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【発明の名称】 パルプ粉砕装置
【発明者】 【氏名】丸畠 和也

【氏名】森浦 理

【氏名】桑岡 健二

【要約】 【課題】パルプ粉砕装置の回転刃の長寿命化を実現する。

【構成】吸収体製造装置の第1パルプ粉砕機構3は、中心軸330を中心として回転する第1回転刃33、ハウジング30に固定された下部固定刃34および上部固定刃35を備える。第1回転刃33は、シリンダ部331、シリンダ部331に溶接されてシリンダ部331の外周面から放射状に突出する角柱状の複数のホルダ332、および、複数のホルダ332の先端部にそれぞれ着脱可能に取り付けられた略三角柱状の複数の粉砕刃333を備え、第1回転刃33が回転することによりパルプ9が複数の粉砕刃333と下部固定刃34との間に挟まれて粉砕される。第1パルプ粉砕機構3では、複数の粉砕刃333の一部がパルプとの接触により摩耗した場合、第1回転刃33全体を交換することなく、摩耗した粉砕刃333のみを容易に交換することができるため、第1回転刃33の長寿命化を実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品用のパルプを粉砕するパルプ粉砕装置であって、
シート状のパルプを所定の供給方向に供給するパルプ供給機構と、
前記パルプに平行かつ前記供給方向に対して交差する方向を向く中心軸を中心として回転する回転刃および固定刃を有し、前記パルプ供給機構の下流において前記回転刃を回転することにより前記回転刃と前記固定刃との間に前記パルプを挟んで粉砕するパルプ粉砕機構と、
を備え、
前記回転刃が、
前記中心軸を中心とする略円筒状または略円柱状のシリンダ部と、
前記シリンダ部の外周面から前記中心軸を中心として放射状に突出する柱状の複数の粉砕刃取付部と、
前記複数の粉砕刃取付部の先端部にそれぞれ着脱可能に取り付けられた複数の粉砕刃と、
を備えることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパルプ粉砕装置であって、
前記複数の粉砕刃取付部が前記シリンダ部に溶接されることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパルプ粉砕装置であって、
前記複数の粉砕刃が、工具鋼または超硬材料により形成されていることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、
前記複数の粉砕刃のそれぞれが、複数のボルトにより前記粉砕刃取付部に取り付けられ、
前記複数のボルトのうち、一のボルトの向きが他の一のボルトの向きと異なることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項5】
吸収性物品用のパルプを粉砕するパルプ粉砕装置であって、
シート状のパルプを所定の供給方向に供給するパルプ供給機構と、
前記パルプに平行かつ前記供給方向に対して交差する方向を向く中心軸を中心として回転する回転刃および固定刃を有し、前記パルプ供給機構の下流において前記回転刃を回転することにより前記回転刃と前記固定刃との間に前記パルプを挟んで粉砕するパルプ粉砕機構と、
を備え、
前記回転刃が、
前記中心軸を中心とする略円筒状または略円柱状のシリンダ部と、
前記シリンダ部の外周面から前記中心軸を中心として放射状に突出する柱状であるとともに前記外周面に着脱可能とされ、先端部が複数の粉砕刃とされる複数の粉砕部材と、
を備えることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、
前記固定刃の表面に溶射処理による硬化層が形成されていることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、
前記パルプ粉砕機構の下流において、前記パルプ粉砕機構により粉砕された粉砕パルプをさらに微細に粉砕するもう1つのパルプ粉砕機構をさらに備えることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品用のパルプを粉砕するパルプ粉砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙おむつ等の衛生品に用いる吸収性物品の製造において、パルプを粉砕する粉砕装置が使用されている。例えば、特許文献1では、外周に複数の歯を有する円板状の粉砕ブレードが回転軸に沿って複数配列された粉砕シリンダにより、当該粉砕シリンダの外周面に向かって供給されるシート状のパルプを粉砕して粉砕パルプを生成する技術が開示されている。特許文献1の吸収体製造装置では、生成された粉砕パルプがティッシュペーパーにより包まれることにより吸収性物品の吸収コアが形成される。
【0003】
一方、パルプ粉砕装置として、パルプを粗く粉砕する粗粉砕機構と、粗く粉砕されたパルプを所定の大きさ以下になるまで再粉砕する微粉砕機構とを備える装置も利用されている。このような装置の粗粉砕機構の1つとして、円筒状の軸部材の外周面に溶接された複数の柱状部材を有する回転刃と、回転刃の柱状部材と噛み合う櫛歯部材を有する固定刃とによりパルプを挟み込んで粉砕する機構が利用されている。
【特許文献1】特開2006−63468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の粗粉砕機構では、回転刃の柱状部材がパルプとの接触により徐々に摩耗する。このような回転刃では通常、回転刃の軸方向の中央部近傍に配置された柱状部材の摩耗が、軸方向の両端部に配置された柱状部材の摩耗よりも大きい。このため、軸方向の中央近傍において柱状部材の摩耗がある程度まで進行すると、回転刃を装置から一旦取り外し、左右を反転させて再び取り付けることにより、各柱状部材の摩耗していない側にてパルプを粉砕することが行われている。このような粗粉砕機構では、複数の柱状部材のうちいずれかの柱状部材の両側において摩耗が大きくなった場合や柱状部材が損傷した場合には、他の柱状部材が使用可能な状態であっても回転刃全体の交換が行われる。
【0005】
このような回転刃の反転や交換は通常、数ヶ月毎に行われ、反転作業や交換作業のために多大な労力と時間が必要となり、吸収性物品の生産性が低下してしまう。さらには、回転刃全体を新たに製造する必要があるため、吸収性物品の製造コストの低減が困難となっている。
【0006】
また、回転刃では軸部材と柱状部材とが溶接されるため、パルプと接触する部材である柱状部材を形成する材料が制約されてしまい、高硬度、高抗折力、高耐摩耗性等を有する工具鋼や超硬材料等を柱状部材として使用することができない。このため、回転刃の長寿命化が難しい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、パルプ粉砕装置の回転刃の長寿命化を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、吸収性物品用のパルプを粉砕するパルプ粉砕装置であって、シート状のパルプを所定の供給方向に供給するパルプ供給機構と、前記パルプに平行かつ前記供給方向に対して交差する方向を向く中心軸を中心として回転する回転刃および固定刃を有し、前記パルプ供給機構の下流において前記回転刃を回転することにより前記回転刃と前記固定刃との間に前記パルプを挟んで粉砕するパルプ粉砕機構とを備え、前記回転刃が、前記中心軸を中心とする略円筒状または略円柱状のシリンダ部と、前記シリンダ部の外周面から前記中心軸を中心として放射状に突出する柱状の複数の粉砕刃取付部と、前記複数の粉砕刃取付部の先端部にそれぞれ着脱可能に取り付けられた複数の粉砕刃とを備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパルプ粉砕装置であって、前記複数の粉砕刃取付部が前記シリンダ部に溶接される。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のパルプ粉砕装置であって、前記複数の粉砕刃が、工具鋼または超硬材料により形成されている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、前記複数の粉砕刃のそれぞれが、複数のボルトにより前記粉砕刃取付部に取り付けられ、前記複数のボルトのうち、一のボルトの向きが他の一のボルトの向きと異なる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、吸収性物品用のパルプを粉砕するパルプ粉砕装置であって、シート状のパルプを所定の供給方向に供給するパルプ供給機構と、前記パルプに平行かつ前記供給方向に対して交差する方向を向く中心軸を中心として回転する回転刃および固定刃を有し、前記パルプ供給機構の下流において前記回転刃を回転することにより前記回転刃と前記固定刃との間に前記パルプを挟んで粉砕するパルプ粉砕機構とを備え、前記回転刃が、前記中心軸を中心とする略円筒状または略円柱状のシリンダ部と、前記シリンダ部の外周面から前記中心軸を中心として放射状に突出する柱状であるとともに前記外周面に着脱可能とされ、先端部が複数の粉砕刃とされる複数の粉砕部材とを備える。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、前記固定刃の表面に溶射処理による硬化層が形成されている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、前記パルプ粉砕機構の下流において、前記パルプ粉砕機構により粉砕された粉砕パルプをさらに微細に粉砕するもう1つのパルプ粉砕機構をさらに備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、回転刃の長寿命化を実現することができる。請求項2の発明では、回転刃の更なる長寿命化を実現することができる。請求項3の発明では、粉砕刃の長寿命化を実現することができる。請求項4の発明では、粉砕刃を粉砕刃取付部に強固に固定することができる。請求項6の発明では、固定刃の長寿命化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る吸収体製造装置1の構成を示す図である。吸収体製造装置1は、紙おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる吸収体90を製造する装置であり、吸収体90は、一定の大きさに裁断された吸収性物品用の薄板状のパルプ9を粉砕して得られる粉砕パルプを用いて製造される。
【0017】
吸収体製造装置1は、パルプ9を所定の供給路に沿ってパルプ9の幅方向に垂直な供給方向(すなわち、図1中の左方向)に供給するパルプ供給機構2、パルプ供給機構2の下流側においてパルプ供給機構2により供給されるパルプ9を粉砕する第1パルプ粉砕機構3、第1パルプ粉砕機構3の下流側において第1パルプ粉砕機構3により粉砕された粉砕パルプをさらに微細に粉砕する第2パルプ粉砕機構4、第2パルプ粉砕機構4により生成された粉砕パルプを一旦貯留するとともに一定量の粉砕パルプを下流側へと供給する粉砕パルプ供給機構5、および、粉砕パルプ供給機構5から供給された粉砕パルプを成形して吸収体90を形成する吸収体形成機構6を備える。
【0018】
吸収体製造装置1では、パルプ供給機構2、第1パルプ粉砕機構3および第2パルプ粉砕機構4が、吸収体用のパルプ9を微細に粉砕するパルプ粉砕装置の役割を果たす。また、パルプ供給機構2および第1パルプ粉砕機構3が、パルプ9を粗く粉砕するパルプ粉砕装置となっている。
【0019】
パルプ供給機構2は、積み重ねられた複数のパルプ9が載置されるパルプ載置部21、パルプ載置部21からパルプ9を1枚ずつ取り出すパルプ取出機構22、および、パルプ取出機構22からパルプ9を受け取って第1パルプ粉砕機構3へと搬送するコンベア23を備える。
【0020】
図2は、第1パルプ粉砕機構3を拡大して示す正面図である。図2では、図示の都合上、第1パルプ粉砕機構3のハウジング30の内部を示している。図2に示すように、第1パルプ粉砕機構3は、ハウジング30の内部に、パルプ9を上下から挟んで図2中の左方向へと案内する上部ローラ31および下部ローラ32、パルプ9に平行かつパルプ9の供給方向に対して垂直に交差する方向(すなわち、図2における紙面に垂直な方向)を向く中心軸330を中心として回転する第1回転刃33、ハウジング30の下部に固定された下部固定刃34、並びに、ハウジング30の上部に固定された上部固定刃35を備える。
【0021】
図3は、第1回転刃33の平面図である。図2および図3に示すように、第1回転刃33は、中心軸330を中心とする略円筒状のシリンダ部331、シリンダ部331の外周面から中心軸330を中心として放射状に突出する角柱状の粉砕刃取付部である複数のホルダ332、および、複数のホルダ332の先端部にそれぞれ着脱可能に取り付けられた略三角柱状の複数の粉砕刃333を備える。
【0022】
図4.Aおよび図4.Bは、第1回転刃33を図3中のA−AおよびB−Bの位置で中心軸330に垂直な面で切断した断面図である。図4.Aおよび図4.Bに示すように、第1回転刃33は、中心軸330を中心とする径方向における長さが異なる2種類のホルダ332を備える。以下の説明では、図4.Aに示す短い方のホルダ332を「第1ホルダ332a」と呼び、図4.Bに示す長い方のホルダ332を「第2ホルダ332b」と呼ぶ。また、第1ホルダ332aおよび第2ホルダ332bをまとめて「ホルダ332」とも呼ぶ。
【0023】
第1回転刃33の外周面では、図4.Aに示すように、中心軸330を中心とする一の円周上に2本の第1ホルダ332aが設けられており、当該2本の第1ホルダ332aは、中心軸330を通るとともに中心軸330に垂直な直線上に配置される。換言すれば、一方の第1ホルダ332aが、中心軸330を挟んで他方の第1ホルダ332aの反対側に配置される。また、図4.Bに示すように、2本の第2ホルダ332bが、中心軸330を中心とする一の円周上に中心軸330を挟んで設けられる。
【0024】
図4.Aおよび図4.Bに示すように、複数の第1ホルダ332aおよび複数の第2ホルダ332b(すなわち、複数のホルダ332)はそれぞれ、粉砕刃333が取り付けられる側とは反対側の端部をシリンダ部331の内側(すなわち、シリンダ部331の外周面よりも中心軸330側)に挿入した状態で、シリンダ部331の外周面においてシリンダ部331と溶接されることにより、シリンダ部331に固定されている。
【0025】
図3に示すように、第1回転刃33では、2本の第1ホルダ332a(図4.A参照)と2本の第2ホルダ332b(図4.B参照)とが中心軸330に沿って交互に配列される。本実施の形態では、2本のホルダ332がシリンダ部331の外周面上に35組配列されている。すなわち、合計70本のホルダ332がシリンダ部331の外周面上に設けられる。
【0026】
図5および図6は、第1ホルダ332aの先端部および粉砕刃333を拡大して示す正面図および右側面図である。粉砕刃333は工具鋼または超硬材料(例えば、バナジウムカーバイドやダイヤモンドペースト、酸化クロムを主成分とする硬質セラミック)により形成されており、図5および図6に示すように、複数(本実施の形態では3本)のボルト334により第1ホルダ332aの先端部に取り付けられている。3本のボルト334のうち1本は、第1ホルダ332aの軸方向(すなわち、第1回転刃33の中心軸330を向く方向であり、図5中の左右方向)を向いており、他の2本は第1ホルダ332aの軸方向に対して略垂直な方向を向いている。
【0027】
第1ホルダ332aの先端部には、粉砕刃333の一の側面に当接して粉砕刃333を支持する支持部3321が設けられており、支持部3321の粉砕刃333側の面には、第1ホルダ332aの軸方向に伸びる溝3322が形成されている。粉砕刃333が第1ホルダ332aに取り付けられる際には、粉砕刃333の支持部3321に当接する側面に形成された凸部3331が、支持部3321の溝3322に嵌め込まれる。
【0028】
図4.Bに示す第2ホルダ332bにおいても同様に、粉砕刃333が3本のボルト334により第2ホルダ332bの先端部に取り付けられており、3本のボルト334のうち1本の向きが他の2本の向きと異なる。また、第2ホルダ332bの先端部に設けられた支持部3321の溝3322(図6参照)に、粉砕刃333の凸部3331(図6参照)が嵌め込まれる。
【0029】
図7は、下部固定刃34を示す平面図である。図2および図7に示すように、下部固定刃34は、中心軸330方向(すなわち、図7中の上下方向)に関して第1回転刃33の第1ホルダ332aに対応する位置に設けられる第1固定刃部341、および、第2ホルダ332bに対応する位置に設けられる第2固定刃部342を備える。図2に示すように、下部固定刃34は、第1固定刃部341と第1回転刃33の第1ホルダ332aに取り付けられた粉砕刃333との間、および、第2固定刃部342と第2ホルダ332bに取り付けられた粉砕刃333との間に僅かな隙間をあけてハウジング30内に固定される。
【0030】
図8は、上部固定刃35を示す底面図である。図2および図8に示すように、上部固定刃35は、中心軸330方向に関して第1回転刃33の第1ホルダ332aに対応する位置に設けられる第3固定刃部351、および、第2ホルダ332bに対応する位置に設けられる第4固定刃部352を備える。図2に示すように、上部固定刃35は、第3固定刃部351と第1回転刃33の第1ホルダ332aに取り付けられた粉砕刃333との間、および、第4固定刃部352と第2ホルダ332bに取り付けられた粉砕刃333との間に僅かな隙間をあけてハウジング30内に固定される。
【0031】
下部固定刃34および上部固定刃35は、ねずみ鋳鉄等により形成されており、その表面には超硬材料等の硬化層が溶射処理により形成されている。
【0032】
第1パルプ粉砕機構3では、第1回転刃33が図2中における時計回りに回転することにより、パルプ供給機構2(図1参照)から供給されて上部ローラ31および下部ローラ32により第1回転刃33の外周面に向かって進入するパルプ9が、第1回転刃33の複数の粉砕刃333と下部固定刃34との間に挟まれて粉砕される。また、粉砕されたパルプの一部は、第1回転刃33の回転等によりハウジング30内の上方へと移動し、第1回転刃33の複数の粉砕刃333と上部固定刃35との間に挟まれてさらに粉砕される。
【0033】
第1パルプ粉砕機構3では、第1回転刃33に長短2種類のホルダ332(すなわち、第1ホルダ332aおよび第2ホルダ332b)を設けることにより、パルプ9を効率良く粉砕することができる。また、下部固定刃34および上部固定刃35に凹部343,353を設け、粉砕されたパルプを凹部343,353にて粉砕刃333に向けて跳ね返らせることにより、パルプを繰り返し粉砕することができる。第1パルプ粉砕機構3により生成された粉砕パルプは、図1に示す第1ファン36により第2パルプ粉砕機構4へと搬送される。
【0034】
図9は、第2パルプ粉砕機構4を拡大して示す正面図である。図9では、図示の都合上、第2パルプ粉砕機構4のハウジング40の内部を示している。図9に示すように、第2パルプ粉砕機構4は、中心軸410を中心として回転する第2回転刃41、ハウジング40の下部に固定された固定刃42、薄板上のスクリーン43、および、これらの構成を内部に収容するハウジング40を備える。
【0035】
第2回転刃41は、中心軸410に沿って配列された複数の粉砕ブレード411を備え、各粉砕ブレード411は、中心軸410を中心として中心軸410に垂直な略円板状となっている。図9では、最も手前側の粉砕ブレード411のみを図示している。各粉砕ブレード411は、外周に一定のピッチで配列された複数の歯412を備える。固定刃42は、ハウジング40の内面に形成されており、その表面には超硬材料等の硬化層が溶射処理により形成されている。
【0036】
第2パルプ粉砕機構4では、第1パルプ粉砕機構3(図2参照)により生成された粉砕パルプが、ハウジング40の図9中における上方の開口401から供給される。そして、第2回転刃41が中心軸410を中心として図9中における時計回りに回転することにより、第1パルプ粉砕機構3から供給された粉砕パルプが、第2回転刃41と固定刃42との間に挟まれてさらに微細に粉砕される。第2回転刃41と固定刃42とにより粉砕された粉砕パルプは、第2回転刃41の図9中における左側に設けられたスクリーン43を介して下流側へと搬送される。
【0037】
図10は、スクリーン43を第2回転刃41側から見た右側面図である。スクリーン43は、例えば鋼材により形成されており、図10に示すように、所定の大きさの複数の円形開口431が形成されている。図10では、複数の円形開口431のうち一部のみを図示しているが、実際には、スクリーン43の全面に亘って円形開口431が形成されている。スクリーン43の表面には、固定刃42(図9参照)と同様に、超硬材料等の硬化層が溶射処理により形成されている。
【0038】
第2パルプ粉砕機構4では、粉砕パルプが、スクリーン43の円形開口431を通過可能な大きさとなるまで、第2回転刃41と固定刃42とにより繰り返し挟まれて微細に粉砕される。スクリーン43を通過した粉砕パルプは、図1に示す第2ファン44により粉砕パルプ供給機構5へと搬送される。
【0039】
粉砕パルプ供給機構5では、第2パルプ粉砕機構4により生成された粉砕パルプが貯留部51において貯留され、第3ファン52により、貯留部51の下部から搬出された粉砕パルプが計量部53へと搬送される。そして、計量部53により計量された所定の量の粉砕パルプが吸収体形成機構6へと供給される。
【0040】
吸収体形成機構6では、粉砕パルプ供給機構5から供給された粉砕パルプが、ポリマー供給部621から供給される吸水性ポリマー(例えば、SAP(Super Absorbent Polymer))と混合されて円筒状の吸着ドラム62に吹き付けられる。吸着ドラム62は、図1中において時計回りに回転するとともに、内部に接続された図示省略の吸引機構により、微細な吸引孔が設けられた吸着ドラム62の外周面上に粉砕パルプおよび吸水性ポリマーを所定の高さまで吸着する。なお、吸収体90に要求される吸収力によっては吸水性ポリマーの混合は省略される場合もある。
【0041】
吸着ドラム62の外周面上に吸着された粉砕パルプおよび吸水性ポリマーは、吸着ドラム62の回転に伴って吸着ドラム62の下側へと移動し、ロール63から繰り出されるとともにコンベア601により搬送されるティッシュペーパー92に転写される。ティッシュペーパー92の上面には、接着剤供給部631により接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)が予め塗布されており、粉砕パルプおよび吸水性ポリマーはティッシュペーパー92上に接着されてパルプ層900を形成する。
【0042】
吸収体形成機構6では、パルプ層900がコンベア601により下流側(すなわち、図1中における左側)に搬送される間に、別のロール64から繰り出されたティッシュペーパー93の片側の面に接着剤供給部641により接着剤が塗布される。ティッシュペーパー93は、接着剤の塗布面をパルプ層900と対向させつつパルプ層900およびティッシュペーパー92上に接着される。上下からティッシュペーパー92,93に包まれたパルプ層900は、切断部671において所定の長さの個片(吸収体90のコア部分となるため、以下、「吸収コア」という。)901に切断され、複数の吸収コア901は、コンベア602により所定の間隔を空けて下流側に搬送される。
【0043】
続いて、ロール65,66から繰り出され、片側の面に接着剤供給部651,661からの接着剤が塗布されたトップシート94およびバックシート95が、吸収コア901を挟むティッシュペーパー93,92の上から接着される。そして、切断部672において、隣接する吸収コア901の間隙にてトップシート94およびバックシート95が切断されることにより、吸収体90が形成される。製造された吸収体90はコンベア603により吸収体製造装置1から搬出される。
【0044】
以上に説明したように、吸収体製造装置1の第1パルプ粉砕機構3では、図2に示すように、第1回転刃33のシリンダ部331に溶接された複数のホルダ332の先端部に、複数の粉砕刃333が着脱可能に取り付けられる。このため、複数の粉砕刃333の一部がパルプとの接触により摩耗した場合、第1回転刃33全体を交換することなく、摩耗した粉砕刃333のみを容易に交換することができる。その結果、第1回転刃33の長寿命化を実現することができ、第1パルプ粉砕機構3および吸収体製造装置1の生産性を向上することができる。
【0045】
仮に、第1回転刃が、粉砕刃を一体的に備える柱状部材をシリンダ部に溶接する構造であるとすると、粉砕刃は、シリンダ部に溶接可能な材料により形成される必要がある。したがって、高硬度、高抗折力、高耐摩耗性等を有する工具鋼や超硬材料等により粉砕刃を形成することはできない。
【0046】
これに対し、第1パルプ粉砕機構3では、粉砕刃333がホルダ332に対して着脱可能とされるため、粉砕刃333を形成する材料の選択の自由度を向上することができる。そして、粉砕刃333を工具鋼または超硬材料により形成することにより、パルプとの接触による粉砕刃333の摩耗を抑制し、粉砕刃333の長寿命化を実現することができる。また、工具鋼等により粉砕刃333を形成することにより、粉砕刃333の刃先を鋭利にすることができるため、パルプ9の粉砕時に第1回転刃33にかかる負荷を軽減して吸収体製造装置1の消費電力を低減することもできる。さらには、粉砕刃333を軽量化することもできる。
【0047】
上述のように、粉砕刃333は、向きが異なる複数のボルト334によりホルダ332に取り付けられるため、粉砕刃333をホルダ332に対して強固に固定することができる。その結果、パルプ9に接触する際に加わる力により粉砕刃333がホルダ332に対してずれることを確実に防止することができる。また、第1回転刃33では、粉砕刃333の凸部3331が、ホルダ332の支持部3321に形成された溝3322に嵌め込まれているため、粉砕刃333がホルダ332に対してずれることをより確実に防止することができる。
【0048】
第1パルプ粉砕機構3では、ホルダ332がシリンダ部331に溶接により固定されることにより、ホルダ332およびホルダ332に固定される粉砕刃333を、シリンダ部331に対して強固に固定することができ、ホルダ332のシリンダ部331からの脱落等を確実に防止することができる。その結果、第1回転刃33の更なる長寿命化を実現することができる。
【0049】
また、第1パルプ粉砕機構3では、下部固定刃34および上部固定刃35の表面に硬化層が形成されることにより、下部固定刃34および上部固定刃35のパルプとの接触による摩耗を抑制し、下部固定刃34および上部固定刃35の長寿命化を実現することができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る吸収体製造装置について説明する。図11は、第2の実施の形態に係る吸収体製造装置の第1パルプ粉砕機構3aを示す正面図である。図11でも、図2と同様に、第1パルプ粉砕機構3aのハウジング30の内部を示している。図11に示すように、第1パルプ粉砕機構3aの第1回転刃33aでは、図2に示す第1回転刃33の複数のホルダ332および複数の粉砕刃333に代えて、複数の粉砕部材335を備える。その他の構成は図2と同様であり、以下の説明において同符号を付す。また、第2の実施の形態に係る吸収体製造装置の構成は、第1パルプ粉砕機構3の代わりに、図11に示す第1パルプ粉砕機構3aが設けられる点を除いて図1と同様である。
【0051】
複数の粉砕部材335は、略円筒状のシリンダ部331の外周面から中心軸330を中心として放射状に突出するとともに、ボルト336により当該外周面に対して着脱可能に取り付けられる。各粉砕部材335は一体的に形成された柱状の部材であり、中心軸330から遠い側の先端部3351がパルプ9を粉砕する粉砕刃とされる。
【0052】
第1回転刃33aは、第1の実施の形態に係る第1回転刃33の第1ホルダ332aおよび第2ホルダ332b(図4.Aおよび図4.B参照)と同様に、長短2種類の粉砕部材335を備え、2本の短い粉砕部材335と2本の長い粉砕部材335とが、シリンダ部331の外周面上において中心軸330方向に沿って交互に配列される。第1回転刃33aでは、各粉砕部材335が工具鋼または超硬材料により形成されている。
【0053】
第1パルプ粉砕機構3aでは、第1回転刃33aが中心軸330を中心として図11中における時計回りに回転することにより、パルプ供給機構2(図1参照)から供給されて上部ローラ31および下部ローラ32により第1回転刃33aの外周面に向かって進入するパルプ9が、第1回転刃33aの複数の粉砕部材335の先端部3351と下部固定刃34との間に挟まれて粉砕される。また、粉砕されたパルプの一部は、第1回転刃33aの回転等によりハウジング30内の上方へと移動し、第1回転刃33aの複数の粉砕部材335の先端部3351と上部固定刃35との間に挟まれてさらに粉砕される。
【0054】
第2の実施の形態に係る吸収体製造装置では、パルプ供給機構2、第1パルプ粉砕機構3aおよび第2パルプ粉砕機構4(図1参照)が、吸収体用のパルプ9を微細に粉砕するパルプ粉砕装置の役割を果たす。また、パルプ供給機構2および第1パルプ粉砕機構3aが、パルプ9を粗く粉砕するパルプ粉砕装置となっている。
【0055】
第1パルプ粉砕機構3aでは、先端部3351が粉砕刃である複数の粉砕部材335が、シリンダ部331の外周面に着脱可能に取り付けられる。このため、複数の粉砕部材335の一部がパルプとの接触により摩耗した場合、第1回転刃33a全体を交換することなく、摩耗した粉砕部材335のみを容易に交換することができる。その結果、第1の実施の形態と同様に、第1回転刃33aの長寿命化を実現することができ、第1パルプ粉砕機構3aおよび吸収体製造装置の生産性を向上することができる。また、粉砕部材335が工具鋼または超硬材料により形成されているため、粉砕部材335の長寿命化を実現することができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0057】
例えば、上記実施の形態に係る第1パルプ粉砕機構では、第1回転刃のシリンダ部331は略円柱状の部材とされてもよい。また、下部固定刃34および上部固定刃35の表面の硬化層は、溶射処理以外の他の表面改質処理(例えば、コーティング処理)により形成されてもよい。第2パルプ粉砕機構4の固定刃42およびスクリーン43においても同様に、表面の硬化層が溶射処理以外の他の表面改質処理により形成されてもよい。
【0058】
第1の実施の形態に係る第1パルプ粉砕機構3では、粉砕刃333は、必ずしもボルト334によりホルダ332に取り付けられる必要はなく、他の様々な固定方法により、ホルダ332に対して着脱可能に取り付けられてもよい。また、第2の実施の形態に係る第1パルプ粉砕機構3aでは、粉砕部材335が、ボルト336以外の様々な固定方法によりシリンダ部331に対して着脱可能に取り付けられてよい。
【0059】
上記実施の形態に係る第1パルプ粉砕機構により粉砕されるパルプはシート状であればよく、例えば、ドラムに巻回されたロール状のパルプがパルプ供給機構により繰り出されて第1パルプ粉砕機構に供給されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1の実施の形態に係る吸収体製造装置の構成を示す図である。
【図2】第1パルプ粉砕機構の正面図である。
【図3】第1回転刃の平面図である。
【図4.A】第1回転刃の断面図である。
【図4.B】第1回転刃の断面図である。
【図5】第1ホルダの先端部および粉砕刃を拡大して示す正面図である。
【図6】第1ホルダの先端部および粉砕刃を拡大して示す右側面図である。
【図7】下部固定刃を示す平面図である。
【図8】上部固定刃を示す底面図である。
【図9】第2パルプ粉砕機構の正面図である。
【図10】スクリーンの右側面図である。
【図11】第2の実施の形態に係る第1パルプ粉砕機構の正面図である。
【符号の説明】
【0061】
2 パルプ供給機構
3,3a 第1パルプ粉砕機構
4 第2パルプ粉砕機構
9 パルプ
33,33a 第1回転刃
34 下部固定刃
330 中心軸
331 シリンダ部
332 ホルダ
332a 第1ホルダ
332b 第2ホルダ
333 粉砕刃
334 ボルト
335 粉砕部材
3351 先端部
【出願人】 【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
【出願日】 平成18年8月4日(2006.8.4)
【代理人】 【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘


【公開番号】 特開2008−36526(P2008−36526A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−213613(P2006−213613)