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【発明の名称】 脱ぷ装置
【発明者】 【氏名】光畑 友啓

【氏名】横田 浩司

【氏名】浜口 正

【要約】 【課題】穀物をローラ間の圧接領域に供給する籾供給板をローラの移動に伴って追従させる追従機構をより簡単な構成で安定的に行うことができる脱ぷ装置を提供する。

【解決手段】固定ローラ22及び可動ローラ24の径が継続使用により小さくなると、付勢機構25の付勢力により、可動軸23を移動させて回動ローラ24が固定ローラ22に近接する方向へ移動し、圧接領域A1が保持される。この際、可動ローラ24とともに規制部材28が移動することにより、リンクロッド29の規制位置が変化する一方、リンクロッド29に枢支軸26を介して当該枢支軸26回り相対回転不能に支持された籾供給板27も枢支軸26回りに回動されて、籾供給板27の先端が前記圧接領域A1を追従する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定軸回りに回転可能に支持された固定ローラと、
固定軸と略平行な可動軸回りに回転可能に支持され、前記可動軸を移動させて当該可動軸及び固定軸間の距離を調整可能な可動ローラと、
前記可動ローラを固定ローラ近接方向に付勢する付勢機構と、
基端部が前記固定ローラ及び前記可動ローラの上方且つ両ローラと略平行に設けられた枢支軸に相対回転不能に支持された籾供給板と、
前記可動ローラの移動に応じて移動する規制部材と、
先端部が前記規制部材に作動連結され、且つ、基端部が前記枢支軸に相対回転不能に支持されたリンクロッドとを具備し、
前記規制部材は、前記可動ローラの移動に応じて前記籾供給板の先端部が前記固定ローラと前記可動ローラとの圧接領域に向けて位置されるように前記リンクロッドを規制することを特徴とする脱ぷ装置。
【請求項2】
前記枢支軸は、前記固定軸の略直上に配置され、前記リンクロッドは、先端部が基端部に対して前記枢支軸回り前記固定軸側に近接するように折曲されていることを特徴とする請求項1に記載の脱ぷ装置。
【請求項3】
前記可動軸を支持し、当該可動軸と略平行な回動軸回りに相対回転不能に支持されたボス部材をさらに具備し、
前記規制部材は、前記ボス部材に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱ぷ装置。
【請求項4】
前記規制部材は、前記リンクロッドの先端部が係入される係入口を有する下面部と、前記係入口を挟んで対向する一対の平面を有し、上端側で前記リンクロッドを規制する側面部とを有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の脱ぷ装置。
【請求項5】
固定軸回りに回転可能に支持された固定ローラと、
固定軸と略平行な可動軸回りに回転可能に支持され、前記可動軸を固定軸に対して接離可能な可動ローラと、
前記可動ローラが前記固定ローラに圧接されるように前記可動軸を前記固定軸に近接する方向に付勢する付勢機構と、
基端部が前記固定軸及び前記可動軸より上方且つ該両軸と略平行に設けられた枢支軸に相対回転不能に支持された籾供給板と、
基端部が前記枢支軸に相対回転不能に支持されたリンクロッドと、
前記リンクロッドの前記枢支軸回りの動きを規制する規制部材とを備え、
前記規制部材は、前記籾供給板及び前記リンクロッドの自重によって前記枢支軸に対して軸線回り一方側への付勢力が付加されるような姿勢において、前記籾供給板の先端部が前記可動ローラ及び前記固定ローラの圧接領域を向くように、前記付勢力に抗して前記リンクロッドの先端部を係止しており、
さらに、前記規制部材は、前記可動ローラ及び前記固定ローラの摩耗に伴う前記可動軸の移動に応じて移動し、これにより、前記籾供給板の先端部が前記可動ローラ及び前記固定ローラの摩耗に起因する前記圧接領域の位置変化に追従するように、前記リンクロッドの前記枢支軸回りの係止位置が変更されることを特徴とする脱ぷ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀した穀物を籾摺りするための脱ぷ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、互いに圧接された一対のローラの上方に穀物タンク及びホッパを設け、穀物タンクに収容された穀物をホッパによって一対のローラ間に供給し、ローラの回転によってローラ間に挟まれた穀物の籾摺りを行う脱ぷ装置が公知である。
このような脱ぷ装置においては、籾摺り処理を重ねることによりローラ表面(例えばゴム面)が磨耗し、圧接力が弱まっていく(ローラの径が小さくなって圧接領域が小さくなる)ため、いずれか一方のローラの回転軸を可動させて、ローラ軸間距離を調整する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、ホッパから一対のローラ間に穀物を供給する際には、なるべく均一且つ規則的に供給されることが良好な籾摺り結果を得るために重要である。このため、例えば、前記特許文献1に記載の構成においては、ホッパの下方に設けられた籾供給板の先端部が前記圧接領域を向くように手動で位置調整可能に構成されている。
さらに、この籾供給板の調整を自動で行うための構成も公知である(例えば、特許文献2参照)。例えば、前記特許文献2に記載の構成においては、いずれかのローラの径を電気的に検出するセンサを備え、センサで検出されるゴムロールの径に応じて籾供給板の位置(傾斜角)が制御される。
【0003】
しかしながら、籾供給板の自動調整をセンサを用いて制御する構成においては、センサ及びセンサで検出、生成された電気信号に基づいて籾供給板を追従させるための制御装置が必要となり、部品点数の増大を招き、装置が複雑になる。
また、前記センサを用いる構成において、使用による劣化等によりローラが波打ち状態となった場合、当該センサが波打ち状態を検出してしまい、結果として籾供給板が振動し、安定的な追従制御を行うことができない場合がある。
【特許文献1】特開昭56−28601号公報
【特許文献2】特開平9−313959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、穀物をローラ間の圧接領域に供給する籾供給板をローラの移動に伴って追従させる追従機構をより簡単な構成で安定的に行うことができる脱ぷ装置の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る脱ぷ装置は、固定軸回りに回転可能に支持された固定ローラと、固定軸と略平行な可動軸回りに回転可能に支持され、前記可動軸を移動させて当該可動軸及び固定軸間の距離を調整可能な可動ローラと、前記可動ローラを固定ローラ近接方向に付勢する付勢機構と、基端部が前記固定ローラ及び前記可動ローラの上方且つ両ローラと略平行に設けられた枢支軸に相対回転不能に支持された籾供給板と、前記可動ローラの移動に応じて移動する規制部材と、先端部が前記規制部材に作動連結され、且つ、基端部が前記枢支軸に相対回転不能に支持されたリンクロッドとを具備し、前記規制部材は、前記可動ローラの移動に応じて前記籾供給板の先端部が前記固定ローラと前記可動ローラとの圧接領域に向けて位置されるように前記リンクロッドを規制することを特徴とするものである。
【0006】
上記構成の脱ぷ装置によれば、固定軸回りに回転される固定ローラと可動軸回りに回転される可動ローラとが、可動ローラが付勢機構により固定ローラに近接する方向に付勢されることにより、圧接される。この圧接領域に先端部が向けられた状態で、枢支軸回り回動可能な籾供給板が設けられており、リンクロッドを介して可動ローラの移動に応じて移動する規制部材に作動連結される。
ここで、固定ローラ及び可動ローラの径が継続使用により小さくなると、付勢機構の付勢力により、可動軸を移動させることにより回動ローラが固定ローラに近接する方向へ移動し、圧接領域が保持される。この際、可動ローラとともに規制部材が移動することにより、リンクロッドの規制位置が変化する一方、リンクロッドに枢支軸を介して当該枢支軸回り相対回転不能に支持された籾供給板も枢支軸回りに回動されて、籾供給板の先端が前記圧接領域を追従する。
【0007】
このように、可動ローラが固定ローラ近接方向に付勢されることにより、常に最適且つ一定の圧接領域としつつ、可動ローラの移動に応じて移動する規制部材と籾供給板とがリンクロッドを介して作動連結されることにより、可動ローラの移動に応じて籾供給板の先端部が圧接領域に向くように籾供給板が回動して自動調整が可能となる。従って、別途ローラ径を検出するセンサやそれに基づいて作動させる制御装置を設けることなく、可動ローラの移動に伴う籾供給板の自動調整をより簡単な構成で安定的に行うことができる。
【0008】
好ましくは、前記枢支軸は、前記固定軸の略直上に配置され、前記リンクロッドは、先端部が基端部に対して前記枢支軸回り前記固定軸側に近接するように折曲されている。
【0009】
この場合、リンクロッドの基端部が固定軸の略直上にある枢支軸に設けられており、可動ローラが固定ローラに近接する方向へ移動することにより、リンクロッドが籾供給板とともに枢支軸回り固定軸に近接する側に回動される。この際、リンクロッドの折曲により、先端部が基端部に対して枢支軸回り固定軸側に近接しているため、規制部材により規制されるリンクロッドの先端部が、可動ローラの移動方向に対して急峻な角度(略垂直に近い角度)を保持することとなる。
これにより、リンクロッドの回動における可動ローラの移動方向と同じ方向成分が可及的に大きくなり、可動ローラの動きに応じてよりリニアに籾供給板を回動させることができる。従って、両ローラ間の圧接領域に籾供給板の先端部をより高精度に追従させることができる。
【0010】
好ましくは、前記可動軸を支持し、当該可動軸と略平行な回動軸回りに相対回転不能に支持されたボス部材をさらに具備し、前記規制部材は、前記ボス部材に設けられる。
【0011】
この場合、可動軸が支持されるボス部材が回動軸回り相対回転不能に支持され、規制部材が当該ボス部材に設けられる。
このように、可動ローラとともに移動するボス部材に規制部材を設けることにより、規制部材を可動ローラの移動に連動させる構成を容易に実現できるため、部品点数を増加させることなく、確実に規制部材を可動ローラに連動させることができる。
【0012】
好ましくは、前記規制部材は、前記リンクロッドの先端部が係入される係入口を有する下面部と、前記係入口を挟んで対向する一対の平面を有し、上端側で前記リンクロッドを規制する側面部とを有する。
【0013】
この場合、リンクロッドの先端部が規制部材の下面部に設けられた係入口に係入されることにより、リンクロッドと規制部材とが連結される(リンクロッドの規制部材からの脱落が防止される)。また、規制部材の側面部の上端側でリンクロッドが規制される。
従って、規制部材において、リンクロッドとの連結と規制とを別の箇所で行うことによ
り、連結及び規制をいずれも確実且つ安定的に行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る脱ぷ装置の他の態様は、固定軸回りに回転可能に支持された固定ローラと、前記固定軸と略平行な可動軸回りに回転可能に支持され、前記可動軸を固定軸に対して接離可能な可動ローラと、前記可動ローラが前記固定ローラに圧接されるように前記可動軸を前記固定軸に近接する方向に付勢する付勢機構と、基端部が前記固定軸及び前記可動軸より上方且つ該両軸と略平行に設けられた枢支軸に相対回転不能に支持された籾供給板と、基端部が前記枢支軸に相対回転不能に支持されたリンクロッドと、前記リンクロッドの前記枢支軸回りの動きを規制する規制部材とを備え、前記規制部材は、前記籾供給板及び前記リンクロッドの自重によって前記枢支軸に対して軸線回り一方側への付勢力が付加されるような姿勢において、前記籾供給板の先端部が前記可動ローラ及び前記固定ローラの圧接領域を向くように、前記付勢力に抗して前記リンクロッドの先端部を係止しており、さらに、前記規制部材は、前記可動ローラ及び前記固定ローラの摩耗に伴う前記可動軸の移動に応じて移動し、これにより、前記籾供給板の先端部が前記可動ローラ及び前記固定ローラの摩耗に起因する前記圧接領域の位置変化に追従するように、前記リンクロッドの前記枢支軸回りの係止位置が変更されることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成の脱ぷ装置によれば、固定軸回りに回転される固定ローラと可動軸回りに回転される可動ローラとが、可動軸が付勢機構により固定軸に近接する方向に付勢されることにより、圧接される。籾供給板及びリンクロッドは、それぞれの基端部が枢支軸に相対回転不能に支持されており、リンクロッドの先端部が規制部材により規制される。籾供給板及びリンクロッドは、その自重により枢支軸に対して軸線回り一方側へ揺動しようとし、この動きが、規制部材により規制される。
ここで、固定ローラ及び可動ローラの径が継続使用により磨耗し、小さくなると、付勢機構の付勢力により、可動軸を移動させることにより回動ローラが固定ローラに近接する方向へ移動し、圧接領域が保持される。この際、可動ローラとともに規制部材が移動することにより、リンクロッドの規制位置が変化し、籾供給板の先端部が可動ローラの位置変化に追従して自動的に可動ローラ及び固定ローラの圧接領域に向かうようになっている。
【0016】
このように、可動ローラが固定ローラ近接方向に付勢されることにより、常に最適且つ一定の圧接領域としつつ、可動ローラの移動に応じて移動する規制部材と籾供給板とがリンクロッドを介して作動連結されることにより、可動ローラの移動に応じてリンクロッド及び籾供給板の自重を利用して籾供給板の先端部が圧接領域に向くように籾供給板が回動して自動調整が可能となる。従って、別途ローラ径を検出するセンサやそれに基づいて作動させる制御装置を設けることなく、可動ローラの移動に伴う籾供給板の自動調整をより簡単な構成で安定的に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る脱ぷ装置によれば、可動ローラが固定ローラ近接方向に付勢されることにより、常に最適且つ一定の圧接領域としつつ、可動ローラの移動に応じて移動する規制部材と籾供給板とがリンクロッドを介して作動連結されることにより、可動ローラの移動に応じて籾供給板の先端部が圧接領域に向くように籾供給板が回動して自動調整が可能となる。従って、別途ローラ径を検出するセンサやそれに基づいて作動させる制御装置を設けることなく、可動ローラの移動に伴う籾供給板の自動調整をより簡単な構成で安定的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る脱ぷ装置の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態における脱ぷ装置の正面図であり、図3及び図4は、図1及び図2の脱ぷ装置の背面図である。なお、図1及び図3は、可動ローラ移動前(ローラ磨耗前)を示し、図2及び図4は、可動ローラ移動後(ローラ磨耗後)を示している。また、図5は、図3の脱ぷ装置のV−V断面図である。
【0019】
本実施形態の脱ぷ装置1は、図1〜図4に示すように、上方及び下方が開口された機枠2と、前記上方開口2aに設けられた上部機枠3と、前記上部機枠3の上方に設けられ、穀物を貯留する供給タンク4とを有している。
上部機枠3には、図1及び図2に示すように、前記上部機枠3の内部且つ前記供給タンク4の下方に設けられ、前記機枠2内の籾摺り部20に穀物を導入するための供給口31と、前記供給口31に設けられた開閉弁32と、前記上部機枠3の外部に設けられ、前記開閉弁32を開閉駆動させる開閉駆動部33と、前記上部機枠3の内部に支持され、前記供給口31から導入された穀物を整列させる案内板34と、前記上部機枠3の内部且つ前記案内板34の下方に前記案内板34の傾斜に沿った方向に回転可能に支持され、前記籾摺り部20に穀物を順次定量的に導入する羽根車状の繰り込みローラ35と、前記案内板34に前記繰り込みローラ35を挟んで漏斗状に対向配置された状態で上端が回動支点37回り回動可能に支持され、当該回動支点37回りに回動させることにより繰り込みローラ35との間隙を調整可能な調整板36と、先端部が前記調整板36の背面に当接し、把持部が上部機枠3の外部に延出された調整ねじ38であって、把持部を用いて上部機枠3内部への螺入量を変化させることにより前記調整板36の回動角を調整可能な調整ねじ38とが設けられ、供給部30として機能する。
【0020】
なお、本実施形態においては、開閉駆動部33としてモータを用い、開閉駆動部33から延出されたシャフトをモータ軸回りに回転させて、開閉弁31を回動させることにより、供給口31が開閉される。
【0021】
また、機枠2には、図1〜図4に示すように、固定軸21が機枠2に軸支されることにより、固定軸21回りに回転可能に支持された固定ローラ22と、固定軸21と略平行な可動軸23が機枠2に軸支されることにより、可動軸23回りに回転可能に支持され、前記可動軸23を移動させて当該可動軸23及び固定軸21間の距離を調整可能な可動ローラ24と、前記可動ローラ24を固定ローラ22近接方向に付勢する付勢機構25(図3及び図4)と、基端部が前記固定ローラ22及び前記可動ローラ24の上方且つ両ローラ22,24と略平行に設けられた枢支軸26に相対回転不能に支持された籾供給板27と、前記可動ローラ24の移動に応じて移動する規制部材28(図3及び図4)と、先端部が前記規制部材28に作動連結され、且つ、基端部が前記枢支軸26に相対回転不能に支持されたリンクロッド29(図3及び図4)とを具備し、前記規制部材28は、前記可動ローラ24の移動に応じて前記籾供給板27の先端部が前記固定ローラ22と前記可動ローラ24との圧接領域A1に向けて位置されるように前記リンクロッド29を規制するように構成されている。
【0022】
固定ローラ22及び可動ローラ24は、機枠2外に設けられた駆動源(図示せず)の駆動力が駆動源との間で掛け回された駆動ベルト(図示せず)を介して伝達されることにより、互いに逆方向に異なる周速度で回転される。例えば、図5に示すように、ベルトプーリ231が可動軸23に相対回転不能に固定されており、同様に、固定軸21に相対回転不能に固定され且つ径の異なるベルトプーリ(図示せず)との間で駆動ベルトを掛け回すことによりそれぞれのローラ22,24が回転駆動される。なお、前記繰り込みローラ35も駆動ベルトを介して同じ駆動源からの駆動力により穀物を籾摺り部20に導入させる方向に回転される。
本実施形態において、図5に示すように、機枠2には、前記可動軸23をベアリング232を介して支持するベアリング保持部521を有し、当該可動軸23と略平行な回動軸51回りに相対回転不能に支持されたボス部材52がさらに設けられている。つまり、ボス部材52が回動軸51回りに回動することにより可動ローラ24も回動軸51回りに回動する。なお、本実施形態においては、図1〜図4に示すように、機枠2の前面及び背面にボス部52の回動軸51回りの回動を許容する可動許容開口2cが設けられている。
【0023】
ここで、付勢機構25は、一端が機枠2に連結される一方、他端がボス部材52に連結された状態で、可動ローラ24を固定ローラ22に近接する方向に付勢しており、これにより、両ローラ22,24が圧接される。ここでは、付勢機構25の一端は、機枠2の固定ローラ22側の側面に固定されている。
本実施形態においては、付勢機構25としてエアシリンダを用いているが、これに限られず、例えば、電気圧力を用いた構成としてもよい。
なお、付勢機構25は、前記ボス部材52の前記可動軸23を基準にして前記回動軸51とは反対側に設けられた固定部522に連結されている。これにより、可動ローラ24を可動軸23を挟んで両側から支持することとなり、剛性を高くすることができる。
【0024】
籾供給板27は、基端部が固定ローラ22及び可動ローラ24の上方、より詳しくは、固定軸21の略直上且つ上方開口2aの固定軸21側端部に沿って可動軸23と略平行な軸線を有する枢支軸26に相対回転不能に支持されており、籾供給板27の可動ローラ24側表面上を穀物が滑落するように構成されている。
また、リンクロッド29も基端部が前記枢支軸26に相対回転不能に支持されている。従って、リンクロッド29の枢支軸26回りの回動に応じて籾供給板27も枢支軸26回りに回動する。本実施形態において、枢支軸26の一端は、図5に示すように、機枠2より外方に延出され、リンクロッド29は、機枠2の外方において枢支軸26に相対回転不能に支持されている。
【0025】
リンクロッド29の先端部は、可動ローラ24の移動に応じて移動する規制部材28に係止される。つまり、可動ローラ24の回動軸51回りの回動に応じて規制部材28も回動軸51回りに回動される。
より詳しくは、前記規制部材28は、前記籾供給板27及び前記リンクロッド29が前記枢支軸26の軸線を通る仮想垂直面B2を基準にして前記圧接領域A1に近接する側へ傾斜された姿勢をとるように、前記リンクロッド29を係止している。
つまり、前記規制部材28は、基端部が前記枢支軸26に相対回転不能に支持された前記籾供給板27及び前記リンクロッド29が自重によって前記仮想垂直面B2に近接する方向(枢支軸26の軸線回り一方側方向。以下、自重揺動方向C1(図3)という)へ揺動しようとする動きを、前記リンクロッド29と係合することで規制し、これにより、前記籾供給板27の先端部が可動ローラ24の位置変化に追従して自動的に前記圧接領域A1へ向かうようになっている。
【0026】
本実施形態においては、図3〜図5に示すように、前記規制部材28は、前記ボス部材52の機枠2外方に設けられたプレート部523に設けられている。
このように、可動ローラ24とともに移動するボス部材26に規制部材28を設けることにより、規制部材28を可動ローラ24の移動に連動させる構成を容易に実現できるため、部品点数を増加させることなく、確実に規制部材28を可動ローラ24に連動させることができる。
【0027】
より具体的に説明する。図6に、図3のVI部の拡大断面図を示す。前記規制部材28は、前記リンクロッド29の前記自重揺動方向C1への動きを止める停止部を有している。本実施形態における規制部材28は、図6に示すように、前記リンクロッド29の先端部が係入される係入口281を有する下面部282と、前記係入口281を挟んで対向する一対の平面を有し、上端側で前記リンクロッド29を規制する側面部283とを有する。
より具体的には、前記規制部材28は、上方が開放された筒状部材で構成され、当該筒状部材は、下面部282を形成する底板と、底板の周縁部から上方へ延びる周壁とを有しており、前記底板に前記係入口281が形成され、周壁の固定ローラ22側面が停止部である側面部283を形成している。
【0028】
この場合、リンクロッド29の先端部が規制部材28の下面部282に設けられた係入口281に係入されることにより、リンクロッド29と規制部材28とが連結される(リンクロッド29の規制部材28からの脱落が防止される)。また、規制部材28の側面部283の上端側が前記停止部として機能し、リンクロッドが規制される。詳しくは、後述する。
このように、規制部材28において、係入口281を設けることにより、前記規制部材28及び前記リンクロッド29の係合状態が意に反して解除されることを有効に防止できる。また、リンクロッド29との連結と規制とを別の箇所で行うことにより、連結及び規制をいずれも確実且つ安定的に行うことができる。
なお、前記規制部材28の係入口281の前記枢支軸26側の内周面を前記停止部として作用させることもできる。この場合、前記底板の周縁部から上方へ延びる周壁を設けないこととしてもよい。
【0029】
また、リンクロッド29が規制部材28に規制され且つ回動ローラ24が付勢機構25により固定ローラ22に圧接した状態で、籾供給板27の先端部が両ローラ22,24の圧接領域A1に向かうように籾供給板27が位置されている。
【0030】
ここで、上記構成の脱ぷ装置1における籾摺り作業の流れを説明する。
まず、駆動部を作動させて固定ローラ22、可動ローラ24及び繰り込みローラ35を回転させた状態で、開閉駆動部33により開閉弁32を開放することにより、供給タンク4に貯留されている穀物が供給口31から下方へ落下する。落下した穀物は、その下方にある案内板34と調整板36とにより形成された流路を滑落し、繰り込みローラ35に供給される。
繰り込みローラ35に供給された穀物は、繰り込みローラ35の回転により、繰り込みローラ35及び調整板36の間隙の大きさに応じて、順次定量の穀物を上方開口2aを通じて機枠2内の籾摺り部20へ供給する。籾摺り部20への供給量を変更する場合には、調整ねじ38を用いて枢支軸26回りに調整板36を回動させることにより調整板36の傾斜角を変更して、繰り込みローラ35及び調整板36の間隙の大きさを変更する。
【0031】
供給部30から供給された穀物は、下方開口2a下方の籾供給板27の表面(可動ローラ24側表面)を滑落して、籾供給板27の先端部が向けられた固定ローラ22及び可動ローラ24の圧接領域A1に供給される。圧接領域A1において、穀物は、籾摺り処理され、下部開口2bから排出される。下部開口2bには、風選別装置等(図示せず)が配置され、籾摺りされた穀粒と籾殻とが選別される。
【0032】
上記構成の脱ぷ装置1において、図1の状態から固定ローラ22及び可動ローラ24の径が継続使用により磨耗して小さくなると、付勢機構25の付勢力により、可動ローラ24が回動軸51回りに回動して固定ローラ22に近接する方向へ移動し(図2)、圧接状態(圧接領域A1)が保持される。
この際、可動ローラ24が支持されるボス部材52に設けられた規制部材28も可動ローラ24とともに回動軸51回りに回動する。このため、規制部材28の固定ローラ22に近い側の側面部283の上端をリンクロッド29が係入口281との係入状態を保持しつつ摺動するとともに、枢支軸26回り固定軸21に近接する側に回動され、リンクロッド29の規制位置が図3の状態から図4の状態へと変化する。これに伴い、リンクロッド29に枢支軸26を介して当該枢支軸26回り相対回転不能に支持された籾供給板27が、図3の状態から枢支軸26回り固定軸21に近接する側に回動される(図4)。
つまり、規制部材28は、可動軸23の固定軸21に対する相対位置変化に応じて、前記リンクロッド29の前記枢支軸26回りの位置を変化させ、これにより、可動軸23の固定軸21に対する相対位置変化に拘わらず、籾供給板27の先端部を可動ローラ22及び固定ローラ24の圧接領域へ向かわせている。
なお、図4の状態においては、リンクロッド29は、規制部材28の側面部283の上端から離れ、係入口281の端部と接触することにより、規制されている。
【0033】
このように、可動ローラ24が固定ローラ22に近接する方向に付勢されることにより、常に最適且つ一定の圧接領域A1としつつ、可動ローラ24の移動に応じて移動する規制部材28と籾供給板27とがリンクロッド29を介して作動連結されることにより、可動ローラ24の移動に応じて籾供給板27の先端部が圧接領域A1に向くように籾供給板27が回動して自動調整が可能となる。従って、別途ローラ径を検出するセンサやそれに基づいて作動させる制御装置を設けることなく、可動ローラ24の移動に伴う籾供給板27の自動調整をより簡単な構成で安定的に行うことができる。
【0034】
本実施形態において、前記リンクロッド29は、図3及び図4に示すように、先端部が基端部に対して前記枢支軸26回り前記固定軸21側に近接するように折曲されている。
【0035】
この場合、リンクロッド29の折曲により、先端部が基端部に対して枢支軸26回り固定軸21側に近接している。つまり、図3において、リンクロッド29の基端側を延長した仮想線B1を基準として、枢支軸26回り一方側(固定軸21側である矢符C1側)に先端部が位置されている。
このため、規制部材28により規制されるリンクロッド29の先端部が、可動ローラ24の移動方向(回動軸51回りの回動方向)に対して急峻な角度(略垂直に近い角度)を保持することとなる。
これにより、リンクロッド29の回動における可動ローラ24の移動方向と同じ方向成分が可及的に大きくなり、可動ローラ24の動きに応じてよりリニアに籾供給板27を回動させることができるため、両ローラ22,24間の圧接領域A1に籾供給板27の先端部をより高精度に追従させることができる。
【0036】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態における脱ぷ装置の可動ローラ移動前における正面図である。
【図2】本発明の一実施形態における脱ぷ装置の可動ローラ移動後における正面図である。
【図3】図1の脱ぷ装置の背面図である。
【図4】図2の脱ぷ装置の背面図である。
【図5】図3の脱ぷ装置のV−V断面図である。
【図6】図3のVI部の拡大断面図を示す。
【符号の説明】
【0038】
1…脱ぷ装置
21…固定軸
22…固定ローラ
23…可動軸
24…可動ローラ
25…付勢機構
26…枢支軸
27…籾供給板
28…規制部材
29…リンクロッド
52…ボス部材
281…係入口
282…下面部
283…側面部
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成19年4月10日(2007.4.10)
【代理人】 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人

【識別番号】100114410
【弁理士】
【氏名又は名称】大中 実

【識別番号】100108992
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 信雄

【識別番号】100145621
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聰


【公開番号】 特開2008−259924(P2008−259924A)
【公開日】 平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願番号】 特願2007−102540(P2007−102540)