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【発明の名称】 籾摺選別装置
【発明者】 【氏名】門田 浩

【氏名】松下 忠亀

【要約】 【課題】粃還元量の増加に伴い粃を機外に排出可能な、作業性を向上させた籾摺選別装置を提供する。

【解決手段】粃還元装置7により搬送する小米を含む粃を、揺動選別部18からの返り籾に合流させて籾還元装置7を介して籾摺部11に還元させる状態と、機外に排出させる状態とに切り替える切替弁26を粃還元装置7の後部に設けるとともに、粃還元装置7内であって、この粃還元装置7の始端部近傍に有する粃排出樋14と、切替弁26との間に設けた流量センサ27により、粃還元装置7内の小米を含む粃の搬送量が規定量よりも多いことを検出すると、切替弁26を機外に排出させる状態に切り替える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料穀粒を籾摺ロールで摺る籾摺部と、
前記籾摺部から得られた混合穀粒を選別する風選部と、
前記風選部で選別された中間穀粒を搬送する粃還元装置と、
前記風選部で選別された選別穀粒をさらに選別する揺動選別部と、
を備える籾摺選別装置において、
前記粃還元装置により搬送する中間穀粒を、前記揺動選別部からの返り穀粒に合流させて籾還元装置を介して前記籾摺部に還元させる状態と、機外に排出させる状態と、に切り替える切替弁を前記粃還元装置の後部に設けるとともに、前記粃還元装置内であって、該粃還元装置の始端部近傍に有する粃排出樋と、前記切替弁との間に設けた流量センサにより、前記粃還元装置内の前記中間穀粒の搬送量が規定量よりも多いことを検出すると、前記切替弁を前記機外に排出させる状態に切り替えることを特徴とする籾摺選別装置。
【請求項2】
原料穀粒を籾摺ロールで摺る籾摺部と、
前記籾摺部から得られた混合穀粒を選別する風選部と、
前記風選部で選別された中間穀粒を搬送する粃還元装置と、
前記風選部で選別された選別穀粒をさらに選別する揺動選別部と、
を備える籾摺選別装置において、
前記粃還元装置により搬送する前記中間穀粒を、前記揺動選別部からの返り穀粒に合流させて籾還元装置を介して前記籾摺部に還元させる状態と、機外に排出させる状態と、に切り替える切替弁を前記粃還元装置の後部に設けるとともに、前記粃還元装置内であって、該粃還元装置の始端部近傍に有する粃排出樋と、前記切替弁との間に設けた水分検出センサにより、前記粃還元装置内で搬送される前記中間穀粒の水分量が規定値よりも多いことを検出すると、前記切替弁を前記機外に排出させる状態に切り替えることを特徴とする籾摺選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、籾摺選別装置に関し、より詳細には、粃還元装置により搬送する中間穀粒を、揺動選別部からの返り穀粒に合流させて籾還元装置を介して籾摺部に還元させる状態と、機外に排出させる状態とに切り替える切替弁を粃搬送装置の後部に設けるとともに、粃還元装置内であって、この粃還元装置の始端部近傍に有する粃排出樋と、切替弁との間に設けた流量センサにより、粃還元装置内の中間穀粒の搬送量が規定量よりも多いことを検出すると、切替弁を機外に排出させる状態に切り替えることに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の籾摺選別装置は、図10に示すように、摺落米風選路40の選別始端側に籾摺部41からの摺落米を受ける揺動する摺落米移送棚42を設け、摺落米風選路40の選別始端側下方に摺落米受樋43を、選別終端側下方に比較的重い粃を受ける粃受樋44,比較的軽い粃を受ける第2粃受樋45を配置し、粃受樋44及び第2粃受樋45に落下した穀粒を籾摺部41に揚穀還元する粃揚穀機46を設け、粃受樋44,第2粃受樋45には開閉して穀粒受け状態としたり、非受け状態に切り替える開閉板47,第2開閉板48を設けることにより、粃を選別して屑米の回収を確実化し、また、粃のうち比較的軽いものは除去し、比較的大きな粃だけを屑米として回収し、選別能率を向上させることができるものがある(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−275721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来の籾摺選別装置では、重量の重い粃と、重量の軽い粃とに選別されるものの、それぞれ移送ラセンなどを経由して粃揚穀機を介して、籾摺部に還元され、再度籾摺されるため、装置内で繰り返し粃の還元が行われることにより、装置の処理工程内または原料籾の中の粃混入率が増加して、原料籾から玄米を得る籾摺選別の能率が低下するという問題があった。そこで、この発明の目的は、粃還元量の増加に伴い粃を機外に排出可能な、作業性を向上させた籾摺選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、請求項1に記載の発明は、原料穀粒を籾摺ロールで摺る籾摺部と、前記籾摺部から得られた混合穀粒を選別する風選部と、前記風選部で選別された中間穀粒を搬送する粃還元装置と、前記風選部で選別された選別穀粒をさらに選別する揺動選別部とを備える籾摺選別装置において、前記粃還元装置により搬送する中間穀粒を、前記揺動選別部からの返り穀粒に合流させて籾還元装置を介して前記籾摺部に還元させる状態と、機外に排出させる状態とに切り替える切替弁を前記粃還元装置の後部に設けるとともに、前記粃還元装置内であって、該粃還元装置の始端部近傍に有する粃排出樋と、前記切替弁との間に設けた流量センサにより、前記粃還元装置内の前記中間穀粒の搬送量が規定量よりも多いことを検出すると、前記切替弁を前記機外に排出させる状態に切り替えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、原料穀粒を籾摺ロールで摺る籾摺部と、前記籾摺部から得られた混合穀粒を選別する風選部と、前記風選部で選別された中間穀粒を搬送する粃還元装置と、前記風選部で選別された選別穀粒をさらに選別する揺動選別部とを備える籾摺選別装置において、前記粃還元装置により搬送する前記中間穀粒を、前記揺動選別部からの返り穀粒に合流させて籾還元装置を介して前記籾摺部に還元させる状態と、機外に排出させる状態と、に切り替える切替弁を前記粃還元装置の後部に設けるとともに、前記粃還元装置内であって、該粃還元装置の始端部近傍に有する粃排出樋と、前記切替弁との間に設けた水分検出センサにより、前記粃還元装置内で搬送される前記中間穀粒の水分量が規定値よりも多いことを検出すると、前記切替弁を前記機外に排出させる状態に切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、原料穀粒を籾摺ロールで摺る籾摺部と、籾摺部から得られた混合穀粒を選別する風選部と、風選部で選別された中間穀粒を搬送する粃還元装置と、風選部で選別された選別穀粒をさらに選別する揺動選別部とを備える籾摺選別装置において、粃還元装置により搬送する中間穀粒を、揺動選別部からの返り穀粒に合流させて籾還元装置を介して籾摺部に還元させる状態と、機外に排出させる状態とに切り替える切替弁を粃還元装置の後部に設けるとともに、粃還元装置内であって、この粃還元装置の始端部近傍に有する粃排出樋と、切替弁との間に設けた流量センサにより、粃還元装置内の中間穀粒の搬送量が規定量よりも多いことを検出すると、切替弁を機外に排出させる状態に切り替えるので、粃が原料穀粒内に還元されることなく自動的に機外に排出され、原料穀粒内に含有する粃量の増加を防ぎ、選別能率を維持することができるとともに、揺動選別部に当該粃が供給される前にこの粃を自動的に機外に排出でき、選別能率を高維持することができる。従って、作業性を向上させた籾摺選別装置を提供することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、原料穀粒を籾摺ロールで摺る籾摺部と、籾摺部から得られた混合穀粒を選別する風選部と、風選部で選別された中間穀粒を搬送する粃還元装置と、風選部で選別された選別穀粒をさらに選別する揺動選別部とを備える籾摺選別装置において、粃還元装置により搬送する中間穀粒を、揺動選別部からの返り穀粒に合流させて籾還元装置を介して籾摺部に還元させる状態と、機外に排出させる状態とに切り替える切替弁を粃還元装置の後部に設けるとともに、粃還元装置内であって、この粃還元装置の始端部近傍に有する粃排出樋と、切替弁との間に設けた水分検出センサにより、粃還元装置内で搬送される中間穀粒の水分量が規定値よりも多いことを検出すると、切替弁を機外に排出させる状態に切り替えるので、粃還元装置内で搬送される粃の増加に伴い、水分を多く含む当該粃を再度籾摺部に還元することなく、自動的に機外に排出し、選別能率を向上させることができる。従って、作業性を向上させた籾摺選別装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の一例としての籾摺選別装置の右側面図、図2は籾摺選別装置の平面図、図3は籾摺選別装置の背面図、図4は図1における籾摺選別装置内部の側面模式図、図5は粃還元装置付近を拡大した斜視図である。
【0010】
この例の籾摺選別装置1は、図1〜図3に示すように、機体上部中央に籾ホッパ2と、この籾ホッパ2の側面視背面には、混合米揚穀機3と混合米タンク4が連設される。さらに機体前端には、籾殻排出筒5および機体後端に玄米揚穀機6が備えられ、玄米揚穀機6の上部後端に仕上米出口9が設けられている。また、機体下部には粃還元装置7と籾還元スロワ16とが連設される。
【0011】
そして、図4に示すように、主軸11aと副軸11bとからなる籾摺ロール11cを有する籾摺部11の下方には、籾摺ロール11cで籾摺され、得られた粃や玄米などの混合米(混合穀粒)が通過する風選路12aを有する風選部12が配設される。この籾摺ロール11c下方であって、風選路12a終端下部の機体前部(側面視左端)には混合米に吸引作用する吸引ファン13、この吸引ファン13の後部(側面視右隣)であって、籾摺ロール11cの下方には、風選路12aから混合米中の小米を含む粃(中間穀粒)が落下する粃排出樋14、さらに粃排出樋14の後部には、混合米中の籾や玄米(選別穀粒)が落下する混合米受樋15などが列設される。
【0012】
混合米受樋15に落下した籾や玄米を搬送する図示しない螺旋の搬送終端側は、側面視機体背面側に立設され、複数のバケット3aを備える混合米揚穀機3に連通し、この混合米揚穀機3の揚穀終端側は混合米タンク4に連通されている。
【0013】
さらに、混合米タンク4の下方には混合米を搬送する渡し樋17を有し、この渡し樋17の下方には揺動選別部18が備えられる。この揺動選別部18は、渡し樋17の搬送終端側に複数の流路からなる分配ケース18aと、分配ケース18aの側方に有し、多段からなる揺動選別板18bと、揺動選別板18bの前部および中央部にそれぞれ配設される籾仕切板18c、玄米仕切板18dなどから構成される。
【0014】
揺動選別部18の下方には、選別部18の前部から順に籾用流路19、混合米用流路20、玄米用流路21がそれぞれ配設される。そして、籾用流路19の終端に有する返り籾入口部16aが、返り籾出口部16bを介して側面視手前に備えられる図1に示す籾還元スロワ16に連通され、この籾還元スロワ16の上部は、籾摺部11に連通される。また、混合米用流路20と玄米用流路21の間には玄米の機内循環と機外排出とを切り替える切替弁22が設けられる。そして、機体後端には玄米用流路21が下部に連設され、複数のバケット6aを備える玄米揚穀機6が立設される。
【0015】
なお、符号23は、籾摺選別装置1を運転操作する操作盤で、装置各部を駆動制御する不図示のコントローラが内臓されている。
【0016】
ここで、籾摺選別装置1を使用して籾摺作業を行うときは、籾ホッパ2に籾(原料穀粒)を供給し、操作盤23の図示しないスイッチにより機体各部を駆動させ、籾ホッパ2底部に有する不図示のシャッタ板を開いて、籾摺ロール11cに供給された籾が籾摺された後、落下した混合米は風選路12aで風選され、最も軽い籾殻は吸引ファン13により吸引され、籾殻排出筒5を介して機外に排出される。
【0017】
また、上記風選路12aで風選された比較的軽い粃(小米を含む)は、粃出口14から排出され、粃還元装置7内に流入する。この四角筒形の粃還元装置7は、図5に示すように、風選路12aに有する粃排出樋14に連通される粃出口14aから風選部12を背面に有する風選部枠8に沿って籾還元スロワ16の背面に有する選別部18からの返り籾入口部16aに向って斜設される。また、粃還元装置7下端部には駆動モータ24が備えられており、この駆動モータ24により粃還元装置7の胴部筒内に有する螺旋7aが、粃出口14aと返り籾入口部16aとの間で駆動される。なお、図5では籾還元スロワ16の底部一部分のみを記している。そして、粃出口14aから粃還元装置7内に流入した粃は、螺旋7aにより返り籾入口部16aまで搬送される。一方、重量の重い玄米と籾摺を損ねた籾との混合米は受樋15に落下し、混合米揚穀機3で揚穀されて混合米タンク4に供給された後、渡し樋17および分配ケース18aを介して揺動選別板18bに供給される。
【0018】
混合米は、揺動選別板18bでの揺動により、小さく比重の重い玄米は揺上側に、また玄米よりも大きく比重の軽い籾は揺下側に、さらに中間部分には分離されない籾と玄米との混合米がそれぞれ偏流分布しながら選別される。
【0019】
揺動選別板18bで選別された玄米などの穀粒は、籾仕切板18cと玄米仕切板18dで仕切られ、揺動選別板18bより排出される。このとき、切替弁22は揺動選別板18b上での穀粒の偏流分布が不安定な際、混合米用流路20と玄米用流路21との間を連通させて、混合米と玄米を再度受樋15に流入させるようにするが、揺動選別板18b上での穀粒の偏流分布が安定すると、混合米用流路20と玄米用流路21との間を遮断させるように切り替えられる。
【0020】
その結果、混合米が混合米用流路20に落下し、受樋15を介して再度選別部18に搬送され、玄米は玄米用流路21から玄米揚穀機23を介して機外に取り出される。また、返り籾(返り穀粒)は籾用流路19から流入した返り籾入口部16aで、前述した粃搬送装置7によって搬送されてきた粃と合流し、これら籾および籾は、返り籾出口部16bから籾還元スロワ16を介して籾摺部11に還元され、再度籾摺される。
【0021】
次に、本願発明の特徴である粃還元装置に設けた切替弁および流量センサについて、その具体的構成を説明する。図6は、粃還元装置の内部を示した側面模式図、図7は切替弁付近の拡大側面図、図8は流量センサを設けた粃排出樋の拡大正面図、図9は水分検出センサを設けた粃排出樋の拡大正面図である。
【0022】
図6〜7に示すように、この粃還元装置7の終端部に有する返り籾入口部16aの手前(前方側)である、粃還元装置7の後部樋底には、粃を機外に排出させるための粃排出口25が設けられる。そして、粃還元装置7内の粃排出口25後方であって、この粃排出口25を覆うとともに粃還元装置7内の搬送路7bと返り籾入口部16aとを連通させる位置aと、粃排出口25を開いて返り籾入口部16aを塞ぐ位置bとに、摺動自在な切換弁26が設けられる。この切替弁26の摺動部である、例えば軸心部26aは、不図示のモータに連係されており、該モータは前記コントローラに接続される。
【0023】
さらに、図8に示すように、粃排出樋14と、切替弁26との間であって、粃排出樋14の例えば、粃排出樋14の粃出口14aに近い側の上面部(粃排出樋14下面部や側面部であってもよい)の粃接触位置に羽根車27aの固定部を取り付けた、該羽根車27aなどから構成される流量センサ27が設けられ、この流量センサ27も前記コントローラに接続される。そして、流量センサ27は、例えば、粃排出樋14を通過する粃を、羽根車27aに接触させて羽根車27aを回転させ、その回転数により粃還元装置7内の粃の流量が測定される。
【0024】
なお、流量センサ27は羽根車式に限定されず、浮き子式や電磁式他など適宜用いてもよい。また、流量センサ27の取付け位置は、上記粃排出樋14に限定されることなく、例えば、粃出口14aや、粃還元装置7内中途部など粃排出樋14と、切替弁26前方との間に取り付けてもよい。
【0025】
ここで、籾摺選別装置1の稼働中に、風選路12aで風選され、粃排出樋14から粃出口14aを介して粃還元装置7内に流入する小米を含む粃の量が増加してきた場合には、例えば、粃排出樋14に設けられた流量センサ27の羽根車27aの回転が、粃排出樋14を通過する粃量の増加により早くなるので、この羽根車27aの回転数がコントローラに伝えられ、粃還元装置7内の粃搬送量(粃還元量)が算出される。
【0026】
そして、予め設定された粃搬送量設定値よりも前記粃搬送量が多くなると、前記コントローラは、不図示のモータを作動させて切替弁26が、粃排出口25を覆うとともに粃還元装置7内の搬送路7bと返り籾入口部16aとを連通させる位置aから粃排出口25を開いて返り籾入口部16aを塞ぐ位置bに摺動される。その結果、粃還元装置7内の螺旋7aを返り籾入口部16aに向けて移動する粃は、粃排出口25から機外に排出される。このため、粃還元装置7内のこれら粃が返り籾入口部16aから返り籾出口部16bおよび籾還元スロワ16を介して籾摺部11に還元されることはない。
【0027】
次いで、粃還元装置7内に流入する小米を含む粃の量が減少してきた場合には、前記同様に、粃排出樋14に設けられた流量センサ27の羽根車27aの回転が、粃排出樋14を通過する粃量の減少により遅くなるので、この羽根車27aの回転数がコントローラに伝えられ、粃還元装置7内の粃搬送量(粃還元量)が算出され、この粃搬送量が粃搬送量設定値よりも少なくなると、前記コントローラは、不図示のモータを作動させ、切替弁26が、粃排出口25を開いて返り籾入口部16aを塞ぐ位置bから粃排出口25を覆うとともに粃還元装置7内の搬送路7bと返り籾入口部16aとを連通させる位置aに摺動される。その結果、粃還元装置7内の螺旋を返り籾入口部16aに向けて移動する粃は、粃排出口25から機外に排出されることなく、全て返り籾入口部16aに搬送され、この返り籾入口部16aで籾用流路19から流入した籾と合流し、これら籾および籾は、返り籾出口部16bから籾還元スロワ16を介して籾摺部11に還元され、再度籾摺される。
【0028】
このような構成にすることで、選別能率に大きく影響する小米を含む粃量が、流量センサ27の検出により測定され、設定した規定量よりも多くなると、切替弁26の摺動により粃還元装置7内の螺旋を返り籾入口部16aに向けて移動する粃が籾ホッパ2内に還元されることなく粃排出口25から自動的に機外に排出され、籾ホッパ2内における粃含有量の増加を防ぎ、選別能率を維持することができるとともに、揺動選別部18に当該粃が供給される前にこの粃を自動的に機外に排出でき、選別能率を高維持することができる。
【0029】
なお、上記切替弁26は、不図示のリンク部材を用いて、位置aと位置bとの間を自動的に摺動させることもできる。この場合、流量センサ27により検出された粃量に基づいて、前記コントローラにより不図示のモータなどを介して切替弁26に連結される前記リンク部材を押し引きすることで切替弁26が回転可能な軸心部26aを中心として位置aまたは位置bに自動的に摺動される。
【0030】
さらには、切替弁26は、手動操作によっても不図示のリンク部材を用いて、位置aと位置bとの間を摺動させることができる。この場合、流量センサ27により検出された粃量に基づき、粃量が規定量よりも多いときには、前記コントローラが、操作盤23などに設けられた不図示の警告灯の点灯または点滅、もしくは警報ブザーを鳴らす。そして、オペレータが、粃還元装置7の近傍に有する前記リンク部材に連係するレバーなどを摺動操作することにより前記リンク部材を摺動させて、切替弁26が回転可能な軸心部26aを中心として位置bに摺動される。なお、上述とは逆に、流量センサ27により検出された粃量に基づき、粃量が規定量よりも少なくなったときには、前記コントローラが、前記警告灯などの点灯または点滅を解除すると、オペレータが、前記レバーなどを摺動操作することにより前記リンク部材を摺動させて、切替弁26が位置aに摺動される。
【0031】
また、前記流量センサ27に換えて水分検出センサ28を用いることもできる。これは、籾や玄米などに比べて水分を多く含有する粃の水分を測定することにより、還元されている粃量を予測するものであり、この場合、図9に示すように、前記した流量センサ27を設ける、例えば粃排出樋14の位置であって、粃を介して粃排出樋14の両側面(上下両面でもよい)に、水分検出センサ28を構成する近赤外線照射用の発光部28aおよび粃を通過させた近赤外線を受光させる受光部28bを取り付けて、特定波長の近赤外線が水に吸収されることを利用した赤外線吸収式などの、前記コントローラに接続した水分検出センサ28が設けられる。
【0032】
なお、水分検出センサ28の取付位置は、粃排出樋14に限定されず、例えば、粃出口14aや、粃還元装置7内中途部など粃排出樋14と、切替弁26前方との間であればよく、さらには赤外線吸収式に限定されず、マイクロ波が水に吸収される性質を用いたマイクロ波吸収式や、半導体レーザを照射して水分を検出する半導体レーザ式他など適宜用いることができる。
【0033】
そして、籾摺選別装置1の稼働中に、水分検出センサ28により、風選路12aで風選落下し、粃排出樋14を通過する、籾や玄米、小米、粃(籾や玄米も状態によっては粃排出樋14を通過して粃還元装置7を介し籾ホッパ2内に還元される)など穀粒の水分量が、常時粃排出樋14などで水分検出センサ28により測定される。これは、発光部28aから照射された近赤外線が、粃を通過する際に粃の水分に吸収されて減少した近赤外線を受光部28bで受光することにより、前記コントローラなどでこの減少した近赤外線量を水分値に換算するものであり、この近赤外線の減少量が大きいほど水分量が多く、従って、粃排出樋14を通過する粃量が増加し、近赤外線の減少量が小さいほど水分量が少なく、よって、粃排出樋14を通過する粃量が少ないことを示す。そして、前記コントローラなどには予め規定となる水分値が設定される。
【0034】
ここで、籾摺選別装置1の稼働中に、水分検出センサ28により、粃排出樋14を通過する穀粒の水分量が測定される際、予め設定した水分量よりも粃排出樋14を通過する穀粒の水分量が多くなると、前記コントローラは、不図示のモータを作動させて切替弁26が、粃排出口25を覆うとともに粃還元装置7内の搬送路7bと返り籾入口部16aとを連通させる位置aから粃排出口25を開いて返り籾入口部16aを塞ぐ位置bに摺動される。その結果、粃還元装置7内の螺旋7aを返り籾入口部16aに向けて移動する粃は、粃排出口25から機外に排出される。このため、粃還元装置7内のこれら粃が返り籾入口部16aから返り籾出口部16bおよび籾還元スロワ16を介して籾摺部11に還元されることはない。
【0035】
次いで、水分検出センサ28により、粃排出樋14を通過する穀粒の水分量が、予め設定された水分量よりも少なくなると、前記コントローラは、不図示のモータを作動させ、切替弁26が、粃排出口25を開いて返り籾入口部16aを塞ぐ位置bから粃排出口25を覆うとともに粃還元装置7内の搬送路7bと返り籾入口部16aとを連通させる位置aに摺動される。その結果、粃還元装置7内の螺旋7aを返り籾入口部16aに向けて移動する粃は、粃排出口25から機外に排出されることなく、全て返り籾入口部16aに搬送され、この返り籾入口部16aで籾用流路19から流入した籾と合流し、これら籾および籾は、返り籾出口部16bから籾還元スロワ16を介して籾摺部11に還元され、再度籾摺される。
【0036】
このような構成にすることで、選別能率に大きく影響する小米を含む粃量を、粃中に水分が多く含まれる性質を利用する水分検出センサ28での検出により測定し、規定の水分量よりも多くなると、切替弁26の摺動により粃還元装置7内の螺旋を返り籾入口部16aに向けて移動する粃が、籾ホッパ2内に還元されることなく粃排出口25から自動的に機外に排出され、籾ホッパ2内における粃含有量の増加を防ぎ、選別能率を向上することができる。
【0037】
なお、上述した流量センサ27を用いた場合と同じく、切替弁26は、前記モータの代わりに前記リンク部材を用いて自動摺動させたり、前記リンク部材に連係する前記レバーおよび前記警告灯などを用いて手動操作することもできる。
【0038】
以上詳述したように、この例の籾摺選別装置1は、籾(原料穀粒)を籾摺ロール11cで摺る籾摺部11と、籾摺部11から得られた粃や玄米などの混合米(混合穀粒)を選別する風選部12と、風選部12で選別された小米を含む粃(中間穀粒)を搬送する粃還元装置7と、風選部12で選別された籾や玄米(選別穀粒)をさらに選別する揺動選別部18とを備え、粃還元装置7により搬送する小米を含む粃を、揺動選別部18からの返り籾(返り穀粒)に合流させて籾還元装置7を介して籾摺部11に還元させる状態と、機外に排出させる状態とに切り替える切替弁26を粃還元装置7の後部に設けるとともに、粃還元装置7内であって、この粃還元装置7の始端部近傍に有する粃排出樋14と、切替弁26との間に設けた流量センサ27により、粃還元装置7内の小米を含む粃の搬送量が規定量よりも多いことを検出すると、切替弁26を機外に排出させる状態に切り替えるものである。加えて、粃還元装置7内であって、この粃還元装置7の始端部近傍に有する粃排出樋14と、切替弁26との間に設けた水分検出センサ28により、粃還元装置7内で搬送される小米を含む粃の水分量が規定値よりも多いことを検出すると、切替弁26を機外に排出させる状態に切り替える。
【0039】
なお、流量センサ27および水分検出センサ28の双方を粃排出樋14と、切替弁26との間に設けて、これらの検出情報に基づいて、切替弁26を作動させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の籾摺選別装置の一例を示す側面図である。
【図2】籾摺選別装置の平面図である。
【図3】籾摺選別装置の背面図である。
【図4】籾摺選別装置の内部構造を示す側面模式図である。
【図5】粃還元装置付近の拡大斜視図である。
【図6】粃還元装置の内部を示した側面模式図である。
【図7】切替弁付近の拡大側面図である。
【図8】流量センサを設けた粃排出樋の拡大正面図である。
【図9】水分検出センサを設けた粃排出樋の拡大正面図である。
【図10】従来の籾摺機を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
7 粃搬送装置
14 粃排出樋
14a 粃出口
25 粃排出口
26 切替弁
26a 軸心部
27 流量センサ
27a 羽根車
28 水分検出センサ
28a 発光部
28b 受光部
a,b 位置
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成18年12月13日(2006.12.13)
【代理人】 【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏


【公開番号】 特開2008−142671(P2008−142671A)
【公開日】 平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願番号】 特願2006−335270(P2006−335270)