トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理

【発明の名称】 胚芽精米製造構造、胚芽精米製造方法及び胚芽精米
【発明者】 【氏名】増田 敏雄

【氏名】天野 一男

【氏名】石井 勇

【氏名】安達 洋一

【要約】 【課題】胚芽精米の胚芽保有率及び精白度を上げる。

【解決手段】胚芽精米製造構造10では、研削精米機構12が研削精米処理を行い、研米機構16が研米処理を行い、湿式無洗化処理機構20が湿式無洗化処理を行って、胚芽精米を製造する。ここで、研削精米処理、研米処理及び湿式無洗化処理の際に玄米、研削精米及び研米へ付与する圧力を下げて、胚芽精米の胚芽保有率を上げても、研削精米処理を複数回繰り返し行うと共に、湿式無洗化処理で研米を水で研ぐことで、胚芽精米の精白度を上げることができる。このため、胚芽精米の胚芽保有率及び精白度を上げることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を複数回繰り返して行って研削精米を製造する研削精米機構と、
研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造する研米機構と、
研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って胚芽精米を製造する湿式無洗化処理機構と、
を備え、胚芽精米の胚芽保有率を85%以上にすると共に胚芽精米の精白度を38%以上にする胚芽精米製造構造。
【請求項2】
玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を複数回繰り返して行って研削精米を製造し、
研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造し、
研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って胚芽精米を製造し、
かつ、胚芽精米の胚芽保有率を85%以上にすると共に胚芽精米の精白度を38%以上にする胚芽精米製造方法。
【請求項3】
玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を複数回繰り返して行って研削精米を製造し、
研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造し、
研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って製造され、
胚芽保有率が85%以上にされると共に精白度が38%以上にされる胚芽精米。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、胚芽精米(胚芽米)を製造する胚芽精米製造構造、胚芽精米製造方法及び胚芽精米に関する。
【背景技術】
【0002】
胚芽精米製造構造としては、玄米を研削精米処理して胚芽精米を製造するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この胚芽精米製造構造では、胚芽精米の胚芽保有率を上げるために、精米圧力(精米時に玄米へ付与する圧力)を下げて脱芽(玄米からの胚芽の脱落)を防ぐと、胚芽精米の精白度が下がってしまう。一方、胚芽精米の精白度を上げるために、精米圧力を上げると、脱芽が発生し易くなって胚芽精米の胚芽保有率が下がってしまう。
【0004】
このため、胚芽精米の胚芽保有率を上げることと胚芽精米の精白度を上げることとは、二律背反であり、5歩搗きから7歩搗き程度で、胚芽精米の胚芽保有率を80%〜82%にし、胚芽精米の精白度を30%〜35%にするのが限界であった(図6参照)。
【特許文献1】特許第2617138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、胚芽精米の胚芽保有率及び精白度を上げることができる胚芽精米製造構造及び胚芽精米製造方法、並びに胚芽保有率及び精白度が上げられた胚芽精米を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の胚芽精米製造構造は、玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を複数回繰り返して行って研削精米を製造する研削精米機構と、研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造する研米機構と、研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って胚芽精米を製造する湿式無洗化処理機構と、を備え、胚芽精米の胚芽保有率を85%以上にすると共に胚芽精米の精白度を38%以上にする。
【0007】
請求項2に記載の胚芽精米製造方法は、玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を複数回繰り返して行って研削精米を製造し、研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造し、研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って胚芽精米を製造し、かつ、胚芽精米の胚芽保有率を85%以上にすると共に胚芽精米の精白度を38%以上にする。
【0008】
請求項3に記載の胚芽精米は、玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を複数回繰り返して行って研削精米を製造し、研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造し、研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って製造され、胚芽保有率が85%以上にされると共に精白度が38%以上にされる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の胚芽精米製造構造では、研削精米機構が玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を行って研削精米を製造し、研米機構が研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造し、湿式無洗化処理機構が研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って胚芽精米を製造する。
【0010】
ここで、研削精米機構が研削精米処理を複数回繰り返して行うため、研削精米処理の際に玄米へ付与する圧力を下げることで、玄米の胚芽保有率の低下を抑制しつつ、玄米を少しずつ充分に研削精米することができる。
【0011】
しかも、研削精米処理、研米処理及び湿式無洗化処理の際に玄米、研削精米及び研米へ付与する圧力を下げて、胚芽精米の胚芽保有率を上げても、湿式無洗化処理で研米を水で研ぐことで、胚芽精米の精白度を上げることができる。
【0012】
このため、胚芽精米の胚芽保有率及び精白度を上げることができる。
【0013】
また、胚芽精米の胚芽保有率を85%以上にすると共に、胚芽精米の精白度を38%以上にする。このため、胚芽精米が胚芽を充分に保有できて、胚芽精米の栄養を豊富にできると共に、胚芽精米の精白度を通常の精白米の精白度とほぼ同等にできて、胚芽精米の食味を糠臭がない良好なものにすることができる。
【0014】
請求項2に記載の胚芽精米製造方法では、玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を行って研削精米を製造し、研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造し、研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って胚芽精米を製造する。
【0015】
ここで、研削精米処理を複数回繰り返して行うため、研削精米処理の際に玄米へ付与する圧力を下げることで、玄米の胚芽保有率の低下を抑制しつつ、玄米を少しずつ充分に研削精米することができる。
【0016】
しかも、研削精米処理、研米処理及び湿式無洗化処理の際に玄米、研削精米及び研米へ付与する圧力を下げて、胚芽精米の胚芽保有率を上げても、湿式無洗化処理で研米を水で研ぐことで、胚芽精米の精白度を上げることができる。
【0017】
このため、胚芽精米の胚芽保有率及び精白度を上げることができる。
【0018】
また、胚芽精米の胚芽保有率を85%以上にすると共に、胚芽精米の精白度を38%以上にする。このため、胚芽精米が胚芽を充分に保有できて、胚芽精米の栄養を豊富にできると共に、胚芽精米の精白度を通常の精白米の精白度とほぼ同等にできて、胚芽精米の食味を糠臭がない良好なものにすることができる。
【0019】
請求項3に記載の胚芽精米は、玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を行って研削精米を製造し、研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造し、研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って、製造される。
【0020】
ここで、研削精米処理を複数回繰り返して行うため、研削精米処理の際に玄米へ付与する圧力を下げることで、玄米の胚芽保有率の低下を抑制しつつ、玄米を少しずつ充分に研削精米することができる。
【0021】
しかも、研削精米処理、研米処理及び湿式無洗化処理の際に玄米、研削精米及び研米へ付与する圧力を下げて、胚芽精米の胚芽保有率を上げても、湿式無洗化処理で研米を水で研ぐことで、胚芽精米の精白度を上げることができる。
【0022】
このため、胚芽精米の胚芽保有率及び精白度を上げることができる。
【0023】
また、胚芽精米の胚芽保有率が85%以上にされると共に、胚芽精米の精白度が38%以上にされる。このため、胚芽精米が胚芽を充分に保有できて、胚芽精米の栄養を豊富にできると共に、胚芽精米の精白度を通常の精白米の精白度とほぼ同等にできて、胚芽精米の食味を糠臭がない良好なものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1には、本発明の実施の形態に係る胚芽精米製造構造10がブロック図にて示されている。
【0025】
本実施の形態に係る胚芽精米製造構造10は、連座式の研削精米機構12を備えており、研削精米機構12は、複数(本実施の形態では6つ)の研削精米機14(株式会社山本製作所の型式であるVPを使用してVP1、VP2、VP3、VP4、VP5及びVP6と示す)が並設(連設)されて構成されている。
【0026】
研削精米機14は、例えば特許第2617138号又は特許第2961330号に記載されているものである。
【0027】
研削精米機14では、研削精米筒内に研削精米ロールが同軸状に設けられており、研削精米筒と研削精米ロールとの間に研削精米室が形成されている。研削精米ロールの外周面には、砥石が設けられており、研削精米ロールは軸回りに回転される。
【0028】
ここで、研削精米機14に供給された玄米が研削精米室に供給されることで、研削精米ロール(砥石)によって玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理が行われて、研削精米が製造される。
【0029】
研削精米室からの研削精米の排出口には、研削精米抵抗体が設けられており、研削精米抵抗体は、研削精米室から排出される研削精米に抵抗を付与する。研削精米抵抗体が研削精米室から排出される研削精米に付与する抵抗は、通常の精白米を製造する場合に比し、低くされており、これにより、研削精米機14(研削精米室)で研削精米処理される際に玄米に付与される圧力(研削精米圧力)が低くされている。
【0030】
複数の研削精米機14は、順次連通されている。これにより、玄米が複数の研削精米機14で順次研削精米処理されて、研削精米処理が複数回繰り返して行われる。
【0031】
胚芽精米製造構造10は、研米機構16を備えており、研米機構16は、1つの研米機18(株式会社山本製作所の型式を使用してDPと示す)によって構成されている。
【0032】
研米機18は、例えば特許第3649959号に記載されている攪拌摩擦方式ものである。
【0033】
研米機18では、研米筒内に研米ロールが同軸状に設けられており、研米筒と研米ロールとの間に研米室が形成されている。研米ロールの外周面には、長尺柱状の突条(ブラシでもよい)が設けられており、研米ロールは軸回りに回転される。
【0034】
研米機18は、最後に研削精米処理を行う研削精米機14(VP6)に連通されており、複数回繰り返して研削精米処理が行われて製造された研削精米が、研米機18に供給されて、研米室に供給される。これにより、研米ロールによって研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理が行われて、研米が製造される。
【0035】
研米室からの研米の排出口には、研米抵抗体が設けられており、研米抵抗体は、研米室から排出される研米に抵抗を付与する。研米抵抗体が研米室から排出される研米に付与する抵抗は、通常の精白米を研米する場合と同様に、低くされており、これにより、研米機18(研米室)で研米処理される際に研削精米に付与される圧力(研米圧力)が低くされている。
【0036】
胚芽精米製造構造10は、湿式無洗化処理機構20を備えており、湿式無洗化処理機構20は、1つの湿式無洗化処理機22(株式会社山本製作所の型式を使用してERと示す)によって構成されている。
【0037】
湿式無洗化処理機22は、例えば特許第3197532号又は特許第3492292号に記載されているものであり、湿式無洗化処理機22には、洗米部、脱水部及び乾燥部が設けられている。
【0038】
洗米部では、洗米筒内に洗米ロールが同軸状に設けられており、洗米筒と洗米ロールとの間に洗米室が形成されている。洗米ロールの外周面には、螺旋形板状の送米螺旋が設けられており、洗米ロールは軸回りに回転される。
【0039】
湿式無洗化処理機22は、研米機18に連通されており、研米処理が行われて製造された研米が、洗米部に供給されて、洗米室に供給される。洗米室には、水が供給され、これにより、洗米ロールによって研米を少量の水で研ぐ洗米処理が行われる。
【0040】
洗米室からの研米の排出口には、洗米抵抗体が設けられており、洗米抵抗体は、洗米室から排出される研米に抵抗を付与する。洗米抵抗体が洗米室から排出される研米に付与する抵抗は、通常の精白米を洗米する場合と同様に、低くされており、これにより、洗米部(洗米室)で洗米処理される際に研米に付与される圧力(洗米圧力)が低くされている。
【0041】
脱水部には、脱水筒が設けられており、脱水筒には多数の脱水孔が形成されると共に、脱水筒は軸回りに回転される。脱水部は洗米部に連通されており、洗米処理が行われた研米が、脱水部に供給されて、脱水筒内に供給される。これにより、脱水筒によって研米を脱水する脱水処理が行われる。
【0042】
乾燥部には、ヒータが設けられている。乾燥部は脱水部に連通されており、脱水処理が行われた研米が、乾燥部に供給される。これにより、ヒータによって研米を乾燥する乾燥処理が行われる。
【0043】
このように、湿式無洗化処理機22では、研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理(洗米処理、脱水処理及び乾燥処理)が行われて、胚芽精米が製造される。この胚芽精米は、図2及び図3に示す如く、胚芽保有率が85%以上88%以下にされると共に、精白度が38%以上39%以下(正確には39.3%以下)にされる。
【0044】
胚芽精米の胚芽保有率(胚芽残存率)は、重量計測法又は数量計数法によって計算される。
【0045】
重量計測法では、胚芽精米の正常粒(整粒)5gを、胚芽が残っている粒(粒A)と胚芽が残っていない粒(粒B)とに分け、更に、粒Aを胚芽の痕跡(胚盤)程度が残っている粒(粒A1)と胚芽が原型に近い状態で残っている粒(粒A2)とに分ける。粒A1全体の質量をA1(g)とし、粒A2全体の質量をA2(g)とすると、
胚芽精米の胚芽保有率(%)=[(A1×1/2+A2×1)/5]×100
となる。
【0046】
数量計数法では、胚芽精米の正常粒(整粒)100個を、胚芽が残っている粒(粒A)と胚芽が残っていない粒(粒B)とに分け、更に、粒Aを胚芽の痕跡(胚盤)程度が残っている粒(粒A1)と胚芽が原型に近い状態で残っている粒(粒A2)とに分ける。粒A1の個数をA1個とし、粒A2の個数をA2個とすると、
胚芽精米の胚芽保有率(%)=[(A1×1/2+A2×1)/100]×100
となる。
【0047】
さらに、胚芽精米の精白度は、株式会社ケット科学製の型式番号C−300の精白度計を使用して、計測されたものである。米の精白度は、米の白さ程度を表し、通常、玄米が約20%となり、標準精白米が約40%となる。
【0048】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0049】
以上の構成の胚芽精米製造構造10では、研削精米機構12(複数の研削精米機14)が玄米の表面を研削して玄米の表面の糠層を剥離する研削精米処理を行って研削精米を製造し、研米機構16(1つの研米機18)が研削精米の表面の付着糠を除去して研削精米の表面を磨く研米処理を行って研米を製造し、湿式無洗化処理機構20(1つの湿式無洗化処理機22)が研米を水で研いだ後に脱水し更に乾燥させる湿式無洗化処理を行って胚芽精米を製造する。
【0050】
ところで、図2は、胚芽精米製造構造10によって平成17年福島県会津産コシヒカリ1等玄米を原料として胚芽精米を製造した際における実験データを示す表であり、胚芽精米を製造する各工程における精米抵抗(研削精米機14では研削精米圧力、研米機18では研米圧力、湿式無洗化処理機22では洗米圧力)の相対値(指標)、胚芽精米を製造する各工程終了時における米の精白度、重量、歩留((工程終了時米重量/原料玄米重量)×100)、胚芽保有率を示している。
【0051】
図3は、胚芽精米製造構造10によって平成17年秋田県大雄村産あきたこまち1等玄米を原料として胚芽精米を製造した際における実験データを示す表であり、胚芽精米を製造する各工程における精米抵抗(研削精米機14では研削精米圧力、研米機18では研米圧力、湿式無洗化処理機22では洗米圧力)の相対値(指標)、胚芽精米を製造する各工程終了時における米の精白度、重量、歩留((工程終了時米重量/原料玄米重量)×100)、胚芽保有率を示している。
【0052】
図4は、標準玄米、従来の胚芽精米製造構造(株式会社山本製作所製の研削摩擦一体型精米機YSP−10(特許第3012070号ほか))によって製造された胚芽精米(比較コシヒカリ胚芽精米及び比較あきたこまち胚芽精米)、胚芽精米製造構造10によって製造された胚芽精米(本発明コシヒカリ胚芽精米及び本発明あきたこまち胚芽精米)についての栄養成分、胚芽保有率(数量計測法)、精白度、歩留((胚芽精米重量/原料玄米重量)×100)を示す表(比較データ)であり、標準玄米については五訂日本食品標準成分表によるものであり、比較コシヒカリ胚芽精米と本発明コシヒカリ胚芽精米とは同じ玄米(平成17年福島県会津産コシヒカリ1等玄米)を原料とし、比較あきたこまち胚芽精米と本発明あきたこまち胚芽精米とは同じ玄米(平成17年秋田県大雄村産あきたこまち1等玄米)を原料としている。
【0053】
図5は、図2及び図3において胚芽精米を製造する際における研米処理が終了した研米(DPの仕上米)及び湿式無洗化処理が終了した胚芽精米(ERの仕上米)についての精白度と食味値との関係を示すグラフである。
【0054】
ここで、研削精米機構12が複数の研削精米機14によって研削精米処理を複数回繰り返して行うため、研削精米処理の際に玄米へ付与する圧力を下げることで、玄米の胚芽保有率の低下を抑制しつつ、玄米を少しずつ充分に研削精米することができる(図2及び図3参照)。
【0055】
しかも、研削精米処理、研米処理及び湿式無洗化処理の際に玄米、研削精米及び研米へ付与する圧力を下げて、胚芽精米の胚芽保有率を上げても、湿式無洗化処理で研米を水で研ぐことで、胚芽精米の精白度を上げることができる(図2及び図3参照)。
【0056】
このため、胚芽精米の胚芽保有率及び精白度を上げることができる。
【0057】
また、胚芽精米の胚芽保有率が85%以上(好ましくは86%以上、より好ましくは87%以上)にされる。このため、図4に示す如く、胚芽精米(本発明コシヒカリ胚芽精米及び本発明あきたこまち胚芽精米)は、従来の胚芽精米(比較コシヒカリ胚芽精米及び比較あきたこまち胚芽精米)に比べ、胚芽を充分に(多量に)保有できて、胚芽精米の栄養を豊富にできる。具体的には、胚芽精米(本発明コシヒカリ胚芽精米及び本発明あきたこまち胚芽精米)は、従来の胚芽精米に比べ、ビタミンB1を50%程、ビタミンEを20%〜22%程、ビタミンM(葉酸)を17%〜22%程、カルシウムを14%〜17%程多くすることができる。
【0058】
さらに、胚芽精米の精白度が38%以上(好ましくは38.5%以上、より好ましくは39%以上)にされる。このため、図5に示す如く、胚芽精米(本発明コシヒカリ胚芽精米及び本発明あきたこまち胚芽精米)は、従来の胚芽精米(比較コシヒカリ胚芽精米及び比較あきたこまち胚芽精米)に比べ、精白度を通常の主食としている精白米の精白度(約40%)とほぼ同等にできて、食味を糠臭がない良好なものにすることができる。
【0059】
以上により、米食を常とする人の栄養改善に多大に寄与することができる。
【0060】
しかも、胚芽精米は、湿式無洗化処理機構20によって湿式無洗化処理が行われているため、炊く前に研ぐ必要をなくすことができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、複数の研削精米機14を並設(連設)して研削精米機構12を構成したが、1つの研削精米機14によって研削精米機構12を構成してもよい。この場合、研削精米機構12をバッジ式のものにし、1つの研削精米機14に玄米を複数回循環させて研削精米処理を複数回繰り返して行う構成にすることができる。
【0062】
また、本実施の形態では、研米機構16が1つの研米機18によって研削精米処理を1回のみ行う構成したが、研米機構16が研削精米処理を複数回繰り返して行う構成にしてもよい。この場合、1つの研米機18に研削精米を複数回循環させて研削精米処理を複数回繰り返して行う構成、又は、並設(連設)された複数の研米機18で順次研米処理して研米処理を複数回繰り返して行う構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係る胚芽精米製造構造を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る胚芽精米製造構造によって平成17年福島県会津産コシヒカリ1等玄米を原料として胚芽精米を製造した際における実験データを示す表である。
【図3】本発明の実施の形態に係る胚芽精米製造構造によって平成17年秋田県大雄村産あきたこまち1等玄米を原料として胚芽精米を製造した際における実験データを示す表である。
【図4】標準玄米、従来の胚芽精米製造構造によって製造された胚芽精米、本発明の実施の形態に係る胚芽精米製造構造によって製造された胚芽精米についての栄養成分、胚芽保有率、精白度、歩留を示す表である。
【図5】図2及び図3において胚芽精米を製造する際における研米処理が終了した研米及び湿式無洗化処理が終了した胚芽精米についての精白度と食味値との関係を示すグラフである。
【図6】玄米の精米工程の理論数値を示す表であり、精米度合(搗精度)、歩搗き、精白度、歩留((精米重量/原料玄米重量)×100)の関係を示している。
【符号の説明】
【0064】
10 胚芽精米製造構造
12 研削精米機構
16 研米機構
20 湿式無洗化処理機構
【出願人】 【識別番号】396017774
【氏名又は名称】福島第一食糧卸協同組合
【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
【出願日】 平成18年10月11日(2006.10.11)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−93550(P2008−93550A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−277428(P2006−277428)