トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般

【発明の名称】 ヒュームフード
【発明者】 【氏名】林 進

【要約】 【課題】前面開口部からのエアーの取込み量を抑制すると同時に、前面開口部の周縁部側での渦流の発生を抑止できるヒュームフードの提供。

【構成】天板部36と左右の側板部42と処理台部52と背板部62とで仕切られた処理室14の前面開口部15に昇降サッシ窓16が配設されたフード本体12を備え、該フード本体12に配設されたバッフル板65と排気ダクト73とを経て処理室14内の有害気体の強制的な排出を自在に形成されたヒュームフード11において、少なくとも昇降サッシ窓16の内側近傍に位置する側板部42のそれぞれには、排気ダクト73側と連通させて空気引き自在とした吸気口46を、昇降サッシ窓16の昇降方向に沿わせて形成することで渦流の発生を抑止した。同様に前面開口部15の上側縁部15bと下側縁部15cからの空気引きも渦流の発生を抑止して行えるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板部と左右の側板部と処理台部と背板部とで仕切られた処理室の前面開口部に、その開口面積の拡縮を自在に昇降操作される昇降サッシ窓が配設されたフード本体を備え、該フード本体に配設されたバッフル板と排気ダクトとを経て前記処理室内の有害気体の強制的な排出を自在に形成されたヒュームフードにおいて、
前記昇降サッシ窓は、空隙を介在させて昇降自在に対面配置される前面窓部と後面窓部と、前記空隙を介して昇降自在に配置される中間窓部とを少なくとも備え、前記空隙内に上方から下方に向けてエアーを送り出して前記前面透明窓部と前記中間窓部との間を経て前記前面開口部内へと流入させる主流下路の確保を自在に形成したことを特徴とするヒュームフード。
【請求項2】
前記昇降サッシ窓の内側近傍に位置する前記側板部のそれぞれには、前記排気ダクト側と連通させて空気引き自在とした吸気口を、前記昇降サッシ窓の昇降方向に沿わせて形成した請求項1に記載のヒュームフード。
【請求項3】
前記フード本体には、前記前面開口部内へと流入するエアーを案内する湾曲ガイド部を前記前面開口部を仕切る下側縁部の間口方向に具備させ、前記処理台部には、前記排気ダクト側と連通させたバイパス流路を介して空気引き自在とした吸気口を前記湾曲ガイド部の奥端近傍に位置する前端面の間口方向に具備させた請求項1または2に記載のヒュームフード。
【請求項4】
前記バッフル板は、その下側面部側が最大開口面積を占めるように配分された多数の通孔を設けた垂直バッフル板部と、該垂直バッフル板部の背面側にてその上端側を密着させ、下端側を拡開させた傾斜バッフル板部とで形成した請求項1ないし3のいずれかに記載のヒュームフード。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、フード本体の処理室の前面開口部から流入するエアーの流れを均一化して天井側に熱気を含む空気を滞留させたり、処理台上に有害気体を滞留させたりすることなく円滑に排出させることができるヒュームフードに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
ヒュームフード(ドラフトチャンバー)は、研究所などにおける実験室で各種の化学実験を安全裡に行う際に必要な装置である。そして、ヒュームフードを構成しているフード本体は、その処理室の前面開口部を開閉するための昇降サッシ窓を備えており、前記処理室内が陰圧雰囲気となるように空気引きすることで、実験中に発生する有毒ガスを含む有害気体を屋外に設置されている排気ガス洗浄装置等の浄化処理手段側へと排気ダクトを介して強制的に排出することができるようになっている。
【0003】
この場合、ヒュームフードは、実験室内の空調空気の取込み量をできるだけ少なくしたいとする要請と、処理室内の有害気体を滞留させることなく円滑に排気したいとする要請とをともに満たし得る手法が従来より模索されてきており、例えば下記特許文献1〜3に示す構造のものが提案されている。
【特許文献1】特開2004−211947号公報
【特許文献2】特許第3326306号公報
【特許文献3】特開2005−288243号公報
【0004】
このうち、特許文献1には、昇降サッシ窓のないフード本体により処理室を確保し、比重がエアーよりも軽い有害気体を処理室の天井側に滞留させることなく吸引排除する吸気口と、処理室の下側部に奥側に向けてエアーを噴出させる噴気口とを備え、該噴気口から噴出するエアーの圧送作用により前記有害気体を前記吸気口から排出するようにしたヒュームフードが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、処理室内の気体を外部に排出するための排気手段を備え、処理室の前面開口部の下部に処理室の底面と隙間を介在させた制御板を配設し、該制御板を介して処理室の底面で発生した有毒ガスを前記排気手段を介してその面方向に沿わせて効果的に吸引することができるようにしたドラフトチャンバーが開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、フード本体の前面開口部寄りに位置する側板部の内側面の下部に吸気口を設け、該吸気口から別途用意されるファンに接続された管路を介して吸引してフロントガイド体から処理室内に噴出させることで空調エアーの消費量を抑制できるようにしたドラフトチャンバーが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されているヒュームフードは、比重がエアーよりも軽い有害気体を処理室の天井側に滞留させることなく吸引排除することはできるものの、実験室内の空調エアーの取込み量を少なくしたり、処理室の前面開口部の周縁部側での渦流の発生を抑止する上からは十分に対応できない不都合があった。
【0008】
また、特許文献2に開示されているドラフトチャンバーは、処理室の底面で発生した有毒ガスをその面方向に沿わせて効果的に吸引することはできるものの、あくまでも処理室の底面に沿わせて有毒ガスを吸引しようとするものであり、実験室内の空調エアーの消費量削減対策や、処理室の前面開口部の周縁部側で発生しがちな渦流の抑止対策において必ずしも十分であるとはいえない不具合があった。
【0009】
さらに、特許文献3に開示されているドラフトチャンバーは、処理室内に取り込んだエアーを再使用するので空調エアーの消費量を抑制することはできるものの、処理室の前面開口部の周縁部側で発生しがちな渦流の抑止対策において必ずしも十分であるとはいえなかった。
【0010】
本発明は、従来技術の上記課題に鑑み、フード本体の処理室の前面開口部からの空調エアーの取込み量を抑制すると同時に、処理室の前面開口部の周縁部側での渦流の発生を抑止して優れた封じ込め機能を発揮させることができるヒュームフードを提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、天板部と左右の側板部と処理台部と背板部とで仕切られた処理室の前面開口部に、その開口面積の拡縮を自在に昇降操作される昇降サッシ窓が配設されたフード本体を備え、該フード本体に配設されたバッフル板と排気ダクトとを経て前記処理室内の有害気体の強制的な排出を自在に形成されたヒュームフードにおいて、前記昇降サッシ窓は、空隙を介在させて昇降自在に対面配置される前面窓部と後面窓部と、前記空隙を介して昇降自在に配置される中間窓部とを少なくとも備え、前記空隙内に上方から下方に向けてエアーを送り出して前記前面透明窓部と前記中間窓部との間を経て前記前面開口部内へと流入させる主流下路の確保を自在に形成したことを最も主要な特徴とする。
【0012】
この場合、前記昇降サッシ窓の内側近傍に位置する前記側板部のそれぞれには、前記排気ダクト側と連通させて空気引き自在とした吸気口を、前記昇降サッシ窓の昇降方向に沿わせて形成するのが好ましい。
【0013】
また、前記フード本体には、前記前面開口部内へと流入するエアーを案内する湾曲ガイド部を前記前面開口部を仕切る下側縁部の間口方向に具備させ、前記処理台部には、前記排気ダクト側と連通させたバイパス流路を介して空気引き自在とした吸気口を前記湾曲ガイド部の奥端近傍に位置する前端面の間口方向に具備させておくこともできる。
【0014】
さらに、前記バッフル板は、その下側面部側が最大開口面積を占めるように配分された多数の通孔を設けた垂直バッフル板部と、該垂直バッフル板部の背面側にてその上端側を密着させ、下端側を拡開させた傾斜バッフル板部とで形成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、昇降サッシ窓は、前面窓部と中間窓部と後面窓部との3層構造となっており、そのうちの前面窓部と中間窓部との間を経て前面開口部内へとに流下させる主流下路を備えているので、前面開口部を仕切る上側縁部に沿って処理室内に流入するエアーを主流下路から流下するエアーの支援のもとで渦流を発生させることなく円滑に取り込むことができる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、前記側板部のそれぞれには、排気ダクト側と連通させて空気引き自在とした吸気口を、昇降サッシ窓の昇降方向に沿わせて形成してあるので、前面開口部を仕切る左右の側縁部に沿って処理室内に流入しようとするエアーを吸気口から吸引させることで渦流の発生を効果的に抑止することができる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、フード本体は、前面開口部を仕切る下側縁部に沿って処理室内に流入するエアーを案内する湾曲ガイド部を備え、かつ、処理台部は、バイパス流路と連通させた吸気口を湾曲ガイド部の奥端近傍に位置する前端面の間口方向に備えているので、前面開口部を仕切る下側縁部に沿って処理室内に流入しようとするエアーを吸気口から吸引させることで渦流の発生を効果的に抑止することができる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、バッフル板は、多数の通孔を設けた垂直バッフル板部と、該垂直バッフル板部の背面側に配置さされた傾斜バッフル板部とで形成されているので、前面開口部から流入するエアーが上昇気流とならずに水平気流となって垂直バッフル板部の通孔を経て傾斜バッフル板部側に到達して下降流を形成しながら排気路と排気ダクトとを経て円滑に排気させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明に係るヒュームフードの概略構成例を示す説明図であり、ヒュームフード11の全体は、配管スペースなどを確保するために実験室などの屋内空間の床上に設置される台座12と、該台座12上に一体的に設置されるフード本体13とで構成されている。
【0020】
このうち、フード本体13は、天板部36と左右の側板部42と処理台部52と背板部62とで仕切られた処理室14の前面開口部15に、その開度との関係で開口面積の拡縮を自在に昇降操作される昇降サッシ窓16を配設して形成されている。また、天板部36上には、処理室15内を照明するために配設された蛍光灯などで構成される照明ボックス37が配設されている。
【0021】
また、フード本体13は、背板部62側に配設されたバッフル板65と、該バッフル板65と背板部62との間に確保される排気路72と連通する排気ダクト73を経て処理室14内の有害気体を含むエアーの強制的な排出を自在に形成されている。
【0022】
図2は、図1における昇降サッシ窓16の詳細例を示す説明図であり、そのうちの(a)は、処理室14の前面開口部15を完全に閉じた状態での位置関係を、(b)は、処理室の前面開口部を部分的に閉じた状態での位置関係をそれぞれ示す。また、図3は、図2(a)において囲繞枠A,B,Cとして示されている部位を拡大して示す一部を省略した説明図である。
【0023】
これらの図によれば、昇降サッシ窓16は、空隙19を介在させて昇降自在に対面配置される前面窓部17と後面窓部18と、空隙19を介して昇降自在に配置される中間窓部20との3層構成となって形成されている。また、これら前面窓部17と中間窓部20と後面窓部18とに個別に連結されているロープ27,29,28は、各ロープ27,29,28の別に配設されている前部滑車25と後部滑車26とを経てバランスウエイト30に連結されている。この場合、前面窓部17と後面窓部18とは、同時に略等速で昇降するようにロープ27,28を介してバランスウエイト30に連結されている。しかも、中間窓部20は、後部滑車26とバランスウエイト30との間に図示しない1つの動滑車を介在させることで、前面窓部17と後面窓部18との昇降速度の略2倍の速度で昇降できるように配設されている。
【0024】
また、前面窓部17の頂部と後面窓部18の頂部とには、フード本体13の天井部13aに配設された送風機31から吹き下ろされるエアーを空隙19内へと導くガイド片21,22が各別に付設されている。
【0025】
さらに、中間窓部20は、空隙19内に上方から吹き下ろされるエアーを前面窓部17と中間窓部20との間に流入させて主流下路33を確保するために頂部側に付設された流路規制片23と、主流下路33を経て前面開口部15内へとエアーを円滑に流入させるために裾部側に付設された流路規制把手24とを備えている。
【0026】
図4は、図1における側板部部位についてのX−X線矢視方向での断面図であり、昇降サッシ窓16の奥側近傍に位置する側板部42のそれぞれは、相互間に空隙45を介在させて対面配置された外側板部43と内側板部44とで構成されている。また、これら外側板部43と内側板部44との前端側には、前面開口部15側から側板部42に沿って入り込むエアーを吸引して空隙45を介して排気ダクト73側へと送り込むための吸気口46が昇降サッシ窓16の昇降方向に沿わせて形成されている。
【0027】
図5(a)〜(c)は、図4において囲繞枠Dとして示されている部位の構造例をパターン別に示す拡大説明図である。このうち、(a)は、側板部42に吸気口46を設けるとともに、外側板部43の前端面43aよりもその前端面44aを後退させて配置された内側板部44の先端部にエアーを吸気口46側へと呼び込むための湾曲面47aを設けたガイド部47を付設した例を示す。また、(b)は、側板部42の前端側に吸気口46を設けるとともに、外側板部43の前端面43aよりもその前端面44aを後退させて配置された内側板部44の先端部に該内側板部44の表出面に沿って流れるエアーが乱流するのを防止するリップ片48aを備える乱流防止部48を付設した例を示す。さらに、(c)は、側板部42における内側板部44にがらり戸状に桟材49を配置して複数の空隙部49aからなる吸気口46を形成したり、図示は省略しているが多数の通孔を設けて吸気口46を形成した例を示す。
【0028】
図6は、図1のフード本体における処理台部の詳細構造例を示す説明図であり、フード本体13は、前面開口部15内へと流入するエアーを上下両面にて導入案内する湾曲ガイド部32を前面開口部15を仕切る下端縁部15aの間口方向に備えている。
【0029】
また、処理台部52には、排気ダクト73側と連通させるべくその下面側に形成されたバイパス流路55を介して空気引き自在とした吸気口54が、湾曲ガイド部32の奥端近傍に位置する前端面53の間口方向に形成されている。
【0030】
この場合における湾曲ガイド部32と吸気口54との配置関係は、湾曲ガイド部32の奥端近傍のやや下方に位置する前端面53の間口方向に吸気口54を位置させて相互に突き合わされた状態となっている。しかも、突き合わせ部位の下方には、処理台部52側から飛散する薬液等を捕集するための樋部56がその間口方向に沿わせて形成されている。
【0031】
図7は、図1におけるバッフル板の配置例を示す説明図であり、図8は、バッフル板を構成している垂直バッフル板部の詳細例を示す正面図である。これらの図によれば、バッフル板65は、その下側面部65a側が最大開口面積を占めるように配分された多数の通孔67を設けた垂直バッフル板部66と、該垂直バッフル板部66の背面側にてその上端側を密着させ、下端側を拡開させた傾斜バッフル板部68とで形成されている。
【0032】
この場合における垂直バッフル板部66の通孔67は、図8からも明らかなように、その上側面部66cには形成されておらず、中央面部66bが比較的疎となり、下側面部65aが密となるように形成されている。このため、前面開口部15から流入するエアーは、上昇気流とはならずに水平気流となって垂直バッフル板部66の通孔67を経て傾斜バッフル板部68側へと到達させた上で、下降流を形成して排気路72側へと送出することができることになる。
【0033】
次に、上記構成からなる本発明の作用・効果につき説明すれば、フード本体13は、前面開口部15の開口面積の拡縮を自在に昇降操作される昇降サッシ窓16を備えているので、図示しない排気ファンを駆動させることで、昇降サッシ窓16を適宜の開角となるように上昇させて形成される前面開口部15から処理室14内へと空調エアーを流入させ、排気ダクト73側から排気させることができる。この場合、中間窓部20は、その流路規制把手24を把持して昇降させることができる。前面窓部17と後面窓部18とは、中間窓部20と同一のバランスウエイト30に連結されているので、中間窓部20の動きに連動させて昇降させることができる。このときにおける中間窓部20の上昇速度は、前面窓部17と後面窓部18との上昇速度の略2倍であることから、その全体で昇降サッシ窓16を構成しながら前面開口部15の開口面積を拡縮することができることになる。
【0034】
このとき、昇降サッシ窓16を構成している前面窓部17の頂部と後面窓部18の頂部とには、送風機31から吹き下ろされる空調エアーを空隙19内へと導くガイド片21,22が各別に付設されている。また、中間窓部20は、上方から吹き下ろされる空調エアーを前面窓部17と中間窓部20との間に流入させて主流下路33を確保するために頂部側に付設された流路規制片23と、主流下路33を経て前面開口部15内へと空調エアーを円滑に流入させるために裾部側に通孔24aを有して付設され流路規制把手24とを備えている。
【0035】
このため、前面開口部15を仕切る上側縁部15b側から処理室14内に流入する空調エアーは、送風機31から吹き下ろされて主流下路33を経て流路規制把手24の通孔24aから送り込まれる空調エアーの支援のもとで、渦流を生じさせることなく円滑に処理室14内へと流入させることができる。
【0036】
一方、側板部42のそれぞれには、排気ダクト73側と連通させて空気引き自在とした吸気口46が、昇降サッシ窓16の昇降方向に沿わせて形成されているので、前面開口部15を仕切る左右の側縁部15a,15aに沿って処理室14内に流入しようとする空調エアーを吸気口46から吸引させることで渦流の発生を効果的に抑止することができる。
【0037】
この場合、側板部42の吸気口46には、図5(a)〜(c)に示すパターン例が含まれる。このうち、(a)に示す吸気口46によれば、外側板部43の前端面43aよりもその前端面44aを後退させて配置された内側板部44の先端部に空調エアーを吸気口46側へと呼び込むための湾曲面47aを設けたガイド部47が付設されているので、該ガイド部47を介して左右の側縁部15a,15aに沿って処理室14内に流入しようとするエアーを吸気口46内へと円滑に呼び込むことができる。
【0038】
また、(b)に示す吸気口46によれば、外側板部43の前端面43aよりもその前端面44aを後退させて配置された内側板部44の先端部に該内側板部44の表出面に沿って流れる空調エアーが乱流するのを防止するリップ片48aを備える乱流防止部48が付設されているので、左右の側縁部15a,15aに沿って処理室14内に流入しようとする大半の空調エアーを吸気口46から自然流入させ、取り込めなかった空調エアーの一部についてはリップ片48aを介して乱流の発生を防止しながら処理室14内へと導入させることができる。
【0039】
さらに、(c)に示す吸気口46は、側板部42における内側板部44にがらり戸状に桟材49を配置して形成されているので、前面開口部15を仕切る左右の側縁部15a,15aに沿って処理室14内に流入しようとする空調エアーを桟材49,49相互間に形成される個々の空隙部49aを介することで広範囲にわたり吸引させることで、渦流の発生を効果的に抑止することができる。
【0040】
また、フード本体13は、前面開口部15を仕切る下側縁部15c側を経て処理室14内に流入する空調エアーを案内する湾曲ガイド部32を備え、かつ、処理台部52は、バイパス流路55と連通させた吸気口54を湾曲ガイド部32の奥端近傍に位置する前端面53の間口方向に備えている。このため、前面開口部15を仕切る下側縁部15c側から処理室14内に流入しようとする空調エアーは、処理台部52が備える吸気口54から吸引させることができるので、渦流の発生を効果的に抑止することができる。
【0041】
つまり、前面開口部15から処理室14内に空調エアーを流入させる際、前面開口部15を仕切る左右の側縁部15a,15aと上側縁部15bと下側縁部15cとの周縁部位に発生させがちな渦流は、側板部42の吸気口46と昇降サッシ窓16の流路規制把手24と処理台部52の吸気口54とを介することで、その発生を効果的に抑制することができることになる。
【0042】
したがって、フード本体13の処理室14には、前面開口部15から空調エアーを比較的低速な等速度で流入させても優れた封じ込め機能を発揮させることができるので、空調エアーの消費量をそれだけ減少させることができる。
【0043】
さらに、バッフル板65は、多数の通孔67を設けた垂直バッフル板部66と、該垂直バッフル板部66の背面側に配置さされた傾斜バッフル板部68とで形成されている。このため、前面開口部15から等速度で流入する空調エアーは、下側面部66a側が最大開口面積を占めるように配分された多数の通孔67を備えた垂直バッフル板部66へと向かう水平気流のもとで通孔67を通過し、垂直バッフル板部66の傾斜方向に沿わせた下降流に変流され、排気路72と排気ダクト73とを経て円滑に外部へと排気させることができることになる。
【0044】
このため、前面開口部15から流入する空調エアーは、垂直バッフル板部66と傾斜バッフル板部68とからなるバッフル板65を配設したことにより、従来のような上昇気流による渦流を発生させることなく、等速度の水平気流となるように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係るヒュームフードの概略構成例を示す説明図。
【図2】図1における昇降サッシ窓の詳細例を示す説明図であり、そのうちの(a)は、処理室の前面開口部を完全に閉じた状態での位置関係を、(b)は、処理室の前面開口部を部分的に閉じた状態での位置関係をそれぞれ示す。
【図3】図2(a)において囲繞枠A,B,Cとして示されている部位を拡大して示す一部を省略した説明図。
【図4】図1における側板部部位のX−X線矢視方向での断面図。
【図5】図4において囲繞枠Dとして示されている部位の構造例を(a)〜(c)としてパターン別に示す拡大説明図。
【図6】図1のフード本体における処理台部の詳細構造例を示す説明図。
【図7】図1におけるバッフル板の配置例を示す説明図。
【図8】バッフル板を構成している垂直バッフル板部の詳細例を示す正面図。
【符号の説明】
【0046】
11 ヒュームフード
12 台座
13 フード本体
13a 天井部
14 処理室
15 前面開口部
15a 側縁部(左右)
15b 上側縁部
15c 下端縁部
16 昇降サッシ窓
17 前面窓部
18 後面窓部
19 空隙
20 中間窓部
21,22ガイド片
23 流路規制片
24 流路規制把手
24a 通孔
25 前部滑車
26 後部滑車
27,28,29 ロープ
30 バランスウエイト
31 送風機
32 湾曲ガイド部
33 主流下路
36 天板部
37 照明ボックス
42 側板部
43 外側板部
43a 前端面
44 内側板部
44a 前端面
45 空隙
46 吸気口
47 ガイド部
47a 湾曲面
48 乱流防止部
48a リップ片
49 桟材
49a 空隙部
50 開口部
52 処理台部
53 前端面
54 吸気口
55 バイパス流路
56 開口部
57 樋部
62 背板部
65 バッフル板
66 垂直バッフル板部
66a 下端面部
67 通孔
68 傾斜バッフル板部
72 排気路
73 排気ダクト
【出願人】 【識別番号】593214073
【氏名又は名称】オリエンタル技研工業株式会社
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】 【識別番号】100086449
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 浩明


【公開番号】 特開2008−49291(P2008−49291A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−229347(P2006−229347)