トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般

【発明の名称】 実験台
【発明者】 【氏名】柴田 直哉

【氏名】石神 道雄

【要約】 【課題】化学等の実験を行なうとき用いる実験台で、4方向での独立した実験を行ない得るようにする。又、実験を行なう天板下部に設置される収納庫の向きの変更を可能にし実験者が行なう実験の向きの変更が可能で実験の自由度を大にする。

【解決手段】天板上の相対する2方向での実験を行なう実験台で、中央のユーティリティー部分を変化させることなく、相対する2方向の間の他の2方向にての実験を可能にして4方向での実験が可能となり、更に実験にて用いる機器類を収納する天板下部の収納庫を夫々ユニット化し、これにより収納庫の向きの変更を可能にし、実験を行なう向きの自由度を増大させた。又一人の実験者が近接した2面での実験を行なうことが可能になり、一人の実験者が関連する複数の実験を行なうことが容易になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に配管スペースを有する実験台で、天板上の前記配管スペースを囲む4面を作業面とし、天板上での4方向よりの作業を可能にした実験台。
【請求項2】
前記天板の作業面下部の収納庫を複数のユニットにて構成したことを特徴とする請求項1の実験台。
【請求項3】
前記複数のユニットを異なる複数種類の組み合わせとし、ユニットの配置の変更を可能にした請求項2の実験台。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、化学の実験等に使用する実験台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化学の実験等に使用される実験台には各種のタイプがあった。
【0003】
そのうちの代表的なものの一つとして、図8、図9に示すような実験台がある。尚、図8は平面図、図9(A)は正面図、図9(B)は側面図である。それは、図8に示すように相対する2面にて、例えば一人づつの実験者A、Bが天板12上のうち2方向の符号12A、12Bにて示す面上にて作業を行なうものである。このようにこのタイプの実験台は2面のみでの作業で、作業量が限られたものになる。
【0004】
又、一般に実験台は、各種の機器を用いて行なわれ、これら機器の収納や配置のスペースが必要となる。又、薬品を使用することが多く、これら薬品類を収納するスペースが必要となる。
【0005】
これらの理由から、実験が行なわれる天板12の下部は、図9に示すように一般に収納庫になっており、この天板12の下の収納庫17内に実験にて用いる機器類や薬品類を収納し、これらを必要に応じて取り出して利用している。また、収納庫17の左右に引き出し18が配置されているものもある。更に中央の符号16に示す実験台の中間部分は、一般に天板12の下部に実験の際に使用される水道水やガスバーナーに供給するための水道管やガス管あるいは電源よりの配線が設けられている。そして、それらに接続する水道栓、ガス栓やコンセント等が実験台の中央部分16に設置されている。そして、これら水道栓、ガス栓、コンセントよりチューブを介して、水道水の供給やガスバーナーの接続やコンセントよりコードを用いて機器類への電力の供給等を行なっている。
【0006】
また、実験台の中には、この中央部分16に試薬棚を設置し、使用する薬品類を収納するようにしたものもある。この場合、前述の水道栓、ガス栓、コンセントは、中央下部の配管に近い試薬棚の下端の壁面に設置したものが多い。
【0007】
このように、図示する従来の実験台では、前述のように向かい合った2人(2ケ所)にての実験に限られる。
【0008】
その上、収納庫も天板の実験を行なう下の部分に限られ、十分とはいえない。
【0009】
又、実験内容によっては、実験台上にて行なっている実験の他これに関連する他の実験等を平行して行う必要があるものもある。
【0010】
前記の図8は、実験台を使用する実験室の概要を示すもので、この例では実験室の中央に前記の実験台10が配置されており、実験室の壁面には予備の実験台(サイド実験台)13、14、15が設けられている。
【0011】
しかも、図示していないが実験台の天板の下の収納庫では、収納し得ない機器類特に収納し得ない大きな機器類が実験室の中の実験の邪魔にならない適宜位置におかれることもある。
【0012】
このように、実験内容によっては、中央の実験台にての作業と共に壁面のサイド実験台へ移動しての実験を行なう必要がある。しかも、実験の内容によっては、中央の実験台10とサイド実験台13、14、15との間の移動を繰り返しながら実験を行なわねばならなかった。
【0013】
また、一方の実験者Aがサイド実験台のうちの遠い方のサイド実験台13に移動しての実験を行なう場合や、その逆の実験者Bがサイド実験台15に移動しての実験が行なわれることもしばしばある。
【0014】
又、前述のように、実験台の天板の下は、一般に器具、機器等を収納する収納庫になっている。この収納庫は、内部に仕切り棚を設けることにより、作業が行ない易いように機器の種類等に応じた実験に好ましい収納配置を行なうことが望ましい。
【0015】
しかし、従来の実験台は相対する2面での実験であり、互いに向かい合った実験が行なわれる。そのため、収納庫への機器等の出し入れは実験を行なうものの側からの出し入れ、つまり前面側と背面側からの出し入れとなる。したがって、収納庫の機器類の配置方法も限られたものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、一つの天板上で4方向にての実験を行ない得る実験台を提供するものである。
【0017】
又、本発明は、4方向にての実験を可能にした実験台で、その天板下部に設けられている収納庫の配置や向き等を変更し得る構成にした実験台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の実験台は、相対する2方向での実験を行なう面に加え、左右にても実験を行ない得るようにしたことを特徴とする。
【0019】
これにより、実験台上での作業を4ケ所にて行ない得て、一度に多くの実験者による数多くの異なる実験を行ない得る。
【0020】
特に配管等が行なわれ、また水道栓やガス栓、更にコンセントの設置される中央部分(ユーティリティ部)やその下部等に変更を加えることなく、4面にての作業を可能にした。
【0021】
更に、同一の実験者が複数の実験を行なう場合、一人の実験者が使用する側面の左右方向のうちのいずれかの面での実験をも行ない得るため、二つの側面間の移動距離が少なくてすみ、又ほとんど移動せずに例えば二つの実験を行ない得る。
【0022】
又、サイド実験台を設置しなくともほとんどの実験を行なうことが可能になり、実験室内の有効利用が可能になる。例えば、従来サイド実験台を設置した個所に機器を設置したり、薬品等の収納庫の設置が可能で、収納スペースが増大すると共に実験に適した機器や薬品の整理された保管が可能になり、効率の良い実験を行ない得る。
【0023】
又、本発明の実験台は、前記のように4面にての実験が可能であり、それにより天板下部の収納庫をその物品の収納口の方向等の変更を可能にしたもので、使用方法の自由度が増大する。
【0024】
そのため本発明の実験台は、天板の下に配置する収納庫をユニット化することも一つの特徴であり、しかも大きさ、形状等の異なるユニットを構成しそれらを選択使用することにより、配置の変更が簡単になり、実験内容に応じた好ましい配置にすることが容易である。
【0025】
特に中央のユーティリティ部分もユニット化し、このユニット化されたユーティリティ部分、ユニット化された各収納庫の形状やそれらの組み合わせにより、適切なユニット化された各部の構成の選択が自由になり、ユニット化された各部の組み合わせの変更により、配置等の変更が簡単に行ない得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実験台は、作業面の増加により独立して同時に行ない得る実験の数が増大し、そればかりか関連した実験を同時に行なう時の効率化を図ることが可能になる。又作業面の増大によるその下部の収納庫の出し入れ口の向きも含めた配置その他の自由度が増大する。特にユーティリティ部のユニット化、各収納庫のユニット化により、ユニット化された各部の配置や全体構成の変更が簡単に行ない得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の形態を図示する実施例にもとづいて説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は本発明の実験台の実施例を示す図で、実験室全体の配置の概要を含めて記載した図である。
【0029】
図において、1は本発明の実験台(中央実験台)で、一つの天板2を四つの実験用スペース2a,2b,2c,2dにて構成し、4方向の2A、2B、2C、2Dにての実験が可能な形状、構成にしてある。したがって、相対して向かい合う実験者A、Bの2人に加えて、左右の位置(実験用スペース2c,2d)にて実験を行なう実験者C、Dによる使用が可能になる。
【0030】
又、A、B、C、Dの4人による独立した実験(従来の2倍の独立した実験)が可能となる他、例えばAとBの2人の独立した実験を行なう場合、同時に平行して行なう関連した実験を行なう際に、左右の実験用スペース2c,2dの利用が可能になる。これによって、図8にて示す従来例のように、例えば壁面に設置した予備のサイド実験台が不要になる。そればかりか、実験者の移動距離が大幅に短くなる。例えば、作業者Aが、壁面のサイド実験台に移動する代わりに、左右のいずれかの実験用スペース2c,2dを利用して側面にての実験を行なえば良く、実験の切り換えのための移動が極めて楽になる。しかも前述のように左右のいずれの場合も僅かな移動ですみ、図8に示す従来例における作業者Aがサイド実験台13を利用する場合や逆に作業者Bがサイド実験台15を利用する場合のような不便さは完全に解消される。
【0031】
その上、作業者Aが実験用スペース2cや実験用スペース2dを利用する場合も、作業者Bがその左右の実験用スペース2c,2dを使用する場合も作業面は同一の天板上であり、薬品類や実験中の試料の移動が天板面上にて行なわれるため、大幅な作業時間等の短縮が可能になる。特に従来例の場合、薬品や試料の移動中にあやまって、薬品、試料等をこぼすことや、破損等が起こり得るが、本発明においては、天板上の移動であるためその危険性は極めて少ない。
【0032】
また、実験室内で従来サイド実験台を設置してあった個所に機器類を置くことが可能になり、機器類の整理した配置も可能になる。
【0033】
また、前記の場所を収納庫とすることにより、薬品類の整理した収納が可能になる。
【実施例2】
【0034】
図2は、本発明の実施例2で天板下部の収納庫の配置に特徴を有する実施例である。
【0035】
この実施例2においては、収納庫のユニットとして、長方形状の二つのユニット5Aと正方形状の二つのユニット5Bを図示するように配置してある。また、中央のユニット6は、水道管、水道栓、ガス管、ガス栓、電源用のコンセントおよびコード等を収納配置したユーティリティユニットである。
【0036】
この実施例は図示するようなユニットが配置された上に天板を設置したもので、実施例1と同様に、天板上で4方向よりの実験が可能な実験台である。
【0037】
そして、この実験台は、収納庫における機器や薬品の出し入れは、いずれも図面の上方向および下方向のみにて行なわれる配置である。
【0038】
次に図3は、同じユニットを用いての他の配置例を示す。この例では、正方形状のユニット5Bを90°回転させたもので、これによってユニット5Aは図面上下方向よりの使用となり、一方ユニット5Bは図面左右方向よりの使用となる。
【0039】
このように、本発明の実験台は、例えば、ユニットの配置位置の向きの変更により、異なった使用が可能になる。
【実施例3】
【0040】
本発明の他の実施例3は、図4に示す通りの構成である。
【0041】
この実施例3の実験台は、図4に示すように、中央のユーティリティユニット7がほぼ正方形状をなし、その周辺に四つのユニット8が図のように配置した構成である。
【0042】
この実施例3は、4面にての実験が行なわれるもので、その特徴は、各実験用天板および収納庫よりなるユニット8が同じスペースである。そのため同じ条件での独立した四つの実験を行ない得るようにしている。
【0043】
又、一人の作業者が関連する二つの実験を行なう場合も、好都合な構成である。
【0044】
又、この実施例3は、図4のようにユーティリティユニットをほぼ正方形状とし、そのスペースを小さくした点も特徴の一つである。そして、図5に示すように、ユーティリティユニット7を上方に高くしたタワー状としたことも特徴とする。
【0045】
このように、ユーティリティユニットをタワー状として、このユニットにコンセント21や水道栓22等や更に排水用ポット23を又、上部に棚24を設けることにより、使い勝手のよい構成にしてある。
【0046】
又、図5に示すように実験台としてのユニット8を、通常の高さの(立って実験を行なう高さ)のユニット8Aと、高さの低い座っての作業が可能なユニット8Bとを組み合わせ構成することも可能である。
【0047】
これにより、比較的長時間同じ作業を行なう場合、ユニット8Bを使用し、立っての作業が好ましい実験に関してはユニット8Aを使用するという使い分けが可能になる。しかも通常の高さのユニット8Aと低いユニット8Bとを隣接させることにより、両作業を一人の作業者が継続して行なう必要のある実験に対しても好ましい構成になし得る。
【0048】
更に、一組の実験台を複数組み合わせての使用も可能である。その例が図6に示すような組み合わせ配置である。図6に示す組み合わせでは、例えばA、Bの作業者が斜線にて示す天板上での作業が可能である。
【0049】
このように、図4に示すユニット7、8を組み合わせた実験台を組み合わせた構成にすることにより、より多くの独立した作業が可能となり、又、一人の作業者による複数の作業を行なう場合、より効率的な作業を行ない得る。
【0050】
尚、従来の実験台は、前面又はその反対側の背面の2面での作業を前提として作られている。そのために台輪部と称する実験台下部の脚部25が図7の(B)に示す形状である。つまり作業を行なう側は、脚部25が面26より内側に位置し、作業の際にこの脚部との間に一定の空間を形成し、作業の際に、作業者の足のつま先が実験台にあたらないようにしてある。しかし、図7(C)のように、作業面以外の側面は、脚部が端面に沿って形成されている。
【0051】
このような従来の実験台を、そのまま本発明の実験台として用いて側面の側にても実験を行ない得るようにした場合、図7の(C)に示す方向にての実験を行なう場合好ましくない。
【0052】
この点を考慮して、本発明では、図7の(A)、(B)に示すように、いずれの面においても脚部25を若干内側へ後退させた形状とし、空間を設けるようにした。これにより、いずれの面での作業も良好に行ない得る。
【0053】
また、上記の例のほか、各種形状のユニットを用意することにより、更に異なる各種使用形態の実験台が簡単な変更により可能になる。つまり、実験台の基本構成である4面での実験が可能な構成とした実験台であって、ユニットの配置の異なる実験台を構成し得る。したがって、実験内容に応じた最適なユニットの配置が可能であり、しかもその変更等を簡単に行ない得る。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、実験室内に配置された実験台で、化学実験等の実験を行なう際に使用するもので、独立して行なう作業面の数を増大させたことにより、一度に多くの種類の実験を行ない得ると共に、関連した実験で、同時又は連続して行なう必要のある実験を効率よく行ない得る。又実験を行なう天板下部の収納庫の配置等の自由度が増大し、特に中央のユーティリティ部分のユニット化、各収納庫のユニット化により天板下部の配置や構成の変更が簡単に行ない得る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例1の使用例を示す図
【図2】本発明の実施例2の各ユニットの配置を示す図
【図3】本発明の実施例2の各ユニットの他の配置を示す図
【図4】本発明の実施例3の各ユニットの配置を示す図
【図5】本発明の実施例3の正面図および側面図
【図6】本発明の実施例3の実験台を二つ組み合わせた際の配置例を示す図
【図7】本発明の実験台の脚部の構成の一例を示す図
【図8】従来の実験台における使用例を示す図
【図9】図8に示す従来の実験台の正面図および側面図
【符号の説明】
【0056】
2a,2b,2c,2d 各作業面
5A、5B、5C、5D 収納庫のユニット
6、7 ユーティリティユニット
【出願人】 【識別番号】000133467
【氏名又は名称】株式会社ダルトン
【出願日】 平成19年3月29日(2007.3.29)
【代理人】 【識別番号】100075867
【弁理士】
【氏名又は名称】向 寛二


【公開番号】 特開2008−246288(P2008−246288A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−87487(P2007−87487)