トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理

【発明の名称】 セラミックライナ、セラミックライナの取付構造、及びセラミックライナの取付方法
【発明者】 【氏名】田中 秀明

【氏名】藤野 正利

【要約】 【課題】高温雰囲気下における外部からの衝撃に対して良好な耐摩耗性と耐熱性とを兼ね備えたセラミックライナとその取付構造を提供する。

【構成】セラミックライナ1は、金属板4と、この金属板4をボルト留めする箇所を除いて配され、溶接用孔部6内に設けられた溶接部材を介して金属板4に溶接されたセラミックチップ3aと、金属板4をボルト留めする箇所に装着可能であり、ボルト頭部10aを収容可能にする段差部11と溶接用孔部12内に設けられる溶接部材を介して金属板4に溶接可能な非段差部13とを有するボルト被覆用セラミックチップ3bとを備える。このようなセラミックライナ1を取付箇所に取り付ける場合には、取付箇所にボルト留めした箇所に、ボルト被覆用セラミックチップ3bを段差部11にボルト頭部10aを収容するように取り付け、非段差部13をその溶接用孔部12内に設けられる溶接部材を介して金属板4に溶接する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板と、この金属板をボルト留めする箇所を除いて配され、溶接用孔部が形成されてこの溶接用孔部内に設けられた溶接部材を介して前記金属板に溶接されたセラミックチップと、前記金属板をボルト留めする箇所に装着可能であり、ボルト頭部を収容可能にする段差部と溶接用孔部が形成されてこの溶接用孔部内に設けられる溶接部材を介して前記金属板に溶接可能な非段差部とを有するボルト被覆用セラミックチップとを備えることを特徴とするセラミックライナ。
【請求項2】
前記溶接用孔部に挿着可能なセラミックキャップを更に備えることを特徴とする請求項1記載のセラミックライナ。
【請求項3】
前記金属板と前記セラミックチップ及び前記ボルト被覆用セラミックチップとの間に緩衝材が配されることを特徴とする請求項1記載のセラミックライナ。
【請求項4】
金属板と、この金属板をボルト留めする箇所を除いて配され、溶接用孔部が形成されてこの溶接用孔部内に設けられた溶接部材を介して前記金属板に溶接されたセラミックチップとを有するセラミックライナが、取付箇所に対して前記ボルト留めする箇所でボルト留めされ、このボルト留めされた箇所に、ボルト頭部を収容可能にする段差部と溶接用孔部が形成された非段差部とを有するボルト被覆用セラミックチップが前記ボルト頭部を前記段差部に収容するように取り付けられると共に前記非段差部が前記溶接用孔部内に設けられる溶接部材を介して前記金属板に溶接されていることを特徴とするセラミックライナの取付構造。
【請求項5】
前記溶接用孔部は、セラミックキャップで閉塞されていることを特徴とする請求項4記載のセラミックライナの取付構造。
【請求項6】
前記金属板と前記セラミックチップ及び前記ボルト被覆用セラミックチップとの間に緩衝材が配されていることを特徴とする請求項4記載のセラミックライナの取付構造。
【請求項7】
金属板と、この金属板をボルト留めする箇所を除いて配され、溶接用孔部が形成されてこの溶接用孔部内に設けられた溶接部材を介して前記金属板に溶接されたセラミックチップとを有するセラミックライナを予め形成し、このセラミックライナを取付箇所に対して前記ボルト留めする箇所でボルト留めし、このボルト留めした箇所にボルト頭部を収容する段差部と溶接用孔部が形成された非段差部とを有するボルト被覆用セラミックチップを前記ボルト頭部を前記段差部に収容するように取り付け、前記非段差部をその溶接用孔部内に設けられる溶接部材を介して前記金属板に溶接することを特徴とするセラミックライナの取付方法。
【請求項8】
前記非段差部をその溶接用孔部内に設けられる溶接部材を介して前記金属板に溶接した後、前記非段差部の溶接用孔部をセラミックキャップで閉塞することを特徴とする請求項7記載のセラミックライナの取付方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、原料を粉砕ローラによって粉砕する竪型ミルの偏流板などに取り付けられるセラミックライナ、セラミックライナの取付構造、及びセラミックライナの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭を粉砕して微粉炭を形成し、この微粉炭を石炭焚ボイラへ燃料として供給する竪型ミルは、図7及び図8に示されるような構成を有している。この竪型ミル101は、筒状のケーシング102の下部に図示しない電動機により減速機103を介して略鉛直な軸線の回りに回転駆動されるテーブル104が配置され、このテーブル104の上方には、テーブルの軸線と略同軸上に延設されて被粉砕物をテーブル中央付近に落下させる供給管105が設けられている。
【0003】
また、テーブル104の上方には、周方向の3箇所で120度の間隔をあけて粉砕装置106が設けられている。この粉砕装置106は、ケーシング102に軸支された水平軸107を中心に回転可能に設けられたブラケット108と、このブラケット108から水平軸に対して略垂直方向に延びるローラ軸109を中心に回転自在に取り付けられた粉砕ローラ110と、流体圧を利用してブラケット108を押圧し、粉砕ローラ110を回転しているテーブル104に押し付けるブランジャ111を備えた圧下機構112とを有している。
【0004】
したがって、供給管105から投入された石炭等の被粉砕物は、テーブル104の中心付近に落下し、遠心力によってテーブル104の周縁方向に移動し、テーブル104と粉砕ローラ110との間に噛み込まれ、粉砕されることとなる。
【0005】
テーブル104の周囲には、搬送用空気を上方へ向けて吹き上げるための吹出口113が設けられ、被粉砕物を粉砕して生成される粉砕物は、テーブル104が回転することによって得られる遠心力によりテーブル104の径方向外側へ移送され、吹出口113から吹出される搬送用空気によって吹き上げられる。
【0006】
ケース内の上部には、分級器114が配設されている。この分級器114は、供給管105の周囲に配された逆円錐状のコーン部115と、このコーン部115内の供給管105の周囲を駆動用モータ116によってベルト117を介して回転駆動する分級羽根118とを有しており、吹出口113から吹出される搬送用空気によって吹き上げられた粉砕物は、コーン部115の上部に形成された導入口119からコーン部115内に導入され、分級羽根118によって粒径の小さい微紛と粒径の大きい粗粉とに分級され、粗粒はコーン部115の下部からテーブル104上に落下して再び粉砕され、微紛はコーン部115の上方に設けられた排出管120を介して排出され、石炭焚ボイラへ送られる。
【0007】
このような竪型ミル101にあっては、テーブル104の周囲の粉砕ローラ110間に、周方向の3箇所で120度の間隔をあけて偏流板121がケーシング102の内壁面に固定されている。この偏流板121は、吹出口113と対峙する部分に設けられ、吹出口113から吹き上げる搬送用空気の流れを偏向して、粉砕炭を慣性分級し、粗粉をテーブル中央部に戻して再粉砕させる機能を有する。
【0008】
ところで、このような竪型ミル101などに用いられる上述した偏流板121は、図9においても示されるように、複数のセラミックライナ(P−1乃至P−16)122が表面に取り付けられ、それぞれのセラミックライナ122は、図10で示すセラミックライナ(P−10に相当するセラミックライナ)で代表されるように、金属板123と、この金属板123をボルト留めする箇所を除いて配された複数のセラミックピース124と、金属板123とセラミックピース124との間に介在される緩衝材125とを有して構成されている。より具体的には、図11に示されるように、セラミックライナ122は、SS400等の圧延鋼材からなる金属板123に対してネオプレンゴムからなる緩衝材125を介して複数のセラミックチップ124を熱加硫(焼付け)にて圧着して構成され、ボルト留めする箇所(セラミックチップが設けられていない箇所)にあっては、偏流板121の母材126に対してボルト127留めした後に、このボルト止めした箇所のボルト頭部127aの周囲に充填材128を注入すると共にセラミックカバー129を生ゴム130を介して被覆接着させ、ボルト頭部127aを保護するようにしていた。
【0009】
尚、従来においては、金属ライナも多用されており、金属ライナやその取付構造としては、特許文献1又は2に記載されたものなどが公知となっている。
【0010】
【特許文献1】特開平5−319483号公報
【特許文献1】特開2004−76032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した図11で示されるセラミックライナの取付構造にあっては、次のような問題が懸念されている。即ち、竪型ミルの偏流板は、前述したごとく、粉砕ローラ間に配されてテーブル104周囲の吹出口113から吹き出る搬送用空気の流れを偏向させるものであるが、吹き上げられた空気に混在する粉砕炭が偏流板121の表面に勢いよく当たるため、セラミックライナ122を固定しているボルト部分を覆うセラミックカバー129が生ゴム130で接着されているだけであると、粉砕炭の衝突による衝撃によって脱落し、表出したボルト頭部127aが摩耗・破損してボルト127が脱落し、引いてはセラミックライナ122が脱落する不都合がある。このため、ボルト127を覆う箇所の強度(耐摩耗性)を十分に高める必要がある。
【0012】
また、吹出口113から吹き出る搬送用空気は300℃以上と高温になるため、上述した構成においては、セラミックカバー128を接着している生ゴム129の接着機能が喪失し、セラミックカバー128が脱落することで同様の事象が生じる不都合もある。このため、ボルト取付箇所の被覆構造は耐熱性も十分に備える必要がある。
【0013】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、高温雰囲気下における外部からの衝撃に対して良好な耐摩耗性と耐熱性とを兼ね備えたセラミックライナ、セラミックライナの取付構造、及びセラミックライナの取付方法を提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を達成するために、本発明にかかるセラミックライナは、金属板と、この金属板をボルト留めする箇所を除いて配され、溶接用孔部が形成されてこの溶接用孔部内に設けられた溶接部材を介して前記金属板に溶接されたセラミックチップと、前記金属板をボルト留めする箇所に装着可能であり、ボルト頭部を収容可能にする段差部と溶接用孔部が形成されてこの溶接用孔部内に設けられる溶接部材を介して前記金属板に溶接可能な非段差部とを有するボルト被覆用セラミックチップとを備えることを特徴としている(請求項1)。
【0015】
したがって、このようなセラミックライナを用いれば、従来のようにセラミックチップを熱加硫(焼付け)にて圧着させるのではなく、金属板に溶接にて固定するので、強固な組み付け状態が得られ、また、ボルト留めした箇所をボルト頭部を収容する段差部と金属板に溶接可能な非段差部とを有するセラミックチップで被覆するので、ボルト頭部の被覆構造が強固になると共にセラミックチップが熱によって脱落することもなくなる。
【0016】
よって、このようなセラミックライナの取付構造は、金属板と、この金属板をボルト留めする箇所を除いて配され、溶接用孔部が形成されてこの溶接用孔部内に設けられた溶接部材を介して前記金属板に溶接されたセラミックチップとを有するセラミックライナが、取付箇所に対して前記ボルト留めする箇所でボルト留めされ、このボルト留めされた箇所に、ボルト頭部を収容可能にする段差部と溶接用孔部が形成された非段差部とを有するボルト被覆用セラミックチップが前記ボルト頭部を前記段差部に収容するように取り付けられると共に前記非段差部が前記溶接用孔部内に設けられる溶接部材を介して金属板に溶接されたものとなる(請求項4)。
【0017】
ここで、溶接用孔部は、溶接箇所を保護するために、セラミックキャップで閉塞することが好ましい(請求項2,5)。また、セラミックチップの溶接時にセラミックチップが破損しないように金属板とセラミックチップ及び前記ボルト被覆用セラミックチップとの間に緩衝材を配設することが好ましい(請求項3,6)。
【0018】
上述のセラミックライナの取付方法としては金属板と、この金属板をボルト留めする箇所を除いて配され、溶接用孔部が形成されてこの溶接用孔部内に設けられた溶接部材を介して前記金属板に溶接されたセラミックチップとを有するセラミックライナを予め形成し、このセラミックライナを取付箇所に対して前記ボルト留めする箇所でボルト留めし、このボルト留めした箇所にボルト頭部を収容する段差部と溶接用孔部が形成された非段差部とを有するボルト被覆用セラミックチップを前記ボルト頭部を前記段差部に収容するように取り付け、前記非段差部をその溶接用孔部内に設けられる溶接部材を介して前記金属板に溶接するとよい(請求項7)。そして、前記非段差部を溶接部材を介して金属板に溶接した後、非段差部の溶接用孔部をセラミックキャップで閉塞するとよい(請求項8)。
【0019】
したがって、金属板にボルト留めする箇所を除いて複数のセラミックチップを予め工場等で溶接しておき、このセラミックライナを搬送して取付箇所にボルト留めし、このボルト留めした箇所に段差部が形成されたセラミックチップをボルト頭部が段差部に収容されるように取り付け、非段差部の溶接用孔部を溶接部材を介して金属板に溶接し、しかる後に非段差部の溶接用孔部をセラミックキャップで閉塞させれば取付箇所に耐摩耗、耐熱性を備えたセラミックライナを取り付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように、この発明によれば、高温雰囲気下における外部からの衝撃に対して良好な耐摩耗性と耐熱性とが得られるセラミックライナ、セラミックライナの取付構造、及びセラミックライナの取付方法を提供することが可能となり、特に、セラミックライナを取付箇所に固定するボルトを覆うセラミックチップの強度(耐摩耗性)を十分に高めることができると共に耐熱性を十分に備えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1に本発明に係るセラミックライナ1が取り付けられる竪型ミルの偏流板2の構成例が示されている。この偏流板2は、図8で示す竪型ミル101のテーブル104周囲の粉砕ローラ110間に、周方向の3箇所で120度の間隔をあけてケース102の内壁面に固定されているもので、吹出口113と対峙する部分に設けられ、吹出口113から吹き上げる搬送用空気の流れを偏向して、粉砕炭を慣性分級し、粗粉をテーブル中央部に戻して再粉砕させるためのものである。
【0023】
偏流板2の外表面に取り付けられる複数のセラミックライナ1は、この例においては、正面の外壁面に上段、中段、下段に分けて設けられると共に左右略対称となるように取り付けられており、下段においては、P−1,P−2,P−3の3枚のセラミックライナに分割され、中段においては、P−8、P―9、P−10、P―11、P―12の5枚のセラミックライナに分割され、上段においては、P−13,P−14,P−15,P−16の4枚のセラミックライナに分割されている。また、左右の側面には、上下の2つのセラミックライナ(P−4とP−7、P−5とP−6)に分けられ、上面にはセラミックライナは設けられていない。
【0024】
それぞれのセラミックライナ1は、図1(b)に示されるように、多数のセラミックチップ3を有して構成され、例えば、図2で示すセラミックライナ(P−9,P−10,P−11に相当するセラミックライナ)で代表されるように、夫々のセラミックチップ3は大きさは区々であるが、ボルト留めする箇所を除いた部分に取り付けられるセラミックチップ3a、とボルト留めする箇所を被覆するボルト被覆用のセラミックチップ3bの2種類を有して構成されている。
【0025】
それぞれのセラミックチップ3は、母材となる金属板4に対して緩衝材5を介してとりつけられているもので、ボルト留めする箇所を除いた部分に取り付けられるセラミックチップ3aは、図3(a)に示されるように、溶接用孔部6が形成されてこの溶接用孔部6に挿着された溶接用キャップ7を金属板4に溶接することにより金属板5に固定されている。具体的には、溶接用孔部6の金属板側の開口端部をテーパ状に形成して窄め、これに対応して溶接用キャップ7を円錐台の筒状に形成し、この溶接用キャップ7の先端部を緩衝材5に形成された孔5bを介して金属板4に当接し、この部分を溶着させることで、セラミックチップ3aを金属板4に固定している。ここで、セラミックチップ3aと金属板4との間に介在される緩衝板5は、溶接用チャップ7を金属板4に溶接する際にセラミックチップ3が破損することを防ぐためのものである。そして、溶接箇所を保護するために、セラミックチップ3aの溶接用孔部6はここに挿着されるセラミックキャップ8によって閉塞されている。
【0026】
これに対して、ボルト留めする箇所に取り付けられるボルト被覆用のセラミックチップ3bは、図4(a)に示されるように、図4(b)に示すボルト10のボルト頭部10aを収容可能にする段差部11と溶接用孔部12が形成された非段差部13とを有して構成され、図3(b)に示されるように、金属板4に形成されたボルト取付孔4aを介して取り付けられるボルト10の頭部10aを前記段差部11に収容するように取り付けられている。そして、前述した構成と同様に、非段差部13の溶接用孔部12に挿着された溶接用キャップ14を金属板4に溶接することによりセラミックチップ3bを金属板4に固定し、溶接箇所を保護するために溶接用孔部12をセラミックキャップ15によって閉塞している。
【0027】
尚、16,19は、耐熱性無機接着剤であり、18は、シリコンシーラント等の充填剤である。また、金属板4としてはSS400等の圧延鋼材を使用し、緩衝材5としてはフッ素ゴムを使用し、セラミックチップ3としては、アルミナ製の厚みが20mm程度のものが用いられ、段差部11が形成されている部分においても12mm程度の厚みが確保されている。
【0028】
以上のセラミックライナ1を偏流板2に取り付ける作業は、次のように行われる。
先ず、図5(a)に示されるように、それぞれのセラミックライナの大きさに合せて加工された金属板4を用意し、ボルト留めする所定箇所にボルト取付孔4aを穿設する。ここで、ボルト取付孔4aは取付け位置を微調整するために長孔に形成しておくとよい。
【0029】
次に、図5(b)に示されるように、金属板4のセラミックチップが取り付けられる側の表面をサンダーで目荒しし(図5(b)の左側)、その上から金属板4の大きさに合わせてカッティングされた緩衝材5(図(b)の右側)を接着剤で貼付する。この緩衝材5には、ボルト10を挿通させる通孔5aのほか、セラミックチップ3を溶接させるための通孔5bが形成されている。
【0030】
次に、金属板4のボルト留めする箇所を除いた部分に取り付けられるよう所定形状にカッティングされると共に所定箇所に溶接用孔部6が形成されたセラミックチップ3aを用意し、図5(c)に示されるように、このセラミックチップ3aを溶接用孔部6に溶接キャップ7を挿着して金属板4の所定の取付箇所にあてがい、溶接用孔部6内の溶接キャップ7を金属板4に溶接する。そして、この溶接が完了した時点で溶接キャップ内のスパッターや不純物を取り除いておく。
【0031】
その後、それぞれの溶接用孔部6をアセトン等で脱脂し、図5(d)に示されるように、そこに耐熱性無機接着剤16を充填し、セラミックキャップ8を挿着させる。この際、表面にはみ出した接着剤をふき取り、熱処理(150℃前後)を行って接着剤を硬化させる。
【0032】
このようにして金属板4のボルト留めする箇所を除いた部分にセラミックチップ3aを溶接することでそれぞれのセラミックライナ1(P−1乃至P−16)を形成し、偏流板2に取り付けるために現地へ搬送する。
【0033】
現地に搬送されたセラミックライナ1は、偏流板2の表面の予め決められた箇所にあてがわれ、セラミックチップ3aが取り付けられていない箇所に形成されたボルト取付孔4aと偏流板2の母材20に形成された取付孔20aとに取付ボルト10を挿通させてナット17で締め付けることでセラミックライナ1を偏流板2の表面にボルト留めする(図6(a))。
【0034】
その後、ボルト頭部の周囲に充填材18を注入し、このボルト留めされた箇所にセラミックチップ3bをボルト頭部10aが段差部11に収容されるように取り付け、非段差部13の溶接用孔部12に溶接キャップ14を挿着させ、この部分を金属板4に溶接させてセラミックチップ3bを金属板4に固定する(図6(b))。
【0035】
このようにして金属板4のボルト留めする箇所をセラミックチップ4bで被覆した後に、溶接箇所を被覆するために、溶接用孔部12をアセトン等で脱脂し、そこに耐熱性無機接着剤19を充填してセラミックキャップ15を挿着させ、しかる後に表面にはみ出した接着剤をふき取り、熱処理(150℃前後)を行って接着剤を硬化させる(図6(c))。
【0036】
そして、以上の処理を繰り返して、全てのセラミックライナ1を所定の順序で偏流板2の表面に取り付ければ、偏流板2へのライナの取付作業は完了する。
【0037】
したがって、上述の構成においては、セラミックライナ1に取り付けられるそれぞれのセラミックチップ3が金属板4に溶接にて固定されているので、強固な取り付け構造が得られ、また耐熱性を高めることが可能となる。特に、ボルト取付箇所を被覆するセラミックチップ3bは、ボルト頭部10aを覆うように溶接にて金属板に固定されるので、このセラミックチップ4bが衝撃や熱によって脱落することがなくなり、ボルト頭部10aが確実に保護されてボルトの破損に伴うセラミックライナ1の脱落を防ぐことが可能となる。さらにそれぞれのセラミックチップ3の溶接箇所は、セラミックキャップ8,15によって保護されているので、溶接箇所の摩耗、破損によるセラミックチップの脱落を防止することが可能となる。
【0038】
尚、上述の構成においては、竪型ミルの偏流板2にセラミックライナ1を取り付ける場合を示したが、高温雰囲気下で外部から衝撃を受ける他の箇所に設けられるセラミックライナ(ライナ)に同様の構成を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1(a)は、竪型ミルのテーブル周囲に固設されるセラミックライナが取り付けられた偏流板の外観を示すもので、各セラミックライナに番号を付したものであり、図1(b)は、各セラミックライナを示す図である。
【図2】図2は、セラミックライナの一例を示す図であり、図2(a)はセラミックライナの正面図であり、図2(b)はセラミックライナの側面図である。
【図3】図3は、セラミックライナの断面を示す拡大図であり、図3(a)は図2のA−A線で切断した断面を示す拡大図、図3(b)は図2のB−B線で切断した断面を示す拡大図である。
【図4】図4(a)は、ボルト留めする箇所に装着されるセラミックチップ3bを示す図であり、上段はその平面図、下段は上段のC−C線で切断した断面図である。また、図4(b)は、ライナを取り付けるボルトを示す図である。
【図5】図5は、セラミックライナを形成する工程を示す説明図である。
【図6】図6は、セラミックライナを偏流板の母材に組み付ける工程を説明する説明図である。
【図7】図7は、竪型ミルの一例を示す全体構成を示す断面図である。
【図8】図8(a)は、図7のX−X線で切断した断面図であり、図8(b)は、図8(a)のY−Y線で切断した断面図である。
【図9】図9は、竪型ミルのテーブル周囲に固設されるセラミックライナが取り付けられた偏流板の外観を示すもので、各セラミックライナに番号を付したものである。
【図10】図10は、従来のセラミックライナの一例を示す図であり、図10(a)はセラミックライナの正面図であり、図10(b)はセラミックライナの側面図である。
【図11】図11は、セラミックライナを偏流板の母材にボルト留めした状態のボルト留め付近の構成を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 セラミックライナ
2 偏流板
3 セラミックチップ
3b ボルト被覆用セラミックチップ
4 金属板
5 緩衝材
6,12 溶接用孔部
8,15 セラミックキャップ
10a ボルト頭部
11 段差部
13 非段差部

【出願人】 【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【識別番号】396003320
【氏名又は名称】株式会社小月製鋼所
【出願日】 平成18年8月7日(2006.8.7)
【代理人】 【識別番号】100069073
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 和保

【識別番号】100102613
【弁理士】
【氏名又は名称】小竹 秋人


【公開番号】 特開2008−36535(P2008−36535A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−214176(P2006−214176)