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【発明の名称】 実験台における機器類の固定装置
【発明者】 【氏名】大石 みちる

【要約】 【課題】実験台における作業を行なう作業面である天板上に置く機器類が実験中に移動しないように保持するための固定装置で、機器をいかなる位置にても固定し得るようにする。

【解決手段】実験台の背面側に設置された水平方向に伸びる連結パイプを設けた架台と、機器類を保持固定するための二つの固定部材とを有し、架台に設けられた連結パイプの適宜位置に二つの固定部材の取り付けおよび位置調整が可能な構成で、機器類を設置すべき位置にて架台の連結パイプに二つの固定部材を間隔をおいて取り付けこれら二つの固定部材にて機器類を挟み付けて所定位置に保持固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験台の実験を行なう天板上であって、作業者より離れた位置に配置された水平方向に伸びる一つの連結パイプを少なくとも有する架台と、前記架台の連結パイプの適宜位置に取り付け可能な二つの固定部材とを有し、実験にて用いられる機器類を二つの固定部材にて挟み保持することにより、前記機器類を適宜位置に固定するようにした固定装置。
【請求項2】
前記架台が少なくとも左右の支柱とこれに取り付けられた連結パイプとよりなる請求項1の固定装置。
【請求項3】
前記固定部材が、保持腕を有し、前記保持腕に固定する第1の取り付け金具と前記第1の取り付け金具に回動可能に接続され前記連結パイプに又は前記支柱に固定する第2の取り付け金具とを有し、前記第1の取り付け金具を二つの固定部材の保持腕に固定し他の第2の取り付け金具を連結するパイプ又は支柱に固定して、機器類を二つの保持腕にて保持するようにした請求項1又は2の固定装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、化学実験等を行なう実験台の天板上に実験にて使用する機器類を固定する固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天板上にて化学実験等の各種の実験を行なうために用いられる実験台は、実験の際に測定機器等の機器が置かれることがある。
【0003】
このような、実験に用いる機器類は、実験台上に固定する必要がある。
【0004】
この機器類を固定するための手段として、機器をベルトにて締め付け固定し得るようにした実験台の従来例として、下記特許文献1に記載された実験台が知られている。
【特許文献1】特開2003−260373号公報 この特許文献に記載された実験台は、図11、12に示すように、実験台の天板30の表面より所定の段差を設けて埋設された機器固定レールと、移動フック金具とこの移動フック金具に設けられた固定ベルト等を有し、この固定ベルトにより機器を固定するものである。そして移動金具を移動させることにより天板上の任意の位置に機器を固定するようにしている。
【0005】
この従来例の実験台は、天板上の作業を行なう箇所に段差を有するレールを設けているため、天板上での作業にとって好ましくない。又、この段差部分をなくして実験台上での作業に支障のないようにするためには蓋を設ける必要がある。そして蓋を設けた場合、機器の設置位置の変更や、新たに機器を設置する場合は、蓋を除いた後に移動金具を機器を設置する位置に移動して、ベルトにて締めて固定し、再度レール上に蓋をしなおしてから実験を行なう必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、天板上にレール等を設けることなしに、したがって天板表面を平面状のまま固定具を設置し、この固定具を利用して機器類を保持またはベルト締めにて固定するようにした機器類の固定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実験台における機器類の固定装置は、実験台の背面側(実験を行なうための作業者が位置する側とは反対側あるいは離れた位置)に設置する架台と、この架台に固定し得るようにした二つの固定部材とより構成され、この固定部材を架台に取り付けることにより天板上の適宜位置にて機器類を保持、固定し得るようにしたもので、更に固定部材にベルトを設けることにより、ベルトにて機器類を締め付けて固定することも可能にした。
【0008】
そのために、本発明の機器類の固定装置は、架台が少なくとも支柱にて支持された固定部材取り付け用のパイプを有し、固定部材が夫々パイプへの取り付けのための取り付け金具を有し、取り付け金具により保持部材を架台のパイプの適宜位置に取り付けて、機器類を保持または締め付け固定するようにした。
【0009】
更に本発明の固定装置は、保持部材に設ける取り付け金具を二つのコの字状の部材にて構成することにより、架台のパイプの適宜位置への保持部材の取り付けはもとより架台の支柱への取り付けも可能にした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の固定装置は、天板上に架台を設置するのみで、機器の形状、大きさに関係なく、しかも適宜位置に配置固定し得る。したがって、実験内容による最も望ましい位置への機器の設置が可能で、機器を用いての効率のよい実験が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の固定装置の実施の形態を図示する実施例にもとづいて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の機器類の固定装置の全体の構成を示すもので(A)は正面図、(B)は架台部分の右側面図である。1は実験台の作業を行なうための天板、2は架台で、この架台2は支柱(サイドフレーム)3や背面連結パイプ4等にて形成されており、天板1の背面側に設けられている。11、12は夫々固定部材で、図2に示すように、夫々L字状の保持腕13と斜めの保持腕14とにて形成されており、その背面には取り付け金具15が設けられている。尚、図1(A)には、固定部材11、12として図8に示す実施例2の固定部材を用いた例を記載してあるが、図2に示す固定部材と基本的役割は同じである。
【0013】
図3乃至図6は取り付け金具を拡大して示す図で、コの字状の第1の取り付け金具16と他の第2の取り付け金具20とにて構成されている。即ち、図3、図4は、第1の取り付け金具で、図3の(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図であり、又図4は斜視図である。
【0014】
又、図5、図6は第2の取り付け金具で、図5の(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図である。又図6は斜視図である。
【0015】
これら取り付け金具のうち金具16はボルト17と孔18を有し、又、他の金具20は孔21を有する。そして一方のボルト17を有する金具16を用いて、架台2の連結パイプ4を挿入してねじ止めする。
【0016】
つまり、図3、4に示す第1の取り付け金具16の断面コの字状の開口部分16aが上下にてパイプ4を挟むように挿入する。その上で、図5、6に示す第2の取り付け金具20をパイプ4と第1の取り付け金具16とを覆うように上方より挿入する。つまり、図4における一方の開口部分20aにてパイプ4を前後方向より(図1(A)において左より右に)、又、他の開口部分20bより第1の取り付け金具16を左右方向より挟むように取り付ける。これにより、第2の取り付け金具20は、パイプ4と第1の取り付け金具16とを覆うように保持される。ここで第2の取り付け金具20のねじ孔21を利用してパイプ4にねじ止めすれば、第2の取り付け金具20をパイプ4に固定し得ると共に第1の取り付け金具16をも締め付け固定することになる。つまり、第1、第2の取り付け金具16、20によりパイプ4に対して上下、前後を保持し固定される。
【0017】
したがって、第1の取り付け金具のボルト17に固定された固定部材11はパイプ4に確実に固定、保持される。
【0018】
同様に他の固定部材12も、固定、保持する機器等の大きさによる所定間隔へだてた位置でパイプ4に固定すればよい。
【0019】
このように、第1の取り付け金具16と第2の取り付け金具20とにより、パイプ4に対し水平方向、上下方向の締め付けにより固定部材11、12が強固に固定される。
【0020】
これにより、二つの固定部材11、12を架台2のパイプ4に取り付けることにより、両固定部材11、12にて機器を挟むようにして機器の保持、固定が簡単な手段にて可能になる。
【0021】
尚、移動し易い機器の場合、両固定部材を利用して機器をベルト締め等にて締めてもよい。
【0022】
しかし、両固定部材による機器の両側よりの締め付け固定により一般の機器の場合、ベルト締めをしなくとも十分に固定することが可能である。
【0023】
更に、固定部材11、12の先端に、機器類のずれ止めを設ければ前後方向の固定、保持も可能になる。この場合、ずれ止め位置の調整を可能にすればどのような大きさの機器に対しても対応し得る。
【0024】
又、固定部材は、図示する形状に限ることなく、全体が平板状の三角形、四角形等の形状としてもよく、又板の材料、厚さ等により強度が大である固定部材とすることが可能である。
【0025】
以上の説明は、左右に伸びるパイプへの取り付けについて述べた。しかし、同じ金具を用いて、上下に伸びるサイドパイプへの取り付けも可能になる。
【0026】
図7は、一方の固定部材を支柱(サイドパイプ)に取り付けた例である。
【0027】
この例では、第1の取り付け金具16を横向きにしてサイドパイプ3に固定し、第2の取り付け金具20を横方向より嵌合してねじ締めすることにより、同じ第1、第2の二つの取り付け金具16、20を用いて同様に固定保持し得る。 この例のように、一方の固定部材12をサイドパイプ3に取り付け、これにより左側に他方の固定部材11を前述の手段により設置する機器に応じた所定の間隔をあけてパイプ4に取り付けることにより、同様に二つの固定部材により機器を保持することができる。
【0028】
この例においては、一方の固定部材12がサイドパイプ3と並んで一体となった構成であり、固定部材12がサイドパイプ3により補強されるため好ましい。
【実施例2】
【0029】
本発明の実施例2は、図8に示すように保持部材の形状が長方形状のものである。更にこの実施例2は、取付腕25に固定されている第1の部材26と、この第1の部材に重ね合わされこれに対し摺動可能に取り付けられた第2の部材27とよりなり、これにより保持部材全体の長さを変更し得る。したがって、保持する機器の大きさや長さに応じた適切な長さに変更、調整が可能になる。
【0030】
そのため、大きな機器であっても、全体の長さを長くすることによって安定した保持が可能になる。逆に小さな機器を保持する場合、機器の大きさに合わせて短くすることができ、保持部材のみを必要以上に長くすることにより、天板上での作業の邪魔をなくすことができる。
【0031】
又、この実施例2の保持部材は、第2の部材26の先端に爪27を設けてある。この爪27により、機器の移動を阻止し、二つの保持部材による挟み付けと合わせて確実な固定が可能になる。
【0032】
以上のように、本発明の固定装置によれば、天板1上に架台2と二つの固定部材11、12により、架台2のサイドパイプ3、5の間の任意の位置での機器の保持が可能である。
【0033】
しかも、天板1自体、特に作業を行なう部分には、部品等の取り付け等はなく、平面の作業面が十分に確保されている。
【0034】
尚、実施例の固定装置は、図1に示すように架台2の上部つまり連結パイプ4の上部を棚として使用することが可能である。このように、本発明の固定装置は、機器類の保持、固定により、実験の邪魔にならない位置に実験にて用いる機器類の設置と、実験中機器類の移動のない安定した実験を行ない得る。それと共に、架台に棚を設けることにより、実験にとって一層便利になる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の固定装置は、化学実験等に使用する実験台の天板上に設置する実験にて用いる機器類の天板上においての実験の際に、機器類が移動することなく安定した設置を可能にするもので、二つの保持部材により適宜位置への機器の固定が可能である。これにより、最適な位置への機器の配置が可能であり、機器の移動のほとんどない安定した実験が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1の構成を示す図
【図2】実施例1で用いる保持部材を示す図
【図3】実施例1で用いる第1の取り付け金具を示す図
【図4】前記第1の取り付け金具の斜視図
【図5】実施例1で用いる第2の取り付け金具を示す図
【図6】前記第2の取り付け金具の斜視図
【図7】実施例1において架台の支柱への保持部材の取り付け方法を示す図
【図8】本発明の実施例2で用いる保持部材を示す図
【図9】実施例2で用いる保持部材を架台のサイドパイプへ取り付けた状態を示す図
【図10】実施例2で用いる保持部材を支柱へ取り付けた状態を示す図
【図11】従来の実験台の正面図
【図12】従来の実験台の側面図
【符号の説明】
【0037】
1 天板
2 架台
3 支柱
4 サイドパイプ
11、12 固定部材
【出願人】 【識別番号】000133467
【氏名又は名称】株式会社ダルトン
【出願日】 平成19年3月12日(2007.3.12)
【代理人】 【識別番号】100075867
【弁理士】
【氏名又は名称】向 寛二


【公開番号】 特開2008−221099(P2008−221099A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−61332(P2007−61332)