トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理

【発明の名称】 回転式処理装置用の処理容器と処理対象物の回転式処理装置
【発明者】 【氏名】柳原 英夫

【氏名】小幡 博志

【要約】 【課題】メンテナンスの安全性・正確性・簡単化・迅速化・低コスト性などを満足させることのできる回転式処理装置用の処理容器を提供し、かつ、当該処理容器を用いて構成された有用で有益な処理対象物の回転式処理装置をも提供する。

【構成】処理容器33はつぎのようなものである。単一の円筒を形成するためのものであって円筒縦割形の部材形状を有する複数の弧状部材33A〜33Dと、一つ以上の弧状部材33A〜33Dを開閉移動自在に支持するための一つ以上の開閉支持機構とを備えている。複数の弧状部材33A〜33Dを円筒状に閉じたり非円筒状に開いたりすることができるようにこれら弧状部材33A〜33Dが相対配置されている。一つ以上の弧状部材33A〜33Dがその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉移動できるように支持されている。処置装置は処理容器33を利用して構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の円筒を形成するためのものであって円筒縦割形の部材形状を有する複数の弧状部材と、一つ以上の弧状部材を開閉移動自在に支持するための一つ以上の開閉支持機構とを備えていること、および、複数の弧状部材を円筒状に閉じたり非円筒状に開いたりすることができるようにこれら弧状部材が相対配置されていること、および、一つ以上の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉移動できるように支持されていることを特徴とする回転式処理装置用の処理容器。
【請求項2】
一つ以上の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉回転自在なるよう支持されている請求項1に記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項3】
一つ以上の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して半径方向に開閉スライド自在なるよう支持されている請求項1に記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項4】
一つ以上の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して半径方向に開閉スライド自在なるよう支持されているとともに開閉回転自在なるようにも支持されている請求項1に記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項5】
すべての弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉移動できるように支持されている請求項1〜4のいずれかに記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項6】
一部の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉回転自在なるよう支持されているとともに残部の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して半径方向に開閉スライド自在なるよう支持されている請求項1〜5のいずれかに記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項7】
弧状部材の内面沿いに上下動自在なスクレーパと、閉じ状態における処理容器の外部からスクレーパを上下動させるための昇降操作機構とがそれぞれの弧状部材に装備されている請求項1〜6のいずれかに記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項8】
四つと六つのうちから選択される偶数の弧状部材を備えている請求項1〜7のいずれかに記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項9】
閉じ状態における処理容器の外部に回転自在な弧状部材の支点部が設定されている請求項1〜8のいずれかに記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項10】
弧状部材の内面に脱着自在な内張り防護材が取り付けられている請求項1〜9のいずれかに記載された回転式処理装置用の処理容器。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載された回転式処理装置用の処理容器と、処理容器内にあって当該処理容器の軸心部に配置された回転軸と、回転軸の外周に放射状に装備された複数本の回転打撃体と、回転軸に連結された回転駆動系の機械とで構成されているとともに、円筒状をなすときの処理容器とその内部にある回転打撃体との相対関係において、処理容器と回転打撃体とが互いに非接触であり、かつ、処理容器が回転打撃体の周囲を取り囲んでいることを特徴とする処理対象物の回転式処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、建設(土木・建築)・機械加工・化学処理・農業・水産・食品・薬品・水処理・廃棄物処理・その他各種の分野で利用できる物理的および/または化学的な処理手段に関する。より詳しくは、処理対象物の粉状処理・粒状処理・塊状処理・攪拌処理・混合処理などについて、いずれかの単独処理をしたり二つ以上の処理を併せた複合処理をしたりすることのできる装置とその装置構成部品として好適な処理容器に関する。
【背景技術】
【0002】
土質材料は土構造物の構成材料である。土質材料としては玉石・砂利・砂・シルト・粘土やこれらの複合したものが広く知られている。土質材料の集合体である土構造物は、通常、多くの間隙がってここに水分・空気・その他を含んでいる。したがって土構造物は、固体・液体・気体の混合物であるといえる。
【0003】
建設(土木・建築)分野における土構造物については圧縮性・圧密性・剪断抵抗・破壊強度などの力学的性質とか、粒度分布・含水量・比重などの物理的性質や透水性とかが工学的に最重要であり、これらが土質力学の基本をなしている。ちなみに工学的観点からみた土構造物は、固体・液体・気体の割合によって力学的性質が著しく変化し、ときに弾性を、ときに塑性を、ときに流動性を示すという複雑なものである。農林分野で取り扱う土構造物については、力学的性質よりも化学的性質や植物栄養上の特性で定まる肥沃度にウエイトがおかれる。魚介類の養殖を行う水産分野では、養殖場(水底)に敷き込んで形成する砂層や礫層について適切な材質のものを選定しなければならないし、水処理用の濾床なども、その材質が処理効果を左右するのでこれの選定が重要になる。また、土中をコロニーとする微生物の培養や小動物の飼育・養殖などでは、これら生存率を高めたり旺盛な繁殖性を示したりすることが土構造物に要求される。
【0004】
土質材料やその原材料としては自然のものが豊富にある。しかし自然のままの土質材料や同原材料は、これらの材料特性によって用途限定されるとともに自然からの新たな採取が自然破壊に通じるという点で入手に大きな制約を受ける。一方、不良土・廃棄物・ヘドロ・風化岩・下水汚泥・甲殻類の残骸・火砕流堆積土・建設発生土などの処理(処分)については、周辺の環境破壊や処理コストの高騰が問題であるばかりか、処理場や投棄場を確保することの困難さが将来に向けての大きな障壁になっている。かかる現状において、処理の困難な上記廃棄物等を低処理コストで再資源化や有効利用できる場合にはこれらの問題が概ね解消することとなる。
【0005】
廃棄物の再資源化・再利用は古くから行われており、処理難度(加工難度)の高いものについても再資源化や再利用が試みられている。これらの加工処理に際しては選別手段・機械加工手段・熱処理手段・化学処理手段・混合手段・その他が必要なだけ組み合わされて実施される。選別手段は材質・形状・大きさなどを基準にして廃棄物を選別するものである。機械加工手段には多くのものがあり粉砕加工や圧縮加工がよく用いられる。熱処理手段としては乾燥・焼却などを目的とするものがあげられる。化学処理手段では再資源化されたものを無害化したりこれに特異な性質を付与したりするほか、再資源化されたものが粉砕物である場合に、これを所定の形状に固形化したりする。これらの化学処理には添加材(添加剤)の用いられる例が多い。混合手段についていうと、これは互いに異質の再資源化物を混ぜ合わせたり、再資源化されたものと添加材とを混ぜ合わせたりするものである。
【0006】
破壊に至るまでの変形能力が乏しい脆性物(硬脆性物も含む)なども、ゼロエミッション・リサイクル・リユースをはかるための研究などが盛んである。脆性物については周知のように、外力(または変形)が所定値まで達したときに急激に強度が低下して脆性破壊が起こるというものである。このような脆性物は多種多様でかなりの種類がある。脆性物のうちで廃棄処分に付されるものの多くは、上記と重複するものも含め、貝殻・甲殻類の殻・卵殻・魚骨・動物骨・乾物・不要ガラス・不要瀬戸物・不要半導体・劣化コンクリート・土塊・粘土塊・風化岩・泥質岩・不良鉱物結晶などである。かかる脆性物も、たとえば破砕処理で粉粒体に加工したりした場合は、土木・建築・機械・農業・水処理・食品・薬品・鉱物資源など各種の分野で活用できる有価物になる。これらのうちにはすでに実用に供されているものもある。
【0007】
上述した処理対象物の処理手段については、回転体のエネルギを破砕エネルギとして利用するものが処理能力の点で有望である。それは回転体を連続回転させるだけで目的物の連続処理が行えるからである。回転式の処理手段には縦型と横型がある。縦型のものは縦型の円筒容器内において、カッタ・ハンマ・ブレード・ロータなどの水平回転体が垂直回転軸の周りに放射状かつ上下複数段に取り付けられたものである。横型のものは横型の容器内において、カッタ・ハンマ・ブレード・ロータなどの垂直回転体が水平回転軸の周りに放射状かつ左右複数列に取り付けられたものである。両タイプのうちで、自重で垂直落下する処理対象物を水平回転体でヒットする縦型のものは被打撃物に対する剪断作用が大きい。これに比べ、垂直落下する処理対象物を垂直回転体でヒットする横型のものは被打撃物への剪断作用が起こりがたい。したがって特別の事情がないかぎり、剪断作用の大きい縦型の回転式処理手段を用いるのがよいといえる。被打撃物を細かく破砕するときも回転式処理手段は高い破砕力を発揮する。
【0008】
回転打撃式処理技術のうちの数例が特許文献1〜3に開示されている。これは縦型円筒容器(処理容器)内に回転打撃体が装備されたものである。かかる文献技術の場合は、固形の処理対象物を円筒容器内に投入するだけでよい。理由は、円筒容器内で高速回転している回転打撃体により、処理対象物を効率よく打撃破砕できるからである。
【0009】
【特許文献1】特開平06−246178号公報
【特許文献2】特開平10−263424号公報
【特許文献3】特開2003−275607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
既存の上記打撃式処理手段において、打撃に直接関与する部品や部材は、これ以外のものに比べた場合に消耗が格段に早い。打撃処理物が高速で衝突したり付着したりする処理容器も汚損や変形が生じやすいものである。これらに対しては、点検・清掃・修理・交換などのメンテナンスを使用頻度に応じて適時適切に実施することが不可欠となる。ちなみに岩塊混じりの処理対象物を金属製の鎖(回転打撃体)で連続的に打撃破砕するときなどは、回転打撃体の先端部が数時間で消耗するという破砕機能の早期低下が生じたりする。このようなケースでは数時間ごとのメンテナンスが要求される。
【0011】
メンテナンスについては安全・正確・簡単・迅速・低コストなどが要諦である。しかしながら現状では、下記[A]〜[F]のような改善の余地が残されているため、これを満足させるのが難しくなっている。
[A] メンテナンス作業員は、腕力や脚力など自力に依存して上部マンホールから処理容器内外を出入りすることとなる。処理容器内で宙づり作業を強いられることもある。すなわちメンテナンスは劣等な環境下での高難度作業になる。それゆえ作業員は、メンテナンス技能だけでなく高い身体能力なども要求される。
[B] 処理容器の内部は暗くて狭小である上、構成要素たる部品や部材が各所に突出している。かかる状況下で高難度作業を行うときは、徹頭徹尾、慎重で配慮の行き届いた行動をとるなど作業員自らが安全を確保しなければならない。
[C] 作業条件が過酷であるため、正確なメンテナンス作業を行うのに長時間を要する。したがって迅速な作業が行いがたい。
[D] 作業難度が高いだけでなく、安全性や正確さを期す上でも多くの労苦を強いられるので、メンテナンスが高コストになりがちである。
[E] 狭小な処理容器内にあってはメンテナンス機械を搬入するにも制限を受ける。ゆえにメンテナンス機械を利用するなどして作業速度を高めるのも難しい。
[F] 装置(打撃式処理手段)を分解することでメンテナンス作業を簡略化することも考えられるが、この場合は装置の分解作業に余分な労力と時間を要するので、トータル的にみて経費などの節減に結びつかない。
【0012】
本発明は上記のような技術課題に鑑み、メンテナンスの安全性・正確性・簡単化・迅速化・低コスト性などを満足させることのできる回転式処理装置用の処理容器を提供し、かつ、当該処理容器を用いて構成された有用で有益な処理対象物の回転式処理装置をも提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は下記(001)〜(011)に示す課題解決手段を特徴とし、これらの課題解決手段にて所期の目的を達成するものである。
(001) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、単一の円筒を形成するためのものであって円筒縦割形の部材形状を有する複数の弧状部材と、一つ以上の弧状部材を開閉移動自在に支持するための一つ以上の開閉支持機構とを備えていること、および、複数の弧状部材を円筒状に閉じたり非円筒状に開いたりすることができるようにこれら弧状部材が相対配置されていること、および、一つ以上の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉移動できるように支持されていることを特徴とする。
(002) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001) において、一つ以上の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉回転自在なるよう支持されていることを特徴とする。
(003) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001) において、一つ以上の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して半径方向に開閉スライド自在なるよう支持されていることを特徴とする。
(004) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001) において、一つ以上の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して半径方向に開閉スライド自在なるよう支持されているとともに開閉回転自在なるようにも支持されていることを特徴とする。
(005) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001)〜(004)のいずれかにおいて、すべての弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉移動できるように支持されていることを特徴とする。
(006) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001)〜(005)のいずれかにおいて、一部の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して開閉回転自在なるよう支持されているとともに残部の弧状部材がその弧状部材用の開閉支持機構を介して半径方向に開閉スライド自在なるよう支持されていることを特徴とする。
(007) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001)〜(006)のいずれかにおいて、弧状部材の内面沿いに上下動自在なスクレーパと、閉じ状態における処理容器の外部からスクレーパを上下動させるための昇降操作機構とがそれぞれの弧状部材に装備されていることを特徴とする。
(008) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001)〜(007)のいずれかにおいて、四つと六つのうちから選択される偶数の弧状部材を備えていることを特徴とする。
(009) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001)〜(008)のいずれかにおいて、閉じ状態における処理容器の外部に回転自在な弧状部材の支点部が設定されていることを特徴とする。
(010) 本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、上記(001)〜(009)のいずれかにおいて、弧状部材の内面に脱着自在な内張り防護材が取り付けられていることを特徴とする。(011) 本発明に係る処理対象物の回転式処理装置は、上記(001)〜(010)のいずれかに記載された回転式処理装置用の処理容器と、処理容器内にあって当該処理容器の軸心部に配置された回転軸と、回転軸の外周に放射状に装備された複数本の回転打撃体と、回転軸に連結された回転駆動系の機械とで構成されているとともに、円筒状をなすときの処理容器とその内部にある回転打撃体との相対関係において、処理容器と回転打撃体とが互いに非接触であり、かつ、処理容器が回転打撃体の周囲を取り囲んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る回転式処理装置用の処理容器は、弧状部材相互を閉じたときに円筒状になり、かつ、弧状部材相互を開いたときに弧状部材相互が分離した非円筒状の開き状態になるものであるから、下記(101)〜(109)のような効果を有する。
(101) 円筒状に閉じたときの処理容器は、この種の既存容器と比べ、機能・容量・構造などの点で遜色がなく、その内部で既述の粉状処理・粒状処理・塊状処理・攪拌処理・混合処理などが行える。したがって回転式処理装置用の処理容器に適するものである。
(102) 非円筒状に開いたときの処理容器は自明のとおり、その開放部分によって内と外が通じ合うものである。この場合の実施形態いかんでは、囲い込み効果のある障壁性が全くなくなることもある。したがって閉塞状態にある狭小な円筒空間と比べ、作業自由度が増すとともに危険回避行動や退避行動もとりやすくなり、作業上の安全性を容易に確保することができる。
(103) 非円筒状に開いたときの処理容器は、また、メンテナンス要員の出入りやメンテナンス機材の搬入搬出が自由に行えるから、これに際して格別の労力を要しない。
(104) 処理容器を非円筒状に開いたときの弧状部材は、開放による反転でその内面を外部に曝すことができる。外向きに反転させた内面はこれに対するメンテナンスが容易に行える。反転状態にない弧状部材であっても、容器内の要員や機材とか外部から内部へ介入させた機材などを介してメンテナンスを行うことができる。したがってメンテナンスが行いやすい。
(105) 開放によって外部と通じた処理容器は、メンテナンス時に外部空間も作業空間として活用できる。これで作業空間が広範なものになるから安全性や作業性がさらに増し、作業も正確を期すようになる。
(106) 作業自由度の高い容器開放状態であるから、メンテナンス要員やメンテナンス機材を容器内外の適材適所に配備してメンテナンスを合理的かつ迅速に行うことができる。
(107) 上記のようにメンテナンスが簡単かつ迅速に行え、単位時間あたりに処理できる仕事量がアップするから、メンテナンス費も低く抑えることができる。
(108) 処理容器は弧状部材と開閉支持機構とを主体にして構成されるものであるから、基本的な部品種が少ない。したがってメンテナンスの容易な当該容器を簡潔に構成することができる。
(109) 弧状部材が内面清掃用のスクレーパを備えているときは、これを利用することで清掃などのメンテナンスがより簡単迅速に行え、作業員の作業負担も大幅に軽減することができる。
【0015】
本発明に係る処理対象物の回転式処理装置は、上記のような処理容器内に回転打撃体が配置され、それに回転駆動系の機械が連結されたものである。これについては、処理容器を閉じた状態で処理のための運転をすればよく、かつ、運転停止状態のときに処理容器を開いて必要なメンテナンスをすればよいものである。したがって下記(111)〜(113)のような効果がある。
(111) 円筒状に閉じた処理容器内において、回転駆動系の機械により回転打撃体を高速回転させ、その処理容器内に処理対象物を投入するだけで、既述の粉状処理・粒状処理・塊状処理・攪拌処理・混合処理などが行える。この場合の回転打撃体と処理容器は互いに干渉することなく立体的に組み合わされている。すなわち回転打撃体が処理容器の開閉機能を阻害することがなく、逆に処理容器が回転打撃体の各種機能(破砕機能・攪拌機能・混合機能など)を低下させることもないから、既存のものと同等以上の処理機能や処理能力が確保できる。ゆえに処理対象物の回転式処理装置に適する。
(112) 運転停止状態において処理容器を開いたときは、上記(101)〜(107)で述べたと同様の理由により、処理容器や回転打撃体のメンテナンスを安全・正確・簡単・迅速・低コストで行うことができる。
(113) メンテナンス作業性を高めるための改善域が静的構造物(処理容器)にとどまり、動的構造物(回転打撃体)には及ばない。したがって、破砕・攪拌・混合などの処理を行うための回転打撃体やその関連部材のスペックについて、これを新たに設定せずとも既存のものがそのまま適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る処理対象物の回転式処理装置(本発明に係る回転式処理装置用の処理容器を含むもの)について、はじめは図1〜図4に例示された実施形態を説明する。この実施形態の構成要素(部品・部材)で材質ないし材料を説明しないものは金属製である。そのような金属としては耐衝撃性など機械的特性の優れた鋼がよく採用される。ただし、材質が明らかな周知部品や周知部材については金属製でないこともある。
【0017】
図1〜図4に例示された本発明処理装置は支持台11・電動機21・伝動系23・処理容器31・回転軸51・回転打撃体61などを主体にして構成されている。これに加え、処理対象物の搬入系102・添加物(添加材・添加剤)の供給系103・処理済み処理対象物の搬出系104なども付帯している。
【0018】
図1で明らかな支持台11は台座構造物12と二つの架構物13・14とからなる。これは柱・梁・桁・板・筋交いなどを建て込んだり組み付けたり組み立てたりすることで一体構築された骨格構造をしている。支持台11と両架構物13・14との相対関係では、両架構物13・14が台座構造物12の上に設けられている。かかる構造の支持台11は後述の処理容器31を組み付けて支持するのに適するほか、後述の電動機(モータ)19や回転軸51を支持するのにも適するものである。処理容器31を支持台11に取り付けるときは、台座構造物12と架構物13との境界部にある平面四角形の枠構造部15や架構物14の中間部(上部と下部との間)にある平面四角形の枠構造部16が利用される。支持台11は主に金属からなり、場合により木材・合成樹脂・複合材などの周知材料が併用されることもある。
【0019】
縦型で円筒状をなす処理容器31は図1〜図4で明らかなとおり、上面に入口32u、下面に出口32sを有するものである。処理容器31は複数の弧状部材33A〜33Dを主要な構成要素にしている。これらの弧状部材33A〜33Dは円筒を複数に縦割りしたような形状構造である。よって、各弧状部材33A〜33Dを円筒状に合体したときの容器形態は、自明のとおり単一の円筒構造になる。処理容器用の弧状部材数は「2〜10」程度の範囲内から適当に選択される。一例にすぎない図示の実施形態では弧状部材の数が「4」である。各弧状部材33A〜33Dは、具体的一例において補強効果や防護効果のある内張り防護材(ライニング材)35を弧状基板34の内面に取り付けることで構成される。その場合の相対関係では、弧状基板34が広い一枚の板状、内張り防護材35が弧状基板34に比してかなり小さなタイル状である。したがって内張り防護材35は、弧状基板34に対して、複数枚のものを面状に張り付けるという態様で使用される。材質・材料に関していえば、弧状基板34や内張り防護材35は機械的強度の優れた金属製たとえば鋼製である。内張り防護材35は、ねじ止めとか溶接など、周知の取り付け手段で弧状基板34の内面に内張りされる。その内張りの具体的一例は図3で明らかなように、内張り防護材35の一側部(左側部)が弧状基板34の一側部(左側部)から入り込んだ位置にあって、内張り防護材35の他側部(右側部)が弧状基板34の他側部(右側部)から突出した位置にある。そのため、各弧状部材33A〜33Dの両側部には、重ね合わせ用の段差部36h・36mが生じている。各弧状部材33A〜33Dには、また、弧状基板34の上端部外周に板状の取付部37uが一体に設けられており、弧状基板34の下端部外周にも板状の取付部37sが一体に設けられている。この両取付部37u・37sは上下に対面していて、上下方向に沿う共通の軸線上に上下一対の軸孔38u・38sが形成されている。さらに一方の取付部37uには、複数のロック孔39も形成されている。その他に関しては、図1に示されているように、上下方向に沿う補強用のリブ40が弧状基板34の外周面に設けられている。
【0020】
処理容器31を構成するための複数の弧状部材33A〜33Dは、図1・図3に例示された上下一対の取付部材41u・41sや上下一対の枢軸具44u・44sで支持台11に装着されるものである。一例にすぎない図示例でいうと、上部用の取付部材41uは金属製帯板の後端部側を上向きに折り曲げてなり、下部用の取付部材41sは平坦な金属製帯板からなる。図3で明らかなように、両取付部材41u・41sの先端部側には前記両取付部37u・37sの軸孔38u・38sに対応した軸孔42u・42sが形成されている。さらに上部用取付部材41uの先端部側には、前記取付部37uの各ロック孔39に対応した複数のロック孔43も形成されている。複数の弧状部材33A〜33Dと両取付部材41u・41sとを連結するための枢軸具44u・44sは、軸ピンとその軸ピン抜け止め用のナット(ダブルナット)など周知のものからなる。
【0021】
複数の弧状部材33A〜33Dを支持台11に対して回転自在に装着して処理容器31を構成するときは図1〜図4を参照してつぎのようになる。はじめはそれぞれ四つある取付部材41u・41sが、架構物13の上下中間部にある枠構造部16と台座構造物12の上部にある枠構造部15に取り付けられる。具体的には、円周を四等分するようなポジションを保持して上位四つの取付部材41uが上位側の枠構造部16に取り付けられるとともに下位四つの取付部材41sも同様にして下位側の枠構造部15に取り付けられる。この取付状態で、上位側にある各取付部材41uの軸孔42uと下位側にある各取付部材41sの軸孔42sとは、それぞれ上下一対のものがそれぞれの垂直軸線上に並ぶ。したがってこの取付後、四つの弧状部材33A〜33Dgが、四対あるそれぞれの上下取付部材41u・41s間に一つあて介在され、それらが枢軸具44u・44sを介して両取付部材41u・41sに回転自在に装着される。ちなみに弧状部材33Aについていうと、これは上位側所定部(37u・41u)の軸孔38u・42uが一致し、かつ、下位側所定部(37s・41s)の軸孔38s・42sが一致するように、弧状部材33Aを両取付部材41u・41s間に介在させた後、この一致した所定対の軸孔38u・42uおよび38s・42sに枢軸具44u・44sの軸ピンをそれぞれ通し、該各軸ピンの貫通端部に枢軸具44u・44sの締付ナットをそれぞれ締め付けることで装着される。他の弧状部材33B〜33Dもこれと同様にして装着される。弧状部材33A〜33Dの取付手順はこれのみに限定されるものではない。たとえば、枢軸具44u・44sを介して両取付部材41u・41sを各弧状部材33A〜33Dの上下両取付部37u・37sに先行して取り付けておき、それから、両取付部材41u・41sを両枠構造部15・16に取り付けるようにしてもよい。かくて支持台11に装備された処理容器31は、各弧状部材33A〜33Dを図2のように閉じることで円筒状になるとともに、各弧状部材33A〜33Dを図4のように開くことで非円筒状になる。さらにいうと、図1〜図4の処理容器31では、枢軸具44u・44sなどを主体にして構成された各弧状部材33A〜33Dの支点部が、その弧状部材33A〜33Dの外側にある。
【0022】
上述した図1〜図4の実施形態では、自明のとおり、両取付部材41u・41sや枢軸具44u・44sが各弧状部材33A〜33Dを開閉回転自在なるよう支持するための開閉支持機構となる。
【0023】
図1〜図3から理解できるように、閉じ状態にある処理容器31の各弧状部材33A〜33Dは、その上部用取付部37uのロック孔39がそれぞれ上位取付部材41uのロック孔43と合致するようになる。それゆえ、合致した両ロック孔39・43を利用して処理容器31の閉じ状態をロック保持することができる。一例である図示の実施形態では、ロック具45がボルト・ナットからなるので、合致状態の両ロック孔39・43にロック具45のロックピン(ボルト)を差し込み、その両ロック孔39・43を貫通したロックピンの端部にロック具45のストッパ(ナット)を締め付けることで、処理容器31の閉じ状態がロック保持される。
【0024】
図1・図2を参照して、回転軸51は充実型(軸状)または中空型(パイプ状)のものである。回転軸51の外周面には打撃部材の取付用として上下複数段の取付部52が設けられている。複数段の取付部52は、それぞれ回転軸51の外周面に取り付けられた上下一対の輪形板からなり、その上下一対の輪形板の間に打撃部材差し込み用のスペースを介在させている。各段の取付部52には、ロックピンなどのピンを差し込むための複数のピン孔53(図2参照)が周方向に等間隔で形成されている。回転軸51は処理容器31内(処理容器31の軸心部)に垂直に配置されたものであり、それを上下一対の軸受54・55が回転自在に支持している。具体的にいうと、回転軸51の上部側を回転自在に支持している一方の軸受54は、支持台11の架構物13にあって上位の枠構造部17の中央部に設けられる。回転軸51の下部側を回転自在に支持している他方の軸受55は、支持台11の台座構造物12においてその台座構造物12の上部側にある枠構造部15の中心部に配置されており、かつ、当該軸受55の外周部から放射状に突出した複数本の取付棒(ステー)56たとえば三〜四本程度の取付棒56を、図1のごとく枠構造部15に固定することで所定位置に設けられる。
【0025】
図1を参照して、回転軸51の動力源たる電動機(モータ)21は、周知の手段で支持台11の架構物14に装備されており、電動機21の動力を回転軸51に伝えるための伝動系23がこれに付帯している。伝動系23は周知のとおり、電動機21の出力軸22に取り付けられた原動輪24と、回転軸51の上端部外周に取り付けられた従動輪25と、原動輪24および従動輪25にわたって掛け回されたループ状のエンドレス体26とからなる。この場合における原動輪24および従動輪25は、プリー・タイミングプリー・スプロケットホイールのいずれかからなり、エンドレス体26は両輪に対応する動力伝達用ベルト・動力伝達用タイミングベルト・動力伝達用チェーンのいずれかからなる。
【0026】
図1を参照して、回転軸51に脱着自在に装備される回転打撃体61は、短冊形をした打撃用のブレード62が周知の連結ピンを介してチェーン63の先端に連結されたものである。この場合のブレード62やチェーン63はいずれも金属製の剛体からなる。回転打撃体61は回転軸51に対し、一段あたり複数本の放射状で上下複数段となるように取り付けられる。その一態様として図示例の各回転打撃体61は、図1のごとく回転軸51の外周に上下三段で取り付けられており、それぞれの段における回転打撃体61が図2のごとく四放射状となっている。それぞれの回転打撃体61を回転軸51に脱着自在に取り付けるときの具体的な一例は、図1・図2のとおり、チェーン63の基端部が取付部52の差し込み用スペース内に介在された後、取付部52のロック孔53とチェーン63とを上下に貫通するようにそこにピン(ロックピン)64が落とし込まれる。
【0027】
図1を参照して、支持台11の架構物13における上位の枠構造部17には、処理容器31の上位から処理容器31の入口32uに向けて処理対象物を落とし込むためのシュート101が設けられている。さらに、このシュート101に対応して処理対象物の搬入系102が配置されているとともに処理容器31の出口32s側に対応して処理済み処理対象物の搬出系104が配置されている。これらの搬入系102や搬出系104は、一例として周知のベルトコンベアからなる。このほかにもシュート101上には添加物の供給系103が装備されている。この供給系103は流量制御器や開閉弁を有する配管を主体にして構成されたものであり、その配管の先端部が処理容器31内の上部側に挿入され、その配管の基端部が図示しない供給源に接続されている。
【0028】
本発明における処理対象物はつぎのようなものである。処理対象物は「固体」「固体と液体との混合物」「固体と気体との混合物」「固体と液体と気体との混合物」のいずれかであり、他の観点において、「無機物」「有機物」「無機物と有機物との混合物」のいずれかであったりする。この場合の固体・液体・気体は、天然(自然)のものであるか、人工(人造)のもであるかを問わない。処理対象物の具体的なものは、「泥」「土」「砂」「礫」「石」「岩」などのうちから選ばれた一以上のものであったり、また、泥を含む二種以上の混合物・土を含む二種以上の混合物・砂を含む二種以上の混合物・礫を含む二種以上の混合物・石を含む二種以上の混合物・岩を含む二種以上の混合物などのうちから選択された一以上のものであったりする。その他のものとしては、「ヘドロ」「泥土」「粘性土」「砂質土」「礫質土」「土塊」「粘性土塊(ロームや浚渫土)」「粘土塊」「泥質岩」「風化した珊瑚礫混じり土」「風化岩(泥岩・凝灰岩・花崗岩など)」「風化岩塊混じり土」「玉石(河川・湖沼・海岸などでみられるもの)」「砕石(市販品)」「下水汚泥スラッジ」「有機質土」「弱溶結堆積物(火砕流堆積物・降下火砕堆積物・それらの二次堆積物などであって軽石質ないし火山灰質の白色を帯びたものも含む)」「火砕流堆積土」「崖錐土」「建設発生土」「ピート」「貝殻」「甲殻類の殻」「卵殻」「魚骨」「動物骨」「乾物」不要ガラス」「不要瀬戸物」「不要半導体」「劣化コンクリートやその他のコンクリートおよびコンクリート塊」「不良鉱物結晶」「廃棄プラスチックを含む各種のプラスチック」「廃木材」「流木」「雑草」「藁」「チップ状生木」などや、これらのうちの二種以上が混じり合ったものをあげることができる。処理対象物が有害物質で汚染されていることもある。
【0029】
本発明における添加物(添加材・添加剤)も、「固体」「固体と液体との混合物」「固体と気体との混合物」「固体と液体と気体との混合物」のいずれかであり、しかも、それが「無機物」「有機物」「無機物と有機物との混合物」のいずれかであったりする。具体的な添加物としては、「粉状・塊状などの生石灰」「粉状・塊状などの消石灰」「粉状・塊状・液状などのセメント系固化材」「粉状・塊状・液状などの石灰系固化材」「粉状・液状などの高分子系安定剤」「粉状・液状などの土質安定用ポリマ」「粉状・液状などの増粘剤」「粉状・液状などの農業用肥料」「粉状・液状などの廃棄石炭灰」「粉状・液状などのベントナイトその他の止水」「金属系・炭素系・石油材料系などの短繊維」「一般廃棄物焼却灰スラグ」「土工用軽量発砲ビーズ」「土工用水砕スラグ」「粉状・液状などの分離防止剤」「水」「海水」「空気」「酸素」「中和剤」「アルカリ性ガス」「酸性ガス」などである。
【0030】
本発明において処理対象物に添加物を加えて以下のように処理するとき、処理対象物のいずれかを添加物として採用したり、逆に添加物(ただし気体単独のものや液体単独のものは除く)を処理対象物として採用したりすることもある。このような場合において、いずれを処理対象物として扱い、いずれを添加物として扱うかは、それほど重要でない。取り扱い上は、配合割合の多いものを処理対象物とし、配合割合の少ないものを添加物とすることで十分である。
【0031】
本発明の図1〜図4に例示された実施形態では、処理対象物を処理するときにつぎのようにする。処理容器31については、各弧状部材33A〜33Dをあらかじめ図1・図2のような閉じ状態にして円筒状に保持し、それから、電動機15・搬入系102・搬出系104をオンにして運転状態にする。このような運転状態にすると、電動機15の動力が伝動系23を介して回転軸51に伝わる。したがって回転軸51は、複数段の回転打撃体61をともなって高速で水平回転する。ちなみにこのとき、回転打撃体61はその先端部の周速が50〜1000km/時となるようにする。具体的一例として、回転軸51の回転数を1000回転/分にしたりする。
【0032】
上記の運転状態について図1を参照すると、搬入系102の場合はシュート101や入口32uを通じて処理対象物を処理容器31内に投入する。一方で供給系103は、必要なときのみ、シュート101を通じて所要の添加物を処理容器31内に供給する。処理容器31内に投入されて重力落下する「処理対象物」または「処理対象物+添加物」(以下は処理対象物+添加物についても単に処理対象物という)は、はじめ、上段にある回転打撃体61で打撃されて一次処理物になる。すなわち処理対象物は、回転打撃体61の水平回転打撃エネルギによる破砕・攪拌・混合のうちのいずれか一つ以上の作用を受けて一次処理物になる。ここで「破砕」は処理対象物および/または添加物が小さく砕けることを意味し、「攪拌」は破砕物相互が掻き混ぜられたり破砕物と添加物とが掻き混ぜられたりすることを意味し、さらに「混合」は破砕物相互が均質に混じり合ったり破砕物と添加物とが均質に混じり合ったりすることを意味する。その後、一次処理物は、自重落下するにしたがい中段や下段の回転打撃体61によっても打撃されて高次処理物になる。かくて高次の処理を終えた処理対象物、すなわち、処理済みの処理対象物は、処理容器31の出口32sから搬出系104上に落下し、当該搬出系104を介して所定の場所まで搬送されることとなる。
【0033】
上記のようにして処理対象物を処理するとき、装置の使用頻度に応じて適時点検し、その点検結果にしたがい清掃・修理・交換など必要なメンテナンスを講じる。一般的傾向として、泥土系処理対象物の処理では処理容器31の清掃が多くなり、岩石系処理対象物の処理では処理容器31内における各部の補修や部品交換が多くなる。これに際しては、装置を休止状態にして安全を確保した後、各弧状部材33A〜33Dを図4のように開いて処理容器31を非円筒状にする。具体的には、前述した両ロック孔39・43からロック具45を離脱させた後、枢軸具44u・44sを中心にして各弧状部材33A〜33Dを開き方向(時計回り方向または反時計回り方向)へ回転させる。処理容器31すなわち各弧状部材33A〜33Dがこのような開き状態にあるときは、容器閉じ状態のときと比較し、容器内外への作業員の出入やメンテナンス機器の搬入搬出が楽に行え、作業自由度も格段に高上する。したがって、メンテナンス作業員やメンテナンス機器を容器内外の適材適所に配備してメンテナンス作業を合理的かつ迅速に行うことができる。
【0034】
装置のメンテナンスが終了したならば、各弧状部材33A〜33Dを元の状態に閉じることで処理容器31を元の円筒状に戻し、その状態を枢軸具44u・44sでロック保持する。こうすることで装置をこれまでどおりに使用することができる。
【0035】
図1〜図4で説明した本発明の処理容器や処理装置については、下記(201)〜(211)のような実施形態もある。
(201) 処理容器31を構成する複数(二つまたは三つ以上)の弧状部材33A〜33Dについて、一部の弧状部材と残部の弧状部材との幅(周方向の寸法)、または、全部の弧状部材の幅が互いに異る。もちろん、この実施形態でも、各弧状部材を閉じ状態にしたときには処理容器31が円筒状になる。処理容器31を構成する弧状部材の数については、製作・組み立て・取り扱い・実用性などを考慮した場合に、偶数で四つ〜六つぐらいが望ましい。
(202) 処理容器31を構成する二つまたは三つ以上の弧状部材33A〜33Dについて、これらが弧状基板34のみからなる。したがってこの場合は内張り防護材35が省略される。
(203) 処理容器31内で旋回する処理対象物を衝突させるための複数の衝突用突起が処理容器31の内面に設けられる。衝突用突起の形状構造は任意でよく、具体的には立方体・直方体・板状体・半球体などが採用される。一例でいうと、複数の衝突用突起は周方向に間隔をおいて、かつ、上下方向に段をなすように設けられる。したがって、この例での衝突用突起は一段あたり二つ以上で、それが上下複数段ある。ちなみに弧状部材が弧状基板34のみからなるとき衝突用突起は弧状基板34の内面に設けられ、弧状部材が弧状基板34と内張り防護材35とからなるとき衝突用突起は内張り防護材35の内面に設けられる。処理容器31の内面(弧状部材の内面)と衝突用突起との一体化は溶接やねじ止めなど周知の手段で行われる。もちろん衝突用突起は一部の弧状部材の内面に設けられるだけでもよいし、全部の弧状部材の内面に設けられてもよい。処理容器31の内面にこのような衝突用突起が設けられるとき、回転中の回転打撃体61と静止している衝突用突起とが衝突することがないように双方の大きさや長さ等について整合がとられる。
(204) 処理容器31内で自重落下する処理対象物をその容器中心部側へ案内誘導するために、逆円錐形状のテーパ内周面を有する短い円錐筒状のガイド部材が処理容器31の内面に取り付けられる。このガイド部材は円錐筒状のものが弧状部材と同数に分割されてそれぞれの弧状部材内面に取り付けられるため、各弧状部材を閉じ状態にして処理容器31を円筒状にしたときに円錐筒状になる。図1を参照して、処理容器31の内面に対するガイド部材の取付部位は、水平状態で上下に隣接する回転打撃体61の間に対応する箇所である。この場合も、回転中の回転打撃体61と静止しているガイド部材とが衝突することがないように双方の大きさや長さ等について整合がとられる。
(205) 回転打撃体61の段数は一段以上であればよい。その一段あたりの回転打撃体61の本数は二本以上であり、望ましくは三本以上である。
(206) 回転打撃体61は、図示以外の一例として、長い板状部材・長い角材状部材・長いブレード状部材などのうちから選択される長手部材であって屈伸性のないものからなり、さらに他の一例として、屈伸性のある長手のチェーンからなる。したがってブレード62とチェーン63とからなる図示例の回転打撃体61は、この二例からみて例外である。
(207) 上位の両軸孔38u・42uや下位の両軸孔38s・42sに装着するための枢軸具が、前記両枢軸具44u・44sに代え、一本の長い支点軸からなることもある。この支点軸は図1から容易に推測できるように、上位の両軸孔38u・42uから下位の両軸孔38s・42sに達して余る長さを有し、しかもこれには、軸孔に対する抜け止め用の頭部が一端にあり、他端に止具(ナット)を締め付けるためのネジ部がある。
(208) 上下複数段の回転打撃体61をロックするためのピン64が、各段ごとに用いる短いピンに代え、回転軸51の各段にある取付部52を一挙に貫通することのできる長いものからなる。この長いピンも図1から容易に推測できるように、最上位の取付部52から最下位の取付部52に達して余る長さを有し、しかもその上端には、ピン孔に対する抜け止め用の頭部がある。
(209) 各弧状部材33A〜33Dをロックするためのロック孔39・43が、上部用取付部37uや下位取付部材41uに代え、下部用取付部37sや下位取付部材41sに設けられ、これらにロック具45が装着される。あるいは、これらのロック孔39・43が、両取付部37u・37sや両取付部材41u・41sにそれぞれ設けられ、これらにロック具45が装着される。
(210) 各弧状部材33A〜33Dを動きを拘束するための器具が、上記のロック手段に代え、上部用取付部37uと下位取付部材41uとを挟みつけたり、下部用取付部37sと下位取付部材41sとを挟みつけたりするためのクランプ具からなる。このクランプ具の具体的なものとして、バイス(万力)のようなもをあげることができる。
(211) 処理容器31は縦型で円筒状のものである。この場合の「円筒状」はつぎのような筒状形態を含む上位概念語である。すなわち「円筒状」の語は、径の一定した単純円筒形のほか、径の異なる部分・円錐形を有する部分・逆円錐形を有する部分のうちのいずれか一つ以上を有するもの、全体が円錐形を有するもの、全体が逆円錐形を有するものなどを含むものである。したがって複数の弧状部材(33A〜33D)からなる円筒状処理容器31が、これらのうちのいずれから選択される。また、処理容器31が単純円筒形以外の円筒状のものであるとき、一段または上下複数段の回転打撃体61は、回転時において処理容器31の内面に衝突することがないよう、長さなどの寸法が適切に設定される。
【0036】
本発明に係る処理対象物の回転式処理装置(本発明に係る回転式処理装置用の処理容器を含むもの)について、つぎに図5・図6に例示された実施形態を説明する。この実施形態での構成要素(部品・部材)も、材質ないし材料を説明しないものは金属製である。そのような金属としては耐衝撃性など機械的特性の優れた鋼がよく採用される。ただし、材質が明らかな周知部品や周知部材については金属製でないこともある。
【0037】
図5・図6に例示された本発明処理容器や本発明処理装置において、支持台11・電動機21・伝動系23・回転軸51・回転打撃体61・処理対象物の搬入系102・添加物の供給系103・処理済み処理対象物の搬出系104・そのほか、説明を省略した事項は図1〜図4を参照して説明したものと実質的に同じかそれに準ずる。したがって、以下においては、処理容器31とその関連構成などについて、前例と異なる事項を主体にして説明する。
【0038】
図5・図6に例示された処理容器31において、各弧状部材33A〜33Dを開閉するための方式は、回転開閉式とスライド開閉式との併用型である。この併用型で各弧状部材33A〜33Dを開閉自在に支持するときの一例として、図5・図6に例示された各弧状部材33A〜33Dの開閉支持機構は、つぎのようなものを主たる構成要素としている。一つは複数本の枢軸具44、他の一つは上下一対を一組とする複数組のスライダ71u・71s、さらに他の一つは上下一対を一組とする複数組のレール74u・74sである。これらのうちで枢軸具44は、周知の軸の上下両端部に雄ネジ部44bが形成されたものである。上下一対のスライダ71u・71sは厚板状またはブロック状のような直方体からなり、これにネジ孔72やロック孔73が形成されている。上下一対のレール74u・74sは、C型鋼のような断面形状を有していてその上面中央部または下面中央部に長さ方向に沿うスリット75を有するものである。この一対のレール74u・74sの前端部と後端部であってスリット75を通して見える部分には、ロック孔76・77が形成されている。
【0039】
図5・図6の実施形態も前例と同様、複数(四つ)の弧状部材33A〜33Dを円筒状に閉じたり非円筒状に開いたりすることができるように、これら四つの弧状部材33A〜33Dが支持台11の所定位置に相対配置されて組み付けられるものである。その具体的一例として、それぞれ四つの上部用レール74u・下部用レール74sが用いられる。すなわち、四つの下部用レール74sが前記枠構造部15上で前後左右の四放射状に配置されて前記取付部材41sに装着されるとともに、四つの上部用レール74uがそれぞれの下部用レール74sと上下対面するように前記枠構造部16下で前後左右の四放射状に配置されて前記取付部材41uに装着される。一方で各弧状部材33A〜33Dは、図5・図6の実施形態でもその上下両端部に取付部37u・37sを有しており、当該両取付部37u・37sには軸孔38u・38sやロック孔39が形成されている。したがって、上下一対の両レール74u・74sで支持される各弧状部材33A〜33Dの場合、両取付部37u・37sにわたって枢軸具44が装着されたり、その枢軸具44の上下両端部に上下一対のスライダ71u・71sが取り付けられたりするほか、両スライダ71u・71sを介して枢軸具44が上下両レール74u・74sに組み付けられるものである。より詳しくいうと、枢軸具44の場合は、その上下両端部が両取付部37u・37sの軸孔38u・38sに通されてここを貫通するようになり、その前後や途中において、枢軸具44の上下両端部にある雄ネジ部44bにナットからなるストッパ44nが付される。ストッパ44nを付された枢軸具44は両取付部37u・37sの軸孔38u・38sから離脱しないだけでなく軸方向の動きも制約される。この後、各弧状部材33A〜33Dに組み付けられた枢軸具44の上下両端部には、スライダ71u・71sが取り付けられる。すなわち、枢軸具44の上下両端部にある雄ネジ部44bがスライダ71u・71sのネジ孔72にねじ込まれて枢軸具44の上下両端部にスライダ71u・71sが取り付けられる。さらに、枢軸具44や上下一対のスライダ71u・71sを備えた各弧状部材33A〜33Dは、上部側スライダ71uや下部側スライダ71sが下部用レール74uや下部用レール74sの各内部に嵌め込まれるという態様で、両レール74u・74sにより支持される。ちなみにこの場合の嵌め込みは、両レール74u・74sの一端部または他端部において両スライダ71u・71sの端面と両レール74u・74sの端面とを正対させた状態で両スライダ71u・71sを両レール74u・74s内に同時挿入することで行われる。
【0040】
図5・図6の実施形態において、それぞれの両レール74u・74sで上記のごとく支持された各弧状部材33A〜33Dは、両レール74u・74sの長さ方向沿いに両スライダ71u・71sをスライドさせることで処理容器31の半径方向に開閉スライドし、かつ、枢軸具44を支点にして時計回り方向や反時計回り方向へ回すことでそれぞれの方向へ開閉回転するものである。
【0041】
図5・図6の処理容器31において各弧状部材33A〜33Dが円筒状に閉じられているとき、すなわち、処理容器31が閉じ状態にあるとき、レール74u・74sのロック孔76とスライダ71u・71sのロック孔73とレール74u・74sのスリット75と取付部37u・37sのロック孔39とが同一の垂直軸線上に並ぶ。したがって、これらを貫通するようにロック具(ロックピン)45を差し込んだときは処理容器31の閉じ状態が保持され、各弧状部材33A〜33Dはスライドも回転もしないようになる。各弧状部材33A〜33Dを図6の仮想線のようにスライドさせて開いたときもこれと同様である。すなわちレール74u・74sのロック孔77とスライダ71u・71sのロック孔73とレール74u・74sのスリット75と取付部37u・37sのロック孔39とが同一の垂直軸線上に並ぶから、これらを貫通するようにロック具(ロックピン)45を差し込んだときは処理容器31の開き状態が保持され、各弧状部材33A〜33Dはスライドも回転もしないようになる。このようなロック状態で各弧状部材33A〜33Dのスライド移動のみを拘束して回転を許容するときは、取付部37u・37sのロック孔39を除く他のロック孔73・76にロック具45を差し込めばよい。
【0042】
図5・図6の実施形態も図1〜図4の実施形態と同様、処理容器31の閉じ状態において既述のように処理対象物を処理し、処理容器31の開き状態において処理容器31の点検・清掃・修理・交換など必要なメンテナンスを行うものである。図5・図6の実施形態で処理容器31の各弧状部材33A〜33Dを閉じ状態にするときは、アンロックで開き状態にある各弧状部材33A〜33Dを処理容器31の求心方向へスライド移動させてこれらを円筒状に閉じ、しかるのち各弧状部材33A〜33Dを既述のロック状態にする。一方、図5・図6の実施形態で処理容器31の各弧状部材33A〜33Dを開き状態にするときは、各弧状部材33A〜33Dを既述のアンロック状態にしてからこれらを処理容器31の遠心方向へスライド移動させ、非円筒状の開き状態にする。この実施形態で処理容器31が開き状態にあるとき、前例と同様、メンテナンス作業を合理的かつ迅速に行うことができる。
【0043】
図5・図6で説明した本発明の処理容器や処理装置については、下記(301)〜(306)のような実施形態もある。
(301) 支持台11の前後幅(サイズ)や左右幅(サイズ)は、各弧状部材33A〜33Dがスライドするときのストローク量に応じて増減される。
(302) ロック孔39・73・76やロック具45などによる各弧状部材33A〜33Dのロック手段については図5の上部側・下部側のいずれか一方または両方が省略される。
(303) スライダ71u・71sやレール74u・74sによるスライド開閉手段については、スライダ71u・71sが水平で短い中空体からなり、レール74u・74sが水平で長い棒状体からなる。この場合はレール74u・74sがスライダ71u・71sを貫通する態様で両者が相対スライド自在に組み合わされる。
(304) 各弧状部材33A〜33Dについて、一部または全部の弧状部材が時計回り方向や反時計回り方向には回転しない。これを一例でいうと、弧状部材(33A〜33D)からスライダ(71u・71s)に至るまでの間の部位には弧状部材の回転を許容するような構成がなく、回転しないところの弧状部材は自転も公転もしない。したがって、この実施形態における一部または全部の弧状部材は開閉スライドするのみとなる。
(305) スライダ71u・71sやスライダレール74u・74sによるスライド開閉手段については、図5の上部側・下部側のいずれか一方が省略される。
(306) 前述した(201)〜(211)の各事項については、技術的互換性の範囲内で図5・図6の実施形態でも採用される。
【0044】
本発明に係る処理対象物の回転式処理装置(本発明に係る処理容器を含むもの)について、つぎに図7〜図12に例示された実施形態を説明する。これらの構成要素(部品・部材)でも、材質ないし材料を説明しないものは金属製である。その場合の金属としては耐衝撃性など機械的特性の優れた鋼がよく採用される。ただし、材質が明らかな周知部品や周知部材については金属製でないこともある。
【0045】
図7〜図12に例示された本発明処理容器や本発明処理装置の場合、支持台11・電動機21・伝動系23・回転軸51・回転打撃体61・処理対象物の搬入系102・添加物の供給系103・処理済み処理対象物の搬出系104・そのほか説明を省略した事項は図1〜図6を参照して説明したものと実質的に同じかそれに準ずる。したがって以下においては、処理容器31とその関連構成などについて、前例と異なる事項を主体にして説明する。
【0046】
図7〜図12を参照して、処理容器31を構成している各弧状部材33A〜33Dには上下方向に沿う複数の開口部たとえば二つの開口部46h・46mが形成されている。この複数の開口部46h・46mは細長いもので互いに平行している。各弧状部材33A〜33Dの外面で両開口部46h・46mの上部や下部と対応する部位には、滑車とか調車とかいわれるところの上下一対のプーリ47hu・47mu・47ms・47hsがそれぞれ装備されている。これにつき理解の容易な図10を参照して説明すると、つぎのとおりである。すなわち、各弧状部材33A〜33Dのそれぞれの外面において、上下一対のプーリ47hu・47hsは、開口部46hの上部両側・下部両側に設けられた軸受部材48hu・48hsや軸ピン49hu・49hsを介して回転自在に装備され、かつ、上下一対のプーリ47mu・47msは、開口部46mの上部両側・下部両側に設けられた軸受部材48mu・48msや軸ピン49mu・49msを介して回転自在に装備されている。
【0047】
図7〜図12の実施形態において、各弧状部材33A〜33Dに装備されるそれぞれのスクレーパ81A〜81Dは、上下両端縁にナイフエッジを有する円弧状のブレード82と、ブレード82の裏面に取り付けられた二本のガイド棒83h・83mと、両ガイド棒83h・83mにわたって架された連結部材84とからなる。図8・図9を参照して、両ガイド棒83h・83mの根本部は後述する閉鎖帯用の接続部85h・85mとなっている。図8・図9を参照して、連結部材84の内面中央には、周知の軸受部材(符号なし)や周知の軸ピン(符号なし)を介して回転自在なローラ86が装備されているとともに、連結部材84の外面中央には二つの取付部材間にスペースを介在させた連結部87が設けられている。これらのスクレーパ81A〜81Dにおいて、横長の帯状であって円弧状でもあるブレード82の裏面曲率は、各弧状部材33A〜33Dの内面曲率と対応するものであり、そのブレード82の裏面から突出している両ガイド棒83h・83mの軸間距離は、前記した両開口部46h・46m間の寸法と対応するものである。上下一対のプーリ47hu・47mu・47ms・47hsに掛け回されて各スクレーパ81A〜81Dの接続部85h・85mに接続される二つの閉鎖帯88h・88mは、ゴムまたは合成樹脂製のベルト、または、皮革製のベルト、あるいは、金属製のベルト、もしくは、これらの複合材製ベルトなど、適当な材質のものからなる。両閉鎖帯88h・88mの幅は前記両開口部46h・46mの開口幅に対応するものである。
【0048】
弧状部材33Aへのスクレーパ81Aの組み付けは一例としてつぎのとおりである。はじめは、ブレード82の裏面に二本のガイド棒83h・83mが取り付けられた段階において、両ガイド棒83h・83mが弧状部材33Aの内側から両開口部46h・46m内に挿し通され、ブレード82が弧状部材33Aの内面にあてがわれる。ついで、両開口部46h・46mを貫通した両ガイド棒83h・83mの貫通端部にわたり連結部材84が架されてねじ止めなどで固定される。この段階での連結部材84の内面側には、前述したローラ86が組み付けられている。したがって、両ガイド棒83h・83mにわたり連結部材84が架されたとき、当該ローラ86が弧状部材33Aの外面に接するようになる。一方で両閉鎖帯88h・88mは、それぞれ上下一対のプーリ47hu・47muおよび47hs・47msにそれぞれ掛け回されるとともに、これら閉鎖帯88h・88mの両端部が図8のごとくスクレーパ81Aの接続部85h・85mに接続される。その接続状態を固定する手段の一例は金具止めである。こうしてスクレーパ81Aが弧状部材33Aに装備されたとき、両閉鎖帯88h・88mは、両開口部46h・46mを塞ぐようにこれらの内部に介入する。さらにいうと、スクレーパ81Aのブレード82は自明のように弧状部材33Aの内面に沿って上下動するものである。その際、閉鎖帯88h・88m・プーリ47hu・47mu・47hs・47ms・ローラ86などは、これらの各部材が互いに共同してブレード82を上下方向へ円滑に誘導するものである。弧状部材33B〜33Dに対するスクレーパ81B〜81Dの組み付けも、一例として、上記と同様に行われる。
【0049】
上記各スクレーパ81A〜81Dを上下動させるための各昇降操作機構91A〜91Dは、たとえば図7〜図9に例示された油圧シリンダ・空気圧シリンダなど周知の伸縮機械からなるものである。したがってこの図示例の各昇降操作機構91A〜91Dは、シリンダ92とピストンロッド93と該ピストンロッド93の先端部に設けられたリング状の連結部94とからなる。図示はされていないが、各昇降操作機構91A〜91Dの所定部には、シリンダ92内に圧力媒体(流体)を出入させたり各昇降操作機構91A〜91Dを制御したりするためのレギュレータ・コントロールユニット・その他が、配管系や電線系を介して接続されている。
【0050】
図7〜図12の実施形態も前例と同様、複数(四つ)の弧状部材33A〜33Dを円筒状に閉じたり非円筒状に開いたりすることができるように、その四つの弧状部材33A〜33Dが支持台11の所定位置に相対配置されて組み付けられるものである。そのため、各弧状部材33A〜33Dには、スクレーパ用の昇降操作機構91A〜91Dが組み付けられる。具体的には図8・図9のように、スクレーパ81A〜81Dの連結部87と昇降操作機構91A〜91Dの連結部94とを重ね、その重なり部分を軸ピン95で貫通して枢軸止めすることにより、各昇降操作機構91A〜91Dがそれぞれの弧状部材33A〜33Dに組み付けられる。こうして昇降操作機構91A〜91Dが組み付けられた各弧状部材33A〜33Dは、支持台11の枠構造部15上において図7のような円筒状処理容器31が形成できるように、所定の円周上に四点配置される。具体的には図8のとおり、各昇降操作機構91A〜91Dのシリンダ92の下部を枠構造部15上に設置かつ固定することで、各弧状部材33A〜33Dは処理容器31が形成できるようになる。各弧状部材33A〜33Dは、また、取付部材41uや枢軸具44uを介して支持台11の枠構造部16に対しても回転自在に装着される。これは図8から理解できるように、各弧状部材33A〜33Dの上端部外周より張り出している取付部37uに、枢軸具44uを介して取付部材41sが相対回転自在に枢軸止めされ、その取付部材41sの取付端部が支持台11の枠構造部16に固定される。この部分の構成は図1〜図4の実施形態で説明したものと同じである。したがって、この部分の構成に関するその他の説明は前例を参照することで省略する。
【0051】
図7〜図12の実施形態も図1〜図6の各実施形態と同様、処理容器31の閉じ状態において既述のように処理対象物を処理し、処理容器31の開き状態において処理容器31の点検・清掃・修理・交換など必要なメンテナンスを行うものである。図7〜図12の実施形態での処理容器31の閉じ状態は、図7のとおり、各弧状部材33A〜33Dを円筒状に閉じることで得られる。この処理容器31の閉じ状態は通常、既述のロック手段で保持される。このような閉じ状態にある処理容器31を開くときは、図12のとおり、ロック解除後の各弧状部材33A〜33Dをそれぞれの開き方向へ回転させる。この開き回転時における各弧状部材33A〜33Dの支点軸は、シリンダ92に対して回転自在なピストンロッド93や枢軸具44uである。したがって図7〜図12の実施形態における各昇降操作機構91A〜91Dは、スクレーパ操作用だけでなく、各弧状部材33A〜33Dの枢軸具をも兼ねるものである。この実施形態でも、処理容器31が開き状態にあるときは前例と同様にメンテナンス作業を合理的かつ迅速に行うことができる。
【0052】
図7〜図12に例示された本発明処理装置で処理される処理対象物が、たとえば、油性物・泥土状物・粘性物・ペースト状物などのように付着性・粘着性・接着性のうちのいずれか一つ以上を有するものであるときは、それが処理容器31の内面に付着したりする。かかる付着物量が一定量を超えた場合には、装置の処理機能や処理能力の低下するおそれがある。その一方で、これを処理容器31の内面から削ぎ落とすのが容易でない。
【0053】
処理容器31の内面に付着した上記付着物が所定量以上になったときは、本発明処理装置を停止させてその付着物を各スクレーパ81A〜81Dで削ぎ落とす。具体的には、装置の停止させ、処理容器31の閉じ状態を保持しながら各昇降操作機構91B〜91Dを稼働させる。このようにして各昇降操作機構91A〜91Dを稼働させたときは図8から理解できるように、シリンダ92に対して伸縮自在に上下動するピストンロッド93が、各スクレーパ81A〜81Dのブレード82を処理容器31の内面(各弧状部材33A〜33Dの内面)に沿って上下動させる。したがって、当該処理容器31の内面に付着した付着物は、この上下動するブレード82によって容器内面から削ぎ落とされる。
【0054】
図7〜図12で説明した本発明の処理容器や処理装置については、下記(401)〜(405)のような実施形態もある。
(401) 一部または全部の弧状部材(33A〜33D)が開閉支持機構を介して半径方向に開閉スライド自在なるよう支持されるとともに開閉回転自在なるようにも支持される。その一例として、前例で説明したスライダ71sやレール74sが採用され、シリンダ92の下部に取り付けられたスライダ71sがレール74sと相対嵌合される。一方、このスライド開閉自在な一部または全部の弧状部材(33A〜33D)との関係では、取付部材41sの軸孔42uも半径方向に長い長孔に形成され、取付部37uの軸孔38uと取付部材41sの軸孔(長孔)42uとにわたり枢軸具44uが装着される。このようにして一部または全部の弧状部材(33A〜33D)が開閉スライド自在なるよう支持される場合は、既述のとおり、各弧状部材33A〜33Dがスライドするときのストローク量に応じて支持台11の前後幅(サイズ)や左右幅(サイズ)が増減される。
(402) 一部または全部の弧状部材(33A〜33D)について、これが開閉支持機構を介して半径方向に開閉スライド自在なるよう支持されるが、開閉回転自在なるようには支持されない。この場合の開閉スライド用の開閉支持機構は上記に準ずる。一部または全部の弧状部材(33A〜33D)を非回転する手段の一例としては、昇降操作機構のピストンロッド84として角軸が採用され、シリンダ92の上端部にあるピストンロッド出入孔についてもその角軸に対応した角孔が採用される。
(403) 各弧状部材33A〜33Dの取付部37uやこれに対応する取付部材41uが省略される。この場合は、各スクレーパ81A〜81Dを上下動させるための各昇降操作機構91A〜91Dが、それぞれ単独で各弧状部材33A〜33Dのための開閉回転自在な開閉支持機構となる。
(404) 油空圧式シリンダに代わる各昇降操作機構91A〜91Dとして、縦型送りネジ軸の回転運動をこれに嵌め込まれた雌ネジ素子の直線運動に変換するという送りネジ機構が採用される。この場合は、雌ネジ素子が
(405) 上記以外の各昇降操作機構91A〜91Dとして、引き上げ索条と引き下げ索条とこれらの電動式巻取機とからなるものが採用される。この場合は引き上げ索条および引き下げ索条の各端部がスクレーパの連結部材84に接続される。さらに、引き上げ索条は、連結部材84に対して引き上げ力が作用するようにシーブなどを介して策取りされ、引き下げ索条は、連結部材84に対して引き下げ力が作用するようにシーブなどを介して策取りされる。
(406) 前述した(201)〜(210)や(301)〜(306)の各事項については、技術的互換性の範囲内で図7〜図12の実施形態でも採用される。
【0055】
本発明において、既述の手段で処理される処理対象物は、単一種からなるときの処理対象物の種類、複数種のもを混ぜてなるときの各処理対象物の種類および配合比、添加物の種類などを任意に選択したり設定したりすることで多種多様のものに仕上がる。こうした場合に得られる具体的な処理物を下記(501)〜(517)に示す。
(501) 風化岩塊を多く含むものでつくられた処理物は、ロックフィルダムの遮水材料・ゴミ最終処分場の遮水材料・防水シート層の保護材料など土木用や建築用のものになる。
(502) 化学繊維(短繊維)を添加物として含むものでつくられた抗張力性の処理物も、河川堤・切土・盛土法面などが流水や雨水で侵食されるのを防止するために用いられるから土木用のものになる。
(503) チップ化された生木を添加物として含むものでつくられた処理物は、雑木処理や除根処理に適した植生土になるから農林用の一つであるといえる。
(504) 軟弱な高含水比の粘性土塊とか石礫とかを含むものをものとし、これに生石灰やセメントのような安定材(添加物)が添加されてつくられた処理物は、安定した土構造物を築造する場合に有用なものとなる。
(505) ロームや浚渫土のような粘性土塊を処理対象物とし、これに生石灰やセメントのような安定材(添加物)や高分子系安定剤(添加物)が添加されてつくられた処理物は、土工用埋め戻し材以外に排水用のサンドマットとしても利用することができる。
(506) 石炭灰を添加物として含むものでつくられた処理物は土工用の盛り土材になる。
(507) 廃棄コンクリート塊を粉砕してなる処理物は再生砂として有効活用できる。
(508) 有機燐・有機質素化合物などを含んだ汚泥をものとしてつくられた処理物は、微生物培養に適するほかミミズなどの土中小動物の養殖にも適する。
(509) 昆虫などの孵化に用いる処理物は適当な水分を含むようにつくられる。
(510) 砂礫質土を主体にしてつくられた処理物は養殖場(水底)の敷材や水処理用の濾床材として用いられる。
(511) 農業用の土質系の処理物は肥料(添加物)を含んでつくられる。
(512) 貝殻類を含むものをであってこれらを粉砕混合してなる処理物は土工用の埋め戻し材になる。
(513) 一種以上の貝殻を処理対象物として処理したものは地盤改良材・埋め立て材・敷き均し材・スリップ防止材などになり、また、水質濾過器の濾過材にもなる。
(514) ホタテ釉をつくるときの原料の一部になる貝殻粉も、貝殻を上記の手段で破砕処理することにより得られる。
(515) 化学品の合成分野でホタテ貝殻を処理対象物にしてこれからリン酸カルシウムを合成するとき、既述の処理手段でホタテ貝殻を破砕処理することにより、粉状または粒状の当該原料が得られる。
(516) 植物生育促進剤の合成分野で甲殻類の殻に含まれるキチン質を抽出するとき、しかもその前処理として甲殻類の殻を粉状または粒状にするとき、本発明の処理手段でホタテ貝殻を破砕処理すればよい。
(517) 医薬品の分野で骨粗鬆症の予防や成人病の予防に有効なCaや不飽和脂肪酸・DHAなどを魚骨から抽出する場合であって、その前処理として魚骨を粉状または粒状にするときも既述の破砕手段で魚骨を破砕処理すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明処理容器および本発明処理装置は、メンテナンスの安全性・正確性・簡単化・迅速化などが低コストで実現する。したがって建設・機械加工・化学処理・農業・水産・食品・薬品・水処理・廃棄物処理など各種の分野で処理対象物を処理するときの処理容器や処理装置として有用かつ有効なものとなる。よって産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明処理容器を装備した本発明処理装置の第一実施形態を略示した縦断面図である。
【図2】上記第一実施形態に係る本発明処理装置の要部を略示した閉じ状態の横断面図である。
【図3】上記第一実施形態に係る本発明処理装置の弧状部材の斜視図である。
【図4】上記第一実施形態に係る本発明処理装置の要部を略示した開き状態の横断面図である。
【図5】本発明処理容器を含む本発明処理装置の第二実施形態を略示した要部縦断面図である。
【図6】上記第二実施形態に係る本発明処理装置の要部を略示した閉じ状態の横断面図である。
【図7】本発明処理容器を装備した本発明処理装置の第三実施形態を略示した要部縦断面図である。
【図8】上記第三実施形態に係る本発明処理装置の要部を略示した縦断面図である。
【図9】上記第三実施形態に係る本発明処理装置の弧状部材であってその要部の一つを拡大した示した横断面図である。
【図10】上記第三実施形態に係る本発明処理装置の弧状部材であってその要部の他の一つを拡大した示した横断面図である。
【図11】上記第三実施形態に係る本発明処理装置の弧状部材の斜視図である。
【図12】上記第三実施形態に係る本発明処理装置の要部を略示した開き状態の横断面図である。
【符号の説明】
【0058】
11 支持台
12 台座構造物
13 架構物
14 架構物
15 枠構造部
16 枠構造部
21 電動機
22 出力軸
23 伝動系
24 原動輪
25 従動輪
26 エンドレス体
31 処理容器
32u 入口
32s 出口
33A 弧状部材
33B 弧状部材
33C 弧状部材
33D 弧状部材
34 弧状基板
35 内張り防護材
36h 段差部
36m 段差部
37u 取付部
37s 取付部
38u 軸孔
38s 軸孔
39 ロック孔
40 リブ
41u 取付部材
41s 取付部材
42u 軸孔
42s 軸孔
43 ロック孔
44 枢軸具
44u 枢軸具
44s 枢軸具
45 ロック具
46h 開口部
46m 開口部
47hu プーリ
47mu プーリ
47ms プーリ
47hs プーリ
48hu 軸受部材
48hs 軸受部材
49hu 軸ピン
49hs 軸ピン
51 回転軸
52 取付部
53 ピン孔
54 軸受
55 軸受
56 取付棒
61 回転打撃体
62 ブレード
63 チェーン
64 ピン(ロックピン)
71u スライダ
71s スライダ
72 ネジ孔
73 ロック孔
74u レール
74s レール
75 スリット
76 ロック孔
77 ロック孔
81A スクレーパ
81B スクレーパ
81C スクレーパ
81D スクレーパ
82 ブレード
83h ガイド棒
83m ガイド棒
84 連結部材
85h 接続部
85m 接続部
86 ローラ
87 連結部
88h 閉鎖帯
88m 閉鎖帯
91A 昇降操作機構
91B 昇降操作機構
91C 昇降操作機構
91D 昇降操作機構
92 シリンダ
93 ピストンロッド
101 シュート
102 搬入系
103 供給系
104 搬出系
【出願人】 【識別番号】000231198
【氏名又は名称】日本国土開発株式会社
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一

【識別番号】100099612
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 徹


【公開番号】 特開2008−23402(P2008−23402A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195067(P2006−195067)