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農産品の保湿方法および装置 - 特開2008−43881 | j-tokkyo
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【発明の名称】 農産品の保湿方法および装置
【発明者】 【氏名】上村 次明

【氏名】桐原 修一

【氏名】大倉 裕一

【氏名】斉藤 時男

【要約】 【課題】農産品の結露を防止しつつ、農産品の水分の蒸発を抑制して農産品が平衡含水率を有する状態に保湿することができる農産品の保湿方法および装置を提供する。

【構成】保湿対象の農産品を納める搬送ダクト2を含んでループ回路を形成し、保湿ケーシングから還気する保湿用空気中に、ループ回路の途中に配設した噴霧ノズル25によりコロイド相当粒径の細霧を噴霧し、細霧の気化により保湿用空気を細霧冷却加湿し、細霧冷却加湿した保湿用空気を保湿ケーシングに送気し、ループ回路内を循環する保湿用空気の雰囲気中に農産品を保持して保湿する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保湿対象の農産品を納める保湿ケーシングを含んでループ回路を形成し、保湿ケーシングから還気する保湿用空気中に、ループ回路の途中に配設した噴霧手段によりコロイド相当粒径の細霧を噴霧し、細霧の気化により保湿用空気を細霧冷却加湿し、細霧冷却加湿した保湿用空気を保湿ケーシングに送気し、ループ回路内を循環する保湿用空気の雰囲気中に農産品を保持して保湿することを特徴とする農産品の保湿方法。
【請求項2】
ループ回路内を循環する保湿用空気を、細霧の気化による細霧冷却加湿により農産品温度より低温で、所定の温度範囲、所定の湿度範囲に維持し、農産品の含水率を平衡含水率もしくは所定含水率に保持することを特徴とする請求項1に記載の農産品の保湿方法。
【請求項3】
保湿対象の農産品を納める保湿ケーシングに接続してループ回路を形成する送気路、還気路および噴霧チャンバーと、ループ回路内で保湿用空気を循環させる送風手段と、噴霧チャンバーにコロイド相当粒径の細霧を噴霧する噴霧手段と、ループ回路内を循環する保湿用空気の温度を測定する温度測定手段および湿度を測定する湿度測定手段と、温度測定手段と湿度測定手段の測定値に基づいて噴霧手段の運転を制御する制御手段とを備え、ループ回路内を循環する保湿用空気を細霧の気化による細霧冷却加湿により所定の温度範囲、所定の湿度範囲に維持することを特徴とする農産品の保湿装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は農産品の保湿方法および装置に関し、特に米穀等の農産品を平衡湿度に保湿する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術には、例えば特許文献1に記載する米の品質改良装置がある。この品質改良装置では、霧発生器において超音波振動素子の振動により界面活性剤を伴った超微粒子の霧を発生させ、高圧ターボブロアにより界面活性剤の混入した湿風を加湿槽内に供給し、この際に必要に応じて加熱器あるいは冷却器が作動して湿風を調温し、加湿槽内で循環流動する米粒が湿風を浴びるとともに高圧状態に置かれることで、超微粒子の霧状の水分が米粒面に結露することなく、米粒内層部に浸透して凝結し、米が目標含水率に達する。
【0003】
また、特許文献2に記載する米質向上装置では、冷却の水温を制御して貯蔵タンク内の雰囲気温度を調整することで過冷却することなく米を所望の温度に貯蔵し、貯蔵された玄米を精米処理直前に貯蔵タンクから吐出してタンク外温度と米の温度との温度差により玄米の表皮に結露を生じさせることによって玄米に水分を吸収させている。
【0004】
さらに、特許文献3に記載する白米加湿方法では、白米を攪拌・輸送するコンベアの筒体内に湿風を供給し、コンベア内の空気を加圧して白米に加湿している。他の先行技術文献としては特許文献4がある。
【特許文献1】特許第2543357号公報
【特許文献2】特開平7−275720号公報
【特許文献3】特開平1−130740号公報
【特許文献4】特開昭60−41417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、精米工程では、玄米の米粒どうしの圧接、もしくは玄米の米粒と精米機の機械部品との圧接に起因する摩擦熱が発生し、この摩擦熱で米粒の表面温度が例えば40℃程度に上昇する。この状態が継続すると米粒の水分の蒸発が促進され、過乾燥によって米粒に亀裂が生じて品質に大きな影響を及ぼすことがある。
【0006】
しかし、米の温度より雰囲気温度を低く設定して冷却する場合にあっても、雰囲気と米表面との間で顕熱が移動することによる冷却であり、精米工程で発生した摩擦熱を短時間の内に米から奪うこと、および摩擦熱に起因する水分の蒸発を抑制することは困難であり、精米工程における摩擦熱の発生を抑制する有効な方法がないのが実情である。
【0007】
このため、精米工程における水分蒸発を抑制するために、精米工程を構成する精米機や米を工程間で搬送する搬送ラインの近傍の雰囲気を加湿し、あるいは特許文献2のように、精米処理の直前に玄米の表皮に加熱加湿により結露を生じさせて玄米に水分を吸収させている。
【0008】
しかし、精米工程の短い時間内で十分な加湿を行うことは困難であり、急速な水分の吸収には特許文献1に記載するように界面活性剤の使用が必要である。また、加湿効率が落ちる冬期において加湿噴霧水の供給が過剰になると米や精米機の表面に結露が発生し、品質に重大な影響を与える。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するものであり、農産品の結露を防止しつつ、農産品の水分の蒸発を抑制して農産品が平衡含水率を有する状態に保湿することができる農産品の保湿方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の農産品の保湿方法は、保湿対象の農産品を納める保湿ケーシングを含んでループ回路を形成し、保湿ケーシングから還気する保湿用空気中に、ループ回路の途中に配設した噴霧手段によりコロイド相当粒径の細霧を噴霧し、細霧の気化により保湿用空気を細霧冷却加湿し、細霧冷却加湿した保湿用空気を保湿ケーシングに送気し、ループ回路内を循環する保湿用空気の雰囲気中に農産品を保持して保湿することを特徴とする。
【0011】
また、ループ回路内を循環する保湿用空気を、細霧の気化による細霧冷却加湿により農産品温度より低温で、所定の温度範囲、所定の湿度範囲に維持し、農産品の含水率を平衡含水率もしくは所定含水率に保持することを特徴とする。
【0012】
本発明の農産品の保湿装置は、保湿対象の農産品を納める保湿ケーシングに接続してループ回路を形成する送気路、還気路および噴霧チャンバーと、ループ回路内で保湿用空気を循環させる送風手段と、噴霧チャンバーにコロイド相当粒径の細霧を噴霧する噴霧手段と、ループ回路内を循環する保湿用空気の温度を測定する温度測定手段および湿度を測定する湿度測定手段と、温度測定手段と湿度測定手段の測定値に基づいて噴霧手段の運転を制御する制御手段とを備え、ループ回路内を循環する保湿用空気を細霧の気化による細霧冷却加湿により所定の温度範囲、所定の湿度範囲に維持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、噴霧手段から噴霧するコロイド相当粒径、例えば平均粒径数マイクロメートルの細霧が気化することにより保湿用空気を細霧冷却加湿するので、保湿用空気は湿球温度一定の下で温度が低下し、かつ湿度が上昇する。このコロイド相当粒径の細霧は、例えば液体と高圧の空気(空気吐出圧0.3MPa以上)の2流体を衝突させることで実現できる。超音波式などに比べてもこのコロイド相当粒径はバラツキが少なく、蒸発面積も数百倍にもなり、加湿吸収距離、つまり加湿水分が空気に取り込まれるまでに空間的に広がる距離が短いので、結露が生じ難い。
【0014】
よって、細霧冷却加湿した保湿用空気を保湿ケーシングに送気して保湿用空気の雰囲気中に農産品を保持し、保湿ケーシングを含むループ回路内で保湿用空気を循環させながら細霧冷却加湿して所定の温度範囲、所定の湿度範囲に維持することにより、農産品の結露を防止しつつ、農産品の水分の蒸発を抑制することができる。
【0015】
この場合に、農産品の含水率は平衡含水率、つまり大気の湿度と平衡し、水分蒸発や吸湿が起こらない含水率に維持することが品質管理上において好ましい。例えば米穀は含水率15%程度が食味上において好ましく、平衡含水率15%を実現する雰囲気の相対湿度は65%(20℃)である。よって、細霧冷却加湿によって保湿用空気を相対湿度65%(20℃)に維持することにより、米穀を平衡含水率15%に維持できる。
【0016】
ところで、本発明において加湿吸収距離はコロイド相当粒径の細霧によって細霧冷却加湿することで短くなり、基本的には噴霧チャンバー内で加湿吸収距離を実現するので細霧は保湿ケーシング内に及ばない。しかし、噴霧量や粒径の調整により加湿吸収距離を変更設定し、あるいはループ回路における保湿ケーシングの直近の位置や保湿ケーシング内に細霧を噴霧することにより、保湿ケーシング内に細霧を及ぼすことも可能である。
【0017】
この場合には、コロイド相当粒径の細霧による細霧冷却加湿によって、農産品から直接に、あるいは農産品の直近の雰囲気から直接に潜熱を奪って農産品およびその周囲の雰囲気を短時間のうちに結露を生じることなく冷却し、かつ雰囲気を湿球温度一定の下で加湿することができ、農産品の冷却と雰囲気の加湿により農産品の水分の蒸発を抑制して保湿できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態においては農産品として米を例に説明するが、本発明は米以外の茶葉等にも適用可能である。
図1〜6において、搬送エレベータ1は精米工場内において精米工程と次工程との間に配置するものであり、本発明における保湿ケーシングをなす長円形状の搬送ダクト2の内部にパケットコンベア3を設けたもので、上端位置に搬送ダクト駆動部4を設けている。搬送ダクト2は上端側に排気系5が接続し、下端側に吸込み口6が開口しており、搬送ダクト2の上昇路2aの下端側に前工程の精米機(図示省略)から排出される米をパケット3aに投入する投入口7aを設け、降下路2bの上端側に次工程への排出口7bを設けている。加湿ユニット10は噴霧チャンバー11が送気路12および還気路13を介して搬送ダクト2の上昇路2aに接続しており、噴霧チャンバー11と送気路12と還気路13と搬送ダクト2とでループ回路を構成している。
【0019】
本実施の形態では送気路12が上昇路2aの下端側に接続し、還気路13が上昇路2aの上端側に接続しているが、送気路12を上昇路2aの上端側に接続し、還気路13を上昇路2aの下端側に接続することも可能である。
【0020】
加湿ユニット10は送風機14を介して還気路13に接続し、エリミネーター15を介して送気路12に接続している。加湿ユニット10の給水系16は、浄水器17およびオートシャットバルブ18を介して水道水等の給水管19に接続する膜純水ユニット20を有しており、浄水器17が膜純水ユニット20を保護し、膜純水ユニット20が後述するノズルの詰まりを防止し、粉塵の放出を防止する。
【0021】
給水系16は膜純水ユニット20で生成した純水を貯留する貯留槽21を有し、膜純水ユニット20がフロートバルブ22を介して貯留槽21に接続し、貯留槽21に排水電磁弁21aを設けている。貯留槽21に連通する純水供給管23はニードル弁24を介して噴霧手段をなすノズル部25の一対の噴霧ノズル25a、25bに接続している。加湿ユニット10の給気系26は、コンプレッサー27が電磁弁28および空気圧調整用の精密レギュレータ29を介してノズル部25の一対の噴霧ノズル25a、25bに接続している。
【0022】
噴霧ノズル25a、25bは給気系26から供給する高圧空気(空気吐出圧0.3MPa以上)を駆動圧としてエゼクタ作用により給水系16の純水を取り出し、純水と高圧空気の2流体を衝突させてコロイド相当粒径、例えば平均粒径数マイクロメートルの細霧を発生させ、発生した細霧を噴霧チャンバー11の内部に噴霧する。
【0023】
図5に示すように、一対の噴霧ノズル25a、25bを所定の角度で対向して配置し、その噴霧を互いにぶつけることで噴霧粒子径を半分程度に細かくし、かつ均一な噴霧(1〜5マイクロメータ、平均3マイクロメータ)を実現している。この粒径では質量力よりクーロン力が強く働くため、断面方向への拡散が良くなり、空気との接触率(飽和効率)を高められ、加湿吸収距離を短縮できる。
【0024】
図6に示すように、フロートバルブ22は水位調整ナット22aにより設定水位を調整できるものであり、フロートバルブ22の設定水位を変更調整することで貯水槽21から吸い上げる純水の吸い上げ量を微調整することができる。この設定水位の調整制御とニードル弁24の開度制御とにより噴霧量を微調整することが可能である。
【0025】
噴霧ノズル25a、25bは本実施の形態で開示するものに限らず、供給空気の安定性が確保できるものであれば適用可能である。
搬送ダクト2の上昇路2aの途中には温度測定手段をなす第1温度リミッター30および湿度測定手段をなす湿度調節器31を設けており、送風機14の吸気側には第2温度リミッター32を設け、エリミネーター15の下流側に結露リミッター33を設けている。
【0026】
図3に示すように、制御手段をなす制御回路50は、電源回路51に運転スイッチ52、第1温度リミッター30、第2温度リミッター32、湿度調節器31、結露リミッター33を直列に接続し、電磁弁28、送風機14の風量コントローラ53、排水電磁弁21aの排水スイッチ54を並列に接続してなる。
【0027】
本実施の形態において、第1温度リミッター30および第2温度リミッター32は設定温度でスイッチをON−OFF制御するものであるが、温度計を使用してその測定値を出力するものを採用することも可能であり、湿度調節器31および結露リミッター33は設定湿度でスイッチをON−OFF制御するものであるが、湿度計を使用してその測定値を出力するものを採用することも可能であり、温度計および湿度計の測定値に応じて電磁弁28、送風機14の運転を制御する制御手段を設けることも可能である。
【0028】
図1および図2に示すように、加湿ユニット10は水圧計55、圧力計56、風量調整ダイヤル57を有しており、ニードル弁24の開度制御とフロートバルブ22の設定水位調整によって水圧を調整して噴霧量を調整し、精密レギュレータ29の調整によって圧縮空気圧を調整して噴霧粒子径を調整し、風量調整ダイヤル57の操作によって風量コントローラ53を調整して送風機14の風量を調整する。
【0029】
以下、上記した構成における作用を説明する。精米工程で精米された米は投入口7aからパケットコンベア3の各パケット3aに投入され、搬送ダクト2の上昇路2aを移動する。搬送ダクト2の上端でパケット3aが反転して排出口7bに米が投入され、米が次工程に移動する。搬送エレベータ1の搬送ダクト2には周囲の室内空気が吸込み口6から流入し、搬送ダクト2の上昇路2aおよび降下路2bを通って排気系5へ流れ出る。
【0030】
搬送ダクト2の上昇路2aは保湿ケーシングとして機能し、送気路12、還気路13および噴霧チャンバー11とによりループ回路を形成する。送風機14の駆動により搬送ダクト2から還気路13を通して還気する空気、ここでは保湿用空気に噴霧ノズル25a、25bからコロイド相当粒径、例えば平均粒径数マイクロメートルの細霧を噴霧する。
【0031】
ここで、加湿ユニット10の運転を説明する。
1.予備段階(送風)
前工程の精米工程を行なっていない時は、吸込み口6から吸い込む室内空気も、搬送ダクト2の内部も温度は低く、相対湿度が65%以上である。このため、送風機14の運転により保湿用空気をループ回路で循環させる状態で、第1温度リミッター30および第2温度リミッター32が空気温度20℃以下でOFFするので、湿度調節器31が空気の相対湿度65%以下でONし、結露リミッター33が空気の相対湿度85%以下でONしても、電磁弁28は閉じた状態を維持し、加湿は行なわれない。
2.加湿段階
精米工程の稼動によって、上昇路2aの下端においてパケット3aに米が投入されることで、吸込み口6から吸い込む室内空気も、搬送ダクト2の内部も温度が20℃以上に上昇し、相対湿度が低下する。例えば、米および周囲の雰囲気は、40℃、相対湿度3%、絶対湿度1.5g/kgとなる。
【0032】
このため、送風機14の運転により保湿用空気をループ回路で循環させる状態で、第1温度リミッター30および第2温度リミッター32が空気温度20℃以上でONし、湿度調節器31が空気の相対湿度65%以下でONし、結露リミッター33が空気の相対湿度85%以下でONして、電磁弁28が開動し、加湿を行なう。
【0033】
つまり、コンプレッサー27から精密レギュレータ29を介して高圧空気を噴霧ノズル25a、25bに供給し、噴霧ノズル25a、25bが給気系26から供給する高圧空気(空気吐出圧0.3MPa以上)を駆動圧としてエゼクタ作用により給水系16の純水を取り出し、純水と高圧空気の2流体を衝突させてコロイド相当粒径、例えば平均粒径数マイクロメートルの細霧を発生させ、発生した細霧を噴霧チャンバー11の内部に噴霧する。
【0034】
このコロイド相当粒径の細霧は加湿吸収距離、つまり加湿水分が空気に取り込まれるまでに空間的に広がる距離が短いので、噴霧チャンバー11の内部に結露することなく気化して保湿用空気を細霧冷却加湿する。
【0035】
この水のコロイドは負に帯電しており、質量力ではなく、クーロン力が水のコロイドに作用する。水のコロイドどうしは互いに反発しあい、加湿吸収距離を越えても、凝集し難く、他の物への落下・衝突も起こり難いので、他のものを濡らすことが少ない。
【0036】
図4に示すように、保湿用空気は湿球温度一定の下で温度が低下し、かつ湿度が上昇し、ここでは還気した40℃、相対湿度3%、絶対湿度1.5g/kgの空気が20℃、相対湿度65%、絶対湿度9.5g/kgの空気となる。
【0037】
細霧冷却加湿した保湿用空気はエリミネーター15を通過し、送気路12を通して搬送ダクト2の上昇路2aへ流入する。そして、上昇路2aの下端においてパケット3aに投入された米を、20℃、相対湿度65%、絶対湿度9.5g/kgの保湿用空気中に保持することで保湿する。
【0038】
つまり、搬送ダクト2の内部へ直接に細霧冷却加湿した保湿用空気を供給し、搬送ダクト2の内部の保湿用空気を米より低温で、20℃、相対湿度65%、絶対湿度9.5g/kgに維持することで、米の周囲の雰囲気を湿度の高い状態に維持でき、過乾燥に起因する米表面の亀裂発生を防止できる。また、40℃の米を20℃の保湿用空気で早期に冷却し、米の品質の低下を阻止できる。
【0039】
そして、米の蒸発を抑制して平衡含水率、つまり大気の湿度と平衡し、水分蒸発や吸湿が起こらない含水率に維持する。ここで米は含水率15%程度が食味上において好ましく、平衡含水率15%を実現する雰囲気の相対湿度は65%(20℃)である。よって、細霧冷却加湿によって保湿用空気を相対湿度65%(20℃)に維持することにより、米を平衡含水率15%に維持する。
3.加湿停止
加湿が進み、搬送ダクト2の内部が相対湿度75%以上となるか、温度が20℃以下となると、送風機14の運転により保湿用空気をループ回路で循環させる状態で、第1温度リミッター30および第2温度リミッター32が空気温度20℃以下でOFFし、湿度調節器31が空気の相対湿度75%以上でOFFし、結露リミッター33が空気の相対湿度85%以下でONする状態で、電磁弁28が閉動し、加湿を停止する。
【0040】
加湿ユニット10は、ニードル弁24の開度制御とフロートバルブ22の設定水位調整によって水圧を調整して噴霧量を調整し、精密レギュレータ29の調整によって圧縮空気圧を調整して噴霧粒子径を調整し、風量調整ダイヤル57の操作によって風量コントローラ53を調整して送風機14の風量を調整することにより、精米量に応じて保湿用空気の空気量を調整することができる。また、結露リミッター33が空気の相対湿度85%以上を検知するとOFFし、加湿を停止する。
【0041】
よって、精米工場等において精米ライン周囲の温度および湿度の環境に左右されることなく、如何なる条件下であっても適切な保湿用空気を安定して供給することができ、加湿対象の米の水分消失を最小限に抑え、かつ結露等の重大問題を回避できる。しかも、加湿ユニット10は精米工場等にある既存の搬送エレベータに装着可能である。
4.精米停止
精米が停止した時には、吸込み口6から吸い込む室内空気も、搬送ダクト2の内部も温度が低下し、相対湿度が65%以上となる。このため、送風機14の運転により保湿用空気をループ回路で循環させる状態で、第1温度リミッター30および第2温度リミッター32が空気温度20℃以下でOFFし、湿度調節器31が空気の相対湿度65%以下でONし、結露リミッター33が空気の相対湿度85%以下でONしても、電磁弁28は閉動し、加湿を停止する。
【0042】
上記の実施の形態では、本発明における保湿ケーシングとして精米工場内における精米工程の搬送ダクトを例示したが、本発明の適用は上述した構成に限るものではなく、例えば、保湿ケーシングはその他の農産物の搬送ダクトや、冷蔵庫や食品庫といった貯蔵設備であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態における保湿装置を示す模式図
【図2】同保湿装置の加湿ユニットを示す模式図
【図3】同保湿装置の制御回路図
【図4】同保湿装置における細霧冷却加湿の作用を示す湿り空気線図
【図5】同保湿装置のノズル部の要部を示す模式図
【図6】同保湿装置の要部を示す模式図
【符号の説明】
【0044】
1 搬送エレベータ
2 搬送ダクト
2a 上昇路
2b 降下路
3 パケットコンベア
3a パケット
4 搬送ダクト駆動部
5 排気系
6 吸込み口
7a 投入口
7b 排出口
10 加湿ユニット
11 噴霧チャンバー
12 送気路
13 還気路
14 送風機
15 エリミネーター
16 給水系
17 浄水器
18 オートシャットバルブ
19 給水管
20 膜純水ユニット
21 貯留槽
21a 排水電磁弁
22 フロートバルブ
22a 水位調整ナット
23 純水供給管
24 ニードル弁
25 ノズル部
25a、25b 噴霧ノズル
26 給気系
27 コンプレッサー
28 電磁弁
29 精密レギュレータ
30 第1温度リミッター
31 湿度調節器
32 第2温度リミッター
33 結露リミッター
50 制御回路
51 電源回路
52 運転スイッチ
53 風量コントローラ
54 排水スイッチ
55 水圧計
56 圧力計
57 風量調整ダイヤル
【出願人】 【識別番号】000104836
【氏名又は名称】クボタ空調株式会社
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【識別番号】000112211
【氏名又は名称】ピーエス工業株式会社
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】 【識別番号】100113859
【弁理士】
【氏名又は名称】板垣 孝夫

【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘

【識別番号】100096437
【弁理士】
【氏名又は名称】笹原 敏司

【識別番号】100100000
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 洋平


【公開番号】 特開2008−43881(P2008−43881A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222136(P2006−222136)