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【発明の名称】 微粒子破砕を高効率で行うことのできる破砕装置
【発明者】 【氏名】納冨 啓一

【要約】 【課題】転動体の転動に伴って発生する気流を低減し、破砕効率を向上する破砕装置を提供する。

【構成】転動体11の押圧により被破砕物を破砕するボールミルやロッドミルなどの破砕装置1において、被破砕物を破砕するための破砕空間10に真空ポンプ34を連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動体の押圧により被破砕物を破砕する破砕装置において、
被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成したことを特徴とする破砕装置。
【請求項2】
回転容器の内部に複数個のボールを収容し、転動するボールの押圧により被破砕物を破砕するボールミルにおいて、
回転容器の内部に形成される被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成したことを特徴とするボールミル。
【請求項3】
前記ボールを同極性に磁化したことを特徴とする請求項2に記載のボールミル。
【請求項4】
前記ボールを磁性素材で形成するとともに、回転容器の外部に磁石を配設して、同磁石で前記ボールを磁力により引張したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のボールミル。
【請求項5】
固定容器の底部に転動するロッドを配設し、転動するロッドの押圧により被破砕物を破砕するロッドミルにおいて、
固定容器の内部に形成される被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成したことを特徴とするロッドミル。
【請求項6】
前記ロッドを磁性素材で形成するとともに、固定容器の外部に磁石を配設して、同磁石で前記ロッドを磁力により引張したことを特徴とする請求項5に記載のロッドミル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールミルやロッドミル等の破砕装置に関するものであり、ボールやロッド等の転動体の押圧により被破砕物を破砕する破砕装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、原料や廃棄物などの破砕には、ボールやロッド等の転動体の押圧により被破砕物を破砕する破砕装置が広く利用されている。
【0003】
たとえば、ボールを用いた破砕装置であるボールミルは、駆動源に連動連結した回転容器の内部に複数個の金属製のボールを収容した構成となっていた(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、従来のボールミルでは、回転容器の内部に被破砕物をボールとともに収容し、回転容器を回転させることで、回転容器の内部でボールと被破砕物とを撹拌しながら転動させ、回転容器の内壁とボール或いはボール同士の間に介在する被破砕物をボールの押圧力によって押圧して破砕するように構成していた。
【0005】
同様に、ロッドを用いた破砕装置であるロッドミルでは、固定容器の底部に転動するロッドを収容し、固定容器の内部に被破砕物をロッドとともに収容し、ロッドを回転させることで、ロッドと固定容器の底壁との間に介在する被破砕物をロッドの押圧力によって押圧して破砕するように構成していた。
【0006】
【特許文献1】特開2005−279412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記従来の破砕装置では、破砕時に被破砕物がボールやロッドなどの転動体とともに転動することになるために、破砕空間の内部に転動体の転動に抗する気流が発生していた。たとえば、ボールミルでは、図5に模式的に示すように、回転容器101の内部に形成された破砕空間102において、ボール103の転動に抗して被破砕物の粒子104をボール103の外周に沿って上方や側方に向けて流れる気流が発生していた。
【0008】
そのため、被破砕物が破砕空間の内部に発生した気流に乗って被破砕物から離反する方向に流動してしまい、転動体によって被破砕物を良好に押圧して破砕することができず、破砕に多大な時間を要していた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、請求項1に係る本発明では、転動体の押圧により被破砕物を破砕する破砕装置において、被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成することにした。
【0010】
また、請求項2に係る本発明では、回転容器の内部に複数個のボールを収容し、転動するボールの押圧により被破砕物を破砕するボールミルにおいて、回転容器の内部に形成される被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成することにした。
【0011】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記ボールを同極性に磁化することにした。
【0012】
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項2又は請求項3に係る本発明において、前記ボールを磁性素材で形成するとともに、回転容器の外部に磁石を配設して、同磁石で前記ボールを磁力により引張することにした。
【0013】
また、請求項5に係る本発明では、固定容器の底部に転動するロッドを配設し、転動するロッドの押圧により被破砕物を破砕するロッドミルにおいて、固定容器の内部に形成される被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成することにした。
【0014】
また、請求項6に係る本発明では、前記請求項5に係る本発明において、前記ロッドを磁性素材で形成するとともに、固定容器の外部に磁石を配設して、同磁石で前記ロッドを磁力により引張することにした。
【発明の効果】
【0015】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0016】
すなわち、請求項1に係る本発明では、転動体の押圧により被破砕物を破砕する破砕装置において、被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成しているために、転動体の転動に伴って破砕空間の内部に気流が発生してしまうのを抑制することができ、気流の発生によって生じる破砕ロスを低減することができ、破砕に要する時間を短縮することができるとともに、破砕粒子の微粒子化を図ることができ、微粒子破砕の高効率化を図ることができる。
【0017】
また、請求項2に係る本発明では、回転容器の内部に複数個のボールを収容し、転動するボールの押圧により被破砕物を破砕するボールミルにおいて、回転容器の内部に形成される被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成しているために、ボールの転動に伴って破砕空間の内部に気流が発生してしまうのを抑制することができ、気流の発生によって生じる破砕ロスを低減することができ、破砕に要する時間を短縮することができるとともに、破砕粒子の微粒子化を図ることができ、微粒子破砕の高効率化を図ることができる。
【0018】
また、請求項3に係る本発明では、ボールを同極性に磁化しているために、ボール同士の磨耗を低減することができるとともに、ボール同士の摩擦を低減することができ、これにより、回転容器の回転に要する動力を低減することができる。
【0019】
また、請求項4に係る本発明では、ボールを磁性素材で形成するとともに、回転容器の外部に磁石を配設して、磁石でボールを磁力により引張しているために、ボールと回転容器との接触圧を増大することができ、これにより、被破砕物を良好に押圧することができ、破砕効率を向上させることができる。
【0020】
また、請求項5に係る本発明では、固定容器の底部に転動するロッドを配設し、転動するロッドの押圧により被破砕物を破砕するロッドミルにおいて、固定容器の内部に形成される被破砕物を破砕するための破砕空間に真空ポンプを連通連結し、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成しているために、ロッドの転動に伴って破砕空間の内部に気流が発生してしまうのを抑制することができ、気流の発生によって生じる破砕ロスを低減することができ、破砕に要する時間を短縮することができるとともに、破砕粒子の微粒子化を図ることができ、微粒子破砕の高効率化を図ることができる。
【0021】
また、請求項6に係る本発明では、ロッドを磁性素材で形成するとともに、固定容器の外部に磁石を配設して、磁石でロッドを磁力により引張しているために、ロッドと固定容器との接触圧を増大することができ、これにより、被破砕物を良好に押圧することができ、破砕効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明に係る破砕装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明に係る破砕装置としてボールミルやロッドミルを用いた場合について説明する。
【0023】
図1及び図2に示すように、本発明に係るボールミル1は、基台2の上部に円筒状の回転容器3を左右一対の軸受4,5で回動自在に支持している。
【0024】
回転容器3は、中空円筒状の容器本体6の外周中央部に排出口7を形成するとともに、容器本体6の右側部に供給管8を同軸上に連通連結し、一方、容器本体6の左側部に排気管9を同軸上に連通連結している。
【0025】
この回転容器3は、容器本体6の中空部に破砕空間10を形成し、破砕空間10の内部に複数個の同極性(S極又はN極)に磁化した磁性素材からなるボール11を収容している。
【0026】
また、回転容器3は、容器本体6の外周右側端部に回転ギヤ12を形成し、この回転ギヤ12に駆動源13を連動連結している。
【0027】
この駆動源13は、基台2に取付けた駆動モータ14に変速機15を連動連結し、変速機15の出力軸16に駆動ギヤ17を取付け、この駆動ギヤ17を回転ギヤ12に噛合させている。図中、18,19は軸受である。
【0028】
これにより、ボールミル1は、駆動源13を用いて回転容器3を回転させることで、破砕空間10の内部で投入された被破砕物とボール11とがともに転動し、ボール11の押圧により被破砕物を破砕することができるようになっている。
【0029】
また、回転容器3は、供給管8の右側端部に反応性ガスや反応性流体を破砕空間10へ供給するための供給装置20を連通連結している。
【0030】
この供給装置20は、基台2に取付けた矩形箱型状の供給容器21に供給管8を密閉状に連通連結し、供給容器21に取付けた油圧シリンダ22のヘッド部23を供給管8の右側開口端部に開閉可能に配置するとともに、供給容器21の上部に反応性ガスを供給するガス供給口24と反応性流体を供給する流体供給口25とを形成し、流体供給口25を油圧シリンダ22のヘッド部23にフレキシブルパイプ26を介して連通連結している。図中、27,28は供給源、29,30は開閉バルブである。
【0031】
そして、供給装置20は、油圧シリンダ22のヘッド部23を後退させて供給管8の右側開口端部を開放させた状態とし、開閉バルブ29を開いて反応性ガスの供給源27から供給容器21へ反応性ガスを注入することにより、供給管8から破砕空間10へ反応性ガスを供給することができる。また、供給装置20は、油圧シリンダ22のヘッド部23を前進させて供給管8の右側開口端部を閉塞させた状態とし、開閉バルブ30を開いて反応性流体の供給源28からヘッド部23へ反応性流体を注入することにより、ヘッド部23から供給管8を介して破砕空間10へ反応性流体を供給することができる。
【0032】
また、回転容器3は、排気管9の左側端部に破砕空間10の内部を高真空度状態にするための吸気装置31を連通連結している。
【0033】
この吸気装置31は、基台2に取付けた吸気容器32に排気管9を密閉状に連通連結し、吸気容器32の内部にフィルター33を収容するとともに、吸気容器32の上部に真空ポンプ34を開閉バルブ35を介して連通連結し、吸気容器32の下部に排出管36を開閉バルブ37を介して連通連結している。
【0034】
そして、吸気装置31は、開閉バルブ35を開くとともに開閉バルブ37を閉じた状態で真空ポンプ34を駆動することで、破砕空間10の内部を高真空度状態にすることができるようになっている。
【0035】
また、回転容器3の外方には、磁石38を配設している。この磁石38は、回転容器3に近接する先端部をS極又はN極(ボール11と異極性)に磁化しており、基台2に支持体39を介して角度調整可能に取付けている。
【0036】
以上に説明したように、上記ボールミル1では、回転容器3の内部に複数個のボール11を収容し、転動するボール11の押圧により被破砕物を破砕するように構成しており、しかも、回転容器3の内部に形成される被破砕物を破砕するための破砕空間10に真空ポンプ34を連通連結して、高真空度状態で被破砕物を破砕するように構成している。
【0037】
そのため、上記ボールミル1では、図3に模式的に示すように、回転容器3の内部に形成された破砕空間10において、大気圧状態ではボール11の転動に抗して被破砕物の粒子40をボール11の外周に沿って上方や側方に向けて流れる気流が発生していたが、真空ポンプ34により破砕空間10を高真空度状態とすることで、ボール11の転動に伴って破砕空間10の内部に気流が発生してしまうのを抑制することができ、気流の発生によって生じる破砕ロスを低減することができ、破砕に要する時間を短縮することができる。
【0038】
また、上記ボールミル1では、真空ポンプ34により破砕空間10を高真空度状態とすることで、ボール11の転動速度が増大することになり、これによっても、破砕に要する時間を短縮することができる。
【0039】
また、上記ボールミル1では、真空ポンプ34により破砕空間10を高真空度状態とすることで、破砕時の破砕音による共鳴や共振を低減することができ、低騒音化を図ることができる。
【0040】
また、上記ボールミル1では、真空ポンプ34により破砕空間10を高真空度状態とすることで、破砕時に生じる熱を利用して被破砕物を良好に乾燥させることができ、加湿又は加水された被破砕物の破砕も行うことができる。
【0041】
また、上記ボールミル1では、完全湿式破砕機とすることができ、その場合には、破砕時の発泡を防止することができ、発泡によって被破砕物の粒子40が持ち上がる現象を抑制することができ、破砕効率を向上させることができる。
【0042】
特に、上記ボールミル1では、ボール11を同極性に磁化しているために、ボール11同士の磨耗を低減することができるとともに、ボール11同士の摩擦を低減することができ、これにより、回転容器3の回転に要する動力を低減することができる。
【0043】
また、上記ボールミル1では、ボール11を磁性素材で形成するとともに、回転容器3の外部に磁石38を配設して、磁石38でボール11を磁力により引張しているために、ボール11と回転容器3との接触圧を増大することができ、これにより、被破砕物を良好に押圧することができ、破砕効率を向上させることができる。なお、上記ボールミル1では、ボール11を磁化しているが、ボール11を磁性素材で形成していれば、磁化させなくてもよい。
【0044】
本発明は、図4に示すように、ロッドミル41に適用することもでき、公知の構造のロッドミル41の破砕空間42に真空ポンプ(図示省略)を連通連結して構成することができる。
【0045】
このロッドミル41では、固定容器43の底部内側に回転しながら転動する磁性素材からなるロッド44,44を配設する一方、固定容器43の底部外側に磁石45を配設している。
【0046】
これにより、本発明を適用したロッドミル41でも、上記ボールミル1と同様の効果を得ることができる。
【0047】
すなわち、上記ロッドミル41では、破砕空間42を高真空度状態とすることで、ロッド44の転動に伴って破砕空間42の内部に気流が発生してしまうのを抑制することができ、気流の発生によって生じる破砕ロスを低減することができ、破砕に要する時間を短縮することができる。
【0048】
また、上記ロッドミル41では、破砕空間42を高真空度状態とすることで、ロッド44の転動速度が増大することになり、これによっても、破砕に要する時間を短縮することができる。
【0049】
また、上記ロッドミル41では、破砕空間42を高真空度状態とすることで、破砕時の破砕音による共鳴や共振を低減することができ、低騒音化を図ることができる。
【0050】
また、上記ロッドミル41では、破砕空間42を高真空度状態とすることで、破砕時に生じる熱を利用して被破砕物を良好に乾燥させることができ、加湿又は加水された被破砕物の破砕も行うことができる。
【0051】
また、上記ロッドミル41では、完全湿式破砕機とすることができ、その場合には、破砕時の発泡を防止することができ、発泡によって被破砕物の粒子40が持ち上がる現象を抑制することができ、破砕効率を向上させることができる。
【0052】
特に、上記ロッドミル41では、ロッド44を磁性素材で形成するとともに、固定容器43の外部に磁石45を配設して、磁石45でロッド44を磁力により引張しているために、ロッド44と固定容器43との接触圧を増大することができ、これにより、被破砕物を良好に押圧することができ、破砕効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るボールミルを示す正面図。
【図2】同断面図。
【図3】同動作を示す説明図。
【図4】本発明に係るロッドミルを示す断面図。
【図5】従来の気流発生を示す説明図。
【符号の説明】
【0054】
1 ボールミル 2 基台
3 回転容器 4,5 軸受
6 容器本体 7 排出口
8 供給管 9 排気管
10 破砕空間 11 ボール
12 回転ギヤ 13 駆動源
14 駆動モータ 15 変速機
16 出力軸 17 駆動ギヤ
18,19 軸受 20 供給装置
21 供給容器 22 油圧シリンダ
23 ヘッド部 24 ガス供給口
25 流体供給口 26 フレキシブルパイプ
27,28 供給源 29,30 開閉バルブ
31 吸気装置 32 吸気容器
33 フィルター 34 真空ポンプ
35 開閉バルブ 36 排出管
37 開閉バルブ 38 磁石
39 支持体 40 粒子
41 ロッドミル 42 破砕空間
43 固定容器 44 ロッド
45 磁石
101 回転容器 102 破砕空間
103 ボール 104 粒子
【出願人】 【識別番号】504037704
【氏名又は名称】株式会社環境アネトス
【識別番号】504037689
【氏名又は名称】庄野 章文
【識別番号】504038284
【氏名又は名称】納冨 啓一
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋


【公開番号】 特開2008−6376(P2008−6376A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179626(P2006−179626)