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【発明の名称】 精米方法および精米機
【発明者】 【氏名】成川 栄一

【氏名】堀 武雄

【氏名】松田 清

【要約】 【課題】本発明は、精米の初期から末期にかけて、均一な精白度の精白米が得られる精米方法および精米機を提供することを目的とする。

【解決手段】搗精室を有する精米機により玄米を精米する精米方法であって、初期精米および/または終了精米において、前記搗精室内に規定量の米を保有する状態で、前記搗精室への玄米の供給および搗精室からの白米の排出を遮断し、一定量の玄米について精米を行い、該精米途中に前記搗精室に玄米を追加供給することを特徴とする精米方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搗精室を有する精米機により玄米を精米する精米方法であって、
初期精米および/または終了精米において、前記搗精室内に規定量の米を保有する状態で、前記搗精室への玄米の供給および搗精室からの白米の排出を遮断し、一定量の玄米について精米処理を行い、該精米処理途中に前記搗精室に玄米を追加供給することを特徴とする精米方法。
【請求項2】
玄米を投入する玄米ホッパ(2)と、搗精ロール(21)を有する搗精室(5)と、該搗精室(5)の搗精室出口(10)に設けてある抵抗板(8)と、前記玄米ホッパ(2)と前記搗精室(5)との間に設け該搗精室(5)内に玄米を一定量ずつ供給する定量供給手段(3)と、前記搗精ロール(21)および前記抵抗板(8)ならびに前記定量供給手段(3)の動作を制御する制御部(43)と、を備え、
前記制御部(43)が、初期精米および/または終了精米において、前記搗精室(5)内に規定量の米を保有した状態で、前記定量供給手段(3)による前記搗精室(5)への玄米の供給を停止し、かつ前記抵抗板(8)の付勢力を強めて前記搗精室(5)からの白米の排出を遮断して、前記搗精ロール(21)による玄米の精米処理を行い、該精米処理途中に、前記定量供給手段(3)の運転を再開して前記搗精室(5)に玄米を追加供給することを特徴とする精米機。
【請求項3】
玄米を投入する玄米ホッパ(2)と、搗精ロール(21)を有する搗精室(5)と、該搗精室(5)の搗精室出口(10)に設けてある抵抗板(8)と、前記玄米ホッパ(2)と前記搗精室(5)との間に設け該搗精室(5)内に玄米を一定量ずつ供給する定量供給手段(3)と、前記搗精ロール(21)および前記抵抗板(8)ならびに前記定量供給手段(3)の動作を制御する制御部(43)と、を備え、
前記制御部(43)が、白米の排出を遮断するために前記抵抗板(8)の付勢力を抵抗初期値(F1)に設定し、前記定量供給手段(3)を運転して初期精米量(A1)の玄米を搗精室(5)へ供給後、前記定量供給手段(3)を停止し、精米を開始してから玄米の精米に要する時間(初期精米時間(T1))経過後、初期追加精米量(A2)の玄米を追加供給し、精白度が安定するまでの時間(初期追加精米時間(T2))経過後、前記抵抗板(8)の付勢力を設定された精白度に応じた抵抗通常値(F2)に設定し、前記定量供給手段(3)を連続運転して連続精米に移行することを特徴とする精米機。
【請求項4】
玄米を投入する玄米ホッパ(2)と、搗精ロール(21)を有する搗精室(5)と、該搗精室(5)の搗精室出口(10)に設けてある抵抗板(8)と、前記玄米ホッパ(2)と前記搗精室(5)との間に設け該搗精室(5)内に玄米を一定量ずつ供給する定量供給手段(3)と、前記搗精ロール(21)および前記抵抗板(8)ならびに前記定量供給手段(3)の動作を制御する制御部(43)と、を備え、
前記制御部(43)が、連続精米中に前記玄米ホッパ(2)内の残玄米が規定量に達すると、前記定量供給手段(3)を停止し、白米の排出を遮断するために前記抵抗板(8)の付勢力を抵抗終了値(F3)に設定し、前記定量供給手段(3)を運転して玄米ホッパ(2)内に残った玄米を前記搗精室(5)へ追加供給し、玄米の精米に要する時間(終了精米時間(T3))経過後、前記抵抗板(8)の付勢力を弱め、前記抵抗板(8)を前記搗精室出口(10)から開放し、前記搗精室(5)内の残留米を排出することを特徴とする精米機。
【請求項5】
玄米を投入する玄米ホッパ(2)と、搗精ロール(21)を有する搗精室(5)と、該搗精室(5)の搗精室出口(10)に設けてある抵抗板(8)と、前記玄米ホッパ(2)と前記搗精室(5)との間に設け該搗精室(5)内に玄米を一定量ずつ供給する定量供給手段(3)と、前記搗精ロール(21)および前記抵抗板(8)ならびに前記定量供給手段(3)の動作を制御する制御部(43)と、を備え、
前記制御部(43)が、連続精米中に前記玄米ホッパ(2)内の残玄米が規定量に達すると、残玄米をすべて前記搗精室(5)に供給できるだけの時間(残玄米供給時間(T5))経過後、前記定量供給手段(3)を停止し、白米の排出を遮断するために前記抵抗板(8)の付勢力を抵抗終了値(F3)に設定し、玄米の精米に要する時間(終了精米時間(T3))経過後、前記抵抗板(8)の付勢力を弱め、前記抵抗板(8)を前記搗精室出口(10)から開放し、前記搗精室(5)内の残留米を排出することを特徴とする精米機。
【請求項6】
前記制御部(43)が、設定された精白度が高いほど、抵抗初期値(F1)、抵抗終了値(F3)、初期精米量(A1)、初期追加精米量(A2)、初期精米時間(T1)、初期追加精米時間(T2)、終了精米時間(T3)の各値を大きい値に設定することを特徴とする請求項3、4または5記載の精米機。
【請求項7】
前記抵抗板(8)が、円盤状であり、円の中心軸に対して回動および首振り自在に保持されており、かつ搗精室(5)側の面に放射状の突状体(35)を有することを特徴とする請求項2、3、4、5または6記載の精米機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、投入された玄米のすべてを均一に精米する精米機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に一回搗き精米機は、搗精ロールと除糠金網から構成される搗精室内に玄米を加圧しながら充満させ、玄米同士の粒々摩擦で精米する構造がとられている。また、搗精室出口に設けた抵抗板の付勢力を変えることで、搗精室内の玄米にかかる圧力を変化させ、精白度を調整することができる。ここで、抵抗板の付勢力が強ければ精白度の高い(白い)白米、弱ければ精白度の低い(黒い)白米となり、通称分搗きと呼ばれる白米の精米が可能となる。
【0003】
ところで、上記構造の精米機では、玄米を連続的に供給して、それを精米し、白米として排出する連続精米については問題なく実行することができる。しかしながら、搗精室内に玄米が存在していない精米初期においては、搗精室内が玄米で充満していないため、玄米にかかる圧力が弱くならざるをえない。よって、最初に投入された玄米(先行玄米)は、精米圧力の不足から充分精米されないまま搗精ロール先端部まで送られ、未精白米のまま排出される。また、精米末期においても、最後に投入された玄米(最終玄米)については後続の玄米が無いため、搗精室内が玄米で満たされず、精米初期と同様充分に精米されない。そこで上記問題を解決するため、文献1の精米装置が提案されている。この装置は、精米初期と精米末期において搗精室の出入口を閉鎖し、先行玄米および最終玄米が充分に精米された後に、精白米を排出するものである。
【特許文献1】特開平3−135442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この装置には以下の問題点がある。すなわち、玄米を充分に加圧するためには搗精室が玄米で満たされている必要がある。しかし、搗精室を玄米で満たした後にその出入口を閉鎖して精米を行うと、精米により米糠が取り除かれる分、体積が減少する。米糠は、玄米の品種を問わず、玄米重量の約10%を占めており、その減少量は無視できるものではなく、結果として搗精室内の圧力が低下し、精白度が上昇せず、目標の精白度が得られなくなる。これに対しては、精白時間を長くして目標の精白度を得ることも考えられるが、搗精ロールでの攪拌が長くなることで米粒が損傷し、また米粒の温度が上昇して品質の低下を招く。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、精米の初期から末期にかけて、均一な精白度の精白米が得られる精米方法および精米機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1の発明は、搗精室を有する精米機により玄米を精米する精米方法であって、初期精米および/または終了精米において、前記搗精室内に規定量の米を保有する状態で、前記搗精室への玄米の供給および搗精室からの白米の排出を遮断し、一定量の玄米について精米処理を行い、該精米処理途中に前記搗精室に玄米を追加供給することを特徴とする。ここで、初期精米とは、搗精室に最初に投入された玄米についての精米であり、終了精米とは、搗精室に最後に投入された玄米についての精米である。よって、ある量の玄米を精米する際には、最初に初期精米を行い、続けて連続精米を行い、最後に終了精米を行うことになる。また、米の規定量は、初期精米においては、目標とする精白度により異なるものであり、精白度が高いほど多く、終了精米においては、搗精室を満たす量である。
【0007】
また、請求項2の発明は、玄米を投入する玄米ホッパと、搗精ロールを有する搗精室と、該搗精室の搗精室出口に設けてある抵抗板と、前記玄米ホッパと前記搗精室との間に設け該搗精室内に玄米を一定量ずつ供給する定量供給手段と、前記搗精ロールおよび前記抵抗板ならびに前記定量供給手段の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、初期精米および/または終了精米において、前記搗精室内に規定量の米を保有した状態で、前記定量供給手段による前記搗精室への玄米の供給を停止し、かつ前記抵抗板の付勢力を強めて前記搗精室からの白米の排出を遮断して、前記搗精ロールによる玄米の精米処理を行い、該精米処理途中に、前記定量供給手段の運転を再開して前記搗精室に玄米を追加供給することを特徴とする精米機であり、上記精米方法を実施するものである。ここで、初期精米において玄米を追加するのは、精米により米糠が取り除かれて減少した分を補うためであり、終了精米において玄米を追加するのは、玄米の供給を遮断してから白米の排出を遮断するまでの間に排出された分を補うためである。
【0008】
さらに、請求項3の発明は、上記精米機において、初期精米から連続精米へ移行するよう制御されるものであり、前記制御部が、白米の排出を遮断するために前記抵抗板の付勢力を抵抗初期値に設定し、前記定量供給手段を運転して初期精米量の玄米を搗精室へ供給後、前記定量供給手段を停止し、精米を開始してから玄米の精米に要する時間(初期精米時間)経過後、初期追加精米量の玄米を追加供給し、精白度が安定するまでの時間(初期追加精米時間)経過後、前記抵抗板の付勢力を設定された精白度に応じた抵抗通常値に設定し、前記定量供給手段を連続運転して連続精米に移行することを特徴とする。ここで、抵抗通常値は精白度に応じて定まり、設定された精白度が高いほど大きな値となる。また、抵抗初期値は、初期精米において搗精室からの白米の排出を遮断するため、抵抗通常値よりも大きな値となる。初期精米量は、搗精室が充満する量が上限であるが、精白度が低い場合には上限値より少ない量でもよい。さらに、初期追加精米量は、精米により取り除かれた米糠に相当する分量であり、初期精米量の10%程度が好ましいが、それより多くてもよく、また設定された精白度が低い場合には追加しなくてもよい。
【0009】
また、請求項4の発明は、上記精米機において、連続精米から終了精米へ移行するよう制御されるものであり、前記制御部が、連続精米中に前記玄米ホッパ内の残玄米が規定量に達すると、前記定量供給手段を停止し、白米の排出を遮断するために前記抵抗板の付勢力を抵抗終了値に設定し、前記定量供給手段を運転して玄米ホッパ内に残った玄米を前記搗精室へ追加供給し、玄米の精米に要する時間(終了精米時間)経過後、前記抵抗板の付勢力を弱め、前記抵抗板を前記搗精室出口から開放し、前記搗精室内の残留米を排出することを特徴とする。さらに、連続精米から終了精米への移行については、請求項5の発明のように、前記制御部が、連続精米中に前記玄米ホッパ内の残玄米が規定量に達すると、残玄米をすべて前記搗精室に供給できるだけの時間(残玄米供給時間)経過後、前記定量供給手段を停止し、白米の排出を遮断するために前記抵抗板の付勢力を抵抗終了値に設定し、玄米の精米に要する時間(終了精米時間)経過後、前記抵抗板の付勢力を弱め、前記抵抗板を前記搗精室出口から開放し、前記搗精室内の残留米を排出するものでもよい。ここで、抵抗終了値は、搗精室からの白米の排出を遮断するため抵抗通常値より大きな値であることが好ましいが、設定された精白度が低い場合には抵抗通常値と同等の値であってもよい。
【0010】
また、請求項6の発明は、上記精米機において、設定された精白度に応じて最適な精米が行われるよう制御されるものであり、前記制御部が、設定された精白度が高いほど、抵抗初期値、抵抗終了値、初期精米量、初期追加精米量、初期精米時間、初期追加精米時間、終了精米時間の各値を大きい値に設定することを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項7の発明は、前記抵抗板が、円盤状であり、円の中心軸に対して回動および首振り自在に保持されており、かつ搗精室側の面に放射状の突状体を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のうち請求項1の発明によれば、初期精米の途中に、精米進行によって目減りした米糠分の量の米を搗精室に追加投入し、また終了精米の途中に、玄米の供給停止後白米の排出遮断までの間に排出された分の量の米を搗精室に追加投入することで、この種の精米方式で生じやすい初期・終了精米時の精白度と連続精米の精白度差を防止することができる。併せて追加投入によって、初期・終了精米工程の時間も短縮でき、その分米粒の攪拌も過度とならず砕粒も少なく、必要以上の温度上昇も抑えられ、品質低下を防ぐことができる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、玄米ホッパと精米手段との間に、玄米を一定量ずつ搗精室内に供給する定量供給手段を設け、初期精米および終了精米において適切な量の玄米を追加供給し、初期・終了精米の精白度状態を安定させることができる。
【0014】
さらに、請求項3の発明によれば、初期精米から連続精米へ円滑に移行することができる。一方、請求項4の発明によれば、連続精米から終了精米へ円滑に移行することができる。また、連続精米から終了精米への移行は請求項5の発明によってもよく、特に設定された精白度が低く、終了精米に必要な時間が短い場合には、効果的である。
【0015】
また、請求項6の発明によれば、設定された精白度に応じて制御における各値を変化させることで、一台の精米機で、あらゆる精白度に対応して安定した精米を行うことができる。
【0016】
さらに、請求項7の発明によれば、抵抗板により搗精室出口をふさぐ際、抵抗板が排出される米粒をかみ込んで隙間が生じることを防ぐ。すなわち、搗精室内部では搗精ロールが回転しているため、米粒は搗精ロールの回転軸を中心に回転しながら搗精室出口より排出され、それが抵抗板の突状体に衝突することで抵抗板が回転し、仮に米粒をかみ込みそうになっても、回転により米粒が弾き出されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の精米方法および精米機の具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。
【0018】
本精米機は、操作盤1と、玄米ホッパ2と、精米手段4とを有し、玄米ホッパ2と精米手段4との間には定量供給手段3が設けられている。以上の各構成要素はすべて筐体Bに納められており、図1にその概要を示す。
【0019】
玄米ホッパ2は、本精米機の上部に設けられ、精米前の玄米を貯留する。また、玄米ホッパ2の内側には玄米センサ11が設置されており、玄米ホッパ2内の玄米がある規定量に達したことを検知する。この規定量については後述する。
【0020】
精米手段4は、搗精ロール21を内設する搗精室5を搗精室入口9よりも搗精室出口10が下位となるよう配設し、精白度を調節する抵抗板8を搗精室出口10へ設け、搗精室5から糠を排出する除糠ファン6を添設したものであり、搗精ロール21の回転に伴って玄米の糠層を剥ぎ落し、精米された米を搗精室出口10より排出する。搗精室5の周囲には集糠ダクト37が設けてあり、集糠ダクト37と搗精室5は除糠金網22により隔てられる。糠は除糠金網22を通り抜け、集糠ダクト37から除糠ファン6で生じる気流とともに機外のサイクロン(図示省略)へ搬送される。また、精米手段4は、搗精ロール21を駆動するメインモータ23と、除糠ファン6を駆動するファンモータ36と、抵抗板8が搗精室出口10を封止する圧力を調整する抵抗装置7を具備する。
【0021】
玄米ホッパ2と精米手段4との間には、定量供給手段3が設けられている。図2および図3に示すのは、定量供給手段3の断面図および外観図である。定量供給手段3は、上下に円筒入口18および円筒出口19を有するバルブ円筒17内に、等角度で放射状に形成された繰出し羽根13を有し、円筒入口18は玄米ホッパ2と、円筒出口19は搗精室入口9と直結している。繰出し羽根13は繰出し軸12に固定されており、繰出し軸12は繰出しモータ20で一定方向に回転する。隣り合う二枚の繰出し羽根13の間には空間部14が形成され、該空間部14が円筒入口18に差し掛かると、玄米ホッパ2の玄米が円筒入口18から空間部14へ流入する。このように繰出し軸12の回転に伴い空間部14が円筒入口18を通過するごとに、一定量ずつの玄米が順次空間部14へ流入する。一方、空間部14に蓄えられた玄米は、円筒出口19に差し掛かると円筒出口19から搗精室入口9へ供給される。
【0022】
また、定量供給手段3は、精米手段4へ供給する玄米量を監視するためのカウントセンサ16を有する。カウントセンサ16はバルブ円筒17の外側に設置され、繰出し軸12に直結した繰出し検出片15と対峙する。繰出し検出片15は空間部14と同じ数だけ放射状に設けてあり、空間部14が円筒入口18を通過するごとに繰出し検出片15がカウントセンサ16の直前を通過し、一カウントとして数える。例えば、本実施例のように繰出し羽根13が四枚の場合、繰出し軸12が一回転すれば空間部14が円筒入口18を四回通過し、カウントセンサ16は四カウントを数える。また、搗精室入口9へは空間部14四つ分の玄米が供給されることになる。
【0023】
ここで、繰出し羽根13は常に同じ位置で停止させることが必要である。すなわち、繰出し羽根13の停止後の待機位置が異なると、待機時に空間部14へ入り込む米の量に差異が生じやすく、特に初期精米において精白度に影響を受けやすい。定量供給手段3の繰出しモータ20は、空運転時と米粒繰出し時とでは負荷状態が違い、負荷の軽い空運転時においては、繰出しモータ20が停止信号を受けて停止しても、惰性で余分に回転してしまうことがある。これは、終了精米時で玄米ホッパ2の玄米をすべて取り込んだ後に、玄米が無くなり空運転状態となって停止する際に起こりやすく、ずれた位置で停止すると、次回の初期精米時に搗精室5内に供給する玄米量にばらつきが生じることになる。
【0024】
そこで本実施例では、繰出し羽根13の回転に同期する繰出し検出片15がカウントセンサ16を通過するたびにカウントアップする構造がとられている。また、定量供給手段3の繰出しモータ20は運転中に停止指令を受けると、負荷状態がいかなる場合でも惰性で回転しない、即時停止手段で制御されている。この即時停止手段は、例えば電気的なブレーキ回路あるいはブレーキ付きモータなどであってもよく、カウントセンサ16のカウント数が指定値に到達すると、繰出しモータ20は即時停止する。また、手動で停止スイッチ39を押して停止信号を発するときでも、停止指令を受けた後、最初にカウントセンサ16の「ON」信号を受信した時点で、繰出しモータ20を即時停止させることができる。このように、繰出し羽根13の停止時は必ず羽根と同期回転している繰出し検出片15がカウントセンサ16上に差し掛かり、センサの「ON」信号(または「OFF」信号)を受けて即時停止するため、常に繰出し羽根13(空間部14)の待機位置は同じところになる。
【0025】
図4に示すのは、抵抗装置7の構造および抵抗板8の動作である。抵抗装置7は、抵抗モータ32と、抵抗モータ32の軸に直結する抵抗ネジ軸26と、抵抗ネジ軸26に螺合されるナット体27と、を具備し、抵抗モータ32により抵抗ネジ軸26を回転させると、ナット体27が前後に移動する。ナット体27と、抵抗板8を保持する抵抗アーム24との間には抵抗スプリング25が設けられ、ナット体27が移動することで抵抗スプリング25が変形し、その弾性力が抵抗アーム24を介して抵抗板8の付勢力として伝えられる。抵抗板8の付勢力を強くすれば精白度が高まり、弱くすれば精白度は低くなる。図4(a)は付勢力が弱く搗精室出口10を開放した場合、図4(b)は付勢力が強く搗精室出口10をふさいだ場合である。また、抵抗モータ32の軸に設けられた抵抗検出片30およびそれと対峙して設けられた回転センサ31によって、抵抗ネジ軸26の回転数を計測する。さらに、ナット体27の前後の移動の限界位置に抵抗上限スイッチ28および抵抗下限スイッチ29を設け、ナット体27が所定の範囲を超えて移動することを防ぐ。
【0026】
抵抗板8は円盤状であり、抵抗アーム24に取付軸受34を介して取り付けられており、さらに、ベアリング33を内蔵している。図5(a)に示すのは、抵抗板8の断面図である。取付軸受34は、抵抗板8を柔軟に保持するものであり、この取付軸受34およびベアリング33により、抵抗板8は円の中心軸に対して首振りおよび回動自在である。また、抵抗板8の搗精室5側の面には突状体35が設けられている。突状体35は抵抗板8の中心から放射状に形成されるもので、図5(b)のような一本の直線状のものでもよいし、図5(c)のような十字状のものでもよい。また、図5(a)および図6に示すように、抵抗板8によって搗精室出口10を閉止した際の抵抗板8と搗精室出口10の接触部分は、互いに面で接するように同じ角度(α°)で面取りされている。さらに、抵抗板8が搗精室出口10を完全にふさいだ状態において、抵抗板8の搗精室5側と、搗精室5内の搗精ロール21先端との隙間は、米一粒以下の寸法に設計されている。これは、精米初期に供給された玄米が、抵抗板8と搗精ロール21との間に入り込んで精米作用を受けずに排出されることを防止するためである。
【0027】
図7は、米粒Rの排出中に搗精室出口10を抵抗板8でふさぐ場合の説明図であり、(a)が排出時、(b)が遮断時を示す。搗精室5内部では搗精ロール21が回転しているため、搗精室出口10から排出される米粒Rは搗精ロール21の回転方向に飛び出す。飛び出した米粒Rは抵抗板8の突状体35に衝突し、抵抗板8を回転させる。すると、米粒Rをかみ込みそうになっても、回転により米粒Rが弾き出される。また、抵抗板8を首振り自在としたことで、米粒Rが抵抗板8に衝突すると抵抗板8と搗精室出口10の開口縁との隙間が広がるため、さらに米粒Rをかみ込みにくくなっている。
【0028】
本精米機には、上部の使用者が操作しやすい位置に操作盤1が設けてある。操作盤1は、図8にその外観を示すものであり、制御部43による制御条件の一部となる運転スイッチ38、停止スイッチ39、加圧スイッチ40および減圧スイッチ41と、加圧スイッチ40および減圧スイッチ41で設定された精白度を表示する精白度表示ランプ42を有し、精米機を制御する制御部43は操作盤1の内部に設けてある。制御部43はCPUやメモリを備えたいわゆるマイクロコンピュータを用いて構成され、スイッチあるいはセンサから出力した入力データを、入力インターフェースを介してマイクロコンピュータへ取込み、メモリに記録したプログラムデータに基づく所定の処理を施して、起動信号および表示信号を出力インターフェースへ出力する。出力インターフェースは、マイクロコンピュータから出力された起動信号および表示信号によって各モータおよびランプへ所定の駆動信号および発光信号を印加する。図9に本精米機の入出力系を表すブロック図を示す。
【0029】
以下、本実施例の操作ならびに動作シーケンスを図10のフローチャートに基づき説明する。なお、特に断らない限り、精白度を「白米」に設定した場合の例を示す。
【0030】
使用者は、まず操作盤1の加圧スイッチ40および減圧スイッチ41により希望する精白度を設定する。精白度を高くしたければ加圧スイッチ40を、低くしたければ減圧スイッチ41を押す。設定された精白度は精白度表示ランプ42が点灯することにより確認できる。次に、玄米ホッパ2に玄米を投入する。玄米センサ11は、玄米ホッパ2内に玄米が有ることを検出し、制御部43へ送信する。なお、精白度設定と玄米投入の手順は逆であってもよい。
【0031】
続いて運転スイッチ38を押し、精米を開始する。同時にメインモータ23とファンモータ36が起動し、搗精ロール21と除糠ファン6が運転を開始する。また、精米初期の未精白米を排出しないように、搗精室5内に玄米を取り込む前に抵抗板8で搗精室出口10をふさぐため、抵抗モータ32が付勢力を大きくする(抵抗スプリング25を圧縮する)方向に運転を開始し、抵抗初期値F1で停止して待機する。ここで、工程の時間短縮のために、運転開始前に付勢力を抵抗初期値F1として待機しておいてもよい。
【0032】
制御部43は、メインモータ23およびファンモータ36への出力と、玄米センサ11からの玄米有り信号および抵抗初期値F1の確認後、繰出しモータ20へ運転開始信号を出力する。繰出しモータ20の運転に伴い、繰出し羽根13が回転し、玄米ホッパ2の玄米が空間部14へと流入して搗精室入口9へ供給される。
【0033】
精米開始前には搗精室5内の残留米が無いので、そのまま連続して玄米の供給を続けると、未精白米が搗精室出口10より排出されることになる。それを防止するため、本精米機では初期精米を行う。初期精米では、搗精室出口10をふさいでいる抵抗板8を押し切って未精白米が排出しない適量分だけの玄米(初期精米量A1、本実施例では300g)を取り込む。
【0034】
一区画の空間部14には、30gの玄米を収納できる。よって、空間部14十区画分の玄米を搗精室5に供給することで、搗精室5内は初期精米を行うのに充分な300gの玄米で満たされ、抵抗板8を押し切って未精白米が排出されることもない。カウントセンサ16は、繰出し羽根13の通過回数を計測し、その数値は制御部43へと送られ、通過回数が十カウントとなった時点で繰出しモータ20の運転を停止する。なお、設定された精白度が低い場合、玄米の供給量はもっと少なくてもよい。
【0035】
搗精室5内に供給された玄米は搗精ロール21の回転で精米作用を受ける。時間の経過とともに精米が進行し玄米表面から剥離された米糠は、除糠金網22から排出され除糠ファン6で機外のサイクロンへ搬送される。
【0036】
初期精米を開始してから一定時間(初期精米時間T1)が経過すると、制御部43は定量供給手段3を駆動させて空間部14一区画分(初期追加精米量A2、30g)の玄米を搗精室5内へ追加供給するよう一カウント分の運転指令を出す。精米の進行に伴い米糠が取り除かれた米の量は初期精米量A1より少なくなって270gほどになっていたが、追加玄米の供給を受けて300gになり搗精室5内の圧力も回復し精白度を上げて精米を継続することとなる。なお、設定された精白度が特に低い場合には、精米によって取り除かれる米糠の量が少ないので、玄米の追加は必要ない。
【0037】
玄米の追加供給後、精白度が安定する時間(初期追加精米時間T2)の経過を待って、制御部43は使用者が設定した精白度に対応する抵抗通常値F2になるように抵抗装置7に運転指令を出す。抵抗モータ32は抵抗ネジ軸26を回転させ、それに伴ってナット体27が移動し、抵抗スプリング25の圧縮量を弱くなる方に変化させて抵抗板8の付勢力を調整する。定量供給手段3は、抵抗装置7の設定完了を待って連続回転の運転を開始し、搗精室5内に連続で玄米供給を行い連続精米に移行する。
【0038】
初期精米で精米された米は、搗精室5に連続して供給される後続米に押し出され搗精室出口10から白米となって排出される。また、後続米は搗精室5内の米が充満している状態で、かつ抵抗板8の付勢力が設定されているので安定した精白度で精米が継続し排出される。このように、初期精米の精白度は玄米の追加供給制御を行うことで、連続精米に移行した後の精白度と何ら変わらない品質に仕上がる。その後、玄米ホッパ2の玄米が存在している間、精米は継続される。
【0039】
玄米ホッパ2の玄米が無くなると後続米も無くなるため、搗精室5内には米が停滞する。しかもこの状態での搗精室5内の米は、搗精室出口10付近は白米になっているものの、搗精室入口9にかけては精米が充分されていない半搗き米の状態で、そのまま排出すると未精白米が白米に混入することになる。それを防ぐために、連続精米に引き続き、初期精米と同様な終了精米を行う。玄米ホッパ2の玄米が規定量に達すると、玄米センサ11は信号を制御部43へ送信し、それに反応して制御部43は定量供給手段3へ運転停止の指令を、抵抗装置7へ抵抗終了値F3までの運転指令を発信し、抵抗板8が搗精室出口10をふさぎ白米の排出を遮断して、終了精米へ移行する。
【0040】
終了精米時も初期精米時と同様で、搗精室5内が充満するほどの米(300g)を確保し、米の供給および排出を遮断して精米するが、定量供給手段3を停止して後続米が無くなっても、搗精室5全体が搗精室出口10を下側にして傾斜していることもあって、搗精室出口10から排出される米を遮断させるには抵抗板8の付勢力が充分でなく、搗精室5内の米は排出を続け充満に必要な米の確保ができない。そのため、玄米センサ11からの信号受信後、速やかに抵抗板8の付勢力を抵抗終了値F3にするよう抵抗装置7を運転させる制御が必要となる。
【0041】
しかしながら、通常の精米状態の抵抗板8の付勢力から搗精室出口10をふさぎ切る付勢力に強めるまでのナット体27の移動時間が必要となり、その間にもわずかな量であるものの搗精室出口10からは白米の排出が続く。また、使用者が設定した精白度によっては、抵抗板8で搗精室出口10をふさぎ切るまでの時間が異なり、その間に排出される白米量も多い場合や少ない場合があり、それによって搗精室5内に残る米の量にばらつきが生じる。米が搗精室5内を充満するには300gの量が必要で、その量がわずかでも少なくなると終了精米時の精白度が低下する。
【0042】
これを受けて、制御部43は玄米センサ11からの信号受信とほぼ同時に定量供給手段3を停止するが、その時点から抵抗板8が搗精室出口10をふさぎ切るまでの間に排出される白米の補充分を見越した玄米量を玄米ホッパ2内に残す。残す玄米量は一区画分あるいは二区画分の空間部14を満たす量(30〜60g)が適量(前述の規定量)であり、玄米センサ11はそれに見合った位置に取り付けてある。制御部43は、定量供給手段3を停止させると同時に、抵抗板8の付勢力を抵抗終了値F3にするよう抵抗装置7を運転する。付勢力が抵抗終了値F3に到達するのを待って、定量供給手段3は再び運転を初め、玄米ホッパ2に残った玄米を終了精米工程の追加玄米として搗精室5へ供給する。定量供給手段3は追加玄米の供給を終えて再び停止するが、この際余裕を見て定量供給手段3の空間部14で十区画(カウント)程度の運転後停止する。また、追加玄米の搗精室5内への取り込みのタイミングは、付勢力が抵抗終了値F3へ変更されてからではなく、変更途中の米が排出しなくなる時点でもよい。追加玄米を供給した後、定量供給手段3が停止するのは、終了精米途中に誤って玄米ホッパ2に次の精米分の玄米を投入されても、搗精室5内にその玄米が供給されるのを防止する目的もある。
【0043】
追加玄米の供給を受けて、搗精室5内の米の量は充満に必要な300gを確保することができ、搗精圧力を維持しながら終了精米を継続する。また、追加玄米量が多すぎて搗精室5内の充満量を超える場合は、追加後続米に押し出されて搗精室出口10から白米として排出され、規定の充満量になれば抵抗板8が搗精室出口10をふさぎ終了精米を継続する。終了精米時の搗精室5内の米の状態は連続精米からの移行であって、そのため搗精室出口10付近の米はすでに白米となっている。また、搗精室入口9側の米も白米にはなっていないものの、精米がある程度進行した半搗き米の状態であり、そのため追加玄米供給後は精米の進行に伴い搗精室5外に排出される米糠分も少なく、精米圧力が低下することはない。
【0044】
終了精米開始から一定時間(終了精米時間T3)経過後、抵抗装置7を付勢力が弱まる方向に運転し、抵抗板8を搗精室出口10から開放させるとともに除糠ファン6の運転を停止させる。搗精室5全体が、搗精室出口10が低くなるように傾斜しているので、搗精室5内の白米は搗精ロール21の攪拌力により機外へ排出される。また、すでに除糠ファン6の運転も停止しており、吸引風の作用で除糠金網22に吸い付いている白米もすべて機外に排出され、搗精室5の残留米がなくなるだけの時間(白米排出時間T4)経過後、メインモータ23が停止しすべての運転を停止する。
【0045】
なお、設定された精白度が低い場合、必要とされる精米圧力が低いため、終了精米時において、抵抗板8が搗精室出口10をふさぎ切るまでに白米が排出して搗精室5内の米の量が減少しても問題はない。そこで、このような場合には以下のように玄米を追加供給しないような制御をすることが好ましい。すなわち、制御部43は、玄米センサ11からの信号を受信してもすぐに定量供給手段3を停止せず、玄米ホッパ2内の残玄米をすべて搗精室5に供給できるだけの時間(残玄米供給時間T5)経過後、定量供給手段3を停止する。その後、制御部43は、抵抗板8の付勢力を抵抗終了値F3にするよう抵抗装置7を運転し、精米を続ける。そして、終了精米時間T3が経過した後の処理は、玄米を追加した場合と同様である。
【0046】
以下の表1に、本実施例における各値の設定値を示す。抵抗値の値は、抵抗ネジ軸26の回転数で表し、値が大きいほど抵抗板8の付勢力が大きくなる。
【表1】


【0047】
本発明の精米機は上記実施例に限定されるものではない。例えば定量供給手段3は、一定量ずつの供給が可能であれば異なる構造でもよく、その他各構成要素や制御の各値も適宜変更されるものである。また、本精米機に種々の付帯設備が付属するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の精米機の一部破砕した正面図。
【図2】定量供給手段の断面図。
【図3】(a)定量供給手段の正面図、(b)定量供給手段の側面図。
【図4】(a)抵抗装置および抵抗板の説明図(付勢力弱)、(b)抵抗装置および抵抗板の説明図(付勢力強)。
【図5】(a)抵抗板の断面図、(b)抵抗板の正面図、(c)抵抗板の別の実施例の正面図。
【図6】搗精室出口の断面図。
【図7】(a)搗精室出口から米粒が排出される状態を示す説明図、(b)搗精室出口を抵抗板でふさいだ状態を示す説明図。
【図8】操作盤の正面図。
【図9】精米機の入出力系を示すブロック図。
【図10】精米機の動作シーケンスを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0049】
2 玄米ホッパ
3 定量供給手段
5 搗精室
8 抵抗板
10 搗精室出口
21 搗精ロール
35 突状体
43 制御部
【出願人】 【識別番号】391055025
【氏名又は名称】株式会社タイワ精機
【出願日】 平成18年9月26日(2006.9.26)
【代理人】 【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道


【公開番号】 特開2008−80202(P2008−80202A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−261016(P2006−261016)