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【発明の名称】 ピペット装置
【発明者】 【氏名】イェンス・ヴィルマー

【要約】 【課題】エアクッションピペットは、シリンダーと、シリンダーの長さ方向に変位可能に配置されたピストンとから成る変位ユニットを有する。公知のピペット装置は組み立てコストが高い。特に、小さなバネが取り扱いが難しいからである。この点は、使用時、掃除や、圧力滅菌するために、もしくは、欠陥部品交換のために、ピペット装置を分解し、再度組み立てる際にも不利益である。

【構成】液を量り取るためのピペット装置であって、ピストン作動ロッドと、ピストン作動ロッドの一端に配置されるピストンヘッドのための、少なくともひとつの受容部であって、ピストン作動ロッドの軸方向にピストンヘッドのための接当面により形成され、前記ピストンヘッドに対向するピストンロッドのための貫通開口と、前記貫通開口を取り巻くピストンヘッドを支持するための基部とを備えた前記受容部とを備えたもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液を量り取るためのピペット装置であって、
ピストン作動ロッド(9)と、
ピストン作動ロッド(9)の一端に配置されるピストンヘッド(38)のための、少なくともひとつの受容部(17)であって、ピストン作動ロッド(9)の軸方向にピストンヘッド(38)のための接当面(20)により形成され、前記ピストンヘッドに対向するピストンロッド(36)のための貫通開口(18)と、前記貫通開口(18)を取り巻くピストンヘッド(38)を支持するための基部(19)とを備えた前記受容部(17)と、
中空スペース(28)を備えた少なくとも一本のシリンダー(27)と、
ピペットチップを保持するための少なくともひとつの座部(29)と、
シリンダー(27)の中空スペース(28)を座部(29)の貫通穴(31)につなぐ少なくとも一つの貫通チャネル(30)と、
シリンダー(27)の中空スペース(28)内を長さ方向に変位可能に配置される少なくとも一つのピストン(36)であって、受容部(17)の貫通開口(18)を貫通するピストンロッド(37)と、受容部(17)に配置されるピストンロッド(37)の端部のピストンヘッド(38)とを備え、前記ピストンヘッド(38)が下面(41)をピストンロッド(37)に向けて前記基部(19)へ配置され、且つ、前記ピストンヘッド(38)が、ピストンロッド(37)に対向しない上面(42)を超えて突出する弾性体(47)を備え、前記弾性体(47)が弾性的に圧縮された様子で接当面に係合しない、もしくは、部分的に弾性的に圧縮された様子で接当面(20)に係合するごとくした前記ピストン(36)とから成る前記ピペット装置。
【請求項2】
請求項1に記載のピペット装置であって、単一チャネル式ピペット装置である前記ピペット装置。
【請求項3】
請求項1に記載のピペット装置であって、マルチチャネル式ピペット装置である前記ピペット装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストン作動ロッド(9)が、互いに隣接して配置されるピストンヘッド(38)のための複数の受容部(17)と、中へ案内されピストンヘッド(38)を受容部(17)に配置される複数のピストン(36)をともなう複数の平行なシリンダーとを備え、ピストン作動ロッドの長さ方向軸に対し横方向に配列されるクロス部材(14)を有する前記ピペット装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうち一項に記載のピペット装置であって、受容部(17)が、ピストンヘッド(38)及びピストンロッド(37)のための、ピストン作動ロッド(9)に対して横方向に伸びる挿入開口(21)を有する前記ピペット装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストンヘッド(38)が、環状のディスク(39)により、基部(19)へ支持される前記ピペット装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストンヘッド(38)が、環状ディスク(39)とピストンロッド(37)の間にテーパー部(40)を備える前記ピペット装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストン(36)が、ピストンヘッド(38)の上面(42)において、弾性体(47)が部分的に配置されるブラインド穴(43)を備える前記ピペット装置。
【請求項9】
請求項8のピペット装置であって、ブラインド穴(43)が、その開口部分から間隔をもって、弾性体(47)が係合する少なくとも一つの広大部(45、46)を備える前記ピペット装置。
【請求項10】
請求項9のピペット装置であって、ブラインド穴(43)が、直径方向において互いに対向する広大部(45、46)を備える前記ピペット装置。
【請求項11】
請求項9のピペット装置であって、広大部(45、46)が、ブラインド穴(43)の底部の凹部(44)から伸びる前記ピペット装置。
【請求項12】
請求項1〜11のうち一項に記載のピペット装置であって、弾性体(47)が、ピストンヘッド(38)から突出する球状部(48)を備える前記ピペット装置。
【請求項13】
請求項1〜12のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストン(36)がピストンヘッド(38)から遠い端部にテーパー部(40)を持ち、シリンダー(27)および/または接続チャネル(30)が、内部に、対応のテーパーを持つ前 記ピペット装置。
【請求項14】
請求項1〜13のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストン(36)がピストンヘッド(38)から遠い側の端部に少なくとも一つの周部ピストンシール(52)を備える前記ピペット装置。
【請求項15】
請求項14のピペット装置であって、ピストンシール(52)がピストン(36)周部の環状溝(51)に挿入されるピストンシールリングである前記ピペット装置。
【請求項16】
請求項1〜15のうち一項に記載のピペット装置であって、弾性体(47)および/またはピストンシール(52)が、エラストマーから成る前記ピペット装置。
【請求項17】
請求項1〜16のうち一項に記載のピペット装置であって、弾性体(47)および/またはピストンシール(52)が、シリコン及び/または熱可塑性プラスチックエラストマーから成る前記ピペット装置。
【請求項18】
請求項1〜17のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストン(36)がプラスチックから製造される前記ピペット装置。
【請求項19】
請求項1〜18のうち一項に記載のピペット装置であって、弾性体(47)が、ピストン(36)へ射出成形される前記ピペット装置。
【請求項20】
請求項18及び19のピペット装置であって、ピストン(36)及び弾性体(47)が、マルチ成分射出成形法により製造される前記ピペット装置。
【請求項21】
請求項1〜20のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストン作動ロッド(9)と、少なくとも一つのシリンダー(27)及び少なくとも一つのピストン(36)と、外部から接近可能なハウジング(22)の一側の少なくとも一つのシート部(30)を含んでいるハウジング(22)を備えた前記ピペット装置。
【請求項22】
請求項1〜21のうち一項に記載のピペット装置であって、ピストン作動ロッド(9)の一端が、ハウジング(22)の一側において外部から接近可能である前記ピペット装置。
【請求項23】
請求項22に記載のピペット装置であって、ピストン作動ロッド(9)がハウジング(22)の前記した側から突出する前記ピペット装置。
【請求項24】
請求項1〜23のうち一項に記載のピペット装置であって、ハウジング(22)が、ピペット装置を駆動装置(53)へ締付固定するための締付装置(5)を備えている前記ピペット装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を量り取るためのピペット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピペット装置は、実験室で液体を量り取るために使用される。エアクッションピペットは、シリンダーと、シリンダーの長さ方向に変位可能に配置されたピストンとから成る少なくとも一つの、一体化された変位ユニットを有する。シリンダーの中空スペースは、接続チャネルを介して、ピペットチップのための座部内の貫通穴に接続される。ピストンをシリンダー内で変位させることにより、空気柱を変位させることができ、これにより、試料液体を、座部に密封状に配置されたピペットチップに引き込むもしくはピペットチップから吐出する。この関係において、変位ユニットは液体に接触しない。概ねプラスチックから成るピペットチップだけが汚れるので、使用後、これを交換できる。
【0003】
ピストンは、シリンダー内でピストンを変位させるための駆動体に接続される。手動によりもしくは電動式のリニア駆動体により駆動し得るピストン作動ロッドを、ピストンロッドに結合することが知られている。ピストンロッドを、ピストン作動ロッドにおける受容部へ挿入する。更に、螺旋状のバネを、予めテンションのかかった状態のピストンばねに支えられている前記受容部へ挿入することにより、遊びを避ける。
【0004】
公知のピペット装置は組み立てコストが高い。その理由は、特に、例外的に小さなバネが取り扱いが難しいからである。この点は、使用時、特に、ユーザーが、掃除や、圧力滅菌するために、もしくは、欠陥部品交換のために、ピペット装置を分解し、そして、再度、組み立てる際にも、不利益である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらを発端として、本発明は、ピストン作動ロッドおよび変位ユニットの組み立て及び分解のコストが低いピペット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1の態様を備えたピペット装置により達成される。この解決法の有効な実施例は、従属の請求項に開示される。
液体を量り取るための本発明ピペット装置は、
ピストン作動ロッドと、
ピストン作動ロッドの一端に配置されるピストンヘッドのための、少なくともひとつの受容部であって、ピストン作動ロッドの軸方向にピストンヘッドのための接当面により形成され、前記ピストンヘッドに対向するピストンロッドのための貫通開口と、貫通開口を取り巻くピストンヘッドを支持するための基部とを備えた前記受容部と、
中空スペースを備えた少なくとも一本のシリンダーと、
ピペットチップを保持するための少なくともひとつの座部と、
シリンダーの中空スペースを座部の貫通穴につなぐ少なくとも一つの貫通チャネルと、
シリンダーの中空スペース内を長さ方向に変位可能に配置される少なくとも一つのピストンであって、受容部の貫通開口を貫通するピストンロッドと、受容部に配置されるピストンロッドの端部のピストンヘッドとを備え、前記ピストンヘッドが下面をピストンロッドに向けて前記基部へ配置され、且つ、前記ピストンヘッドが、ピストンロッドに対向しない上面を超えて突出する弾性体を備え、前記弾性体が弾性的に圧縮された様子で接当面に係合しない、もしくは、部分的に弾性的に圧縮された様子で接当面に係合するごとくした前記ピストンとから構成される。
【0007】
本発明のピペット装置において、ピストンは、ピストンヘッドが受容部へ配置されたときに、遊びを補償することを目的として、弾性的に圧縮されないもしくは部分的に弾性的に圧縮される弾性体を有している。この関係において、弾性体は受容部の接当面に係合し、ピストンヘッドが前記基部に下面により支持される。弾性体は、弾性体が配置されるピストンおよび/またはピストンヘッドより著しく大きな弾性を持っている。弾性体は別体の部品ではなく、ピストンに配置され、そして、前記ピストンとともに、及び/または、変位装置とともに、ピストン作動ロッドに取り付けることもできる。この関係において、別体の、特に、小さな、バネの扱いを無しで済ますことが出来るので、組み立てコスト、分解コストが低減され、組み立てエラーが避けられる。弾性体は、弾性的に圧縮された様子で接当面に係合しないかもしくは、部分的に弾性的に圧縮された様子で接当面に係合するので、ピストンロッドの軸方向において「下面」より上での、非圧縮状態における弾性体の部分的一致の程度は、「基部」の「接当面」に対する間隔と同じかそれ以上である。
【0008】
本発明のピペット装置は例えば、計量ステーションや、ワークステーションにおける手動式のピペットや、ピペット装置である。
ひとつの実施例によれば、ピペット装置は、単一チャネルピペット装置、即ち、ピペットチップのための単一の座部に接続される唯一の個別の変位ユニットを備えたものである。
【0009】
更なる実施例によれば、ピペット装置はマルチチャネルピペット装置であって、複数のピペットチップのための複数の座部に接続される一つ乃至それ以上の変位ユニットを備えている。
【0010】
更なる実施例によれば、ピストン作動ロッドは、互いに隣接して配置されるピストンヘッドのための複数の受容部と、中へ案内されピストンヘッドを受容部に配置される複数のピストンをともなう複数の平行なシリンダーとを備え、ピストン作動ロッドの長さ方向軸に対し横方向に配列されるクロス部材を有する。組立てコスト、分解コストの低減は、この複数の変位装置を備えたマルチチャネルピペット装置において特に大きい。
【0011】
ピストンヘッドの受容部への挿入のために各種の方法が考えられる。ひとつの実施例によれば、ピストンヘッドと、貫通開口の横断面を、ピストンヘッドが貫通開口に対する特定の回転位置で受容部へ軸方向に挿入でき、それに続く回転動作(例えば90度)後は、「基部」に位置するので撤退はできないように、形成する。また、ピストンを、「基部」から軸方向に突出しそれを介してピストンヘッドが接当面への押圧および弾性体の更なる軸方向での圧縮によってのみ回転可能となる小さな突起の間のこの固定された回転位置に案内することも、可能である。更なる実施例によれば、前記基部は、ピストン作動ロッドの端部に(例えば、円形のディスク形状プレートの周囲のねじ山により、もしくは、別途のねじを用いて)解放可能に接続し得るプレートにより形成して、これにより、基部に受容部の貫通開口を形成する、および/または、基部を受容部から離脱させ得るよう にできる。
【0012】
ひとつの実施例によれば、受容部はピストンヘッドとピストンロッドのための、ピストン作動ロッドに対し横方向に伸びる挿入開口を有する。ピストンは、ピストンヘッド及びピストンロッドにより簡単に挿入開口へ挿入でき、また、そこから引き出すことができる。ピストンを変位させるとき、力の伝達は、前記挿入開口に対して垂直に行われるので、ピストンは、はずれない。この関係において、ピストンは部分的に圧縮された弾性体により、受容部に固定できる。更に、ピストンを固定するための挿入開口を、ピペット装置の、着脱可能なハウジング部分によってカバーしてもよい。
【0013】
ピストンヘッドは、例えば、球状、平坦、もしくは、円錐状の下面により、各種の実施例が可能である。ひとつの実施例によれば、ピストンヘッドは、基部へ環状ディスクにより支持される。別の実施例によれば、ピストンヘッドが、環状ディスクとピストンロッドの間にテーパー部分を備える。
【0014】
弾性体は、各種の方法でピストンへ締付固定できる。締付固定は、実際的な接続および/または摩擦による接続および/または材料による接続によって行う。
実際的な接続においては、例えば、弾性体に外部エッジを持たせ、この外部エッジがピストンヘッドの一つのエッジへ外側で係合し、この方法によって、ピストンヘッドへ固定される。別の実際的な接続によれば、弾性体を突起要素によって、ピストンヘッド上面における対応の凹部において前記下面に取り付ける。
【0015】
一実施例において、ピストンは、ピストンヘッドの上面に、弾性体が部分的に配置されるブラインド穴を備える。弾性体は例えば、押し入れるおよび/または摩擦による接続により、ブラインド穴に固定される。ひとつの実施例によれば、ブラインド穴は、その開口部分から間隔をもって、広大部を備え、弾性体は、ブラインド穴における広大部への係合により明確に固定される。ひとつの実施例によれば、ブラインド穴は、直径方向に互いに対向する広大部を備える。更なる実施例によれば、放射状の広大部がブラインド穴の底部の凹部から伸びる。
【0016】
ひとつの実施例によれば、弾性体はピストンヘッドから突出する球状部を備える。この球状部は、弾性復帰力の緩やかな増加による緩やかな弾性変形を促進する。
【0017】
ひとつの実施例によれば、ピストンは、ピストンヘッドから遠い側の端部にテーパー部を持ち、シリンダー及び/または接続チャネルは内側に前記テーパー部に対応するテーパーを有する。これにより、シリンダーを完全に空にすることが促進される。ピストンと、ピストン作動ロッドの弾性的なカップリングにより、前記テーパー部を前記テーパーへ、押し入れることおよび/または締め付けるこ とを避けられる。
【0018】
ピストンは、各種の方法により、シリンダーへ密封できる。シリンダーの内周のすぐ上の外周によってシールすることが可能である。ひとつの実施例によれば、ピストンは、ピストンヘッドから遠い端部に、少なくとも一つの周方向のピストンシールを有する。ピストンシールはピストンより弾性が大きい。ピストンとシリンダーが、高い精度で互いに調節されていない場合でも、確実なシールが達成できる。
【0019】
一つに実施例によれば、ピストンシールは、ピストン周部の環状溝に挿入するピストンシールリングである。
シリンダーは例えば、小さなチューブやパイプによって、座部に接続される。ひとつの実施例によれば、シリンダーは座部と一体的な形態とする。
【0020】
座部は、例えば、ピペットチップを挿入するための受容部である。ピペットチップは、その上部エッジ領域を締め付けることにより、受容部へ固定できる。更に別の実施例によれば、座部は、筒状のアタッチメントである。このアタッチメントにピペットチップを取り付けて締め付けることによりピペットチップが座部へ固定される。ひとつの実施例によれば、座部は、ピペットチップを取り付けるためのテーパー部である。
【0021】
ピペットチップは、座部へ直接に、密閉状に固定できる。ひとつの実施例によれば、座部は、取り付けたおよび/または挿入したピペットチップを密封するた めの少なくとも一つの周部シートシールを有する。更なる実施例によれば、シートシールは、座部周囲の更なる環状溝に挿入されるシールリングである。
【0022】
一実施例によれば、弾性体および/またはピストンシールおよび/またはシートシールは、エラストマーから成り、即ち、完全にまたは部分的にエラストマーから形成される。
【0023】
更に別の実施例によれば、弾性体および/またはピストンシールおよび/またはシートシールは、シリコン及び/または熱可塑性プラスチックエラストマーから 成る。
【0024】
弾性体及びピストンは、例えば、別々に形成して、その後、互いに接続する。ひとつの実施例によれば、ピストンはプラスチックにより射出成形で製造する。ひとつの実施例によれば、弾性体を、ピストンに対して射出成形する。ピストンへ弾性体を射出成形することにより、弾性体とピストンとを、実際的な接続及び/または摩擦による接続及び/または材料による接続により、互いに接続させることができる。例えば、材料による接続の場合、材料は接触領域においてともに融解するよう選択される。更に別の実施例によれば、ピストンと弾性体は、マルチ成分射出成形法により製造される。
【0025】
ひとつの実施例によれば、このピペット装置は、ハウジングに、ピストン作動ロッド、少なくとも一つのシリンダー及び少なくとも一つのピストン、そして、外部から接近可能なハウジングの一側の少なくとも一つのシート部を、含んでいる。ピペット装置は例えば、前記と同じくハウジングに配置される、別体の手動式もしくは電気式駆動装置を備えている。
【0026】
更なる実施例によれば、ピストン作動ロッドの端部もまた、ハウジングの一側において外部からの接近可能である。従って、このピペット装置は、駆動装置に接続できるピペットツールを構成する。
一方、駆動装置は、手動式で発動させ得る駆動装置もしくは電動式に駆動される駆動装置でよい。
【0027】
ひとつの実施例によれば、ピストン作動ロッドはハウジングにおける前記した側から突出して、駆動装置の駆動部材へ結合される。この目的のために、一実施例によれば、軸方向外方へはねさせたピストン作動ロッドは、駆動装置のリニアな変位可能な作動部材へ、軸方向に、もたれかかる。更なる実施例によれば、ピストン作動ロッドは、受容部から遠い側の端部に、駆動装置へ接続するためのカップリング装置を備える。
【0028】
ひとつの実施例によれば、ハウジングは、ピペット装置を駆動装置へ締め付け固定するための締付装置を備える。締付装置は、駆動装置の旋回可能な握持及び/または締付装置へ固定するための、例えば、ねじ山および/またはバヨネット接続及び/またはフランジ及び/または半径方向に突出するエッジである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下本発明を添付図面に示した実施例を参照しさらに詳細に説明する。
図1は、マルチチャネル式ピペット装置の縦方向断面を示す。
図2は、前記マルチチャネル式量り取り装置の、ピストンの拡大側面図を示す。
図3は、前記マルチチャネル式量り取り装置のピストンの縦方向断面を示す。
【0030】
図1において、ピペット装置は、ベース部(2)と、ベース部(2)のエッジから垂直に延びた二本のアーム(3)(4)とから成るU字状の基本構造体(1)を有する。中空の筒状締付装置(5)がベース部(2)から外方向に突出している。
【0031】
基本構造体(1)は、例えば、金属や、剛性の固体プラスチックにより形成される。外部のねじ山(7)をもった締付スリーブ(6)を、前記締付装置(5)の外側に、これに対して回転可能に且つ軸方向には移動不能に配置する。締付スリーブ(6)も、金属もしくは剛性の固体プラスチックにより形成される。
貫通穴(8)が、締付装置(5)と同心状に、ベース部(2)を横方向に貫通して伸びている。
【0032】
ピストン作動ロッド(9)が、同軸状に、締付装置(5)および貫通穴(8)を貫通する。ピストン作動ロッド(9)は、一端に、駆動装置へ接続するための、締付装置(5)から外向きに突出するカップリング装置(10)を有する。このカップリング装置(10)は、間に溝(13)を持った、周部が円形のディスク形状の二つの軸カラー(11、12)から成る。
【0033】
ピストン作動ロッド(9)は、ベース部(2)の内側で、ピストン作動ロッド(9)に対して横方向に配列されるクロス部材(14)へ接続される。
締付装置(5)の中に、螺旋バネ(15)を取り付け、これの一端をベース部(2)の外側面に支持し、他端を、締付装置(5)の開口近くでピストン作動ロッド(9)に螺合されるリングナットの形態の接当部(16)に支持する。螺旋バネ(15)は、プレテンションの状態で図示の位置に配置されるので、クロス部材(14)をベース部(2)の内側へ押圧する。
【0034】
クロス部材(14)は、ベース部(2)に対向しない側に、個別のピストンヘッドのための複数の平行な受容部(17)を有する。各受容部(17)は、基部(19)の貫通開口部(18)を介して、ベース部(2)に対向しない側から、外部から接近可能である。従って、基部(19)は、貫通開口部(18)を形成するよう、受容部(17)における奥の部位に向って内方へ伸びる縁部を構成する。
【0035】
各受容部は、貫通開口(18)の軸方向に、接当面(20)を持つ。更に各受容部(17)は、ピストン作動ロッド(9)並びにクロス部材(14)に対する垂直方向(および/または図面の面に対して垂直)に伸びる挿入開口(21)を介して、外部から接近できる。
【0036】
ピストン作動ロッド(9)とクロス部材(14)は例えば、金属製の材料もしくは剛性を持つ固体プラスチックで形成する。
マルチパートハウジング(22)を、基本構造体(1)に固定する。ハウジング(22)は、比較的平坦であり、すなわち、図面の面に対して垂直な外部寸法は、図面の面に示された外部寸法のほんの一部分である。
【0037】
ハウジング(22)内のアーム(3,4)端部に直に隣接して、穴開きプレート(23)があり、穴開きプレート(23)は、ベース部(2)と平行に伸びており、貫通穴(18)に対応してピストン作動ロッド(9)の軸方向に伸びるガイド穴(24)を備えている 。
【0038】
ベース部(2)から更に間隔をあけて、更なる穴開きプレート(25)が、ガイド穴(24)と同軸のねじ山付き穴(26)を備えて配置される。穴開きプレート(25)は、前記した前面において、ハウジング(22)を密閉する。
【0039】
ハウジング(22)は、剛性の固体プラスチックもしくは金属製材料から形成される。更に、このピペット装置は、ピペットチップのためのテーパー部の形態の座部(29)へ一体的に接続される筒状の中空スペース(28)を備えた複数のシリンダー(27)から成る。筒状の中空スペース(28)は、テーパー状の貫通チャネル(30)を介して、座部(29)の前面の貫通穴(31)へ接続される。
【0040】
各シリンダー(27)は、周部フランジ(32)を有する。更に、各シリンダー(27)は座部(29)におけるフランジ(32)に近い側に、外部ねじ山(33)を持つ。シリンダー(26)は、金属製材料もしくは剛性の固体プラスチックから成る。
【0041】
各シリンダー(27)は、ガイド穴(24)に挿入され、ガイド穴(24)と同軸のねじ山付き穴(26)へ螺合されることにより、フランジ(32)が、穴開きプレート(25)の内側へ位置決めされる。上記の構成の代わりに、シリンダー(27)の設計を、外部ねじ山(33)を無しにし、前記更なる穴開きプレート(25)におけるねじ山無しの穴に挿入するよう設計してもよい。バネにより、フランジ(32)を前記更なる穴開きプレート(25)への接当状態で保持してよい。この位置において、座部(29)は、隣接するハウジング(22)前面を越えて外方に突出する。
【0042】
環状溝(34)が、座部(29)の周囲をめぐり、環状溝(34)内に、座部シールリング(35)が嵌められる。ガイド穴(24)とねじ山付き穴(26)すべてには、前述した方法で、シリンダー(27)を備える。図においては、単純化するために唯一つの個別のシリンダー(27)だけを示してある。
【0043】
ピストン(36)は、軸方向に変位可能に各シリンダー(27)内に案内される。
各ピストン(36)は、シリンダー(27)から突出するピストンロッド(37)の端部に、ピストンヘッド(38)を有する。
各ピストンヘッド(38)は、環状ディスク(39)と、環状ディスク(39)とピストンロッド(37)の間に配置するテーパー部(40)(図2、3参照)を含む。
【0044】
ピストンロッド(37)の側に、ピストンヘッド(38)は下面(41)を持ち、反対側に、平坦な上面(42)を有する。
上面(42)の高さ位置から、ピストンは、基部に凹部(44)を持ったブラインド穴(43)を備えている。前記凹部(44)は、図1の図面の面に対して垂直方向に、テーパー部(40)の周部近くまで長く伸びる(図2参照)、放射状の広大部(45、46)を有する。
【0045】
弾性体(47)を、ブラインド穴(43)に配置する。弾性体(47)は、ブラインド穴(43)の領域では筒状であり、上面(42)から突出する領域では球状である。この実施例において、上面(42)から突出する弾性体(47)の領域(48)は、半球体の形状を有している。
【0046】
弾性体は、凹部(44)と広大部(45、46)に配置する細長片形状部(49)により、ピストンヘッド(38)内において下方に係支される。
ピストン(36)の、ピストンヘッド(38)と反対の端部には、円錐角を貫通チャネル(30)の円錐角と同じにした、狭いテーパー部(50)を備える。テーパー部(50)とピストンロッド(37)の間には、周方向の環状溝(51)があり、ピストンシールリングの形態のピストンシール(52)を受け入れる。
【0047】
ピストン(36)は、二成分(ツー・コンポーネント)射出成形法によって形成される。この関係から、ピストン(36)は、硬質プラスチック、例えば、「フォートロン(Fortron)」(Hoechst社製ガラス繊維強化ポリ硫化ビニル)などの熱可塑性プラスチックにより製造される。弾性体(47)は、第二の射出サイクルにおいてシリコン(ラバー)により、もしくは、熱可塑性プラスチックエラストマーにより、ピストン(36)へ射出成形される。
【0048】
各ピストン(36)は、シリンダー(27)から最大限引き出した場合でも(図1)、テーパー部(50)、ピストンシール(52)が、筒状中空スペース(28)内に存在するよう構成される。
各ピストンヘッド(38)は、シリンダー(27)と同軸の受容部(17)に配置される。この関係において、ピストンロッド(37)は、貫通穴(18)を貫通する。
【0049】
ピストンヘッド(38)は、下面(41)をベース(19)に置いた状態で、円形ディスク(30)の領域に位置させる。
更に、弾性体(47)の球状領域(48)を、接当面(20)に位置させる。弾性体(47)は、球状領域(48)が、少々弾力的に圧縮される。
【0050】
ピストン(36)はそれぞれ、受容部(17)へ挿入開口(21)を介してピストンヘッド(38)を単純に挿入することにより、クロス部材(14)に接続できる。弾性体(47)の弾力的な圧縮により、弾性体(47)は、受容部(17)内の所定位置に保持され、これにより、ピストンヘッド(38)と受容部(17)の間の遊びが補償される。また、一方、ピストン(36)は、極めて簡単に、分解できる。
【0051】
ピペッティング(液の量り取り)のために、このピペット装置に、駆動装置(53)を結合する。この目的のために、ピペット装置を、駆動装置(53)の締付受容部(54)へ締付装置(5)を入れ、締付リング(6)に接続される締付受容部(54)の内側ねじ山(55)へ締付リング(6)を螺合させることにより、挿入する。この関係において、締付装置(5)は、その前端が締付受容部(54)の底部にあるよう位置させる。
【0052】
更に、カップリング装置(10)は、隣接する駆動装置(53)のリニア駆動体(57)における更なるカップリング装置(56)に接続される。
リニア駆動体(57)の軸方向変位により、ピストン作動ロッド(9)と、これに接続されるピストン(36)を変位させ得る。この関係において、ピストン(36)が、中空スペース(28)と、接続チャネル(30)内部の空気柱を変位させ、座部(29)に取り付けるピペットチップから液を吐出する、および/または、ピペットチップへ液を吸入する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】マルチチャネル式ピペット装置の縦方向断面を示す。
【図2】前記マルチチャネル式量り取り装置の、ピストンの拡大側面図を示す。
【図3】前記マルチチャネル式量り取り装置のピストンの縦方向断面を示す。
【符号の説明】
【0054】
1 基本構造体
2 ベース部
3 アーム
4 アーム
5 筒状締付装置
6 締付スリーブ
7 ネジ山
8 貫通穴
9 ピストン作動ロッド
10 カップリング装置
11 軸カラー
【出願人】 【識別番号】591121683
【氏名又は名称】エッペンドルフ アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成19年7月3日(2007.7.3)
【代理人】 【識別番号】100080724
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 久喜


【公開番号】 特開2008−12533(P2008−12533A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−174780(P2007−174780)