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【発明の名称】 不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒の再生方法、並びに不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造方法
【発明者】 【氏名】三浦 直輝

【氏名】永井 功一

【氏名】須安 範明

【要約】 【課題】触媒活性やその持続性に優れた不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒の再生方法を提供し、また、この触媒を用いて、不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を収率良く製造する。

【構成】活性が低下した所定の劣化触媒を分子状酸素含有ガス雰囲気下に200〜500℃で熱処理し、次いで還元性物質の存在下に200〜500℃で熱処理することにより、モリブデン、ビスマス及び鉄を含有する複合酸化物からなる不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒を再生し、また、この触媒の存在下に、プロピレン、イソブチレン及びターシャリーブチルアルコールから選ばれる化合物を分子状酸素により気相接触酸化して不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレン、イソブチレン及びターシャリーブチルアルコールから選ばれる化合物を分子状酸素により気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、モリブデン、ビスマス及び鉄を含有する複合酸化物からなる触媒の再生方法であって、
活性が低下した劣化触媒を分子状酸素含有ガス雰囲気下に200〜500℃で熱処理し、次いで還元性物質の存在下に200〜500℃で熱処理することを特徴とする不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒の再生方法。
【請求項2】
前記還元性物質が、水素、アンモニア、一酸化炭素、炭素数1〜6の炭化水素、炭素数1〜6のアルコール、炭素数1〜6のアルデヒド及び炭素数1〜6のアミンから選ばれる化合物である請求項1に記載の再生方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法により触媒を再生し、この触媒の存在下に、プロピレン、イソブチレン及びターシャリーブチルアルコールから選ばれる化合物を分子状酸素により気相接触酸化する、不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレン、イソブチレン及びターシャリーブチルアルコールから選ばれる化合物を分子状酸素により気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造するために用いられる触媒の再生方法に関する。また、本発明は、この方法により得られた触媒を用いて、不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する方法にも関係している。
【背景技術】
【0002】
いわゆるモリブデン−ビスマス−鉄系複合酸化物触媒は、上記気相接触酸化反応による不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造に従来から用いられている。しかしながら、かかる触媒は、上記酸化反応に長時間使用され、又は過大な熱負荷を受けると、その触媒活性は低下する。従って、低下した活性を回復させ、上記酸化反応に良好に使用しうる触媒を再生する方法が望まれている。
【0003】
不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造用触媒の再生方法として、特開昭61−33234号公報(特許文献1)、特開昭63−137755号公報(特許文献2)、及び特開平5−184945号公報(特許文献3)には、活性の低下した劣化触媒を、分子状酸素含有ガス雰囲気下で熱処理する方法が開示されている。また、特開昭57−56044号公報(特許文献4)には、劣化触媒を還元性ガス雰囲気下にて200〜700℃で熱処理した後更に分子状酸素含有ガス雰囲気下にて550〜700℃で熱処理する方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、上述した方法で再生した触媒では、原料化合物に対する酸化能が高くなり過ぎ、反応選択性が低下する傾向があった。また、触媒活性の持続性にも欠け、短期間のうちに再度再生処理を施さなければならず、必ずしも満足の行くものではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開昭61−33234号公報
【特許文献2】特開昭63−137755号公報
【特許文献3】特開平5−184945号公報
【特許文献4】特開昭57−56044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる事情下に鑑み、本発明者等は、過度の酸化反応を抑制でき、良好な反応選択性を示し、活性の持続性もより優れた不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒の再生方法を提供することを目的として鋭意検討した。その結果、活性が低下した劣化触媒を分子状酸素含有ガス雰囲気下に所定の温度で熱処理し、次いで還元性物質の存在下に所定の温度で熱処理することにより、上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、プロピレン、イソブチレン及びターシャリーブチルアルコールから選ばれる化合物を分子状酸素により気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、モリブデン、ビスマス及び鉄を含有する複合酸化物からなる触媒の再生方法であって、活性が低下した劣化触媒を分子状酸素含有ガス雰囲気下に200〜500℃で熱処理し、次いで還元性物質の存在下に200〜500℃で熱処理することを特徴とする不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒の再生方法を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、上記の方法により触媒を再生し、この触媒の存在下に、プロピレン、イソブチレン及びターシャリーブチルアルコールから選ばれる化合物を分子状酸素により気相接触酸化する、不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造方法にも関係している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、反応選択性や、触媒活性の持続性に優れた不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒を再生することができる。また、こうして得られた触媒を用いることで、良好な収率で不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で対象とする触媒は、プロピレン、イソブチレン及びターシャリーブチルアルコールから選ばれる化合物を分子状酸素により気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造するために用いられる触媒であって、モリブデン、ビスマス及び鉄を含有する複合酸化物からなるものである。この触媒は、例えば特開昭59−46132号公報、特開昭60−163830号公報、特開2000−288396号公報等に開示されている方法で製造しうる。
【0011】
上記触媒は、例えば上記気相接触酸化反応に長時間用いられた場合や、過大な熱負荷を受けた場合等により、その触媒活性が低下する。本発明は、このように活性の低下した劣化触媒を分子状酸素含有ガス雰囲気下、所定の温度で熱処理し、次いで還元性物質の存在下、所定の温度で熱処理することにより活性を回復させる不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸製造用触媒の再生方法である。特に、本再生方法は、上記酸化反応に長時間用いられることで活性が低下した劣化触媒に再生処理を施す場合に、好適に採用される。
【0012】
本発明における上記ガス中の分子状酸素濃度は、通常1〜30容量%、好ましくは10〜25容量%である。分子状酸素源としては、通常、空気や純酸素が使用され、これが必要に応じて窒素、二酸化炭素、水、ヘリウム、アルゴン等で希釈されて、分子状酸素含有ガスとして使用される。経済的な点から空気を用いると有利である。
【0013】
上記分子状酸素含有ガス雰囲気下での熱処理は、200〜500℃で行われ、好ましくは200〜400℃で行われる。200℃より低い温度では、触媒の活性回復効果が得られ難く、500℃より高い温度では焼結現象を起こしやすい。また、該熱処理は通常1〜40時間で行われる。
【0014】
本発明では、上記分子状酸素含有ガス雰囲気下での熱処理の後、更に還元性物質の存在下、所定の温度で熱処理する(以下、かかる還元性物質の存在下での熱処理を還元処理ということがある。)。このような熱処理法を採用することにより、より良好な反応選択性を有し、触媒活性の持続性に優れた触媒を再生することができる。
【0015】
還元性物質としては、例えば、水素、アンモニア、一酸化炭素、炭化水素、アルコール、アルデヒド、アミン等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることができる。ここで、炭化水素、アルコール、アルデヒド及びアミンは、それぞれ、その炭素数が1〜6程度であるのがよく、かかる炭化水素の例としては、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタンの如き飽和脂肪族炭化水素、エチレン、プロピレン、α−ブチレン、β−ブチレン、イソブチレンの如き不飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン等が挙げられ、アルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、セカンダリーブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコールの如き飽和脂肪族アルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メタリルアルコールの如き不飽和脂肪族アルコール、フェノール等が挙げられる。また、アルデヒドの例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒドの如き飽和脂肪族アルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、メタクロレインの如き不飽和脂肪族アルデヒド等が挙げられ、アミンの例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンの如き飽和脂肪族アミン、アリルアミン、ジアリルアミンの如き不飽和脂肪族アミン、アニリン等が挙げられる。
【0016】
上記還元処理は、通常、上記還元性物質を含むガスの雰囲気下に熱処理することにより行なわれる。このガス中の還元性物質の濃度は、通常0.1〜50容量%、好ましくは0.1〜30容量%であり、このような濃度になるように、還元性物質を窒素、二酸化炭素、水、ヘリウム、アルゴン等で希釈すればよい。なお、分子状酸素は、還元処理の効果を損なわない範囲で存在させてもよいが、通常は存在させないのがよい。
【0017】
上記還元処理は、200〜500℃で行われ、好ましくは250〜450℃、より好ましくは300〜400℃で行われる。200℃より低い温度では、触媒の活性回復効果が得られ難く、500℃より高い温度では、かえって触媒活性やその持続性を低下させてしまう傾向がある。還元処理時間は通常1分〜20時間、好ましくは10分〜10時間である。
【0018】
本発明において、上記分子状酸素含有ガス雰囲気下での熱処理や、上記還元処理を実施する装置としては、分子状酸素含有ガスや還元性物質を含むガスを供給する機能を有する箱型の多段焼成炉、ローラーハースキルンの如き連続式の焼成炉、ドラム型の焼成炉等が挙げられる。また、上記気相接触酸化反応に用いられ活性が低下した劣化触媒に上記熱処理や上記還元処理を行う場合、反応器より該劣化触媒を抜き出してこれら焼成炉へ移し、上記熱処理や上記還元処理を行ってもよいし、反応器より抜き出さずに、該反応器で上記熱処理や上記還元処理を行ってもよい。経済的には、反応器より抜き出さずに上記熱処理や上記還元処理を行う方が有利である。
【0019】
上記分子状酸素含有ガスや還元性物質を含むガスを、上記装置に、断続的に供給してもよく、連続的に供給してもよい。また、これらガスを上記装置内に流通させてもよい。流通させた後の排ガスは、必要により再度循環させることができる。
【0020】
かくして得られる上記触媒は、反応選択性や触媒活性の持続性について優れた性能を有する。この触媒の存在下、プロピレンを気相接触酸化することでアクロレイン及び/又はアクリル酸を、並びに、イソブチレンやターシャリーブチルアルコールを気相接触酸化することでメタクロレイン及び/又はメタクリル酸を、収率良く製造することができる。
【0021】
該酸化反応では、通常、不飽和アルデヒドと不飽和カルボン酸の混合物が得られるが、反応率を低く抑えることで不飽和アルデヒドを選択的に製造することもできる。
【0022】
上記気相接触酸化反応は、通常、固定床多管式反応器に上記触媒を充填し、ここにプロピレン、イソブチレン及びターシャリーブチルアルコールから選ばれる化合物と分子状酸素とを含む原料ガスを供給することにより行なわれるが、流動床や移動床での反応も可能である。分子状酸素源としては、通常、空気が用いられ、原料ガス中には、上記化合物及び分子状酸素以外の成分として、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気等が含まれうる。
【0023】
反応温度は通常250〜450℃、反応圧力は減圧でも可能であるが、通常、常圧〜500kPaである。原料化合物に対する分子状酸素の量は通常1〜3モル倍である。また、原料ガスの空間速度SVは、STP(Standard temperature and pressure)基準で、通常500〜5000h-1である。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。特にことわりのない限り、ガスの体積及び空間速度はSTP基準での値である。尚、本発明の実施例において反応率(%)、合計選択率(%)及び合計収率(%)は次の式により算出した。
【0025】
反応率(%)=[(供給イソブチレンのモル数)−(未反応イソブチレンのモル数)]÷(供給イソブチレンのモル数)×100
合計選択率(%)=(メタクロレイン及びメタクリル酸のモル数)÷[(供給イソブチレンのモル数)−(未反応イソブチレンのモル数)]
合計収率(%)=(メタクロレイン及びメタクリル酸のモル数)÷(供給イソブチレンのモル数)×100
【0026】
参考例1
(a)新触媒Aの調製
モリブデン酸アンモニウム[(NH46Mo724・4H2O]13241gを温水15000gに溶解し、これをA液とした。硝酸鉄(III)[Fe(NO33・9H2O]6060g、硝酸コバルト[Co(NO32・6H2O]13096g及び硝酸セシウム(CsNO3)585gを温水6000gに溶解し、次いで硝酸ビスマス[Bi(NO33・5H2O]2910gを溶解し、これをB液とした。A液を攪拌しながらこれにB液を添加しスラリーを得、続いて噴霧乾燥し、乾燥物を得た。得られた乾燥物に、該乾燥物100質量部に対し三酸化アンチモン[Sb23]を2.54質量部添加し、6質量部のシリカアルミナファイバー(サンゴバン・ティーエム製、RFC400−SL)とともに外径6.0mm、内径2.0mm、長さ6mmのリング状に成型し、543℃で6時間焼成し、新触媒Aとした。酸素を除く触媒組成は、Mo12Bi0.96Sb0.48Fe2.4Co7.2Cs0.48Si1.43Al1.55である。
【0027】
(b)新触媒を用いた酸化反応
上記触媒A1mlを酸化反応に不活性なシリコンカーバイトで希釈して内径18mmのガラス製反応管に充填し、イソブチレン:酸素:窒素:水蒸気=1.0:2.2:6.2:2.0のモル比の原料ガスを通常よりやや高めの空間速度5250h-1で反応管に供給し、反応温度410℃にて酸化反応を行った。酸化反応開始後1日経過時点でのイソブチレン反応率は47.5%、メタクロレイン及びメタクリル酸の合計選択率は83.7%であった。また、酸化反応開始後42日経過時点でのイソブチレン反応率は36.4%、メタクロレイン及びメタクリル酸の合計選択率は87.4%であった。
【0028】
比較例1
(a)再生処理(1)(空気による熱処理のみ)
参考例1(b)の酸化反応が42日間経過した時点で反応を停止し、当該反応管に空気を空間速度915h-1で供給し、温度370℃にて20時間熱処理を施した。
【0029】
(b)再生処理後の酸化反応
比較例1(a)の再生処理後、上記酸化反応を再開し、再開後1日及び15日経過時点で反応成績を評価した。結果を表1に示す。
【0030】
実施例1
(a)再生処理(2)(空気による熱処理後、還元処理)
比較例1(b)の酸化反応が15日間経過した時点で反応を停止し、当該反応管に空気を空間速度915h-1で供給し、温度370℃にて20時間熱処理を施した。次いで温度を350℃とし、イソブチレン0.5容量%、窒素99.5容量%の混合ガスを空間速度600h-1で5時間供給し還元処理を施した。
【0031】
(b)再生処理後の酸化反応
実施例1(a)の再生処理後、上記酸化反応を再開し、再開後1日及び16日経過時点で反応成績を評価した。結果を表1に示す。
【0032】
参考例2
(a)新触媒Bの調製
触媒の成型時に三酸化アンチモンを添加せず、焼成温度を519℃にした以外は参考例1(a)と同様にして新触媒Bを得た。酸素を除く触媒組成は、Mo12Bi0.96Fe2.4Co7.2Cs0.48Si1.43Al1.55である。
【0033】
(b)新触媒を用いた酸化反応
内径25.4mmのステンレス製反応管の原料ガス入口側に上記新触媒Aを692ml、原料ガス出口側に上記新触媒Bを692mlそれぞれ充填した。ここにイソブチレン:酸素:窒素:水蒸気=5.2:12.4:75.3:7.1のモル比の原料ガスを空間速度1290h-1で導入し、イソブチレン反応率が99%前後となるように反応温度を調節して酸化反応を行った。酸化反応開始後24時間経過時点で反応成績を評価したところ、反応温度360℃においてイソブチレン反応率は98.8%、メタクロレイン及びメタクリル酸の合計選択率は84.8%、合計収率は83.8%であった。また、酸化反応開始後6300時間経過時点で反応成績を評価したところ、反応温度368℃においてイソブチレン反応率は99.1%、メタクロレイン及びメタクリル酸の合計選択率は85.4%、合計収率は84.6%であった。
【0034】
比較例2
(a)再生処理(3)(空気による熱処理のみ)
参考例2(b)の酸化反応が6300時間経過した時点で反応を停止し、温度を370℃とした後、当該反応管に空気を空間速度915h-1で20時間供給し、熱処理を施した。
【0035】
(b)再生処理後の酸化反応
比較例2(a)の再生処理後、上記酸化反応を再開し、再開後100時間、1000時間及び4300時間経過時点で反応成績を評価した。結果を表2に示す。
【0036】
実施例2
(a)再生処理(3)(空気による熱処理後、還元処理)
比較例2(b)の酸化反応が4300時間経過した時点で反応を停止し、温度を370℃とした後、当該反応管に空気を空間速度915h-1で20時間供給し、熱処理を施した。次いで温度を360℃とし、イソブチレン0.5容量%、窒素99.5容量%の混合ガスを空間速度74h-1で8時間供給し還元処理を施した。
【0037】
(b)再生処理後の酸化反応
実施例2(a)の再生処理後、上記酸化反応を再開し、再開後100時間、1000時間及び4300時間経過時点で反応成績を評価した。結果を表2に示す。
【0038】
【表1】


【0039】
再生方法として、空気による熱処理のみを行った比較例1と、空気による熱処理後、還元処理を行った実施例1とを比較すると、どちらも再生処理後1日の時点では良好に反応率は回復しているが、空気による熱処理のみの場合では反応率の持続性について十分ではなく、還元処理まで行うことで優れた反応率の持続性を得ることができた。
【0040】
【表2】


【0041】
空気による熱処理のみを行った比較例2では、反応を継続していくにつれ、目標とする99%前後の反応率を達成するために要される反応温度は徐々に高くなっていき、4300時間経過時においては370℃まで上げてもかかる反応率を達成できなかった。対して、還元処理まで行った実施例2では、反応を継続しても、反応温度をあまり高くせずに目標とする反応率を達成でき、活性の持続性に優れていた。また合計収率についても優れたものであった。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆

【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨

【識別番号】100119471
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 雅之


【公開番号】 特開2008−6359(P2008−6359A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177871(P2006−177871)