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【発明の名称】 メディア撹拌ミル
【発明者】 【氏名】石川 剛

【氏名】伊藤 崇博

【要約】 【課題】構造が簡単で安価であるにもかかわらず、良好に粉砕メディアの分離を行うことのできるメディア撹拌ミルを提供する。

【構成】メディア分離スクリーン9が撹拌軸6の中空部6bに固定されたメディア攪拌ミル1において、攪拌部材7とスクリーンの間に、該スクリーンを取り囲む固定リング30が配置されており、この固定リングは、粉砕タンク2に固定されており、複数の連通孔34を有していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に原料供給口を有する筒状の粉砕タンク、この粉砕タンク内に長手方向に延びるように配置された撹拌軸、およびこの攪拌軸と前記粉砕タンクの内壁の間に形成された粉砕室に入れられた粉砕メディアを備え、前記撹拌軸は、前記粉砕タンクの他端近傍に原料−粉砕メディア入口を有する中空部が形成され、円筒壁となっており、前記撹拌軸の円筒壁には、前記中空部を前記粉砕室に連通する複数の連通孔が形成され、原料の動きに伴って前記粉砕タンクの前記他端に達した前記粉砕メディアが、原料−粉砕メディア入口から前記撹拌軸の前記中空部に入り、前記連通孔から前記粉砕室に戻る循環運動をするようになっており、前記撹拌軸の前記中空部内に原料排出口が配置され、前記中空部内に前記原料排出口を取り囲むように設けられたメディア分離スクリーンが前記撹拌軸に固定されたメディア攪拌ミルにおいて、
前記攪拌部材とスクリーンの間に、該スクリーンを取り囲む固定リングが配置されており、この固定リングは、前記粉砕タンクに固定されており、複数の連通孔を有していることを特徴とするメディア撹拌ミル。
【請求項2】
前記スクリーンの外周には、該スクリーンを保護するための保護管が取り付けられており、この保護管が複数の連通孔を有していることを特徴とする請求項1のメディア攪拌ミル。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア撹拌ミルに関する。本発明の循環型メディア撹拌ミルは、インキ、塗料、顔料、トナー、セラミックス、誘電体、フェライト、光触媒、無機物、金属、ガラス、製紙用コーティングカラー等の原料を微細粒子に粉砕または分散するための使用に特に適しているが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
上記のような用途に使用されているメディア攪拌ミルとしては、例えば特開2006−7128号公報に記載されたビーズミルが知られている。この公報に記載されたビーズミルは、顔料ペーストの供給路及び排出路が設けられ、周壁及び両側壁を有する円筒状のベセルと、前記ベセル内に収容されて該ベセル内に収容されて該ベセル周壁との間に顔料分散を行うための環状隙間を形成するように配置されたローターであって、該ローターの周壁に分散メジアの通過し得る循環用開口部が形成された前記ローターと、前記ローター内に配置されるとともに、前記ベセルの一方の側壁を貫通する第1回転駆動軸に支持された分離スクリーンと、を有し、前記第1回転駆動軸の内部には、前記分離スクリーンの内部に連通する前記排出路が形成されていることを特徴とする。また、このビーズミルにおいては、前記分離スクリーンの周囲を囲むように遠心羽根が、設けられている。そして、このビーズミルにおいては、少なくとも2つの回転駆動軸を用いて、前記ローター、遠心羽根および分離スクリーンを回転するようになっている。
【0003】
同公報によれば、分離スクリーンを回転駆動させることにより、分離スクリーンの周囲にある顔料ペースト中の分散メジアが遠心力によって分離スクリーンから引き離されるように作用するので、従来の分離スクリーンやギャップセパレータのみのビーズミルに比べて、より小径の分散メジアであっても目詰まりすることがない、としている。また、同公報によれば、分離スクリーンの周囲を囲む遠心羽根を設けることにより、前記遠心力が増し、分散メジアの分離スクリーンからの分離作用が増す、ともしている。
【0004】
しかしながら、上記ビーズミルにおいては、少なくとも2つの回転駆動軸を用いているので、軸シール、駆動用モーター、軸受け等が2組必要となり、大変に高価なものとなると共に、構造が複雑になるという問題がある。また、分解洗浄に手間がかかり、その後の組み込みに熟練を要するという問題もある。
【特許文献1】特開2006−7128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、構造が簡単で安価であるにもかかわらず、良好に粉砕メディアの分離を行うことのできるメディア撹拌ミルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のメディア撹拌ミルは、一端側に原料供給口を有する筒状の粉砕タンク、この粉砕タンク内に長手方向に延びるように配置された撹拌軸、およびこの攪拌軸と前記粉砕タンクの内壁の間に形成された粉砕室に入れられた粉砕メディアを備え、前記撹拌軸は、前記粉砕タンクの他端近傍に原料−粉砕メディア入口を有する中空部が形成され、円筒壁となっており、前記撹拌軸の円筒壁には、前記中空部を前記粉砕室に連通する複数の連通孔が形成され、原料の動きに伴って前記粉砕タンクの前記他端に達した前記粉砕メディアが、原料−粉砕メディア入口から前記撹拌軸の前記中空部に入り、前記連通孔から前記粉砕室に戻る循環運動をするようになっており、前記撹拌軸の前記中空部内に原料排出口が配置され、前記中空部内に前記原料排出口を取り囲むように設けられたメディア分離スクリーンが前記撹拌軸に固定された攪拌ミルにおいて、前記攪拌部材と分離スクリーンの間に、該分離スクリーンを取り囲む固定リングが配置されており、この固定リングは、前記粉砕タンクに固定されており、複数の連通孔を有していることを特徴とする。
前記分離スクリーンの外周には、該分離スクリーンを保護するための保護管が取り付けられており、この保護管が複数の連通孔を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
撹拌軸に分離スクリーンを取り付けた構造のものは、分離スクリーン自体が回転するので、分離スクリーンが固定されていて回転しないタイプのものに比べて、メディア分離能力が大きくなる。しかしながら、分離スクリーンが撹拌軸の内部に設けられているため、分離スクリーンによる遠心力が撹拌軸による遠心力を上回らないので、外方へビーズを排除する能力が乏しく、粉砕メディアが停滞し、スラリーの分離スクリーン内部への流入力により分離スクリーンに押し付けられて抵抗となり、過大圧が発生するという問題がある。
本発明のメディア撹拌ミルにおいては、上記したように粉砕タンクに固定され、分離スクリーンを取り囲む固定リングを設けたことにより、分離スクリーンの遠心力に対する撹拌軸による遠心力の影響を緩和して、分離スクリーンによる遠心力を効率よく利用し、分離スクリーン周りの粉砕メディアを排除するようにしたので、メディア分離能力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態によるメディア撹拌ミルについて説明する。
図1は、本発明のメディア攪拌ミルの実施形態を示す断面図である。図に示すように、メディア攪拌ミル1は、円筒状の粉砕タンク2を備えており、該粉砕タンク2の両端にはエンドカバー3およびケーシング4が液密に取り付けられている。本明細書においては、上記エンドカバー3およびケーシング4を含めて粉砕タンクと称することがある。ケーシング4には、原料供給口5が設けられている。粉砕タンク2の内部には、軸方向に延びるように回転自在な攪拌軸6が配置され、該攪拌軸6と粉砕タンク2の内面との間に空間すなわち粉砕室Cが形成されている。この粉砕室Cにはガラスビーズやセラミックビーズのような粉砕メディア11が充填されている。粉砕メディアは、ナノメートルサイズの粉砕・分散のためには0.2mm以下の直径であることが必要である。
【0009】
攪拌軸6には、軸方向及び周方向に間隔をもって放射状に外向きに突出するように複数の攪拌部材7が固定されている。攪拌部材7は、棒状の代わりに円盤状としてもよく、円盤状の場合には、攪拌部材7は、複数個が軸方向に間隔をもって攪拌軸6に固定される。
【0010】
攪拌軸6は、ケーシング4を貫通して粉砕タンク2の外部に延びる軸部分17を有し、この軸部分17が軸受け付き支持部材(図示せず)により粉砕タンク2に対し回転自在であるが軸方向には移動しないように支持される。この軸部分17にはまた、メカニカルシール18が設けられている。攪拌軸6を回転駆動するための駆動装置は、図示しない電動モータその他適当な原動機である。攪拌軸6の上述した軸部分にはプーリー(図示せず)が取り付けられ、該プーリーが伝動ベルト(図示せず)により原動機の出力軸に設けたプーリー(図示せず)に連結されている。この連結により、攪拌軸6が電動モータ等の原動機により回転駆動される。
【0011】
攪拌軸6の先端側の部分(原料供給口5から遠い方の端部)は、その端部が符号6aで示すように開口したコップ型の中空形状であり、攪拌軸6は、その中空部6bに対応する壁部分6cにスリット状の連通孔6dが形成されている。攪拌軸6の端部における上述の開口6aは粉砕メディア循環用入り口を構成し、連通孔6dは粉砕メディア循環用出口を構成する。
攪拌軸6の中空部6bには、該撹拌軸と一体であって、原料排出口13aが形成された排出口形成部13が設けられている。この原料排出口13aは、攪拌軸6を貫通して延びる原料排出通路14に連通されている。
攪拌軸6の中空部6bには、上記原料排出口13aを取り囲んだ状態で分離スクリーン9が配置されている。この分離スクリーン9は、攪拌軸6(排出口形成部13)にネジ19で固定され、該攪拌軸とともに回転する。
【0012】
上記粉砕タンク2の外周側には、該粉砕タンク2と間隔をおいてジャケット23が設けられており、このジャケット23内を、粉砕タンク、粉砕室を冷却する冷却水が流通するようになっている。図において、符号24は冷却水入口ノズル、符号25は冷却水出口ノズルをそれぞれ示している。
上記エンドカバー3の中央部には円形の開口3aが形成されている。符号30は固定リングを示し、この固定リング30は、その先端に形成されたリング主部31、これを支持する支持部32、および該固定リング30を上記エンドカバー3に取り付け固定するための取り付けフランジ33を備えている。リング主部31は、その直径が分離スクリーン9(後に説明するスクリーン保護管を設けた場合にはこのスクリーン保護管)の直径より大きく、撹拌軸6の壁部分6cの直径より小さく設定されている。リング主部31には、粉砕メディア11を半径方向外方に通すための複数のスリット状の連通孔34が設けられている。
上記固定リング30は、リング主部31側から粉砕タンク2内に挿入され、図1に示された状態でフランジ33をネジ35でエンドカバー3に螺着することにより、結果的に粉砕タンク2に固定されたこととなる。この状態で、リング主部31は、分離スクリーン9と撹拌軸6の壁部分6cの間に挿入され、分離スクリーン9を所定の間隔をおいて取り囲んでいる。当然のことながら、このリング主部31は、撹拌軸6の壁部分6cからも所定の間隔を置かれている。
【0013】
上記分離スクリーン9は、該分離スクリーンに対する粉砕メディアアタックを緩和させ、その損耗を少なくするための保護管36で取り囲むことが好ましい。この保護管36には、図2に示したように軸方向に対して斜めに配置されたスリット状の連通孔37が設けられており、この連通孔37により原料が分離スクリーン9側に移動する。上記分離スクリーン9と保護管36は、分解可能に一体的に組み立てられた組立体として形成され、この状態で攪拌軸6(排出口形成部13)にネジ19で固定されているのが好ましい。
作動においては、原料供給口5から被粉砕粒子を含むスラリーである原料を導入しながら撹拌軸6を回転駆動する。粉砕室C内に導入されたスラリーは、メディア11とともに撹拌され、粉砕室C内で回転運動を生じる。この粉砕媒体の回転運動のため、粉砕室C内においてはメディア撹拌ミルに周知の作用により、スラリー内の被粉砕粒子が粉砕ないしは分散される。
【0014】
粉砕タンク2の原料供給口5から遠い側の端部近傍においては、スラリ−と粉砕媒体は、矢印fで示すように、攪拌軸6の端部の開口6aにより形成される粉砕メディア循環用入り口から攪拌軸6の中空部6b内に入り、スラリ−は、リング主部31の連通孔34、保護管36の連通孔37を介してスクリーン9を通り、原料排出口13aから原料排出通路14を通って取り出される。粉砕メディアは、遠心力の作用により半径方向外向きに付勢されるため、スクリーン9から離れて、リング主部31の連通路34を介して連通孔6dにより形成される粉砕メディア循環用出口を通って粉砕室Cに戻される。このとき、本発明においては、固定リングの作用により、分離スクリーンと固定リングの間に速度差を生じさせているので、粉砕メディアが分離スクリーンに張り付くのがより防止される。したがって、ナノメートルサイズの粉砕のために微細粒径の粉砕メディアを使用してもスクリーンを目詰まりさせる恐れがなくなる。その結果、メディア攪拌ミルの安定運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施態様によるメディア撹拌ミルを示す断面図である。
【図2】図1に示したメディア撹拌ミルに使用されている分離スクリーンの保護管の正面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 メディア撹拌ミル
2 粉砕タンク
3 エンドカバー
4 ケーシング
5 原料供給口
6 撹拌軸
6a 開口
6b 中空部
6c 壁部分
6d 連通孔
7 攪拌部材
9 分離スクリーン
11 粉砕メディア
13 排出口形成部
14 原料排出口
17 軸部分
18 メカニカルシール
19 ネジ
23 ジャケット
24 冷却水入口ノズル
25 冷却水出口ノズル
30 固定リング
31 リング主部
32 支持部
33 フランジ
34 連通孔
35 ネジ
36 保護管
37 連通孔

【出願人】 【識別番号】504124783
【氏名又は名称】アシザワ・ファインテック株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100089303
【弁理士】
【氏名又は名称】滝口 昌司

【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一

【識別番号】100086265
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 仁


【公開番号】 特開2008−29902(P2008−29902A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−202686(P2006−202686)