転軸に取り付けてあって上記被粉砕物を互いに対向する方向に移送するための第1及び第2のスクリュー部とを設けてある
ことを特徴とする被粉砕物の粉砕装置。
【請求項2】
第1のスクリュー部と第2のスクリュー部とは、回転軸の中央部を境として上記回転軸の外周に両軸端に向けて逆向きに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の被粉砕物の粉砕装置。
【請求項3】
供給部は投入室上に設けられていると共に内部に分配部を設けてあり、この分配部が被粉砕物を上記投入室内の第1のスクリュー部側及び第2のスクリュー部側にそれぞれ分配可能であることを特徴とする請求項2記載の被粉砕物の粉砕装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、廃タイヤのタイヤ片、プラスチック片などの被粉砕物を粉砕するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、他の者との共同で特開2003−220347号公報に記載のタイヤ粉砕装置を提案した。
当該タイヤ粉砕装置は、タイヤのゴム片を微小片に粉砕するものであって、公報図1〜図4及び段落0019〜段落0027に示すように回転刃部と、固定刃と、スクリーンとを備えている。上記回転刃部は複数の回転板を同心状に積層して構成され、各回転板の外周上には回転板の回転軸と平行な刃先を有するバイトが装着されている。上記固定刃は、その刃先が直線形状からなり、上記バイトの刃先の回転軌跡に対して所定の間隔を置いて、入口ケースと出口ケースとの水平合わせ面の間に、上記回転軸を対称として2個設置されている。上記スクリーンは上記回転刃部の下方に半円形状に成形され、所定のサイズ貫通穴を一面に配列され、所定サイズ以下の粉砕片だけが下方に通過される。公報図4及び段落0028に示すように上記回転刃部は入口ケースと出口ケースに収納されている。この入口ケースの上部にはタイヤのゴム片を投入するホッパーが連結されている。上記出口ケースの下部は粉砕片を収集し搬出する基台に連結されている。
タイヤのゴム片の粉砕は、まずホッパー内に投入されたゴム片が入口ケースに落下して入口通路を経て回転刃部に至り、次いで回転刃部の回転及び入口通路の案内によって固定刃に近づき、やがて回転刃部の刃先と固定刃とによって粉砕され、所定サイズの粉砕片のみ回転刃部の下方に位置しているスクリーンの貫通穴を通過して出口ケースから搬出口へ搬出される。
【特許文献1】特開2003−220347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人は従来例を実施してその成果を得ているものの、さらなる改善点を見出したので、これを以下に説明する。
従来例の粉砕機構をモデル化した概略構成図が図4である。
図示する粉砕機構において、入口ケース115内に落下したゴム片110は回転軸114の回転によって連続回転する回転刃部の回転板111の刃先112aと固定刃112とによって粉砕されるが、粉砕時における落下したゴム片の動きを観察すると次のとおりである。すなわち、
入口ケース115内において、回転板111の回転方向(図では反時計方向)によって、その一側(図左側)では刃先112aが降下する方向(固定刃112に接近する方向)に移動するために落下したゴム片110は矢印P2の方向へ押し込まれ、他側(図右側)では刃先が上昇する方向(入口ケースの中央部の方向)に移動するためにゴム片は矢印P1の方向へ押し上げられることが判明した。
入口ケース115内の中央及び図4右側に位置しているゴム片110は、刃先112aの押上げ作用によって図示するように回転板111の上方部分が疎の状態となり、粉砕力が不安定かつ減少し、粉砕効率が低下すると共に粉砕量の減少をもたらす。このような問題は、回転刃部の刃先112aの周速度が0.5m/sec以上で顕著であった。
この発明の目的は、粉砕効率の向上を図ると共に粉砕処理量を増やすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の第1の特徴は、被粉砕物を供給するための投入部と、この投入部の下部に接続されておりかつ、粉砕室内に回転する粉砕刃と固定刃とによって被粉砕物を粉砕する粉砕部とからなり、上記投入部が投入室と、この投入室内に配置されている強制投入部と、上記投入室に通じている被粉砕物の供給部とを備えており、上記投入室には上記供給部に接続されている開口部を設けてあり、上記粉砕室に通じている出口通路を設けてあり、上記強制投入部が駆動手段によって回転駆動するスクリューコンベアから構成されており、上記スクリューコンベアが回転軸と、この回転軸に取り付けてあって上記被粉砕物を互いに対向する方向に移送するための第1及び第2のスクリュー部とを設けてあることにある。
この発明の第2の特徴は、上記第1の特徴を備え、第1のスクリュー部と第2のスクリュー部とが回転軸の中央部を境として上記回転軸の外周に両軸端に向けて逆向きに取り付けられていることにある。
この発明の第3の特徴は、上記第2の特徴を備え、供給部が投入室上に設けられていると共に内部に分配部を設けてあり、この分配部が被粉砕物を上記投入室内の第1のスクリュー部側及び第2のスクリュー部側にそれぞれ分配可能であることにある。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、第1及び第2のスクリュー部を備えているスクリューコンベアによって被粉砕物を粉砕部に強制的に投入することができるので、粉砕部における粉砕力の不安定の問題が解消されると共に粉砕効率の向上を図ることができ、粉砕処理量を増すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の実施の一形態について図1〜図3を参照して説明する。
図1及び図2に示す被粉砕物の粉砕装置は、被粉砕物Mを投入するための投入部1と、この投入部の下部に接続されておりかつ、被粉砕物を粉砕する粉砕部2とからなる。
【0007】
投入部1は、図1及び図2に示すように投入室3と、この投入室内に配置してある強制投入部であるスクリューコンベア4と、上記投入室上に設けてある被粉砕物の供給部5とを備えている。
【0008】
投入室3は、その上側の開口部3aが供給部5に接続されており、またその下側の出口通路3bが粉砕部2内に通じている。
【0009】
スクリューコンベア4は、図1及び図2に示すように投入室3内において、このスクリューコンベアを回転駆動させるための駆動手段である駆動モータ9の駆動に伴って回転駆動可能である。
スクリューコンベア4は、回転軸6と、被粉砕物M(図3)を互いに対向する方向に移送するための第1のスクリュー部である左スクリュー部7及び第2のスクリュー部である右スクリュー部8とからなる。
回転軸6は、投入室3の側壁に回転可能に支持されており、一端側(図1左端側)が駆動モータ9の駆動軸に接続されている。回転軸6の外周には、この回転軸の中央部分を境として、左右両側にそれぞれ互いに逆向きの左スクリュー部7と右スクリュー部8とが設けられている。左スクリュー部7と右スクリュー部8とは、対向する端部が回転軸6の中央部分で隣接されている。左スクリュー部7及び右スクリュー部8の対向端部の位置が投入室3の中央部分の位置に対応している。このため、左スクリュー部7と右スクリュー部8との逆向きの回転によって、投入室3の被粉砕物Mは図1の水平矢印方向に移送されて、投入室3の中央部分に集合され、そこで下方に強制的に押し出される。
【0010】
投入室3内には開口部3aを通じて供給部5から被粉砕物Mが供給される。
供給部5は図1及び図2に示すようにホッパーから構成されており、その下端の開口部が投入室3の上側の開口部3aに連結されている。供給部5内の下端の開口部側に断面三角形状の分配部10を設けてある。分配部10は、供給部5内の被粉砕物Mを図1左右に分配して、投入室3内の左スクリュー部7側及び右スクリュー部8側にそれぞれ案内するものである。
【0011】
被粉砕物の粉砕部2の本体は、前記した従来例のタイヤ粉砕機のそれと実質的に同様の構成である。
粉砕部2は、図1〜図3に示すように本体の側壁に支持され、駆動モータ(図示せず。)によって回転する回転軸14、この回転軸に取り付けられ回転刃部の本体を形成している粉砕刃11、粉砕室2aにおいて互いに対向して配置されている固定刃12及び粉砕室の底部に配置している断面半円形状のスクリーン13を備えている。
粉砕刃11は回転軸14の回転に伴って回転し、固定刃12と協同して粉砕室2a内へその上側の出口通路3bから投入される被粉砕物Mを粉砕可能である。粉砕された粉砕片うち、所定サイズの粉砕片Gはスクリーン13に設けてある貫通孔13aを通過して粉砕室2aの下方の排出口から外に搬送される。
【0012】
被粉砕物Mの粉砕処理方法について説明する。
図1に示すように、供給部5内に供給された被粉砕物Mは、分配部10によって左右両側に分配されて、投入室3の上側の開口部3aから左スクリュー部7側及び右スクリュー部8側にそれぞれ供給される。それぞれの被粉砕物Mは、左右逆向きに配置されている左スクリュー部7及び右スクリュー部8の回転によって、互いに対向する方向(図1水平矢印の方向)に移送され、やがて投入室3の中央部分に集積され、下方(図垂直矢印の方向)に押し出され、出口通路3bから粉砕室2a内に強制的に投入される。
粉砕室2a内に投入された被粉砕物Mは、回転する粉砕刃11の刃先11aと固定刃12とによって粉砕される。粉砕された粉砕片のうち、所定サイズの粉砕片Gはスクリーン13の貫通孔13aを通過して粉砕室2a外に排出され、通過できない粉砕片は再び粉砕処理される。
【0013】
粉砕室2a内における被粉砕物Mの粉砕時の動きについて説明すると、スクリューコンベア4の作用によって、被粉砕物Mは図3に示すように粉砕室2aの左右全幅に亘って矢印Pの方向に強制投入されるので、粉砕室2aの右側において矢印P1の方向すなわち上昇する力が作用しても、この上昇する力を越える上記矢印P方向の押圧作用によって粉砕室内の被粉砕物Mの密度が粗にならない。このため、常に図3に示すように被粉砕物Mと接触する位置にある粉砕刃11は密の状態にある被粉砕物を破砕するので、安定かつ効率の良い粉砕処理が可能となる。
【0014】
図1に示すように、スクリューコンベア4における左スクリュー部7と右スクリュー部8との対向端部を隣接して配置することにより、投入室3の中央部への被粉砕物Mの集積及び粉砕室2aへの強制投入が円滑となる。
被粉砕物Mの供給方向は図1では上方からであったが、側方であっても良い。
図示するように、供給部5を投入部1上に設けると共に、その内部の分配部10によって被粉砕物Mを分配して第1のスクリュー部7側及び第2のスクリュー部8側にそれぞれ案内することによって、スクリューコンベア4に強制投入作業が円滑に行える利点がある。もちろん、分配部10は供給部5に必ずしも設けなくても良い。
【0015】
粉砕部2の構成は図示のものに限定されない。
被粉砕物には廃タイヤのタイヤ片の他に、例えばプラスチック片、廃材木のチップなどが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の被粉砕物の粉砕装置を示す一部切欠正面図である。
【図2】この発明の被粉砕物の粉砕装置を示す一部切欠側面図である。
【図3】粉砕部を示す拡大側面図である。
【図4】従来例の粉砕機構をモデル化した概略構成図である。
【符号の説明】
【0017】
1 投入部
2 粉砕部
2a 粉砕室
3 投入室
3a 開口部
3b 出口通路
4 スクリューコンベア
5 供給部
6 回転軸
7 左スクリュー部(第1のスクリュー部)
8 右スクリュー部(第2のスクリュー部)
9 駆動モータ(駆動手段)
10 分配部
11 粉砕刃
12 固定刃
14 回転軸
G 粉砕片
M 被粉砕物
【出願人】 【識別番号】000182476
【氏名又は名称】寿産業株式会社
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】100086254
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 進


【公開番号】 特開2008−36599(P2008−36599A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−217867(P2006−217867)