トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理

【発明の名称】 精米器
【発明者】 【氏名】杵渕 勇司

【要約】 【課題】砕米の発生を極力抑えることができる精米器を提供すること。

【解決手段】内部に電動機16が設けられた精米器本体2と、側周部及び底部の外周側に網状部24を有すると共に玄米Rを収容する精米容器4と、この精米容器4内に設けられると共に前記電動機16の回転に伴って回転し前記精米容器4内の玄米Rを撹拌する精米体5とを有して構成される精米器1において、前記精米体5を、軸体32と、この軸体32の下部にこの軸体32の軸方向に対して放射方向に設けられた一対の円柱状の棒状体33とで構成することで、前記棒状体33が玄米Rに衝突した際にこの玄米Rに衝撃が集中しないと共に、前記玄米Rが前記棒状体33の上下をスムーズに流れるため、玄米Rが必要以上に激しく動かず、これによって、玄米Rの温度が高くなりすぎないので、砕米の発生を少なくすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電動機が設けられた精米器本体と、側周部及び/又は底部を網状に形成し米を収容する精米容器と、この精米容器内に設けられると共に前記電動機の回転に伴って回転し前記精米容器内の米を撹拌する精米体とを有する精米器において、前記精米体を、軸体と、この軸体の下部に回転方向に対して交差する方向に設けられた複数の棒状体とで構成すると共に、前記棒状体の断面を円形としたことを特徴とする精米器。
【請求項2】
内部に電動機が設けられた精米器本体と、側周部及び/又は底部を網状に形成し米を収容する精米容器と、この精米容器内に設けられると共に前記電動機の回転に伴って回転し前記精米容器内の米を撹拌する精米体とを有する精米器において、前記精米体を、軸体と、この軸体の下部に回転方向に対して交差する方向に設けられた複数の棒状体とで構成すると共に、前記棒状体の断面を楕円形又は長円形とし、この楕円又は長円の長軸を回転方向に対してほぼ平行としたことを特徴とする精米器。
【請求項3】
前記精米容器の内底面から棒状体の下端までの距離を、米粒の長さよりも長くしたことを特徴とする請求項1乃至2記載の精米器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、玄米を精米する精米器に関し、特に比較的少量の玄米を精米するのに適した家庭用の小型精米器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の精米器としては、モータ(電動機)によって回転させられる精米羽根101によって、精米かご(精米容器)102内の玄米Rを攪拌して対流させ、この玄米Rを前記精米かご102側周部の金網103の網目に擦り付けることで、前記玄米R表面の糠を削り落として白米にする、家庭等で用いられる卓上型の精米器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このような精米器では、前記精米羽根101は板状であり、回転軸に対してほぼ直角に延びて形成されていると共に、回転方向に対して前方が低く且つ後方が高くなるように傾斜している。
【特許文献1】特許第2963889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような精米器においては、前述したように、精米羽根101が板状であると共に、前方が低く且つ後方が高くなるように傾斜して設けられているため、前記精米羽根101の回転方向前端の形状が比較的鋭くなってしまい、この前端に衝突した玄米Rに衝撃が集中することになるため、砕米が発生しやすいという問題があった。また、前述したように、前記精米羽根101が傾斜して設けられているため、この精米羽根101を回転させると、図5に示すように、玄米Rが前記精米羽根101の傾斜面に沿って掻き上げられて激しく動き、これによって玄米Rの温度が高くなってしまうことも、砕米を多発させる原因となっている。
【0004】
本発明は以上の問題点を解決し、砕米の発生を極力抑えることができる精米器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の精米器は、内部に電動機が設けられた精米器本体と、側周部及び/又は底部を網状に形成し米を収容する精米容器と、この精米容器内に設けられると共に前記電動機の回転に伴って回転し前記精米容器内の米を撹拌する精米体とを有する精米器において、前記精米体を、軸体と、この軸体の下部に回転方向に対して交差する方向に設けられた複数の棒状体とで構成すると共に、前記棒状体の断面を円形としたものである。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の精米器は、内部に電動機が設けられた精米器本体と、側周部及び/又は底部を網状に形成し米を収容する精米容器と、この精米容器内に設けられると共に前記電動機の回転に伴って回転し前記精米容器内の米を撹拌する精米体とを有する精米器において、前記精米体を、軸体と、この軸体の下部に回転方向に対して交差する方向に設けられた複数の棒状体とで構成すると共に、前記棒状体の断面を楕円形又は長円形とし、この楕円又は長円の長軸を回転方向に対してほぼ平行としたものである。
【0007】
更に、本発明の請求項3に記載の精米器は、請求項1乃至2において、前記精米容器の内底面から棒状体の下端までの距離を、米粒の長さよりも長くしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の精米器は、以上のように構成することにより、前記精米容器内に設けられた前記精米体を前記電動機によって回転させることで、前記精米容器内に収容された米粒が前記精米体の棒状体によって攪拌される。この際、前記棒状体の断面が円形であることで、前記棒状体の前端が従来構造に比べて鈍いため、前記棒状体が米粒に衝突した際にこの米粒に衝撃が集中しないと共に、前記米粒が前記棒状体の上下をスムーズに流れるため、米粒が必要以上に激しく動かず、これによって、米粒の温度が高くなりすぎないので、砕米の発生を少なくすることができる。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の精米器は、以上のように構成することにより、前記精米容器内に設けられた前記精米体を前記電動機によって回転させることで、前記精米容器内に収容された米粒が前記精米体の棒状体によって攪拌される。この際、前記棒状体の断面が楕円形又は長円形であると共に、この楕円又は長円の長軸を回転方向に対してほぼ平行としたことで、前記棒状体の前端が従来構造に比べて鈍いため、前記棒状体が米粒に衝突した際にこの米粒に衝撃が集中しないと共に、前記米粒が前記棒状体の上下をスムーズに流れるため、米粒が必要以上に激しく動かず、これによって、米粒の温度が高くなりすぎないので、砕米の発生を少なくすることができる。
【0010】
更に、前記精米容器の内底面から棒状体の下端までの距離を、米粒の長さよりも長くしたことで、米粒が前記棒状体の上方だけでなく下方にもスムーズに流れるので、より良好に精米を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第一の実施形態について、図1乃至図3に基づいて説明する。なお、本実施形態においては、図1の姿勢を基準として前後及び上下を規定し、図1の左側を前、右側を後とする。1は本発明の精米器である。この精米器1は、精米器本体2と、糠受容器3と、精米容器4と、精米体5と、蓋体6とを有して構成されている。
【0012】
前記精米器本体2は、上外殻体7と下外殻体8とで構成される外殻体9を有する。そして、前記上外殻体7の上部前側には取付孔7Aが形成されており、この取付孔7Aに操作部10が取り付けられている。また、前記上外殻体7の後側には、上方が開放した有底円筒凹状の収納凹部7Bが設けられていると共に、この収納凹部7Bの底部中央には、貫通孔7Cが形成されている。一方、前記下外殻体8の底部には取付凹部8Aが形成されており、この取付凹部8Aにコードリール11が取り付けられている。また、前記下外殻体8の底部には、複数の脚取付部8Bが形成されており、これらの脚取付部8Bに、それぞれゴム脚12が取り付けられている。そして、前記外殻体9の内部には、駆動機構13が収容されている。この駆動機構13は、金属製のフレーム14及びベアリングケース15と、前記フレーム14の前部に取り付けられる電動機16と、前記フレーム14の後部に軸支される一次従動軸17と、前記フレーム14を貫通して下方に延びる前記電動機16の回転軸に取り付けられる小プーリ18と、前記フレーム14を貫通して下方に延びる前記一次従動軸17の下端に取り付けられる大プーリ19と、これらの小プーリ18と大プーリ19との間に掛け渡される無端状の駆動ベルト20と、前記ベアリングケース15を貫通して上方に延びる前記一次従動軸17の上端に取り付けられる一次接続部21とを有して構成されている。なお、前記フレーム14の後部には、凹状の軸受嵌入部14Aが形成されていると共に、この軸受嵌入部14Aを覆うようにして、前記フレーム14の上面に前記ベアリングケース15が取り付けられている。そして、このベアリングケース15の中央上部には、凹状の軸受嵌入部15Aが形成され、この軸受嵌入部15Aにベアリング22が嵌入固定されると共に、前記軸受嵌入部14Aにも別のベアリング23が嵌入固定される。そして、これらの上下一対のベアリング22,23により、前記フレーム4を貫通する前記一次従動軸17は、その中心軸が垂直方向となるように回動自在に軸支される。また、前記一次接続部21は、前記貫通孔7Cから前記収納凹部7B内に露出する。
【0013】
前記収納凹部7Bには、被精製米としての玄米Rから精米によって取り除かれる糠を受けるための前記糠受容器3が着脱自在に挿入されている。この糠受容器3は、ほぼ有底円筒状に形成されており、その底部3Aの中央には、前記収納凹部7Bの貫通孔7Cに対応してこの貫通孔7Cと同軸的に貫通孔3Bが形成されていると共に、この貫通孔3Bから上方に延びて前記一次接続部21と後述する二次接続部29の外周を覆うように、筒状部3Cが形成されている。
【0014】
そして、前記糠受容器3には、被精製米としての玄米Rを収容するための前記精米容器4が着脱自在に挿入されている。この精米容器4は、側周部から底部外周側にかけて形成された金網部24と、この金網部24の下内縁部に固定された底部25と、前記金網部24の上縁部に固定された上縁部26とを有して構成されている。なお、前記底部25の中央には、上方に突出した軸受筒部25Aが形成されていると共に、その上端には軸孔25Bが形成されている。また、前記底部25には、前記精米容器4を前記糠受容器3に対して位置決めすると共に、取り除かれた糠等が前記貫通孔7Cから前記精米器本体2内に侵入することを防ぐための、短円筒状に形成された筒状部25Cが設けられている。そして、前記軸孔25Bを貫通して、二次従動軸27が、その中心軸が垂直となるように、前記軸受筒部25Aに対して回動自在に軸支される。更に、前記二次従動軸27の上端には、断面が角丸の正六角形となる係合軸部28が取り付けられていると共に、前記二次従動軸27の下端には、前記一次接続部21に対応して二次接続部29が取り付けられている。そして、前記一次接続部21と二次接続部29とで、前記一次従動軸17の回転を前記二次従動軸27に伝達するカップリング30が構成されている。一方、前記上縁部26には、弦状の把持部31が揺動自在に取り付けられている。
【0015】
前記精米容器4内の二次従動軸27の係合軸部28には、前記精米容器4内の玄米を撹拌する前記精米体5が着脱自在に取り付けられている。この精米体5は、前記係合軸部28に係合した状態では、前記精米容器4の内部に位置する。そして、前記精米体5は、前記係合軸部28に係合した状態で、この係合軸部28、ひいては前記二次従動軸27と同軸となる軸体32と、この軸体32の下部からこの軸体32の軸方向に対して放射方向に突出して設けられた一対の棒状体33とで構成されている。なお、前記軸体32には、前記係合軸部28に対応して、断面が正六角形となる係合孔部34が形成されていることで、前記軸体32は、前記係合軸部28、ひいては前記二次従動軸27に対して回り止めされた状態で係合される。また、前記棒状体33は、ステンレス鋼等によって円柱状、即ち断面が円形となるように形成されている。なお、前記棒状体33は、その直径Dが、玄米Rの寸法、望ましくは玄米Rの長さLrよりも大きく形成されている(D>Lr)。そして、前記係合軸部28に前記精米体5を取り付けた状態において、前記精米容器4の底部25から前記棒状体33の下端までの距離Hは、前記精米容器4内に収容される玄米Rの長さLrよりも大きくなるように構成されている(H>Lr)。なお、この場合の玄米Rは一般的な短粒種であり、その長さLrよりも前記距離Hは充分大きくなるように構成されている。
【0016】
更に、前記収納凹部7B、糠受容器3及び精米容器4の上部を覆うように、前記蓋体6が着脱自在に取り付けられている。なお、この蓋体6は、前記精米容器4の内部が視認できるように、全体が透明な合成樹脂によって構成されている。
【0017】
次に、上記構成の作用について説明する。まず使用者は、前記精米容器4の第二従動軸27の係合軸部28に前記精米体5を取り付けた後、前記精米容器4内に所定量の玄米Rを収容する。また、前記糠受容器3を前記精米器本体2の収納凹部7Bに取り付ける。この際、前記カップリング30を構成する前記一次接続部21は、前記貫通孔3Bから上方が露出すると共に、前記筒状部3Cによって外周側方が覆われる。そして、前記精米体5が取り付けられると共に玄米Rが収容された前記精米容器4を、前記糠受容器3の内側に装着する。この際、前記カップリング30を構成する前記二次側接続部29が前記筒状部3C内に挿入されて前記一次接続部21と係合すると共に、前記筒状部25Cが前記筒状部3Cの上部外側を覆うように装着されることで、前記精米容器4が前記糠受容器3に対して位置決めされる。更に、前記収納凹部7Bの上部開口を前記蓋体6によって閉じた後、前記コードリール11から図示しないコードを引き出して、同じく図示しない交流電源に接続し、前記操作部10を操作して電源を投入する。次に、精米容器4に収容された玄米Rの量や目標精米度に基づいて前記操作部10を操作することで、前記電動機16の制御パラメータが変更される。詳述すると、玄米Rの量の多少及び目標精米度によって、前記電動機16、即ち精米体5の回転数が図示しない制御回路によって制御される。即ち、前記制御回路は、玄米Rの量が多いほど前記精米体5の回転数が高く、玄米Rの量が少ないほど前記精米体5の回転数が低くなるように、前記電動機16の回転数を制御する(2000〜3000回転/分)。また、前記制御回路は、目標精米度が高いほど前記精米体5の駆動時間が長く、目標精米度が低いほど前記精米体5の駆動時間が短くなるように、前記電動機16の回転数を制御する。なお、このような回転数や駆動時間は、玄米Rの量と精米度を指定することによって、算出されるか、或いはデータテーブルから読み出される。
【0018】
このようにして、精米量や目標精米度を考慮した前記電動機16の制御パラメータを算出した或いは読み込んだ後、前記操作パネル10を操作すると、前記制御回路からの制御信号により駆動回路を介して電動機16が駆動される。そして、前記電動機16の駆動力は、小プーリ18から駆動ベルト20、大プーリ19、第一従動軸17、カップリング30、第二従動軸27を経て、前記精米体5を回転させる。なお、前記精米体5は、前記小プーリ18と大プーリ19の半径の比率によって、前記電動機16の回転数に対して所定の減速比で減速されて回転する。そして、前記精米体5を回転させることで、前記精米容器4内の玄米Rが攪拌されると共に前記精米体5の回転に連れ回ることで、玄米R同士が擦れ合い、又は玄米Rと前記精米容器4とが擦れ合い、これによって玄米Rは精米される。なお、図3に示すように、玄米Rに対して前記棒状体33の抵抗が比較的低いので、玄米Rは、前記精米容器4内において、円柱状の前記棒状体33をスムーズに乗り越えるように、或いは円柱状の前記棒状体33をスムーズにくぐり抜けるように動き、玄米Rが必要以上に激しく動かず、このため、玄米を大きく掻き上げて激しく動かす図5に示す従来の構造に比べて、摩擦や衝突による玄米Rの温度上昇を低く抑えることができる。そして、このように玄米Rの温度上昇が抑えられることで、玄米Rの水分の減少量を低く抑え、これによって、砕米の発生を低く抑えることができるばかりでなく、熱による酸化も抑えられるので、食味の劣化も抑えることができる。また、前記棒状体33が円柱状であると共に比較的太いことで回転方向前端が従来構造に比べて鈍いため、前記棒状体33が玄米Rに衝突した際にこの玄米Rに衝撃が集中せず、これによって、砕米の発生を低く抑えることができる。更に、前記精米容器4の底部25から前記棒状体33の下端までの距離Hを、前記精米容器4内に収容される玄米Rの長さLrよりも大きくしたことで、玄米Rがどのような姿勢であっても(立っていても、倒れていても、或いは斜めであっても)、玄米Rが前記棒状体33の下方をスムーズにくぐり抜けることができ、これによって、前記棒状体33、ひいては前記精米体5が玄米R中でスムーズに回転することができるので、より良好に精米を行うことができる。なお、前述したように、玄米Rとしては短粒種を想定しているが、玄米Rが長粒種であっても、前記棒状体33の回転によって倒れることで、短粒種程ではないにしても比較的スムーズに前記棒状体33をくぐり抜けることができるので、短粒種の玄米Rを精米する場合に比べて著しく劣るということはない。
【0019】
そして、玄米Rから擦り取られた糠は、前記精米容器4の金網部24から、前記糠受容器3内へ排出される。なお、前記底部25に設けられた前記筒状部25Cが前記筒状部3Cの上部外側を覆うように装着されることで、糠等が前記貫通孔7Cから前記精米器本体2内に侵入することが防止される。
【0020】
次に、本発明の第二の実施形態について、図4に基づいて説明する。なお、この実施形態では、精米体40以外は上記実施形態と共通するので、この精米体40以外の説明を省略する。
【0021】
前記精米容器4内の二次従動軸27の係合軸部28には、前記精米容器4内の玄米を撹拌する前記精米体40が着脱自在に取り付けられている。この精米体40は、前記係合軸部28に係合した状態では、前記精米容器4の内部に位置する。そして、前記精米体40は、前記係合軸部28に係合した状態で、この係合軸部28、ひいては前記二次従動軸27と同軸となる軸体41と、この軸体41の下部からこの軸体41の軸方向に対して放射方向に突出して設けられた一対の棒状体42とで構成されている。なお、前記軸体41には、前記係合軸部28に対応して、断面が正六角形となる図示しない係合孔部が形成されていることで、前記軸体41は、前記係合軸部28、ひいては前記二次従動軸27に対して回り止めされた状態で係合される。また、前記棒状体42は、ステンレス鋼等によって断面が長円形となるように形成されていると共に、この長円の長軸Xが水平となるように構成されている。なお、前記棒状体42は、その断面である長円の短軸Yの寸法Dyが、玄米Rの寸法、望ましくは玄米Rの長さLrよりも大きく形成されている(Dy>Lr)。そして、前記係合軸部28に前記精米体40を取り付けた状態において、前記精米容器4の底部25から前記棒状体42の下端までの距離は、前記精米容器4内に収容される玄米Rの長さLrよりも大きくなるように構成されている。
【0022】
次に、上記構成の作用について説明する。まず使用者は、前記精米容器4の第二従動軸27の係合軸部28に前記精米体40を取り付けた後、前記精米容器4内に所定量の玄米Rを収容する。そして、前記精米体40が取り付けられると共に玄米Rが収容された前記精米容器4を、前記収納凹部7Bに取り付けられた前記糠受容器3の内側に装着する。更に、前記収納凹部7Bの上部開口を前記蓋体6によって閉じた後、図示しないコードを同じく図示しない交流電源に接続し、前記操作部10を操作して電源を投入する。次に、精米容器4に収容された玄米Rの量や目標精米度に基づいて前記操作部10を操作することで、前記電動機16、即ち精米体40の回転数や駆動時間といった制御パラメータが設定される。
【0023】
次に、前記操作パネル10を操作すると、前記制御回路からの制御信号により駆動回路を介して電動機16が駆動される。そして、前記電動機16の駆動力は、小プーリ18から駆動ベルト20、大プーリ19、第一従動軸17、カップリング30、第二従動軸27を経て、前記精米体40を回転させる。なお、前記精米体40は、前記小プーリ18と大プーリ19の半径の比率によって、前記電動機16の回転数に対して所定の減速比で減速されて回転する。そして、前記精米体40を回転させることで、前記精米容器4内の玄米Rが攪拌されると共に前記精米体40の回転に連れ回ることで、玄米R同士が擦れ合い、又は玄米Rと前記精米容器4とが擦れ合い、これによって玄米Rは精米される。なお、前記棒状体42の断面形状が長円形であると共に、この長円の長軸Xが水平、即ち回転方向に対して平行であることから、玄米Rに対して前記棒状体42の抵抗が比較的低いので、玄米Rは、前記精米容器4内において、前記棒状体42をスムーズに乗り越えるように、或いは前記棒状体42をスムーズにくぐり抜けるように動き、玄米Rが必要以上に激しく動かず、このため、玄米を大きく掻き上げて激しく動かす図5に示す従来の構造に比べて、摩擦や衝突による玄米Rの温度上昇を低く抑えることができる。そして、このように玄米Rの温度上昇が抑えられることで、玄米Rの水分の減少量を低く抑え、これによって、砕米の発生を低く抑えることができるばかりでなく、熱による酸化も抑えられるので、食味の劣化も抑えることができる。また、前記棒状体42の断面が長円形であると共に比較的太いことで回転方向前端が従来構造に比べて鈍いため、前記棒状体42が玄米Rに衝突した際にこの玄米Rに衝撃が集中せず、これによって、砕米の発生を低く抑えることができる。更に、前記精米容器4の底部25から前記棒状体42の下端までの距離を、前記精米容器4内に収容される玄米Rの長さLrよりも大きくしたことで、玄米Rがどのような姿勢であっても、玄米Rが前記棒状体42の下方をスムーズにくぐり抜けることができ、これによって、前記棒状体42、ひいては前記精米体40が玄米R中でスムーズに回転することができるので、より良好に精米を行うことができる。
【0024】
以上のように本発明は、内部に電動機16が設けられた精米器本体2と、側周部及び底部の外周側に網状部24を有すると共に玄米Rを収容する精米容器4と、この精米容器4内に設けられると共に前記電動機16の回転に伴って回転し前記精米容器4内の玄米Rを撹拌する精米体5とを有して構成される精米器1において、前記精米体5を、軸体32と、この軸体32の下部にこの軸体32の軸方向に対して放射方向に設けられた一対の円柱状の棒状体33とで構成することで、前記棒状体33が玄米Rに衝突した際にこの玄米Rに衝撃が集中しないと共に、前記玄米Rが前記棒状体33の上下をスムーズに流れるため、玄米Rが必要以上に激しく動かず、これによって、玄米Rの温度が高くなりすぎないので、砕米の発生を少なくすることができるものである。
【0025】
また、本発明は、内部に電動機16が設けられた精米器本体2と、側周部及び底部の外周側に網状部24を有すると共に玄米Rを収容する精米容器4と、この精米容器4内に設けられると共に前記電動機16の回転に伴って回転し前記精米容器4内の玄米Rを撹拌する精米体40とを有して構成される精米器1において、前記精米体40を、軸体41と、この軸体41の下部にこの軸体41の軸方向に対して放射方向に設けられた一対の断面が長円形の棒状体42とで構成し、この断面長円の長軸Xを回転方向に対してほぼ平行とすることで、前記棒状体42が玄米Rに衝突した際にこの玄米Rに衝撃が集中しないと共に、前記玄米Rが前記棒状体42の上下をスムーズに流れるため、玄米Rが必要以上に激しく動かず、これによって、玄米Rの温度が高くなりすぎないので、砕米の発生を少なくすることができるものである。
【0026】
更に、本発明は、前記精米容器4の底部25から前記棒状体33,42の下端までの距離Hを、玄米Rの長さLrよりも長くしたことで、玄米Rが前記棒状体33,42の上方だけでなく下方にもスムーズに流れるので、より良好に精米を行うことができるものである。
【0027】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施形態では、前記棒状体が前記軸体の軸方向に対して放射方向に突出して設けられているが、先端が回転方向に対して進むように、或いは遅れるように、前記棒状体を前記軸体に設けても良い。また、第二の実施形態において、前記棒状体の断面形状を長円形としたが、断面形状が楕円形であっても良い。更に、上記各実施形態では、前記棒状体が基端から先端までほぼ太さが変わらない筒状であるが、基端から先端にかけて太さが変化するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態を示す精米器の断面図である。
【図2】同上、精米体の図であり、(a)は軸体及び棒状体の軸方向に対し直交する方向から見た外観図、(b)は棒状体の軸方向に対し平行となる方向から見た外観図、(c)はA−A断面図である。
【図3】同上、精米容器内での米の動きを説明する図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す精米器の精米体の図であり、(a)は軸体及び棒状体の軸方向に対し直交する方向から見た外観図、(b)は棒状体の軸方向に対し平行となる方向から見た外観図である。
【図5】従来の精米器における精米容器内での米の動きを説明する図である。
【符号の説明】
【0029】
1 精米器
2 精米器本体
4 精米容器
5,40 精米体
16 電動機
24 金網部
25 底部
32,41 軸体
33,42 棒状体
R 玄米(米粒)
Lr 玄米Rの長さ
H 精米容器4の底部25から前記棒状体33の下端までの距離
X 棒状体42の断面形状である長円の長軸方向
【出願人】 【識別番号】000109325
【氏名又は名称】ツインバード工業株式会社
【出願日】 平成19年3月22日(2007.3.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−229558(P2008−229558A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−75519(P2007−75519)