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【発明の名称】 脱ぷ装置
【発明者】 【氏名】浜口 正

【氏名】西村 昭人

【要約】 【課題】一対のゴムロール間に籾を供給して籾摺りを行う脱ぷ装置であって、前記一対のゴムロール間に到達する際に籾を適正な姿勢にさせ易くでき、これにより砕粒の発生率を低減して籾摺り効率を向上させることができる脱ぷ装置を提供する。

【解決手段】一対のゴムロール11,12間に籾Tを供給して籾摺りを行う脱ぷ装置100aにおいて、一対のゴムロール11,12の上方に配設された籾供給部20と、籾落下方向X最下流側に位置する最終流下板31と、最終流下板31より一つ上流側に位置する上流側流下板32とを備え、上流側流下板32は、該上流側流下板32に沿った仮想直線αと最終流下板31とが交差する交差角度φを調整できるように移動自在とされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの間に間隙が存する状態で対向配置された一対のゴムロール間に籾を供給して籾摺りを行う脱ぷ装置であって、
前記一対のゴムロールの上方に配設された籾供給部と、
籾の落下方向最下流側に位置し、前記籾供給部から供給される籾を前記一対のゴムロール間に案内する最終流下板と、
籾の落下方向において前記最終流下板より一つ上流側に位置する上流側流下板とを備え、
前記上流側流下板は、該上流側流下板に沿った仮想直線と前記最終流下板とが交差する交差角度を調整できるように移動自在とされていることを特徴とする脱ぷ装置。
【請求項2】
前記上流側流下板には、飛散抑制部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の脱ぷ装置。
【請求項3】
一対のゴムロール間に籾を供給して籾摺りを行う脱ぷ装置であって、
前記一対のゴムロールの上方に配設される籾供給部と、
籾の落下方向最下流側に位置する最終流下板と、
前記最終流下板より一つ上流側に位置する上流側流下板とを備え、
前記上流側流下板には、飛散抑制部が設けられていることを特徴とする脱ぷ装置。
【請求項4】
前記飛散抑制部は、前記上流側流下板から前記最終流下板に衝突して反射する籾を抑え込むように該上流側流下板の背面側に設けられた抑え込み板とされていることを特徴とする請求項2又は3に記載の脱ぷ装置。
【請求項5】
前記抑え込み板は、該抑え込み板に沿った第1仮想直線と前記最終流下板とが平行になるように、又は、前記第1仮想直線と前記最終流下板とが交差する第1交差角度が前記上流側流下板に沿った第2仮想直線と前記最終流下板とが交差する第2交差角度より小さくなるように該上流側流下板に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の脱ぷ装置。
【請求項6】
前記飛散抑制部は、籾の流路を形成するように前記上流側流下板の下端部に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の脱ぷ装置。
【請求項7】
前記飛散抑制部は、前記上流側流下板の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度よりも、該飛散抑制部の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度が小さくなるように下方に傾斜した板状部材とされいることを特徴とする請求項6に記載の脱ぷ装置。
【請求項8】
前記飛散抑制部は、前記上流側流下板の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度よりも、該飛散抑制部の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度が小さくなるように下方に湾曲した湾曲部材とされいることを特徴とする請求項6に記載の脱ぷ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のゴムロール間に籾を供給して籾摺りを行う脱ぷ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
互いの間に間隙が存する状態で対向配置された一対のゴムロールに籾を供給し、前記一対のゴムロールによって籾摺りを行うように構成された脱ぷ装置は従来から種々提案されている。
【0003】
ところで、斯かる脱ぷ装置においては、前記一対のゴムロールへの籾供給量が該一対のゴムロールの処理能力に対して適切であることに加えて、前記一対のゴムロールに到達する際の籾の姿勢が略均一であることが望まれる。
【0004】
即ち、仮に前記一対のゴムロールへの籾供給量が適切に制御されていたとしても、前記一対のゴムロールへ到達する際の籾の姿勢が略均一でないと、籾摺り不良や砕粒が生じ、結果として、籾摺り作業効率が悪化する。このことは、長手方向を有する長粒米においては特に顕著である。
【0005】
この点に関し、前記供給部から供給された籾を前記一対のゴムロールへ案内する流下板を備えた脱ぷ装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、前記従来構成においては、前記一対のゴムロールの直ぐ上流側に位置する流下板(以下、最終流下板という)の長さを短くすることができず、結果として、脱ぷ装置全体の大型化を招くという問題があった。
【0007】
即ち、前記最終流下板の直ぐ上流側に位置する流下板(以下、上流側流下板という)から前記最終流下板へ籾が移る際に、籾は前記最終流下板で飛散する。
従って、前記最終流下板を流下している間に籾の姿勢均一化を図る為には、該最終流下板を長くしなければならなかった。
【特許文献1】特開昭56−28601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、一対のゴムロールに向けて籾を案内する最終流下板と、前記最終流下板に向けて籾を案内する上流側流下板とを備えた脱ぷ装置において、前記最終流下板の長尺化を招くことなく、前記最終流下板から前記一対のゴムロールへ供給される際の籾の姿勢均一化を図り得る構造簡単な脱ぷ装置の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記目的を達成する為に、次の第1及び第2態様の脱ぷ装置を提供する。
(1)第1態様の脱ぷ装置
互いの間に間隙が存する状態で対向配置された一対のゴムロール間に籾を供給して籾摺りを行う脱ぷ装置であって、前記一対のゴムロールの上方に配設された籾供給部と、籾の落下方向最下流側に位置し、前記籾供給部から供給される籾を前記一対のゴムロール間に案内する最終流下板と、籾の落下方向において前記最終流下板より一つ上流側に位置する上流側流下板とを備え、前記上流側流下板は、該上流側流下板に沿った仮想直線と前記最終流下板とが交差する交差角度を調整できるように移動自在とされていることを特徴とする脱ぷ装置。
【0010】
(2)第2態様の脱ぷ装置
一対のゴムロール間に籾を供給して籾摺りを行う脱ぷ装置であって、前記一対のゴムロールの上方に配設される籾供給部と、籾の落下方向最下流側に位置する最終流下板と、前記最終流下板より一つ上流側に位置する上流側流下板とを備え、前記上流側流下板には、飛散抑制部が設けられていることを特徴とする脱ぷ装置。
【0011】
本発明に係る第1態様の脱ぷ装置において、前記上流側流下板には、飛散抑制部が設けられていてもよい。
【0012】
本発明に係る第1及び第2態様の脱ぷ装置において、前記飛散抑制部として、次の具体的態様を例示できる。即ち、
(a)前記飛散抑制部は、前記上流側流下板から前記最終流下板に衝突して跳ね返る籾を抑え込むように該上流側流下板の背面側に設けられた抑え込み板とされている態様、
(b)前記飛散抑制部は、籾の流路を形成するように前記上流側流下板の下端部に設けられている態様である。
【0013】
前記(a)の具体的態様の場合、前記抑え込み板は、該抑え込み板に沿った第1仮想直線と前記最終流下板とが平行になるように、又は、前記第1仮想直線と前記最終流下板とが交差する第1交差角度が前記上流側流下板に沿った第2仮想直線と前記最終流下板とが交差する第2交差角度より小さくなるように該上流側流下板に設けられている場合を例示できる。
【0014】
前記(b)の具体的態様の場合、さらに次の具体的態様を例示できる。即ち、
(b1)前記飛散抑制部は、前記上流側流下板の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度よりも、該飛散抑制部の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度が小さくなるように下方に傾斜した板状部材とされいる態様、
(b2)前記飛散抑制部は、前記上流側流下板の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度よりも、該飛散抑制部の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度が小さくなるように下方に湾曲した湾曲部材とされいる態様である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る第1態様の脱ぷ装置では、前記上流側流下板に沿った仮想直線と前記最終流下板とが交差する前記交差角度を適正角度に調整できるように前記上流側流下板を移動させることができる。ここで、前記適正角度は、前記上流側流下板から前記最終流下板に籾が移行したときに該籾の姿勢を安定化させ得る角度であり、それには限定されないが、58度±3度程度を例示できる。
【0016】
このように本発明に係る第1態様の脱ぷ装置によれば、前記交差角度を前記適正角度に調整できるので、前記上流側流下板を流下する籾を前記最終流下板に移行させる際において、該籾を前記上流側流下板から安定して前記最終流下板に移行させることができ、これにより前記最終流下板に移行した籾を適正な姿勢に早期に整列させることができる。従って、前記最終流下板の長尺化を招くことなく、前記最終流下板から前記一対のゴムロールへ供給される際の籾の姿勢均一化を図ることができる。
【0017】
本発明に係る第1態様の脱ぷ装置において、前記上流側流下板に飛散抑制部が設けられている場合には、前記上流側流下板から前記最終流下板に移行する際に籾を前記飛散抑制部によってより安定した姿勢で前記最終流下板に移行させることができる。従って、前記一対のゴムロール間に到達する際に籾をより適正な姿勢にさせ易くできる。
【0018】
本発明に係る第2態様の脱ぷ装置によれば、前記上流側流下板に前記飛散抑制部が設けられているので、前記上流側流下板を流下する籾を前記最終流下板に移行させる際において、該籾を前記飛散抑制部によって安定した姿勢で前記最終流下板に移行させることができ、これにより前記最終流下板に移行した籾を適正な姿勢に早期に整列させることができる。従って、前記最終流下板の長尺化を招くことなく、前記最終流下板から前記一対のゴムロールへ供給される際の籾の姿勢均一化を図ることができる。
【0019】
本発明に係る第1及び第2態様の脱ぷ装置において、前記飛散抑制部は、前記上流側流下板から前記最終流下板に衝突して跳ね返る籾を抑え込むように該上流側流下板の背面側に設けられた抑え込み板とされている場合には、前記上流側流下板から前記最終流下板に衝突した籾を前記抑え込み板によって抑え込むことができ、それだけ該籾を安定した姿勢で前記最終流下板に移行させることができる。
又、前記抑え込み板は、前記第1交差角度が前記第2交差角度より小さくなるように該上流側流下板に設けられている場合には、該抑え込み板は、前記最終流下板との間隔が籾の落下方向上流側から下流側にかけて次第に小さくされるので、前記上流側流下板から前記最終流下板に衝突して跳ね返る籾を効率的に抑え込むことができる。
【0020】
本発明に係る第1及び第2態様の脱ぷ装置において、前記飛散抑制部は、籾の流路を形成するように前記上流側流下板の下端部に設けられている場合には、前記上流側流下板の下端部から籾を直接落下させることなく、該飛散抑制部の流路に沿って落下速度を緩和させた状態で落下させることができる。従って、前記上流側流下板から前記最終流下板に籾を安定した姿勢で移行させることができる。
【0021】
又、前記飛散抑制部は、前記上流側流下板の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度よりも、該飛散抑制部の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度が小さくなるように下方に傾斜した板状部材とされいる場合には、前記上流側流下板の下端部から籾を前記流路の平面に沿って徐々に落下させることができる。
又、前記飛散抑制部は、前記上流側流下板の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度よりも、該飛散抑制部の仮想延長線と前記最終流下板との交差角度が小さくなるように下方に湾曲した湾曲部材とされいる場合には、前記上流側流下板の下端部から籾を前記流路の曲面に沿って徐々に落下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は、それぞれ、本発明に係る第1及び第2実施の形態に係る脱ぷ装置100a,100bの概略側面図である。
【0023】
図1に示す脱ぷ装置100a,100bは、互いの間に間隙が存する状態で対向配置された一対のゴムロール11,12と、前記一対のゴムロール11,12の上方に配設された籾供給部20と、籾の落下方向X最下流側に位置し、前記籾供給部20から供給される籾を前記一対のゴムロール11,12間に案内する最終流下板31と、前記籾落下方向Xにおいて前記最終流下板31より一つ上流側に位置する上流側流下板32とを備え、該一対のゴムロール11,12間に籾を供給して籾摺りを行うように構成されている。
【0024】
図1に示す脱ぷ装置100a,100bは、本実施の形態では、前記一対のゴムロール11,12が互いに逆方向に且つ異なる周速度で回転するように構成されている。
詳しくは、前記脱ぷ装置100a,100bは、ゴムロール装置10を備えており、該ゴムロール装置10に前記一対のゴムロ−ル11,12が備えられている。
前記一対のゴムロール11,12は、前記籾落下方向Xを直交する方向に沿った軸線回り回転可能に前記ゴムロール装置10の機枠10aに支持されており、駆動電動機等の駆動源(図示省略)からの動力が駆動ベルト等の駆動伝達手段(図示省略)を介して伝達されることによって、互いに逆方向に周速差をもって回転するように構成されている。
【0025】
なお、前記一対のゴムロール11,12は、互いに対して所定幅の間隔を存しつつ対向配置されており、少なくとも一対のゴムロールが他方に対して接離可能な可動ロールとされている。ここでは、一方のゴムロールは軸線位置が固定された固定ロール11とされ、他方のゴムロールは可動ロール12とされている。
斯かる構成を備えた脱ぷ装置100a,100bは、前記一対のゴムロール11,12の摩耗により拡がる前記間隔の幅を、前記可動ロール12の移動によって前記所定幅に維持し得るように構成されている。
【0026】
前記籾供給部20は、籾供給部本体21と、前記籾供給部本体21の上部に設けられた供給タンク22と、前記籾供給部本体21の下部に設けられたシャッター機構23とを備えている。
【0027】
前記籾供給部本体21は、上部に設けられた上部開口21aに籾が供給され且つ下部に設けられた下部開口21bから籾が下方に向けて排出されるように構成されている。
前記供給タンク22は、籾を貯留するものであり、下部に設けられた下部開口22aが前記籾供給部本体21の上部開口21aに連通するように構成されている。
前記シャッター機構23は、開閉可能とされたシャッターが開状態のときは前記籾供給部本体21から籾が下方に供給されるように且つ該シャッターが閉状態のときは前記籾供給部本体21からの籾の供給が停止されるように構成されている。
【0028】
前記籾供給部20は、さらに、前記籾供給部本体21の下方に配設された供給量調整手段50を備えている。
前記供給量調整手段50は、リードローラ24及び流量制御弁25を備えており、前記一対のゴムロール11,12へ向けて供給する籾の量を調整するように構成されている。
具体的には、前記リードローラ24は、前記一対のゴムロール11,12の軸線方向に沿った軸線回り回転可能に前記籾供給部20に機枠20aに支持されており、駆動源(図示省略)からの動力が駆動伝達手段(図示省略)を介して伝達されることで回転駆動するように構成されている。
斯かる構成を備えた前記リードローラ24は、前記駆動源によって回転駆動されることによって、前記籾供給部本体21から排出された籾を下方にかき落としできるようになっている。
【0029】
又、前記流量制御弁25は、基端部25aが前記一対のゴムロール11,12の軸線方向に沿った枢支軸Q1回りに揺動自在に前記籾供給部20に機枠20aに支持され且つ先端部25bが前記リードローラ24の籾かき落とし部24aに間隙P1を存し得るように対向配置されている。
斯かる構成を備えることにより、前記流量制御弁25は、前記枢支軸Q1回りに揺動されることによって、前記リードローラ24との前記間隙P1の間隔dを調整できるようになっており、これにより前記間隙P1を通過する籾の供給量を調整できるようになっている。
【0030】
前記脱ぷ装置100a,100bは、ここでは、籾流下部30を備えており、該籾流下部30に前記最終流下板31及び前記上流側流下板32が備えられている。
前記最終流下板31は、基端部31aが前記一対のゴムロール11,12の軸線方向に沿った枢支軸Q2回りに揺動可能に前記籾流下部30の機枠30aに支持されており、水平線Hに対して任意の傾斜角度θを持って傾斜するように構成されている。なお、前記最終流下板31の傾斜角度θは、ここでは、前記最終流下板31を支持する支持部33を前記籾流下部30の機枠30aに対して該支持部31aに形成された長孔33aを介してボルト等の軸部材33bによって揺動可能に固定することで調整できるようになっている。
斯かる構成を備えることにより、前記最終流下板31は、籾を前記一対のゴムロール11,12間に導くことができるようになっている。
【0031】
前記籾流下部30は、前記最終流下板31及び前記上流側流下板32に加えて、一又は複数の流下板を備えていてもよい。この場合、これらの流下板は、籾の落下経路に沿って交互に傾斜するように配置される場合を例示できる。ここでは、前記籾流下部30は、前記最終流下板31及び前記上流側流下板32の他、二つの流下板を備えており、これらの流下板が籾の落下経路に沿って交互に傾斜するように配置されている。
なお、前記上流側流下板32は、籾の供給量を調整する流量制御弁25の機能を兼ねたものとされていてもよい。
【0032】
(第1実施形態)
第1実施形態の脱ぷ装置100aにおいては、図1に示すように、前記上流側流下板32は、該上流側流下板32に沿った仮想直線αと前記最終流下板31とが交差する交差角度φを調整できるように移動自在とされている。
【0033】
次に、第1実施形態の脱ぷ装置100aによる籾摺り動作について図3を参照しながら詳述する。
図3は、図1に示す脱ぷ装置100aによる籾摺り動作を説明する為の図であって、前記最終流下板31及び前記上流側流下板32部分を中心に示す概略側面図である。
【0034】
第1実施形態の脱ぷ装置100aでは、例えば、籾摺り動作を行うにあたり、前記上流側流下板32に沿った仮想直線αと前記最終流下板31とが交差する前記交差角度φが適正角度に調整される。ここで、前記所定角度は、前記上流側流下板32から前記最終流下板31に籾Tが衝突しても該籾Tの姿勢を安定化できる角度とされる。
前記籾供給部20から下方に供給された籾Tは、前記上流側流下板32に移行し、該上流側流下板32を流下した後、前記最終流下板31に移行する。
このとき、前記交差角度φが前記適正角度に調整されているので、前記上流側流下板32から前記最終流下板31に籾Tが衝突しても、該籾Tは、安定した姿勢で前記最終流下板31に移行することができる。これにより該最終流下板31に移行した籾Tは適正な姿勢に早期に整列することができる。
【0035】
このように第1実施形態の脱ぷ装置100aによれば、前記交差角度φを前記適正角度に調整できるので、前記上流側流下板32を流下する籾Tを安定して前記最終流下板31に移行させることができ、従って、籾の姿勢均一化を実現しつつ前記最終流下板31の長さを短くでき、これにより脱ぷ装置のコンパクト化を図ることができる。
【0036】
前記上流側流下板32について詳述すると、該上流側流下板32は、前記最終流下板31の上方且つ籾Tの落下経路上に配設され、該最終流下板31に対して前記一対のゴムロール11,12の軸線方向に沿った枢支軸Q3回り揺動可能とされている。
具体的には、前記上流側流下板32は、基端部32aが前記枢支軸Q3回りに揺動可能にされており、該揺動によって前記交差角度φを変更できるように構成されている。なお、前記交差角度φは、ここでは、前記籾流下部30の機枠30aに進退自在に支持された可動アーム34を前記上流側流下板32に連結し、該可動アーム34を進退させて該上流側流下板32を前記枢支軸Q3回りに回動させることによって、調整できるようになっている。
【0037】
第1実施形態の脱ぷ装置100aは、前記上流側流下板32に飛散抑制部が設けられていてもよい。こうすることで、前記上流側流下板32から前記最終流下板31に衝突した籾Tを該飛散抑制部によってさらに安定した姿勢で前記最終流下板31に移行させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
第2実施形態の脱ぷ装置100bにおいては、図2に示すように、前記上流側流下板32には、飛散抑制部35が設けられている。
この第2実施形態の脱ぷ装置100bにおいては、前記上流側流下板32は前記籾流下部30の機枠30aに固定支持されていてもよい。
【0039】
次に、第2実施形態の脱ぷ装置100bによる籾摺り動作について図4を参照しながら詳述する。
図4は、図2に示す脱ぷ装置100bによる籾摺り動作を説明する為の図であって、前記最終流下板31及び前記上流側流下板32部分を中心に示す概略側面図である。
【0040】
第2実施形態の脱ぷ装置100bでは、例えば、籾摺り動作を行うにあたり、前記籾供給部20から下方に供給された籾Tは、前記上流側流下板32に移行し、該上流側流下板32を流下した後、前記最終流下板31に移行する。
ここで、前記上流側流下板32には前記飛散抑制部35が設けられているので、前記上流側流下板32から前記最終流下板31に衝突した籾Tは、前記飛散抑制部35によって安定した姿勢で前記最終流下板31に移行することができる。これにより該最終流下板31に移行した籾Tは適正な姿勢に早期に整列することができる。
【0041】
このように第2実施形態の脱ぷ装置100bによれば、前記上流側流下板32に前記飛散抑制部35が設けられているので、前記上流側流下板32を流下する籾Tを安定して前記最終流下板31に移行させることができ、従って、前記最終流下板31に移行した籾Tを適正な姿勢に早期に整列させることができるので、籾の姿勢均一化を実現しつつ前記最終流下板31の長さを短くでき、これにより脱ぷ装置のコンパクト化を図ることができる。
【0042】
前記飛散抑制部35について詳述すると、該飛散抑制部35は、前記上流側流下板32から前記最終流下板31に衝突して反射する籾Tを抑え込むように該上流側流下板32の背面側32’に設けられた抑え込み板35aとされている。
【0043】
具体的には、前記抑え込み板35aは、該抑え込み板35aに沿った第1仮想直線β1と前記最終流下板31とが交差する第1交差角度φ1が前記上流側流下板32に沿った第2仮想直線αと前記最終流下板31とが交差する第2交差角度φ2より小さくなるように該上流側流下板32に設けられている。
前記第2交差角度φ2としては、それには限定されないが、58度±3度程度を例示できる。
なお、前記抑え込み板35aは、前記第1仮想直線β1と前記最終流下板31とが平行になるように前記上流側流下板32に設けられていてもよい。
【0044】
斯かる構成を備えた前記第2実施形態の脱ぷ装置100bでは、前記上流側流下板32から前記最終流下板31に衝突した籾Tを前記抑え込み板35aによって抑え込むことができるので、該籾Tを安定した姿勢で前記最終流下板31に移行させることができる。
又、本実施の形態では、前記抑え込み板35aは、前記第1交差角度φ1が前記第2交差角度φ2より小さくなるように該上流側流下板32に設けられているので、該抑え込み板35aは、前記最終流下板31との間隔が前記籾落下方向X上流側から下流側にかけて次第に小さくされ、これにより前記上流側流下板32から前記最終流下板31に衝突して跳ね返る籾Tを効率的に抑え込むことができる。
【0045】
図5は、前記飛散抑制部35の他の例であって、該飛散抑制部35が籾Tの流路Sを形成するように前記上流側流下板32の下端部32bに設けられている状態を示す概略側面図であり、図5(a)は、該飛散抑制部35が前記上流側流下板32に対して下方に傾斜した板状部材35bとされている例を示しており、図5(b)は、該飛散抑制部35が前記上流側流下板32に対して下方に湾曲した湾曲部材35cとされている例を示している。
【0046】
前記飛散抑制部35b,35cを備えた前記第2実施形態の脱ぷ装置100bでは、図5(a)及び図5(b)に示すように、前記上流側流下板32の下端部(前記籾落下方向X下流側端部)32bから籾Tを直接落下させることなく、該飛散抑制部35b,35cの流路Sに沿って落下速度を緩和させつつ籾Tの姿勢を維持した状態で落下させることができる。従って、前記上流側流下板32から前記最終流下板31に籾Tを安定した姿勢で移行させることができる。
【0047】
詳しくは、前記飛散抑制部35bは、前記上流側流下板32の仮想延長線αと前記最終流下板31との交差角度φ2よりも、該飛散抑制部35bの仮想延長線β2と前記最終流下板31との交差角度φ3が小さくなるように下方に傾斜した板状部材とされいる。こうすることで、前記上流側流下板32の下端部32b(前記籾落下方向X下流側端部)から籾Tを前記流路Sの平面に沿って安定した姿勢で徐々に落下させることができる。
なお、前記板状部材35bは、前記仮想延長線β2と水平線Hとが交差する交差角度φ4が90度以上になるように傾斜していることが好ましい。
【0048】
又、前記飛散抑制部35cは、前記上流側流下板32の仮想延長線αと前記最終流下板31との交差角度φ2よりも、該飛散抑制部35cの仮想延長線β3と前記最終流下板31との交差角度φ5が小さくなるように下方に湾曲した湾曲部材とされいる。こうすることで、前記上流側流下板32の下端部32bから籾Tを前記流路Sの曲面に沿って安定した姿勢で徐々に落下させることができる。
なお、前記湾曲部材35cは、前記仮想延長線β3と水平線Hとが交差する交差角度φ6が90度以上になるように湾曲していることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明に係る第1実施の形態に係る脱ぷ装置の概略側面図である。
【図2】図2は、本発明に係る第2実施の形態に係る脱ぷ装置の概略側面図である。
【図3】図3は、図1に示す脱ぷ装置による籾摺り動作を説明する為の図であって、最終流下板及び上流側流下板部分を中心に示す概略側面図である。
【図4】図4は、図2に示す脱ぷ装置による籾摺り動作を説明する為の図であって、最終流下板及び上流側流下板部分を中心に示す概略側面図である。
【図5】図5は、飛散抑制部の他の例であって、該飛散抑制部が籾の流路を形成するように上流側流下板の下端部に設けられている状態を示す概略側面図であり、図5(a)は、該飛散抑制部が上流側流下板に対して下方に傾斜した板状部材とされている例を示しており、図5(b)は、該飛散抑制部が上流側流下板に対して下方に湾曲した湾曲部材とされている例を示している。
【符号の説明】
【0050】
11,12 一対のゴムロール
20 籾供給部
31 最終流下板
32 上流側流下板
35 飛散抑制部
100a 脱ぷ装置
100b 脱ぷ装置
H 水平線
S 籾の流路
T 籾
X 籾落下方向
α 上流側流下板に沿った仮想直線(第2仮想直線)
β1 抑え込み板に沿った第1仮想直線
φ 仮想直線αと最終流下板とが交差する交差角度
φ1 第1仮想直線β1と最終流下板とが交差する第1交差角度
φ2 仮想直線(第2仮想直線)αと最終流下板とが交差する第2交差角度
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成18年10月19日(2006.10.19)
【代理人】 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人

【識別番号】100114410
【弁理士】
【氏名又は名称】大中 実

【識別番号】100108992
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 信雄

【識別番号】100145621
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聰


【公開番号】 特開2008−100171(P2008−100171A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2006−285133(P2006−285133)