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マイクロピペット及びその製造方法 - 特開2008−12514 | j-tokkyo
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【発明の名称】 マイクロピペット及びその製造方法
【発明者】 【氏名】田中 重行

【要約】 【課題】複数の薬液をピペット内で一旦混合してから注入できる新規のマイクロピペットを提供することを課題とする。

【構成】本発明に係るマイクロピペットは、複数の細管を保護管内に収納したマイクロピペット本体と、該保護管の先端部を覆うように固着され先端に向かって先細りとなったキャップ部とからなることを特徴とする。また、本発明に係るマイクロピペットの製造方法においては、複数のガラス細管をガラス保護管内に挿入し、加熱しながら全体を伸張した後先端部を切断して形状を整え、該先端部と重複するようにキャップ部となるガラス管を装着して該先端部に溶着し、その後該キャップ部を加熱しながら伸張してテーパ形状としてから先端部を切断して成形することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細管を保護管内に収納したマイクロピペット本体と、該保護管の先端部を覆うように固着され先端に向かって先細りとなったキャップ部とからなることを特徴とするマイクロピペット。
【請求項2】
前記マイクロピペット本体が先端に向かって先細りとなったテーパ形状であることを特徴とする請求項1記載のマイクロピペット。
【請求項3】
前記マイクロピペット本体の外径が1mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロピペット。
【請求項4】
複数のガラス細管をガラス保護管内に挿入し、加熱しながら全体を伸張した後先端部を切断して形状を整え、該先端部と重複するようにキャップ部となるガラス管を装着して該先端部に溶着し、その後該キャップ部を加熱しながら伸張してテーパ形状としてから先端部を切断して成形することを特徴とするマイクロピペットの製造方法。
【請求項5】
前記ガラス保護管の外径が1mm以下であることを特徴とする請求項4記載のマイクロピペットの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、生命科学や微細化学、微細工学等の分野におけるマイクロインジェクションなどの操作を行う際に必要となるマイクロピペットに関する。
【背景技術】
【0002】
生物学や生物工学などの分野においては、生物の微小組織、細胞などを顕微鏡下で観察しながら操作を行う必要があり、このような作業のためにマイクロマニピュレータと呼ばれる装置が使用される。マイクロマニピュレータは通常、例えば特許文献1の図2に示されるような構成をしており、顕微鏡、モニターユニット、微動テーブル及びマイクロピペットなどからなる。また最近では、微細機械装置の開発が注目を浴びており、これらの加工や処理においてもマイクロマニピュレータが使用されるようになってきた。
【0003】
マイクロピペットとしては、先細り形状の微小ガラス管が使用されており、特許文献2の図4に示されるような単純円錐形や、或いは特許文献1の図1に示されるように円錐形の先端を斜めに切り取った形状が使用される。また、マイクロピペットとは、特許文献3に記載されているように、通常は外径が約1mm程度のテーパ形状のガラス管を指すが、上述の分野において例えば人工授精などを行う場合は、先端部の内径が0.3〜10ミクロン程度の極めて細いマイクロピペットが必要となる。
【0004】
【特許文献1】特開平8−290377号公報
【特許文献2】特開2004−325836号公報
【特許文献3】特開2003−125750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなマイクロピペットの場合、薬液が1種類の場合はよいが、2種類以上を同時に注入しようとした場合複数のピペットが必要となる。しかし、複数のピペットを顕微鏡下において微細に操作することは至難である。
【0006】
このような従来の問題点に鑑みて本発明は、複数の薬液をピペット内で一旦混合してから注入できる新規のマイクロピペットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明に係るマイクロピペットは、複数の細管を保護管内に収納したマイクロピペット本体と、該保護管の先端部を覆うように固着され先端に向かって先細りとなったキャップ部とからなることを特徴とする。
【0008】
前記マイクロピペット本体は、先端に向かって先細りとなったテーパ形状であることが望ましい。
【0009】
また、本発明におけるマイクロピペット本体は、外径1mm以下のガラス管であることが好適である。
【0010】
本発明に係るマイクロピペットの製造方法としては、複数のガラス細管をガラス保護管内に挿入し、加熱しながら全体を伸張した後先端部を切断して形状を整え、該先端部と重複するようにキャップ部となるガラス管を装着して該先端部に溶着し、その後該キャップ部を加熱しながら伸張してテーパ形状としてから先端部を切断して成形することを特徴とする。このマイクロピペットの製造方法は、特に外径が1mm以下の極細ピペットに好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるマイクロピペットは、ピペット本体中には複数の微細管が収納されているので、それぞれの微細管を別の薬液チューブに接続することにより、ピペット先端近くまでは複数の薬液を個別に導くことができる。そして、マイクロピペット本体先端部のすぐ外側、つまりキャップ部内においてこれらの薬液を一旦混合した上で注入することが可能となる。
【0012】
また、複数の微細管の1つを圧空源に接続することにより、他の微細管からキャップ部に送出された薬液を空気圧により強制的に注入する操作も可能となる。
【0013】
さらに、本発明に係るマイクロピペットにおいては、複数の微細管が1本の保護管に収納された上でキャップ部に固着されているので、非常に機械的応力に敏感な微細管を保護することができ、また保護管自体が断面円形であるため、同じく断面円形のキャップ部との溶着密封が容易となる。
【0014】
本発明に係るマイクロピペットの製造方法においては、複数の微細管を収納した保護管を加熱して微細管ごと伸張するため極細の微細管を個別に伸張するよりも極めて効率的で収率も高くなるので、安価に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例について説明する。図1は、本発明に係るマイクロピペットの実施例の部分断面図を示す。この実施例は、2本の微細管を有するマイクロピペットである。保護管1の内部に2本の微細管2が収納されて、先細り形状に形成されてマイクロピペット本体4を構成している。マイクロピペット本体4の先端部には、この本体4に一部重複する形でキャップ部3が固着されている。このピペット本体4とキャップ部3との接合部においては、微細管2同士、微細管2と保護管1、保護管1とキャップ部3とはそれぞれ相互に固着されていて、密閉状態となっている。ただし、2本の微細管2の先端部はキャップ部3と連通していて、気体或いは液体は微細管2からキャップ部3を通してキャップ部先端から外部へ放出することができる。本実施例においては、保護管1は内径1mmのもの、微細管2は外径500ミクロン内径250ミクロンのものを用いた。ただし、先端部を先細りとしているため、キャップ部3との接合部付近では保護管の外径が約20ミクロンとなっている。キャップ部3については最先端部の内径は10ミクロンとしてある。
【0016】
保護管内に収納する微細管の本数は特に限定されるものではないが、本数が多くなると保護管の直径も大きくする必要があり、またその後の伸張操作もやり難くなるので、2本または3本程度が特に好適である。
【0017】
次に、上記実施例のマイクロピペットの製造工程について説明する。まず、円筒形のガラス保護管1に2本のガラス製微細管2を挿入し、熱して柔らかくした上で伸張してテーパ形状を作成する。この際に、2本の微細管2と保護管1はそれぞれ固着される。その後先端部を切断し、2本の微細管2の穴が外部に連通するようにしてマイクロピペット本体4を形成する。次に、キャップ部3とする別のガラス管をこのピペット本体の先端部に挿入して熱により溶着する。この作業によりキャップ部3とピペット本体4は完全に密着される。続いて、キャップ部ガラス管に熱を加えながら伸張し、やはりテーパ形状とする。最後にキャップ部3の先端を所望する形状に整えて本発明によるマイクロピペットが完成する。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明に係るマイクロピペットによれば、複数の薬液をピペット中で混合した上で注入することが可能となり、また複数の微細管の1つを圧空源に接続することにより、他の微細管からキャップ部に送出された薬液を空気圧により強制的に注入することもできるので、生命科学や微細化学、微細工学等の分野におけるマイクロマニピュレーション作業に大いに貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るマイクロピペットの実施例の部分断面図を示す。
【符号の説明】
【0020】
1 保護管
2 微細管
3 キャップ部
4 マイクロピペット本体
【出願人】 【識別番号】598158897
【氏名又は名称】有限会社大和ユニオン
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−12514(P2008−12514A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−210328(P2006−210328)