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【発明の名称】 インペラ式籾摺選別装置
【発明者】 【氏名】岩井 通和

【氏名】森 英二

【氏名】岡田 柚実

【氏名】丸岡 政司

【氏名】岡田 優

【氏名】武井 澄人

【氏名】大家 生裕

【氏名】別府 敬

【氏名】清家 丈晴

【氏名】喜安 一春

【要約】 【課題】風選精度の良好なインペラ式の籾摺選別装置を提供する。

【解決手段】籾を貯留する籾貯留ホッパ1と、籾を脱ぷするインペラ羽根を内装する脱ぷ部2と、脱ぷ部2で脱ぷされた籾と玄米との混合米を搬送する混合米案内筒18と、混合米案内筒18で搬送された混合米を拡散する拡散室20と、拡散室20で拡散された混合米を風選して籾殻を除去する風選部5と、風選部5で風選された混合米を籾と玄米とに選別する選別部5とを設けるインペラ式籾摺選別装置において、前記拡散室20内には混合米案内筒18で搬送された混合米が衝突する拡散板21と、拡散板21で拡散した混合米が風選部5に向かって流下する流下板22とを設け、前記混合米案内筒18の排出口18dを拡散室20の天井部20aでかつ拡散板21に対向する位置に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
籾を貯留する籾貯留ホッパ(1)と、籾を脱ぷするインペラ羽根(17)を内装する脱ぷ部(2)と、脱ぷ部(2)で脱ぷされた籾と玄米との混合米を搬送する混合米案内筒(18)と、混合米案内筒(18)で搬送された混合米を拡散する拡散室(20)と、拡散室(20)で拡散された混合米を風選して籾殻を除去する風選部(5)と、風選部(5)で風選された混合米を籾と玄米とに選別する選別部(4)とを設けるインペラ式籾摺選別装置において、
前記拡散室(20)内には混合米案内筒(18)で搬送された混合米が衝突する拡散板(21)と、拡散板(21)で拡散した混合米が風選部(5)に向かって流下する流下板(22)とを設け、
前記混合米案内筒(18)の排出口(18d)を拡散室(20)の天井部(20a)でかつ拡散板(21)に対向する位置に設けたことを特徴とするインペラ式籾摺選別装置。
【請求項2】
流下板(22)は流下始端側の第一流下板(22a)と流下終端側の第二流下板(22b)とを設け、第二流下板(22b)の傾斜角度を第一流下板(22a)の傾斜角度より緩やかに形成したことを特徴とする請求項1記載のインペラ式籾摺選別装置。
【請求項3】
拡散板(21)は第一流下板(22a)の上方に配置すると共に、第一流下板(22a)より緩い角度で風選部(5)に向かって下がり傾斜に設けたことを特徴とする請求項2記載のインペラ式籾摺選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】

本発明はインペラ式の脱ぷ装置を備える籾摺選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはインペラ式の籾摺装置と揺動選別装置とを設けた籾摺選別装置について記載されている。
【特許文献1】特開2001−252577
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の籾摺選別機においてはインペラ部で脱ぷされた混合米が拡散室の側方から供給され略垂直状に配置している減速板に衝突して拡散室内に拡散し、拡散された混合米が隣接する風選室に供給され風力選別がなされる。この構成によると、インペラ籾摺装置から混合米と共に排出される風が側方に隣接する風選室方向に向かって排出されるために、風選室内に強い風が入り込み、風選室における風選精度の低下につながる。
【0004】
本発明は風選精度の良好なインペラ式の籾摺選別装置にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、籾を貯留する籾貯留ホッパ(1)と、籾を脱ぷするインペラ羽根(17)を内装する脱ぷ部(2)と、脱ぷ部(2)で脱ぷされた籾と玄米との混合米を搬送する混合米案内筒(18)と、混合米案内筒(18)で搬送された混合米を拡散する拡散室(20)と、拡散室(20)で拡散された混合米を風選して籾殻を除去する風選部(5)と、風選部(5)で風選された混合米を籾と玄米とに選別する選別部(5)とを設けるインペラ式籾摺選別装置において、前記拡散室(20)内には混合米案内筒(18)で搬送された混合米が衝突する拡散板(21)と、拡散板(21)で拡散した混合米が風選部(5)に向かって流下する流下板(22)とを設け、前記混合米案内筒(18)の排出口(18d)を拡散室(20)の天井部(20a)でかつ拡散板(21)に対向する位置に設けたことを特徴とする。
【0006】
籾貯留ホッパ(1)の籾は脱ぷ部(2)に供給されインペラ羽根(17)で脱ぷがなされる。そして、インペラ羽根(17)で脱ぷされなかった籾と脱ぷされた玄米との混合米は混合米案内筒(18)を通過し、拡散室(20)の天井部(20a)に設ける混合米案内筒(18)の排出口(18d)から排出され、対向して設ける拡散板(21)に衝突して拡散室(20)内に拡散し、流下板(22)を流下して風選部(5)に供給される。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、流下板(22)は流下始端側の第一流下板(22a)と流下終端側の第二流下板(22b)とを設け、第二流下板(22b)の傾斜角度を第一流下板(22a)の傾斜角度より緩やかに形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、拡散板(21)を第一流下板(22a)の上方に配置すると共に、第一流下板(22a)より緩い角度で風選部(5)に向かって下がり傾斜に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によると、混合米案内筒(18)の排出口(18d)から混合米と共に排出されるインペラ羽根(17)の回転で発生する風が混合米と同様拡散板(21)に衝突し、拡散室(20)内に拡散されて流下板(22)に沿って流れて風選部(5)に流入する。
【0010】
混合米案内筒(18)の排出口から混合米と共に排出されるインペラ羽根(17)で発生する風は拡散板(21)に衝突して風の勢いを低減させ、拡散室(21)内で拡散されてから風選部(5)に流入するため、風選部(5)における風選別精度への悪影響を少なくすることができる。
【0011】
請求項2記載の発明によると、流下始端側の第一流下板(22a)では混合米の流下を促進させることで拡散室(20)内に混合米が滞留するのを防止すると共に、流下終端側の第二流下板(22b)では混合米の流下速度を抑制させながら風選部(5)に供給することで風選部(5)での風選精度を向上させることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によると拡散板(21)の拡散面を風選部(5)側に向けることで、拡散板(21)に衝突して拡散される混合米量が風選部(5)側に多くなるため、第一流下板(22a)上に混合米が滞留し難くすることができる。また、拡散板(21)の傾斜角度を第一流下板(22)よりも緩やかにすることで、排出口(18d)と拡散板(21)の対向面積を狭くなりすぎず、拡散作用の低減を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明を実施するための最良の形態として、揺動選別装置を備えたインペラ式の籾摺選別装置について説明する。
図1は正面から見た籾摺選別装置を説明する図で、左右一側には籾を貯留する籾貯留ホッパ1と、籾貯留ホッパ1より下方に設ける拡散部3と、拡散部3より下方に位置する脱ぷ部2とを設けている。
【0014】
左右他側には揺動選別部4及び玄米揚穀機43を設け、左右中央には風選部5と混合米揚穀機31を設けている。
籾貯留ホッパ1の下端部には籾排出口11を形成し、籾排出口11には籾供給開閉シャッタ12を設ける。籾貯留ホッパ1の下端部に籾供給筒13の始端部を接続し、斜め下方前側に向かって形成し、籾供給筒13の終端部を脱ぷ部2の供給口14と接続する。
【0015】
籾供給筒13は図4に示すように途中で屈曲部13aを形成することで籾の落下速度を抑制して適正な量の籾を脱ぷ部2に供給する構成としている。
籾供給筒13内部には切換弁15を設け、切換レバー15aの操作により切換弁15の切換えにより籾貯留ホッパ1の穀粒を脱ぷ部2か拡散部3に選択して供給する構成としている。麦を風選別するときには切換弁15を拡散部3側に開放するよう切り換える。
【0016】
脱ぷ部2は正面視円形の脱ぷケース16内にインペラ羽根17を内装し、機体の前後方向を貫通する駆動軸50でインペラ羽根17を横軸芯に回転する構成である。
脱ぷケース16の機体左右方向外側には混合米案内筒18の案内始端部18aを接続し、混合米案内筒18の案内途中部18bは拡散部3の左右側方を後側斜め上方に向かって延びる構成とし、案内途中部18bの終端側から機体左右中央側に向かって屈曲形成して拡散部3の上方に延設し、かつ拡散部3の上方から略垂直方向下方に向かって拡散部3の上部に接続する案内終端部18cを構成している。
【0017】
混合米案内筒18内は案内始端部18aから案内途中部18bにかけて円弧状の混合米案内板18eを内装すると共に、案内始端部18aにはインペラ羽根17から跳ね上げられた混合米を混合米案内板18e側に案内する案内ガイド18fを設けている。
【0018】
また、混合米案内筒18の案内終端部18cはボルト等の脱着具18gで案内途中部18b及び拡散部3から脱着可能に構成することで後述する拡散板21の上方を開口し、拡散板21の磨耗状態を確認したり後述する拡散室20内のメンテナンスを行えるようにしている。
【0019】
箱型形状の拡散部3は内部の拡散室20に拡散板21と、拡散板21の下方にあって風選部5に向かって斜め下方に傾斜して形成する流下板22とを設けている。60は点検蓋で拡散部3の側壁でかつ拡散板21の側方に対向する位置に形成しており、拡散室20側部を開口し、拡散板21の交換作業や流下板22の清掃等のメンテナンスを行えるようにしている。
【0020】
流下板22は流下始端側の第一流下板22aと流下終端側の第二流下板22bとを設け、第一流下板22aの傾斜角度を第二流下板22bの傾斜角度より急に形成している。本実施の形態の第一流下板22aの傾斜角度を26度、第二流下板22bの傾斜角度を24度に形成している。
【0021】
拡散室20の天井部20aには混合米案内筒18の排出口18dを接続し、混合米案内筒18の排出口18dの真下に風選部5側に向かって斜め下方に傾斜する拡散板21を配置している。拡散板20は第一流下板22aの上方に位置すると共に、拡散面21aの傾斜角度を第一流下板22aの傾斜角度よりも緩やかな15度に配置している。
【0022】
第一流下板22aの終端部を第二流下板22bの始端部に接続し、第二流下板22bの終端部に垂下して設ける風選部5の混合米受板36を対向する構成としている。
風選部5は混合米受板36の下方にあって第二流下板22bから落下供給された混合米が流下する風選部流下板25と、斜め下がり傾斜に形成する風選部流下板25の終端部には混合米が入り込む混合米樋26と、混合米樋26内の混合米を搬送する混合米ラセン27と、混合米ラセン27の上方にあって未熟米が入り込む未熟米樋28と未熟米樋28内の未熟米を搬送する未熟米ラセン29と、風選部流下板25の上方にあって縦方向に長く形成する風選室29と、風選室29の上方に備える吸引ファン30とを設けている。
【0023】
風選部5の後方には混合米ラセン27で搬送された混合米を揚穀する混合米揚穀機31を設け、混合米揚穀機31の側方には混合米を一時貯留する混合米タンク32を設け、混合米タンク32の下方には揺動選別部4を設けている。揺動選別部4は混合米を籾と玄米とに選別する多段からなる揺動選別板33と、揺動選別板33の籾・玄米の排出側に籾仕切板34及び玄米仕切板35とを設けている。
【0024】
籾仕切板34及び玄米仕切板35の下方には選別された玄米が通過する玄米通路40と、選別できなかった混合米を再度混合米樋26に循環する循環通路41と、選別された籾が通過する籾通路42とを設ける。
【0025】
43は選別された玄米を機外に排出する玄米揚穀機で、44は未熟米ラセンで搬送された未熟米と籾通路42を通過した籾を籾貯留ホッパ1に隣接する還元室45に供給する還元スロワである。
【0026】
図6は周波数が異なる地域に対応できるインペラ羽根17の回転伝動構成を図示している。本機モータプーリ54と第一プーリ55とカウンタプーリ56とインペラ羽根回転プーリ57とテンションプーリ58を機体背面側に設け、伝動ベルト59を掛け回す構成である。
【0027】
60HZ地域では伝動ベルト62をカウンタプーリ56に掛け、第一プーリ55とインペラ羽根回転プーリ57の小さい径のプーリ57aと本機モータプーリ54の小さな径のプーリ54aとに掛け回している(実線r)。
【0028】
50HZ地域では伝動ベルト58をカウンタプーリ56に掛けず、第一プーリ55とインペラ羽根回転プーリ57の大きい径のプーリ57bと本機モータプーリ54の大きな径のプーリ54bとに掛け回している(一点鎖線s)。
【0029】
次に、籾摺選別作業について説明する。
籾貯留ホッパ1に籾を貯留し、本機モータ51の駆動を開始し、籾供給開閉シャッタ12を開くと籾は籾供給筒13を落下し脱ぷ部2の供給口14に供給される。
【0030】
脱ぷ部2の脱ぷケース16内に供給された籾はインペラ羽根17の回転作用で脱ぷされると共に、脱ぷされた混合米はインペラ羽根17の作用で混合米案内筒18の案内始端部18aに供給され、案内ガイド18fにより混合米案内板18e側に案内される。そして、多くの混合米は混合米案内板18eに沿って案内途中部18bを通過し、案内終端部18cに案内され、排出口18dから拡散室20内に排出される。そして、排出された混合米は拡散板21の拡散面21aに衝突し、拡散室20内全体に拡散される。
【0031】
拡散室20内で拡散された混合米は第一流下板22aや第二流下板22bに落下して流下し、第二流下板22bの搬送終端部から排出された混合米は混合米受板36に衝突して流下速度を抑制した上で風選室29内に供給される。混合米は風選部流下板25を流下しながら吸引ファン30により籾殻及び未熟米を風選室29に吸引され、籾殻は排塵ファン52から機外に排出され、未熟米は未熟米受樋28に供給されて未熟米ラセン29で搬送され、還元スロワ44から還元室44に還元される。
【0032】
籾と玄米は混合米受樋26に供給され混合米ラセン27、混合米揚穀機31で搬送されて混合米タンク32に貯留され、順次揺動選別装置4に供給して揺動選別板33で籾と玄米とが選別される。
【0033】
選別された玄米は玄米仕切板35で仕切られて玄米通路40及び玄米揚穀機43を経て機外に排出される。そして、選別された籾は籾仕切板34で仕切られて籾通路42及び還元スロワ44を経て還元室に還元されて再度脱ぷ部2で脱ぷがなされる。分離選別できなかった籾と玄米の混合米は混合米通路41から混合米受樋26に供給されて再度揺動選別装置4に供給される。
【0034】
次に本実施の形態の効果について説明する。
混合米案内筒18の排出口18dから拡散室20に混合米と共に排出されるインペラ羽根17の回転で発生する風が混合米と同様拡散室20の天井部20aから真下の拡散板21の拡散面21aに衝突し、拡散室20内に拡散されて流下板22aに沿って流れて風選部5に流入する。
【0035】
混合米案内筒18の排出口18dから混合米と共に排出されるインペラ羽根17で発生する風は真上方向から拡散板21の拡散面21aに衝突して風の勢いを低減させ、拡散室21内で風の勢いを分散させてから側方に隣接する風選部5に流入するため、風選室29における風選別精度への悪影響を少なくすることができる。
【0036】
すなわち、インペラ羽根17の風の排出方向を風選部5側に向けないことで勢いのある風が風選部5に入り込むのを防止するものである。
また、流下始端側の第一流下板22aでは傾斜角度を比較的急にして混合米の流下を促進させることで拡散室20内に混合米が滞留するのを防止すると共に、流下終端側の第二流下板22bでは傾斜角度を比較的緩やかにして混合米の流下速度を抑制させながら風選部5の風選部流下板25に供給することで、風選部流下板25における混合米に対する吸引ファン30の吸引作用が良好になり、未熟米や籾殻の吸引精度を向上させることができる。
【0037】
さらに第二流下板22bから排出された混合米は一旦対向する混合米受板36に衝突して落下して風選部流下板25を流下するため、さらに混合米の流下速度及び流下量を抑制できるため、風選室29における籾殻及び未熟米の吸引風選精度を向上させることができる。
【0038】
また、拡散板21の拡散面21aを風選部5側に向けて傾けることで、拡散面21aに衝突して拡散室20内に拡散される混合米量が風選部5側に多くなるため、第一流下板22aの流下始端側に混合米が滞留し難くすることができる。また、拡散面21aの傾斜角度を第一流下板22aよりも緩やかにすることで、拡散面21aの混合米が衝突する面積が狭くなりすぎることがなくなり、拡散室20全体に拡散する作用を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】正面から見た籾摺選別装置の内部を説明する図
【図2】脱ぷ部と拡散部を説明する斜視図
【図3】脱ぷ部と拡散部を説明する正面図
【図4】脱ぷ部と籾供給筒を説明する正面図
【図5】側面から見た脱ぷ部と混合米案内筒の内部を説明する図
【図6】インペラ羽根の伝動構成図
【図7】側面から見た混合米案内筒の内部を説明する図
【符号の説明】
【0040】
1 籾貯留ホッパ
2 脱ぷ部
4 選別部
5 風選部
17 インペラ羽根
18 混合米案内筒
20 拡散室
20a 拡散室の天井部
21 拡散板
22 流下板
22a 第一流下板
22b 第二流下板
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成19年3月23日(2007.3.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−229595(P2008−229595A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−77057(P2007−77057)