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【発明の名称】 細断処理装置
【発明者】 【氏名】木下 久之

【要約】 【課題】細断片の塊を任意の固さに調整可能な細断処理装置を提供する。

【構成】ダクト21の下流端21a付近には、湾曲部72の内周側72aに切欠き75,76が形成されている。切欠き75,76が形成された部分に調整部材81,82が配置されている。調整部材81は、切欠き75を通じてダクト21内の細断片固まり100に接する円周面81aを備えている。また、調整部材82は、切欠き76を通じてダクト21内の細断片固まり100に接する円周面82aを備えている。調整部材81,82は共に、通常は回転しないように本体部側に固定されている。調整部材81,82の円周面81a,82aの各々には、表面粗さが互いに異なる摩擦部分が形成されている。細断片固まり100に接する摩擦部分を最適なものに選択することにより、細断片固まり100の固さを調整することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された対象物を細断処理して破砕片にする破砕手段と、
前記破砕手段による破砕片を圧縮して集合物にする圧縮手段と、
前記圧縮手段による集合物を移送するための移送路と、
前記移送路の内面とは異なる表面粗さの部分が当該移送路の中の集合物に接して当該集合物が当該移送路に留まる時間を変更するための部材と、
を含む細断処理装置。
【請求項2】
前記部材は、前記移送路の内面とは異なる表面粗さの部分を複数有し、
当該複数の部分の表面粗さは、互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の細断処理装置。
【請求項3】
前記部材は、前記移送路の中の集合物が自重で当該部材を押圧する位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の細断処理装置。
【請求項4】
前記部材を複数含み、
前記複数の部材は、前記移送路の中で集合物が移送される方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の細断処理装置。
【請求項5】
前記部材を複数含み、
前記複数の部材は、前記移送路の中で集合物が移送される方向に沿って隣接して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の細断処理装置。
【請求項6】
投入された対象物を細断処理して破砕片にする破砕手段と、
前記破砕手段による破砕片を圧縮して集合物にする圧縮手段と、
前記圧縮手段による集合物を移送するための移送路と、
前記移送路の中で進行する集合物に接する面を有し、当該面の摩擦係数が当該移送路の内面の摩擦係数とは異なる部材と、
を含む細断処理装置。
【請求項7】
前記部材は、前記移送路内の集合物に対して接離するように移動可能であることを特徴とする請求項6に記載の細断処理装置。
【請求項8】
前記部材は、前記面が前記移送路の内面から当該移送路の中に突出する突出量を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の細断処理装置。
【請求項9】
前記部材は、回転中心を備えたロール形状であり、
前記部材の回転中心の位置が偏心していることを特徴とする請求項8に記載の細断処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、細断処理装置に係り、より詳しくは、対象物を細断処理するための細断処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が高度に進化するに伴って各種の画像形成装置(プリンタ)が普及し、機密性のある文書の不用意な拡散という問題が懸念される。また、機密性のある文書を扱う機会が増えるに従って情報漏洩の危険等に対する意識が高まっている。このような背景から、機密性のある文書を廃棄する際には、情報漏洩の防止やプライバシー保護等のためにその機密文書をシュレッダ(shredder)で細断処理することが一般的に行われている。
また、環境問題に対する意識の高まりから紙資源を有効に利用すべく、細断処理の結果物である紙片(細断物)を焼却処分せずに、例えば梱包品の緩衝材や再生紙の原料として再利用されている。
【0003】
このようなシュレッダには、細断処理のための駆動源として電動のモータ(電動機)を内蔵しているものがある。すなわち、細断処理すべき文書が投入口に投入されたことを、投入口に設けられたセンサが検出すると、自動的にモータが作動して回転刃を回転させる。回転刃が回転すると、それに伴って投入口の文書がシュレッダの内部に引き込まれていき、文書の細断処理が開始される。そして、投入口に投入された文書のすべてについて細断処理が終了したと判別したときには自動的にモータが停止し、回転刃の回転が止まる。
なお、モータの発熱によるシュレッダ内部の温度上昇を抑えるために、空冷用ファンが設けられている。また、細断処理による紙片は、予め設置された収容箱に排出され、収容箱が紙片で満杯になったら、収容箱から紙片を回収する。
【0004】
ここで、破砕処理された紙片を圧縮して塊にしてから収容箱に移送するシュレッダが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、同特許文献1では、鉛直方向に押し出された細断処理による紙片を鉛直方向から水平方向に移送することで円滑に収容箱に入れる移送構造が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−306787号公報(第3〜4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、細断片の集合物例えば固まった細断片は、収容箱への搬送中に次第にほぐれていき、排出時には所望の固さを維持できないという問題があった。また、細断処理する用紙の物性や特性により、細断片の塊の固さが異なり、所望の固さにならないという問題もあった。また、細断片の塊があまりにも固いと、機械駆動系の過負荷となり、好ましくない。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、細断片の集合物を任意の固さに調整可能な細断処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明が適用される細断処理装置は、投入された対象物を細断処理して破砕片にする破砕手段と、破砕手段による破砕片を圧縮して集合物にする圧縮手段と、圧縮手段による集合物を移送するための移送路と、移送路の内面とは異なる表面粗さの部分が移送路の中の集合物に接して集合物が移送路に留まる時間を変更するための部材と、を含むものである。
【0009】
この部材は、移送路の内面とは異なる表面粗さの部分を複数有し、複数の部分の表面粗さは、互いに異なることを特徴とすることができる。また、この部材は、移送路の中の集合物が自重で部材を押圧する位置に配設されていることを特徴とすることができる。
また、この部材を複数含み、複数の部材は、移送路の中で集合物が移送される方向に沿って配置されていることを特徴とすることができる。また、この部材を複数含み、複数の部材は、移送路の中で集合物が移送される方向に沿って隣接して配置されていることを特徴とすることができる。
【0010】
他の観点から捉えると、本発明が適用される細断処理装置は、投入された対象物を細断処理して破砕片にする破砕手段と、破砕手段による破砕片を圧縮して集合物にする圧縮手段と、圧縮手段による集合物を移送するための移送路と、移送路の中で進行する集合物に接する面を有し、面の摩擦係数が移送路の内面の摩擦係数とは異なる部材と、を含むものである。
【0011】
この部材は、移送路内の集合物に対して接離するように移動可能であることを特徴とすることができる。また、この部材は、面が移送路の内面から移送路の中に突出する突出量を変更可能に構成されていることを特徴とすることができる。また、この部材は、回転中心を備えたロール形状であり、当該部材の回転中心の位置が偏心していることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、細断片の集合物を任意の固さに調整することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る用紙の処理装置(以下、用紙処理装置とも言う)を示す概略構成図である。同図に示す用紙処理装置は、装置の上部を構成する上面部1と、上面部1に設けられ、廃棄する用紙(細断処理すべき用紙)が投入される投入部11と、を備えている。また、用紙処理装置は、上面部1の投入部11に投入された用紙の処理(細断処理等)を行うとともに処理済み用紙(以下、チップとも言う)を内部に一時的に収容する本体部2を備えている。また、用紙処理装置は、本体部2における用紙の処理等の指示を使用者が出すとともに用紙の処理等に関して使用者への通知事項を表示するための操作表示部5を上面部1に備えている。また、用紙処理装置は、本体部2の内部に収容されたチップを装置外へ排出する際に開閉可能な開閉扉25と、この開閉扉25に設けられ、本体部2の内部に収容されたチップの量を視認可能な窓25aと、本体部2の移動を可能にするためのキャスタ26と、を備えている。なお、窓25aには、光を透過する部材25bが嵌め込まれている。
【0014】
図2は、用紙処理装置の内部を示す概略構成図である。同図に示すように、用紙処理装置の本体部2は、投入された用紙がチップになるように破砕する破砕ユニット3と、破砕ユニット3により形作られたチップが集合物例えば塊になるように圧縮する圧縮ユニット4と、を備えている。また、用紙処理装置の本体部2は、圧縮ユニット4で形成されたチップの塊を移送する移送路としてのダクト21と、ダクト21により移送されたチップの塊を収容する収容箱としてのボックス22と、を備えている。
また、用紙処理装置の本体部2は、装置内部の空気流を強制的に形成するためのファン23と、破砕ユニット3や圧縮ユニット4等(各部)の動作を制御する制御部6と、外部からの電源供給についてON/OFFの操作を使用者が行うための主電源スイッチ(メインスイッチ)24と、を備えている。また、外部からの電源供給は、インレット付きブレーカ24aを介してなされる。
【0015】
破砕ユニット3は、互いに略平行である第1の回転軸31Aおよび第2の回転軸31Bと、第1の回転軸31Aに取り付けられた複数の回転刃33Aからなる第1の回転刃列32Aと、第2の回転軸31Bに取り付けられた複数の回転刃33Bからなる第2の回転刃列32Bと、第1の回転刃列32Aにおいて隣り合う回転刃33Aの間に位置し、用紙を第1の回転刃列32Aに押し付けるための第1の押付部材34Aと、第2の回転刃列32Bにおいて隣り合う回転刃33Bの間に位置し、用紙を第2の回転刃列32Bに押し付けるための第2の押付部材34Bと、第1の回転刃列32Aおよび第2の回転刃列32Bの駆動源としての破砕モータ36と、を有する。なお、各回転刃33A,33Bは、円形板状部材であり、その周面に外方に延びる複数の刃が形成されている。
【0016】
第1の回転刃列32Aおよび第2の回転刃列32Bを構成する回転刃33A,33Bの各々は、第1の回転軸31Aおよび第2の回転軸31Bの軸方向(紙面垂直方向)に沿って所定の間隔に配置されている。そして、第1の回転刃列32Aと第2の回転刃列32Bとの相互の位置関係は、一方の回転刃列の回転刃が、他方の回転刃列の隣り合う回転刃の間に位置するようになっている。すなわち、第1の回転刃列32Aの回転刃33Aおよび第2の回転刃列32Bの回転刃33Bは、第1の回転軸31Aおよび第2の回転軸31Bの軸方向に関して互い違いになるように配置されている。また、第1の回転刃列32Aと第2の回転刃列32Bとの相互の位置関係は、一方の回転刃列の回転刃が他方の回転刃列の隣り合う回転刃の間に入り込むようになっている。
このような互い違い配置かつ入り込み配置の回転刃33A,33Bによって、重なり領域である噛合部35が形成されている。
【0017】
破砕モータ36は、制御部6により制御されている。そして、破砕モータ36で発生した駆動力は、図示しない駆動伝達系(例えば駆動ベルト)を介して第1の回転軸31Aおよび第2の回転軸31Bに伝達される。これら第1の回転軸31Aおよび第2の回転軸31Bに駆動力が伝達されることにより、第1の回転刃列32Aおよび第2の回転刃列32Bが回転する。
ここで、第1の回転刃列32Aの回転方向と第2の回転刃列32Bの回転方向とは互いに反対方向である。すなわち、一方の回転刃列が時計方向に回転し、他方の回転刃列が反時計方向に回転する。具体的には、通常(正回転時)には、図2に示すように、第1の回転刃列32Aは時計方向に回転し、第2の回転刃列32Bは反時計方向に回転する。これにより、噛合部35の噛合側35aは、回転軸31A,31Bの位置よりも下方に位置し、噛合部35の反噛合側35bは回転軸31A,31Bの位置よりも上方に位置する。また、破砕モータ36は、正逆反転が可能なものであり、第1の回転刃列32Aおよび第2の回転刃列32Bを図2の矢印方向とは反対の方向に回転させることも可能である。その場合には、噛合部35の噛合側35aと反噛合側35bとが互いに反対の位置になる。
また、第1の回転刃列32Aの回転速度(周速度)と第2の回転刃列32Bの回転速度とは互いに異なっている。すなわち、用紙投入側に位置する第1の回転刃列32Aは遅く(低速)回転し、用紙投入側とは反対側に位置する第2の回転刃列32Bは速く(高速)回転する。その速度差は例えば2倍の値を採用することができる。
【0018】
破砕ユニット3の下方には圧縮ユニット4が設けられている。この圧縮ユニット4は、破砕ユニット3から落下するチップを受け入れるホッパ41と、ホッパ41に受け入れられたチップが連続して供給される筒状部材42と、筒状部材42の中に回動自在に配置されたスクリュ43と、スクリュ43の駆動源としての圧縮モータ44と、を有する。
スクリュ43は、筒状部材42の中で支持された回転軸43aの軸方向に沿って延びるようにらせん状のスクリュ片43bが回転軸43aに取り付けられて構成されている。すなわち、スクリュ43は、一方向に回転することにより、ホッパ41から筒状部材42内に連続的に供給されたチップを下方に移動させる(押し出す)。筒状部材42の下端部分42bは、上端部分42aよりも開口径が狭く絞られた絞り形状である。この絞り形状により、チップを下端部分42bで圧縮してチップの塊にすることができる。
圧縮モータ44は、制御部6により制御されている。そして、圧縮モータ44で発生した駆動力は、図示しない駆動伝達系を介してスクリュ43に伝達される。スクリュ43は、チップを下方に押し出す方向に回転する。
ここで、筒状部材42内でチップがスクリュ43の押圧力で円滑に前進できるように、スクリュ片43bの円周方向での範囲は、回転軸43aを中心として360度以内とされている。また、スクリュ43の回転に伴ってチップの塊が同じように回るだけで前進しない共回り現象を防止するために、筒状部材42の内面には、長さ方向に延びる図示しない複数の小突起部が全周にわたって形成されている。
【0019】
圧縮ユニット4に後続してダクト21およびボックス22が用紙処理装置の本体部2に設けられている。ダクト21は、圧縮ユニット4の筒状部材42の下流端42cに接続されている。そして、ダクト21内でチップの塊を移送するための特別な駆動源を必ずしも要しない。すなわち、ダクト21内のチップの塊は、圧縮ユニット4のスクリュ43の押圧力を利用して移送される。
ボックス22は、ダクト21内を移送されてダクト21から排出されたチップの塊を受け取るように配置されている。そして、ボックス22は、開閉扉25を開けて本体部2から取り出し可能になっている。
【0020】
用紙処理装置の本体部2には、各種のセンサが取り付けられている。すなわち、用紙処理装置の本体部2には、投入部11に用紙が投入されたことを検出するペーパーセンサ90と、破砕ユニット3から落下してきたチップが圧縮ユニット4のホッパ41内で満杯になっていることを検出するホッパ満杯検出センサ92とが取り付けられている。また、用紙処理装置の本体部2には、本体部2の内部にボックス22がセットされていることを検出するボックスセットセンサ94と、ボックス22内のチップが満杯に近い位置に達していることを検出するニア満杯センサ96と、開閉扉25が閉じてロックしていることを検出するドアセンサ98と、が取り付けられている。これらの各種センサ90,92,94,96,98の検出結果は、制御部6に出力される。
【0021】
ここで、用紙処理装置の本体部2の主電源スイッチ24がOFFからONに操作されると、それを検出した制御部6により所定のイニシャライズ処理が開始される(イニシャライズ状態)。その後は、制御部6により用紙処理装置の状態管理が行われ、用紙処理装置の状態は、操作表示部5に表示される。
用紙処理装置の状態として、上述のイニシャライズ状態のほかに、停止状態、スタンバイ(待機)状態、処理状態、省電力状態、エラー発生状態およびシステムエラー状態がある。以下、各状態について簡単に説明する。
すなわち、所定のイニシャライズ処理が完了すると、用紙処理装置は停止状態になる。そして、停止状態において、図示しないスタートスイッチが押されると、スタンバイ状態に移行する。ペーパーセンサ90が投入部11に用紙が投入されたことを検出すると、処理状態に移行し、破砕ユニット3が作動して用紙の処理(細断処理)が開始される(オートスタート)。用紙の処理が終了すると、処理状態からスタンバイ状態に戻る(オートストップ)。
【0022】
停止状態に移行してから所定の時間が経過しても操作されないときには、節電のために省電力状態に移行し、図示しないスタートボタンが押されるのを待つ。
そして、処理状態のときに、開閉扉25が開けられたことがドアセンサ98により検出されると、エラー発生状態になり、直ちに用紙の処理が中止される。なお、用紙処理装置の操作表示部5の一部を構成する非常停止ボタン(押しボタンスイッチ)51が上面部1に設けられており、この非常停止ボタン51が処理状態のときに押されると、強制的に停止されてエラー発生状態になる。また、紙詰まりであることを制御部6により判別されたときには、所定の紙詰まり処理が行われる。
また、例えば所定の紙詰まり処理によっても紙詰まりが解除できない等のカスタマーサービスを呼ばなければ対処できない事態になったときには、システムエラー状態になる。
【0023】
ここで、用紙処理装置の他の状態として、使用者を含むユーザ側のための管理者モードと、用紙処理装置の保守のための保守用DIAGモードとがある。
また、スタンバイ状態のときに図示しないスタートボタンが所定の時間押し続けられると、マニュアルモードに移行する。このマニュアルモードでは、図示しないスタートボタンが押されている間は用紙の処理が継続される。なお、ファン23は、制御部6により必要に応じて作動することになる。
【0024】
次に、用紙処理装置の具体的な処理内容について説明する。スタンバイ状態のときに、投入部11に用紙が投入されたことをペーパーセンサ98が検出すると、制御部6の指示により破砕モータ36および圧縮モータ44が作動する。
投入された用紙は、第1の押付部材34Aによって第1の回転刃列32A(低速側)に押し付けられているので、第1の回転刃列32Aの回転刃33Aに引っ掛けられる。このため、破砕ユニット3の第1の回転刃列32Aおよび第2の回転刃列32Bが回転すると、第1の回転刃列32Aの回転刃32Aに引っ掛けられた用紙は、第1の回転刃列32Aに巻き付きながら内部に1枚ずつ引き込まれていく。そして、噛合部35にて、第1の回転刃列32Aに引っ掛けられた用紙は、第2の回転刃列32Bによって剥ぎ取られ、破砕されていく。
細かくなった用紙はチップとなって、次工程(圧縮工程)を行う圧縮ユニット4へと落下していく。そして、大きな用紙は再び噛合部35で破砕され、それでも細かく破砕されなかった用紙は、細かくなるまで噛合部35の通過を繰り返す。このように、用紙処理装置はまず、投入された用紙を第1の回転刃列32Aと第2の回転刃列32Bとの速度差で引きちぎってチップにしていく(細断処理)。
なお、第1の回転刃列32Aに巻き付いたほとんどすべての用紙が第2の回転刃列32Bによって剥ぎ取られて第2の回転刃列32Bに移動する。このため、第1の回転刃列32Aの回転刃33Aは、用紙によって埋まることなく常に露出し、用紙を引っ掛けるという第1の回転刃列32Aの機能が維持される。
【0025】
破砕ユニット3により用紙が破砕されて形作られたチップは、圧縮ユニット4のホッパ41に落下し、筒状部材42の上端部分42aから筒状部材42の中に入っていく。筒状部材42の中では、チップは、圧縮モータ44の駆動力で回転しているスクリュ43により、筒状部材42の下端部分42bに向けて押し進められる。その一方で、筒状部材42の下端部分42bは絞り形状になっているので、チップは、筒状部材42の中を通過する際に所定の抵抗力を受ける。このようにして、筒状部材42の中においてスクリュ43の押付力でチップが圧縮され、やがて筒状部材42から嵩張らないチップの塊になって押し出される。
【0026】
圧縮ユニット4により形成されたチップの塊は、スクリュ43の押付力によって、ダクト21内を移送される。ダクト21の下流端21aは、ボックス22の上方に位置しているので、チップの塊は、ダクト21から押し出されると、ボックス22内へと排出される。
ボックス22内のチップは、開閉扉25を開けてボックス22ごと本体部2から運び出されて回収される。なお、回収されたチップは、紙の繊維が寸断されていないので、再資源化を容易に実現することができる。また、回収されたチップは、用紙を不定形かつ不規則に破砕したものであるので、高い機密性を保持することができる。
【0027】
次に、用紙の処理装置における圧縮ユニット4とダクト21とボックス22の位置関係について図2〜図3を用いて説明する。図3は、用紙の処理装置の内部を概略的に示す正面図である。
図2に示すように、圧縮ユニット4の下流端42cは、装置前後方向Aの装置後ろ側に位置している。また、図3に示すように、圧縮ユニット4の下流端42cは、装置左右方向Bの装置左側に位置している。
ボックス22は、図2および図3に示すように、装置の内部に収容されている。そして、ボックス22は、図2に示すように、装置前後方向Aにおいて圧縮ユニット4の下流端42cとは反対側となる装置前側に位置している。また、図3に示すように、ボックス22は、装置左右方向Bの中央寄りに位置している。
また、ダクト21の下流端21aは、図2に示すように装置前後方向Aの中央寄りに位置し、かつ、図3に示すように装置左右方向Bの装置右側に位置している。
【0028】
次に、圧縮ユニット4のダクト21について図4を用いて説明する。
図4は、圧縮ユニット4のダクト21の形状を説明するための説明図である。
図4に示すように、ダクト21は、チップの塊の移送方向を下方から上方へ変える略半円形状の略Uターンパス部71を備えている。この略Uターンパス部71は、圧縮ユニット4の下流端42cに接続する上流側の他端部71bと、その他端部71bの反対側の端部である下流側の一端部71aと、を有する。また、ダクト21は、略Uターンパス部71の一端部71aに接続し、破砕片の移送方向が略Uターンパス部71の他端部71bに向かう方向から逸れて湾曲する円弧状の湾曲部72を備えている。
言い換えると、ダクト21は、中心軸71cが略一定の曲率半径ρで延びると共に同一平面内に位置する略Uターンパス部71と、中心軸72aが略一定の曲率半径ρで延びると共に略Uターンパス部71の同一平面から外れて湾曲している湾曲部72と、を備えている。
また、ダクト21には、取付穴付きフランジ部74が設けられている。ダクト21の材料としては、表面抵抗の小さい樹脂を用いることができる。
【0029】
図5は、ダクト21の下流端21a付近を説明するための断面図である。
図5に示すように、ダクト21内において、チップの塊(以下、細断片固まり100という)は、圧縮ユニット4のスクリュ43(図2参照)の押圧力により、下流端21aに向けて移送される。また、細断片固まり100は、ダクト21に沿って装置上方向Cに進行した後に、向きを水平方向に変える途中でダクト21の下流端21aからボックス22に排出される。
【0030】
ダクト21の下流端21a付近には、湾曲部72の内周側72bに切欠き(開口部)75,76が形成されている。切欠き76は、切欠き75の下流側近傍に位置している。そして、切欠き75が形成された部分に調整部材(ロール)81が配置され、また、切欠き76が形成された部分に調整部材(ロール)82が配置されている。更に説明すると、切欠き75,76が形成された部分は、ダクト21内を進行している細断片固まり100が自重により押される部分である。
【0031】
調整部材81は、切欠き75を通じてダクト21内の細断片固まり100に接する円周面(面)81aを備えている。また、調整部材82は、切欠き76を通じてダクト21内の細断片固まり100に接する円周面(面)82aを備えている。調整部材81,82は、円形断面部材である。
調整部材81,82は共に、通常は回転しないように本体部2側に固定されている。すなわち、ダクト21内を進行する細断片固まり100に円周面81a,82aが接するに伴って調整部材81,82に回転する力が作用するが、調整部材81,82は、その力を受けても回転しないように固定されている。その一方で、調整部材81,82は、細断片固まり100と接する円周面81a,82aの部分を変えることができるように構成されている。
【0032】
図6は、調整部材81を説明するための図である。以下、図6を用いて調整部材81の構成を説明するが、もう一つの調整部材82は、調整部材81と同じ構成のため、その説明を省略する。
図6に示すように、調整部材81の円周面81aには、表面粗さが互いに異なる摩擦部分83,84,85が形成されている。表面粗さは、摩擦部分83が最も小さく、摩擦部分84は、摩擦部分83よりも大きく、摩擦部分85が最も大きい表面粗さである。すなわち、調整部材81は、互いに異なる3つの表面粗さを有する。調整部材81は、軸(回転中心)81bを中心に回転可能である。
なお、摩擦部分83,84,85の表面粗さは、ダクト21の内周面の表面粗さとは異なる。具体的には、摩擦部分83,84,85は、ダクト21の内周面の表面粗さよりも大きい表面粗さを有する。
【0033】
このように構成しているため、ダクト21内の細断片固まり100に接する円周面81aの部分を、3つの摩擦部分83,84,85から選択することにより、細断片固まり100がダクト21内を進行するに伴って生ずるすべり抵抗を変えることができる。すなわち、摩擦部分83が選択されると、細断片固まり100のすべり抵抗が最も小さく、摩擦部分85が選択されると、細断片固まり100のすべり抵抗が最も大きくなる。したがって、調整部材81により細断片固まり100のすべり抵抗を調整することができる。
【0034】
更に説明すると、本実施の形態では、3つの異なる表面粗さを有する調整部材81,82をダクト21の移送方向に沿って配設している。したがって、2つの調整部材81,82について細断片固まり100に接する部分を選択することにより、9通りの組み合わせが可能である。すなわち、ダクト21内を進行する細断片固まり100のすべり抵抗を9段階で変更することが可能になるので、すべり抵抗を最適なものになるように調整することが可能になる。
【0035】
ここで、細断片固まり100を不必要に固くしすぎると、機械駆動系の過負荷になり、また、異音の発生の原因にもなる。また、細断片固まり100の固さが十分でないと、ダクト21からボックス22に排出された細断片固まり100が例えば細断片ごとにほぐれていき、その後の取り扱いを容易に行うことが困難になる。
【0036】
そのため、本実施の形態では、ダクト21の搬送路の途中に、ダクト21と異なる表面粗さを有する円筒上の表面に、少なくとも複数の表面粗さの摩擦部分83,84,85を有する調整部材81,82を備えている。
【0037】
また、その細断片固まり100の固さを調整する方法は、それぞれの調整部材81,82を回転移動させ、ダクト21に設けた切欠き75,76に位置合わせすることで、細断片固まり100の表面が摩擦部分83,84,85と接触するようにする。このため、細断片固まり100が摩擦部分83,84,85の搬送抵抗を受けることで、ダクト21内にある細断片固まり100がダクト21内に留まる時間が長くなり、次第に固さが増していく。この細断片固まり100の固さを調整する方法は、調整部材81,82に取り付けられた摩擦部分83,84,85を回転位置合わせすることで、9通りの組み合わせが可能であり、任意の固さに調整可能である。
【0038】
細断処理する用紙に印刷されたトナー又はインクの物性、用紙の種類(パルプ原料、抄紙具合)、用紙に含まれる含水量、湿度等により細断片固まり100の固さが変化するが、これら細断片固まり100が固まる技術的パラメータを認知していなくても、実際の処理作業で排出される排出後の細断片固まり100が所望の固さになるように、調整することが可能である。このため、ボックス22の収容量を上げることで細断片処理が簡便となり、使い勝手のよい製品をユーザに提供することができるようになる。
【0039】
ここで、本実施の形態における変形例について説明する。
本実施の形態では、調整部材81は、軸81bが調整部材81の中心に位置しているが、調整部材81の軸81bを偏心させて構成することも考えられる。すなわち、摩擦部分83,84,85が形成されている調整部材81がダクト21の内面からダクト21の中に突出する突出量を変更可能に構成している。これにより、調整部材81による調整の幅を拡げることができる。
また、本実施の形態では、調整部材81の軸81bは、ダクト21に対する位置が変わらないように構成されているが、調整部材81の円周面81aがダクト21内の細断片固まり100の表面と接離可能となるように、すなわち、軸81bがダクト21に対して移動可能となるように構成することも考えられる。
【0040】
また、本実施の形態では、図5に示すように、調整部材82が湾曲部72の内周側72bに配置されているが、この調整部材82を湾曲部72の外周側72cに対向配置することも考えられる。例えば、細断片固まり100の大きさがダクト21の内径よりもかなり小さい場合には、このような対向配置により、調整部材82による調整作用を効果的に奏することができる。
また、本実施の形態では、用紙の処理装置について説明したが、本発明を用紙以外の対象物を処理する処理装置にも適用することが考えられる。ここにいう対象物としては、例えば木材やコンクリート、タイヤ、畳等の破砕処理が必要なものをいう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施の形態に係る用紙の処理装置を示す概略構成図である。
【図2】用紙の処理装置の内部を示す概略構成図である。
【図3】用紙の処理装置の内部を概略的に示す正面図である。
【図4】圧縮ユニットのダクトの形状を説明するための説明図である。
【図5】ダクトの下流端付近を説明するための断面図である。
【図6】調整部材を説明するための図である。
【符号の説明】
【0042】
21…ダクト、21a…下流端、75,76…切欠き、81,82…調整部材、81a,82a…円周面、83,84,85…摩擦部分、100…細断片固まり
【出願人】 【識別番号】591227686
【氏名又は名称】富士ゼロックスエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎

【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武


【公開番号】 特開2008−18390(P2008−18390A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194336(P2006−194336)