トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理

【発明の名称】 廃蛍光管破砕機
【発明者】 【氏名】津田 紳二

【要約】 【課題】廃蛍光管を破砕するときにガラスの部分だけを破砕する廃蛍光管破砕機を提供する。

【構成】廃蛍光管を破砕する破砕刃の回転速度を遅くし、破砕刃の上面に突起した刃を付け、廃蛍光管を滑らすスロープの横幅を広くつくり、廃蛍光管の種類によって、滑り落す位置を使い分けできるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管、環状管、電球型、コンパクト球、水銀灯などの廃蛍光管のガラス部分だけを破砕し、金属やプラスチックの口金部分は破砕しないようにして分別を可能にする廃蛍光管破砕機であって、金属製の硬い角棒状の破砕刃を持ち、破砕刃の回転速度は毎分150回転乃至450回転の比較的遅いものにして衝撃力を減らしたことを特徴とする廃蛍光管破砕機。
【請求項2】
前記破砕刃は金属製の角棒の形をした4枚の刃を十字型に組み合わせたものか、あるいは5枚、6枚、8枚の破砕刃を正多角形に組み合わせたものにして、破砕刃の中間部の上部に上向きに突起した刃を1枚乃至複数枚、設けてあることを特徴とする請求項1に記載の廃蛍光管破砕機。
【請求項3】
前記廃蛍光管破砕機の上側面に廃蛍光管を滑らすスロープを設け、該スロープは廃蛍光管が滑り落ちていくときに破砕盤の中央部分で回転する角棒状の破砕刃にぶつかるような位置に設置し、スロープの横幅は比較的広く作り、廃蛍光管の種類によって滑らす位置を左、右、中央に使い分けできるようにし、かつ廃蛍光管がまっすぐに滑り落ちるようにするガイド板を付設することを特徴とする請求項1に記載の廃蛍光管破砕機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、廃蛍光管をリサイクルが可能な形に破砕処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃蛍光管は有毒な水銀を含んでいる為、その処理方法は各市町村にある廃棄
物処理場に収集し、そこで破砕機で粉々に破砕し、ドラム缶詰めにしてから、全国に2箇所ある、廃蛍光管の埋立て処分施設に送り、コンクリート固化などの方法によって、処理し、埋立てされてきた。しかし、この方法では蛍光管に使われているアルミの口金、真鍮や銅線、ガラス部分がリサイクルできないばかりでなく、膨大な量の埋立てによって、埋立て処分場の逼迫という問題を起こしている。
【0003】
そのため、現在では破砕機で破砕しないで、原型のまま、全国に数箇所ある廃蛍光管処理施設に運搬し、そこで口金部分は最初に手ではずすか切断によってはずしてから、ガラス部分に付着している有毒な水銀は高温で蒸留するかまたは薬液で洗って処理する方法もとられるようになってきた。しかし、この方法では従来のドラム缶詰めで送るのに比べると運搬費も数倍多くかかり、処理に手間やコストがかかる為、処理費も多くかかる問題をかかえている。
【0004】
日本では最近、電球型蛍光灯やコンパクト型蛍光灯が増えてきているが、これらの
蛍光灯から口金部分とガラス部分とを分離し、ガラスに付着している有毒な水銀を抜ける処理機械がないため、どこの処理施設も困っており、これらの蛍光灯を安全に処理でき、かつリサイクルも可能な処理機械が要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
廃蛍光管から有毒な水銀を抜く為にはまず口金部分とガラス部分を分離しなければならない。その為には口金部分とガラス部分の接着部分を切断する必要があり、何百種類もある蛍光灯に合わせて切断機を作っていかねばならないが、現実的には切断機を製作する多大なコストがかかる上に、処理施設においてもいちいち廃棄された蛍光灯に合わせて、機械をセットしていたら、手間がかかって仕事にならない。さらに廃棄された蛍光灯をそのままの形で処理施設まで運ぶためには膨大な輸送コストがかかる。
【0006】
そこで各市町村にある廃棄物処理場で本発明品の破砕機でガラス部分だけを破砕して、金属やプラスチックの口金部分は破砕しないようにして、破砕くずをドラム缶に詰めて処理施設に運搬すれば、輸送コストは格段に下げることができる。
【0007】
処理施設においても口金部分が破砕されていなければ、次工程で分別機を使ってガラスと口金を分離することができるようになり、ガラスから有毒な水銀も抜きやすくなるし、蛍光灯に使われているアルミの口金、真鍮や銅線、ガラスなどをリサイクルすることもやりやすくなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明では、ドラム缶に破砕物が入るように破砕盤に4本の柱を立て、その柱にキャスターをつけ、破砕盤の中央部に設置するモーターがドラム缶の真上に来るように調節できるようにする。破砕盤はテーブル板の上にモーターを下向きに固定し、モーター軸がテーブル盤を貫通し、テーブル板の下側で角棒状の破砕刃を回転させ、テーブル板の斜め上部から、スロープで廃蛍光管を滑らせながら、
テーブル板にあけた角穴を通過させて、角棒状の破砕刃で廃蛍光管のガラス部分を破砕できるようにする。
【0009】
廃蛍光管を破砕すると、有毒な水銀が飛散するため、破砕盤とドラム缶の間の空間は透明な樹脂製のシートで覆い密閉する。廃蛍光管を滑らすスロープも筒状に覆い、筒の中間部にはゴム製の遮断幕を垂らして、廃蛍光管がスロープ上を通過するときだけ、遮断幕を押しのけられるようにして、常時は空気を遮断するようにする。破砕機の稼動中は破砕盤の内部を常に吸引し、負圧にする為、スロープの下方に取り付けた
吸気口から、除塵フィルターを介して、吸気ブロアーで吸引するようにする。
【0010】
破砕盤に取り付けるモーターは破砕刃の回転速度を毎分150回転乃至450回転の比較的遅いものにする。
【0011】
モーターに取り付ける破砕刃は金属製の角棒の形をした4枚の刃を十字型に組み合わせたものか、あるいは5枚から8枚の刃を組み合わせたものにする。またそれぞれの刃には上向きに突起した刃を1枚乃至複数枚取り付ける。この上向きに突起した刃は丸い形をした環状管や電球型の廃蛍光管に対して真正面から破砕する刃となり、丸い形をした廃蛍光管を確実に破砕することができる。
【0012】
廃蛍光管を滑らすスロープは廃蛍光管が滑り落ちていくときに破砕盤の中央部分で回転する角棒状の破砕刃にぶつかるような位置に設置するが、スロープの横幅を比較的広く作り、廃蛍光管の種類によって滑らす位置を左、右、中央に使い分けられるようにする。また廃蛍光管がまっすぐに滑り落ちるようにガイド板を付設する。廃蛍光管がスロープを滑り落ちていく方向と同じ方向に破砕刃が回転しているときは、破砕刃が廃蛍光管にぶつかる速度は破砕刃の回転速度から廃蛍光管がスロープを滑り落ちていく速度を引いた比較的遅い速度になる。破砕力は破砕刃がぶつかる速度の二乗に比例するので、破砕刃がぶつかる速度が遅くなるほど破砕力は格段に落ちる。この原理を使って、環状管などのプラスチックの口金部分を破砕しないようにガラス部分だけを破砕することができる。このときスロープの反対側を使えば、廃蛍光管が破砕刃にぶつかる速度は破砕刃の回転速度にスロープを滑り落ちていく速度を足したものになるので、比較的早い速度になり、破砕力は飛躍的に増すので、電球型のような割れにくいガラスを破砕するのに適している。
【0013】
電球型のような丸い形をしたものでも、スロープを滑り落すときにガイド板に沿って滑り落すことによって、口金部分を上にしてガラス部分を下側にして落せばそのままの姿勢を保って滑り落せるので、ガラスの部分に先に破砕刃を当てることができ、プラスチックの口金部分を破砕しないでガラスの部分だけを破砕することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成したので、請求項1に記載の発明は破砕刃を比較的遅い速度で回すことにより、廃蛍光管が破砕刃に当たる衝撃力をやわらげ、環状管や電球型、コンパクト球などの廃蛍光管のガラス部分だけを破砕し、金属やプラスチックの口金部分を破砕しない破砕機とすることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は上記に加えて、破砕刃に上向きに突起した刃をつけることにより、廃蛍光管の中で特に環状管や電球型廃蛍光管を破砕しやすくすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は同じく上記に加えて、スロープの横幅を比較的広く作り、廃蛍光管の種類によって、滑らす位置を左、右、中央に使い分けできるようにしたので、破砕刃の回転と同方向側は破砕力を減らすことができるし、反対側は破砕力を増すことができるようになり、廃蛍光管の種類に応じて、最適な破砕力を選択することができるようになる。またガイド板を付設することにより、丸い形をした電球型の廃蛍光管もガラス部分を下に向けて滑らせれば、そのままの姿勢を保って滑り落せるので、ガラス部分に先に破砕刃を当てることができるので、金属やプラスチックの口金部分を破壊しないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本実施例に係る廃蛍光管破砕機の斜視図、図2は同廃蛍光管破砕機の上面図、図3は同廃蛍光管破砕機の断面側面図、図4は集塵機の断面側面図、図5は環状管を破砕するときの断面図、図6は環状管を破砕するときの斜視図、図7は電球型蛍光管を破砕するときの斜視図、図8は破砕刃を6枚刃としたときの他の実施例の上面図と側面図である。
【0018】
図1は本破砕機Aの全体像を示す。破砕盤1は4本の柱2を立て、その柱にキャスター3を付け、破砕盤1の中央部分に位置するモーター4がドラム缶5の真上に来るように調節できるようにする。破砕盤1はテーブル板の上にモーター4を下向きに固定し、モーター軸がテーブル板を貫通し、テーブル板の下側で角棒状の破砕刃6を回転させ、テーブル板の斜め上部から、スロープ7で廃蛍光管を滑らせながらテーブル板にあけた角穴8通過させて、角棒状の破砕刃6で廃蛍光管のガラス部分を破砕できるようにする。
【0019】
図3は本破砕機Aの断面図である。廃蛍光管を破砕すると有毒な水銀が飛散するため、破砕盤1とドラム缶5の間の空間は透明な合成樹脂フィルム製のシート9で覆い密閉する。シート9の上端部と下端部にはゴムリング10をはめて、水銀蒸気の漏洩を防ぐ。ドラム缶5が破砕くずで一杯になったときは、シート9の中央部をロープで結束してから、シート9の上端部を破砕盤1下部のポッパー部11からはずせば、ドラム缶5の内部を密閉したまま、安全にドラム缶5を破砕機から切り離し、新しいドラム缶に交換することができる。
【0020】
図3に示すように、廃蛍光管を滑らすスロープ7は筒状の鋼板12で覆い、筒の中間部にはゴム製の遮断幕13を垂らして、廃蛍光管がスロープ7を通過するときだけ、遮断幕13を押しのけ、下方に落下するようにして、常時は空気を遮断するようにする。破砕機の稼動中は破砕盤1の内部を常に吸引して、負圧にすることで、水銀蒸気の外部への漏洩を防ぐようにする。この為、スロープ7の筒部下方に取り付けた吸気口14からフレキ管15を集塵機16につなぎ、集塵機16で破砕盤1の内部を常に
吸引する。
【0021】
図4は集塵機16の断面側面図である。集塵機16の上部には交換可能なカートリッジタイプの除塵フィルター17を取り付け、その下部にも交換可能なカートリッジタイプの活性炭ボックス18を設置する。その下部にはフィルターが一杯になったとき赤いランプが点灯するフィルター交換サイン19を設置する。そして最下部に吸気ブロア20を設置することで、廃蛍光管の破砕時に飛散する粉塵は除塵フィルター17によって補足し、水銀蒸気は活性炭ボックス18で補足することができる。
【0022】
図1、図3において、破砕盤1に取り付けるモーター4は破砕刃6の回転速度を毎分150回転乃至450回転の比較的遅いものにする。破砕力は破砕刃6が蛍光管にぶつかる速度の二乗に比例するので、回転速度が遅いほど破砕力は格段に落ちる。この原理を使い、ぶつかる速度や角度を調整することによって、プラスチックの口金を破砕しないでガラス部分だけを破砕することができる。
【0023】
図1及び図8において、モーターに取り付ける破砕刃6は鋼鉄製の角棒の形をした4枚の刃を十字型に組み合わせたものか、あるいは5枚乃至8枚の破砕刃を正多角形に組み合わせたものにする。またそれぞれの破砕刃6の上部に上向きに突起した刃21を1枚乃至複数枚取り付ける。
【0024】
図5は環状管がスロープ7を滑り落ちて破砕刃6に当たる断面図である。環状管は端部がなく、全体が丸いので、破砕刃6が滑ってしまい、破砕できないことがあるが、破砕刃の上部に上向きに突起させた刃21により、確実に破砕することができる。
【0025】
図6は環状管がスロープ7を滑り落ちて破砕刃6に当たる斜視図である。スロープ7の右側では廃蛍光管がスロープ7を滑り落ちていく方向と同じ方向に破砕刃6が回転しているので、破砕刃6が廃蛍光管にぶつかる速度は破砕刃の回転速度v1から廃蛍光管がスロープを滑り落ちていく速度v2を引いた比較的遅い速度になる。ぶつかる速度が遅いほど破砕力は格段に落ちるのでガラスだけを破砕してプラスチックの口金部分は破砕しないようにすることができる。
【0026】
図7は電球型蛍光管がスロープ7を滑り落ちて破砕刃6に当たる斜視図である。スロープ7の左側では廃蛍光管がスロープ7を滑り落ちていく方向と反対方向に破砕刃6が回転しているので、破砕刃6が廃蛍光管にぶつかる速度は破砕刃の回転速度v1と廃蛍光管がスロープを滑り落ちていく速度v2を足した比較的早い速度になる。ぶつかる速度が速いほど破砕力は格段に増すので、電球型のような割れにくいガラスを破砕することができる。
【0027】
図7に示すように電球型のような丸い形をしたものでもスロープ7を滑り落すときにガイド板22に沿って滑り落すようにすれば、例えば口金部分を上にして、ガラス部分を下にして落せば、そのままの姿勢を保って滑り落すことができる。スロープ7の左側を滑り落せば、電球型の丸いガラス部分に真正面から破砕刃が当たるので、ガラス部分だけを破砕することができる。
【0028】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態の図面と左右が逆でも同様に実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】廃蛍光管破砕機の斜視図である。
【図2】廃蛍光管破砕機の上面図である。
【図3】廃蛍光管破砕機の断面側面図である。
【図4】集塵機の断面側面図である。
【図5】環状管を破砕するときの断面図である。
【図6】環状管を破砕するときの斜視図である。
【図7】電球型蛍光管を破砕するときの斜視図である。
【図8】破砕刃の他の実施例を示す上面図、側面図である。
【符号の説明】
【0030】
A 廃蛍光管破砕機
1 破砕盤 2 柱 3 キャスター
4 モーター 5 ドラム缶 6 破砕刃
7 スロープ 8 角穴 9 シート
10 ゴムリング 11 ホッパー部 12 筒状の鋼板
13 遮断幕 14 吸気口 15 フレキ管
16 集塵機 17 除塵フィルター 18 活性炭ボックス
19 フィルター交換サイン 20 吸気ブロアー 21 突起した刃
22 ガイド板
【出願人】 【識別番号】506160237
【氏名又は名称】株式会社セフティランド
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100077687
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤田 章


【公開番号】 特開2008−36455(P2008−36455A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−209616(P2006−209616)