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【発明の名称】 アスベスト含有建材の破砕減容処理方法及び装置
【発明者】 【氏名】辻 勝

【氏名】上原 豊一

【要約】 【課題】アスベストを飛散させることなく破砕減容できるアスベスト含有建材の破砕減容処理方法及び装置を提供する。

【構成】ケーシング2内部にアスベスト含有建材であるスレートS破砕用の破砕手段3を備えると共に、ケーシング2内部には少なくとも破砕手段3が浸かるように防塵用の水Wを貯留しておく。そして、このケーシング2内部にスレートSを投入して水Wの中に浸漬させながら破砕手段3にてアスベスト含有建材を破砕する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段を備えると共に、前記ケーシング内部には少なくとも前記破砕手段が浸かるように防塵用の液体を貯留しておき、このケーシング内部にアスベスト含有建材を投入して液体中に浸漬させながら破砕手段にてアスベスト含有建材を破砕するようにしたことを特徴とするアスベスト含有建材の破砕減容処理方法。
【請求項2】
ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段と、該破砕手段にアスベスト含有建材を供給する供給手段と、前記破砕手段にて破砕処理したアスベスト含有建材の破砕片をケーシング外部へ送り出す送出手段とを備え、前記ケーシング内部には少なくとも破砕手段が浸かるように防塵用の液体を貯留し、アスベスト含有建材を液体中で破砕するようにしたことを特徴とするアスベスト含有建材の破砕減容処理装置。
【請求項3】
前記破砕手段は、ローラ体の周囲に複数の破砕歯を周設した破砕ローラを所定間隔を設けて少なくとも一対以上配設すると共に、各破砕ローラを所定の回転速度にて回転させる駆動装置を備えたことを特徴とする請求項2記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置。
【請求項4】
前記供給手段は、アスベスト含有建材を破砕手段に案内するガイド材と、アスベスト含有建材を前記ガイド材に押し付けながら破砕手段に送り込んでいくガイドローラとから成ることを特徴とする請求項2または3記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置。
【請求項5】
前記送出手段は、基端部をケーシング底部に備える一方、送り出し先側である先端部が少なくともケーシング内部に貯留した防塵用の液体の液位よりも高位置となるように傾斜配置したスクリューコンベヤであることを特徴とする請求項2乃至4記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置。
【請求項6】
前記ケーシング内部及び/または送出手段内部には、防塵用の液体を噴霧する噴霧器を備えたことを特徴とする請求項2乃至5記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置。
【請求項7】
前記ケーシングを略密閉構造とすると共に、ケーシング内部を負圧状態に保つ負圧手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至6記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スレート等のアスベストを含有した建材を破砕して減容処理する破砕減容処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築物の屋根材や内装・外装等の建材として、例えば、セメントに適宜量のアスベストを混合成形して製造されるスレートが知られている。このアスベストを含有させて製造されたスレートは、強度や、耐熱性、断熱性、遮音性等、様々な面で優位性を発揮するために一般的に使用されていたが、アスベストが原因とされる健康被害が社会問題化しており、その製造や使用等が規制されつつある。
【0003】
このようなアスベストを含有したスレートを使用した建築物が今後老朽化を迎えるにつれて、改修工事や解体工事等が増えてくると予想されるが、それら工事に伴い大量のスレート廃材が発生する。スレート廃材から有害なアスベストが大気中へ飛散するのを防ぐため、現在行われている一般的な処理方法としては、スレートを極力破砕しないように作業員の手作業により一つずつ慎重に取り外して解体した後、最終処分場まで運搬してそのまま地中に埋め立て処分したり、またリサイクル工場に持ち込んで再生処理している。
【0004】
しかしながら、異種類のスレートを解体現場で破砕せずにそのまま運搬するとなれば嵩高となって運搬効率が悪い上、運搬中に何らかの拍子でスレートが破砕するとアスベストが飛散してしまうおそれもある。また、破砕せずにそのまま地中に埋め立て処分すると嵩張るものとなる。
【0005】
ところで、特許文献1(特開平4−18974号)には、アスベストを含有したセメント管を負圧状態に保った密閉空間内に水等の液体を噴霧しながらアスベストの飛散防止を図りながら破砕機で細かく破砕し、コンクリート等で固形化することが記載されている。
【特許文献1】特開平4−18974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の発明のように、アスベスト含有建材等を破砕機で破砕して減容処理する際に、破砕対象に水等の液体を噴霧して十分に湿潤状態としてから破砕することも良いが、アスベストの飛散を完全になくすことはできないと考えられる。
【0007】
本発明は上記の点に鑑み、アスベストを飛散させることなく破砕減容できるアスベスト含有建材の破砕減容処理方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理方法は、ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段を備えると共に、前記ケーシング内部には少なくとも前記破砕手段が浸かるように防塵用の液体を貯留しておき、このケーシング内部にアスベスト含有建材を投入して液体中に浸漬させながら破砕手段にてアスベスト含有建材を破砕するようにしたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置は、ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段と、該破砕手段にアスベスト含有建材を供給する供給手段と、前記破砕手段にて破砕処理したアスベスト含有建材の破砕片をケーシング外部へ送り出す送出手段とを備え、前記ケーシング内部には少なくとも破砕手段が浸かるように防塵用の液体を貯留し、アスベスト含有建材を液体中で破砕するようにしたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置では、前記破砕手段は、ローラ体の周囲に複数の破砕歯を周設した破砕ローラを所定間隔を設けて少なくとも一対以上配設すると共に、各破砕ローラを所定の回転速度にて回転させる駆動装置を備えたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項4記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置では、前記供給手段は、アスベスト含有建材を破砕手段に案内するガイド材と、アスベスト含有建材を前記ガイド材に押し付けながら破砕手段に送り込んでいくガイドローラとから成ることを特徴としている。
【0012】
また、請求項5記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置では、前記送出手段は、基端部をケーシング底部に備える一方、送り出し先側である先端部が少なくともケーシング内部に貯留した防塵用の液体の液位よりも高位置となるように傾斜配置したスクリューコンベヤであることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置では、前記ケーシング内部及び/または送出手段内部には、防塵用の液体を噴霧する噴霧器を備えたことを特徴としている。
【0014】
また、請求項7記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置では、前記ケーシングを略密閉構造とすると共に、ケーシング内部を負圧状態に保つ負圧手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る請求項1記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理方法によれば、ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段を備えると共に、前記ケーシング内部には少なくとも前記破砕手段が浸かるように防塵用の液体を貯留しておき、このケーシング内部にアスベスト含有建材を投入して液体中に浸漬させながら破砕手段にてアスベスト含有建材を破砕するようにしたので、アスベストの飛散を確実に防止しながらアスベスト含有建材を破砕減容処理できる。
【0016】
また、本発明に係る請求項2記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置によれば、ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段と、該破砕手段にアスベスト含有建材を供給する供給手段と、前記破砕手段にて破砕処理したアスベスト含有建材の破砕片をケーシング外部へ送り出す送出手段とを備え、前記ケーシング内部には少なくとも破砕手段が浸かるように防塵用の液体を貯留し、アスベスト含有建材を液体中で破砕するようにしたので、アスベストの大気中への飛散を確実に防止しながらアスベスト含有建材を破砕減容処理できる。
【0017】
また、本発明に係る請求項3記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置によれば、前記破砕手段は、ローラ体の周囲に複数の破砕歯を周設した破砕ローラを所定間隔を設けて少なくとも一対以上配設すると共に、各破砕ローラを所定の回転速度にて回転させる駆動装置を備えたので、防塵用の液中でアスベスト含有建材に破砕ローラの破砕歯を噛み込ませて比較的静的に破砕することができ、アスベストが大気中に飛散することもない。
【0018】
また、本発明に係る請求項4記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置によれば、前記供給手段は、アスベスト含有建材を破砕手段に案内するガイド材と、アスベスト含有建材を前記ガイド材に押し付けながら破砕手段に送り込んでいくガイドローラとから成るので、アスベスト含有建材はガイドローラに押さえられながらガイド材に沿って破砕機へと送り込まれ、確実に破砕される。
【0019】
また、本発明に係る請求項5記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置によれば、前記送出手段は、基端部を前記ケーシング底部に備える一方、送り出し先側である先端部が少なくともケーシング内部に貯留した防塵用の液体の液位よりも高位置となるように傾斜配置したスクリューコンベヤであるので、防塵用の液体内で破砕し終えたアスベスト含有建材の破砕片に帯同する余分な液を切りながら回収でき、減容と取扱いに好都合のものとできる。
【0020】
また、本発明に係る請求項6記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置によれば、前記ケーシング内部及び/または送出手段内部には、防塵用の液体を噴霧する噴霧器を備えたので、破砕工程、送り出し工程で液体を噴霧することでアスベストの飛散を一層確実に防止することができる。
【0021】
また、本発明に係る請求項7記載のアスベスト含有建材の破砕減容処理装置によれば、前記ケーシングを略密閉構造とすると共に、ケーシング内部を負圧状態に保つ負圧手段を備えたので、アスベストが大気中に飛散することを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のアスベスト含有建材の破砕減容処理方法及び装置にあっては、略密閉構造のケーシングを備え、該ケーシング内部にはアスベスト含有建材である、例えばスレートを破砕処理する破砕手段として、ローラ体の周囲に多数の破砕歯を周設した一対の破砕ローラを所定間隔を設けて配設すると共に、各破砕ローラを所定の回転速度にて回転させる駆動装置を備える。また、スレートを前記破砕ローラに供給する供給手段として、スレートを破砕ローラ間に向けて案内するガイド材と、スレートをこのガイド材に対して一定の圧力で押し付けながら破砕ローラ間へ送り込んでいくガイドローラとを備える。更に、破砕処理を終えたスレート破砕片をケーシング外部へ送り出していく送出手段として、基端部をケーシング底部に配置すると共に、送り出し先の先端部側がケーシングよりも高位置となるように傾斜配置したスクリューコンベヤを備える。
【0023】
また、前記ケーシング内部には、少なくとも破砕ローラ全体が完全に浸かるように、防塵用の液体として、例えば水を貯留させている。また、ケーシングの内部には水噴霧用の噴霧器を備えており、常時或いは適宜噴霧して防塵処理するようにしている。更に、ケーシング近傍には、ケーシング内部を常時負圧状態に保つ負圧手段として、例えば、アスベスト等の非常に微細な粒子をも確実に捕捉可能な高性能の集塵機を備えている。更に、ケーシング内部をより安定して負圧状態に維持できるように、ケーシングのスレート供給箇所をスレートの形状に近似したスリット状とすると共に、そのスリット部分には開閉ゲートを備え、スレート供給時以外は閉鎖するようにしている。
【0024】
そして、アスベスト含有建材である、例えばスレートを破砕して減容処理するときには、先ず、集塵機を駆動させてケーシング内部を負圧状態に保ちつつ、噴霧器より水の噴霧を開始する一方、破砕ローラ、ガイドローラ、及びスクリューコンベヤを駆動させる。そして、作業者が解体現場にて回収したスレートを一枚ずつ手に持ってガイド材に載せた後、スレート供給口であるスリットの開閉ゲートを手動、或いは自動にて開放させると、スレートはガイドローラとガイド材とに案内されて破砕ローラ間に徐々に送り込まれていき、上下の破砕ローラの破砕歯によって噛み砕かれるようにして細かい破砕片となっていく。
【0025】
このとき、破砕ローラはその全体を防塵用の水に浸けた状態としているため、スレートの破砕の衝撃等によってスレート中のアスベストが大気中に飛散してしまうことはない。また、万が一、一部のアスベストがケーシング内の空気中に舞い上がるようなことが起きたとしても、負圧状態に保たれたケーシング内から外部の大気中へと漏出するおそれはなく、ケーシング内部を浮遊している間に噴霧される水によって捕捉されるか、或いは集塵機によって捕捉される。
【0026】
前記破砕ローラにて破砕し終えたスレート破砕片は、ケーシング内に貯留している水よりも比重が重いためにケーシング底部の水中へと沈降していき、ケーシング底部に配設したスクリューコンベヤによって帯同する水分を適度に切りながら送り出され、フレコンバック等に封入した後、最終処分場やリサイクル工場まで運搬される。
【0027】
このように、防塵用の水中内でスレート等のアスベスト含有建材を破砕して減容処理するため、アスベストの大気中への飛散を確実に防止することができる。また、破砕時にケーシング内部を常に負圧に保ったり、また防塵用の液体を噴霧するなどすれば、より一層確実にアスベストの大気中への飛散を防止することができる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0029】
図中の1はアスベスト含有建材を適当なサイズに破砕して減容処理するアスベスト含有建材の破砕減容処理装置であって、略密閉構造のケーシング2を備え、該ケーシング2の内部にはアスベスト含有建材の一つである、例えばスレートSを破砕処理する破砕手段3を備えると共に、ケーシング2内の破砕手段3にスレートSを供給する供給手段4と、破砕手段3にて破砕処理を終えたスレート破砕片S´をケーシング2外部へ送り出す送出手段5とを備えている。
【0030】
破砕手段3は、ケーシング2内壁に両端を回転自在に軸支させたローラ体6、6´の周囲に多数の破砕歯7、7´を周設した一対の破砕ローラ8、8´を所定間隔を設けて配設していると共に、破砕ローラ8、8´を図中の矢印方向へ所定の回転速度にて回転させる駆動装置(図示せず)を備える。
【0031】
前記破砕ローラ8、8´の間隔は、破砕処理するスレートSの厚みよりも若干狭く設定しておけば破砕処理が好適に行え、例えば一方の破砕ローラ8´を他方の破砕ローラ8に対して進退自在に調整可能にしておけば、厚みや形状等の異なる多種多様なスレートSにも柔軟に対応することが可能となって好ましい。また、本実施例においては、破砕ローラ8、8´を一対配設しているが、それ以上配設してもよい。
【0032】
また、破砕ローラ8、8´周囲の破砕歯7、7´は、その数、及び形状等において様々なものを採用することができ、例えば本実施例においては、下位の破砕ローラ8には略鋸歯形状のものを、上位の破砕ローラ8´には略円筒形状のものを採用している。そして、これら破砕ローラ8、8´間にスレートSを供給したときには、下位の破砕ローラ8の破砕歯7がスレートSの下面側よりスレートS内部へ噛み込んでいくのと同時に、上位の破砕ローラ8´の破砕歯7´がスレートSの上面側を押さえ付けるようにして押し潰していき、スレートSを確実に破砕可能としている。
【0033】
前記ケーシング2の内部には防塵用の液体として、例えば水Wを貯留させており、図1に示すように、少なくとも破砕ローラ8、8´全体が完全に浸かる程度の水量を貯留させている。したがって、スレートSの破砕処理は完全に水Wの中において行われることになり、スレートS破砕時にアスベストが大気中に飛散することはなく、確実に水Wの中へと沈降していって回収される。
【0034】
なお、前記防塵用の液体として、本実施例においては取り扱いの良さやコスト面等から水を採用したが、特にこれに限定するものではなく、アスベストが大気中に飛散するのを確実に防止するものであればよいが、例えば、近年開発されつつあるアスベストを無害化する特殊な処理溶液等を採用すれば、スレートSの破砕と同時にアスベストを無害化処理することができ、破砕したスレート破砕片S´の埋め立て処分や、リサイクル材としての再利用にも好都合である。また、埋め立て処分ということに限定すれば、水等に代えてモルタルも採用することができ、その場合には防塵と共に固化処理もできる。
【0035】
また、前記供給手段4は、スレートSが破砕ローラ8、8´間に向かうように案内するガイド材9と、スレートSをこのガイド材9の上面に対して一定の圧力で押し付けながら、破砕ローラ8、8´間へ送り込んでいくガイドローラ10を備える。また、ケーシング2のガイド材9の取り付け箇所には、供給するスレートSの厚みや形状に近似したスリット11を穿設すると共に、該スリット11を手動または自動にて開閉させる開閉ゲート12を備え、スレートS供給時以外は常に閉鎖させる。
【0036】
また、前記送出手段5は、本実施例においてはスクリューコンベヤ13を採用しており、基端部側の投入口14をケーシング2底部に接続していると共に、先端部側の排出口15を少なくともケーシング2内部に貯留した水Wの水位よりも高位置となるように傾斜配置し、図1に示すように、スクリューコンベヤ13内部にもケーシング2内部と同じ高さまで水Wが貯留された状態となっている。そして、破砕ローラ8、8´にて破砕処理したスレート破砕片S´をスクリュー羽根16にて送り出していく際に、スレート破砕片S´に付着する水分をスクリュー羽根16の周縁部より切っていき、後処理において都合のよい状態にしてからフレコンバックFに投入させるようにしている。なお、スクリューコンベヤ13では送り出し作用と併せて、二次破砕装置としての役割も期待できる。
【0037】
また、ケーシング2の上位にはケーシング2内を負圧状態に保つ負圧手段である集塵機17を配設しており、該集塵機17としてはアスベスト等の微細な粒子をも確実に捕捉可能な高性能のものを採用している。そして、集塵機17は、スレートSを破砕処理するときは常に駆動させ、ケーシング2内部を常に負圧状態に保ち、スレートS破砕処理時に万が一にもアスベストがケーシング2外部へと放出されてしまうことのないようにしている。
【0038】
前記ケーシング2内部には、防塵用の液体である水Wを噴霧する噴霧器18を備えており、常時或いは適宜に噴霧させ、前記集塵機17と併せて、より確実にアスベストが飛散するのを防止するようにしている。なお、ケーシング2内部に貯留させる防塵用の液体として、例えば、アスベストを無害化させる特殊な処理溶液等を採用していれば、噴霧器18より噴霧させる液体も同じ処理溶液を噴霧させるようにすると良い。また、スクリューコンベヤ13にてスレート破砕片S´と共に持ち去られる防塵用の液体の液量を見計らって、或いは液量センサ等で計測しながら、常にケーシング2内部の防塵用の液体の液位が略一定に保たれるように、噴霧器18より防塵用の液体を噴霧させるようにすると良い。更には、スクリューコンベヤ13内部にも同様に噴霧器を取り付け、防塵用の液体を常時或いは適宜噴霧させるようにしても良い。
【0039】
そして、上記構成の装置を使用してスレート等のアスベスト含有建材を破砕して減容処理するときには、予めケーシング2内部に防塵用の水Wを破砕ローラ8、8´が完全に浸かる程度まで貯留させておく。そして集塵機17を駆動させてケーシング2内部を負圧状態に保ちつつ、噴霧器18より水Wを噴霧させると共に、破砕ローラ8、8´、ガイドローラ10、及びスクリュコンベヤ13を回転駆動させる。そして、作業者は回収したスレートSを一枚ずつ手に持ってガイド材9に載せた後、スレート供給口であるスリット11の開閉ゲート12を手動、或いは自動にて開放させると、スレートSはガイドローラ10の回転に伴って破砕ローラ8、8´間に徐々に送り込まれていき、各破砕ローラ8、8´の破砕歯7、7´によって噛み砕かれていく。
【0040】
このとき、破砕ローラ8、8´は防塵用の水Wに浸かった状態にあるため、スレートSは水Wに浸漬した状態にて破砕処理を受けることになり、スレートSの破砕時にスレートS中のアスベストが大気中へと飛散してしまうことはない。また、万が一、アスベストがケーシング2内の空気中に舞い上がってしまうようなことが生じたとしても、ケーシング2内は集塵機17によって負圧状態に保たれているので集塵機17にて捕捉されるか、噴霧器18から噴霧される水Wによって捕捉されるかして外部に漏出することはない。そして、スレートSの破砕処理が先端側より徐々に進んでスレートSをケーシング2内に投入し終われば、開閉ゲート12を手動、或いは自動にて閉動作させてスリット11を閉鎖する。
【0041】
一方、破砕ローラ8、8´にて破砕し終えたスレート破砕片S´は、ケーシング2底部の水Wの中へと沈降してスクリューコンベヤ13の投入口14に到達し、スクリュー羽根16の回転に伴って先端側の排出口15へと順次送り出される。このスクリューコンベヤ13の先端側は水面よりも高位置となるように傾斜配置されているため、スレート破砕片S´に帯同する水分を適度に切ることができる。
【0042】
こうして、スクリューコンベヤ13より送り出される湿潤状態のスレート破砕片S´は、用意しておいたフレコンバックF等に封入された後、アスベストを飛散させることなく、最終処分場またはリサイクル工場まで運搬される。
【0043】
このように、防塵用の液体内でアスベスト含有建材を破砕して減容処理するようにしたので、アスベストを大気中に飛散させることなく、極めて良好に破砕減容処理を行うことができる。
【0044】
なお、破砕処理したスレート破砕片の後処理として、例えば、焼成炉にて約1000〜1500℃もの高温で焼成してアスベストを無害化処理した後、埋め立て処分したり、またリサイクル材として再利用したりするような処理方法があるが、回収したスレート破砕片は水分を適度に切ってあり、焼成温度が約1000〜1500℃もの高温であることから何ら支障なく処理可能である。
【0045】
また、本破砕減容処理装置は、車両に搭載可能な装置サイズとすれば、装置自体を車両の荷台等に積載して建築物の解体現場まで運搬し、装置を荷台に積載したままでアスベスト含有建材を破砕減容処理することも可能であり、また現場に装置を降ろして破砕減容処理することも可能である。また、特定の処理場等に固定的に設置して破砕減容処理することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るアスベスト含有建材の破砕減容処理装置の一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1…アスベスト含有建材の破砕減容処理装置
2…ケーシング 3…破砕手段
4…供給手段 5…送出手段
6、6´…ローラ体(破砕手段) 7、7´…破砕歯(破砕手段)
8、8´…破砕ローラ(破砕手段) 9…ガイド材(供給手段)
10…ガイドローラ(供給手段) 11…スリット
12…開閉ゲート 13…スクリューコンベヤ(送出手段)
16…集塵機(負圧手段) 17…噴霧器
F…フレコンバック S…スレート(アスベスト含有建材)
S´…スレート破砕片 W…水(防塵用液体)
【出願人】 【識別番号】000226482
【氏名又は名称】日工株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−677(P2008−677A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172271(P2006−172271)