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【発明の名称】 ミキサ、および多孔質材料内で少なくとも2種類の流体を混合する方法
【発明者】 【氏名】イゴール アイ.フェドシニア

【要約】 【課題】多孔質媒体の中での混合を制御された方法で加速することが望まれている。

【構成】多孔質材料中に取り込まれた流体相を一様に混合する装置および方法を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの多孔質材料を保持する容器と、
前記容器の少なくとも1つの壁に音響的に結合されて波動を発生する少なくとも1つのアクチュエータと、
少なくとも2種類の混合される流体を受け入れるために前記容器にある少なくとも1つの導入孔と、
を備え、
前記波動が前記少なくとも2種類の流体に作用して混合を促進することを特徴とする多孔質材料のミキサ。
【請求項2】
前記アクチュエータに結合されたリニアモータを更に備え、制御信号によって励振されたときに前記モータが変位を生じさせることを特徴とする請求項1に記載のミキサ。
【請求項3】
前記変位が前記アクチュエータに対して力を及ぼすことを特徴とする請求項2に記載のミキサ。
【請求項4】
前記変位および前記アクチュエータの音響的結合が、前記波動を形成することを特徴とする請求項3に記載のミキサ。
【請求項5】
前記アクチュエータの音響的結合が、所定の距離だけ離間した少なくとも2点の位置でなされていることを特徴とする請求項4に記載のミキサ。
【請求項6】
前記力が、前記容器の壁を通過して前記少なくとも1つの多孔質材料の内部にまで繋がれていることを特徴とする請求項5に記載のミキサ。
【請求項7】
前記アクチュエータが、交番する力を前記点の各々に加えることを特徴とする請求項6に記載のミキサ。
【請求項8】
前記リニアモータが、圧電トランスジューサであることを特徴とする請求項7に記載のミキサ。
【請求項9】
前記励振用の制御信号が、約1〜20MHzの範囲の振動数で交番することを特徴とする請求項8に記載のミキサ。
【請求項10】
交番して加えられる力の位相差が約180°に相当することを特徴とする請求項9に記載のミキサ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの多孔質材料の内部にある前記波動が、前記交番して加えられる力に相応する圧縮波/膨張波であることを特徴とする請求項10に記載のミキサ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの多孔質材料が、1つの単独層であることを特徴とする請求項11に記載のミキサ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの多孔質材料が、複数の種類の多孔質材料からなるサンドイッチ構造であることを特徴とする請求項11に記載のミキサ。
【請求項14】
多孔質材料内で少なくとも2種類の流体を混合する方法において、
少なくとも1つの導入孔と、少なくとも1つのアクチュエータに結合された少なくとも1つのリニアモータと、を備え、前記アクチュエータが壁に音響的に結合されてなる混合容器の内部に、前記流体を流入させるステップと、
所定の振動数の制御信号を使って前記少なくとも1つのリニアモータを励振するステップと、
前記容器の内部で流動が促進されるように、前記アクチュエータの音響的結合および前記所定の振動数によって定まる圧縮波/膨張波を発生させるステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記所定の振動数が、約1〜20MHzの範囲にあることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記リニアモータが、圧電トランスジューサであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの多孔質材料を保持する容器と、
各々のアクチュエータペアが2つのアクチュエータ部材を備え、各アクチュエータペア部材が前記容器について互いに対面に音響的に結合されて波動を発生させるような複数のアクチュエータペアと、
少なくとも2種類の混合される流体を受け入れるために前記容器の内部に備えられた少なくとも1つの導入孔と、
を備え、
前記波動が前記少なくとも2種類の流体の混合を促進することを特徴とする多孔質材料のミキサ。
【請求項18】
アクチュエータの各ペアが、更にリニアモータを備え、制御信号によって励振されたときに前記モータが変位を発生させることを特徴とする請求項17に記載のミキサ。
【請求項19】
前記変位が、各アクチュエータペア部材に対して力を加えることを特徴とする請求項18に記載のミキサ。
【請求項20】
前記変位および前記アクチュエータペア部材の音響的結合が、前記波動を形成することを特徴とする請求項19に記載のミキサ。
【請求項21】
各アクチュエータの音響的結合が、所定の距離だけ離間した少なくとも2つの点の位置でなされていることを特徴とする請求項20に記載のミキサ。
【請求項22】
前記力が、前記容器の壁を通過して前記少なくとも1つの多孔質材料の内部にまで繋がれていることを特徴とする請求項21に記載のミキサ。
【請求項23】
前記アクチュエータが、交番する力を前記点の各々に加えることを特徴とする請求項22に記載のミキサ。
【請求項24】
前記リニアモータが、圧電トランスジューサであることを特徴とする請求項23に記載のミキサ。
【請求項25】
前記制御信号が、約1〜20MHzの範囲の振動数で交番することを特徴とする請求項24に記載のミキサ。
【請求項26】
交番して加えられる力の位相差が約180°に相当し、前記交番して加えられる力に相応する圧縮波/膨張波を発生させることを特徴とする請求項25に記載のミキサ。
【請求項27】
アクチュエータペアによって発生した前記圧縮波/膨張波が強化されるように、各アクチュエータペア部材の前記交番して加えられる力が、他方のペア部材と同期されることを特徴とする請求項26に記載のミキサ。
【請求項28】
前記複数のアクチュエータペアの各ペアが互いに同期し、かつ共通の制御信号を共有していることを特徴とする請求項27に記載のミキサ。
【請求項29】
前記複数のアクチュエータペアの各ペアが互いに同期しておらず、かつ共通の制御信号を共有していないことを特徴とする請求項27に記載のミキサ。
【請求項30】
各アクチュエータペアに対する各制御信号が、所定の位相だけシフトしていることを特徴とする請求項29に記載のミキサ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、概して複数の流体を混合する分野に関し、詳しくは、多孔質媒体内に取り込まれた流体の各相を一様に混合する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学反応を行うには、流体の混合を必要とすることが多い。たいていの化学反応で反応物どうしの混合が、制御された均一な混合であることを必要とする。
【0003】
2種類以上の混和性液体を混合する従来の手段は、機械的な操作を行って攪拌し、流体の力を利用して比較的大きな流速に対応する局所領域を作り出すことである。この大きな流速は、流れ場の中に局所的な乱流力を作り出すように作用する。乱流は液体どうしの間に接触面をもたらし、各流体成分が互いの中に拡散し合うことで均一に混合されるようにする。
【0004】
ここでの混合は、典型的には歯車の潤滑用の油ジェットポンプに使用されるように、油と空気のように互いに混和性のない流体を均一に混合することも含める。油と空気は化学的には混和性がないが、機械的には混合することが出来る。均質化という用語は、互いに混和性のない物質の混合に対して使用されることが多い。
【0005】
超音波ミキサは、圧電トランスジューサを使用して振動を発生する。高粘度、あるいは非混和性などの高い負荷条件で、所望の振幅および強度を維持するために、大きな出力が必要とされることがある。
【0006】
反応物を収容するためにポリマー膜のような多孔質媒体を使用する場合、平衡拡散を行うことに課題がある。液体と気体のバルク混合には超音波ミキサが採用されているが、多孔質材料に対しては、これまで良い結果が得られていない。多孔質物体の内部での混合を強化するために知られている唯一の典型的な方法は機械的操作であるが、この方法は、どの場合についても実行可能あるいは望ましいとは限らない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多孔質媒体の内部で、制御された素早い混合が望まれている。この混合ができれば、化学反応装置や燃料電池などに使用されているような多孔質媒体を収容する合成ユニットのための物理的な部品パッケージを、さらに小型化することができるであろう。
【0008】
機械的な操作による混合装置には様々な型式のものがあるが、それらのミキサは多孔質媒体にとって完全に満足できるものではない。本件の発明者は、多孔質媒体内に取り込まれた流体の各相を一様に混合するための装置および方法を得ることができれば望ましいことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの形態は、多孔質材料のミキサを提供する。本発明のこの形態によるミキサは、少なくとも1つの多孔質材料を保持する容器と、容器の少なくとも1つの壁に音響的に結合されて波動を発生させる少なくとも1つのアクチュエータと、少なくとも2種類の混合される流体を受け入れるために容器にある少なくとも1つの導入孔と、を備え、波動が少なくとも2種類の流体に作用して混合を促進することを特徴とする多孔質材料のミキサである。
【0010】
本発明の他の形態は、多孔質材料内で少なくとも2種類の流体を混合する方法を提供する。本発明のこの形態による方法は、少なくとも1つの導入孔と、少なくとも1つのアクチュエータに結合された少なくとも1つのリニアモータと、を備え、アクチュエータが壁に音響的に結合されてなる混合容器の内部に流体を流入させるステップから始まり、所定の振動数の制御信号を使って少なくとも1つのリニアモータを励振するステップと、容器の内部で流動が生じるように、アクチュエータの音響的結合および所定の振動数によって定まる圧縮波/膨張波を発生させるステップと、を含む。
【0011】
本発明の1つまたは複数の実施例を、添付の図面を参照して記述する。本発明の他の特徴、目的および利点は、以下に示す記述、図面および請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施例を添付の図面を参照して説明するが、類似した参照番号は全体を通じて類似の要素を表す。更に明細書で使用する表現および用語は説明の目的で使用されるものであり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。「含む」、「からなる」、「有する」および類似の言葉が使用された場合、その後に列記されているものだけではなく、その等価物および追加品目も包含することを意味する。「取り付けられた」「接続された」および「結合された」という用語は広い意味に使用され、直接的または間接的な取り付け、接続、結合を包含する。更に、「接続された」および「結合された」は、物理的または機械的な接続あるいは結合に限定されない。
【0013】
本発明は、粘性がある状態または気体相で、混和性または非混和性の少なくとも2種類の流体あるいは反応物を、多孔質媒体内で一様に混合するための装置および方法である。本発明は、流体を一様に混合することを必要とするどの用途にも使用することができる。
【0014】
図1は、多孔質媒体103内に流入した反応物を混合するためのミキサ101を示す。ミキサ101には、少なくとも1つの多孔質媒体103、例えば有害廃棄物を酸化するために使用される多孔質セラミックス、水素を発生するために触媒またはパラジウムで被覆された金属膜を持つ流動床、イソプロピルアルコールの無水化あるいは二酸化炭素とメタノールから炭酸ジメチルの合成に使用するシリカ・アルミナ膜、酵素を吸着するための対称疎水性ナイロン66膜、その他の媒体が、剛性のある容器105内に収容されている。この容器を形成することができる材料は、音波を伝達し、かつ混合される流体と適合性を持つ材料であり、例えばステンレス鋼、セラミックス、プラスティック等を含むが、これらに限定されない。例示した実施例は立方体であるが、ミキサの用途および本発明の教示に従って、他の容器の形状および構成を採用してもよい。
【0015】
好適な実施例では、多孔質媒体103との相互作用を介して互いに混合される反応物AおよびBを受け入れるための2つの導入孔107,109を有する。導入孔107,109と垂直に、排出孔108、110を設けることができる。実施例では、導入孔107,109および排出孔108、110は、容器105について互いに対面に配置されている。しかし、容器105の隣接する側面または同じ側面に、導入孔107,109および排出孔108、110を配置することができ、それ以外の適切な位置に配置することもできる。
【0016】
容器について互いに対面に配置されたアクチュエータ111、113が、圧電トランスジューサ115、117のような少なくとも1つのリニアモータからの直線的な運動を、制御された圧縮波動/膨張波動に変換し、多孔質媒体103内で混合を促進させる。(1つまたは複数の)圧電トランスジューサ115、117は、例えば櫛歯状電極アクチュエータ(interdigitated electroded actuators)、多数の延伸フィラメントを重ねた積層圧電複合体、圧電ウェーハアクチュエータ、またはこれら以外であってもよい。実施例では、圧電トランスジューサ115、117が、多孔質層の幅の約1〜20%の範囲で変形あるいは直線的な変位を発生させる。この変形あるいは変位は、可変振幅の制御信号によって励振される際の技術的操作に依存して、約0.1μm〜1.0cmの範囲になる。容器の内容積は、1つの単独層あるいは複数種類の多孔質媒体のサンドイッチ構造を収容していてもよいし、複数種類の多孔質媒体で完全に充填されていてもよい。トランスジューサは、固定振動数の制御信号または可変振動数の制御信号が印加されたとき、可聴域から超音波までの振動数で振動することができる。振動数を、約10kHz〜100MHzの範囲にすることができる。圧電トランスジューサ115、117は、励振を行うために、可変振動数を発生させる発振器に電気的に結合している(図示せず)。
【0017】
圧電トランスジューサプレートは、概してプレートに垂直な軸に沿った運動に応じて変形する。通常は長方形である櫛歯状電極アクチュエータでは、長手方向に変位する。図1に示した実施例では、櫛歯状電極アクチュエータを使用している。
【0018】
多孔質媒体103は、3次元方向に柔軟性があるので、容器105の少なくとも2つの側壁119、121で、制御された波形が多孔質媒体103に印加されることを可能にする音響インピーダンス(acoustical impedance)を示す。好適な実施例では、トランスジューサ115、117は、固定した支持具およびアクチュエータ111,113に結合されている。トランスジューサ115、117による変位は、往復運動できるように軸支されていることもある各アクチュエータ111,113に伝達される。
【0019】
図2に示す2つのトランスジューサ115、117を有するミキサ101では、多孔質媒体の半分に圧縮波203が加えられ、多孔質媒体の残りの半分に相補的な膨張波201が印加される。図3は、トランスジューサ115、117が正の変位を行っているときに、加えられる力が交番する性質を示している。各アクチュエータ111,113は、圧縮波203/膨張波201を交互に加える。各トランスジューサ115、117による励振は、互いに調和している。
【0020】
アクチュエータ111,113は、トランスジューサ115、117からの直線的な変位を圧縮波203/膨張波201に変換して、側壁119、121を介して多孔質媒体103の内部に間接的に伝達する。各アクチュエータが採用する少なくとも2対の音響結合点205、207、209、211は、アクチュエータ111,113に応じて互いに所定の距離だけ離間している。各点205、207、209、211は、トランスジューサ115、117から多孔質媒体103への音響エネルギーの点源として作用する。
【0021】
図4は、ミキサ101内における初期段階の反応物の位置を示す。ミキサの各導入孔107、109がある側面の位置で、反応物AおよびBの初期濃度が与えられる。この図は、容器105の中央点で振動がない緩やかな拡散の様子を示している。各反応物は、ゆっくり内側へ拡散し、多孔質媒体の中央に向かっている。反応物AおよびBの濃度が、容器の幅の約1/2のあたりで平衡値に達するように、反応物Aは、反応物Bが占める空間内にゆっくりと拡散し、またその逆も生じている。ミキサの寸法は、所望の生産性を達成するのに必要とされる大きさにつくられている。
【0022】
図5は、容器105の中央点で振動がない緩やかな拡散の様子を示している。各流体は、ゆっくりと内側へ拡散し、多孔質媒体の中央に向かっている。反応物AおよびBの濃度が容器105の幅の約1/2のあたりで平衡値に達するように、反応物Aは、反応物Bが占める空間内にゆっくりと拡散し、またその逆も生じている。ミキサの寸法は、所望の生産性を達成するのに必要とされる大きさにつくられている。
【0023】
図6は、図5に示されるものと同じ反応物の濃度を、発明101によって印加した圧縮波/膨張波を時間的に凍結した状態で示している。各トランスジューサ115、117は、10MHzの振動数で励振される。この図は、機械的な操作を加えずに圧縮波/膨張波を印加したときに、反応物の混合が向上した様子を示している。
【0024】
図5および図6に示した多孔質媒体103のパラメータは、トーリー紙(Torrey paper)のパラメータである。トーリー紙は、燃料電池の用途に使用される多孔質材料である。気孔率は、材料の全体積に対する自由空間の比を表す無次元量である。多孔質媒体103内での濃度の平衡状態への変化は、振動の1周期あたり、1.8×10-7と算出された。この数値は、振動の1周期に等しい時間に、無次元量としての濃度(全体積に対するAとBが占める体積の比)が1.8×10-7だけ変化したことを示す。0.00000018という値は小さいが、
ν=1/t (1)
ここでνは振動数、tは周期であり、10MHzの周期は非常に短い時間なので、10MHz以上の振動数では、短い時間の間に濃度は相当に変化する可能性がある。
【0025】
図6は、ミキサ101を使用したときに、多孔質媒体103内で、平衡状態への濃度変化が、振動の1周期あたり0.4×10-5であることを示している。本発明を用いると、サンプル幅の0.1倍に等しい振幅を持つ10MHzの励振を使用すると、選択された多孔質媒体での混合が、約22倍に加速する。言い換えると、容器の厚さの1/10に等しい振幅を持つ10MHzの振動を印加することにより、振動がないときと比較して平衡状態への濃度変化が22倍速められる(1.8×10-7に対して0.4×10-5の割合)。
【0026】
本発明による圧縮波/膨張波を使って多孔質媒体103に音響的な擾乱を与えることにより、自然拡散による混合と比べて、20倍以上に反応物の混合を速める。圧縮波/膨張波が印加されたときにできる多孔質媒体103内にある多相流は、2種類の反応流体が多孔質のサンプル内で自然拡散する場合と比較して、混合が劇的に向上することを現している。
【0027】
図1に示した実施例は、少なくとも1つの多孔質媒体の内部で、少なくとも2種類の反応物の混合を加速および制御する方法の概要を示す一例である。図7は、他の実施例による本発明701を示す。この実施例では、4対のトランスジューサ/アクチュエータ705、707、709、711、713、715、717、719を採用している。
【0028】
これらのアクチュエータ/トランスジューサ705、707、709、711、713、715、717、719によって与えられる波動が、少なくとも1つの多孔質媒体721の対向する2つの面に、力を及ぼすように構成され、この多孔質媒体721は、微小流路プレナム(図示せず)を介して流入された初期段階では分離している液体A〜Iを収容している。本発明のこの流動は、各トランスジューサによる変位が調和するように、同期される。トランスジューサ/アクチュエータ705、709、713、717、およびトランスジューサ/アクチュエータ707、711、715、719は、それぞれ同じトランスジューサアセンブリの上部部分および下部部分とすることができる。これは、N個の独立したトランスジューサ(各アクチュエータに対して1つのトランスジューサ)を使って力を同期させるかわりに、N/2個のトランスジューサを一体のものとして設計し、超音波エネルギーの1つの発生源を分割して印加が必要な点源に超音波を送ることで、力を同期させることを意味する。
【0029】
多孔質媒体に適用される音響的擾乱の波形および振動数を変更することにより、任意の多孔質媒体の構造および形状で混合速度を最適化することができる。更に、トランスジューサを同期させる方法をハイブリッド化することにより、混合効率を更に最適化することができる。その場合、アクチュエータ/トランスジューサ705/707、709/711、713/715、717/719の各々のペアは、他のペアと完全に同期すなわち同位相である必要はなく、他のペアから所定の位相だけシフトして動作してもよい。
【0030】
本発明の様々な実施例を採用することができる他の代表的かつ例示的な用途として、例えば改質水素燃料電池および/または直接メタノール燃料電池の中で、メタノールと水を混合するために使用する。また本発明の様々な実施例は、気体、液体、気体−液体混合物をはじめとして種々の流体どうしを混合する能力を示している。他の代表的な用途として、マイクロ反応装置および/またはマイクロ燃焼室を提供する燃料どうしの混合がある。
【0031】
本発明の1つまたは複数の実施例を記述したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに様々な変更がなされ得ることを理解されたい。したがって、他の実施例も本発明の請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】例示的な超音波多孔質媒体のミキサの上部カバーを取り外した斜視図。
【図2】図1の超音波ミキサの第一の位置における平面図。
【図3】図1の超音波ミキサの第二の位置における平面図。
【図4】多孔質媒体内における2種類の混和性のない流体の初期分布を示すグラフ。
【図5】音響波を印加しない多孔質媒体の内部における液体Aの方向を示す図。
【図6】本発明によるミキサを使用した場合の図5の濃度と液体Aの方向を示す図。
【図7】他の実施例を示す図。
【出願人】 【識別番号】590005449
【氏名又は名称】ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【出願日】 平成19年8月17日(2007.8.17)
【代理人】 【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛

【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔


【公開番号】 特開2008−49337(P2008−49337A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2007−212539(P2007−212539)