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【発明の名称】 ドラフトチャンバー
【発明者】 【氏名】春原 伸次

【氏名】村松 徹郎

【要約】 【課題】本発明は、ドラフトチャンバーの作業台の先端部の構成を作業のために用いる機器に接続するチューブやコードが邪魔にならないようにする。

【解決手段】本発明のドラフトチャンバーは、作業台4の先端部4aに設けられた整流板31を回動可能に保持したもので、作業台上の機器類に接続するチューブ36、コード35を整流板31を開いて保持した後に閉じることにより、整流板31によるチューブ36やコード35が作業者の作業の邪魔にならないように保持し得るようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業室と、その下面の作業台と、作業台先端に設けられている整流板とを備え、前記整流板が開閉可能であることを特徴とするドラフトチャンバー。
【請求項2】
前記作業台の先端部分で、前記整流板の下部にラックを設けたことを特徴とする請求項1のドラフトチャンバー。
【請求項3】
前記ラックがその側壁に多数の孔を有する形状であることを特徴とする請求項2のドラフトチャンバー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はドラフトチャンバーに関するもので、特にドラフトチャンバーにおける作業台の先端部分の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドラフトチャンバーは、周知のように化学薬品等を使用しての実験の際にガスや粒子等の危険物質が発生し、これによる作業者(実験者)等への悪影響を除くために、これら危険物質を囲い込んで排気する装置である。
【0003】
このようなドラフトチャンバーにおいて、その前面の作業面端部に作業面における排気気流をスムーズにすると共に逆流を低減させることを目的としたエアホイルと呼ばれる整流板を設けたドラフトチャンバーが知られている。
【0004】
このような整流板を設けたドラフトチャンバーの従来例として下記特許文献に記載されている装置がある。
【特許文献1】特開平8−131850号公報 この特許文献1の従来例は、図6、図7に示す通りの構成である。即ち、図において1はドラフトチャンバー本体で、作業室2と収納室3とを有し、作業室2には作業台4が設けられ、作業室2内の作業台4の上で化学実験等の作業が行なわれる。
【0005】
又、作業室2の前面開口部分には、この開口部分の開閉を行なう昇降扉9が設けられている。一方、作業室2の背面には、排気路を形成する背面仕切板が形成され、本体上部には排気口14が形成され、作業室内のガスが排気路13を通って排気口14より排出されるようにしている。これにより、前述の通りの作業の際に発生するガス等の危険物質を排出して空気の入れ換えが行なわれるようにしている。
【0006】
又、作業台4の先端部分(開口側)には、空気通路形成板(前述のエアホイルと呼ばれている整流板)24が設けられている。
【0007】
この空気通路形成板24を設けることにより、作業面における排気気流をスムーズにすると共に逆流を低減し、更に作業者が前面に立った時、作業面近傍での乱流を低減させている。
【0008】
このようなドラフトチャンバーでの作業に際して、作業の種類に応じて、各種の機器を作業台上に設置して作業を行なうことがある。
【0009】
一方、電源用コンセント類は、ガス等による腐食を防止するために作業室外の左右ポスト部またはエアホイル下部のユーティリティー供給パネル部に設けられている。例えば、図7に示す従来例の場合、空気通路形成板(エアホイル)の表面に電源用のコンセント30が設けられてこのような従来のドラフトチャンバーにての作業に際し、前述のような作業台上に各種機器を置いての作業の場合、外部のコンセントにコードを接続する必要がある。
【0010】
更に下台(収納室)3には、各種機器が設置されており、これら機器からの冷却水チューブ、真空用チューブ、ガス用チューブ、配線等がドラフトチャンバーの作業室2内に導入されることが多い。
【0011】
そのために、作業台の前面には、これら各種チューブやコードが置かれることになる。例えば、図8に示すような状態になる。
【0012】
このように作業者の立つ位置にチューブやコード等が置かれ作業の邪魔になる。又、作業の邪魔にならないように、チューブやコードを左または右端においたとしても、機器の移動や作業者の動きによりチューブ、コードが移動することにより、作業に支障をきたすことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、以上述べたような従来のドラフトチャンバーの欠点を解消するためになされたもので、ドラフトチャンバーの作業台先端部の構成、特にエアホイル(整流板)をチューブやコードを好ましい配置にし得るよう構成したドラフトチャンバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のドラフトチャンバーは、作業室の作業台の前面に整流板を設けたもので、この整流板を回動し得るようにして開閉可能に保持したことを特徴とする。
【0015】
これにより、作業台上にてチューブ、コード等を使用する必要のある機器を配置しての作業を行なう場合、整流板を開いて、チューブ、コード等を空気の流路を形成するための作業台と整流板との間を通した後に整流板を閉じるようにした。
【0016】
これにより、整流板を閉じた後は、チューブやコードが作業台先端部と整流板の狭い間隙内に配置され、作業者に直接触れることがなく、作業の邪魔にならず、又作業中にチューブやコード等の移動を防ぐことができ作業に支障をきたすことが全くなくなる。
【0017】
又、本発明は、作業台先端部分で、前記の開閉可能な整流板下部(内部)にラックを配置したことを特徴とする。
【0018】
このように、整流板下部にラックを配置したことにより、使用するコード等が長い場合も、このラック内に収納することにより作業に支障をきたさないように保持し得る。特にラックを整流板下部に位置するように構成したもので、これにより収納配置したコード類が整流板にて覆われるため、作業にとって極めて好ましい。このラックは、作業台の前面部分の整流板の下の適宜位置に固定されているが、単に置くだけでも良い。そして必要に応じて配置位置の変更や移動を行ない得るようにしてもよい。
【0019】
更に、前記の作業台の整流板下部にガイド溝を設けてもよい。そしてラックを摺動可能に保持することにより、収納したコード類を適切な位置に置くことが可能になる。
【0020】
又、ラックの形状を後の実施例にて示すものとすれば、通気性を十分保持し得ることと、チューブやコードを確実に保持し得る点で好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のドラフトチャンバーは、整流板を開閉可能にすることにより、作業に必要な各種機器のチューブやコードを作業に支障のない等の好ましい配置が可能になる。又、整流板の下にラックを配置することにより、長いコードもまとめて配置することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のドラフトチャンバーの実施の形態を図示する実施例にもとづき説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明のドラフトチャンバーの実施例は、図1乃至図3に示す通りの構成である。
【0024】
図1は、本発明のドラフトチャンバーの正面図、図2は側面図、図3は、整流板の構成を説明するための整流板付近を拡大して示した概略図である。
【0025】
本発明のドラフトチャンバーは、図1、2に示すように本体1と作業室2と収納室3等よりなり、作業台4の先端4a付近に回動可能に整流板31を設けた構造である。つまり、ドラフトチャンバーの側壁32に設けた軸32aにより回動可能に保持されている。
【0026】
このドラフトチャンバーは、整流板31が可動可能であるため、図3における(A)のように整流板31を閉じた状態より(B)のように開いた状態に可動し得る。
【0027】
これにより、作業を行なう際に作業台4の先端部4aに配置されるチューブやコードを図3(B)に示すように整流板31を開いた上で、作業台4と整流板31との間に例えばコード35を通してコンセントに接続する。その後整流板31を閉じれば、コードは整流板31にて覆われた状態にて保持される。
【0028】
図4は、コード35やチューブ36を、作業台4の先端4aと整流板31の間に配置して整流板31を閉じた状態を示す。この図のように作業面の前面では、チューブ、コードが整流板31の下部を通り、整流板31にて覆われた状態になる。
【0029】
したがって、作業者がドラフトチャンバーの前面(作業台の先端)に立って作業してもチューブやコードに邪魔されることがない。
【0030】
又、図示する実施例のドラフトチャンバーは、作業台の先端部つまり整流板31の下部に図5に示すような形状のラック34を固定配置するようにしてある。そして、このラック34を用いることにより、例えば、図5(B)に示すようにチューブやコード35(36)を配置することにより、チューブやコードが移動するのを防止し得る。またチューブやコードを折って、ラック34内に配置することによりチューブやコードを必要以上のスペースをとることなしに配置し得るので好ましい。
【0031】
このラックは、作業台4の整流板31の下部に固定されている。しかし、ラック34を作業台4に固定することなく、整流板31の下部の適宜位置に載せてもよい。そして必要に応じて整流板31の下部にて移動させてもよい。その場合、整流板下部にラックガイド溝を設け、ラック34を、このラックガイド溝に沿って摺動可能にすれば、作業により最も望ましい位置にチューブやコードが置かれるように、ラックを移動させて設置することが容易になる。
【0032】
このラック34の構造は、チューブやコードを収納保持し得るものであればよいが、図示するように多数の孔34aを形成することにより、作業台4と整流板31の間の空気の流路中に配置しても、前記孔34aを空気が流れ、通気を確保し得るため望ましい。又、ラック34の孔34aのいずれかにチューブまたはコードを通すことにより、チューブやコードを動き得ないように保持し得るため好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のドラフトチャンバーは、その作業台の先端に設けられ整流板を開閉し得るように回動させるようにしたもので、この整流板を開くことにより、チューブやコードを整流板にて保持のための操作が容易になり、しかも整流板を閉じることによりチューブやコードが作業の邪魔にならないようにすると共に、作業台上の作業面上における空気の流れをスムーズにし又逆流を防止する等の整流板としての作用は十分確保し得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のドラフトチャンバーの正面図
【図2】本発明のドラフトチャンバーの側面図
【図3】本発明のドラフトチャンバーの要部の拡大断面図
【図4】本発明のドラフトチャンバーの要部の拡大斜視図
【図5】本発明のドラフトチャンバーにて用いるラックの拡大斜視図
【図6】従来のドラフトチャンバーのエアーの流れを示す側面図
【図7】従来のドラフトチャンバーの正面図
【図8】従来のドラフトチャンバーのコード、チューブの配置状態を示す図
【符号の説明】
【0035】
1 ドラフトチャンバー本体
2 作業室
3 収納室
4 作業台
31 整流板
34 ラック
35 コード
36 チューブ
【出願人】 【識別番号】000133467
【氏名又は名称】株式会社ダルトン
【出願日】 平成19年2月13日(2007.2.13)
【代理人】 【識別番号】100075867
【弁理士】
【氏名又は名称】向 寛二


【公開番号】 特開2008−194608(P2008−194608A)
【公開日】 平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願番号】 特願2007−32015(P2007−32015)