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紫外線照射装置 - 特開2008−6333 | j-tokkyo
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【発明の名称】 紫外線照射装置
【発明者】 【氏名】大瀧 満

【要約】 【課題】照射対象物質を積極的に取り込み、且つ、これを所定方向に放出することにより最小限の出力でも効率よく殺菌することができると共に、安全性の高い紫外線照射装置を提供する。

【構成】紫外線を照射するランプ10と、このランプを収容するカバー30とを備えた紫外線照射装置であり、カバーには、装置周囲の流体をカバー内部に導入してランプで紫外線照射するための導入口33と、紫外線照射を受けた流体をカバー外に排出するための排出口34と、ランプからの波長を装置外に方向性を持たせて放射するための少なくとも一の整光板32a〜32eとを有する。カバー内外の温度差やランプからの吐出流、あるいはカバー内の圧力差を利用することで、カバー外の流体を導入口からカバー内に積極的に取り込み、排出口からカバー外に排出させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線を照射するランプと、このランプを収容するカバーとを備え、カバーには、装置周囲の流体をカバー内部に導入してランプで紫外線照射するための導入口と、紫外線照射を受けた流体をカバー外に排出するための排出口と、ランプからの波長を装置外に方向性を持たせて放射するための少なくとも一の整光板とを有することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
複数の整光板の間の隙間を通って前記ランプからの波長が放出されることを特徴とする、請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
カバーの一端から他端に向かうにつれて徐々に内径が大きくなるように複数の整光板が間隔をおいて設けられ、その小径端が前記導入口となり、大径端が前記排出口となることを特徴とする、請求項1または2記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
カバー先端が遮光板で閉塞されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
カバー先端に少なくとも一の開口が設けられ、この開口が前記導入口として働くことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
カバーがその一端と他端とにおける内径が異なる略円錐筒状に形成され、該略円錐筒状カバーの一端が前記導入口となり、他端が前記排出口となると共に、該略円錐筒状カバーの形状自体が前記整光板として働いてランプからの波長を排出口から所定方向に放射することを特徴とする、請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記ランプが、少なくとも一の放電管と、放電管を収容し且つ貫通口を有する外筒と、外筒内に所定温度の流体を導入するための流体導入手段とを備え、流体導入手段により外筒内に導入された流体を貫通口から吐出すると共に、放電管からの波長を貫通口から照射することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
カバー内外の温度差による対流を利用して、装置周囲の流体を導入口からカバー内部に導入し且つ該導入した流体を排出口から排出することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか記載の紫外線照射装置。
【請求項9】
前記ランプ外筒貫通口からの吐出流を利用して、装置周囲の流体を導入口からカバー内部に導入し且つ該導入した流体を排出口から排出することを特徴とする、請求項7記載の紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は紫外線(UV)ランプを用いた紫外線照射装に関し、より詳しくは、UVランプから発生する殺菌線(波長253.7nm線)や酸素(O)を活性化させるオゾン線(波長184.9nm線)などの光の照射方向を任意に定めることができると共に、UVランプ周辺に照射対象物を取り込むことができる構成を備えた紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線照射装置は殺菌や消臭などを目的として広い分野で使用されている。その構成についても下記特許文献に例示されるように各種のものが提案されている。
【特許文献1】特開2000−245814号公報
【特許文献2】特開平5−253565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
UVランプは、発生した紫外線によって破壊された物質がガス状となって放電管に付着するため、使用時間と共に出力低下が生ずる。このため、実際の使用環境では、経時的な出力低下分を見込んで高出力のランプを使用することが余儀なくされていた。
【0004】
また、UVランプにより流体(空気などの気体、水などの液体)に存在する照射対象物質(菌など)に紫外線照射しようとする場合、媒体(流体)自体の紫外線透過率に左右されることとなるので、UVランプから対象物質が効率的に紫外線照射を受けるためためには対象物質がUVランプのできるだけ近くに存在していることが好ましい。反面、対象物質が人体に関連付けられている場合、人体に有害な紫外線を浴びせかけることがないように配慮しなければならない。
【0005】
たとえば空中浮遊菌を殺菌するために紫外線を利用することは有効であるが、保菌者が保有する菌を殺菌しようとして紫外線を近くから無作為に放射することは、有害な紫外線が人体に悪影響を与える危険性があるために避けなければならない。このため、食品加工現場や医薬・医療現場などでは人のいない時間帯に室内の空間を殺菌したり、汚染されていると思われる器具などを殺菌することにより感染を防いできたが、これらの手法では、保菌者からの直接的な伝搬による感染には無防備であった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、照射対象物質を積極的に取り込み、且つ、これを所定方向に放出することにより最小限の出力でも効率よく殺菌することができると共に、安全性の高い紫外線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる本発明は、紫外線を照射するランプと、このランプを収容するカバーとを備え、カバーには、装置周囲の流体をカバー内部に導入してランプで紫外線照射するための導入口と、紫外線照射を受けた流体をカバー外に排出するための排出口と、ランプからの波長を装置外に方向性を持たせて放射するための少なくとも一の整光板とを有することを特徴とする紫外線照射装置である。
【0008】
請求項2にかかる本発明は、請求項1記載の紫外線照射装置において、複数の整光板の間の隙間を通って前記ランプからの波長が放出されることを特徴とする。
【0009】
請求項3にかかる本発明は、請求項1または2記載の紫外線照射装置において、カバーの一端から他端に向かうにつれて徐々に内径が大きくなるように複数の整光板が間隔をおいて設けられ、その小径端が前記導入口となり、大径端が前記排出口となることを特徴とする。
【0010】
請求項4にかかる本発明は、請求項1ないし3のいずれか記載の紫外線照射装置において、カバー先端が遮光板で閉塞されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5にかかる本発明は、請求項1ないし3のいずれか記載の紫外線照射装置において、カバー先端に少なくとも一の開口が設けられ、この開口が前記導入口として働くことを特徴とする。
【0012】
請求項6にかかる本発明は、請求項1記載の紫外線照射装置において、カバーがその一端と他端とにおける内径が異なる略円錐筒状に形成され、該略円錐筒状カバーの小径端が前記導入口となり、大径端が前記排出口となると共に、該略円錐筒状カバーの形状自体が前記整光板として働いてランプからの波長を排出口から所定方向に放射することを特徴とする。
【0013】
請求項7にかかる本発明は、請求項1ないし6のいずれか記載の紫外線照射装置において、前記ランプが、少なくとも一の放電管と、放電管を収容し且つ貫通口を有する外筒と、外筒内に所定温度の流体を導入するための流体導入手段とを備え、流体導入手段により外筒内に導入された流体を貫通口から吐出すると共に、放電管からの波長を貫通口から照射することを特徴とする。
【0014】
請求項8にかかる本発明は、請求項1ないし7のいずれか記載の紫外線照射装置において、カバー内外の温度差による対流を利用して、装置周囲の流体を導入口からカバー内部に導入し且つ該導入した流体を排出口から排出することを特徴とする。
【0015】
請求項9にかかる本発明は、請求項7記載の紫外線照射装置において、前記ランプ外筒貫通口からの吐出流を利用して、装置周囲の流体を導入口からカバー内部に導入し且つ該導入した流体を排出口から排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、流体に存在する対象物質をUVランプ近くに積極的に取り込むことができ、最小限の出力でも効率よく殺菌を行うことができる。また、保菌者に対して近距離から直接的に紫外線を浴びせかける危険を回避しながらも直接伝搬による感染を防止する効果を発揮することができる。
【0017】
より具体的には、本発明は、人体に影響の少ない紫外線照射を継続的に、人体の近くではあっても人の居ない方向に方向性を持たせて照射するので、保菌者からの気中伝染をある程度阻止できるものと考えられると共に、光は直進する性質があるので、オゾンやマイナスイオン・薬物散布等の照射対象物に取り付いて壊す方法とは違い、人体にまとわり付くことも無く安全である。
【0018】
さらに、紫外線照射方向を制御することにより、装置の周囲に制御された紫外線層を形成することが可能となり、人体に安全でありながらも人体に近接した場所への紫外線照射が可能となる。
【0019】
これらの効果を発揮することから、本発明の紫外線照射装置によって、人体近くに、安全でしかも効果的な紫外線層を形成できることとなる。この効果はUVランプが作動している間、リアルタイムに得られるので、人の居ない空間や器具への紫外線照射ではなく、人の居る空間自体に直接適用可能となる。
【0020】
したがって、鉄道車両や航空機、エレベーターといった、多人数が強制的に閉鎖的な空間に居る場合の、菌や匂い等の人から出る物質の気中伝搬防御に有効活用できると共に、トイレの個室等、他人の使用後に直ぐに利用しなければならない空間等を、前の使用者が居る状態から紫外線放射できるので、気中伝搬予防に有効である。
【0021】
現代社会では、多種多様な人間と接する機会が増えており、他人の吐き出した空気が満ちている、あるいは、動物やペットの体から出た物質が満ちているといった空間に、何の防御もなく居るのは心理的に不安な場合があり、これらに対する何らかの対抗措置が必要不可欠である。整光された紫外線層による殺菌空間が近接してあれば、他人のペットと同じ室内に居ること等にも不安が少なくなり、心理的に安心である。
【0022】
大勢の感染者が一度に収容されるような環境では、感染物質の空中浮遊率も大きくなると考えられる。フィルター等を通して換気すれば浮遊率も下がるであろうが、本発明を併用することによってさらに効果を上げることが期待できる。本発明を利用すれば、多灯化や紫外線層の位置や向き等を制御して、室内に強紫外線層や低紫外線層を同時に構築することが可能となる。医師による判断が必要と思われるが、紫外線の人体への影響度と感染物質の人体への影響度を判断して、室内の紫外線の量と向きをコントロールすることにより、危険な感染物質への対抗手段として用いることが可能である。
【0023】
耐水性があれば、浴槽やプールなどの水中に設置して人体に近接した水殺菌を行うことも可能である。これにより、塩素等の薬物を利用する必要がなくなり、薬物に過敏な反応起こす人にも安全な殺菌手法を提供することができる。
【0024】
本発明は、人間環境だけではなく、家畜が居る環境にも有効であり、畜舎や養殖水槽等へ利用して、家畜固体への直射を防ぎつつ、家畜の居る状態で気中並びに水中に紫外線放射を行うことができるため、家畜固体から他の固体への伝搬防止に有効利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明の一実施形態による紫外線照射装置を模式的に示す断面図であり、ベース21上に、UVランプ10とカバー30が固定されてなる。この紫外線照射装置は天井設置型であり、ベース21をボルト23などにより室内や廊下などの天井22に固定し、UVランプ10およびカバー30を下向きにして使用される。
【0026】
UVランプ10は、図2および図3に示すような内外圧力差を利用した防塵型のUVランプ10を用いることができる。符号11はランプ構成を支えるベースであり、このベース11に、放電管12と、放電管12を均一に定温化させるための流体を分散供給する分散筒13と、この流体を吐出させる空隙15を有する外筒14とが固定されて成る。この実施形態では、一つの放電管12と二つの分散筒13が外筒14内に収容されている。
【0027】
放電管12は公知または市販の殺菌線発生管やオゾン線発生管を用いることができる。また、この実施形態ではU字管が用いられているが、直管や曲管等任意形状の放電管12を用いることができる。放電管12の基端部(電極部)はベース11の穴を貫通して外部に導通されており、所要の結線が行われる。
【0028】
一対の分散筒13,13はそれらの間に放電管12を挟んで対向するように配置されており、放電管12側には複数の流出口16が開口している。各分散筒13の基端部もベース11の穴を貫通して外部に導通しており、流体供給源(図示せず)に接続されている。流体供給源は、放電管12が適切に作動するような所定温度に調節されると共に不純物が取り除かれた流体(たとえば酸素ガスや水)を供給する。
【0029】
外筒14は、その基端部がベース11に固定されている。外筒14は金網や樹脂等任意の材料で形成することができ、この実施形態では、空隙15として多数の微細孔を有するパンチングメタルで形成されている。空隙15は外筒14の全般に亘って規則的に設けられているが、その配列は任意であり、部分的・偏在的であっても良い。
【0030】
この流体が各分散筒13の流体供給口17に供給されると、各分散筒13の内部を通って、流出口16から放電管12に吐出され、放電管12を流体温度と略同一に定温化(加温または冷却を含む)する。また、この流体が放電管12に向けて吐出されるので、この吐出流によって異物が放電管12に付着することを防止し、さらには外筒14により隔室化されているため、内外の圧力差により外筒14内への異物の侵入を防ぐこととなり、したがって、放電管12からは常に所期の波長が発生される。
【0031】
流体供給が放電管12の点灯・消灯にかかわらず継続されることにより、放電管12に吐出された流体は外筒14内に充満し、外筒14の空隙15からランプ外部に排出され続け、空隙15を閉塞させることなく確保する。流体の流入圧は流体供給源からの加圧に限らず、外筒14の外部からの吸引(負圧)によってもたらされても良く、流体供給継続中は、放電管12を点灯しなくても、放電管12から発生する光子の系外への道筋を確保できることとなり、放電管12の点灯後は、放電管12内で生まれる光子が何ら損傷を受けることなく空隙15から飛び出し続けることが可能となり、系外の環境にかかわらず系外への光子照射が継続的にも断続的にも行われる。
【0032】
外筒14の空隙率に比例して放電管12からの出力が減少するが、このランプ構造によれば、放電管12と分散筒13を外筒14内に収容してこれらをベース11にて固定一体化しているので、放電管12と外筒14との間隙を極小化することができ、すなわち、光源から外筒空隙15までの距離を接近させることができるので、外筒空隙15から外部に向かっての光の拡散角度の広角化が期待できる。したがって、外筒空隙率に対する出力損失は最小限に抑えることができる。さらに、必要であれば、外筒14内面の反射率を高めるように鏡面加工を行って出力低下を抑えるようにすることが好ましい。
【0033】
天然石英管等オゾン線を透過させる放電管12を用いると共に、供給する流体として酸素ガスを用いれば、放電管12の回りを酸素で覆うことができるので、効率よく酸素を活性化させることができ、ランプ10自体をオゾン発生器として用いることができる。同様の原理で、酸素に限らず、外筒14内に導入された物質に効率的にUV照射することができる。
【0034】
上記構成例のUVランプ10では外筒14をパンチングメタルで形成して、その微細孔を流体排出口及び光照射口としての空隙15として用いているが、これに代えて、図4に示すように、任意本数のスリット15’を外筒14に形成しても良い。スリット15’の形成位置や本数を適宜選択することによって、外筒14外への照射角度範囲や照射面積を任意に設定することができる。
【0035】
また、図5に示すUVランプ構成例では、外筒14の先端に流体排出用の管18を設けている。この構成のUVランプに、オゾン線を透過させない、または内面に反射率の高い素材を用いて外筒14を形成して酸素ガスを導入すると、放電管12により活性化された活性酸素が排出管18から放出され、オゾン発生器として好ましい構造となる。
【0036】
分散筒13は必ずしも必須ではなく、特に放電管12の長さが短い場合は、これを割愛することができる。この場合は、流体供給源からの流体を、ベース11に形成した流入口から直接外筒14内に導入して放電管12を定温化し、貫通口15,15’や排出管18から排出する。
【0037】
なお、流体は気体に限定されず、用途によっては不純物を除去した所定温度の水などの液体も使用可能である。
【0038】
以上に詳述したような防塵タイプのUVランプ10によれば、外筒14内に導入された流体が貫通孔15,15’や排出管18から外部に放出されるので、この吐出流によって貫通孔(排出管)の汚れや閉塞を防止することができるが、さらに、図6に示すように、弾性材料で形成した保護筒19で外筒14を覆い、この保護筒19に任意に切り込み20を入れておくと、該切り込み20が逆止弁として作用するので、汚れや閉塞防止により効果的である。流体が供給されていないときは切り込み20による弁が閉じて外部からの粉塵等の進入を防止し、流体が供給されると弁が開き、流体を外筒14の外部に吐出するとともに放電管12が発生した光を外部に照射できるようになる。このような保護筒19自体を外筒14に代えて用いても良い。
【0039】
UVランプ10を包囲するようにしてベース11にボルト31などにより固定されるカバー30は、少なくとも一の整光板32を有する。この実施形態では、すべて同一の外径を有するが内径が下方から上方に向けて徐々に大きく設定された4枚のリング状整光板32a〜32dと、これらリング状整光板32a〜32dと同一外径である1枚の円板状整光板32eを有しており、円板状整光板32eが最下方に配置されていてカバー30の下面を閉塞している。これら整光板32a〜32eは遮光性・光反射性の材料で形成され、高さ方向に間隔を配して配置されている。最小の内径を有する整光板32dと円盤状整光板32eとの間の隙間Aが、カバー30の回りにある流体を取り込むための導入口33を形成し、最大の内径を有する整光板32aとベース11との間の隙間が、該取り込んだ流体をカバー30外に排出するための排出口34を形成している。リング状整光板32a〜32dの枚数は任意であり、それらの間の隙間Bも後述の作用を効果的に発揮することができるように任意に設定される。
【0040】
上記した構成の紫外線照射装置において、UVランプ10を点灯すると、該ランプからの紫外線が、カバー30の開口部である排出口34からカバー30外に放出される。この状態が図7に矢印Aとして示されている。この実施形態によると整光板32a〜32eがいずれも使用状態において水平に配置されているため、直線的に進もうとする光の性質によって、整光板32a〜32eの間の隙間Bから略水平に直線的に波長が放出され、あるいは整光板32a〜32eに反射した光が反射角度をもって放出されることになる。整光板32a〜32eの間から略水平に放出される波長は減衰することなくカバー30外へと放射されるが、この領域は天井に近い部分であるので人体への直接放射の危険はない。整光板32a〜32eに反射した光は反射の都度減衰されてカバー30外に放射される。整光板32a〜32eに多重に反射するようにその形状・寸法や枚数、それらの間隔などを考慮することにより、反射光の減衰を促し、実質的に水平方向のみへの放射が行われるように設計することができる。あるいは、整光板32a〜32eに低反射素材を用いたり、表面処理による拡散を行ったり、低反射性の素材でコーティングすることによって同様の作用を発揮させるようにしても良い。カバー30内は高紫外線領域であるから、酸化チタンをコーティングして、常にランプ外筒やカバー表面に付着する汚れを分解するようにすれば、所期の性能を長期間に亘り維持することができる。
【0041】
同時に、UVランプ10の点灯によってUVランプ10の回りの温度が上昇するので、カバー30の内外に温度差が生じ、図7に矢印B〜Dで示すような対流が自然発生する。このため、矢印Bで示すように導入口33からカバー30内に取り込まれた流体が矢印Cで示すようにUVランプ10近くの高紫外線領域を通過する間に該流体がUV照射によって殺菌され、殺菌清浄化された流体として排出口34から矢印Dで示すようにカバー30外へと放出される流体経路を形成する。
【0042】
前述の防塵型UVランプ10を用いた場合、外筒14の内外の圧力差を利用して流体を貫通孔15,15‘や排出管18から常に外部に吐出することによって貫通孔(排出管)の汚れや閉塞を防止することができるものの、反面、この吐出流によって、紫外線照射を要する物質(たとえば空気中の菌)が外筒14近くに接近することが妨げられ、有効なUV照射を受けることができなくなってしまうおそれがある。この紫外線照射装置によれば、この問題を解決するために、UVランプ点灯によって生ずるカバー内外の温度差を利用することに加えて、防塵型UVランプからの吐出流ないしそれによって生ずるカバー内の圧力差を利用することにより、照射対象物質を導入口33から取り込み且つ排出口34から排出することを効率的に行うようにし、比較的小さな出力でも効果的なUV照射を受けることができるようにしている。ランプ内部からの吐出流によって導入口33からの流体導入が妨げられることのないようにそれらの量や流速、カバー30の容積などを適切に設計することにより、防塵型UVランプ10の機能を損なうことなく、カバー30外の流体を導入口33から導入してランプ外筒14付近に照射対象物質を近付けて効率的なUV照射を行うことが可能となる。
【0043】
すなわち、整光板32a〜32dの内径が下方から上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように設定されているので、防塵型UVランプ10の外筒14から吐出される流体に対しては稜線Cを持つ円錐面があるように作用する。このため、防塵型UVランプ10から側方へと流体が吐出されることにより、内径の小さい方(下端側)の内圧が高まり、内径の大きい方(上端側)の内圧は相対的に低くなる。このカバー30内の内圧差によって、吐出流が稜線Cの円錐面に沿うようにして上方に向けて流動して排出口34から排出されると共に、カバー30周囲の流体を積極的に導入口33からカバー30内に取り込み、且つ、吐出流に帯同して上方に流動して排出口34から排出することが可能となる。
【0044】
さらに、流体の紫外線透過度に左右されるが、UVランプ10からの紫外線を整光板32a〜32e間の隙間からカバー30外に放出する構造であるので、カバー30の周囲の流体は導入口33から内部に入り込む前にもUV照射を受け、且つ、排出口34から排出された後もUV照射を受けることとなるので、より一層のUV照射効果を期待することができる。
【0045】
なお、導入口33および排出口34はカバー30の全周に設けても良いが、必要に応じて所定方向のみに開口するように設けても良い。たとえば、カバー30の半周域についてはこれら導入口33および排出口34を設けずに閉塞遮光面とし、残る半周域に導入口33および排出口34を設けた設計とすることができる。本実施形態は円柱形を模しているが、多角柱形状に形成し、各面において導入口33および排出口34並びに遮光板32a〜32dを設けた設計とすることができる。
【0046】
図8は本発明の他の実施形態による紫外線照射装置を模式的に示す断面図である。この紫外線照射装置は、図1の実施形態の変形例であり、カバー30’の下面部材35に開口36を設けたものである。他の構成は図1の実施形態と同様であるので、同一要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図8の紫外線照射装置において、UVランプ10からの紫外線照射は外筒14の側面に開けた空隙15やスリット15’から側方向に放出されるため、カバー下面部材35に開口36を形成しても、この開口36から直射で出ていく放射はなく、一部が整光板32a〜32eに反射して減衰された状態で開口36から放出されるにすぎず、下方への放射は実質的にほとんど無視できる程度に抑えられる。一方、この構成によれば、カバー30’の下方にある流体を内外温度差を利用して開口36から積極的に取り込むことができると共に、整光板の内壁が流体に対し概略円錐筒状の稜線Dを築くようにしてあるので、防塵型UVランプの外筒からの突出圧及び突出流が上方向に作用されることとなり、既述した対流を促進する効果がある。
【0048】
図9は本発明のさらに別の実施形態による紫外線照射装置を模式的に示す断面図である。この実施形態の紫外線照射装置においては、防塵型UVランプ10の吐出流を利用して、カバー37外の流体を積極的にカバー37内に取り込んでUV照射し且つその後にカバー37外へと排出させる作用を効率的に行うことができ、特にカバー37外の流体の粘度が高い場合や、温度差が少ない場合に有効な構成である。UVランプ10およびベース11については図1の実施形態と同様であるので、同一要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
この実施形態では、カバー37が筒状であって且つその両端の開口径が異なるように形成されており、このカバー形状自体が整光板としての作用を兼ねている。より具体的には、カバー37は、その内径が上端から下端に向かうにつれて徐々に大きくなる円錐状筒部37aと、その上端から外方に延長するフランジ37bとを一体に有する形状を有している。
【0050】
この実施形態は、特にUVランプ10として既述の防塵型UVランプ10を用いた場合に該防塵型UVランプ10と筒状カバー37とを組み合わせて用いる場合に有効である。すなわち、防塵型UVランプ10の外筒14の側面に開けた空隙15やスリット15’から略水平方向に放出された流体が、カバー円錐状筒部37aの内壁面に突き当たった後、その傾斜に案内されて内壁面に沿って上昇していき、フランジ37bとベース11との間から外部に放出される。この防塵型UVランプ10からの吐出流経路が、カバー37外の流体の導入および排出を促進させる。したがって、この実施形態の場合は、カバー37の下端における開口部が外部の流体を取り込むための導入口38となり、カバー37上端フランジ37bとベース11との間の隙間がUV照射後の流体を外部に排出するための排出口39となる。
【0051】
図10に示す実施形態は、図9の実施形態とは天地逆の使用状態において同様の作用を発揮させることを意図した構成を有しており、床24などにベース11および防塵型UVランプ10が上向きに固定されたものにおいて、その内径が下端から上端に向かうにつれて徐々に大きくなる円錐状筒部40aと、その下端から外方に延長するフランジ40bとを一体に有する形状を有するカバー40がベース11に取り付けられている。防塵型UVランプ10の外筒14の側面に開けた空隙15やスリット15’から略水平方向に放出された流体は、円錐状筒部40aの内壁面に突き当たった後、その傾斜に案内されて内壁面に沿って上昇していき、その上端開口部42から外部に放出される。この防塵型UVランプ10からの吐出流経路が、カバー40外の流体の導入および排出を促進させる。したがって、この実施形態の場合は、カバー40の下端におけるフランジ40bとベース11との間の隙間が外部の流体を取り込むための導入口41となり、カバー40の上端開口部がUV照射後の流体を外部に排出するための排出口42となる。
【0052】
図9,図10に示すような実施形態は、カバー37,40の円錐形状が整光板として機能して、防塵型UVランプ10からの吐出流を用いて外部流体を積極的に内部に取り込んでUV照射し且つその後に外部へと排出させる作用を促進させる。同時に、UV照射も特定の方向に制御することができるので、人体と至近距離であっても設置可能である。たとえば、浴槽内の湯やプールの水を殺菌するような用途にも、塩素などの薬物殺菌に代えて紫外線放射を応用することができるため、薬物による人体への影響を懸念することなく安全な殺菌が可能となる。
【0053】
なお、図9,図10の実施形態におけるカバー37,40はその両端のみが開口する円錐形状であることが基本であるが、上述の機能を損なわない限りにおいて、カバーに孔を開けてカバー外への紫外線放射が行なわれるような構成にしても良い。
【0054】
本発明について幾つかの好適な実施形態を示して詳述したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において様々な変形態様を取り得る。たとえば、図1に示す天井設置型の実施形態においてカバー30の下面を円盤状の整光板32eで閉塞して紫外線が下方に向けて放射されないような構造が採用されているが、天井が高く、下方に向けて紫外線照射しても人体に悪影響を与えない程度に十分に減衰する距離が確保できる場合には、カバー下方の流体(空気)に対しても紫外線照射することが好ましい。このような場合には、防塵型UVランプ10の下面にも紫外線が放射されるスリットや穴を設けておくと共に、カバー下面32eにもスリットや穴を形成しておくと良い。また、同様の場合、図8に示す実施形態においても、防塵型UVランプ10として下面にも紫外線が放射されるスリットや穴を設けたものを用いることにより、カバー下面部材35の開口36を通じて下方に直接紫外線照射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態による紫外線照射装置を模式的に示す断面図である。
【図2】図1の紫外線照射装置に用いられるUVランプの構成例を示す概略外観図(a)およびI−I断面図(b)である。
【図3】図2のUVランプを角度を変えて見たときの概略内部構造図(a)およびII−II断面図(b)である。
【図4】UVランプの別の構成例を示す概略外観図(a)およびIII−III断面図(b)である。
【図5】UVランプのさらに別の構成例を示す概略外観図(a)およびIV−IV断面図(b)である。
【図6】UVランプのさらに別の構成例を示す概略外観図(a)およびV−V断面図(b)である。
【図7】図1の紫外線照射装置の作用説明図である。
【図8】本発明の別の実施形態による紫外線照射装置を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明のさらに別の実施形態による紫外線照射装置を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態による紫外線照射装置を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0056】
10 紫外線ランプ
11 ベース
12 放電管
13 分散筒
14 外筒
15,15’ 貫通口
21 ベース
30 カバー
32(32a〜32e) 整光板
33 導入口
34 排出口
36 開口
37 カバー
38 導入口
39 排出口
40 カバー
41 導入口
42 排出口
【出願人】 【識別番号】506038349
【氏名又は名称】有限会社網紙
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100085589
【弁理士】
【氏名又は名称】▲桑▼原 史生


【公開番号】 特開2008−6333(P2008−6333A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176954(P2006−176954)