トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理

【発明の名称】 ディスポーザの洗浄方法
【発明者】 【氏名】尾畑 宇喜雄

【要約】 【課題】ディスポーザ内部の洗浄を特別な用具や分解を要しないで簡単に行ない、下水管に接続する排出管内の洗浄も行わせる。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口に続く破砕室の底部に回転板を設け、破砕室内壁に前記回転板を囲む固定刃をそなえて厨芥を粉砕し、粉砕された厨芥を水とともに回転板の周囲から排出室に落下させて排出するディスポーザにおいて、排出室に接続した排出管にエルボ状部を介してトラップを設け、回転板を停止した状態で破砕室の回転板上に給水して、破砕室と排出室との空気通路を水で塞ぐことにより排出室とトラップ上部の空気を閉じ込め、その空気圧により排出口からの水の流出量を制限して給水量との差により破砕室と排出室内に水を溜め、所要量の水が溜まったときに給水を継続しながら破砕室と排出室内に溜まった水に、回転板の回転により遠心力を加えて攪拌し洗浄することを特徴とするディスポーザの洗浄方法。
【請求項2】
投入口に続く破砕室の底部に回転板を設け、破砕室内壁に前記回転板を囲む固定刃をそなえて厨芥を粉砕し、粉砕された厨芥を水とともに回転板の周囲から排出室に落下させて排出するディスポーザにおいて、回転板下方の排出室にインペラをそなえて排出室の接線方向に排出管を接続し、この排出管にエルボ状部を介してトラップを設け、破砕室の回転板上に給水して、破砕室と排出室との空気通路を水で塞ぐことにより排出室とトラップ上部の空気を閉じ込め、給水を継続しながら回転板とインペラを逆回転させて破砕室から排出室に落ちる水の落下を遅らせ、破砕室内に溜めた水に回転板で遠心力を加えて攪拌し洗浄することを特徴とするディスポーザの洗浄方法。
【請求項3】
前記破砕室内に、回転板を停止した状態で回転板と固定刃とのすべての間隙を一気に塞ぐように給水する請求項1または2に記載したディスポーザの洗浄方法。
【請求項4】
前記破砕室の上部内側に、環状の給水管が設けられ、給水管に設けた多数の給水孔から破砕室内壁に向けて給水する請求項1または2または3に記載したディスポーザの洗浄方法。
【請求項5】
前記破砕室の側壁に給水口が設けられ、給水口から回転板の中央部に向けて給水する請求項1または2または3に記載したディスポーザの洗浄方法。
【請求項6】
前記回転板の上面外周縁を中央部より高くし、回転板上に給水された水を縁から溢れさせて破砕室と排出室との空気通路を塞ぐようにした請求項1ないし5のいずれかに記載したディスポーザの洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、台所などで発生する厨芥を回転刃で粉砕処理するディスポーザの洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスポーザは厨房などにおけるシンクの排水口に連結され、前記排水口から投入される厨芥を破砕室の底部に設けられた回転板で受け、この回転板を電動機で回転させて上面に取り付けた打撃刃で破砕するとともに、回転板を囲んで破砕室の底部内壁に設けた固定刃と回転板外周との間で細かく剪断処理して粉砕し、水とともに回転板下方の排出室に落下させ、排出室に連結した排出管から下水管に流出させるようにしている。
【0003】
このようなディスポーザでは、排出管を排出室から径方向に取り付けたものが一般的に用いられており(例えば、特許文献1参照)、粉砕された厨芥とくに繊維質の厨芥が排出口などに絡まって円滑な排出ができず、汚れの原因になっている。このため、排出管を接線方向に設けて排出を円滑にするものが実施されている。(特許文献2、特許文献3)
また、破砕室に投入された厨芥は、回転板により遠心力を受けるため、破砕室内には厨芥が飛び散り破砕室内壁を汚染するだけでなく、回転板の周囲と固定刃との間で粉砕された厨芥は排出室に落下し排出室の底面を流れて排出されるので、回転板で仕切られた排出室内にも、粉砕された厨芥や、水に混じって流される油分や洗剤滓などが付着し、汚泥状態になって衛生上好ましくないだけでなく、悪臭を発生する原因になっている。
【0004】
このため、定期的あるいは不定期に、処理装置内を洗浄する必要があり、とくに家庭用などの小型のディスポーザは、主婦が頻繁に洗浄して清潔に保つようにしている。この洗浄には、破砕室に水を流し込んで水流で洗い流す水洗浄が一般的に行なわれているが、水流だけでは十分な洗浄ができないので、水洗浄に先立ってシンクの排水孔から破砕室内にブラシなどを差し込み、破砕室内壁や回転板上の汚れを落として水洗するようにしているが手間がかかるだけでなく、回転板下面にある排出室は回転板で仕切られているため、ブラシなどの挿入ができず、分解して清掃をしなければならなかった。
なお、回転板下方の排出室を洗浄するために、回転板上部の破砕室を形成するホッパーを取り外し、回転板に設けた孔からブラシ部材を排出室に差し込んで回転板の下面に取り付け、回転板とともにブラシ部材を回転させて排出室内の掃除をするものが提案されているが(特許文献4参照)、ホッパーを取り外さねばならない面倒がある。
また、排出管に三方向切替弁を設け、洗浄時は、排水管を閉塞するとともに別個に設けた逆洗管から処理装置内に逆洗水を厨芥処理時とは逆方向に流入させ、回転板を逆回転させて排出口付近や排出口と切替弁との連結管に付着した厨芥を洗い落とす洗浄装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−144144号
【特許文献2】特開2001−62324号(請求項6、段落番号0023)
【特許文献3】意願2005−26448号
【特許文献4】特開平5−123597号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、破砕室に洗浄水を流し込みながら水流のみで洗浄する程度では、内壁に付着して汚泥状になった付着物を効果的に除去できず、シンクの狭い排水口からブラシなどを挿入しても操作が面倒であるだけでなく、ブラシを挿入した状態で誤って回転板を駆動させる危険性もあり、十分な洗浄ができなかった。また、回転板に設けた孔から排出室にブラシ部材を差し込むためには、ホッパーを取り外して回転板上面の孔を露出させる必要があるため、シンクからディスポーザ本体を取り外して分解する手間と大差が無く、主婦らが簡単に実施できるものではなかった。
また、排出管を閉塞させた状態で、排出室内に洗浄水を逆方向から送り込んで回転板を回転させる方法では、三方向切替弁や洗浄水を供給するための逆洗管を別個に設けねばならず、設備が複雑化する欠点があるだけでなく、洗浄中は排出管が閉塞されているため、洗浄中は洗浄で汚れた水が回転板で掻き回されるだけで十分な洗浄が行われない欠点があった。
本発明は、分解を必要としないで通常の運転と同じ方法で水を供給して、破砕室とともに回転板下面の排出室内に水を溜め、汚れた水を排出しながら洗浄し、洗浄した後に破砕室と排出室に溜めた大量の水を急速に流すことにより排出管の洗浄も行なうようにした洗浄方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、投入口に続く破砕室の底部に突起をそなえた回転板を設け、破砕室内壁に回転板を囲む固定刃をそなえて厨芥を粉砕し、粉砕された厨芥を回転板の周囲から下方の排出室に落下させて排出するディスポーザにおいて、排出室に接続した排出管にエルボ状部を介してトラップをそなえ、洗浄モードでは、回転板を停止させた状態で、破砕室内の回転板上に給水して破砕室と排出室との間の空気通路を一気に塞ぎ、これによって、排出室とトラップ上部のエルボ状部内にあった空気を閉じ込め、閉じ込められた空気の空気圧を利用して破砕室と排出室内に水を溜めさせ、破砕室への給水を続けながら破砕室と排出室内に貯溜した水を回転板の回転によってそれぞれの室内で遠心力を加えて攪拌させ、室内の全面を遠心力で押し付けて急激な水流で洗浄するようにしている。
また、排出室内にインペラをそなえて排出管を接線方向に取り付け、回転板上に給水しながら回転板とインペラを低速で逆回転させ、逆方向のポンプ作用と閉じこめられた空気圧により破砕室から排水室に落ちる水の落下を遅らせて破砕室に水を溜め、給水を続けながら破砕室と排出室に貯溜された水を、回転板の遠心力でそれぞれの室内壁に打ち付けて洗浄させる。
なお、洗浄後に回転板を止め、インペラを正回転させて破砕室に溜めた水を急速に排出させ、排出管内に滞留している厨芥を押し流すことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
このように本発明は、運転を止めた状態で回転板の上面に給水して破砕室と排出室との空気通路を塞ぎ、排出室とトラップの水面との間の空気を閉じ込めることにより、この空気を利用して破砕室内に水を溜め、十分に溜まった水を給水を続けしながら回転板で急激に回転攪拌し遠心力による水流で洗浄するため、装置を少しも分解する必要がなく、簡単な操作で全く手を汚すことがなく、洗浄した汚水を順次に排出しながら、効率のよい洗浄効果が得られる。
また、回転板下方の排出室にインペラをそなえて排出室の接線方向に排出管を接続し、回転板上に給水を継続しながら回転板とインペラを逆回転させることにより、排出室内からの水の落下を遅らせて破砕室内に水を保持させ、洗浄時間を調整することができる。
また、回転板を停止させて破砕室に給水して排出室内の空気を閉じ込めることにより、破砕室内に大量の水を溜め、この水をインペラの正回転により排出管内に急激に流すことができるので、下水道につながる排出管内に滞留している厨芥やごみを押し流して排出管内を洗浄し、詰まりを解消させる効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
投入口に続く破砕室内の底部に、突起をそなえた回転板と、この回転板の周囲を囲む固定刃をそなえ、粉砕した厨芥を回転板と固定刃との間隙から回転板下方の排出室に落下させて排出するディスポーザにおいて、回転板下方の排出室にインペラをそなえて排出室の接線方向に排出管を接続し、排出室に接続した排出管にエルボ状部を介してトラップをそなえ、回転板上に給水して破砕室と排出室との間の空気通路を塞ぐことにより、排出室と排出管内のトラップ上部にある空気を閉じ込め、水の流出量を制限して破砕室と排出室内に水を溜めるようにしており、給水を継続しながら、破砕室と排出室内に溜まった水を回転板の回転により急激に攪拌させ、遠心力を加えて破砕室および排出室内の全面を洗浄させる。洗浄後はインペラを正回転させることにより、破砕室と排出室内の水をポンプ作用で排出口から排出管内に勢いよく排出させ、トラップおよびトラップから先の排出管内に滞留している粉砕された厨芥などを押し流して排出管内の洗浄を行なわせる。
【実施例】
【0010】
以下、図について説明する。
図1は本発明を用いるディスポーザの例を示す側断面図、図2は洗浄の過程を示す側断面図、図3は破砕室底部を示す上面図、図4は取付管の上面図で、1はディスポーザ、2はシンク、3はシンクの排水口、4は排水口3にディスポーザ1を取り付ける取付管、5は排水口3に装着した蓋で、図4に示すように取付管4に装着する方向によって複数の運転モードを選択できるようにしている。6はディスポーザ1の投入口、7は投入口に続く破砕室、8は破砕室7の底部に設けられた回転板、9は回転板8の上面に取り付けられた打撃刃、10は回転板8を囲んで破砕室底部に固定された固定刃、11は回転板8の下方に設けた排出室、12は回転板8の下面に取り付けたインペラ、13は排出口、14は排出管で、この実施例では図3のように排出口13と排出管14を排出室11の接線方向に設けている。排出管14はエルボ状部15を介して下向きに接続し、トラップ16を設けている。17は回転板8を駆動する電動機である。
【0011】
取付管4の上面には図4に示すように運転モードの指標20をそなえ、指標の位置に合わせて投入口6の上端部内側にそれぞれ上面に開口する切り欠ぎ溝21を、外側にセンサー22(図1)を設けている。蓋5は図5に示すように、通水孔23と外周面に前記切り欠ぎ溝21に嵌合する係合突起24をそなえ、係合突起24の位置にマグネット25を埋め込んでいる。
なお、切り欠ぎ溝21を、上面を覆う溝にして一定角度たとえば20度ずらせた位置に開口させ、蓋5の係合突起24を挿入して20度回動させてマグネット25をセンサー22の位置に合わせるようにすることができる。
また、この実施例では排出管14を接線方向に取り付けているが、径方向に取り付けることもできる。しかし、排出室11内でインペラ12によりポンプ作用を有効に行なわせるためには接線方向に取り付けることが望ましい。また、シンク2に水を溜めるときは通水孔のないめくら蓋を用いればよい。
【0012】
ディスポーザで厨芥を処理するとき(バッチ処理の場合を示す)は、投入口6から破砕室7の回転板8上に厨芥を投入し、排水口3から適量の水を供給しながら、係合突起24を「運転」の指標に合わせて蓋5を装着すると、マグネット25により「運転」位置のセンサー22が図示していない制御装置に信号を送って電動機17を「運転モード」で起動させる。なお、蓋5を挿入した後で水を供給する場合は、蓋5を挿入しても直ちに起動しないように、別に設けた起動スイッチを介して起動させ、あるいはタイマーで僅かな時間をとって起動するようにしておけばよい。
【0013】
図6に「運転モード」の制御特性の例を示している。起動当初に低速nで短時間たとえば2秒の正転(逆転でもよい)を数回(図では3回)繰り返し、金属製異物などが混入していないかを検出する。混入している場合は、回転板8の遠心力で異物が跳ね飛ばされて破砕室7の内壁に当たって衝撃音を発するので、運転を停止させて異物を除去した後に再起動させる。異物が検出されなければ、低速で回転板8を図3の矢印Aの方向に一定時間tの連続運転をした後、定格回転数nに昇速させる。粉砕された厨芥は水とともに排出室11の排出口13から矢印Bのように排出され、エルボ状部15を介して排出管14によりトラップ16を通って図示しない下水管に放流される。厨芥が粉砕されて電動機の負荷電流が小さくなると電動機17を停止させる。
【0014】
次に「洗浄モード」について説明する。
図7は制御特性の例を示している。蓋5を「洗浄」の指標に合わせて装着すると、まず低速nで短時間運転を数回繰り返し、異物が入っていないかを検出する。異物が入っていると回転板の遠心力で跳ね飛ばされ衝撃音を発するので、運転を停止させて異物を取り出す。異物が入っていないことが確認されると、回転板8を停止させ排水口3から回転板8上に水を供給する。
排水口3から供給する水量は、少なくとも回転板8上に落ちた水が、回転板8の周囲にほぼ均等に広がり、あるいは蓋やゴム板の飛散防止具(図示しない)などで水が拡散されて破砕室7の周壁を流れる場合も、ほぼ全周面に流れ、回転板8上および回転板8周囲の固定刃10との間隙G(図3)の全面を覆うようにする。
【0015】
回転板8を停止した状態で破砕室7内に給水し、回転板8周囲と固定刃10との間隙Gの全面に水が一気に流れ込んで排出室との空気通路のすべてをほぼ同時に塞ぐと、排出室11内および排出管14のトラップ16の水面Wから上のエルボ状部15内に入っていた空気が閉じ込められる。
空気通路を塞いだ状態のままで給水を続け、破砕室7から間隙Gを通って排出室11に落ちる水で前記閉じ込められた空気Rの空間が減少して空気圧が上昇すると、空気Rは図2に示すようにエルボ状部15に押し付けられてトラップ16の水面Wを押し下げるが、同時にエルボ状部15を通ってトラップ16に落ちる水の通路が圧縮されてトラップ16に排出される水量を制限し、破砕室7に供給される水量よりもエルボ状部15を通る排出水量が少なくなる。また、排出室11内の空気圧が高くなるので破砕室7から間隙Gを通って排出室11へ落ちる水も幾らか減少する。このため、破砕室7への供給水量と制限された排出水量との差に応じて破砕室7に水を溜めることができる。
【0016】
破砕室7内に溜まった水量が増大するとともに、溜まった水の重量で排出室11へ落ちる水が増え、それに伴って空気圧が増大し空気Rがトラップ16の水面Wをさらに押し下げ、水面Wがトラップの高さHだけ下がると、閉じ込められていた空気がトラップから排出されて空気圧が下がり、エルボ状部15を通る水の制限量が減少して排水量が増大し、破砕室7内に溜まった水の重量と前記排水量の増加で破砕室7から排出室11に落ちる水の勢いが大きくなり、空気に代わって排出室11に水が充満し、破砕室7と排出室11内の水が一体になると、溜まった水の重量で勢いよく排出される。
【0017】
水が溜まる速さと量は、ディスポーザの容量、供給水量、回転板と固定刃との隙間Gの大きさ、閉じ込められた空気量、トラップの封水の高さHなどに左右されるが、実験した結果では、家庭用の破砕室容量が1リットル程度の小型のディスポーザでは、毎分8リットルの給水で、回転板周囲の空気通路の閉塞がほぼ一気に行なわれた場合、給水から約15秒程度で破砕室がほぼ満水になり、28秒程度でトラップ16の水面Wが折曲がり部まで下がって空気が洩れることが確認された。
この実験は、回転板8を停止した状態で給水するため、排出室11の排出口を接線方向にした構造やインペラ12の作用は考慮する必要がなく、排出口13を径方向に設け、またインペラ12をそなえていなくても同じ動作が得られる。
【0018】
したがって、上述の実験結果により、給水によって空気通路が閉塞されて時間t(前記の実験で約15秒)を経過し、破砕室7がほぼ満水になったときに電動機17を定格回転数nで起動させる。なお、破砕室7に水位センサーを設けて必要な水量になったときに電動機17を起動させるようにすることもでき、回転数は必ずしも定格回転数の必要はなく、水を攪拌させ遠心力を与えられる回転数であればよい。電動機17が起動すると回転板8とインペラ12が回転して、破砕室7および排出室11内に溜まっている水が遠心力を受けて急激に攪拌され、強い水圧でそれぞれの室内を洗浄する。
このように、破砕室7の水量が所要の量になったときに攪拌を行なうので、洗浄を有効に行なうことができ、排水により破砕室7の水量が減少しても残った水と継続して供給される水が遠心力で内壁に押し付けられて洗浄を続けることができる。
洗浄中に水が破砕室7から排出口13に排出されることによりトラップ16の水面Wが高さHまで押し下げられ空気が洩れて排水量の制限がなくなると、洗浄中も排出されていた水量が増えて、大量の水がその重量でトラップ16を通って急速に排出される。このため、排出室11が負圧になって破砕室7内の水が排出室11に噴出して回転板8周囲と固定刃10との間隙を洗浄するとともに、トラップ16から先の排出管に大量の排水を生じ排水管内の詰まりを押し流す。
【0019】
攪拌洗浄は回転板8を3秒ないし8秒程度回転させればよく、排出室11内の水が排出され負圧になると、破砕室7からの水とともに隙間Gから排出室11に空気が入り込むため給水により空気を閉じ込めて再び水を溜めることができ、洗浄を繰り返し、あるいはすすぎ洗いをすることができる。
また、破砕室7に水を溜め、インペラの回転数を上げてポンプ作用により排出管に急激に流すことにより排出管内の詰まりを除くこともできる。
なお、厨芥の粉砕処理をした後に引き続いて洗浄する場合や、洗浄を繰り返えして行なう場合は、異物を検出するための低速での繰り返し運転を省略することができる。
【0020】
次に図8に示す制御特性の例を説明する。
排出室11にインペラ12をそなえ、排出口13が接線方向に設けられているディスポーザを用い、図7の実施例と同様に、回転板8とインペラ12を停止させた状態で破砕室7に給水し、空気通路を塞いで空気を閉じ込め、破砕室7と排出室11内に水を溜める。
時間tで破砕室7内の水がほぼ所定量になると、電動機17で回転板8とインペラ12を低速度nで逆回転させる。このため、回転板8で破砕室7内の水に遠心力を加えて破砕室内壁に押し付けながら回転洗浄させるとともに、排出室11内の水にもインペラ12で遠心力を与えて室内を洗浄し排水されるが、インペラ12のポンプ作用が逆方向に働いているため、破砕室7から排出室11に落ちる水の落下を遅らせて破砕室7内の水を保持させ、引き続いて供給される水とともに、回転板8で破砕室内の洗浄を継続させる。したがって逆方向の回転数nを、排水口13から排水される水量と継続して破砕室へ給水される水量とが同程度になるようにしておけば、破砕室7内の洗浄水量を保持させることができ、洗浄時間を自由に調整できる。
【0021】
時間tで洗浄が終わると、回転板8とインペラ12を停止させ、破砕室7と排出室11内の洗浄水を排出させる。破砕室への給水を続けていても、洗浄水の排出で排出室11が負圧になるので破砕室7から排出室11へ落ちる水とともに回転板周囲のどこからか排出室11に空気が入り込むので、負圧が解消され停止状態での給水が続くと前記と同様の作用で破砕室7に水が溜まってくる。インペラ12を正回転させて破砕室7内に溜まった水を正常のポンプ作用で急速に排出させ、すすぎ洗いとともに排出管内に滞留している厨芥などを押し流して排出管の洗浄を行なわせることができる。
【0022】
なお、図9に示す特性曲線のように、洗浄が終わったときに、インペラ12を低速度で正回転させ破砕室7と排出室11内の汚れた洗浄水をポンプ作用で排出させ、回転板8を停止させて次の水溜めを行なわせるようにしてもよい。
【0023】
図10は、厨芥の粉砕処理に引き続いて洗浄を行なうようにした例を示す特性曲線で、図6と同様に、低速nの短時間運転を数回繰り返して異物の混入を検出し、異物の混入がないことを確認して低速nで一定時間連続運転した後、定格回転数nに昇速して粉砕処理を行なう。粉砕処理が終わると回転板8およびインペラ12を低速nの逆回転に切り替える。インペラ12が逆回転すると、逆方向のポンプ作用が働いて破砕室7から排出室11に落ちる水の落下を遅らせて破砕室内に水が溜まり、回転板8で遠心力を加えて洗浄を行わせ、排出室11も排出室内の水で洗浄する。
所定時間の洗浄を行なって回転板8とインペラ12を停止させると、洗浄した汚水が排出され、引き続いて供給されている水が図8の実施例と同様に破砕室7に溜まり、インペラ12を正回転させて急速に排出管に排出させて排出管の洗浄を行なわせる。
【0024】
なお、本発明は破砕室への給水によって破砕室と排出室との空気通路を塞ぐようにしているので、ディスポーザの取り付けが傾いて回転板が傾斜していたり、破砕室の側面に給水口を設けて一方の側から他方側に向けて水を供給するディスポーザなどの場合は、空気通路の閉塞が部分的に遅れて閉じ込められる空気量が少なくなり、空気圧の減少で排出水量の制限が十分に行なわれず、水を溜めるための時間が長くなったり、水が溜まらなくなるおそれがある。このため、ディスポーザの取り付けを回転板が水平になるように修正したり、閉塞させるまでの供給水量を増すことも必要になる。
【0025】
図11はディスポーザの破砕室側面から給水する場合の例を示すもので、図1と同じ部分に同一の符号を付している。
破砕室7への給水は電磁弁26により給水管27を介して破砕室7の側壁に設けた給水口28から給水され、この給水口28を従来のように単に側面から横方向に開口させるのではなく、回転板8の中央部に向けて開口させており、洗浄時に給水口28から回転板8上に落ちた水が、回転板8の全面に広がって周囲の排出室11との空気通路に均等に流れて一気に塞ぐようにしている。
なお、ディスポーザの側面から給水する場合は、給水口をできるだけ排水口3に近づけた高い位置に設けて中央部に向け、回転板上に落ちる水を拡散させるようにすることが望ましい。
また、シンク2に溢水口29を設けている場合は、通常のようにオーバーフロー管30をトラップより上部の排出管に接続すると、空気を閉じ込める時に排出室11内の空気がオーバーフロー管30を介して溢水口29に洩れるため、オーバーフロー管30を粉砕室7に接続し、あるいは図示のように異径継手31を介して給水管27に接続して溢水を破砕室7へ排出させている。
【0026】
図12は、ディスポーザの別の実施例を示しており、破砕室7内の上部周囲に環状の給水管32を設け、側壁に向けて多数の給水孔33をそなえている。この実施例では給水孔33からの水が矢示のように破砕室7の内壁に向けて給水され、内壁を伝って固定刃10と回転板8の周囲との間隙Gに一様に給水されるので、空気通路の閉塞を有効に行なうことができる。
【0027】
また、図13は回転板8の別の実施例である。洗浄をするときは回転板8上に供給される水をなるべく全周の間隙Gに同時に流し込み、間隙Gを一気に塞ぐようにするため回転板8の中央に給水することが望ましい。このため、上面に固定された打撃刃9をそなえた回転板8の外周に縁34を設けて均等に高くしている。このような縁34を設けることによって、回転板8の片方たとえば左側に偏って給水され、右側の空気通路の閉塞が遅れる恐れがある場合であっても、縁34があるために、偏って落下した水が回転板8上の全面に溜まり、縁34を越えた水が周囲の空気通路に同時に溢れ出すので全周の空気通路を一気に塞ぎ、閉塞を有効に行なうことができる。
なお、縁34に替えて図14に示すように、回転板8の上面を外周が高くなるよう皿状に傾斜させてもよい。
【0028】
また、シンク2の排水口3にめくら蓋をして水を溜め、給水しながらめくら蓋を取り外して破砕室7に流し込むことにより、破砕室7と排出室11との空気通路を塞ぐようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を実施するディスポーザの例を示す側断面図である。
【図2】洗浄の過程の状態を示す側断面図である。
【図3】ディスポーザの破砕室底部を示す上面図である。
【図4】取付管の例を示す上面図で、蓋をセットした状態を示している。
【図5】蓋の例を示しており、(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図6】運転モードの制御例を示す特性曲線図である。
【図7】洗浄モードの制御例を示す特性曲線図である。
【図8】洗浄モードの別の制御例を示す特性曲線図である。
【図9】さらに別の洗浄モードの別の制御例を示す特性曲線図である。
【図10】厨芥処理に続けて洗浄する例を示す特性曲線図である。
【図11】他の実施例を示すディスポーザの側断面図である。
【図12】さらに別の実施例を示すディスポーザの側断面図で、トラップは省略している。
【図13】異なる回転板の実施例で、(a)は上面図、(b)は側断面図である。
【図14】さらに別の回転板を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 ディスポーザ
2 シンク
3 排水口
4 取付管
5 蓋
6 投入口
7 破砕室
8 回転板
9 打撃刃
10 固定刃
11 排出室
12 インペラ
13 排出口
14 排出管
15 エルボ状部
16 トラップ部
17 電動機
20 指標
21 切り欠ぎ溝
22 センサー
23 通水孔
24 係合突起
25 マグネット
26 電磁弁
27 給水管
28 給水口
29 溢水口
30 オーバーフロー管
31 異径継手
32 給水管
33 給水孔
34 縁
【出願人】 【識別番号】593047552
【氏名又は名称】株式会社フロム工業
【出願日】 平成18年10月3日(2006.10.3)
【代理人】 【識別番号】100062122
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 義博


【公開番号】 特開2008−18417(P2008−18417A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−271733(P2006−271733)