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【発明の名称】 安全キャビネット
【発明者】 【氏名】小野恵一

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風手段により第一の空気清浄手段を通して作業空間に清浄空気を供給する給気系と、前記作業空間前面に形成する前面シャッタと、前記前面シャッタ下部の作業空間に連接する前面開口部と、前記前面開口部から空気を吸込み、第二の空気清浄手段を介して装置外へ空気を排出する排気系と、前記第一及び第二の空気清浄手段と前記送風手段に連接する圧力チャンバを有する安全キャビネットにおいて、
前面開口部の開口寸法に応じて作業空間に供給する吹き出し風速と、前面開口部から吸込む吸込み風速を制御することを特徴とする安全キャビネット。
【請求項2】
請求項1記載の安全キャビネットにおいて、前面開口部の開口寸法に応じて、作業空間に供給する吹き出し風速と前面開口部から吸込む流入風速を、個別に制御したことを特徴とする安全キャビネット。
【請求項3】
請求項1記載の安全キャビネットにおいて、作業者の身長の高さに応じて、前面開口部の床からの位置を変更可能にすることを特徴とする安全キャビネット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医療、製薬などの遺伝子操作や、感染症の研究など病原体等の研究において、微生物・病原体などの取り扱いにより発生する災害を防止する清浄作業台、いわゆるバイオハザード対策用安全キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微生物・病原体などを取り扱う場合、取り扱う微生物・病原体を人・環境から物理的に隔離する一次バリアとして安全キャビネットが用いられている。安全キャビネットの隔離性能を維持するためには、作業空間に供給する清浄空気の吹き出し風速と、前面開口部から吸込むエアバリアの流入風速の維持が重要である。従来技術による安全キャビネットを特許文献1(特開昭62−132550号公報)に示す。従来技術による安全キャビネットは、前面開口部から吸込まれる流入風速を一定に維持するため、前面開口部の開口寸法は、固定位置で使用される。従来技術では、安全キャビネットを使用した場合は、清浄手段であるHEPAフィルタが目詰まりし、その圧損抵抗が変化した場合でも、性能維持に必要な風速を風速検知センサーにより検知し、その風速が設定値内に収まるようにブロア(送風機)を制御している。
【0003】
【特許文献1】特開昭62−132550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の安全キャビネットは、日本工業規格 JIS K3800:2000に示すように、作業空間内の微生物・病原体を入れ、内部の微生物・病原体を外部の雑菌から保護するとともに、作業空間内部の微生物・病原体が外に漏洩しないよう、作業空間内に吹き出す清浄空気の風速と、前面開口部から吸込む流入風速を一定の値に維持することで、作業空間内部と外部を物理的に隔離する性能を維持している。従来技術による安全キャビネットでは、この前面開口部の流入風速を一定に保つために、前面開口部寸法は、200mmなど一定の開口寸法に固定し、使用していた。使用者は、この前面開口部から腕を作業空間内に挿入し、微生物・病原体の取り扱いを行う。また、前面開口部の上部の前面シャッタを通し、作業空間内を覗き込む形となる。
【0005】
従来技術による安全キャビネットでは、微生物・病原体取り扱い時の前面開口部寸法が固定寸法であるため、作業空間に挿入した手の動作範囲が制限されるという問題があった。また、作業空間に手を挿入する前面開口部寸法が、通常の200mmより広い、250mm〜300mmなど安全キャビネットの場合、身長の低い人は作業がしずらいという欠点があった。
【0006】
本発明の目的は、作業者の身長の高さに対応した使い勝手に優れた安全キャビネットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、送風手段により第一の空気清浄手段を通して作業空間に清浄空気を供給する給気系と、作業空間前面に形成する前面シャッタと、前面シャッタ下部の作業空間に連接する前面開口部と、前面開口部から空気を吸込み、第二の空気清浄手段を介して装置外へ空気を排出する排気系と、第一及び第二の空気清浄手段と送風手段に連接する圧力チャンバを有する安全キャビネットにおいて、前面開口部の開口寸法に応じて、作業空間に供給する吹き出し風速と、前面開口部から吸込む吸込み風速を制御したことを特徴とする。
【0008】
また、安全キャビネットにおいて、前面開口部の開口寸法に応じて、作業空間に供給する吹き出し風速と、前面開口部から吸込む、流入風速を個別に制御することを特徴とする。
【0009】
さらに、安全キャビネットにおいて、作業者の身長の高さに応じて、前面開口部の床からの位置を変更可能にすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、あらゆる身長の高さの使用者が、自分が使いやすい安全キャビネットの前面開口寸法で使用でき、使い勝手の優れた安全キャビネットを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7により説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の第1実施の形態を示す安全キャビネットを示す構造図である。
【0013】
作業者は、安全キャビネット1の前面開口部10から腕を挿入し、前面シャッタ9から作業空間3を覗き込み、作業空間3内で細菌・ウイルスを取り扱った作業を行う。
【0014】
図2は、本発明の第1実施の形態を示す安全キャビネットを示す断面構造図である。
【0015】
安全キャビネット1の作業空間3には、HEPAフィルタ5を通過した空気が整流板20を介して、作業空間3内に清浄空気が送り込まれる。
【0016】
そして、前面開口部10から吸い込まれた空気13は、作業台2下部、作業空間3背面の循環流路7を通り、送風機6に吸い込まれる。送風機6に吸い込まれた空気は、圧力チャンバ18で加圧される。圧力チャンバ18には、排気用HEPAフィルタ4と給気用HEPAフィルタ5が連接され、前面開口部10から吸い込まれた空気は、排気用HEPAフィルタ4で細菌・ウイルス15を濾過され、清浄空気として排気口23から排気される。排気口23から排出されない他の空気は、給気用HEPAフィルタ5を通り、清浄空気として作業空間3に吹き出される。作業空間3に吹き出される吹き出し空気12は、細菌・ウイルス15を含まない清浄な空気のため、作業空間3内で取り扱う細菌・ウイルス15は、外の雑菌や、他の細菌・ウイルス15に汚染されることなく、保護される。
【0017】
作業台2の前面開口部10側には、前面吸い込みスリット16を形成している。この前面吸い込みスリット16から、外気と一部の作業空間3内の空気を吸い込むことにより、エアカーテン11を形成し、作業空間3と安全キャビネット1外の空気との汚染物質のやり取りを遮断している。この作業空間3内の吹き出し気流12と前面開口部10の流入気流13により、安全キャビネット1は、作業空間3内で取り扱う細菌・ウイルス15を安全キャビネット1外の雑菌から保護するとともに、細菌・ウイルス15を作業空間3内に閉じ込め、作業者への感染を防止している。
【0018】
この試料を外の雑菌から保護しつつ、作業者への感染を防止する性能を維持するには、作業空間3に吹き出す気流の吹き出し風速12aと前面開口部10から吸い込む空気の流入風速13aを所定の速さにすることが重要である。流入風速13aが遅すぎると、作業空間3内部で取り扱っている細菌・ウイルス15が、作業空間3の吹き出し気流12に押し出され、前面開口部10から外に漏洩する場合がある。従来の安全キャビネットでは、送風機6が運転している風量は一定である。したがって、従来の安全キャビネットでは、前面開口部10の開口寸法を大きくすると、そこから吸い込まれる流入風速13aが遅くなるため、使用者は、前面開口部10の広さを一定にして使用している。
【0019】
図8に、作業者が安全キャビネットを使用している状態を示す。
【0020】
前面開口部10が狭い場合、そこから手を入れて作業している研究作業者が、腕を動かす範囲が狭くなり、作業し辛くなるため、手を動かす上下方向に寸法の大きい前面開口部10が要求される。前面開口部10の寸法を大きくした場合、排気用HEPAフィルタ4から排気される排気風量を大きくすることにより、前面開口部10から流入する吸い込み風量が多くなり、作業空間3内の細菌・ウイルス15を安全キャビネット1外に出さない流入風速13aは維持することは可能である。しかし、図8(c)に示すように、前面開口部10の上下方向寸法が大きい安全キャビネット1を身長の低い作業者が使用する場合、作業空間3を覗き込む視線が前面シャッタ下端9aと重なり、作業台2上が見えにくかったりする場合があった。
【0021】
図8(a)に示すように、身長の低い作業者の場合、前面シャッタ9を閉め、前面開口部10寸法を小さくすると、作業者の作業のし辛さはなくなるが、同一の流入風量で開口面積が小さくなるため、流入風速13aが速くなりすぎ、安全キャビネット1外の雑菌が、前面吸い込みスリット16を通り越し、作業空間3内まで入り込み、作業空間3内の試料を汚染する可能性がある。このように安全キャビネットでは、流入風速を所定の値の維持することが、性能維持には重要である。
【0022】
図3は、本発明の第1実施の形態を示す前面開口部寸法検出手段の斜視図である。
【0023】
前面開口部10の上下方向寸法を変化させるには、前面シャッタ9を上下させる。本実施例では、前面シャッタ9横に、リミットスイッチ19を設け、前面開口寸法10aに合わせて、流入風速13aが所定の風速となるよう、送風機6の運転風量を制御している。
表1に前面開口寸法250mmと200mmに変化させた場合の制御の一例を示す。



作業空間幅寸法1300mm、作業空間幅寸法600mmの場合
【0024】
作業空間3の幅寸法は1300mm、奥行き寸法は、600mmとし、前面開口寸法250mmの状態で安全キャビネットの性能が出る場合。平均流入風速13aが0.55m/sでエアカーテン11の機能が満足する所定の風速とすると、前面開口部10から吸い込まれる空気=排気口23から排気される風量は、10.7m/minとなる。また、作業空間3に吹き出される吹き出し風速12aが、0.35m/sの場合、吹き出し風量が、16.4m/minとなる。この場合、送風機6が運転している総風量は、10.7m/min+16.4m/min=27.1m/minとなる。安全キャビネットの場合、作業空間3に吹き出している風量は、再び、圧力チャンバ18に入り、作業空間3に吹き出しているので、循環している。この循環している風量を送風機6が運転している全体風量で割ったものを、循環気率と言い、安全キャビネットでは需要な指標となっている。この循環気率は、排気用HEPAフィルタ4と給気用HEPAフィルタ5を通っている空気の比率を表していることになる。表3の前面開口寸法250mm運転での循環気率は、60.5%となる。この前面開口寸法10aが250mmの場合は、図3に示す、下部のリミットスイッチ19bがONの状態で、上部のリミットスイッチ19aがONの状態となり、前面開口寸法を250mmと判断している。
【0025】
同じ装置で前面シャッタ9を下げ、前面開口寸法200mmとした場合、上部のリミットスイッチ19bがOFFとなり、リミットスイッチ19aのみがONとなるため、前面開口部寸法が200mmであると判断する。当然、前面開口寸法250mmと200mmの位置には、前面シャッタが不用意に上下に移動しないよう、ストッパを設けている。表3に示すように、前面開口寸法を200mmの状態をリミットスイッチ19で検出すると、送風機6は運転風量を21.7m/minまで下げる。図2の安全キャビネット1は循環気率が変わらないので、前面開口部10の流入風量、作業空間3の吹き出し風量も同じ比率で下がり、流入風量は、8.6m/min、作業空間吹き出し風量は、13.1m/minに落ちる。当然その風速も低下し、流入風速13aは、0.55m/s、吹き出し風速12aは、0.28m/sとなる。この制御が無く、前面開口寸法を200mmにした場合、流入風量10.7m/minに対し、前面開口寸法10aが200mmであるため、流入風速13aは、0.68m/sまで上昇し、場合によっては、外の雑菌が作業空間3内に侵入する場合がある。
【0026】
この制御は一例であり、安全キャビネット1の作業空間3の形状と前面吸い込みスリット16の形状、位置によっては単純に流入風速13a=0.55m/sを維持するだけでは性能が出ず、前面開口寸法10aが200mmの場合は、流入風速13aを0.57m/sに設定するなどのケースも生じる。しかし、この場合もリミットスイッチ19により前面開口寸法10aを検出することによる、送風機6の運転風量を所定の風量に制御することが可能であるので、安全キャビネット1の感染を防止する性能が出る所定の風速に設定することが可能となる。
【0027】
これにより、安全キャビネット1使用者の身長の高低、作業台2を覗き込む視線、作業者の腕の動作に合わせて、前面開口寸法10aを変化させても、安全キャビネット1の感染を防止する性能を維持することが可能となる。
【実施例2】
【0028】
図4は、本発明の第2実施の形態を示す安全キャビネットを示す断面構造図で、その安全キャビネットの概観図は図1に示す通りである。
【0029】
圧力チャンバ18内にチャンバ内ダンパー25を設けている。送風機6から吹き出された空気は、圧力チャンバ18を加圧する。圧力チャンバ18には、排気用HEPAフィルタ4と給気用HEPAフィルタ5が連接されているので、空気は、排気口23側と作業空間3側に振り分けられる。チャンバ内ダンパー25は、圧力チャンバ18内で、排気用HEPAフィルタ4側に向かう空気を制御する目的で取り付けられている。チャンバ内ダンパー25が開くと排気用HEPAフィルタ4側に向かう風量が増え、逆にチャンバ内ダンパー25が閉じると給気用HEPAフィルタ5に向かう風量が増える。前面開口寸法10aに応じて、送風機6の総風量を制御するだけでは無く、チャンバ内ダンパー25を動かすことにより、流入風速13aと吹き出し風速12aの循環気率も制御することが可能となる。
【0030】
表2のその制御例を示している。



作業空間幅寸法1300mm、作業空間幅寸法600mmの場合
【0031】
作業空間3のサイズは、表1の場合と同様、幅方向が1300mm、奥行きが600mmの場合である。前面開口寸法10aが250mmの場合、流入風速13a=0.55m/s、吹き出し風速12a=0.35m/sで安全キャビネットの性能が出る気流状態とする。前面開口寸法10aを200mmにし、循環気率一定で総風量を低下させた場合、作業空間3内の吹き出し風速12aも低下し、安全キャビネット1の形状によっては、流入風速13aに乗って、外の雑菌が作業空間3内に入り込む場合がある。その場合、作業空間3の吹き出し風速12aを増やす必要がある。表2では、前面シャッタ9の位置に合わせ、前面開口寸法10aが200mmになったとき、チャンバ内ダンパー25を閉め、排気用HEPAフィルタ4側に向かう空気を制限し、流入風量を8.6m/minに減らし、循環気率も60.5%から65.6%に変更することにより、作業空間3の吹き出し風速12aは、0.35m/sを維持することが可能となり、安全キャビネット1の感染防止性能を維持することが可能となる。
【0032】
表3は、表2の安全キャビネットの他の制御例を示している。



作業空間幅寸法1300mm、作業空間幅寸法600mmの場合
【0033】
安全キャビネットの場合は、排気口23から排気する空気を、安全キャビネット1が設置されている部屋のダクトを通して、屋外に排気する場合がある(必ず、屋外に排気するわけではない)。その場合、ダクトには排気用のファンが設けられている。その場合、安全キャビネット1の排気風量が前面開口寸法10aの変化に応じて、変化しても、ダクトの排気ファンの風量が制御するように設けられていない場合が多い。その場合、安全キャビネット1の排気風量は一定にする必要がある。その場合、前面開口寸法10aを250mmから200mmに変化させたとき、排気風量=流入風量を一定のため、流入風速13aは、0.55m/sから0.69m/sと作業空間3の吹き出し風速12aに対して速くなりすぎる場合がある。その場合、吹き出し風速12aを維持すべく、総風量を27.1m/minから28.0m/minに上げ、循環気率を60.5%から61.8%に変化させることにより、排気風量=流入風量を一定にしつつ、外の雑菌が作業空間3内の入り込まないように、作業空間3内の吹き出し風速12aを0.37m/sに維持することが可能となる。
【0034】
これらの感染を防止するのに必要な所定の風速は、安全キャビネットの形状により異なってくる。この数値は、あらかじめ把握していき、送風機6の運転風量、チャンバ内ダンパー25の動作角度も設定しておく必要がある。
【実施例3】
【0035】
図5は、本発明の第3実施の形態を示す安全キャビネットを示す断面構造図で、その安全キャビネットの概観図は図1に示す通りである。
前面吸い込みスリット16の開口率を制御するため、吸い込みスリットダンパー21を設けている。吸い込みスリットダンパー21を開くと、前面開口部10から吸い込む風量=排気口23から排気する風量は増加し、逆に吸い込みスリットダンパー21を閉じると、前面開口部10から吸い込む風量を減らすことが可能となる。この構成で、前面シャッタ部9の位置を検出するリミットスイッチ19のON/OFF信号に合わせ、前面開口部10から吸い込まれる風量を制御することが可能となる。
【0036】
表4に実施例3の制御例を示す。



作業空間幅寸法1300mm、作業空間幅寸法600mmの場合
【0037】
制御する作業空間3サイズの例は、実施例1,2と同一である。前面開口寸法250mmの場合は、吸い込みスリットダンパー21は開いた状態である。前面開口寸法を200mmに閉めたとき、リミットスイッチ19の信号を受けて、送風機6の風量を27.1m/minから25.0m/minに下げ、前面開口部10から吸い込まれる流入風量を減らし、循環気率を60.5%から65.6%に変化させることにより、作業室内3の吹き出し風速12aと流入風速13aを、安全キャビネットの感染防止性能の出る所定の風量に制御することが可能となる。
【実施例4】
【0038】
図6は、本発明の第4実施の形態を示す安全キャビネットを示す断面構造図である。
排気用HEPAフィルタ4の下流側に、排気ファン22を設けている。安全キャビネット1の運転状態で排気ファン22をON/OFF制御することにより、圧力チャンバ18で加圧された空気が、排気用HEPAフィルタ4と給気用HEPAフィルタ5に振り分けられる量を制御することができる。排気ファン22を運転すると排気用HEPAフィルタ4側に排気される風量が増える。これは、排気用HEPAフィルタ4側の圧力が下がるため、空気が排気用HEPAフィルタ4側に向かうためである。前面シャッタ9の位置を検出するリミットスイッチ19と組み合わせた制御例を以下に示す。通常は、前面開口寸法10aが200mmの状態で運転している場合は、排気ファン22は停止している。前面シャッタ9を上げ、前面開口寸法250mmであることをリミットスイッチ19aが検出すると排気ファン22を可動させる。このとき排気風量=流入風量が増え、所定の流入風速13aを維持することが可能となる。
【0039】
以上、実施例1乃至実施例4では、前面開口寸法200mmと250mmの2段階の制御例を示したが、本発明により、前面開口寸法300mmでの制御や、200mm〜300mm間での無段階での制御も可能である。無段階制御の場合、前面シャッタ9の開口位置を電気抵抗、電圧、電流など無段階の信号に変換し、前面シャッタ9位置に対応して、送風機6ファンの回転数を無段階に制御することにより、風量の無段階制御が可能である。また、リミットスイッチ19を複数設置することにより、多段階の制御も可能である。
【実施例5】
【0040】
図7は、本発明の第5実施の形態を示す安全キャビネットを示す斜視図である。
【0041】
実施例1から4の前面開口寸法10aに変化による送風機6の制御、循環気率の制御に合わせ、作業台2の床からの高さ(作業台高さ24)も可変にする。これにより、安全キャビネット1を使用する体格身長、視線、腕の動作に合わせ、作業台2の高さ、前面開口寸法10aを変化させても、作業空間3内の細菌・ウイルス15を外の雑菌から保護しつつ、研究作業者への感染を防止する安全キャビネット1を提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、作業者の身長の高さに対応し、作業台を覗く視野、作業する腕の動きにも対応した使い易いバイオハザード対策用安全キャビネットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す安全キャビネットを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施の形態を示す安全キャビネットを示す断面構造図である。
【図3】本発明の第1実施の形態を示す、前面開口部寸法検出手段の斜視図である。
【図4】本発明の第2実施の形態を示す安全キャビネットを示す断面構造図である。
【図5】本発明の第3実施の形態を示す安全キャビネットを示す断面構造図である。
【図6】本発明の第4実施の形態を示す安全キャビネットを示す断面構造図である。
【図7】本発明の第5実施の形態を示す安全キャビネットを示す斜視図である。
【図8】本発明の作業者の身長の高低と安全キャビネットの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1…安全キャビネット
1a…本体ケース
2…作業台
2a …作業空間底面
3…作業空間
4…排気用HEPAフィルタ
5…給気用HAPAフィルタ
6…送風機
7…循環流路
8…作業空間側壁面
9…前面シャッタ
9a…前面シャッタ下端
10…前面開口部
10a…前面開口寸法
11…エアカーテン
12…吹き出し気流
12a…吹き出し風速
13…流入気流
13a…流入風速
14…負圧汚染プレナム
15…細菌・ウイルス
16…前面吸込みスリット
17…背面空気吸込み口
18…圧力チャンバ
19a…上部リミットスイッチ
19b…下部リミットスイッチ
20…整流板
21…吸い込みスリットダンパー
22…排気ファン
23…排気口
24…作業台高さ
25…チャンバ内ダンパー
【出願人】 【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
【出願日】 平成18年12月20日(2006.12.20)
【代理人】 【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学


【公開番号】 特開2008−149290(P2008−149290A)
【公開日】 平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願番号】 特願2006−342072(P2006−342072)